JP3576404B2 - 生産ラインの作業配分シミュレーション方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1生産ラインに沿って配置された例えばスポット溶接ガンといった作業ツールに一連の作業を仮想的に配分することができる生産ラインの作業配分シミュレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車製造の分野で知られる「増し打ちライン」では、組み立てられた車体フレームの骨組みに対してスポット溶接が実施される。このスポット溶接によって車体フレームを構成する構成部材同士の接合強度が補強される。ラインに沿って配置される各スポット溶接ガンには、処理すべき車体フレーム上のスポット溶接打点が予め配分される。増し打ちラインを車体フレームが通過すると、各スポット溶接ガンが配分されたスポット溶接打点を処理し、その結果、車体フレームが仕上げられるのである。これまでのところ、車体フレーム上のスポット溶接打点を各スポット溶接ガンに配分するには熟練した作業者の経験則や勘に頼らざるを得なかった。
【0003】
近年、様々な分野でコンピュータシミュレーションが役立っている。コンピュータシミュレーションによれば、現実の処理や作業に代えて、コンピュータ内で仮想的に対応する処理や作業を実施することができ、その結果、現実の処理や作業に先立って事前にそういった処理や作業の実施状況を解析することができる。こうしたコンピュータシミュレーションによって前述したスポット溶接作業の配分を実現することができれば、スポット溶接作業の効率的な配分に役立つに違いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、増し打ちラインの1作業ステーションでは、同時に複数台のスポット溶接ガンがスポット溶接打点を処理することができる。同時に処理されるスポット溶接打点同士が近いと、スポット溶接ガン同士が衝突してしまいスポット溶接打点を処理することはできなくなる。言い換えれば、1スポット溶接ガンで処理されるスポット溶接打点の近隣では、他のスポット溶接ガンがスポット溶接打点を処理することはできない。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、スポット溶接ガンを始めとする作業ツール同士の干渉を考慮しながら効率的に一連の作業を配分することができる生産ラインの作業配分シミュレーション方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1発明によれば、使用されるスポット溶接ガン同士の干渉を引き起こす未処理打点の組み合わせを特定する干渉データを取得する工程と、生産ラインに沿って配置される1溶接ロボットを指定する工程と、指定された溶接ロボットが所属する作業ステーションで他の溶接ロボットに配分された配分済み未処理打点を特定する工程と、前記干渉データに基づき、配分済み未処理打点との間で前記組み合わせを構成する未処理打点以外の未配分未処理打点を抽出する工程と、抽出された未配分未処理打点を前記指定された溶接ロボットに配分する工程とを備えることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法が提供される。
【0007】
例えば生産ラインの1作業ステーションでは、配分済み未処理打点と、干渉データ上で配分済み未処理打点との間に前記組み合わせを構成する未処理打点とが同時に処理されようとすると、使用される2スポット溶接ガン同士で干渉が引き起こされる。その一方で、干渉データ上で配分済み未処理打点との間に組み合わせを構成する未処理打点以外の未処理打点が配分済み未処理打点と同時に処理されても、使用される2スポット溶接ガン同士で干渉は生じない。したがって、抽出された未配分未処理打点を指定された溶接ロボットに配分すれば、その未配分未処理打点が配分済み未処理打点と同時に処理される場合でも、指定された溶接ロボットに装着されたスポット溶接ガンは、他の溶接ロボットに装着されたスポット溶接ガンに干渉することはない。その結果、こうした作業配分シミュレーション方法によれば、スポット溶接ガン同士の干渉を回避しながらワーク上の未処理打点を各溶接ロボットに配分していくことが可能となる。
【0008】
また、第2発明によれば、使用されるスポット溶接ガン同士の干渉を引き起こす未処理打点の組み合わせを特定する干渉データを取得する工程と、生産ラインに沿って配置される1溶接ロボットを指定する工程と、指定された溶接ロボットに配分された配分済み未処理打点を特定する工程と、前記干渉データに基づき、配分済み未処理打点との間で前記組み合わせを構成する未配分未処理打点を抽出する工程と、抽出された未配分未処理打点を前記1溶接ロボットに配分する工程とを備えることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法が提供される。
