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JP3575381B2 - リンクステートルーティング用通信装置及びリンクステートルーティング用通信方法 - Google Patents
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JP3575381B2 - リンクステートルーティング用通信装置及びリンクステートルーティング用通信方法 - Google Patents

リンクステートルーティング用通信装置及びリンクステートルーティング用通信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単階層ネットワークまたは階層化ネットワークにおいて、各階層内のノード間、あるいは、階層をまたがったノード間において、リンクまたはノードのトポロジー情報、および、コネクション品質(クオリティオブサービス(Quality of Service:QoS)情報を経路情報として相互に交換することにより、ネットワーク全体のトポロジー情報およびQoS情報を認識し、経路選択を行うリンクステートルーティング用通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のリンクステートルーティング用通信装置は、処理を高速化するために、コネクション設定要求を受け付ける前に、事前経路計算を行い、この事前計算経路を記憶しておき、実際にコネクション設定要求があったときに、記憶していた事前計算経路が、呼が要求するサービス品質を満足する場合には、その事前計算経路を使用し、満足しない場合には、経路を計算し直す、という処理を行っていた。
【0003】
従来のリンクステートルーティング用通信装置の一例が次の文献に記載されている。
【0004】
発行日:1996年8月
学会誌名:IEICE TRASACTIONS on Communications,Vol.E79−B,No.8
掲載論文の題名:「ATM Routing Algorithms with Multiple QoS Requirements for Multimedia Internetworking」
掲載ページ:999−1007ページ
図19は上記の文献に記載されているリンクステートルーティング用通信装置のブロック図である。
【0005】
図19に示すように、この従来のリンクステートルーティング用通信装置は、他の通信装置からリンクリソース情報を受信するリンクリソース情報受信手段1と、プログラム制御により動作するデータ処理装置2と、情報を記憶する記憶装置3と、コネクションの目的地およびそのコネクション品質に対する要求を受信するコネクション要求受信手段4と、目的地へのコネクションを設定するコネクション設定手段5と、からなっている。
【0006】
記憶装置3は、リンクリソース情報記憶部31と、事前計算経路記憶部32と、を備えている。
【0007】
リンクリソース情報記憶部31は、他の通信装置から受信したリンクリソース情報を記憶している。リンクリソース情報の例としては、リンク上の利用可能帯域や遅延時間等がある。
【0008】
事前計算経路記憶部32は、事前計算経路トポロジー記憶部321と、事前計算経路リソース情報記憶部322と、を備えている。
【0009】
事前計算経路トポロジー記憶部321は、事前計算経路が目的地に到達するまでに経由する一連の通信装置またはリンクの集合を経路トポロジーとして記憶している。
【0010】
事前計算経路リソース情報記憶部322は、事前計算経路トポロジー記憶部321に記憶された経路トポロジーに対応する経路リソース情報を記憶している。経路リソース情報の例としては、経路上の利用可能帯域や遅延時間等がある。
【0011】
経路リソース情報は、経路に含まれるリンクのリンクリソース情報によって計算される。例えば、経路リソース情報の一例である経路上の利用可能帯域は、その経路に含まれるリンクのもつ利用可能帯域の最小値で与えられる。
【0012】
事前計算経路リソース情報記憶部322が記憶している経路リソース情報の更新は、リンクリソース情報記憶部31の内容が更新されたときに、もしくは、リンクリソース情報記憶部31の内容の更新とは独立に定期的に行われる。
【0013】
データ処理装置2は、リンクリソース情報更新手段21と、事前経路計算手段22と、経路抽出手段23と、を備えている。
【0014】
リンクリソース情報更新手段21は、リンクリソース情報受信手段1から与えられたリンクリソース情報とリンクリソース情報記憶部31に記憶されたリンクリソース情報とを比較し、リンクリソース情報に変更のあったリンクを抽出した後、リンクリソース情報記憶部31に記憶されたリンクリソース情報のうち、該当するリンクリソース情報を更新する。
【0015】
事前経路計算手段22は、コネクション設定要求を受け付ける前に、リンクリソース情報記憶部31に記憶されたリンクリソース情報を用いて、目的地毎に一つの経路を事前に計算する。計算より得られた事前計算経路のうち、経路トポロジーに関する情報を事前計算経路トポロジー記憶部321に、経路リソースに関する情報を事前計算経路リソース情報記憶部322にそれぞれ登録する。
【0016】
経路抽出手段23は、事前計算経路抽出手段231と、オンデマンド経路抽出手段232と、を備えている。
【0017】
事前計算経路抽出手段231は、コネクション要求受信手段4から与えられたコネクションを設定する目的地およびコネクション品質に対する要求をキーとして、事前計算経路リソース情報記憶部322に記憶されている経路リソース情報を探索し、要求を満たしている事前計算経路の候補を検索する。
【0018】
オンデマンド経路抽出手段232は、リンクリソース情報記憶部31に記憶されているリンクリソース情報に基づき、コネクション品質要求を満たす経路を計算する。
【0019】
次に、図19、図20および図21を参照して、以上のような構成を有する従来のリンクステートルーティング用通信装置の動作を、コネクション要求が発生した場合と、リンクリソース情報を他の通信装置から受信した場合とに分けて説明する。
【0020】
先ず、コネクション要求が発生した場合のリンクステートルーティング用通信装置の動作は以下の通りである。
【0021】
コネクション要求が発生すると、コネクション要求受信手段4へその旨が通知される。コネクション要求受信手段4に与えられたコネクション要求は、事前計算経路抽出手段231へ供給される(図20のステップA1)。
【0022】
事前計算経路抽出手段231は、まず、コネクションを設定する目的地までの事前計算経路を事前計算経路トポロジー記憶部321から検索する。次に、コネクション品質に対する要求および該当する事前計算経路をキーとして、事前計算経路リソース情報記憶部322に記憶されている経路リソース情報を探索し、要求を満たしている事前計算経路の候補を検索する(ステップA2)。
【0023】
コネクション要求を満たす事前計算経路の候補が存在する場合には(ステップA3のYES)、その事前計算経路はコネクション設定手段5へ供給され、コネクション設定が行われる(ステップA4)。
【0024】
図20のステップA3において、事前計算経路リソース情報記憶部322に記憶されている経路リソース情報を参照した結果、コネクション要求を満たす事前計算経路が事前計算経路記憶部32に記憶されていない場合(ステップA3のNO)、コネクション要求はオンデマンド経路抽出手段232に供給される。オンデマンド経路抽出手段232はリンクリソース情報記憶部31に記憶されているリンクリソース情報に基づき、コネクション品質要求を満たす経路を計算する(ステップA5)。
【0025】
計算の結果、コネクション品質要求を満たす経路が存在する場合には(ステップA6のYES)、その経路はコネクション設定手段5へ供給され、コネクション設定が行われる(ステップA4)。
【0026】
一方、コネクション品質要求を満たす経路が存在しない場合には(ステップA6のNO)、そのコネクションは拒否される(ステップA7)。
【0027】
次に、リンクリソース情報を他の通信装置から受信した場合のリンクステートルーティング用通信装置の動作は以下の通りである。
【0028】
リンクリソース情報を他の通信装置から受信した場合(図21のステップB0)、受信したリンクリソース情報は、リンクリソース情報受信手段1からリンクリソース情報更新手段21へ供給される。リンクリソース情報更新手段21は、リンクリソース情報受信手段1から与えられたリンクリソース情報とリンクリソース情報記憶部31に記憶されたリンクリソース情報とを比較し、リンクリソース情報に変更のあったリンクを抽出する(ステップB1)。
【0029】
そして、リンクリソース情報記憶部31に記憶されたリンクリソース情報のうち、該当するリンクリソース情報を更新する(ステップB2)。
【0030】
図19に示した従来のリンクステートルーティング用通信装置は、単階層ネットワークにおける使用を前提として構成されている。
【0031】
大規模な階層化ネットワークにおいては、各階層間で要約したリンクリソース情報を交換するための境界通信装置が必要となる。ここに、境界通信装置とは、ある階層に含まれ、他の階層へ接続する通信装置のことである。
【0032】
従来のリンクステートルーティング用境界通信装置の一例が次の文献に記載されている。
【0033】
発行日:1999年6月
発表された国際会議名:IEEE/IFIP IWQoS‘99
