JP3575147B2 - 陰極線管の電子銃 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、陰極線管の電子銃に係り、特に耐電圧特性を良好にすることが可能な陰極線管の電子銃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の陰極線管のネツク部を破断して電子銃の構成を示す図、図5は従来の陰極線管の電子銃の要部を示す縦断面図である。図において、1はネック部、2は電子銃で、陰極3、第1、第2、第3の格子電極4、5、6および陽極7がビードガラス8によって互いに所定の間隔でもって保持されて、電子銃2の主要部を構成している。さらに、陽極7には、カップ10が溶着されており、このカップ10はスペーサ11を介して内部導電膜12に接続されている。
このように構成されている電子銃2を備えた陰極線管は、動作時に陽極7には約30kv、第3の格子電極6には約7kv、第2の格子電極5には約700v、第1の格子電極4には約0vの電圧がそれぞれ印加されている。
【0003】
このような動作状態では、第1の格子電極4、第2の格子電極5の低電圧部から、陽極7の高電圧に引かれて冷電子が放出される。この放出された冷電子はネック部1の内壁に衝突して正の帯電部分を形成し、この帯電部分が陰極3の近くまで移動して、陰極3、第1の格子電極4などの低電圧部との間で沿面放電を起し、陰極3や陰極線管の駆動回路を構成している半導体部品が破壊されるという現象が生じる。
【0004】
このような沿面放電の発生を防止するため、例えば実公平5−9807号公報に示された従来の陰極線管では、図5に示すように、第3の格子電極6に両端が溶接され、ビードガラス8の外面を取り巻いて、ネック部1の内壁面との間に介在するように配設されている導電性リード9を設け、陰極線管の製造工程中において、ネック部1の外側から高周波加熱コイル(図示せず)で加熱し、ステンレススチール線で構成されている導電性リード9を加熱蒸発させて、対向するネック部1の内壁面に蒸着膜13を形成させ、上述の帯電部分の移動をこの蒸着膜13によって阻止するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように構成された従来のものでは、導電性リード9がネック部1の内壁面に近いと、蒸着膜13を形成するために、高周波加熱コイルで加熱したときに膨張してネック部1の内壁面に触れ、その温度によって、ネック部1に歪が入り、割れてしまう虞れがあるという問題点があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、高周波加熱コイルで加熱されて導電性リードが膨張しても、ネック部の内壁面に接触する虞れが少ない陰極線管の電子銃を得ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る陰極線管の電子銃は、ネック部に収容されている電子銃の格子電極に両端が固定され、上記電子銃の各電極を保持している一対のビードガラスの外面を取り巻いて上記ネック部の内壁面との間に介在するように配設されている導電性リードを有し、上記導電性リードを加熱蒸着させて、上記導電性リードに対向している上記ネック部の内壁面に蒸着膜を被着形成するようにしてなる陰極線管の電子銃において、上記導電性リードの少なくとも一端を、上記加熱により膨張した上記導電性リードをその長手方向に引っ張る金属片を介して上記格子電極に固定したものである。
【0008】
また、金属片がバイメタルであり、このバイメタルは一対のビードガラスを結ぶ線と略平行に直立し、導電性リードの延在方向に略直交して、一端が格子電極に固定されるとともに他端に導電性リードの一端が固定されたものである。
【0009】
さらに、金属片が弾性をもった金属片であり、この金属片は一対のビードガラスを結ぶ線と略平行に直立し、導電性リードの延在方向に略直交して、一端が格子電極に固定されるとともに他端に導電性リードの一端が固定されたものである。
【0010】
また、金属片が導電性リードよりも線膨張率の高い金属片であり、この金属片はその延在方向が導電性リードの延在方向に略平行に配置されて中央部が格子電極に固定されるとともに両端に導電性リードの両端がそれぞれ固定されたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、図において、同一符号は従来のものと同一または相当のものを示す。
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である陰極線管の電子銃の要部を示す縦断面図である。図において、1はネック部、2は電子銃で、図4に示す陰極3、第1、第2、第3の格子電極4、5、6および陽極7がビードガラス8によって互いに所定の間隔でもって保持されて、電子銃2の主要部を構成している。14は一対のビードガラス8を結ぶ線と略平行に直立、すなわち導電性リード9の延在方向に略直交してビードガラス8の一側に直立するバイメタルで、一端が第3の格子電極6に溶接され、他端に導電性リード9の一端が溶接されている。導電性リード9は、ビードガラス8の外面を取り巻いて、ネック部1の内壁面との間に介在するように配設され、他端が第3の格子電極6に溶接されている。また、バイメタル14は、ネック部1に近い側が熱膨張率が低い方になるように構成されている。
【0013】
このように構成されている電子銃2によれば、陰極線管の製造工程中において、蒸着膜13を形成するために高周波加熱したときに、導電性リード9とともにバイメタル14も加熱される。すると、バイメタル14の性質と取り付け方向の関係から、バイメタル14の導電性リード9との接続端側がビードガラス8から離れる方向に曲がる。この作用によって、導電性リード9はその長手方向に引っ張られ、加熱によって膨張しても、ネック部1の内壁面に向かって伸びなくなるので、ネック部1の内壁面に接触しなくなる。
なお、導電性リード9の一端だけではなく、両端ともバイメタル14を介して第3の格子電極6に固定してもよい。
【0014】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2である陰極線管の電子銃の要部を示す縦断面図である。図において、1はネック部、2は電子銃で、図4に示す陰極3、第1、第2、第3の格子電極4、5、6および陽極7がビードガラス8によって互いに所定の間隔でもって保持されて電子銃2の主要部を構成している。15は一対のビードガラス8を結ぶ線と略平行に直立、すなわち導電性リード9の延在方向に直交してビードガラス8の一側に直立する弾性のある金属片で、一端が第3の格子電極6に溶接され、他端に導電性リード9の一端が溶接されており、導電性リード9との接続端側がビードガラス8側に若干曲げられている。導電性リード9は、ビードガラス8の外面を取り巻いて、ネック部1の内壁面との間に介在するように配設され、他端が第3の格子電極6に溶接されている。また、金属片15は例えばインコネル(ニッケル・クロム・鉄合金)で形成され、導電性リード9との接続端側がビードガラス8から離れる方向に付勢されて、導電性リード9をその長手方向に常時引っ張るように構成されている。