【0009】
一般に、使用されるスポット溶接ガン同士が干渉を引き起こすということは、2つの未処理打点同士が十分に接近していることを意味する。こうした2つの未処理打点が2つの溶接ロボットに別々に配分されると、それらの未処理打点を同時に処理するスポット溶接ガン同士は干渉してしまう。その一方、そういった2つの未処理打点が1溶接ロボットに対して配分されれば、2つの未処理打点同士が十分に接近していることから、その溶接ロボットに装着されたスポット溶接ガンの移動時間が節約され、限られた作業時間内でできる限り数多くの未処理打点をそのスポット溶接ガンに処理させることが可能となる。その結果、こうした作業配分シミュレーション方法によれば、ワーク上の未処理打点を各溶接ロボットに効率よく配分していくことが可能となる。
【0010】
しかも、このように1溶接ロボットに対して十分に接近した未処理打点同士が配分されれば、各未処理打点に設定されるスポット溶接ガンの占有空間が互いに重なり合う。その結果、1溶接ロボット当たりの総占有空間は縮小され、したがって、その1溶接ロボットが所属する作業ステーションで他の溶接ロボットに配分される未処理打点の候補を増加させることができるのである。
【0011】
前記干渉データを準備するにあたって、生産ラインの作業配分シミュレーション方法は、ワーク上の1未処理打点を処理する際に1スポット溶接ガンが占有可能な第1占有空間を画定する工程と、ワーク上の他の1未処理打点を処理する際に1スポット溶接ガンが占有可能な第2占有空間を画定する工程と、第1および第2占有空間が互いに重なり合った未処理打点同士を関連付ける工程とを備えればよい。このような処理工程によれば、簡単かつ確実に、使用されるスポット溶接ガン同士の干渉を引き起こす未処理打点の組み合わせを特定することが可能となる。干渉データは、生産ラインに沿って1溶接ロボットが指定される以前に準備されてもよく、各溶接ロボットに対して未処理打点を配分しながら同時進行的に準備されてもよい。
【0012】
前記第1占有空間を画定するにあたっては、スポット溶接ガンごとに前記第1占有空間を特定する占有空間データが取得されてもよい。このようにスポット溶接ガンごとに個別に第1占有空間を特定すれば、干渉を引き起こす未処理打点の組み合わせを一層厳密に特定することができ、その結果、生産ラインの実状に則した信頼性の高いシミュレーション結果を提供することができる。
【0013】
前記第1および第2占有空間は、未処理打点に対して溶接チップの面直を維持しつつその面直方向に沿った軸線回りで1スポット溶接ガンを回転させる際にその1スポット溶接ガンが占有することができる可動空間域によって規定されればよい。こういった可動空間域を用いれば、簡単に第1および第2占有空間を規定することができる。ただし、溶接チップの面直には生産技術的に問題のない範囲(例えば±5度程度)の傾きが含まれてもよい。なお、可動空間域は、前記未処理打点を中心に描かれる球面に基づいて設定されてもよく、前記1スポット溶接ガンの三次元形状データに基づいて設定されてもよい。
【0014】
以上の生産ラインの作業配分シミュレーション方法は、前述した通り溶接ロボットが配置される生産ラインに適用されることができるだけでなく、広く一般の生産ラインに適用されることができる。すなわち、本発明に係る生産ラインの作業配分シミュレーション方法は、使用される作業ツール同士の干渉を引き起こす未処理作業点の組み合わせを特定する干渉データを取得する工程と、生産ラインに沿って配置される1作業ロボットを指定する工程と、指定された作業ロボットが所属する作業ステーションで他の作業ロボットに配分された配分済み未処理作業点を特定する工程と、前記干渉データに基づき、配分済み未処理作業点との間で前記組み合わせを構成する未処理作業点以外の未配分未処理作業点を抽出する工程と、抽出された未配分未処理作業点を前記指定された作業ロボットに配分する工程とを備えることができる。また、本発明に係る作業配分シミュレーション方法は、使用される作業ツール同士の干渉を引き起こす未処理作業点の組み合わせを特定する干渉データを取得する工程と、生産ラインに沿って配置される1作業ロボットを指定する工程と、指定された作業ロボットに配分された配分済み未処理作業点を特定する工程と、前記干渉データに基づき、配分済み未処理作業点との間で前記組み合わせを構成する未配分未処理作業点を抽出する工程と、抽出された未配分未処理作業点を前記1作業ロボットに配分する工程とを備えてもよい。
【0015】
ここで、作業ツールは、少なくとも2部材を互いに接合する接合ツールであればよく、そういった接合には、少なくとも、溶接、ボルト打ちおよびリベット打ちのいずれか1つが含まれることができる。ただし、これらの用途に限定されるわけではない。
