JP3575357B2 - 自動変速機のパークロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者による駐車レンジ選択指令時に自動変速機を変速機出力軸が固定されたパークロック状態にするためのパークロック装置、特に運転者がリンクなどにより直接機械的にパークロック機構を操作してパークロック状態を達成するのでなく、運転者の駐車レンジ選択指令に応動するモータ等のパークロックアクチュエータによりパークロック機構を作動させてパークロック状態を達成するようにした、所謂シフトバイワイヤ式のパークロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は有段式自動変速機か無段変速機かを問わず、希望する走行形態に応じて運転者がマニュアル弁を前進自動変速(D)レンジや、エンジンブレーキ(II,I,L)レンジや、後退走行(R)レンジや、駐車(P)レンジや、中立(N)レンジに対応した位置にすることで、希望の走行形態(駐停車を含む)を実現することができる。
そして、マニュアル弁を希望するレンジに対応した位置にするに当たっては通常、運転者がマニュアル弁をリンクなどにより直接機械的に操作して選択レンジ対応の位置にするよう構成するのが普通であった。
【0003】
ところで、運転者が操作するシフトレバーとマニュアル弁との間を上記リンクなどで連結するには大きなスペースが必要であるし、これらシフトレバーおよびマニュアル弁間の相対位置の自由度も低くなることから、これに代えて、運転者のレンジ選択指令に応動するモータ等のレンジ選択アクチュエータによりマニュアル弁を選択レンジ対応の位置にするようにした、所謂シフトバイワイヤ式の選択レンジ切り換え制御装置も提案されている。
【0004】
かかるシフトバイワイヤ式の選択レンジ切り換え制御装置にあっては、運転者からのシフトレバーによる駐車(P)レンジ選択指令を受けて自動変速機を変速機出力軸が固定されたパークロック状態にするパークロック装置についても、運転者がシフトレバーによるPレンジのセレクト時にリンクなどにより直接機械的にパークロック機構を操作してパークロック状態を達成するのでなく、Pレンジ選択指令に応動するモータ等のパークロックアクチュエータによりパークロック機構を作動させてパークロック状態を達成するようにした、所謂シフトバイワイヤ式パークロック装置とするのが常識的である。
【0005】
ところで当該シフトバイワイヤ式パークロック装置にあっては、運転者が操作するシフトレバーとパークロック機構との間が機械的に連結されていないため、運転者が走行中に不用意にシフトレバーをPレンジ位置にした場合に、パークロック状態への移行を制限したり禁止する必要がある。
かかる要求に鑑み従来、特開平5−280637号公報に記載のごとく、走行中に運転者による駐車(P)レンジ選択指令が発せられるとパークロック状態への移行を禁止したり、或る車速条件が満足される時に警報を発した後パークロック状態を達成するようにした技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしてこの対策では、パークロック状態への移行時に警報が発せられるため不意のショックは防止できるものの、走行中にパークロック状態への移行が行われることに変わりはなく、しかもこの時車両の運動エネルギーの全てをパークロック機構のみで受け止めなければならないため、当該走行中におけるパークロック状態への移行で相変わらず大きなショックが発生するし、加えて、この時の車両運動エネルギーにも十分に耐え得るようパークロック機構を相当な強度に設計しなければならず、コスト的に不利になるのを免れないという問題をも生ずる懸念がある。
【0007】
また、走行中にパークロック状態へ移行しようとした時、設定車速以上の車速域の場合、パークロック機構を成すパーキングギヤおよびパーキングポウルが相互に係合し合わないよう、つまり変速機出力軸と共に回転しているパーキングギヤの歯によりパーキングポウルの爪が跳ね飛ばされてパーキングギヤの歯間に進入しないようようにパークロック機構は構成するが、走行中にパークロック状態への移行が行われようとしてしまう上記従来の対策では、この時にラチェット音が発生して自動変速機の商品価値を低下させるという問題も生ずる。
