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JP3574985B2 - インクジェット用記録シート - Google Patents
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JP3574985B2 - インクジェット用記録シート - Google Patents

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JP3574985B2 JP03809596A JP3809596A JP3574985B2 JP 3574985 B2 JP3574985 B2 JP 3574985B2 JP 03809596 A JP03809596 A JP 03809596A JP 3809596 A JP3809596 A JP 3809596A JP 3574985 B2 JP3574985 B2 JP 3574985B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインク用記録シートに関し、詳しくは様々な環境下でも優れた画像を出力でき、且つ搬送性に優れたインクジェット用記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータの普及に伴い、インクジェット記録方式のプリンターが急速に普及している。特に高画質が要求される印刷分野やデザイン部門においてその利用が注目されている。
【0003】
インクジェット記録方式に使用される記録シートとしては、従来、通常の紙やインクジェット用記録紙と称される支持体上にインク受容層(以下、インク吸収層とも言う)を設けた記録シートが使用されてきた。しかしながら、これらの記録シートを用いた場合、インクのにじみが多い、光沢性が低いなど、高解像度、高光沢が求められる前記分野では使用できうるものではなかった。
【0004】
更に、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用の原稿として透明支持体を用いても多孔質インク吸収層が光透過性を悪化させるという問題があった。
【0005】
これらの問題点を解決するため、光透過性が高く、水性インク受容性に優れたインク吸収層としてゼラチンを用いる事が提案されている。例えば特開昭59−255131号公報において高インク吸収層としてゼラチンを使用する事が開示され、特開昭62−263084号公報では特定pHのゼラチンから形成された受容層が開示されている。又特開平1−146784号公報には酸処理ゼラチンとフッ素系界面活性剤との併用使用が開示され、同6−64306号公報では塗布したゼラチンを一旦ゲル状態にした後、コールドドライ法により乾燥させて得られる記録シートが提案されている。
【0006】
上記公報の様に、ゼラチンを使用した受容層の場合、確かにある程度インク吸収性に優れるが、最新の高解像度化された、また高速印字化されたプリンターでプリントした場合、上記公報の技術だけではインク吸収性が不十分なために高画質なプリントを得ることができないことが確認されている。特に低温高湿環境下でプリントを行った場合、インクによるゼラチンの膨潤度が低くなり、インク吸収性が大幅に低下することが判明した。
【0007】
また、上記技術だけでは、ある種のインク、ある種のインクジェットプリンターを用いてプリントした場合、高濃度部において光沢性、透明性が低下することが判明した。
【0008】
また、ゼラチンをインク受容層に用いる場合、その受容層は温度、湿度によりその物理特性が大きく変化し、例えば、湿度変化によって膜が伸縮し、カールが発生してしまい、プリント時の搬送不良が起きてしまったり、また、高湿保存時において、ゼラチンが水分を吸収、くっつきやインクの裏うつりが発生する等の問題が起こりやすく、これらの問題は上記公報記載の技術では解決できないことが確認された。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、インクの吸収性に優れ、かつ、プリント部のマダラを防止し、光沢性あるいは光透過性に優れ、さらにはプリント部での光沢度の低下を起こさずに階調の連続性に優れた高画質で、かつ経時で画像部が貼り付いたりインクの裏うつりがなく、低温環境下あるいは高湿環境下でのプリント性能の低下を生じないインクジェット用記録シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記目的は、以下の構成により達成された。
【0011】
(1)支持体の少なくとも1方の側にインク受容層が設けられたインクジェット用記録シートにおいて、該インク受容層に少なくとも1種以上のポリアルキレンオキサイド類と少なくとも1種以上の高分子ラテックス及びゼラチンを含有するものであって、前記インク受容層が複数の層から構成され、最上層に前記ポリアルキレンオキサイド類を含有しかつ前記高分子ラテックスを含有せず、該最上層より支持体に近い側に存在する少なくとも1層に前記高分子ラテックスを含有することを特徴とするインクジェット用記録シート。
【0013】
)高分子ラテックスのインク受容層内含有量をA、前記ゼラチンのインク受容層内含有量をBとするとき、
0.1<A/B<2.0
であることを特徴とする(1)記載のインクジェット用記録シート。
【0014】
)前記ポリアルキレンオキサイド類がポリエチレングリコールであることを特徴とする()または()記載のインクジェット用記録シート。
【0015】
)前記ポリエチレングリコールの平均分子量が10,000〜500,000であることを特徴とする()記載のインクジェット用記録シート。
【0016】
)前記ポリエチレングリコールの平均分子量が50,000〜300,000であることを特徴とする()記載のインクジェット用記録シート。
【0018】
)前記インク受容層が複数の層から構成され、最上層におけるポリアルキレンオキサイド類の含有率(重量%)をCx、最上層以外の層におけるポリアルキレンオキサイド類の含有率(重量%)をCyとするとき、
Cx>Cy
を満足することを特徴とする(1)〜()のいずれか1項に記載のインクジェット用記録シート。
【0019】
)前記インク受容層が複数の層から構成され、前記高分子ラテックスと前記ポリアルキレンオキサイド類が実質的に同一層内に存在しないことを特徴とする(のいずれか1項に記載のインクジェット用記録シート。
【0020】
)前記インク受容層が複数の層から構成され、最上層にポリアルキレンオキサイド類を含有しかつ前記高分子ラテックスを含有せず、該最上層より支持体に近い側に存在する層に前記高分子ラテックスを含有し、かつ該最上層と、該最上層より支持体に近い側に存在する層の間に、前記ポリアルキレンオキサイド類と前記高分子ラテックスを含有しない層を設けることを特徴とする()〜()のいずれか1項に記載のインクジェット用記録シート。
【0022】
