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JP3574374B2 - 連続式乾燥機 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、合成樹脂の重合処理などの後に溶剤等の液体成分を除去したり、処理廃液からの溶剤等の液体成分を回収したり、各種無機物などから水分を除去するための連続式乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂を有機溶剤中で重合処理をする場合などには、その後処理工程において溶剤等の液体成分を除去する乾燥処理を行う必要がある。また、処理廃液から溶剤等の液体成分を回収するために乾燥処理を行うことも必要になる。さらに、化学原料や各種無機物から水分を除去するために乾燥処理が必要になる場合もある。
【0003】
このような乾燥処理を行う装置として、図4及び図5に示すように、一端に被処理物の投入口1を、他端にその排出口2を設けた横型のトラフ3内に一対の攪拌羽根31を水平に配設した連続乾燥機が知られている。前記攪拌羽根31は中空の回転軸4と、その外面に設けられた順送りスクリュー5、逆送りスクリュー6などの攪拌部材を備えている。また、トラフ3の外側のケーシング7との間にジャケット部8が形成されている。
【0004】
そして、中空の回転軸4やジャケット部8に熱媒体を流すことにより被処理物を間接加熱しつつ、攪拌羽根31によりトラフ3内を移送させる際に、被処理物中に含まれる液体成分を蒸発させて乾燥を行っている。
【0005】
このような連続式乾燥機において、被処理物中の液体成分を除去しやすくするために、トラフ3の上部を開放し、この開放部を側壁9及び端壁10で囲い、これらの壁の上側に天井板11を取り付けて蒸気室12が形成されている。また、天井板11の長手方向に適宜の間隔で、排気口13が設けられおり、各排気口13は、図示省略した真空ポンプなどの減圧装置に接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、投入口から投入された直後の被処理物は液体成分が多く含まれているために、液体成分が一気に蒸発し多量の蒸気が発生しやすい。このため、被処理物の性質によっては、蒸気の発生しやすい場所、すなわち、蒸発活性域で、多量の泡が発生し、攪拌羽根31の上部の蒸気室12に溢れかえることがある。
【0007】
この泡により被処理物が持ち上げられ、図6(a)に示すように、被処理物が前記蒸気室12の側壁9に付着し、その付着物14はスクリュー5などの攪拌部材の上部を覆うように成長する。また、液体成分が一気に蒸発すると被処理物の流動性が悪くなり、被処理物がスクリュー5に噛み込まれず、上記と同様にスクリュー5の上に持ち上げられることも考えられる。そして、これらは、前記排気口13を塞いだり、時間の経過とともに前記の間接加熱の影響により熱劣化して変質し、異物となって乾燥処理物に混入するなどの悪影響を与える。
【0008】
さらに、図6(b)に模式的に示すように、被処理物中の溶質成分15が蒸気流16によって押し上げられて蒸気流16とともに前記排気口13まで流れる現象が生じやすい。
【0009】
これらの被処理物の膨れ上がり現象は、乾燥処理条件によっては、投入口1近傍の蒸気室12のみならず、徐々に成長して、トラフ3の半分以上の長さの蒸気室12に達することがある。
【0010】
このような問題点を解消するため、被処理物の膨張状態に合わせてトラフ3内での被処理物の充填高さ又は蒸気室12の高さを上げたり、蒸気流の上昇する速度を遅くするため、排気口13の大きさや数を増加したりする工夫が従来からなされてきた。
【0011】
しかし、前述のような工夫をしても、付着性の高い被処理物については、蒸気室12の側壁9に溶質成分が付着するという問題は依然として解消しない。また、むやみに排気口13を大きくしたり、その数を増加すると、前記乾燥機のメンテナンスが行いにくくなる。
【0012】
そこで、この発明の課題は、攪拌羽根の上部に被処理物が溢れかえって排気口を塞いだりすることや蒸気室の側壁に被処理物が付着成長し、異物となって被処理物中に混入することを防止して、健全な乾燥処理物を得ることのできる連続式乾燥機を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
【0014】