【0016】
なお、以上の生産ラインの作業配分シミュレーション方法はコンピュータを利用したソフトウェア処理によって実施されることができる。しかも、本発明に係る生産ラインの作業配分シミュレーション方法を実行するソフトウェアは、FD(フロッピーディスク)やCD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)といった可搬性の記録媒体に格納されて配布されることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0018】
図1は自動車の車体フレームを製造する生産ラインの一具体例を示す。この生産ライン10は、例えば、車体フレーム11を構成する構成部材同士を少数のスポット溶接打点で接合し、車体フレーム11の骨組みを組み立てる組み立てライン12と、スポット溶接打点を打ち増して、組み立てられた骨組みの接合強度を向上させるいわゆる「増し打ちライン」13とを備える。例えば、増し打ちライン13には、入り口から出口に向かって9つの作業ステーション13a〜13iが設定される。各作業ステーション13a〜13iには複数台の溶接ロボット14が配置される。こうした溶接ロボット14の配置は、後述するように、例えば本発明に係る生産ラインの作業配分シミュレーション方法によって決定されることができる。決定された溶接ロボット14の配置に応じて1生産ライン当たりの作業ステーション数STが決定されることとなる。
【0019】
生産ライン10には、全ての作業ステーション13a〜13iを通過するライン搬送装置16が設けられる。このライン搬送装置16は、生産ライン10に沿って同期して間欠的に移動する複数の台車17を備える。各台車17は、所定の搬送時間Ttで、例えば各作業ステーション13a〜13iから次の作業ステーションに移動する。作業ステーション13a〜13iでは、台車17は、所定のタクト時間Tqその位置に停止する。この停止の間に、各溶接ロボット14に装着されたスポット溶接ガンが作業を実施する。台車17に搭載された車体フレーム11すなわちワークは、それらの移動および停止を繰り返しながら控え位置Psから最終位置Pfまで運ばれ完全な車体フレーム11に仕上げられていく。搬送時間Ttは、一般に、台車17を移動させるライン搬送装置16の搬送速度によって規定される。
【0020】
例えば図2に示されるように、各溶接ロボット14は、先端にスポット溶接ガン19が装着される例えば1本のアーム20を備える。スポット溶接ガン19の移動は、アーム基点21に対するアーム20の進退運動Ma、首振り運動Mbおよび回転運動Mcによって規定される。スポット溶接ガン19の移動範囲の最外縁によって、溶接ロボット14のリーチに基づく作動範囲Oaは規定される。ただし、溶接ロボット14のアーム20は1以上の関節を備えていてもよい。
【0021】
スポット溶接ガン19には、例えば図3に示されるように、様々な形態のものSCA、SCB…が存在する。車体フレーム11上のスポット溶接打点の位置や向き、スポット溶接される打点の接合強度を始めとする様々な要因によって各スポット溶接打点に使用されるスポット溶接ガン19の種類は異なる。各溶接ロボット14に装着されるスポット溶接ガン19の形態SCA、SCB…は、後述するように、例えば本発明に係る生産ラインの作業配分シミュレーション方法によって決定されることができる。
【0022】
各溶接ロボット14は、タクト時間Tq内に全ての作業を完了しなければならない。各溶接ロボット14の作業に必要とされる作業時間は、例えば図4に示されるように、第1打点に対してスポット溶接ガン19を接近させる際に費やされる前進時間Tfや、最終打点からスポット溶接ガン19を離反させる際に費やされる後退時間Tbのほか、1対の打点間でスポット溶接ガン19を移動させる際に費やされる短ピッチ移動時間Tpおよび姿勢変化時間Tcといった2点間移動時間によって特定されることができる。例えば、同一平面上に配置される連続した1対の打点間で直線的にスポット溶接ガン19を移動させることができる場合には、短ピッチ移動時間Tpが2点間移動時間に適用される。1対の打点間でスポット溶接ガン19を移動させるにあたって、1対の打点間で直線的にスポット溶接ガン19を移動させることができず、一方の打点を処理後に一旦車体フレーム11からスポット溶接ガン19を後退させ、他方の打点に向けてスポット溶接ガン19を再び前進させる必要がある場合には、姿勢変化時間Tcによって2点間移動時間が特定される。これらの移動時間パラメータは、一般に、アーム20を駆動するサーボモータ(図示せず)の作動速度によって規定される。同時に、作業時間には、スポット溶接ガン19に対する通電時間、ホールド時間およびI/F(インターフェース)時間の総計によって算出される溶接時間Twやガン開閉時間Tgといったパラメータが含まれることができる。