)支持体の両面が塗工されており、少なくとも1方にインク受容層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、該インク受容層及び該インク受容層と反対面の層(裏面層)にゼラチンを含有し、かつ該インク受容層中のゼラチン含有量(重量%)Ceと該インク受容層と反対面の層(裏面層)中のゼラチン含有量(重量%)Cbの比Ce/Cbが0.3以上2.0以下であり、かつ該インク受容層と反対面の層(裏面層)に少なくとも1種以上の高分子ラテックスを含有することを特徴とする(1)〜()のいずれか1項に記載のインクジェット用記録シート。
【0023】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0024】
本発明に用いられるゼラチンとしては、動物のコラーゲンを原料としたゼラチンであれば何れでも使用できるが、豚皮、牛革、牛骨を原料としたコラーゲンを原料としたゼラチンが好ましい。更にゼラチンの種類としては特に制限はないが、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、誘導体ゼラチン(例えば特公昭38−4854号、同39−5514号、同40−12237号、同42−26345号、米国特許2,525,753号、同2,594,293号、同2,614,928号、同2,763,639号、同3,118,766号、同3,132,945号、同3,186,846号、同3,312,553号、英国特許861,414号、同103,189号等に記載の誘導体ゼラチン)を単独またはそれらを組み合わせて用いることができる。誘導体ゼラチンを用いると、インクの初期乾燥性の点で非常に有利である。
【0025】
本発明に係るゼラチンのゼリー強度(PAGI法、ブルーム式ゼリー強度計による)としては、150g以上、特に200〜300gであることが好ましい。
【0026】
本発明で好ましく用いられる誘導体ゼラチンとは、ゼラチンの有するアミノ基、イミノ基又はカルボキシル基を置換したゼラチンを意味するが、本発明では特にアミノ基又はイミノ基を置換したゼラチンが好ましい。更に好ましくはアミノ基を置換したゼラチンであり、その例としてフェニルカルバモイル化ゼラチンやフタル化ゼラチン等が挙げられる。
【0027】
本発明において、アミノ基を置換して誘導体ゼラチンを得るための有用な置換基としては、
(a)アルキルアシル、アリールアシル、例えばアセチル及び置換、無置換のベンゾイル等のアシル基、
(b)アルキルスルホニル、アリールスルホニル等のスルホニル基、
(c)アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル等のカルバモイル基、
(d)アルキルチオカルバモイル、アリールチオカルバモイル等のチオカルバモイル基、
(e)炭素数1〜18個の直鎖、分岐のアルキル基、
(f)置換、無置換のフェニル、ナフチル及びピリジル、フリル等の芳香族複素環等のアリール基が挙げられる。
【0028】
本発明における誘導体ゼラチンは、これらの中でもアシル基(−COR)又はカルバモイル基(−CONR)によりアミノ基が置換されたものが好ましい。
【0029】
前記アシル基又はカルバモイル基のRは置換、無置換の脂肪族基(例えば炭素数1〜18個のアルキル基、アリル基等)、アリール基又はアラルキル基(例えばフェネチル基等)であり、Rは水素原子、脂肪族基、アリール基又はアラルキル基である。
【0030】
本発明において特に好ましいものは、Rがアリール基、Rが水素原子の場合である。以下、本発明において用いられる誘導体ゼラチンのアミノ基置換基の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
−誘導体ゼラチンのアミノ基置換基の例−
【0032】
【化1】
Figure 0003574985
【0033】
本発明における誘導体ゼラチンは、バンディングを防止するために、アミノ基及びイミノ基から選らばれる少なくとも一方の総量の60%以上が該アミノ基又はイミノ基と反応し得る置換基により予め置換されたものを用いるのが好ましいが、特に好ましくはアミノ基の総量の80%以上が置換された誘導体ゼラチンである。
【0034】
誘導体ゼラチンのアミノ基の置換率の算出方法は、置換前のゼラチンのアミノ基及び置換後の誘導体ゼラチンの未置換アミノ基を定量し、その差を置換前のアミノ基の量で割ることにより、置換率を求めることができる。アミノ基の定量方法としては種々の分析法を用いることができるが、例えば分析化学便覧(日本分析化学会編)改訂二版第294頁記載のホルモール法により定量することができる。
【0035】
本発明においては、インク受容層に含まれるゼラチンの塗工量としては、固形分として3〜20g/mが好ましく、さらに好ましくは5〜15g/mである。インク受容層が3g/m未満ではインクの受容性が劣り、印字後インクが受容層から溢れてしまう。更に、20g/mを越えて多い場合には、インクの受容性は向上するがバンディング及び搬送不良が発生する。
【0037】
本発明における高分子ラテックスとは、例えばビニルポリマー系ラテックスとして、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の単独重合体やアクリル、酢酸ビニル、塩化ピニル等との共重合体を指す。また、合成ゴム系ラテックスとして、ポリイソブチレン、クロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム等の単独重合体やスチレン・ブタジエン、アクリロニトリル・ブタジエン、メチルメタクリレート・ブタジエン、アクリル酸エステル等の共重合体を指す。さらにこれら各種重合体をカルボキシル基等の官能基で修飾して変性したものも含まれる。
【0038】
特に好ましい高分子ラテックスの具体例を以下に示す。
【0039】
【化2】
Figure 0003574985
【0040】
【化3】
Figure 0003574985
【0041】
本発明においては、高分子ラテックスのインク受容層内含有量をA、前記ゼラチンのインク受容層内含有量をBとするとき、
0.1<A/B<2.0
の範囲にコントロールすることにより、前述の本発明の効果をより発揮することが可能となる。このA/Bの範囲としては0.2〜1.2がより好ましい。
【0042】
本発明におけるポリアルキレンオキサイド類とは、例えばポリエチレンオキサイド類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類又は下記一般式〔P〕で示される化合物等が挙げられる。
【0043】
一般式〔P〕
O−(A−O)j1−(A−O)j2−(A−O)j3−R
式中、A,A,Aはそれぞれ置換、無置換の直鎖または分岐のアルキレン基を表すが、すべてが同一となることはない。R,Rはそれぞれ同一であっても異なっても良く、水素原子、それぞれ置換、無置換のアルキル基、アリール基、アシル基を表す。
【0044】