掲載論文の題名:「Source−Oriented Topology Aggregation with Multiple QoS」、予稿集の掲載ページ137−146ページ
図4は、上記の文献に記載されているリンクステートルーティング用境界通信装置のブロック図である。
【0034】
図4に示すように、この従来のリンクステートルーティング用境界通信装置は、他の通信装置からリンクリソース情報を受信するリンクリソース情報受信手段1と、プログラム制御により動作するデータ処理装置6と、情報を記憶する記憶装置7と、要約した情報を他の階層の境界通信装置へ送信する要約情報送信手段8と、からなっている。
【0035】
記憶装置7はリンクリソース情報記憶部31を備えている。
【0036】
リンクリソース情報記憶部31は、図1に示した従来のリンクステートルーティング用通信装置におけるリンクリソース情報記憶部31と同様の構造及び作用を有するものである。
【0037】
データ処理装置6は、リンクリソース情報更新手段21と、要約情報計算手段61と、を備えている。
【0038】
リンクリソース情報更新手段21は、リンクリソース情報受信手段1からリンクリソース情報を受け取ると、先ず、リンクリソース情報記憶部31が記憶しているリンクリソース情報を更新する。リンクリソース情報更新手段21は、次いで、要約情報計算手段61に、リンクリソース情報記憶部31の記憶内容が更新されたことを通知する。
【0039】
要約情報計算手段61は、リンクリソース情報更新手段21から、リンクリソース情報記憶部31の記憶内容が更新されたことを告げられると、リンクリソース情報記憶部31の記憶内容を参照しながら、他階層に対して、自階層から先のネットワーク状態を要約した情報を計算し、新しい要約情報を要約情報送信手段8へ供給する。
【0040】
要約情報送信手段8は、計算された新しい要約情報を別階層の境界通信装置へ伝達する。
【0041】
図1に示したリンクステートルーティング用通信装置及び図4に示したリンクステートルーティング用境界通信装置の他にも同様の種々の通信装置がこれまでに提案されている。
【0042】
例えば、特許第2723097号(特開平9−162870号公報)は、コネクション設定時に要求された全てのQoSを同時に満足できる経路を選択するQoSルーティング装置を開示している。
【0043】
特開平11−252106号公報は、コネクション確立後において、経路上避けたいノードを回避してコネクションを再確立することができるコネクション経路変更装置を提案している。
【0044】
特開平10−164074号公報は、ネットワーク内におけるルーティング処理の際に通信品質要求値を満たすコネクション経路を探索するとともに、コネクション設定の負荷軽減をも可能にするATMネットワークシステムを提案している。
【0045】
特開平10−135980号公報は、既に設定されているコネクションの品質が劣化したときに、その品質劣化を回避することができ、かつ、コネクションの復旧を迅速に行うことができるコネクション設定装置を提案している。
【0046】
特開平10−154979号公報は、広帯域通信網におけるポイントツーマルチポイント呼の呼設定を経済的な接続経路を選択して行うポイントツーマルチポイント接続方法を提案している。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上に掲げた従来のリンクステートルーティング用境界通信装置は以下のような問題点を有していた。
【0048】
第1の問題点は、従来の事前計算経路と動的経路検索との組み合わせ方式においては、事前計算経路候補の数が少ないために、要求されたコネクション品質を満足する事前計算経路が存在しない場合が多く、結果として経路を動的に計算し直す回数が増え、処理負荷を増大させてしまうことである。
【0049】
その理由は、一つの宛先に対しては、一つの事前計算経路しか用いないことにある。
【0050】
第2の問題点は、従来の事前計算経路と動的経路検索との組み合わせ方式においては、事前計算経路によるコネクション設定は失敗する確率が大きいことである。
【0051】
その理由は、記憶された事前計算経路の情報が最新の情報を反映していないためである。
【0052】
第3の問題点は、従来の境界通信装置においては、境界通信装置における要約情報の計算に高い処理能力が必要となることである。
【0053】
その理由は、要約情報計算のためには、自階層内ネットワーク全体について探索することが必要であり、かつ、高い頻度で再計算を繰り返さなければならないので処理負荷が大きいためである。
【0054】
第4の問題点は、従来の境界通信装置においては、要約情報のパケット量が増えてしまうことである。
【0055】
その理由は、自階層内ネットワークの状態の変更が通知されるたびに、要約情報を送信しているためである。
【0056】
本発明は以上のような従来のリンクステートルーティング用通信装置及びリンクステートルーティング用境界通信装置における問題点に鑑みてなされたものであり、コネクション品質要求を満たし、かつ、ブロック率の低い事前計算経路を用いることができる単階層ネットワークのリンクステートルーティング用通信装置を提供すること、および、要約情報を高速・低負荷で計算でき、かつ、ネットワーク中に伝播される要約情報の量を低減させることができるリンクステートルーティング用境界通信装置を提供することを目的とする。
【0062】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、請求項1において、他の通信装置から送られたリンクリソース情報を受信するリンクリソース情報受信手段と、リンクリソース情報を記憶するリンクリソース情報記憶部と、前記リンクリソース情報を更新するリンクリソース情報更新手段と、コネクション要求発生前に、一つの目的地に対して候補となる複数の経路を計算する複数事前経路計算手段と、前記複数事前経路計算手段によって計算された事前計算経路情報を記憶する事前計算経路記憶部と、前記事前計算経路記憶部から候補経路を抽出する事前計算経路抽出手段と、各リンクがどの事前計算経路に含まれているかを記憶したリンク−経路対応表を記憶するリンク−経路対応表記憶部と、前記リンクリソース情報更新手段から供給された更新リンクの情報をキーにして、該更新リンクと対応する事前計算経路を前記リンク−経路対応表の中から検索し、前記事前計算経路記憶部に記憶された事前計算経路情報のうち、前記更新リンクと対応する情報を更新する事前計算経路リソース情報抽出手段と、を備えたことを特徴とするリンクステートルーティング用通信装置を提供する。
【0063】
複数事前経路計算手段は、例えば、請求項に記載されているように、リンクリソース情報に依存せず、リンク固定のパラメータに基づいて、複数事前経路の計算を行うものとして構成することができる。
【0065】
あるいは、複数事前経路計算手段は、請求項に記載されているように、複数のパラメータを統合した統合化パラメータに基づいて、複数事前経路の計算を行うものとして構成することもできる。
【0066】
請求項に記載されているように、前記事前計算経路抽出手段は、統合化パラメータに基づいて事前計算経路を整列させ、整列した事前計算経路を先頭から順番に探索し、候補となる事前計算経路を抽出するものとして構成することができる。
【0067】
あるいは、請求項に記載されているように、前記事前計算経路抽出手段は、統合化パラメータを重みとする重みつきラウンドロビンによって、候補となる事前計算経路を抽出するものとして構成することもできる。
【0068】
あるいは、請求項に記載されているように、前記事前計算経路抽出手段は、階層化重みつきラウンドロビンによって、候補となる事前計算経路を抽出するものとして構成することもできる。
【0076】
請求項に記載されているように、本リンクステートルーティング用通信装置は、前記リンクリソース情報記憶部に記憶されているリンクリソース情報に基づいて、コネクション品質要求を満たす経路を計算するオンデマンド経路抽出手段をさらに備えていることが好ましい。
【0087】
請求項は、他の通信装置からリンクリソース情報を受信する第一の過程と、前記第一の過程において受信したリンクリソース情報と、予め記憶されているリンクリソース情報とを比較し、リソース情報に変更のあったリンクを抽出する第二の過程と、事前に計算された経路のうち、変更のあったリンクを含む経路を抽出する第三の過程と、前記第三の過程において抽出された経路の経路リソース情報を抽出し、その内容を更新する第四の過程と、を備えるリンクステートルーティング用通信方法を提供する。
【0088】
本方法によれば、請求項に係るリンクステートルーティング用通信装置と同様の効果を得ることができる。
【0089】
請求項に記載されているように、請求項に記載の方法は、事前に計算された全ての経路の経路リソース情報を更新するまで、前記第四の過程を繰り返す第五の過程をさらに備えることが好ましい。
【0100】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0101】
[第一の実施形態]
図1は、本発明の第一の実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置のブロック図である。
【0102】