【0023】
いま、例えば図5に示される車体フレーム11を製造するために新たに増し打ちライン13を構築する場合を考える。車体フレーム11上には、構成部材同士の接合強度を考慮して複数個のスポット溶接打点23が設定される。各スポット溶接打点23は、後述される作業配分シミュレーション方法によって第1作業ステーション13aから順番に溶接ロボット14に配分されていく。スポット溶接打点23は、後述する作業配分シミュレーション方法の計算処理を簡略化するためにグループ化される。
【0024】
図6は、本発明に係る生産ラインの作業配分シミュレーション方法を実現するCAD/CAM(コンピュータ支援設計製造)システム24を示す。このCAD/CAMシステム24は、例えばCD(コンパクトディスク)やFD(フロッピーディスク)といった可搬性の記録媒体25からシミュレーションソフトウェアを取り込み、取り込んだシミュレーションソフトウェアを実行するコンピュータ本体26を備える。シミュレーションソフトウェアの実行にあたって、コンピュータ本体26は、キーボードやマウスといった入力装置27や、例えばディスクアレイ装置28によって構築されるデータベースから必要な情報を受け取る。シミュレーションの結果は、ディスプレイ装置やプリンタ装置といった出力装置29を通じて作業者に提示される。
【0025】
このシミュレーションソフトウェアによれば、1作業ステーション当たりに許容される溶接ロボット14の許容台数を示す許容台数データや、各溶接ロボット14に装着されるスポット溶接ガン19の作動範囲Oaを示す作動範囲データが入力装置27から指定されると、1生産ライン10に必要とされる作業ステーション数STや、各作業ステーション13a〜13iにおける溶接ロボット14の構成のほか、各溶接ロボット14に装着されるスポット溶接ガン19の種類、各スポット溶接ガン19に配分される車体フレーム11上のスポット溶接打点23や打順、といった情報が出力される。
【0026】
シミュレーションによって得られるスポット溶接打点23の配分結果や打順は、コンピュータ本体26に接続されるオフラインティーチシステム30に受け渡されることができる。このオフラインティーチシステム30によれば、各溶接ロボット14ごとに、受け取った配分結果と打順とに基づきスポット溶接ガン19の移動経路が決定されることができる。
【0027】
こうした移動経路の決定にあたっては、作業者の手で、溶接ロボット14に装着されたスポット溶接ガン19が実際に動かされる。作業者は、受け取った打順に従ってスポット溶接打点23を次々に連結するようにスポット溶接ガン19を移動させればよい。コントローラ31は、その移動に必要とされるアーム20の進退運動Ma、首振り運動Mbおよび回転運動Mcを特定し記憶する。
【0028】
こうした移動経路の覚え込ませすなわちオフラインティーチは、例えば生産ライン10に沿って実際に溶接ロボット14が配置された場合のように、溶接ロボット14と車体フレーム11との位置関係を確認しながら行われる。実際に生産ライン10が稼動すると、コントローラ31は、記憶したアーム20の進退運動Ma、首振り運動Mbおよび回転運動Mcに従って溶接ロボット14を作動させ、作業者が設定した移動経路に従ってスポット溶接ガン19を移動させる。
【0029】
こうしてオフラインティーチシステム30で移動経路が決定されると、決定された実際の移動経路に基づいて、個別具体的に、前述した前進時間Tfや後退時間Tb、短ピッチ移動時間Tp、姿勢変化時間Tcといったスポット溶接ガン19の移動時間を正確に求めることができる。求められた移動時間は、後述するように、データベースにフィードバックされることができる。
【0030】
シミュレーション結果には、特定された打順に従ってスポット溶接打点23を次々に連結する仮想移動経路が含まれてもよい。こうした仮想移動経路を用いれば、作業者がコントローラ31にスポット溶接ガン19の動きを覚え込ませるに先立って、スポット溶接ガン19の動きを作業者の目に確認させることができる。作業者は、確認した移動経路を土台に、自らの経験則を加え、新たに最適な移動経路を設定することができる。その結果、オフラインティーチにおける作業者の負担は軽減される。
【0031】
次に、シミュレーションソフトウェアの実行に必要とされるデータベースの構造を詳述する。図6に示されるように、データベースは設備データ32、ワークデータ33およびオフラインティーチデータ34に大きく区分けされる。設備データ32には、増し打ちライン13に付帯する設備の三次元CADデータや、スポット溶接ガン19の形態ごとに固有の占有空間を示す占有空間データが含まれる。設備の三次元CADデータを用いれば、シミュレーションによって決定される増し打ちライン13に沿った溶接ロボット14の配置が特定されることができる。溶接ロボット14の配置は、例えば、溶接ロボット14が所属する作業ステーション13a〜13iの識別子と、各作業ステーション13a〜13iに仮想的に設定された三次元座標軸に基づく三次元座標値とによって特定されればよい。
