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JP3575787B2 - 自動車用ドアトリム - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ドアトリムに係り、特に、樹脂芯材と表皮材とからなるドアトリムアッパーと、合成樹脂の射出成形体からなるドアトリムロアとの上下二分割体からなる自動車用ドアトリムに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、自動車室内には、各種内装部品が内装されており、図5はドアパネルに内装される自動車用ドアトリムを示す正面図、図6は同自動車用ドアトリムの構成を示す断面図であり、意匠性を高めるために、自動車用ドアトリム1は、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との上下二分割体が採用されることが多い。
【0003】
そして、ドアトリムアッパー2及びドアトリムロア3の構成は、図6に示すように、ドアトリムアッパー2は、所望の曲面形状に成形された樹脂芯材2a表面に表皮材2bが貼着され、ドアトリムロア3はPP樹脂等の合成樹脂の射出成形体から構成されている。
【0004】
更に、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との接合構造としては、図6、並びに図7に拡大して示すように、ドアトリムアッパー2の下縁に沿って表面側にドアトリムロア3の上縁をラップさせて、このラップ部分においてドアトリムロア3の裏面側に所定ピッチ間隔をおいて超音波用ボス4を突設形成し、この超音波用ボス4をドアトリムアッパー2に開設した取付孔5内に挿入した後、超音波用ボス4の先端部分を超音波溶着加工によりカシメ加工することによりドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との接合固定を行なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の上下二分割構成の自動車用ドアトリム1においては、複数の超音波加工ポイントでドアトリムアッパー2とドアトリムロア3とを接合固定するという構成であるため、超音波溶着加工時、超音波ホーンで適度のプレス圧を加えながら溶着加工を行なうが、例えば、ドアトリムアッパー2の表皮材2bが厚手仕様の場合、ドアトリムロア3の上縁部分は取付方向とは逆方向に押圧され、超音波用ボス4の突出量も設定値通りにならず、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との取付強度が低下するため、十分な取付強度が得られないという不具合が指摘されている。
【0006】
また、超音波用ボス4の突出量が少ない場合には、超音波溶着時間が長引き、超音波用ボス4を伝わってドアトリムロア3表面部分に表面ツヤ等の外観不良が生じ、超音波溶着ポイントにおける外観上の違和感を与え、外観不良を誘発するという問題点も指摘されている。
【0007】
加えて、ドアトリムアッパー2とドアトリム3ロアとは接合ラインLに沿って、複数箇所(通常5,6箇所)の各超音波溶着固定ポイントにおいて、ドアトリムアッパー2に設けた取付孔5に対してドアトリムロア3の超音波用ボス4を挿入操作して、超音波用治具(超音波ホーン)で超音波加工を行なうが、両部品2,3の位置決め並びに仮保持作業が面倒で、このことも生産性の低下を招く要因となっている。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、樹脂芯材表面に表皮材を貼着してなるドアトリムアッパーと合成樹脂の射出成形体からなるドアトリムロアとの上下二分割体からなる自動車用ドアトリムにおいて、トリムアッパーとトリムロアとの位置決めが簡単に行なえるとともに、取付強度を強化でき、しかも、廉価でかつ表面光沢等の外観不良を可及的に防止できる自動車用ドアトリムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明は、所要形状に成形された樹脂芯材表面に表皮材を貼着してなるドアトリムアッパーと、合成樹脂の射出成形体からなるドアトリムロアとの上下二分割体から構成される自動車用ドアトリムにおいて、前記ドアトリムアッパーと、ドアトリムロアの接合ラインに沿って、ドアトリムロアの上縁側裏面に超音波用ボス並びに、係止爪が適宜間隔を配して形成され、ドアトリムアッパーの下縁に沿って上記超音波用ボスを挿入する取付孔並びに係止爪と係着する係止孔が形成され、接合ラインに沿って超音波固定ポイントと係着固定ポイントとを混在させ、上記係着固定ポイントは、少なくとも2箇所に設定され、係着固定ポイントでドアトリムアッパーとドアトリムロアとが仮止め固定されることにより、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの間のクリアランス及び超音波用ボスの突出量を一定に維持できるようにしたことを特徴とする
【0011】
ここで、ドアトリムを構成するドアトリムアッパーは、タルク等のフィラーを混入したポリプロピレン樹脂(以下PP樹脂という)を素材としてモールドプレス成形により所要形状に成形された樹脂芯材と、この樹脂芯材の表面にクロス,不織布,合成樹脂シート等の表皮層、あるいは表皮層の裏面にポリウレタンフォーム,ポリオレフィン系樹脂フォーム等の発泡層を裏打ちした積層シート材料を一体貼着して構成される。
【0012】
また、ドアトリムロアは、PP樹脂等合成樹脂の射出成形体からなり、ドアポケット用開口やスピーカーグリル部が一体に形成されている。
【0013】
次いで、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの接合構造としては、ドアトリムアッパーの下側表面にドアトリムロアの上部側縁部をラップさせて、両者の接合ラインに沿って複数の固定ポイントを介して固定する。
【0014】