本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置は、以下に示す点においてのみ、図19に示した従来のリンクステートルーティング用通信装置と異なり、それ以外の構成は同様である。従って、以下、相違点のみを説明し、同様の構成に関しては説明を省略する。
【0103】
第一の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置においては、データ処理装置9が、図19に示された従来のリンクステートルーティング用通信装置のデータ処理装置2に含まれる事前経路計算手段22の代わりに複数事前経路計算手段24を備えている点である。
【0104】
第二の相違点は、図19に示された従来のリンクステートルーティング用通信装置のデータ処理装置2を構成している経路抽出手段23が事前計算経路抽出手段231と、オンデマンド経路抽出手段232とからなるものであるのに対して、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置のデータ処理装置9を構成している経路抽出手段25は、事前計算経路抽出手段231とオンデマンド経路抽出手段232とに加えて、実行可能性チェック手段233を備えている点である。
【0105】
複数事前経路計算手段24は、コネクション要求を受け付ける前に、目的地の通信装置までの経路を複数計算し、得られた複数個の事前計算経路の経路トポロジー情報を事前計算経路トポロジー記憶部321に、経路上のリソース情報を事前計算経路リソース情報記憶部322に登録する。
【0106】
これにより、目的地に対して1つの事前計算経路しか存在しない従来のリンクステートルーティング用通信装置と比べ、事前計算経路が要求を満たさない場合を低減させ、結果として、動的に経路を計算し直す回数を減らすことができる。
【0107】
実行可能性チェック手段233は、事前計算経路抽出手段231で検索された事前計算経路に含まれる各リンクが、要求されたコネクション品質を満たしているかどうかを、リンクリソース情報記憶部31に記憶されているリンクリソース情報と比較することにより判定する。
【0108】
事前計算経路記憶部32に記憶された事前計算経路は、最新のリンクリソース情報を反映していないため、その事前計算経路を用いてコネクション設定を行うと、ブロック率が高くなる。実行可能性チェック手段233を用いることにより、事前計算経路抽出手段231によって得られた事前計算経路がコネクション品質を満たしているかどうかを判定できるため、事前計算経路を用いたコネクションのブロック率を低減させることができる。
【0109】
図2は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置の動作を示すフローチャートである。以下、図2を参照して、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置の動作を説明する。
【0110】
図2のステップA1−A7は、図1に示される本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置におけるコネクション要求受信手段4、事前計算経路抽出手段231、オンデマンド経路抽出手段232およびコネクション設定手段5の動作を表している。これら各手段の動作は、図19、図20および図21が示す従来のリンクステートルーティング用通信装置の各手段4、231、232および5の動作と同一のため、説明は省略する。
【0111】
図2のステップA3において、事前計算経路抽出手段231がコネクション要求を満たす事前計算経路の候補を抽出すると(ステップA3のYES)、事前計算経路抽出手段231はその事前計算経路を実行可能性チェック手段233へ供給する。
【0112】
次に、実行可能性チェック手段233は供給された事前計算経路上の各リンクが、要求されたコネクション品質を満たしているかどうかを、リンクリソース情報記憶部31に記憶されているリンクリソース情報を参照することによってチェックする(ステップC1)。
【0113】
各リンクが要求されたコネクション品質が満たしている場合は(ステップC1のYES)、その事前計算経路はコネクション設定手段5へ供給され、コネクション設定が行われる(ステップA4)。
【0114】
図6のステップC1において、事前計算経路抽出手段231から実行可能性チェック手段233に供給された事前計算経路が、要求されたコネクション品質を満たしていない場合(ステップC1のNO)、別の事前計算経路候補が抽出される(ステップA2)。
【0115】
次に、本実施の形態の実施例を、図面を参照して説明する。
【0116】
図3は、リンクリソース情報記憶部31および事前計算経路記憶部32の内容の例を示す。
【0117】
図3は、通信装置501、502、503、504および505から構成されるネットワークにおいて、特に通信装置501内のリンクリソース情報記憶部に記憶されているリンクリソース情報511、および、通信装置501から通信装置503への4本の事前計算経路521、522、523および524に関する事前計算経路情報531を示している。ここで、リンクリソース情報511および事前計算経路情報531はそれぞれ遅延情報および使用可能帯域情報からなっている。
【0118】
複数事前経路計算手段24は定期的にリンクリソース情報511を参照しながら、事前計算経路情報531を更新する。
【0119】
ここで、通信装置501のコネクション要求受信手段4に対して、「通信装置503へ遅延8msec以下、使用帯域50Mbpsのコネクションを設定せよ」という要求が到着したとする。
【0120】
この要求に対して、事前計算経路抽出手段231は、事前計算経路情報531の事前計算経路リソース情報を参照し、要求を満たす事前計算経路として、事前計算経路521を抽出する。
【0121】
事前計算経路情報531の内容は、定期的に再計算されるため、古くなっている可能性がある。そこで、事前計算経路情報531の事前計算経路リソース情報を用いてコネクション設定を行う前に、実行可能性チェック手段233が、コネクション品質要求を満たしているかどうかをチェックする。
【0122】
事前計算経路521は、二つのリンク(a、b)および(b、c)を含んでいる。そこで、これらのリンクに対応するリンクリソース情報511を参照すると、リンク(a、b)の使用可能帯域が30Mbpsとなっており、要求されたコネクション品質を満たしていないことがわかる。そこで、実行可能性チェック手段233は、事前計算経路抽出手段231に通知を行い、次の候補を抽出させる。
【0123】
この通知を受けた事前計算経路抽出手段231は、事前計算経路情報531の事前計算経路リソース情報を参照し、要求を満たす事前計算経路として、事前計算経路522を抽出し、実行可能性チェック手段231は、事前計算経路抽出手段231によって抽出された事前計算経路522がコネクション品質要求を満たしているかどうかをチェックする。
【0124】
事前計算経路522は、リンク(a、c)を含んでいる。リンク(a、c)に対応するリンクリソース情報511を参照すると、リンク(a、c)は使用可能帯域が60Mbps、遅延3msecであり、事前計算経路522はコネクション品質要求を満たしていることがわかる。よって、実行可能性チェック手段233は、事前経路522をコネクションとして設定可能であると判断し、コネクション設定手段5に事前経路522を用いたコネクションを設定させる。
【0125】
次に、本実施形態によって得られる効果について説明する。
【0126】
本実施形態によれば、次の2つの効果を得ることができる。
【0127】
第1の効果は、要求されたコネクション品質を満たす経路を複数の事前計算経路の中から探索するため、コネクション品質要求を満たす事前計算経路を見つけることができる確率が増え、結果として、計算処理負荷の高いオンデマンド経路計算を行う回数を減らすことができる。よって、通信機器の計算処理負荷を低減することができる。
【0128】
第2の効果は、事前計算経路を抽出した後に、その事前計算経路がコネクション品質要求を満たしているかどうかを最新のリンクリソース情報を参照することにより判別しているので、事前計算経路を用いたコネクション設定の成功確率が高くなり、ブロック率を低減することができる。
【0129】
[第二の実施形態]
図4は、本発明の第二の実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置である。
【0130】
本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置は、以下に示す点においてのみ、図19に示した従来のリンクステートルーティング用通信装置と異なり、それ以外の構成は同様である。従って、以下、相違点のみを説明し、同様の構成に関しては説明を省略する。
【0131】
第一の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置においては、データ処理装置10が、図19に示された従来のリンクステートルーティング用通信装置のデータ処理装置2に含まれる事前経路計算手段22の代わりに複数事前経路計算手段24を備えている点である。
【0132】
第二の相違点は、データ処理装置10が、図19に示された従来のリンクステートルーティング用通信装置のデータ処理装置2には含まれていない事前計算経路リソース情報抽出手段26を備えている点である。
【0133】