【0008】
さらに従来の対策では、走行中にパークロック状態への移行が行われようとしてもこれで車両が減速される訳ではないため、運転者が減速されないのを不信に思って何度もシフトレバーを駐車(P)レンジ位置に操作してしまう無駄も多くなる。
【0009】
請求項1に記載の第1発明は、走行中におけるパークロック状態への移行に際し、大きなショックの発生を伴うことなしに当該移行を行い得るようにすると共に、パークロック機構の強度を低下させ得るような態様で上記パークロック状態への移行を行なわせるようにした自動変速機のパークロック装置を提案し、もって上記した第1の問題解決を実現することを目的とする。
【0010】
請求項2に記載の第2発明は、第1発明の作用効果を最も効果的に達成し得ると共に、前記した第2および第3の問題をも合わせて解決し得るようにした自動変速機のパークロック装置を提案することを目的とする。
【0011】
請求項3に記載の第3発明は、上記パークロック状態への移行動作が無駄に行われることのないようにした自動変速機のパークロック装置を提案することを目的とする。
【0012】
請求項4に記載の第4発明は、上記各発明における作用効果を安価に達成し得るようにした自動変速機のパークロック装置を提案することを目的とする。
【0013】
請求項5に記載の第5発明は、ハイブリッド車において上記各発明における作用効果を安価に達成し得るようにした自動変速機のパークロック装置を提案することを目的とする。
【0014】
請求項6に記載の第6発明は、パークロック状態への移行およびパークロック状態からの外脱が確実になると共に、パークロック機構の低廉化を可能にした自動変速機のパークロック装置を提案することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的のため、先ず第1発明による自動変速機のパークロック装置は、
運転者の駐車レンジ選択指令に応動するパークロックアクチュエータによりパークロック機構を作動させて、自動変速機を変速機出力軸が固定されたパークロック状態にするようにしたパークロック装置において、
車速が発生している状態で前記駐車レンジ選択指令が発せられた時は、前記パークロック機構および車両の自動ブレーキを併用して前記パークロック状態を達成するよう構成したことを特徴とするものである。
【0016】
第2発明による自動変速機のパークロック装置は、第1発明において、
停車判定用設定車速までは前記自動ブレーキにより車両を減速し、停車判定用設定車速になった後に前記パークロックアクチュエータによりパークロック機構を作動させて前記パークロック状態を達成するよう構成したことを特徴とするものである。
【0017】
第3発明による自動変速機のパークロック装置は、第1発明または第2発明において、
前記停車判定用設定車速よりも高い第2の設定車速以上の車速域では前記駐車レンジ選択指令が発せられても、前記パークロック機構および車両の自動ブレーキによるパークロック状態の達成を禁止するよう構成したことを特徴とするものである。
【0018】
第4発明による自動変速機のパークロック装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、
前記自動ブレーキとして車載のブレーキユニットを自動化して用いるよう構成したことを特徴とするものである。
【0019】
第5発明による自動変速機のパークロック装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、
前記自動ブレーキとしてハイブリッド車に搭載されているモータの回生ブレーキを用いるよう構成したことを特徴とするものである。
【0020】
第6発明による自動変速機のパークロック装置は、第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、
前記パークロック機構を成すパーキングギヤおよびパーキングポウル間の係合を、パーキングポウルに回転自在に設けたローラを介して行わせるよう構成したことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の効果】