それぞれの置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホニル基、アルコキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基があげられる。好ましく用いられるものとしては、R、Rが水素原子であり、A,A,Aがそれぞれ無置換のものである。また最も好ましいものとしては、A,A,Aが−CHCH−又は−CH(CH)−CH−である。
【0045】
j1,j2,j3は、それぞれ0または0〜500の整数を表す。ただし、j1+j2+j3≧5である。
【0046】
これらのうちで、好ましく用いられるのはj1,j2,j3のうち少なくとも1つが15以上のものであり、さらに好ましく用いられるのは20以上のものである。
【0047】
また、本発明における一般式〔P〕で示される化合物が例えば2種類のモノマーA,Bを混ぜて共重合させた共重合体となる場合は、以下に示される配列のものも包含される。
【0048】
−A−B−A−B−A−B−A−B−A−B−
−A−A−B−A−B−B−A−A−A−B−A−A−B−B−A−
−A−A−A−A−A−A−B−B−B−B−B−B−A−A−A−A−A−
これらの共重合体となるもののうち特に好ましい化合物としては、下記一般式〔P′〕で示される、エチレングリコールとプロピレングリコールのブロックポリマー(プルロニック型非イオン)である。
【0049】
一般式〔P′〕
HO−(CHCH−O)j4−〔CH(CH)CH−O〕j5−(CHCH−O)j6−H
式中、j4,j5,j6は前記一般式〔P〕中のj1,j2,j3と同義である。
【0050】
本発明におけるポリアルキレンオキサイド類で好ましいものとしてはポリエチレンオキサイド類であり、平均分子量が10,000〜500,000の範囲にあるものが好ましく、特に好ましくはポリエチレングリコール(PEGと称することもある)で、平均分子量が50,000〜300,000の範囲のものである。
【0051】
ここで本発明におけるポリアルキレンオキサイド類の平均分子量とは水酸基価により算出した分子量である。
【0052】
本発明においては、インク受容層として複数の層を設け、その最上層におけるポリアルキレンオキサイド類の含有率(重量%)をCx、最上層以外の層におけるポリアルキレンオキサイド類の含有率(重量%)をCyとするとき、
Cx>Cy
となるようにコントロールすることにより、高いインク吸収性と高湿保存時に発生しやすいインクにじみ防止を両立することが可能となる。
【0053】
本発明における含有率とは、インク受容層構成成分の乾燥重量比率を言う。
【0054】
本発明においては、インク受容層として複数の層を設け、前記高分子ラテックスと前記ポリアルキレンオキサイド類を実質的に同一層内に存在しない層構成を持たせることにより、例えばインク液中の有機溶媒濃度が高いインクを使用するときに発生しやすいプリント後のプリント部光沢性低下を防止することが可能となる。
【0055】
さらに、好ましくは最上層にポリアルキレンオキサイド類を含有し、該最上層より支持体に近い側に存在する層に前記高分子ラテックスを含有し、かつ該最上層と、該最上層より支持体に近い側に存在する層の間に、前記ポリアルキレンオキサイド類と前記高分子ラテックスを含有しない層を設けることにより上記問題をより防止することが可能となる。
【0056】
本発明において、該インク受容層及び該インク受容層の反対側の層(裏面層)にゼラチンを含有し、かつ該インク受容層中のゼラチン含有量(重量%)Ceと該インク受容層と反対面の層(裏面層)中のゼラチン含有量(重量%)Cbの比Ce/Cbが0.3以上2.0以下であり、かつ該インク受容層の面と反対側の層(裏面層)に少なくとも1種以上の高分子ラテックスを含有することにより、高湿保存時におけるペーパーの搬送不良やくっつきが発生する等の問題を防止することができる。
【0057】
本発明において、インク受容層にはバインダーに加えて画質を向上させる目的で、インク吸収性を損なわない範囲で界面活性剤を添加することが好ましい。用いられる界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系の何れのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のものでも、異なる種類のものを併用してもよい。さらに好ましくはフッ素系の界面活性剤である。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバインダー100gに対して0.001g〜5gが好ましく、より好ましくは0.01〜3gである。
【0058】
本発明に好ましく用いられるアニオン性フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(FA)で示されるものが挙げられる。
【0059】
一般式(FA) (Cf)−(Y)
式中、Cfは少なくとも3個のフッ素原子と少なくとも2個の炭素原子を含むn価の基で表し、Yは−COOM,−SOM,−OSOM又は−P(=O)(OM)を表す。Mは水素原子又はアルカリ金属もしくは第4級アンモニウム塩の如きカチオンを表し、nは1又は2である。
【0060】
更に好ましく用いられるアニオン性フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(FA′)で示されるものである。
【0061】
一般式(FA′) Rf−(D)−Y
式中、Rfは炭素原子数3〜30のフッ素置換アルキル基又はアリール基を表し、Dは−O−,−COO−,−CON(R)−又は−SON(R)−なる結合を少なくとも一つ含む炭素原子数1〜12の2価の基を表す。Rは炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、tは1又は2であり、Yは−COOM,−SOM,−OSOM又は−P(=O)(OM)を表し、Mは水素原子又はアルカリ金属もしくは第4級アンモニウム塩の如きカチオンを表す。
【0062】
次に一般式(FA)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0063】
【化4】
Figure 0003574985
【0064】
【化5】
Figure 0003574985
【0065】
【化6】
Figure 0003574985
【0066】
【化7】
Figure 0003574985
【0067】
【化8】
Figure 0003574985
【0068】
特に好ましくは、−SON(R)−なる結合を少くとも一つ含むアニオン性フッ素系界面活性剤を使用することである。
【0069】
本発明に用いられるカチオン性フッ素系界面活性剤は下記一般式(FK)で表される化合物である。
【0070】
一般式(FK) Rf′−L−X
式中、Rf′は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、少なくとも一つの水素原子はフッ素原子で置換されている。Lは化学結合手または2価基を表す。Xはカチオン、Zはカウンターアニオンを表す。