第三の相違点は、図19に示された従来のリンクステートルーティング用通信装置の記憶装置3の事前計算経路記憶部32が事前計算経路トポロジー記憶部321と事前計算経路リソース情報記憶部322とからなるものであるのに対して、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置の記憶装置11を構成している事前計算経路記憶部33は、事前計算経路トポロジー記憶部321と、事前計算経路リソース情報記憶部322と、リンク−経路対応表記憶部323と、からなるものである点である。
【0134】
複数事前経路計算手段24及び実行可能性チェック手段233は第一の実施形態におけるものと同一である。
【0135】
リンク−経路対応表記憶部323は、各リンクがどの事前計算経路に含まれているかを記憶している。
【0136】
事前計算経路リソース情報抽出手段26は、リンクリソース情報更新手段21から供給された更新リンクの情報をキーにして、リンク−経路対応表記億部323を検索し、対応する事前計算経路を探索する。次いで、リンクリソース情報記憶部31もしくは事前計算経路リソース情報記憶部322を参照しながら、当該事前計算経路の経路リソース情報を抽出し、事前計算経路リソース情報記憶部322に記憶された経路リソース情報を更新する。
【0137】
従来のリンクステートルーティング用通信装置においては、全ての経路リソース情報を更新する必要があったのに対して、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置によれば、リンクリソース情報更新と同時に、対応する経路リソース情報のみを更新することができるようになる。
【0138】
図5は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置の動作を示すフローチャートである。以下、図5を参照して、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置の動作を説明する。
【0139】
図5のステップB0乃至B2におけるリンクリソース情報受信手段1およびリンクリソース情報更新手段21の動作は、図21に示す従来のリンクステートルーティング用通信装置におけるリンクリソース情報受信手段1およびリンクリソース情報更新手段21のステップB0乃至B2動作と同一のため、説明は省略する。
【0140】
リンクリソース情報に変更のあったリンクを抽出した後(ステップB1)、事前計算経路リソース情報抽出手段26は、リンクリソース情報更新手段21から供給された更新リンクをキーにして、リンク−経路対応表記億部323を検索し、該当リンクを含んでいる事前計算経路を探索する(ステップF1)。そして、リンクリソース情報記憶部31に記憶されているリンクリソース情報を参照することにより、探索された事前計算経路の経路リソース情報を抽出し、事前計算経路リソース情報記憶部322の内容を更新する(ステップF2)。
【0141】
事前計算経路リソース情報記憶部322の内容の更新は、更新リンクを含む全ての事前計算経路の経路リソース情報を更新するまで繰り返される(ステップF3)。
【0142】
次に、本実施形態の実施例を、図面を参照して説明する。
【0143】
図6の表541は、リンク(a、c)を含む事前計算経路の情報を表している。
【0144】
ここで、リンク(a、c)のリソース情報が表551に示される内容に更新されたことをリンクリソース情報更新手段21が検知したとする。
【0145】
表551の更新内容を見ると、遅延時間が2msec増加し、使用可能帯域が20Mbps減少している。
【0146】
表551の更新の結果、事前計算経路リソース情報抽出手段26は、表541の内容を表542のように変更する。
【0147】
この変更は、事前計算経路に含まれる全てのリンクのリンクリソース情報を参照することにより行われるが、差分だけを更新することも可能である。
【0148】
図6に示した例においては、変更前に比べて遅延時間が2msec増加しているので、表542に示されている各事前計算経路リソース情報の遅延時間が何れも2msec増加している。
【0149】
また、変更前に比べて使用可能帯域は20Mbps減少し、60Mbpsから40Mbpsになっているので、表541に示されている各事前計算経路リソース情報の使用可能帯域のうち、40Mbpsよりも大きな値をもつものは一律に40Mbpsへと減少させる。
【0150】
この例で示すとおり、コネクション品質パラメータによって、差分を用いて経路リソース情報を計算する方法は異なってくる。
【0151】
遅延時間や遅延ばらつき(ジッタ)などの加算性(Additive)パラメータを用いる場合には、差分をそのまま加算する。帯域は非加算性(Non−Additive)のパラメータであるため、帯域が減少し、Bという値(例えば、上の例における40Mbps)になった場合には、Bを越えない値へと変更する。帯域が増加した場合には、経路に含まれるリンクのリンクリソース情報を参照して、経路リソース情報を再計算する必要がある。
【0152】
次に、本実施形態により得られる効果について説明する。
【0153】
本実施形態においては、リンクリソース情報受信手段1がリンクリソース情報の更新を検知すると同時に、処理負荷のかかる複数事前経路計算手段24を用いることなく、事前計算経路リソース情報記憶部322の更新のみを行う。これにより、事前計算経路抽出手段231は、第1の実施形態で用いた実行可能性チェック手段233を用いることなく、最新の経路リソース情報に基づいて事前計算経路の抽出を行えるようになる。その結果、通信装置の処理負荷を抑えながら、事前計算経路を用いたコネクションのブロック率を低減させることが可能となる。
【0154】
[第三の実施形態]
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。
【0155】
複数事前経路計算手段24が、使用可能帯域や遅延などのリンクリソース情報に依存したパラメータに基づいて、事前経路計算を行うと、リンクリソース情報の変更があるたびに事前経路を再計算することが必要となり、計算負荷が高くなってしまう。
【0156】
そこで、Administrative Weightや伝播遅延といった、リンクリソース情報に依存しない、リンク固有のパラメータに基づいた事前経路計算を行うことも可能である。
【0157】
本実施形態によれば、事前経路の再計算の頻度を抑え、計算負荷を低減することができる。
【0158】
[第四の実施形態]
次に、本発明の第四の実施の形態について説明する。
【0159】
複数事前経路計算手段24においては、ある1つのパラメータに基づいた事前経路計算を複数回行うことにより、複数事前計算経路を計算することも可能である。
【0160】
例えば、ある目的地に対して、ホップ数の最も小さな経路、使用可能帯域の最も大きい経路および遅延時間の最も小さな経路の3つを、事前計算経路として計算し、記憶しておくことができる。
【0161】
本実施形態によれば、従来の通信装置の開発時に設計された事前経路計算手段を流用することが可能となり、設計時間を短縮することができる。
【0162】
[第五の実施形態]
次に、本発明の第五の実施の形態について説明する。
【0163】
複数事前経路計算手段24は、使用可能帯域や遅延などの複数のパラメータをある割合で統合することにより得られる統合化パラメータに基づいて、事前経路計算を行うことも可能である。
【0164】
統合化パラメータの例としては、1000/(遅延時間[msec])+(使用可能帯域[Mbps])がある。
【0165】
本実施形態によれば、事前経路計算を一度だけ行うことにより、複数のパラメータを反映した事前計算経路を得ることができるため、計算負荷を低減することができる。
【0166】
[第六の実施形態]
次に、本発明の第六の実施の形態について説明する。
【0167】
コネクション設定に用いられる経路の選択方法は、ネットワーク全体の資源を有効に活用できるかどうかに影響を与える。例えば、同一のコネクション品質要求を満たす経路の中でも、ホップ数の小さな経路を用いることにより、リンクリソースの消費を抑えることができるので、ネットワーク全体の資源を有効に活用することができる。
【0168】
本発明の第一および第二の実施形態においては、事前計算経路抽出手段231における事前計算経路の抽出順序を変更することにより、コネクション設定に用いられる経路の選択方法を制御することが可能である。
【0169】
このため、事前計算経路抽出手段231において、ある1つの統合化パラメータに基づいて事前計算経路を整列しておき、コネクション要求が発生したときに、整列した事前計算経路を頭から順番に探索することにより、候補となる事前計算経路を探索し、抽出することが可能である。
【0170】
図3に示した第一の実施形態の実施例において、統合化パラメータとして使用可能帯域の値を用いれば、事前計算経路521、522、524、523の順で探索が行われる。
【0171】
また、統合化パラメータとして、1000/(遅延時間[msec])+(使用可能帯域[Mbps])を用いると、各事前計算経路521、522、523、524の統合化パラメータはそれぞれ、222、393、530、216となる。統合化パラメータの大きい順に整列すると、事前計算経路523、522、521、524の順で候補となる事前計算経路の探索が行われることになる。
【0172】
本実施形態によれば、統合化パラメータを変更することにより、コネクション設定に用いられる経路の選択方法を制御することが可能となり、ネットワーク全体の資源の利用状況を調節することが可能となる。