上記固定ポイントとしては、超音波固定ポイントと係着固定ポイントを混在させたことが特徴であり、超音波固定ポイントとしては、ドアトリムロアの裏面に突設形成した超音波用ボスをドアトリムアッパーに対応して設けた取付孔内に挿入し、超音波用ボス先端を超音波溶着加工することにより行なうもので、係着固定ポイントとしては、ドアトリムロアの裏面に設けた係止爪をドアトリムアッパーに対応して設けられた係止孔内に係着固定して行なう。
【0015】
以上の構成から明らかなように、本願発明によれば、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとを接合する固定ポイントとして、超音波固定ポイントと係着固定ポイントとを混在させるという構成であるため、超音波固定ポイントを従来のものに比べ削減できるため、超音波溶着設備を簡素化できる。
【0016】
更に、係着固定ポイントにおいて、ドアトリムアッパーの係止孔内にドアトリムロアに設けた係止爪を係着固定するため、ドアトリムロアにドアトリムアッパーを位置決めした際、単に両部材を重ねるだけではなく、係着ポイントで両者のクリアランスを一定に維持でき、常に超音波用ボスの突出量を適正量に維持できるため、適切な取付強度が得られるとともに、超音波溶着時間が長引いて表面不良等が生じる恐れがない。
【0017】
次いで、本願発明によれば、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの接合ラインに沿って形成される係着固定ポイントは、少なくとも2箇所に設定され、両部材を仮止め固定できるという構成であるため、係着固定ポイントでドアトリムアッパーとドアトリムロアとの仮止めがなされているため、超音波固定ポイントで超音波用ボスが取付孔から外れることがなく、再セット作業等の作業が不要となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動車用ドアトリムの実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明に係る自動車用ドアトリムの第1実施形態を示す正面図、図2は図1に示す自動車用ドアトリムの構成を示す断面図、図3並びに図4は自動車用ドアトリムにおけるトリムアッパーとトリムロアとの接合箇所の構成を示す各要部拡大断面図である。
【0020】
図1,図2において、自動車用ドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との上下二分割体から構成されている。更に詳しくは、図2に示すように、ドアトリムアッパー20は、本実施形態においては、タルクを混入したPP樹脂をモールドプレス成形により所要形状に成形してなる樹脂芯材21の表面に、クロス裏面にポリエチレンフォーム等の発泡層を裏打ちした表皮材22を貼着して構成され、通常、表皮材22は樹脂芯材21のモールドプレス成形時に接着一体化される。
【0021】
一方、ドアトリムロア30は、PP樹脂(あるいは所定量タルクを混入したもの)を射出成形することにより、所要形状に成形されており、ドアポケット用開口31とスピーカーグリル部32が一体に形成されている。そして、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30は、接合ラインLに沿って複数の固定ポイントを介して両者は接合固定されている。
【0022】
ところで、本発明に係る自動車用ドアトリム10の構成上の特徴は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との接合ラインLに沿って、超音波固定ポイントAと係着固定ポイントBとを混在させることにある。
【0023】
すなわち、具体的には、超音波固定ポイントAは、図3に示すように、ドアトリムアッパー20の下側表面にドアトリムロア30の上部側をラップさせて、ドアトリムロア30の裏面に超音波用ボス33が突設形成され、この超音波用ボス33をドアトリムアッパー20の取付孔23内に挿入して、超音波用ボス33の先端部分を超音波ホーンによりカシメ加工することにより超音波溶着固定が行なわれる。
【0024】
次いで、係着固定ポイントBにおいては、図4に示すように、同様にドアトリムアッパー20とドアトリムロア30のラップ部分において、ドアトリムロア30の裏面に係止爪34が突設形成され、これと対応する位置にドアトリムアッパー20には係止孔24が開設されている。
【0025】
そして、このドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との係着固定ポイントBにおいては、係止孔24内に係止爪34が係着固定されることにより、ドアトリムアッパー20における樹脂芯材21の表面とドアトリムロア30の上端縁30aとのクリアランスaが、常に一定に維持され、例えば、ドアトリムアッパー20の表皮材22の厚みのバラツキによりクリアランスaが変化することがなく、このことは、超音波用ボス33の挿入量(図3中符号bで示す)を常に一定に確保することになる。
【0026】
このように、本発明に係る自動車用ドアトリム10によれば、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との接合構造として、超音波固定ポイントAと係着固定ポイントBとを混在させることにより、ドアトリムアッパー20における表皮材22の厚みバラツキがあっても、常に超音波用ボス33の挿入量bを一定に確保できるため、強固な取付強度が得られ、ドアトリム10の品質性能を高めることができるとともに、超音波溶着時間が長引くことにより外観不良等が生じることがなく、表面不良を大幅に削減できることから生産性を高めることができるという利点がある。
【0027】