第1発明のパークロック装置においては、運転者が駐車レンジを選択して駐車レンジ選択指令を発すると、これに応動するパークロックアクチュエータがパークロック機構を作動させて、自動変速機を変速機出力軸が固定されたパークロック状態にする。
そして第1発明においては、車速が発生している状態で上記駐車レンジ選択指令が発せられた場合特に、上記パークロック機構および車両の自動ブレーキを併用してパークロック状態を達成する。
【0022】
かように車速発生状態で駐車レンジ選択指令が発せられる時、上記パークロック機構だけでなく車両の自動ブレーキをも用いてパークロック状態を達成する場合、車両の走行中における運動エネルギーが自動ブレーキによっても吸収されることとなり、その分パークロック機構の負担分を減ずることができる。
従って、走行中に駐車レンジ選択指令が発せられてパークロック状態へ移行するに際し、パークロック機構の作動に伴うショックが大きくなるのを防止することができると共に、パークロック機構の作動時にこれに作用する力を低減させ得てパークロック機構の強度を低下させることができ、コスト上も大いに有利である。
【0023】
第2発明においては、停車判定用設定車速までは上記自動ブレーキにより車両を減速し、停車判定用設定車速になった後にパークロックアクチュエータによりパークロック機構を作動させてパークロック状態を達成する。
これがため第2発明においては、自動ブレーキによるエネルギー分担を最大限にし、パークロック機構のエネルギー分担分を最低限にし得ることとなり、上記第1発明の作用効果を最も効果的に達成することができる。
【0024】
しかも走行中にパークロック機構が作用することがないため、前記したラチェット音が発生するのを防止し得て自動変速機の商品価値が低下するという問題解決を実現することができる。
さらに上記したごとく自動ブレーキにより車両を減速することから、運転者がこれを感じてパークロック状態へ移行しているのを感知することができ、運転者が駐車レンジ選択指令を出したのに減速されないのを不信に思って何度も駐車レンジへの操作を繰り返す無駄も回避することができる。
【0025】
第3発明においては、上記停車判定用設定車速よりも高い第2の設定車速以上の車速域では運転者による駐車レンジ選択指令が発せられても、パークロック機構および車両の自動ブレーキによるパークロック状態の達成を禁止する。
ここで上記第2の設定車速以上の高車速域での駐車レンジ選択指令はもともと運転者の誤操作であるし、たとえ誤操作でないにしてもパークロック状態の達成が不可能であり、それにもかかわらずパークロック状態への移行動作が行われてしまう無駄を回避することができる。
【0026】
第4発明においては、前記自動ブレーキとして車載のブレーキユニットを自動化して用いるから、上記各発明における作用効果を既存のブレーキユニットを利用して安価に達成することができる。
【0027】
第5発明においては、上記自動ブレーキとしてハイブリッド車に搭載されているモータの回生ブレーキを用いるから、ハイブリッド車において上記各発明における作用効果を既存設備の利用により安価に達成することができる。
【0028】
第6発明においては、パークロック機構を成すパーキングギヤおよびパーキングポウル間の係合を、パーキングポウルに回転自在に設けたローラを介して行わせるため、
パーキングギヤに対するパーキングポウルの係脱をローラの転がりにより軽快に行い得ることとなり、前記パークロック状態への移行およびパークロック状態からの外脱を確実なものにし得ると共に、パークロックアクチュエータの小型化によりパークロック機構の低廉化を可能にすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になるパークロック装置を具えた有段式の自動変速機を1で示す。
この自動変速機1は、変速制御油圧回路を内蔵したコントロールバルブボディー2を具え、該コントロールバルブボディー2は、変速制御油圧回路中の図2に示すマニュアル弁3を選択レンジ対応の位置にストロークさせるモータ等のレンジ選択アクチュエータ4を有すると共に、歯車変速機構の伝動経路(選択変速段)を決定するためのシフトソレノイド5,6を有する。
【0030】
マニュアル弁3とレンジ選択アクチュエータ4との間は図2に明示するように、レンジ選択アクチュエータ4の出力軸に設けたウォーム4aと、これに噛合するウォームギヤ7の軸7aに結合したセクタ8と、当該セクタに植設した駆動ピン8aを順次介して結合し、レンジ選択アクチュエータ4の回転によりマニュアル弁3を選択レンジ対応位置にストロークさせ得るようになす。