【0173】
[第七の実施形態]
次に、本発明の第七の実施形態について説明する。
【0174】
本発明の第六の実施形態においては、統合化パラメータによって整列した順番通りにのみ従って、候補となる経路抽出が行われ、それ以外の順番に従って経路抽出が行われることはない。よって、常に先頭に存在する事前計算経路が使用される確率ばかりが高くなり、使用頻度に偏りが出てしまう。
【0175】
このため、使用頻度における偏りを防止するため、統合化パラメータを重みとして用いる重みつきラウンドロビンによって、候補となる事前計算経路を抽出することが可能である。
【0176】
この実施の形態によれば、整列した順序によらず、同じ統合化パラメータを用いた事前計算経路間で負荷分散を行うことが可能となる。
【0177】
[第八の実施形態]
次に、本発明の第八の実施形態について説明する。
【0178】
事前計算経路抽出手段231における事前計算経路の抽出順序を変更することによりコネクション設定に用いられる経路の選択方法を制御する際に、階層化重みつきラウンドロビンによって、候補となる事前計算経路を抽出することが可能である。
【0179】
以下、本実施形態を図7を参照して説明する。
【0180】
図7に示す表561は、ある目的地に対する事前計算経路のうち、コネクション品質要求を満たす9本の事前計算経路a、b、c、d、e、f、g、h、iについて示している。ここで、階層化ラウンドロビンにおける第1の重みはホップ数、第2の重みは使用可能帯域を用いている。
【0181】
まず、第1の重みであるホップ数を用いたラウンドロビンが行われる。このラウンドロビンにおいては、3:4:5の割合に従って事前計算経路a、b、cのグループ、d、e、fのグループ、g、h、iのグループが選択される。
【0182】
次に、第2の重みである使用可能帯域を用いたラウンドロビンが行われる。例えば、ホップ数3の事前計算経路グループが選択されると、事前計算経路a、b、cが使用可能帯域に基づいてラウンドロビンが行われるので、100:50:10の割合で事前計算経路a、b、cが選択される。
【0183】
本実施の形態においては、ある重みに対してはラウンドロビンを行わないように指定することも可能である。例えば、第1の重みとしてホップ数を用いたラウンドロビンを行わず、単に事前計算経路を整列するためにのみホップ数を用いることも可能である。このようにすることにより、常にホップ数の小さな事前計算経路を選択することが可能になる。
【0184】
本実施形態によれば、階層化重みを変更することにより、コネクション設定に用いられる経路の選択方法を制御することが可能となり、ネットワーク全体の資源の利用状況を調節することが可能となる。
【0185】
また、事前計算経路間で負荷分散を行うことが可能となる。
【0186】
[第九の実施形態]
図8は、本発明の第九の実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置のブロック図である。
【0187】
本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置は、以下に示す点においてのみ、図1に示した第一の実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置と異なり、それ以外の構成は同様である。従って、以下、相違点のみを説明し、同様の構成に関しては説明を省略する。
【0188】
第一の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置におけるデータ処理装置12は、第一の実施形態におけるデータ処理装置9の構成に加え、ブロック率抽出手段27を有している点である。
【0189】
第二の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置における記憶装置13は、第一の実施形態におけるデータ処理装置3の構成に加え、ブロック率記憶部34を有している点である。
【0190】
ブロック率記憶部34は、ブロック率閾値記憶部341と、ブロック回数記憶部342と、コネクション試行回数記憶部343と、を備える。
【0191】
本実施形態におけるブロック率記憶部34は、リンクブロック率及びパスブロック率の何れか一方またはその両方を計測可能である。
【0192】
リンク(パス)ブロック率は、そのリンクがコネクションの候補として計算された回数をα、そのリンクがコネクション品質要求を満たさなかった回数をβとすると、β/αで定義される。
【0193】
コネクション試行回数記憶部343は、リンク(パス)に対して、実行可能性チェック手段233もしくはコネクション設定手段5が実施された回数を記憶する。
【0194】
ブロック回数記憶部342は、リンク(パス)がブロックを起こした回数を記憶する。
【0195】
ブロック率閾値記憶部341は、性能劣化の限界を表すリンク(パス)ブロック率閾値を記憶する。
【0196】
ブロック率抽出手段27は、ブロック回数記憶部342に記憶されたリンク(パス)ブロック回数を、コネクション試行回数記憶部343に記憶されたコネクション試行回数で除算することにより、リンク(パス)ブロック率を計算する。ブロック率抽出手段27は、このようにして得られたブロック率と、ブロック率閾値記憶部341に記憶されたブロック率閾値とを比較し、ブロック率がブロック率閾値よりも大きければ、そのリンク(パス)を用いた通信の性能が劣化したと判断し、複数事前経路計算手段24を用いて、そのリンク(パス)を除いた事前経路経路を再計算する。
【0197】
実行可能性チェック手段233およびコネクション設定手段5は、それぞれが実施された回数をリンクブロック率記憶部34のコネクション試行回数記憶部343に記憶する。
【0198】
図9は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置の動作を示すフローチャートである。以下、図9を参照して、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置の動作を説明する。
【0199】
図9のステップA1乃至A3およびA5乃至A7におけるコネクション要求受信手段4、事前計算経路抽出手段231およびオンデマンド経路抽出手段232の動作は、図2に示す第一の実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置におけるコネクション要求受信手段4、事前計算経路抽出手段231およびオンデマンド経路抽出手段232の動作と同一のため、説明は省略する。
【0200】
本実施形態においては、実行可能性チェック手段233またはコネクション設定手段5におけるリンク(パス)ブロック率を計算し、そのブロック率が、予め設定された閾値よりも大きくなった場合に、そのリンクを除いた状態で事前計算経路を再計算する。
【0201】
事前計算経路抽出手段231がコネクション要求を満たす経路の候補を抽出した場合(ステップA3のYES)、実行可能性チェック手段233は、コネクション試行回数記憶部343が記憶する実行可能性チェック実施回数を1増やされる(ステップD1)。
【0202】
その後、実行可能性チェック手段233により、事前計算経路に含まれる各リンクが、要求されたコネクション品質を満たしているかどうかが判定される(ステップC1)。
【0203】
事前経路計算手段231から実行可能性チェック手段233に与えられた事前計算経路に含まれるリンクが、要求されたコネクション品質を満たさない場合(ステップC1のNO)、ブロック回数記憶部342に記憶されている、該当リンク(パス)のブロック回数を1増やす(ステップD2)。
【0204】
次いで、ブロック率抽出手段27によって該当リンク(パス)の実行可能性チェック時におけるブロック率を計算し、このブロック率がブロック率閾値記憶部341に記憶されているブロック率閾値よりも大きい場合、複数事前経路計算手段24を用いて、該当リンク(パス)を用いない事前経路を再計算し、事前計算経路記憶部32に記憶された事前計算経路の情報を更新する(ステップD3)。
【0205】
一方、事前経路計算手段231から実行可能性チェック手段233に与えられた事前計算経路に含まれる全てのリンクが、要求されたコネクション品質を満たす場合(ステップC1のYES)、コネクション試行回数記憶部343が記憶する、コネクション設定手段5の実施回数を1増やし(ステップD4)、コネクション設定手段5にその事前計算経路を供給する。
【0206】
コネクション設定手段5では、与えられた事前計算経路に基づいてコネクション設定の試行を行うが(ステップD5)、コネクション設定の段階において、あるリンクが要求されたコネクション品質を満たさない場合(ステップD5のNO)、ブロック回数記憶部342に記憶されている、該当リンク(パス)のブロック回数を1増やす(ステップD2)。
【0207】
次いで、ブロック率抽出手段27によって、コネクション設定時における該当リンク(パス)のブロック率を計算し、このブロック率がブロック率閾値記憶部341に記憶されているブロック率閾値よりも大きい場合、複数事前経路計算手段24を用いて、該当リンク(パス)を用いない事前経路を再計算し、事前計算経路記憶部32に記憶された事前計算経路の情報を更新する。
【0208】