【0071】
Rf′の例としては、−Ck+1(k=1〜20、特に3〜12が好ましい),−C2m,−C2m−1(m=2〜20、特に3〜12が好ましい)等を挙げることができる。
【0072】
Lの例としては、−SON(R)(CH−,−CON(R)(CH−,−OASON(R)(CH−,−OACON(R)(CH−,−OAO(CH−,−OA(CH−,−O(CHCHO)(CH2)−,−O(CH−,−N(R)(CH−,−SON(R)(CH2)O(CH−,−CON(R)(CHO(CH−,−OASON(R)(CHROA−,−(CH(CHOH)(CH−等を挙げることができる。
【0073】
の例としては、−N(R,−N(CHCHOCH,−NO(R),−N(R)(R)(CHCHOCH),−N,−N(R)(R)(CH,−N(R)(R)(R)等を挙げることができる。ここでR及びRは各々、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基(置換基を有してもよい)を表し、p,r,sは各々0〜6、qは1〜20である。
【0074】
の例としては、I,Cl,Br,CHSO ,CH−C6H4−SO 等を挙げることができる。
【0075】
以下に本発明に好ましく用いられるカチオン性フッ素系界面活性剤の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
【0076】
【化9】
Figure 0003574985
【0077】
【化10】
Figure 0003574985
【0078】
本発明に係るアニオン性フッ素系界面活性剤あるいはカチオン性フッ素系界面活性剤は、例えば米国特許2,559,751号、同2,567,011号、同2,732,398号、同2,764,602号、同2,806,866号、同2,809,998号、同2,915,376号、同2,915,528号、同2,918,501号、同2,934,450号、同2,937,098号、同2,957,031号、同3,472,894号、同3,555,089号、英国特許1,143,927号、同1,130,822号、特公昭45−37304号、特開昭47−9613号、同49−134614号、同50−117705号、同50−117727号、同50−121243号、同52−41182号、同51−12392号の、英国化学会誌(J.Chem.Soc.)1950年2789頁、同1957年2574頁及び2640頁、米国化学会誌(J.Amer.Chem.Soc.)79巻2549頁(1957年)、油化学(J.Japan Oil Chemists Soc.)12巻653頁、有機化学会誌(J.Org.Chem.)30巻3524頁(1965年)等に記載された方法によって合成することができる。
【0079】
これらのフッ素系界面活性剤のうち、ある種のものは大日本インキ化学工業社からメガファック(Megafac)Fなる商品名で、ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾニルス(Zonyls)なる商品名で、又、ファルベベルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で、それぞれ市販されている。
【0080】
フッ素系界面活性剤を使用する場合、アニオン性フッ素系界面活性剤とカチオン性フッ素系界面活性剤を併用することが画質向上の点で好ましい。
【0081】
本発明のアニオン性フッ素系界面活性剤とカチオン性フッ素系界面活性剤の添加割合はモル比で1:10〜10:1が好ましく、更には3:7〜7:3が好ましい。
【0082】
本発明において用いられる支持体としては、透明な支持体でも不透明な支持体でも使用目的に応じて用いることができる。
【0083】
透明な支持体としては、従来公知のものがいずれも使用でき、例えば、ポリエステル樹脂、セルロースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリイミド樹脂、セロファン、セルロイドなどのフィルムがある。これらの中で支持体の剛性、透明性の観点からポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
【0084】
このような透明支持体はその厚さが約10〜400μm程度のものが好ましく、更に好ましくは50〜300μm程度のものである。
【0085】
不透明支持体としては樹脂被覆基紙、顔料入り不透明フィルム、発泡フィルム等の従来公知のものがいずれも使用できるが、光沢性、平滑性の観点から樹脂被覆基紙、各種フィルムが好ましく、手触り感、高級感から樹脂被覆紙、ポリオレフィン樹脂被覆基紙、ポリエステル系のフィルムがより好ましい。
【0086】
好ましく用いられる樹脂被覆基紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0087】
更に、表面サイズ剤、表面紙力剤 蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面に塗布されていてもよい。
【0088】
また、ブロッキング等の接着故障を防止する目的でマット剤を0.005〜0.1g/m程度、表又は/及び裏の層に含有させることができる。
【0089】
マット剤は写真技術分野に於いてよく知られており、親水性有機コロイドバインダー中に分散可能な無機又は有機材料の不連続固体粒子であると定義できる。無機のマット剤の例としては酸化物(例えば二酸化珪素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、アルカリ土類金属塩(例えば硫酸塩や炭酸塩であって、具体的には硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、画像を形成しないハロゲン化銀粒子(塩化銀や臭化銀等で更にハロゲン成分として沃素原子が僅かながら加わってもよい)やガラス等である。
【0090】
この他に西独特許2,529,321号、英国特許第760,775号、同1,260,772号、米国特許第1,201,905号、同2,192,241号、同3,053,662号、同3,062,649号、同3,257,206号、同3,322,555号、同3,353,958号、同3,370,951号、同3,411,907号、同3,437,484号、同3,523,022号、同3,615,554号、同3,635,714号、同3,769,020号、同4,021,245号、同4,029,504号等に記載されている無機マット剤を用いることもできる。
【0091】