【0032】
占有空間データは、作業時にスポット溶接ガン19が占有可能な占有空間を特定する。占有空間は、例えば図7に示すように、スポット溶接打点23に対して溶接チップ19aの面直を維持しつつその面直方向に沿った軸線回りでスポット溶接ガン19を回転させる際にそのスポット溶接ガン19が占有することができる可動空間域によって規定される。こうした可動空間域は、例えば図8に示されるように、スポット溶接打点23を中心に描かれ、スポット溶接ガン19をすっぽりと囲む規定半径rの球面に基づいて設定されればよい。こうした可動空間域に基づく占有空間は、スポット溶接打点23の三次元座標と半径rの大きさとによって簡単に特定されることができる。その一方で、スポット溶接ガン19の形状を示す三次元形状データを用いて可動空間域が表現されれば、実際のスポット溶接ガン19の占有空間に則した精度の高い占有空間を特定することができる。後者の場合には、溶接チップの面直方向を示すベクトル値が占有空間データで特定されればよい。
【0033】
その他、設備データ32には、前述した搬送時間Ttを一律的に示す搬送時間データや、タクト時間Tqを一律的に示すタクト時間データが含まれる。タクト時間データすなわち作業時間データによって1作業ステーション当たりの最大作業時間すなわち各溶接ロボット14の最大作業時間が特定される。
【0034】
ワークデータ33には、ワークすなわち車体フレーム11上の全ての未処理打点の位置を示す打点データや、打点データで示される未処理打点ごとに、車体フレーム11の特性によって必然的に決定される打順を特定する打順データ、打点データで示される未処理打点ごとに使用可能なスポット溶接ガンを特定するガンデータ、使用されるスポット溶接ガン同士の干渉を引き起こす未処理打点の組み合わせを特定する干渉データが含まれる。
【0035】
打点データは、例えば図9および図10に示されるように、各スポット溶接打点23の位置を三次元座標(T,B,H)によって特定する。座標Tは、例えば基準点CCを基準に車体前後方向位置を規定する。座標Bは、基準点CCを基準に車体幅方向位置すなわち奥行き方向位置を規定する。座標Hは、基準点CCを基準に車体の高さ方向位置を規定する。こうした打点データは、例えばCAD/CAMシステム24に取り込まれる車体フレーム11の三次元設計データに基づいて算出されればよい。なお、図9および図10では、説明の便宜上、座標Bは無視されている。
【0036】
図5を併せて参照すると明らかなように、この打点データでは、大分類「A」〜「K」によって車体フレーム11の部位ごとに未処理打点群が大まかに分類される。各大分類「A」〜「K」は、同一のスポット溶接ガン19で連続的に処理可能な未処理打点群を示す中分類「A1」〜「K3」に細分化される。この細分化は、スポット溶接ガン19のアプローチ方向やガン開閉時の姿勢に基づいて行われればよい。小分類「A1−1」〜「K3−2」は、5打点を目安に未処理打点群をグループ化し、打点位置の明確化を図っている。打点データには、小分類「A1−1」〜「K3−2」ごとに、所属する未処理打点の打点数および中央位置の三次元座標値が示される。ただし、このように未処理打点がグループ化される必要は必ずしもなく、全ての未処理打点が個々に独立に取り扱われてもよい。
【0037】
また、車体フレーム11では、任意の構成部材に覆われてしまうスポット溶接打点23が存在する。こういったスポット溶接打点23は、車体フレーム11にそうした構成部材が取り付けられる以前に処理されなければならない。打順データは、例えば図9および図10に示されるように、そういったスポット溶接打点23の処理順番を特定する。図9および図10では、順番付けが必要となる打点に「1」「2」「3」といった順番が表示され、順番に関係なく処理可能な打点には「−1」が表示されている。
【0038】
打点データには、さらに、各未処理打点に必要とされる溶接時間Twを示す溶接時間データ(図示せず)が付加される。溶接時間データは、1小分類「A1−1」〜「K3−2」ごとに、その小分類に所属する未処理打点に共通に溶接時間Twを特定してもよい。
【0039】
ガンデータは、例えば図11に示されるように、各中分類「A1」〜「K3」ごとに使用可能なスポット溶接ガンの種類SCA、SCB…を特定する。車体フレーム11上のスポット溶接打点23の位置や向き、スポット溶接される打点23の接合強度を始めとする様々な要因によって各スポット溶接打点23の処理に使用されるべきスポット溶接ガン19の種類は異なる。図11から明らかなように、1つの中分類「A1」〜「K3」に対して複数の種類SCA、SCB…のスポット溶接ガン19が特定されていてもよい。