ステップD3において、事前経路の再計算を行う閾値として、実行可能性チェック時のブロック率Rとコネクション設定時におけるブロック率Sを線形補間した値Tを用いることもできる。Tは次式により定義される。
【0209】
T=Y×R+(1−Y)×S
また、ステップD3において、事前経路再計算を行う閾値として、時間を定義域にする関数を用いることも可能である。時間が経過するに従って、閾値が増加するような関数を用いることにより、事前経路再計算の間隔を長くすることができ、頻繁に事前経路再計算が行われることを防ぐことができる。
【0210】
次に、本実施形態により得られる効果について説明する。
【0211】
本実施形態によれば、各リンクのリンクブロック率を算出することにより、事前計算経路記憶部32に記憶された事前計算経路の性能の性能劣化を検知し、劣化部分の特定をすることが可能となる。そして、劣化部分を取り除いた状態で事前計算経路を再計算するため、常に低いブロック率を実現する事前計算経路を使用することが可能となる。
[第十の実施形態]
図10は、本発明の第十の実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置のブロック図である。
【0212】
本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置は、以下に示す点においてのみ、図1に示した第一の実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置と異なり、それ以外の構成は同様である。従って、以下、相違点のみを説明し、同様の構成に関しては説明を省略する。
【0213】
第一の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置におけるデータ処理装置14は、第一の実施形態におけるデータ処理装置9の構成に加えて、リンク品質判定手段28を有している点である。
【0214】
第二の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置における記憶装置15は、第一の実施形態におけるデータ処理装置3の構成に加え、リンク品質閾値記憶部35を有している点である。
【0215】
リンク品質閾値記憶部35は、使用可能な最低品質を表すリンク品質閾値を記憶している。
【0216】
リンク品質判定手段28は、リンクリソース情報更新手段21から供給された、更新リンクのリンクリソース情報と、リンク品質閾値記憶部35に記憶されたリンク品質閾値とを比較することにより、変更のあったリンクの品質が許容できる最低品質を満たしているかどうかを判定する。リンク品質閾値よりも品質の悪いリンクが存在する場合、複数事前経路計算手段24を用いて該当リンクを除いた事前経路を再計算し、事前計算経路記憶部32に記憶された事前計算経路の情報を更新する。
【0217】
図11は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置の動作を示すフローチャートである。以下、図11を参照して、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置の動作を説明する。
【0218】
図11のステップB0乃至B2におけるリンクリソース情報受信手段1およびリンクリソース情報更新手段21の動作は、図21に示す従来のリンクステートルーティング用通信装置におけるリンクリソース情報受信手段1およびリンクリソース情報更新手段21のステップB0乃至B2動作と同一のため、説明は省略する。
【0219】
リンクリソース情報更新手段21は、リンクリソース情報受信手段1から与えられたリンクリソース情報とリンクリソース情報記憶部31に記憶されたリンクリソース情報とを比較し、更新リンクの情報を抽出し、抽出した情報をリンク品質判定手段28に供給する(ステップB1)。
【0220】
リンク品質判定手段28は、供給された更新リンクのリソース情報と、リンク品質閾値記憶部35に記憶されているリンク品質閾値とを比較する(ステップE1)。
【0221】
その結果、更新リンクのリソース情報がリンク品質閾値に比べて品質劣化していることが判明すると(ステップE1のNO)、複数事前経路計算手段24を用いて、更新リンクを除いた事前計算経路を再計算し、事前計算経路記憶部32に記憶された事前計算経路を更新する(ステップE2)。
【0222】
次に、本実施形態により得られる効果について説明する。
【0223】
本実施形態によれば、リンクリソース情報受信手段1より得られるリンクリソース情報に基づいて、品質劣化したリンクを検知することが可能となる。そして、品質劣化を検知すると同時に、品質劣化部分を取り除いた事前計算経路を再計算することにより、ブロック率を低減する事前計算経路を常時使用することが可能となる。
[第十一の実施形態]
図12は、本発明の第十の実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置のブロック図である。
【0224】
本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置は、以下に示す点においてのみ、図22に示した従来のリンクステートルーティング用境界通信装置と異なり、それ以外の構成は同様である。従って、以下、相違点のみを説明し、同様の構成に関しては説明を省略する。
【0225】
第一の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置におけるデータ処理装置16は、図22に示した従来のリンクステートルーティング用境界通信装置におけるデータ処理装置6に含まれる要約情報計算手段61の代わりに、高速要約情報計算手段62を備えている点である。
【0226】
第二の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置におけるデータ処理装置16は、図1に示した第一の実施形態に係るデータ処理装置9に含まれる複数事前経路計算手段24を備えている点である。
【0227】
第三の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置における記憶装置17は、図22に示した従来のリンクステートルーティング用境界通信装置における記憶装置7の構成に加え、図1に示した第一の実施形態における事前計算経路記憶部32を含んでいる点である。
【0228】
高速要約情報計算手段62は、経路リソース情報による要約情報計算手段621と、図4に示した第二の実施形態における事前計算経路リソース情報抽出手段26と、を備える。
【0229】
経路リソース情報による要約情報計算手段621は、事前計算経路トポロジー情報記憶部321およびリンクリソース情報記憶部31を参照し、経路リソース情報を抽出し、要約情報を計算し、計算結果を要約情報送信手段8へ供給する。このように、高速要約情報計算手段62は、事前計算経路情報に基づいて要約情報を計算できるため、処理の高速化を実現することができる。
【0230】
次に、本実施形態の実施例について図13を参照して説明する。
【0231】
図13(A)は、階層601、602、603および604から構成される階層化ネットワークの情報を階層601のために要約した結果の一例を示している。
【0232】
階層602は、通信装置501、502、503、504および505から構成されているネットワークである。このとき、通信装置501、503および505は他階層に接続しているため、境界通信装置となる。
【0233】
ここで、階層602のリンクリソース情報を、階層601へ送信するものとする。
【0234】
仮に、階層601のために階層602の情報を要約しないのであれば、全部で7本のリンクに関するリンクリソース情報を境界通信装置501から階層601へ送信することになる。
【0235】
一方、階層602の情報を要約した場合、階層601へは、要約情報702が伝達される。要約情報702においては、階層602の情報が、他階層603、604へ接続している境界通信装置503および505に直接接続するネットワークへと要約されている。よって、要約情報702を用いれば、図13(B)に示すように、全部で2本のリンクに関するリンクステート情報を境界通信装置501から階層601へ送信するだけでよい。
【0236】
以下に、経路リソース情報による要約情報計算手段621が要約情報702の要約リンクリソース情報を計算する場合の一例を図14および図15を使って説明する。
【0237】
図14の表511は階層602のリンクリソース情報を表し、表531は通信装置501から通信装置503への事前計算経路情報を表す。図15の表591は表531を用いて計算された、境界通信装置7021と境界通信装置7023(図13(B))とを結ぶ要約リンク情報を表している。
【0238】
事前計算経路リソース情報抽出手段26は、表531に示されるリンクリソース情報に基づいて、境界通信装置503への事前計算経路521、522、523および524に関する事前計算経路リソース情報(表531)を計算する。
【0239】
要約情報計算手段621は、計算された事前計算経路リソース情報(表531)から、境界通信装置501と503との間の要約リンクリソース情報として適切なものを選択する。例えば、それぞれの経路リソース情報の中から最良値を選択する場合、要約リンクリソース情報として、遅延2msec、使用可能帯域80Mbpsが与えられる(図15の表591におけるポリシー最良値)。