また、有機のマット剤の例には澱粉、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピオネート等)、セルロースエーテル(例えばエチルセルロース等)、合成樹脂等である。合成樹脂の例としては、水不溶又は難溶性合成ポリマーであり、例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィン(例えばエチレン等)、スチレン、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物などの単独若しくは組み合わせ、又はこれらとアクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等の組み合わせをを単量体成分とするポリマーを用いることができる。
【0092】
その他エポキシ樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリ塩化ビニリデン等も用いることができる。
【0093】
この他に英国特許第1,055,713号、米国特許第1,939,213号、同2,221,873号、同2,268,662号、同2,322,037号、同2,376,005号、同2,391,181号、同2,701,245号、同2,992,101号、同3,079,257号、同3,262,782号、同3,443,946号、同3,516,832号、同3,539,344号、同3,591,379号、同3,754,924号、同3,767,448号、特開昭49−106821号、同57−14835号等に記載されている有機マット剤を用いることができる。
【0094】
なかでもポリメチルメタクリレート、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合ポリマー(ベンゾグアナミン樹脂、具体的には下記式で示されるもの、例えば商品名エポスター:日本触媒化学工業(株)製:既存化学物質7−31など)、ポリオレフィン(例えば商品名フロービーズLE−1080、CL−2080、HE−5023:製鉄化学製或いは商品明ケミパールV−100:三井石油化学製)、ポリスチレンビーズ(モリテックス社製)、ナイロンビーズ(モリテックス社製)、AS樹脂ビーズ(モリテックス社製)、エポキシ樹脂ビーズ(モリテックス社製)、ポリカーボネート樹脂(モリテックス社製)等が好ましい。
【0095】
【化11】
Figure 0003574985
【0096】
これらのマット剤は併用してもよい。
【0097】
また、本発明においては、インク受容層中に下記一般式〔E〕で表される化合物を含有することが、画質、鮮鋭性を向上する点で好ましい。
【0098】
【化12】
Figure 0003574985
【0099】
式中、X,X,Y及びYは各々水酸基、ハロゲン原子、アルキル基(置換体を含む)、アリール基(置換体を含む)、
【0100】
【化13】
Figure 0003574985
【0101】
または−OR25を表す。
【0102】
ここでR21及びR22は各々水素原子、アルキル基(置換体を含む)、又はアリール基(置換体を含む)を、R23及びR24はアルキレン基(置換体を含む)を、R25は水素原子、アルキル基(置換体を含む)又はアリール基(置換体を含む)を表し、Mは水素原子又はアルカリ金属原子を表す。
【0103】
21、R22及びR25で表されるアルキル基は好ましくは炭素数1〜6であり、上記R23及びR24で表されるアルキレン基は好ましくは炭素数1〜2である。
【0104】
上記R21、R22及びR25で表されるアルキル基及びアリール基並びに上記R23及びR24で表わされるアルキレン基の置換基としてはヒドロキシ基、スルホ基、スルホアミノ基及びカルボキシアミノ基が好ましい。
【0105】
【化14】
Figure 0003574985
【0106】
の具体例としてはアルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、β−ヒドロキシエチルアミノ、ジ(β−ヒドロキシエチル)アミノ、β−スルホエチルアミノ、N−(β−スルホエチル)−N−メチルアミノ、N−(β−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ等)、又はアリールアミノ基(例えばアニリノ、o−,m−,p−スルホアニリノ、o−、m−,p−クロロアニリノ、o−、m−,p−トルイジノ、o−、m−,p−カルボキシアニリノ、o−、m−,p−ヒドロキシアニリノ、スルホナフチルアミノ、o−、m−,p−アミノアニリノ、o−、m−,p−アニジノ等)が挙げられ、
【0107】
【化15】
Figure 0003574985
【0108】
の具体例としては、モルホリノ基が挙げられ、−OR25の具体例としてはアルコキシ基(例えばメトキン、エトキン、メトキシエトキシ等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−スルホフェノキシ等)が挙げられる。
【0109】
Mで表されるアルカリ金属原子としては、例えばナトリウム原子、カリウム原子、リチウム原子であり、好ましくはナトリウム原子あるいはカリウム原子である。
【0110】
前記一般式〔E〕で示される化合物のなかで好ましい化合物はX、X、Y及びYが全て
【0111】
【化16】
Figure 0003574985
【0112】
または−OR25である化合物であり、最も好ましい化合物はX及びYの一方が−OR25、他方が、
【0113】
【化17】
Figure 0003574985
【0114】
であり、かつX及びYの−方が−OR25のとき他方が
【0115】
【化18】
Figure 0003574985
【0116】
である化合物である。
【0117】
具体的には、下記の化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0118】
【化19】
Figure 0003574985
【0119】
【化20】
Figure 0003574985
【0120】
【化21】
Figure 0003574985
【0121】
【化22】
Figure 0003574985
【0122】
【化23】
Figure 0003574985
【0123】
【化24】
Figure 0003574985
【0124】
尚、前記一般式〔E〕で表される化合物は公知の方法、例えば化成品工業協会編「蛍光増白剤」(昭和51年8月発行)8ページに記載されている通常の方法で合成できる。又、Uvitex(チバ・ガイギー社商品名)、Whitex(住友化学社商品名)等の市販品を入手することも可能である。
【0125】
例示化合物の中で特に好ましく用いられるのは、E−34,E−36,E−37である。
【0126】
前記一般式〔E〕で表される化合物は本発明の効果の観点からインク受容層中に0.1〜10重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。0.1%未満では本発明の効果が得られず、又、10%を越えると受容層の表面の光沢や透明感が失われ好ましくない。
【0127】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その秤量は30〜250g/mが好ましい。