即ち、一端に被処理物の投入口を、他端にその排出口を設けた横型トラフ内に複数の撹拌羽根を配設し、これら撹拌羽根上方のトラフ内を蒸気室に形成し、前記蒸気室の上部に設けた天井板に長さ方向に所定の間隔をおいて複数の排気口を設け、前記被処理物を加熱しながら攪拌を行い、トラフ内を移送する過程において前記被処理物中に含まれる液体成分を蒸発させ、その蒸気を前記排気口から外部に排気させる連続式乾燥機において、前記トラフの投入口側端部から蒸発活性域の全部又はその大半を含む範囲に前記攪拌羽根に接近してそれらを覆う抑制板を設ける構成としたのである。
【0015】
上記の構成により、被処理物中に液体成分が多く含まれているために蒸発量が多い蒸発活性域において、その液体成分の蒸発に伴って発生する泡や蒸気流によって押し上げられる溶質成分が抑制板に接触して遮られ、泡が攪拌羽根の上部に溢れかえることや溶質成分が蒸気流とともに排気口まで流れるといった膨れ上がり現象を防止することができる。
【0016】
また、蒸発活性域から発生する蒸気流は抑制板の先端を迂回して排気口に達するため、蒸発活性域の天井板の排気口から直接排出されることはない。このため、蒸発活性域から排気口までの距離が実質的に遠くなり、蒸気流に伴って被処理物が排気口まで飛散することが生じにくくなる。
【0017】
その結果、排気口が閉塞したり、被処理物が蒸発活性域の側壁に付着成長し、熱劣化により変質し異物となって被処理物に混入するなどの問題が解消される。
【0018】
さらに、抑制板を攪拌羽根に接近して設けていることにより、前記の泡が抑制板と攪拌羽根との間隙ですり潰され、蒸気だけが抑制板の先端へと流れることになる。また、抑制板によって、流動性の低下した被処理物も攪拌羽根に巻き込まれることになり、被処理物の乾燥が有効に継続され、被処理物中の液体成分が所望の含有率になるまで低減させることができる。
【0019】
蒸発活性域の長さは被処理物中の液体成分の含有率やその性質、加熱温度、被処理物の移送速度などの乾燥処理条件によって変化し、被処理物中の液体成分の含有率が比較的低い場合など前記処理条件によっては、蒸発活性域の大半に抑制板を設けることにより、前記の現象を防止することが可能である。
【0020】
前記抑制板の先端がトラフの長さの中程までであることが望ましい。前述のように、蒸発活性域の長さは乾燥処理条件や被処理物の性質によって変化するが、通常の場合、トラフの長さの中程までの範囲に含まれる。抑制板を必要以上に長く設けると、蒸発活性域から発生する蒸気流が抑制板の先端を迂回して排気口まで到達する距離が長くなりすぎて排気能力が低下し、また、抑制板の前方の蒸気室自体が短くなり、蒸気の排出に支障をきたすからである。
【0021】
前記抑制板の下面の形状を前記攪拌羽根の先端の回転軌跡に沿うように形成することにより、抑制板と攪拌羽根の前記回転軌跡との間隙がほぼ一定となるため、剪断作用が増して前記の泡をより有効にすりつぶすことができ、抑制板の先端への蒸気流の通路が確保される。
【0022】
なお、前記回転軌跡は攪拌羽根がスクリューの場合、その外周となる。
【0023】
前記抑制板と、この抑制板の上面の両端部に設けた端板と、この端板の上端間に設けた上板とにより抑制板ユニットが形成され、前記端板及び上板に蒸気の通過口が形成され、所要数の前記抑制板ユニットを突き合わせて前記天井板の下面に取り付ける構成をとることができる。
【0024】
上記の構成により、抑制板の前記トラフ内への取り付け・取り外しが容易となり、ユニット単位のため、抑制板を設ける長さ範囲を容易に変えることができる。
【0025】
前記抑制板の内部に熱媒体を流通させる流路を形成する構成をとることができる。この構成によって抑制板自体を加熱することにより、気化潜熱による被処理物の温度降下を防止できる。また、抑制板による被処理物への間接加熱効果もある。その結果、被処理物の乾燥がより有効に継続される。
【0026】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を添付の図1から図3に基づいて説明する。
【0027】
図1及び図2に示すように、この発明の実施形態の連続式乾燥機は、横型のトラフ3の内部に一対の平行な攪拌羽根31を配設した2軸タイプであり、該攪拌羽根31は中空の回転軸4と、その外面に設けられた順送りスクリュー5、逆送りスクリュー6などの攪拌部材を備えている。
【0028】
前記トラフ3の一端には被処理物の投入口1が、他端にはその排出口2が設けられている。トラフ3の上部は開放され、この開放部を側壁9及び端壁10で囲い、これらの壁の上側に天井板11を取り付けて蒸気室12が形成されている。天井板11には長手方向に適宜の間隔で排気口13が配置されており、蒸気室12を減圧するために、前記排気口13は図示省略した真空ポンプに接続されている。トラフ3とその外側のケーシング7との間に形成されたジャケット部8及び回転軸4の内部には被処理物を間接加熱するための熱媒体が流通している。なお、攪拌部材を中空構造とし熱媒体を流通させることができる。