【0240】
また、それぞれの経路リソース情報の中から最悪値を選択する場合、要約リンクリソース情報として、遅延7msec、使用可能帯域30Mbpsが与えられる(図15の表591におけるポリシー最悪値)。
【0241】
また、最良値と最悪値との線形補間の値を与える場合、遅延及び使用可能帯域は次の二式により定義される。
【0242】
遅延:2X+7(1−X)=7−5X [msec]
使用可能帯域:80X+30(1−X)=30+50X [Mbps]
ここで、Xは0から1の間の実数として与えることができる(図15の表591におけるポリシー線形補間)。
【0243】
要約情報計算手段621は、他の要約リンクステート情報(ここでは、境界通信装置501と505との間の要約リンクステート情報)も同様にして決定する。
【0244】
次に、本実施形態により得られる効果について説明する。
【0245】
本実施形態によれば、事前計算経路を用いて要約情報を計算することにより、処理の高速化を実現することができる。
【0246】
[第十二の実施形態]
次に、本発明の第十二の実施形態について説明する。
【0247】
上述した第十一の実施形態においては、リンクリソース情報が更新されると、全ての事前計算経路リソース情報が再計算される。しかし、全ての事前計算経路リソース情報を再計算することは必ずしも必要ではなく、更新のあったリンクを含んでいる事前計算経路の経路リソース情報だけを再計算することにより、計算の回数を減らすことができる。
【0248】
これを実現するためには、本発明の第二の実施形態と同じく、事前計算経路記憶部32の代わりに、リンク−経路対応表記憶部323を含む前記事前計算経路記憶部33(図4参照)を採用すればよい。
【0249】
事前計算経路リソース情報抽出手段26は、リンク−経路対応表記憶部323を参照することにより、変更のあったリンクを含んでいる事前計算経路の経路リソース情報だけを再計算できるようになる。
【0250】
本実施形態によれば、更新のあったリンクを含んでいる事前計算経路の経路リソース情報だけを再計算できるので、計算負荷を低減することができる。
[第十三の実施形態]
図16は、本発明の第十三の実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置のブロック図である。
【0251】
本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置は、以下に示す点においてのみ、図22に示した従来のリンクステートルーティング用境界通信装置と異なり、それ以外の構成は同様である。従って、以下、相違点のみを説明し、同様の構成に関しては説明を省略する。
【0252】
第一の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置におけるデータ処理装置18は、図22に示した従来のリンクステートルーティング用境界通信装置におけるデータ処理装置6の構成に加え、変化率抽出手段63および変化率比較手段64を備えている点である。
【0253】
第二の相違点は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用通信装置における記憶装置19は、図22に示した従来のリンクステートルーティング用境界通信装置における記憶装置7の構成に加え、要約情報記憶部36および変化率閾値記憶部37を備えている点である。
【0254】
要約情報記憶部36は、前回他階層へ送信した要約情報を記憶している。
【0255】
変化率閾値記憶部37は、要約情報を他階層へ送信するかどうかを判断するときに用いる変化率閾値を記憶する。
【0256】
変化率抽出手段63は、要約情報計算手段61から供給された新しい要約情報と、要約情報記憶部36が記憶する前回送信済みの古い要約情報とを比較することにより、変化率を抽出し、新しい要約情報およびその変化率を変化率比較手段64に供給する。
【0257】
変化率比較手段64は、変化率抽出手段63から供給された変化率と、変化率閾値記憶部37が記憶する変化率閾値とを比較し、変化率が変化率閾値よりも大きかった場合には、要約情報記憶部36に記憶された古い要約情報を、今回計算された新しい要約情報に更新し、その新しい要約情報を要約情報送信手段8へ供給する。
【0258】
図17は、本実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の動作を示すフローチャートである。以下、図17を参照して、本実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の動作を説明する。
【0259】
リンクリソース情報更新手段21がリンクリソース情報を受信すると(ステップG0)、要約情報計算手段61は、リンクステート情報記憶部31の内容を参照しながら、他階層に対して、自階層から先のネットワークの状態を要約した情報を計算し(ステップG1)、計算した要約情報を変化率抽出手段63へ供給する。
【0260】
変化率抽出手段63は、要約情報計算手段61から供給された新しい要約情報と、要約情報記憶部36に記憶された前回送信した古い要約情報とを比較し、変化率を抽出する(ステップG2)。
【0261】
抽出された変化率は変化率比較手段64に供給される。
【0262】
変化率比較手段64は、変化率抽出手段63から供給された変化率と、変化率閾値記憶部37が記憶する変化率閾値とを比較する(ステップG3)。
【0263】
変化率が変化率閾値よりも大きかった場合には(ステップG3のYES)、大きな変化が発生したと判断し、要約情報記憶部36に記憶された古い要約情報を新しい要約情報に更新し(ステップG4)、その新しい要約情報を要約情報送信手段8へ供給する(ステップG5)。
【0264】
変化率抽出手段63から供給された変化率が変化率閾値より小さかった場合には(ステップG3のNO)、変化が小さかったと判断し、計算された要約情報は送信されずに処理を終了する。
【0265】
次に、本実施形態の実施例について説明する。
【0266】
図18に示す表581は、図13に示される階層602内のリンク(a、e)のリンクリソース情報を表す。図18の表582は、階層602の要約情報を作るために用いられる事前計算経路(境界通信装置501から境界通信装置503への事前計算経路および境界通信装置501から境界通信装置505への事前計算経路)の情報を表す。表583は、表582から計算された階層602の要約情報を表す。
【0267】
表581に示されるように、リンク(a、e)の遅延時間が1msecから3msecへ、使用可能帯域が50Mbpsから20Mbpsへ変更されたものとする。
【0268】
要約情報計算手段61は、まず、事前計算経路リソース情報を更新する(表582)。
【0269】
次に、更新された事前計算経路リソース情報に基づいて、要約情報を変更する(表583)。
【0270】
変化率抽出手段63は要約情報の変化率を計算する。ここでは、変化率として、 |Rorg−Rlast|/Rlast を用いている。Rorgは変更前のリソース情報の値、Rlastは変更後のリソース情報の値を表す。
【0271】
要約情報全体の変化率は、例えば、要約リンクの変化率の和として求めることができる。
【0272】
また、要約リンクの変化率は、例えば、各リンクリソース情報における変化率の和として求めることができる。
【0273】
要約情報計算のポリシーとして最良値を取る場合、要約リンク(a、c)においては、遅延時間の変化率33%、使用可能帯域の変化率0%であるので、要約リンク(a、c)における変化率の合計は 33+0=33% となる。
【0274】
同様に、要約リンク(a、d)においては、遅延時間の変化率20%、使用可能帯域の変化率0%であるので、要約リンク(a、d)における変化率の合計は 20+0=20% となる。
【0275】
よって、要約情報全体の変化率は、要約リンクの変化率を合計して、53%になる。
【0276】
要約情報計算のポリシーとして最悪値を取る場合、要約リンク(a、c)においては、遅延時間の変化率13%、使用可能帯域の変化率50%であるので、要約リンク(a、c)における変化率の合計は 13+50=63% となる。
【0277】
同様に、要約リンク(a、d)においては、遅延時間の変化率0%、使用可能帯域の変化率50%であるので、要約リンク(a、d)における変化率の合計は 0+50=50% となる。
【0278】
よって、要約情報全体の変化率は、要約リンクの変化率を合計して、113%になる。
【0279】
次に、本実施形態により得られる効果について説明する。
【0280】
本実施形態によれば、計算した要約情報が、前回他階層の境界通信装置に通知した要約情報と比較して、どれだけ変化したのかを測定し、大きな変化が発生したときのみ、要約情報を送信することを可能とする。このように、大きな変化が発生したときのみ要約情報が送信されるため、ネットワーク中に伝播される要約情報の量を削減することができる。
【0281】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0282】
第1の効果は、要求に適した経路を、予め記憶した複数の事前計算経路の中から選び出すことができるので、コネクション要求時に経路を再計算する手間が減り、高速なコネクション設定を行うことが可能になることである。
【0283】
その理由は、1つの目的地に対して複数の事前計算経路を計算し、その中から要求に適した候補経路を抽出しているからである。