当該マニュアル弁3のストロークに際し、このマニュアル弁3を、詳しくは後述するように設定したレンジごとのストローク位置に弾支するために、セクタ8の外周面に形成した切り欠き8およびこれに陥入するよう板ばね9の先端に設けたローラ9aとで構成されるディテント機構を設ける。
【0031】
自動変速機1には図1および図2に示すように、変速機出力軸1aと共に回転するパーキングギヤ10と、これに係合して変速機出力軸1aを固定するパーキングポウル11aを有したパークロックアクチュエータ11とで構成されるパークロック機構12を設ける。
なおパークロックアクチュエータ11は作動時に、パーキングポウル11aをパーキングギヤ10と係合するよう進出させて自動変速機1を変速機出力軸1aが固定されたパークロック状態にするものとする。
【0032】
自動変速機の変速段はシフトソレノイド5,6はON,OFFの組み合わせにより決定され、これらシフトソレノイド5,6のON,OFFの組み合わせを、レンジ選択アクチュエータ4の作動位置、およびパークロックアクチュエータ11の作動、並びに本発明の目的を達成するために設けた既存のブレーキユニット13を作動させる自動ブレーキアクチュエータ14の作動とともにコントローラ15により制御する。
このためコントローラ15には、エンジンのスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ16からの信号や、車速VSPを検出する車速センサ17からの信号を入力するほか、運転者がシフトレバー18を操作して指令した前進自動変速(D)レンジや、第3速エンジンブレーキ(3)レンジや、第2速エンジンブレーキ(2)レンジや、後退走行(R)レンジや、駐車(P)レンジや、中立(N)レンジを検出してレンジ選択指令RNGを出力するシフトレバースイッチ19からの信号を入力する。
【0033】
コントローラ15は、これら入力情報をもとに図3の制御プログラムを実行して、本発明が狙いとするパークロック制御および自動変速機のレンジ選択を含む変速制御を以下の如くに行う。
ステップ21,25においては、車速VSPを停車判定用設定車速VSP1 およびこれより高い第2の設定車速VSP2 と比較して、車速VSPが第2の設定車速VSP2 以上か、停車判定用設定車速VSP1 と第2の設定車速VSP2 との間における車速か、停車判定用設定車速VSP1 未満かをチェックする。
【0034】
車速VSPが第2の設定車速VSP2 以上であれば、シフトレバースイッチ19からの駐車(P)レンジ選択指令があったとしても運転者の誤操作に基づくものであるし、たとえ誤操作でないにしてもパークロック状態の達成が不可能であることから、パークロック状態への移行動作が無駄に行われてしまうのを回避するために、ステップ22でとにかくパークロックアクチュエータ11の作動(パークロック状態への移行)を禁止する。
ステップ21で車速VSPが第2の設定車速VSP2 未満であると判定する場合、ステップ23において、シフトレバースイッチ19からのレンジ選択指令RNGにより運転者がシフトレバー18を駐車(P)レンジ位置にセレクト操作したか否かをチェックする。
【0035】
Pレンジセレクト操作がないと判定する場合、ステップ24においてPレンジ以外の制御を行う。
なお当該ステップ24は、制御がステップ22に進んだ時にも、Pレンジ以外であることから実行される。
ステップ24におけるPレンジ以外の制御を概略説明するに、先ずシフトレバースイッチ19からのレンジ選択指令RNGを読み込み、次いで、マニュアル弁3がレンジ選択指令RNGに対応した位置にストロークされるようレンジ選択アクチュエータ4を作動させる。
【0036】
運転者がシフトレバー18により後退走行(R)レンジを選択し、マニュアル弁3がアクチュエータ4により対応したストローク位置にされる時、該マニュアル弁3はこれからのRレンジ圧によりクラッチやブレーキを選択的に作動させて自動変速機を後退変速段選択状態にする。
【0037】