【0128】
本発明において好ましく用いられるポリオレフィン被覆基紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出しコーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、被覆樹脂層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコーティングされる。
【0129】
本発明で好ましく用いられる基紙をコーティングするポリオレフィン被覆樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体およびこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0130】
また、ポリオレフィン被覆基紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0131】
これらポリオレフィン被覆基紙の厚みについては特に制限はないが、搬送性の観点や本発明の効果を奏する観点から50μm以上300μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは80μm以上200μm以下である。
【0132】
本発明においてインクジェットプリンタに用いられる水性インクとは、下記の着色剤、液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料或いは食品用色素等の水溶性染料が挙げられる。
【0133】
前記水性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエトチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコール、モノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2H−ピロリジノン等のピロリジノン類、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル、ピロリドン類が好ましい。
【0134】
本発明においてゼラチンと共に使用できる化合物としては、フェノール系化合物、チアゾリン系化合物、トリアジン系化合物、モルホリン系化合物、イミダゾール系化合物、グアニジン系化合物及びベンツトリアゾール系化合物が挙げられる。
【0135】
具体的な化合物としてはオルトフェニルフェノールおよびその塩(カリウム、ナトリウム)、2−オクチル−4−イソチアゾリン、ベンツイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−チオメチル−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、4−(2−ニトロブチル)モルホリン4−(3−ニトロブチル)モルホリン、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、ドデシルグアニジン塩酸塩、ベンツトリアゾールが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0136】
本発明において、ゼラチン含有層は、耐水性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンをもつ化合物、米国特許2,732,316号記載のN−メチロール化合物、米国特許3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウムの如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。硬膜剤の添加量は構成するゼラチン100gに対して0.01g〜10gが好ましく、より好ましくは0.1〜5gである。
【0137】
しかし、本発明を実施する態様としては、好ましくはインク受容層には硬膜剤を使用しない事である。すなわち硬膜剤があると本発明の効果が小さくなり、しかも硬膜が経時で変わる為インク吸収性や画像の解像度が使用する時間によって変わるという問題があり、好ましくない。
【0138】
本発明において、更に、インク受容層には界面活性剤、バインダの他、無機顔料、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することができる。
【0139】
本発明のインク受容層を形成する方法としては、サイズプレス法、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、ロッドバーコーター法、カーテン法、エクストルージョン法等、通常用いられている塗工方法が用いられる。
【0140】
塗工後の乾燥方法に特に制限はないが、特開平6−64306号の4頁に記載されているコールドドライ法は品質感の高い記録シートを得るために好ましい乾燥方法である。
【0141】
本発明において、インク受容層は単層構成でも多層構成でもよい。多層構成の例としては、特開昭57−89954号、同60−224578号、同61−12388号等に記載されたものが挙げられる。例えば、特開昭61−12388号に記載のインク透過層を本発明のインク受容層の上に更に受けてもよい。
【0142】
本発明においてインクの溶媒はインクヘッドノズルの目詰り防止の観点から水と前記有機溶媒の混合溶媒を用いることが好ましいが、この時、水と有機溶媒の混合比率は重量比で1/9〜9/1が好ましく、より好ましくは4/6〜9/1である。
【0143】
その他の添加剤としては、例えば、PH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、蛍光増白剤、マット剤、界面活性剤及び防錆剤等が挙げられる。
【0144】
本発明で言うバックコート層とは、インク受容層を有する面と反対面(裏面)に形成される層のことであり、単層でも多層構成であっても良く、実質的にインク受容層の機能を有していても良い。
【0145】
バックコート層に用いられる素材としては、インク受容層に用いたものと同様の素材を用いることができる。
【0146】
本発明においては、インク受容層中にゼラチンを用いることによりインク吸収性を改良し画質を向上すると共に、バックコート層に用いるゼラチンの塗工量を、インク受容層に用いるゼラチンの塗工量に対し、重量比で1.1以上1.9以下とすることにより、更に好ましくは1.2〜1.5とすることにより、記録シートの物理特性を安定化させ、連続搬送性を改良し、裏うつりを防止するものである。
【0147】
また、バックコート層にインク受容機能を付与しない場合は、市販の硬膜剤やマット剤等の物性改良剤を添加することが好ましい。
【0148】
その他にも添加剤としてpH調整剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、防錆剤等を適用することができる。