【0029】
回転軸4には順送りスクリュー5がトラフ3の投入口1側の端部から排出口2に至るまでの範囲に取り付けられている。この順送りスクリュー5は、被処理物の攪拌作用を高めるため、回転軸4を挟んだ対向する位置でスクリュー外周部の一部を切り取った形状に形成されている。また、その切り取り部17の一端には先端には、スクリュー5の外径と略同径の爪の外面に取り付けられたスクレーパ18が設けられている(図2(a)、(b))。
【0030】
排出口2とトラフ3の排出口2側の端部との回転軸4の部分には逆送りスクリュー6が取り付けられている。この逆送りスクリュー6は被処理物を押し戻して排出しやすくする。
【0031】
被処理物を排出しやすくするため、トラフ3の排出口2側の端部から排出口2の入側に至る逆送りスクリュー6及び順送りスクリュー5の上部に接近して、フード19が設けられている。
【0032】
トラフ3の投入口1側の端部から長手方向に、トラフ3の長さのほぼ中程まで順送りスクリュー5に接近してそれらを覆う抑制板20が設けられ、この抑制板20の先端から排出口2にかけて蒸気室12を残存させている。
【0033】
抑制板20は、その下面の形状がスクリュー5の先端の回転軌跡即ち外周に沿うように形成されている(図2(a)参照)。抑制板20と、その上面の両端部に設けた端板21、21’と、これらの端板21、21’の上端間に設けた上板22とにより、抑制板ユニット23が形成され、端板21、21’には蒸気の通過口24a、24bが、上板22には蒸気の通過口24cが各々設けられている。端板21、21’の幅は抑制板20の幅よりも若干狭く形成されている。この抑制板ユニット23が2つ突き合わせて図示していないボルトにより前記天井板11の下面に取り付けられており、前述のように、抑制板20の先端が前記トラフ3のほぼ中程に位置している。
【0034】
また、抑制板20と前記側壁9との間には、取り付けを容易にし、かつ、発生する蒸気の圧力を逃がすため、前記溶質成分15が通過しない程度の若干の間隙が保たれている。
【0035】
蒸発活性域の長さは前述のように、被処理物中の液体成分の含有率やその性質、順送りスクリュー5の回転速度、即ち被処理物の移送速度等によって変化するが、通常の乾燥処理条件では、前記トラフ3の投入側端部からトラフ3の中程、即ちおよそ50%までの範囲に含まれる。従って、この範囲まで抑制板20を設けることが妥当である。抑制板を必要以上に長く設けると、蒸発活性域から発生する蒸気が抑制板の前端を迂回して排気口まで到達する距離が長くなりすぎて排気能力が低下し、また、蒸気室12自体が短くなって液体成分を充分に除去することに支障をきたす。
【0036】
なお、抑制板20が短すぎると、従来技術で示した問題が発生するので、前記トラフ3の投入側端部からトラフ3の長さの約1/5以上を覆うようにする必要がある。抑制板20の長さは、被処理物の側壁9への付着状況に応じて変更するのが望ましく、トラフ3の長さの1/4以上あるいは1/3以上等とすることもできる。なお、投入口1は、抑制板20が設けられた範囲内に設置しておく必要がある。また、図示の例では、投入口1をトラフ3の下側に設けているが、横側に設けたり、抑制板20を貫通させて上側に設けることもできる。
【0037】
なお、抑制板20はその両端部に設けた端板21、21’を直接天井板11に溶接して固定する前記天井板11と一体化した構造としてもよい。
【0038】
この発明の実施形態は以上のような構成であり、以下にその作用について説明する。
【0039】
投入口1から供給された被処理物がトラフ3内でジャケット部8に流通する熱媒体により間接加熱され順送りスクリュー5により、攪拌されながら移送される。
【0040】
この過程において、被処理物が加熱されることや、トラフ3内が減圧されていることより、被処理物中の液体成分が蒸発して蒸気となる。投入された直後の被処理物は液体成分を多量に含んでおり、攪拌羽根31により移送されるにつれて徐々に蒸発する。このため、トラフ3の中程まで移送されると液体成分が少なくなり、蒸気の発生が少なくなるが、投入口1近傍からトラフ3の中程までは蒸気の発生しやすい蒸発活性域となりやすい。
【0041】