運転者がシフトレバー18により前進自動変速(D)レンジや、第3速エンジンブレーキ(3)レンジや、第2速エンジンブレーキ(2)レンジを選択し、マニュアル弁3がアクチュエータ4により対応したストローク位置にされる時、該マニュアル弁3はDレンジ圧や、3レンジ圧や、2レンジ圧により、クラッチやブレーキを選択的に作動させて自動変速機を所定の前進変速段が選択された状態にする。
この時前進変速段の決定に際してコントローラ15は、スロットル開度TVOおよび車速VSP、並びにレンジ選択指令RNGをもとに求めた要求変速段が達成されるようシフトソレノイド4,5をON,OFF制御する。
【0038】
ステップ21で車速VSPが第2の設定車速VSP2 未満であると判定する間に、ステップ23において、運転者がシフトレバー18を駐車(P)レンジ位置にセレクト操作したと判定する場合、今度はステップ25において車速VSPが停車判定用設定車速VSP1 以上であるか否かをチェックし、VSP≧VSP1である間はステップ26において、自動ブレーキアクチュエータ14を作動させて自動ブレーキにより車両を減速させる。
【0039】
この時の自動ブレーキ力は、図4に示す制御プログラムを実行してこれを決定する。
つまり先ずステップ31において、車速VSPの時間低下割合から実車両減速度Gを算出し、次いでステップ32において、図5に例示するように予め定めておいた目標車両減速度マップをもとに車速VSPごとの目標車両減速度Gt を検索する。
【0040】
更にステップ33において、目標車両減速度Gt および実車両減速度Gのうち小さい方(負の絶対値が大きい方)のセレクトロー減速度Gt ’=min(Gt,G)を選択し、ステップ34において、実車両減速度Gとセレクトロー減速度Gt ’との間における減速度偏差(G−Gt ’)を解消するよう自動ブレーキ力を決定する。
【0041】
かかる自動ブレーキ力によれば、フートブレーキが非作動状態であってこれによる車両減速度Gが発生していない時の図5(a)、フートブレーキが若干の制動力を発生していて対応した車両減速度Gが発生している時の図5(b)、およびフートブレーキが大きな制動力を発生していて目標減速度Gt よりも大きな車両減速度Gが発生している時の図5(c)を基に説明すると、
図5(a)の場合、左下がりのハッチングを付して示すごとく目標車両減速度Gt の全てが自動ブレーキにより実現され、
図5(b)の場合、同じく左下がりのハッチングを付して示すごとく減速度Gとの差分が自動ブレーキにより補償されて目標車両減速度Gt が実現され、
図5(c)の場合、同じく左下がりのハッチングを付して示すごとく減速度Gが目標車両減速度Gt よりも小さくなる極く低車速中に減速度Gとの差分が自動ブレーキにより補償されて目標車両減速度Gt が実現されることになり、
何れの場合も目標車両減速度Gt で車両を減速させることができる。
【0042】
この減速で車速VSPが停車判定用設定車速VSP1 未満になる時、ステップ25が制御をステップ27に進めるようになり、ここに至って初めてパークロックアクチュエータ11の作動により自動変速機をパークロック状態へ移行させる。
同時に、シフトレバースイッチ19からの駐車(P)レンジ選択指令に対応させて、マニュアル弁3がPレンジ対応位置にストロークされるようレンジ選択アクチュエータ4を作動させる。
【0043】
以上のような本実施の形態になる自動変速機のパークロック制御によれば、
ステップ21,25で車速VSPが停車判定用設定車速VSP1 および第2の設定車速VSP2 間の値であると判定している間に、ステップ23において、運転者がシフトレバー18を駐車(P)レンジ位置にセレクト操作したと判定する場合は、先ずステップ26において、自動ブレーキアクチュエータ14を作動させて自動ブレーキにより車両を減速させ、この減速で車速VSPが停車判定用設定車速VSP1 未満になった時に初めて、ステップ27でパークロックアクチュエータ11の作動により自動変速機をパークロック状態へ移行させる。
【0044】
これがため、車速VSPが停車判定用設定車速VSP1 未満に低下するまでは上記の自動ブレーキにより車両の運動エネルギーが吸収され、この間においてパークロック機構12がエネルギーを分担することが一切ないこととなる。