【0284】
第2の効果は、事前計算経路を用いたコネクションのブロック率が低減されることである。
【0285】
その理由は、実行可能性チェック手段もしくは事前計算経路更新手段の作用により、最新のリンクリソース情報を事前計算経路に反映させることができるためである。
【0286】
第3の効果は、高速な要約情報計算が可能となり、境界通信装置における処理負荷を低減できることである。
【0287】
その理由は、事前計算経路を用いた要約情報計算を行うためである。
【0288】
第4の効果は、ネットワーク中に伝播する要約情報の量を低減し、他の境界通信装置における要約情報受信による一連の処理を省くことができることである。
【0289】
その理由は、要約情報の変化率に応じて、要約情報の計算もしくは送信を制御することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第一の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の実施例を示す概略図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第二の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の実施例における事前計算経路リソース情報を表す表である。
【図7】本発明の第八の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の実施例における事前計算経路リソース情報を表す表である。
【図8】本発明の第九の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第九の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第十の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第十の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第十一の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第十一の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の第一の実施例を示す概略図である。
【図14】本発明の第十一の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の第二の実施例を示す概略図である。
【図15】本発明の第十一の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の第三の実施例における事前計算経路リソース情報を表す表である。
【図16】本発明の第十三の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第十三の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第十三の実施形態に係るリンクステートルーティング用境界通信装置の実施例における事前計算経路リソース情報を表す表である。
【図19】従来のリンクステートルーティング用通信装置の構成を示すブロック図である。
【図20】図19に示した従来のリンクステートルーティング用通信装置のコネクション要求受信時の動作を示すフローチャートである。
【図21】図19に示した従来のリンクステートルーティング用通信装置のリンクリソース情報受信時の動作を示すフローチャートである。
【図22】従来のリンクステートルーティング用境界通信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 リンクリソース情報受信手段
21 リンクリソース情報更新手段
22 事前経路計算手段
231 事前計算経路抽出手段
232 オンデマンド経路抽出手段
233 実行可能性チェック手段
24 複数事前経路計算手段
25 経路抽出手段
26 事前計算経路リソース情報抽出手段
27 ブロック率抽出手段
28 リンク品質判定手段
3 記憶装置
31 リンクリソース情報記憶部
32 事前計算経路記憶部
321 事前計算経路トポロジー記憶部
322 事前計算経路リソース情報記憶部
323 リンク−経路対応表記憶部
33 事前計算経路記憶部
34 ブロック率記憶部
341 ブロック率閾値記憶部
342 ブロック回数記憶部
343 コネクション試行回数記憶部
35 リンク品質閾値記憶部
36 要約情報記憶部
37 変化率閾値記憶部
4 コネクション要求受信手段
5 コネクション設定手段
6 データ処理装置
61 要約情報計算手段
62 高速要約情報計算手段
621 経路リソース情報による要約情報計算手段
63 変化率抽出手段
64 変化率比較手段
7 記憶装置
8 要約情報送信手段
9、10、12、14、16 データ処理装置
11、13、15、17 記憶装置
501、502、503、504、505 リンクステートルーティング用通信装置
511 リンクリソース情報
521、522、523、524 事前計算経路
531 事前計算経路情報
541 リンク(a、c)を含む事前計算経路情報
542 リンク(a、c)を含む事前計算経路情報
551 リンク(a、c)のリソース情報の変化
561 ある目的地に対する事前計算経路のうちコネクション品質要求を満たすもの
581 リンク(a、e)のリソース情報の変化
582 事前計算経路のリソース情報の変化
583 要約リンクのリソース情報の変化
591 要約リンク情報
601、602、603、604 階層化ネットワークにおける各階層
702 階層602の要約リンク表現
7021、7022、7023 階層602の境界通信装置

Claims (9)

  1. 他の通信装置から送られたリンクリソース情報を受信するリンクリソース情報受信手段と、
    リンクリソース情報を記憶するリンクリソース情報記憶部と、
    前記リンクリソース情報を更新するリンクリソース情報更新手段と、
    コネクション要求発生前に、一つの目的地に対して候補となる複数の経路を計算する複数事前経路計算手段と、
    前記複数事前経路計算手段によって計算された事前計算経路情報を記憶する事前計算経路記憶部と、
    前記事前計算経路記憶部から候補経路を抽出する事前計算経路抽出手段と、
    各リンクがどの事前計算経路に含まれているかを記憶したリンク−経路対応表を記憶するリンク−経路対応表記憶部と、
    前記リンクリソース情報更新手段から供給された更新リンクの情報をキーにして、該更新リンクと対応する事前計算経路を前記リンク−経路対応表の中から検索し、前記事前計算経路記憶部に記憶された事前計算経路情報のうち、前記更新リンクと対応する情報を更新する事前計算経路リソース情報抽出手段と、
    を備えたことを特徴とするリンクステートルーティング用通信装置。
  2. 前記複数事前経路計算手段は、リンクリソース情報に依存せず、リンク固定のパラメータに基づいて、複数事前経路の計算を行うものであることを特徴とする請求項1に記載のリンクステートルーティング用通信装置。
  3. 前記複数事前経路計算手段は、複数のパラメータを統合した統合化パラメータに基づいて、複数事前経路の計算を行うものであることを特徴とする請求項1に記載のリンクステートルーティング用通信装置。
  4. 前記事前計算経路抽出手段は、統合化パラメータに基づいて事前計算経路を整列させ、整列した事前計算経路を先頭から順番に探索し、候補となる事前計算経路を抽出するものであることを特徴とする請求項1に記載のリンクステートルーティング用通信装置。
  5. 前記事前計算経路抽出手段は、統合化パラメータを重みとする重みつきラウンドロビンによって、候補となる事前計算経路を抽出するものであることを特徴とする請求項に記載のリンクステートルーティング用通信装置。
  6. 前記事前計算経路抽出手段は、階層化重みつきラウンドロビンによって、候補となる事前計算経路を抽出するものであることを特徴とする請求項1に記載のリンクステートルーティング用通信装置。
  7. 前記リンクリソース情報記憶部に記憶されているリンクリソース情報に基づいて、コネクション品質要求を満たす経路を計算するオンデマンド経路抽出手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のリンクステートルーティング用通信装置。
  8. 他の通信装置からリンクリソース情報を受信する第一の過程と、
    前記第一の過程において受信したリンクリソース情報と、予め記憶されているリンクリソース情報とを比較し、リソース情報に変更のあったリンクを抽出する第二の過程と、
    事前に計算された経路のうち、変更のあったリンクを含む経路を抽出する第三の過程と、
    前記第三の過程において抽出された経路の経路リソース情報を抽出し、その内容を更新する第四の過程と、
    を備えるリンクステートルーティング用通信方法。
  9. 事前に計算された全ての経路の経路リソース情報を更新するまで、前記第四の過程を繰り返す第五の過程をさらに備えることを特徴とする請求項に記載のリンクステートルーティング用通信方法。
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