この蒸発活性域で発生した蒸気は、順送りスクリュー5と抑制板20との間隙を通過し、抑制板20の先端を迂回し、通過口24a、24bから抑制板ユニット23内の蒸気流の通過空間25に達し、そこから通過口24cを通って排気口13から排出される。
【0042】
前述のように、蒸発活性域では、液体成分の蒸発に伴って泡が多く発生するが、抑制板20によってこれらの泡が抑さえられ、順送りスクリュー5により攪拌されることになる。この時、泡が崩壊し、蒸気だけが前述の経路をたどって排気口13から排出される。このため、被処理物が泡と一緒に蒸気室に持ち上げられることがない。また、液体成分の蒸発に伴い、被処理物の流動性が悪くなるが、順送りスクリュー5に噛み込まれるので、被処理物が蒸気室に持ち上げられることがない。
従って、蒸発活性域の側壁9での付着成長や排気口13での閉塞の恐れがなく、熱劣化によって異物となって乾燥処理物に混入することが防止される。
【0043】
また、蒸発活性域から発生する蒸気流は、前述のように、抑制板20の先端を迂回して排気口13に達するので、前記蒸発活性域の天井板11に配置された排気口13から直接排出されることはない。このように蒸発量の多い蒸発活性域から排気口までの距離が実質的に遠くなるので、蒸気流に伴って被処理物が排気口13にまで飛散することが生じにくくなる。
【0044】
さらに、抑制板20の下面形状はスクリュー5の外周に沿うように形成されているため、それらの間隙がほぼ一定となって、剪断作用が増して前記泡がより確実にすりつぶされるため、蒸気だけが抑制板20の先端へと流れる。
【0045】
被処理物が蒸発活性域を通過すると、発生蒸気量は減少するので、前述の排気口13の閉塞、側壁9への被処理物の付着などの問題を引き起こすことはなくなる。このため、抑制板20を設ける長さを、前述のように必要な範囲に限定して蒸気室12を残存させることにより、被処理物中の液体成分を所望の含有率になるまで低減させることができ、この乾燥処理物が排出口2から排出される。
【0046】
また、抑制板20は前述のようにユニット単位で取り付け・取り外しができるため、抑制板20を設ける範囲を容易に変えることができる。
【0047】
この発明の他の実施形態として、図3に示すように、抑制板20の内部に熱媒体の入口26及び出口27を有する流路28を形成し、この入口26及び出口27に熱媒体の供給管29及び排出管30を取り付け、矢印で方向を示したように熱媒体を流路28に流通させる構成をとることができる。
【0048】
抑制板20自体を加熱することにより、気化潜熱による被処理物の温度低下を防止でき防止できる。また、抑制板20による被処理物に対する加熱効果もある。その結果、液体成分の蒸発が促進され、被処理物の乾燥処理がより有効に実施される。
【0049】
【実施例1】
スクリュー外径100mmの2軸タイプの連続乾燥機を用い、スクリュー5の上部に接近してトラフ3の投入口1側の端部から、トラフ3の約50%の長さ範囲に抑制板20を設け、ジャケット部8に熱媒体を流通させて加熱温度を200℃とし、蒸発室12を排気口13に連通した真空ポンプにより50〜100torrに減圧した後、溶剤75wt%を含む樹脂溶液の被処理物を24kg/hの供給能力で投入口1から供給し、回転数が30〜60rpmで順送りスクリュー5により攪拌しながら移送し、乾燥処理を実施した。その結果、前述の被処理物の膨れ上がり現象や蒸気室側壁への付着の問題は解消し、乾燥能力を低下させることなく目標とした溶剤含有率1%まで被処理物を乾燥させることができた。
【0050】
一方、抑制板20を設けなかった場合には、前記投入口1側の端部からトラフ3の30〜40%の範囲において被処理物の膨れ上がり現象や蒸気室の側壁9への多量の付着が認められた。
【0051】
この場合、前記30〜40%の長さの範囲が蒸発活性域と見なされる。
【0052】
【実施例2】
前記抑制板20を設けず、蒸気室をおよそ40torrに減圧し、順送りスクリュー5の回転数が60rpmのほかは実施例1の場合と同じ処理条件で、投入口1からの供給能力20kg/hで溶剤20wt%を含む処理廃液の被処理物を乾燥処理したところ、2時間の処理時間で、トラフ3の投入側端部からトラフ3の約60%の長さ範囲において被処理物の膨れ上がり現象や蒸気室12の側壁9への付着が認められた。
【0053】
これに対し、抑制板20をトラフ3の投入側端部から、トラフ3の30%の長さ範囲に設け、上記と同様の乾燥処理を実施した場合には、前記の膨れ上がり現象や付着の問題は解消された。
【0054】