従って、走行中に駐車(P)レンジ選択指令が発せられてパークロック状態へ移行するに際し、パークロック機構12の作動に伴うショックが生ずることがなくなり、またパークロック機構12は、車速VSPが停車判定用設定車速VSP1 未満に低下した後に停止車両が動かないよう停車状態に保つ機能を果たすのみでよいから、パークロック機構12に作用する力を低減させ得てその強度を低下させることができ、コスト上も大いに有利である。
【0045】
しかも走行中にパークロック機構12が作用することがないため、前記したラチェット音が発生するのを確実に回避し得て、当該ラチェット音故に自動変速機の商品価値が低下するといった問題解決をも実現することができる。
さらに上記したごとく、走行中に駐車(P)レンジ選択指令が発せられてパークロック状態へ移行する当初、自動ブレーキにより車両を減速することから、運転者がこれを感じてパークロック状態へ移行しているのを感知することができ、運転者が駐車(P)レンジ選択指令を出したのに減速されないのを不信に思って何度も駐車(P)レンジへの操作を繰り返す無駄も回避することができる。
【0046】
なお、停車判定用設定車速VSP1 よりも高い第2の設定車速VSP2 以上の車速域では(ステップ21)、たとえ運転者による駐車(P)レンジ選択指令が発せられたとしても、パークロック機構12および自動ブレーキによるパークロック状態の達成を禁止する(ステップ22)から、
かような高車速域での駐車(P)レンジ選択指令がもともと運転者の誤操作に基づくものであるにもかかわらず、またたとえ誤操作でないにしてもパークロック状態の達成が不可能であるにもかかわらず、パークロック状態への移行動作が行われてしまう無駄を回避することができる。
【0047】
加えて本実施の形態においては、前記自動ブレーキとして車載のブレーキユニット13(図1参照)を自動ブレーキアクチュエータ14により自動化して用いるため、上記の作用効果を既存のブレーキユニット13を利用して安価に達成することができる。
【0048】
なお昨今は、内燃機関と電動モータとを組み合わせて低公害化を実現した所謂ハイリッド車が市場に出回り始めており、このハイリッド車においては制動エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電する回生ブレーキが搭載されていることから、自動ブレーキとして、上記のように既存ブレーキユニット13を自動化したものを用いる代わりに、回生ブレーキを利用することもできる。
この場合、ハイブリッド車において前記の作用効果を既存設備の利用により安価に達成することができる。
【0049】
さらにパークロック機構12は、図1および図2につき前述したごとくアクチュエータ11によりパーキングポウル11aを直接、直線的に作動させる構成とする代わりに、図6および図7に示すような構成にすることができる。
つまりパーキングポウルをレバー41の型式のものとし、その基端をピン42により枢支し、遊端にパーキングギヤ10と係合してこれを固定する爪41aを設ける。
ピン42にはリターンスプリング43を巻装し、これによりレバー式パーキングポウル41を図6の時計方向、すなわちパーキングギヤ10から遠ざかる方向へ回動付勢して円錐カム44に当接させる。
【0050】
ここで円錐カム44は、図7に示すようにパークロックアクチュエータ45により軸線方向へ進退可能とし、進出時に円錐面44aを介してレバー式パーキングポウル41をその爪41aがパーキングギヤ10に係合した図示の回動位置にし、後退時にリターンスプリング43によりレバー式パーキングポウル41をその爪41aがパーキングギヤ10から外脱した回動位置にし得るようになす。
ところで本実施の形態においては、爪41aをパーキングギヤ10と直接的に係合させるのでなく、爪41aの両側に回転自在に支持して一対のローラ46を設け、これらローラ46を介して爪41aをパーキングギヤ10に係合させるようにする。
【0051】
この場合、パーキングギヤ10に対するパーキングポウル41(爪41a)の係脱をローラ46の転がりにより軽快に行い得ることとなり、前記パークロック状態への移行およびパークロック状態からの外脱を確実なものにし得ると共に、パークロックアクチュエータ45の駆動力が小さくてよい分、その小型化が可能となってパークロック機構12の低廉化を実現することができる。
なお上記の構成においては、パーキングギヤ10の歯の圧力角は0°±5°が実用上の最適値であることを確かめた。