【0149】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0150】
実施例1
(1)支持体の作成
坪量100gの原紙の表面に低密度ポリエチレン70部と高密度ポリエチレン20部からなる樹脂組成物を20g/m塗工し、裏面に低密度ポリエチレン50部と高密度ポリエチレン50部からなる樹脂組成物を20g/m塗工し、支持体RC−1(100μm)を作成した。
【0151】
(2)インク受容層の作成
以下に示す組成の塗布液を作成し、バーコート法により塗工を行い、乾燥後のインク受容層が8.0g/mとなるようにした。
【0152】
〈インク受容層用塗布液組成〉
・ゼラチン(コニカゼラチン(株)製KV−3000タイプ) 表1参照
・ポリビニルアルコール 表1参照
・PVP−K−90(BASF社製) 表1参照
・プルロニックF−108(旭電化社製) 表1参照
・PEG150000(アルコックスR150 明成化学(株)製)表1参照
・例示化合物(1) 表1参照
・例示化合物(3) 表1参照
・例示化合物(6) 表1参照
・界面活性剤FA−3 全付量の0.2%(重量%)
・界面活性剤FK−8 全付量の0.2%(重量%)
・界面活性剤F 全付量の1.0%(重量%)
【0153】
【化25】
Figure 0003574985
【0154】
これらの試料をインクジェットプリンター(MCJ−5000C;セイコーエプソン(株)製)及び専用インクを用いて以下の方法で評価を行った。
【0155】
(光沢性評価)
K(ブラック)の均一画像部を目視にて観察し、その光沢度を評価した。
【0156】
評価基準
◎:問題なく優れている
○:若干光沢性が劣るが実用上問題のないレベル
△:光沢性低下が明らかに確認される
×:光沢が失われ、実用できない
(バンディング性の評価)
前記試料に10℃、70%RH環境下でK(ブラック)の均一画像をプリントし、そのバンディング性を目視評価する。
【0157】
評価基準
◎:バンディングは全くなく、均一な画像である
○:極く僅かなバンディングが確認されるが、実用上特に問題なし
△:一定間隔にスジ状のバンディングが認められる
×:画像の全てにスジ状のバンディングが認められる
〈インク吸収性〉
B,G,R,Kの均一画像をプリントして3分間及び10分間経過後に、市販の上質紙を重ねて、上質紙へのインクの転写の度合いを目視にて観察し、判定した。
【0158】
評価基準
◎:3分経過後に僅かにKの転写が認められるが、10分後では全く転写せず実用上問題ない
○:3分経過後に僅かにB,G,R,Kの転写が認められるが、10分後では全く転写せず、実用上問題ない
×:10分経過後にB,G,R,Kのいずれかの転写が認められ問題である
結果を表1に示す。
【0159】
【表1】
Figure 0003574985
【0160】
表1から明らかなように、本発明の高分子ラテックスとポリエチレングリコールを併用することにより、高い光沢性を有し、かつ低温高湿環境下においても高いインク吸収性を示すことが確認された。
【0161】
実施例2
ゼラチン、PVP、ポリエチレングリコール150000、高分子ラテックスの塗布液中の組成及び本発明のA/Bを表2に示すように変更する以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0162】
結果を表2に示す。
【0163】
【表2】
Figure 0003574985
【0164】
表2から明らかなように、本発明の高分子ラテックスとゼラチンの重量比率を本発明範囲にコントロールすることにより、本発明の効果を一層増大させることが可能となることが確認された。
【0165】
実施例3
ゼラチン、ポリエチレングリコール、高分子ラテックスの塗布液中組成を、ゼラチン:PEG150000:高分子ラテックス(例示化合物(1))=33:33:33とし、トータル付量を15g/mとし、使用するポリエチレングリコールの平均分子量を表2に示すように変更する以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0166】
結果を表3に示す。
【0167】
【表3】
Figure 0003574985
【0168】
表3から明らかなように、ポリエチレングリコールとして平均分子量が10000〜500000のものを使用することにより、本発明の効果を一層増大させることが可能となることが確認された。
【0169】
実施例4
以下に示す複数のインク受容層用塗布液を作成した。
【0170】
尚、支持体に近い方から第1層、第2層とする。
【0171】
〈インク受容層用第1層塗布液組成〉
・ゼラチン(コニカゼラチン(株)製KV−3000タイプ) 表4記載
・PVP−K−90(BASF社製) 表4記載
・PEG150000(アルコックスR150 明成化学(株)製)表4記載
・高分子ラテックス(例示化合物(1)) 表4記載
・有機微粒子マット剤 0.26g/m
・界面活性剤FA−3 第1層中の全付量の0.2%(重量%)
・界面活性剤FK−8 全付量の0.2%(重量%)
・界面活性剤F 全付量の1.0%(重量%)
〈インク受容層用第2層塗布液組成〉
・ゼラチン(コニカゼラチン(株)製KV−3000タイプ) 表4記載
・PVP−K−90(BASF社製) 表4記載
・PEG150000(アルコックスR150 明成化学(株)製)表4記載
・高分子ラテックス(例示化合物(1)) 表4記載
・ケイ光増白剤 E−34 0.29g/m
表4記載の試料について、実施例1で行った評価を行い、さらに以下に示すインクにじみ性についての評価も追加した。
【0172】
(インクにじみ性評価)
各上記試料に対して、レッド、グリーン、ブルー部上にブラックで文字を印字し、印字後の試料を35℃、80%環境下に2日間保存し、にじみの様子を判定した。
【0173】
評価基準
◎:各色でにじみが全くなく、文字がはっきり読み取れる
○:複雑な文字の時に若干のにじみが生じるが文字は読み取れる
△:文字全体がやや太くなり、にじみを生じているが読み取れる
×:にじみがひどく、文字が読み取れない
【0174】
【表4】
Figure 0003574985
【0175】
結果を表5に示す。
【0176】
【表5】
Figure 0003574985
【0177】
表5から明らかなように、インク受容層として複数の層を設け、最上層にポリアルキレンオキサイド類を含有しかつ前記高分子ラテックスを含有せず、該最上層より支持体に近い側に存在する層に前記高分子ラテックスを含有し、その最上層におけるポリアルキレンオキサイド類の含有率(重量%)をCx、最上層以外の層におけるポリアルキレンオキサイド類の含有率(重量%)をCyとするとき、
Cx>Cy
となるようにコントロールすることにより、高いインク吸収性と高湿保存時に発生しやすいインクにじみ防止を両立することが可能となることが確認された。
【0178】
実施例5
以下に示す複数のインク受容層用塗布液を作成した。
【0179】