【0015】
このように構成されている電子銃2によれば、陰極線管の製造工程中において、蒸着膜13を形成するための高周波加熱によって導電性リード9が膨張しても、金属片15の張力によって、導電性リード9がその長手方向に引っ張られるので、ネック部1の内壁面に向かって伸びることが抑えられることにより、ネック部1の内壁面に接触しなくなる。
なお、導電性リード9の一端だけではなく、両端とも金属片15を介して第3の格子電極6に固定してもよい。
【0016】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3である陰極線管の電子銃の要部を示す縦断面図である。図において、1はネック部、2は電子銃で、図4に示す陰極3、第1、第2、第3の格子電極4、5、6および陽極7がビードガラス8によって互いに所定の間隔でもって保持されて電子銃2の主要部を構成している。16は導電性リード9の延在方向と略平行にビードガラス8の内側に配置され、その中央部が第3の格子電極6に溶接され、導電性リード9より線膨張率の高い例えばアルミニウムで構成された金属片である。導電性リード9は、ビードガラス8の外面を取り巻いて、ネック部1の内壁面との間に介在するように配設され、その両端が金属片16の両端にそれぞれ溶接されている。
【0017】
このように構成されている電子銃2によれば、陰極線管の製造工程中において、蒸着膜13を形成するために高周波加熱したときに、導電性リード9とともに金属片16も加熱される。すると、導電性リード9が膨張して伸びるが、金属片16は導電性リード9の伸び以上に伸びるので、導電性リード9がその長手方向に引っ張られ、導電性リード9はネック部1の内壁面に向かって伸びなくなるので、ネック部1の内壁面に接触しなくなる。
【0018】
なお、上述の各実施の形態では、導電性リード9を第3の格子電極6に固定する例について示したが、第2の格子電極5に固定する場合も同様に実施できることは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、導電性リードの少なくとも一端を、加熱により膨張した導電性リードをその長手方向に引っ張る金属片を介して格子電極に固定するようにしたので、導電性リードが加熱されて膨張しても、ネック部の内壁面に接触しなくなるので、ネック部に歪が入ったり割れたりするのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である陰極線管の電子銃の要部を示す縦断面図である。
【図2】この発明の実施の形態2である陰極線管の電子銃の要部を示す縦断面図である。
【図3】この発明の実施の形態3である陰極線管の電子銃の要部を示す縦断面図である。
【図4】従来の電子銃のネック部を破断して電子銃の構成を示す図である。
【図5】従来の陰極線管の電子銃の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ネック部
2 電子銃
6 第3の格子電極
8 ビードガラス
9 導電性リード
13 蒸着膜
14 バイメタル
15 金属片
16 金属片
Claims (4)
- ネック部に収容されている電子銃の格子電極に両端が固定され、上記電子銃の各電極を保持している一対のビードガラスの外面を取り巻いて上記ネック部の内壁面との間に介在するように配設されている導電性リードを有し、上記導電性リードを加熱蒸発させて、上記導電性リードに対向している上記ネック部の内壁面に蒸着膜を被着形成するようにしてなる陰極線管の電子銃において、上記導電性リードの少なくとも一端を、上記加熱により膨張した上記導電性リードをその長手方向に引っ張る金属片を介して上記格子電極に固定したことを特徴とする陰極線管の電子銃。
- 金属片がバイメタルであり、このバイメタルは一対のビードガラスを結ぶ線と略平行に直立し、導電性リードの延在方向に略直交して、一端が格子電極に固定されるとともに他端に導電性リードの一端が固定されたことを特徴とする請求項1記載の陰極線管の電子銃。
- 金属片が弾性をもった金属片であり、この金属片は一対のビードガラスを結ぶ線と略平行に直立し、導電性リードの延在方向に略直交して、一端が格子電極に固定されるとともに他端に導電性リードの一端が固定されたことを特徴とする請求項1記載の陰極線管の電子銃。
- 金属片が導電性リードよりも線膨張率の高い金属片であり、この金属片はその延在方向が導電性リードの延在方向に略平行に配置されて中央部が格子電極に固定されるとともに両端に導電性リードの両端がそれぞれ固定されたことを特徴とする請求項1記載の陰極線管の電子銃。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32307895A JP3575147B2 (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 陰極線管の電子銃 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32307895A JP3575147B2 (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 陰極線管の電子銃 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09161690A JPH09161690A (ja) | 1997-06-20 |
| JP3575147B2 true JP3575147B2 (ja) | 2004-10-13 |
Family
ID=18150847
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32307895A Expired - Fee Related JP3575147B2 (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 陰極線管の電子銃 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3575147B2 (ja) |
-
1995
- 1995-12-12 JP JP32307895A patent/JP3575147B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09161690A (ja) | 1997-06-20 |
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