【0052】
なお、爪41aに回転自在に設けるローラ46は必ずしも一対1組にする必要はなく、図8に示すように爪41aを一対1組としてこれらの間に1個のローラ46を回転自在に支持した構成でもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるパークロック装置を具えた自動変速機の制御システムを示す概略系統図である。
【図2】同実施の形態におけるレンジ切り換え機構およびパークロック機構の詳細を示す斜視図である。
【図3】同実施の形態においてコントローラが実行するパークロック制御および変速制御を示すフローチャートである。
【図4】同パークロック制御において行うべき自動ブレーキ力演算プログラムのフローチャートである。
【図5】同ブレーキ力によって発生させるべき車両減速度を示し、
(a)は、フートブレーキが非作動状態である時の車両減速度特性図、
(b)は、フートブレーキが僅かな制動力を発生している作動状態の時の車両減速度特性図、
(c)は、フートブレーキが大きな制動力を発生している作動状態の時の車両減速度特性図である。
【図6】本発明の他の実施の形態になるパークロック機構の詳細を示す拡大正面図である。
【図7】同パークロック機構のカム作動部に係わる詳細断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施の形態になるパークロック機構のパーキングポウルに係わる詳細断面図である。
【符号の説明】
1 自動変速機
2 コントロールバルブボディー
3 マニュアル弁
4 レンジ選択アクチュエータ
5 シフトソレノイド
6 シフトソレノイド
8 セクタ
10 パーキングギヤ
11 パークロックアクチュエータ
11a パーキングポウル
12 パークロック機構
13 ブレーキユニット
14 自動ブレーキアクチュエータ
15 コントローラ
16 スロットル開度センサ
17 車速センサ
18 シフトレバー
19 シフトレバースイッチ
41 パーキングポウル
41a 爪
42 パーキングポウル枢支ピン
43 リターンスプリング
44 円錐カム
45 パークロックアクチュエータ
46 ローラ
Claims (6)
- 運転者の駐車レンジ選択指令に応動するパークロックアクチュエータによりパークロック機構を作動させて、自動変速機を変速機出力軸が固定されたパークロック状態にするようにしたパークロック装置において、
車速が発生している状態で前記駐車レンジ選択指令が発せられた時は、前記パークロック機構および車両の自動ブレーキを併用して前記パークロック状態を達成するよう構成したことを特徴とする自動変速機のパークロック装置。 - 請求項1において、停車判定用設定車速までは前記自動ブレーキにより車両を減速し、停車判定用設定車速になった後に前記パークロックアクチュエータによりパークロック機構を作動させて前記パークロック状態を達成するよう構成したことを特徴とする自動変速機のパークロック装置。
- 請求項1または2において、前記停車判定用設定車速よりも高い第2の設定車速以上の車速域では前記駐車レンジ選択指令が発せられても、前記パークロック機構および車両の自動ブレーキによるパークロック状態の達成を禁止するよう構成したことを特徴とする自動変速機のパークロック装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記自動ブレーキとして車載のブレーキユニットを自動化して用いるよう構成したことを特徴とする自動変速機のパークロック装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記自動ブレーキとしてハイブリッド車に搭載されているモータの回生ブレーキを用いるよう構成したことを特徴とする自動変速機のパークロック装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1項において、前記パークロック機構を成すパーキングギヤおよびパーキングポウル間の係合を、パーキングポウルに回転自在に設けたローラを介して行わせるよう構成したことを特徴とする自動変速機のパークロック装置。
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