尚、支持体に近い方から第1層、第2層、第3層、第4層とする。
【0180】
Figure 0003574985
Figure 0003574985
表6記載の試料について、PC−PR101,J180(NEC(株)製)及び純正のインクを用いて実施例4と同様の実験を行った。
【0181】
結果を表7に示す。
【0182】
【表6】
Figure 0003574985
【0183】
【表7】
Figure 0003574985
【0184】
表7から明らかなように、インク受容層として複数の層を設け、前記高分子ラテックスと前記ポリアルキレンオキサイド類を実質的に同一層内に存在しない層構成を持たせることにより、プリント後のプリント部光沢性低下を防止することが可能となる。
【0185】
さらに、本発明においては、最上層にポリアルキレンオキサイド類を含有し、該最上層より支持体に近い側に存在する層に前記高分子ラテックスを含有し、かつ該最上層と、該最上層より支持体に近い側に存在する層の間に、前記ポリアルキレンオキサイド類と前記高分子ラテックスを含有しない層を設けることにより上記問題をより防止することが可能となる。
【0186】
実施例6
以下に示す複数のインク受容層用塗布液を作成した。
【0187】
尚、支持体に近い方から第1層、第2層、第3層、第4層とする。
【0188】
Figure 0003574985
Figure 0003574985
表8,9記載の試料について、インクジェットプリンター(MCJ−5000C;セイコーエプソン(株)製)及び専用インクを用いて、実施例4と同様の実験を行った。結果を表10に示す。また、以下に示す評価実験を追加した。
【0189】
〈裏うつり〉
プリント後10分してプリントした試料と同じ試料(未プリント)を上から重ね、その上にA4サイズで重量約1kgの重しを載せ、裏うつりする時間を測った。
【0190】
◎:1ヵ月経っても裏うつり全くなし
○:1ヵ月経つと、ブラック部に僅かに裏うつりが認められるが全く問題なし
△:5時間経つと、ブラック部に僅かの裏うつりが生じる
×:30分で各色全てが裏うつりする
〈連続搬送性〉
A4サイズ50枚を連続搬送させ搬送性を判定した。
【0191】
◎ :全く問題なく50枚が搬送できる
○ :途中で1,2枚フィードミスがあったが手で指し直すと問題なく搬送する
△ :10枚に1枚の割合でフィードミスが発生する
× :1枚1枚手で差し直すと搬送する
××:1枚1枚手差しで送れるが印字途中でヘッドに当たり、画像評価ができない
評価結果を表10に示す。
【0192】
【表8】
Figure 0003574985
【0193】
【表9】
Figure 0003574985
【0194】
【表10】
Figure 0003574985
【0195】
表10から明らかなように、該インク受容層中のゼラチン含有量(重量%)Ceと該インク受容層と反対面の層(裏面層)中のゼラチン含有量(重量%)Cbの比Ce/Cbを0.3以上2.0以下にコントロールし、かつ該インク受容層と反対面の層(裏面層)に少なくとも1種以上の高分子ラテックスを含有することにより、良好な搬送性を有し、くっつきを防止することが可能となる。
【0196】
【発明の効果】
本発明により、インクの吸収性に優れ、かつ、プリント部のマダラが無く、光沢性あるいは光透過性に優れ、さらにはプリント部での光沢度の低下がなく、階調の連続性に優れた高画質で、かつ経時で画像部が貼り付いたりインクの裏うつりがなく、低温環境下あるいは高湿環境下でのプリント性能の低下を生じないインクジェット用記録シートが得られた。

Claims (9)

  1. 支持体の少なくとも1方の側にインク受容層が設けられたインクジェット用記録シートにおいて、該インク受容層に少なくとも1種以上のポリアルキレンオキサイド類と少なくとも1種以上の高分子ラテックス及びゼラチンを含有するものであって、前記インク受容層が複数の層から構成され、最上層に前記ポリアルキレンオキサイド類を含有しかつ前記高分子ラテックスを含有せず、該最上層より支持体に近い側に存在する少なくとも1層に前記高分子ラテックスを含有することを特徴とするインクジェット用記録シート。
  2. 高分子ラテックスのインク受容層内含有量をA、前記ゼラチンのインク受容層内含有量をBとするとき、
    0.1<A/B<2.0
    であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット用記録シート。
  3. 前記ポリアルキレンオキサイド類がポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット用記録シート。
  4. 前記ポリエチレングリコールの平均分子量が10,000〜500,000であることを特徴とする請求項3記載のインクジェット用記録シート。
  5. 前記ポリエチレングリコールの平均分子量が50,000〜300,000であることを特徴とする請求項4記載のインクジェット用記録シート。
  6. 前記インク受容層が複数の層から構成され、最上層におけるオリアルキレンオキサイド類の含有率(重量%)をCx、最上層以外の層におけるポリアルキレンオキサイド類の含有率(重量%)をCyとするとき、
    Cx>Cy
    を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用記録シート。
  7. 前記インク受容層が複数の層から構成され、前記高分子ラテックスと前記ポリアルキレンオキサイド類が実質的に同一層内に存在しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用記録シート。
  8. 前記インク受容層が複数の層から構成され、最上層にポリアルキレンオキサイド類を含有しかつ前記高分子ラテックスを含有せず、該最上層より支持体に近い側に存在する層に前記高分子ラテックスを含有し、かつ該最上層と、該最上層より支持体に近い側に存在する層の間に前記ポリアルキレンオキサイド類と前記高分子ラテックスを含有しない層を設けることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用記録シート。
  9. 前記支持体の両面が塗工されており、少なくとも1方にインク受容層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、該インク受容層及び該インク受容層と反対面の層(裏面層)にゼラチンを含有し、かつ該インク受容層中のゼラチン含有量(重量%)Ceと該インク受容層と反対面の層(裏面層)中のゼラチン含有量(重量%)Cbの比Ce/Cbが0.3以上2.0以下であり、かつ該インク受容層と反対面の層(裏面層)に少なくとも1種以上の高分子ラテックスを含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット用記録シート。
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