この場合、実施例1の場合よりも順送りスクリュー5の回転速度、即ち被処理物の移送速度が速いため、蒸発活性域を越えて前記の被処理物の膨れ上がり現象や蒸気室の側壁9への付着現象を生じたもので、蒸発活性域自体は、トラフ3の50%の長さ以内であると見なされる。また、被処理物中の液体成分の含有率が比較的低いため、前記抑制板20を蒸発活性域の大半の長さに設けることにより前記の現象を防止できたと考えられる。
【0055】
実施例1及び2に示したように、乾燥処理条件に対応して、トラフ3の投入側端部から抑制板20を所要長さの範囲に設けることにより、前記の現象を防止できることが検証された。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、前述のようにトラフの投入口側端部から蒸発活性域の全部又は大半を含む所要長さの範囲に攪拌羽根の上部に接近して、それらの上部を覆うように抑制板を設けたので、被処理物中の液体成分の蒸発に伴って発生する泡や蒸気流によって押し上げられる溶質成分が前記抑制板によって遮られ、泡はすりつぶされ、溶質成分は攪拌羽根に巻き込まれて被処理物中へ戻される。また、また、液体成分の蒸発により被処理物の流動性が悪くなっても、確実に攪拌羽根に巻き込まれる。そして、蒸発活性域から発生する蒸気流は抑制板の前縁を迂回して排気口に達するので、蒸気流に伴って被処理物が排気口まで飛散することが生じにくくなる。
【0057】
その結果、泡が攪拌羽根の上部に溢れかえることや溶質成分が排気口まで流れるといった被処理物の膨れ上がり現象が防止され、排気口が閉塞したり、被処理物が蒸発活性域の側壁に付着成長し、熱劣化により変質し異物となって被処理物に混入するなどの問題が解消される。
【0058】
これらにより、処理能力を低下させずに健全な乾燥処理物が得られる連続式乾燥機が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の連続式乾燥機の縦断面図
【図2】(a)図1のAーA線における断面図
(b)図1のBーB線における断面図
【図3】同上の抑制板のAーA線における断面図
【図4】従来技術の連続式乾燥機の縦断面図
【図5】図4のAーA線における断面図
【図6】(a)同上の被処理物の付着成長を示すAーA線における断面図
(b)同上の排気口への溶質成分の流出を示すAーA線における断面図
【符号の説明】
1 投入口
2 排出口
3 トラフ
4 回転シャフト
5 順送りスクリュー
6 逆送りスクリュー
7 ケーシング
8 ジャケット部
9 側壁
10 端壁
11 天井板
12 蒸気室
13 排気口
14 付着物
15 溶質成分
16 蒸気流
17 切り取り部
18 スクレーパ
19 フード
20 抑制板
21、21’ 端板
22 上板
23 抑制板ユニット
24a、24b、24c 通過口
25 通過空間
26 入口
27 出口
28 流路
29 供給管
30 排出管
31 攪拌羽根

Claims (5)

  1. 一端に被処理物の投入口を、他端にその排出口を設けた横型トラフ内に複数の撹拌羽根を配設し、これら撹拌羽根上方のトラフ内を蒸気室に形成し、前記蒸気室の上部に設けた天井板に長さ方向に所定の間隔をおいて複数の排気口を設け、前記被処理物を加熱しながら攪拌を行い、トラフ内を移送する過程において前記被処理物中に含まれる液体成分を蒸発させ、その蒸気を前記排気口から外部に排気させる連続式乾燥機において、前記トラフの投入口側端部から蒸発活性域の全部又はその大半を含む範囲に前記攪拌羽根に接近してそれらを覆う抑制板を設けたことを特徴とする連続式乾燥機。
  2. 前記抑制板を設ける範囲が前記トラフの投入側端部からトラフの長さの中程までであることを特徴とする請求項1に記載の連続式乾燥機。
  3. 前記抑制板の下面の形状が前記攪拌羽根の先端の回転軌跡に沿うように形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の連続式乾燥機。
  4. 前記抑制板と、前記抑制板の上面の両端部に設けた端板と、前記端板の上端間に設けた上板とにより抑制板ユニットが形成され、前記端板及び上板に蒸気の通過口が形成され、所要数の前記抑制板ユニットを突き合わせて前記天井板の下面に取り付けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の連続式乾燥機。
  5. 前記抑制板の内部に熱媒体を流通させる流路が形成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の連続式乾燥機。
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