更に、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とを係着固定ポイントBを介して接合固定すれば、ドアトリムアッパー20の表面とドアトリムロア30の上縁30aとのクリアランスaを一定に保った状態で仮保持できるため、超音波固定ポイントAにおいて、超音波用ボス33が取付孔23から外れることがなく、超音波工程におけるセット作業が簡単かつ確実に行なえ、超音波用ボス33の外れによる再セット作業も廃止できる等、作業性を高めることができるとともに、超音波固定ポイントAの設置箇所を削減できることから、超音波用治具を簡素化でき、超音波発振器が高価であるため、設備簡素化に伴なう大幅なコストダウンを招来できるという効果を有する。
【0028】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明は、以下に記載する格別の作用効果を有する。
【0029】
(1)本願発明によれば、樹脂芯材表面に表皮材を貼着してなるドアトリムアッパーと、合成樹脂の射出成形体からなるドアトリムロアとの上下二分割体からなる自動車用ドアトリムにおいて、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの接合ラインに沿って両者を接合固定する超音波固定ポイントと係着固定ポイントとを混在させるという構成であるため、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの係着固定ポイントでドアトリムアッパーの樹脂芯材とドアトリムロアとの間のクリアランスを常に一定に保つことができ、超音波用ボスの挿入量が一定に確保できることから、超音波固定ポイントにおける強固な固定強度が得られ、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの取付強度を強化でき、外部からの衝撃等によりドアトリムアッパーとドアトリムロアとが外れることがなく、ドアトリムの品質性能を高めることができるという効果を有する。
【0030】
(2)本願発明によれば、樹脂芯材表面に表皮材を貼着してなるドアトリムアッパーと、合成樹脂の射出成形体からなるドアトリムロアとの上下二分割体からなる自動車用ドアトリムにおいて、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの接合ラインに沿って両者を接合固定する超音波固定ポイントと係着固定ポイントとを混在させるという構成であるため、ドアトリムアッパーにおける表皮材の厚みバラツキにより超音波用ボスの挿入量が左右されることがなく、表皮材の材料選定の自由度を高めることができるとともに、超音波加工時における加工時間の長期化による表面ツヤ等の外観不良も皆無となるため、造形自由度の向上並びに外観不良の低減を図ることができるという効果を有する。
【0031】
(3)本願発明によれば、樹脂芯材表面に表皮材を貼着してなるドアトリムアッパーと、合成樹脂の射出成形体からなるドアトリムロアとの上下二分割体からなる自動車用ドアトリムにおいて、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの接合ラインに沿って両者を接合固定する超音波固定ポイントと係着固定ポイントとを混在させるという構成であり、従来の超音波固定ポイントの一部を係着固定ポイントとして代替するという構成であるため、超音波ホーン並びに発振器の数を削減でき、超音波加工設備の簡素化に伴なう大幅なコストダウンを招来できるという効果を有する。
【0032】
(4)本願発明によれば、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとの係着固定ポイントを少なくとも2箇所に設け、これら係着固定ポイントでドアトリムアッパーとドアトリムロアとを仮止め状態とするため、超音波加工時、ドアトリムアッパーとドアトリムロアとを位置決めした際、係着固定ポイントでの係着力により超音波固定ポイントで超音波用ボスが取付孔から外れるという不具合がなく、超音波用ボスの再セット作業を廃止でき、円滑に超音波溶着工程を進めることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用ドアトリムの一実施形態を示す正面図。
【図2】図1中II−II線断面図。
【図3】図1に示す自動車用ドアトリムにおける超音波固定ポイントの構成を示す要部拡大断面図。
【図4】図1に示す自動車用ドアトリムにおける係着固定ポイントを示す要部拡大断面図。
【図5】従来の自動車用ドアトリムを示す正面図。
【図6】図5中VI−VI線断面図。
【図7】従来の自動車用ドアトリムにおける超音波固定ポイントの構成を示す拡大断面図。
【符号の説明】
10 自動車用ドアトリム
20 ドアトリムアッパー
21 樹脂芯材
22 表皮材
23 取付孔
24 係止孔
30 ドアトリムロア
33 超音波用ボス
34 係止爪
A 超音波固定ポイント
B 係着固定ポイント
a クリアランス
b 超音波用ボス挿入量

Claims (1)

  1. 所要形状に成形された樹脂芯材(21)表面に表皮材(22)を貼着してなるドアトリムアッパー(20)と、合成樹脂の射出成形体からなるドアトリムロア(30)との上下二分割体から構成される自動車用ドアトリムにおいて、
    前記ドアトリムアッパー(20)と、ドアトリムロア(30)の接合ライン(L)に沿って、ドアトリムロア(30)の上縁側裏面に超音波用ボス(33)並びに、係止爪(34)が適宜間隔を配して形成され、ドアトリムアッパー(20)の下縁に沿って上記超音波用ボス(33)を挿入する取付孔(23)並びに係止爪(34)と係着する係止孔(24)が形成され、接合ライン(L)に沿って超音波固定ポイント(A)と係着固定ポイント(B)とを混在させ、上記係着固定ポイント(B)は、少なくとも2箇所に設定され、係着固定ポイント(B)でドアトリムアッパー(20)とドアトリムロア(30)とが仮止め固定されることにより、ドアトリムアッパー(20)とドアトリムロア(30)との間のクリアランス及び超音波用ボス(33)の突出量を一定に維持できるようにしたことを特徴とする自動車用ドアトリム
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