【0040】
干渉データには、例えば図12に示されるように、各小分類「A1−1」〜「K3−2」の組み合わせごとに、使用される2つのスポット溶接ガン同士で干渉が引き起こされるか否かが示される。こういった干渉データを準備するにあたっては、例えば図13に示される処理工程が採用されればよい。この処理工程では、まずステップM1で、打点データに基づき1未処理打点が指定される。この指定によって、未処理打点の三次元座標値と、その面直方向を示すベクトル値とが特定される。ベクトル値は予め打点データに付加しておけばよい。ここでは、未処理打点「A1−1」が指定されたものと仮定する。
【0041】
ステップM2では、指定された1未処理打点を処理する際に1スポット溶接ガンが占有可能な第1占有空間が画定される。前述の占有空間データで示される可動空間域が車体フレーム11に投影される。例えば、未処理打点の三次元座標を中心に半径rの球面が描かれればよい。その結果、図14に示されるように、車体フレーム11上に未処理打点「A1−1」に対する第1占有空間36が描かれることができる。その他、例えばスポット溶接ガン19の三次元形状データで可動空間域が表現されていれば、車体フレーム11上の未処理打点の面直方向に可動空間域の面直方向が合わせ込まれればよい。ただし、占有空間の投影にあたっては、図14から明らかなように、車体フレーム11に干渉する可動空間域は省略されることが望ましい。
【0042】
ステップM3では、指定された未処理打点以外の1未処理打点が指定される。ステップM4では、ステップM2と同様に、ステップM3で指定された1未処理打点を処理する際に1スポット溶接ガンが占有可能な第2占有空間が画定される。例えば未処理打点「A1−2」が指定されたと仮定すると、例えば図14に示されるように、車体フレーム11上に未処理打点「A1−2」に対する第2占有空間37が描かれることができる。
【0043】
ステップM5では、第1および第2占有空間が互いに重なり合うか否かが判断される。重なり合えば、第1および第2占有空間36、37が設定された2つの未処理打点「A1−1」、「A1−2」が互いに関連付けられる。その結果、図12に示されるように、干渉データにその関連付けが登録される。一方で、ステップM3で例えば未処理打点「A1−4」が指定された場合のように、第1および第2占有空間36、38が重なり合わなければ、2つの未処理打点「A1−1」、「A1−4」に関連付けは行われない。ステップM3〜M5が繰り返される結果、ステップM2で指定された未処理打点「A1−1」に対して関連付けられるべき未処理打点が全て抽出されることとなる。ステップM2で1未処理打点を変更していけば、打点データで示される未処理打点の全ての組み合わせに対して関連付けの有無が登録されることとなる。
【0044】
ここで、前述の第1占有空間はスポット溶接ガンの形態SCA、SCB…ごとに設定されることが望ましい。前述したとおり、スポット溶接ガンには様々な形態のものSCA、SCB…が存在する。図3から明らかなように、スポット溶接ガンSCA、SCB…の形態に応じて占有空間も異なる。したがって、各未処理打点の処理に使用されるスポット溶接ガンの形態SCA、SCB…が決定された時点で、占有空間データで示される可動空間域を設定し直し、図13に示す処理工程をやり直せば、生産ラインの実状に則した信頼性の高い干渉データを提供することができる。このように各未処理打点の処理に使用されるスポット溶接ガンの形態SCA、SCB…が決定されるまで、干渉データには、全ての形態SCA、SCB…に共通に第1占有空間が事前に登録されていればよい。
【0045】
オフラインティーチデータ34には、1溶接ロボット14と1スポット溶接ガン19との組み合わせごとに、スポット溶接ガン19の作動範囲Oaを示す作動範囲データや、スポット溶接ガン19のガン開閉時間Tgを示すガン開閉時間データのほか、スポット溶接ガン19の移動時間を示す移動時間データが含まれる。
【0046】
作動範囲データは、例えば、アーム基点21に原点が設定された各溶接ロボット14固有の三次元座標軸に基づく三次元座標値によって作動範囲Oaを特定する。作動範囲Oaは、例えばアーム基点21を中心に描かれ、アーム20のリーチを半径とした球面によって規定されればよい。こうした作動範囲Oaは、アーム基点21の三次元座標とアーム20のリーチの大きさとによって簡単に特定されることができる。その一方で、溶接ロボット14の各関節作動域を考慮した三次元のキネマティクス解でこうした作動範囲Oaを表現すれば、実際のスポット溶接ガン19の作動範囲に則した厳密な作動範囲Oaを特定することができる。
【0047】
移動時間データには、前進時間Tfを示す前進時間データや、後退時間Tbを示す後退時間データ、短ピッチ移動時間Tpを示す短ピッチ移動時間データ、姿勢変化時間Tcを示す姿勢変化時間データが含まれる。前進時間データや後退時間データは、全ての未処理打点に共通に前進時間Tfや後退時間Tbを特定することができる。短ピッチ移動時間データや姿勢変化時間データは、1対の未処理打点のあらゆる組み合わせに対して共通に短ピッチ移動時間Tpや姿勢変化時間Tcを特定することができる。こうした移動時間データを用いれば、作業配分シミュレーション方法の計算処理の負担は軽減される。
【0048】
その一方で、前進時間データや後退時間データは、各未処理打点ごとに個別に前進時間Tfや後退時間Tbを特定することができ、短ピッチ移動時間データや姿勢変化時間データは、1対の未処理打点のあらゆる組み合わせに対して個別に2点間移動時間すなわち短ピッチ移動時間Tpや姿勢変化時間Tcを特定することができる。こうした移動時間データは、例えば各溶接ロボット14ごとに、各関節の加減速に基づいて個別に推定されればよい。その他、短ピッチ移動時間データはスポット溶接打点23間の距離に比例して設定されてもよく、姿勢変化時間データは2つのスポット溶接打点23に対するアプローチ方向の角度偏差に比例して設定されてもよい。しかも、これらの移動時間データは、前述したようにオフラインティーチシステム30で求められた前進時間Tfや後退時間Tb、短ピッチ移動時間Tp、姿勢変化時間Tcで置き換えられることができる。こうした移動時間データを用いれば、シミュレーション結果の信頼性を高めることができる。
【0049】
次に本発明に係る作業配分シミュレーション方法を詳述する。図15に示されるように、CAD/CAMシステム24のコンピュータ本体26は、ステップS1で設備データ32を取得し、続いてステップS2でワークデータ33を取得する。
【0050】
ステップS3で、コンピュータ本体26は、作業者に変数条件の入力を促す。入力を促された作業者は、入力装置27を用いて、1作業ステーション当たりに許容される溶接ロボット14の許容台数や、各溶接ロボット14に装着されるスポット溶接ガン19の作動範囲を指定する。指定された許容台数は許容台数データとして取り込まれる。許容台数は例えば1以上の整数Nで表現されればよい。作動範囲データは、前述したオフラインティーチデータ34から取り込まれる。作業者が溶接ロボット14の種類を指定すると、指定された種類の溶接ロボット14に関するアーム基点21の三次元座標値やアーム20のリーチの大きさが特定されるのである。
【0051】
いま、許容台数データ=3が入力された場合を考える。コンピュータ本体26は、ステップS4で、作業ステーション数STの初期値=1を記憶する。ステップS5では、記憶された作業ステーション数STの値に応じて1作業ステーションが指定される。この指定によって、まず、第1作業ステーションが指定される。
【0052】
第1作業ステーションが指定されると、ステップS6で、溶接ロボット数RBの初期値=1が記憶される。ステップS7では、記憶された溶接ロボット数RBの値に応じてその作業ステーション内で1溶接ロボットが指定される。この指定によって、第1作業ステーション内の第1溶接ロボットが指定される。この時点で、例えば図16に示されるように、打点配置結果データ41の溶接ロボット指定欄42には、第1作業ステーションの第1溶接ロボットを示す「11」が登録される。
【0053】
第1溶接ロボットが指定されると、ステップS8で、その第1溶接ロボットに未処理打点が配分される。この打点配分の検討工程の詳細は後述される。配分された未処理打点は、図17に示されるように、小分類「A1−1」〜「K3−2」単位で打点配置結果データ41の打順欄44に登録される。登録される数値によって打順が特定される。カッコ内の数値は各小分類に含まれる打点数を示す。打点データ上では、割り振られた未処理打点は消去される。続いてステップS9で、割り振られた未処理打点は配分済み未処理打点として記憶される。
【0054】
第1溶接ロボットに対する未処理打点の割り振りが登録されると、ステップS10で溶接ロボット数RBが計数される。ステップS11では、計数された溶接ロボット数RBが許容台数データで示される許容台数=3と比較される。溶接ロボット数RBが許容台数=3を超えないので、ステップS7に戻って、溶接ロボット数RBの値に基づいて新たに第2溶接ロボットが指定される。この指定によって、図18に示すように、第1作業ステーション内の第2溶接ロボットを示す「12」が打点配置結果データ41の溶接ロボット指定欄42に登録される。第2溶接ロボットが指定されると、ステップS7〜S11の処理が実施される。
【0055】
ステップS7〜S11の処理は、ステップS10で計数される溶接ロボット数RBが許容台数=3を超えるまで繰り返される。溶接ロボット数RBが許容台数=3を超えた時点で、第1作業ステーション内の3つの溶接ロボット「11」「12」「13」に対して未処理打点の割り振りが完了される。
【0056】
ステップS10で計数された溶接ロボット数RBが許容台数を超えると、ステップS12で作業ステーション数STが計数される。続いてステップS13で、1作業ステーションに対して記憶されていた配分済み未処理打点がリセットされる。このリセットによって、新たな作業ステーションに対して配分済み未処理打点は存在しないこととなる。その後、ステップS14で、打点データ内に未処理打点が残存するか否かが判断される。未処理打点が残存していれば、ステップS5に戻って、作業ステーション数STの値に基づいて新たに1作業ステーションが指定される。この指定によって、第2作業ステーションが指定されることとなる。
【0057】
第2作業ステーションが指定されると、ステップS6、S7で、第2作業ステーション内の第1溶接ロボットを示す「21」が打点配置結果データ41の溶接ロボット指定欄42に登録される。この第2作業ステーションに対してステップS7〜S11の処理が繰り返される結果、第2作業ステーション内の3つの溶接ロボット「21」「22」「23」に対して割り振られた未処理打点が打点配置結果データ41に登録される。
【0058】
第2作業ステーションに対して未処理打点の登録が完了すると、再びステップS5に戻って新たに1作業ステーションが指定される。この指定によって第3作業ステーションが指定されることとなる。その結果、この第3作業ステーションに対してステップS6〜S14の処理が実施される。
【0059】
こうしてステップS5〜S14の処理が繰り返され、車体フレーム11上の全ての未処理打点が打点配置結果データ41に登録される。その結果、割り振られるべき未処理打点が存在しないことがステップS14で検出され、ステップS15で打点配置結果データ41が出力される。
【0060】
なお、第2作業ステーション以降では、ステップS11で溶接ロボット数RBが許容台数を超えるまでに、干渉などの影響によって、未処理打点が残存するにも拘らず未処理打点が全く割り振られない溶接ロボット14が存在することがある。このように残存した未処理打点は次作業ステーションの溶接ロボットに持ち越される。この場合には、溶接ロボット指定欄42に記入された溶接ロボットの指定は消去されればよい。
【0061】
次に、図15のステップS8における打点配分の検討工程を詳述する。この工程では、例えば図19に示されるように、ステップP1で、図15のステップS2で取得された打順データに基づいて、各未処理打点の打順が検索される。検索の結果、最も若い打順「1」に相当する未処理打点が抽出される。こうしてステップP2以降で、打順の若い未処理打点が優先的に1溶接ロボット14に割り振られていくことになる。
【0062】
ステップP2では、図15のステップS9で記憶された配分済み未処理打点が特定される。配分済み未処理打点が特定されると、干渉データに基づき、配分済み未処理打点との間で関連付けされた未処理打点以外の未処理打点群が抽出される。抽出された未処理打点群に、ステップP1で特定された打順の未処理打点が存在すれば、その未処理打点が呼び出される。抽出された未処理打点群に、ステップP1で特定された打順の未処理打点が含まれない場合には、抽出された未処理打点群の中から打順に関係のない打順「−1」の未処理打点が呼び出されることとなる。
【0063】
配分済み未処理打点と、この配分済み未処理打点との間で関連付けされた未処理打点とが同時に処理されようとすると、使用される2スポット溶接ガン同士で干渉が引き起こされる。その一方で、配分済み未処理打点との間で関連付けされていない未処理打点が配分済み未処理打点と同時に処理されても、使用される2スポット溶接ガン同士で干渉は生じない。したがって、抽出された未処理打点群の中から呼び出された未処理打点が指定された溶接ロボット14に配分されると、その未処理打点が配分済み未処理打点と同時に処理される場合でも、指定された溶接ロボット14に装着されたスポット溶接ガン19は、同一作業ステーション内で他の溶接ロボット14に装着されたスポット溶接ガン19に干渉することはない。
【0064】
ステップP3では、呼び出された未処理打点群の中から、図15のステップS7で指定された1溶接ロボット14に対して最初に割り振られるべき第1未処理打点が抽出される。抽出された第1未処理打点に対して溶接ロボット14が位置決めされる。位置決めにあたっては、作業ステーションに停止する車体フレーム11の三次元座標空間に対して溶接ロボット14固有の三次元座標空間が取り込まれればよい。第1未処理打点の抽出工程の詳細は後述される。
【0065】
第1未処理打点が抽出されると、ステップP4で、図15のステップS2で取得されたガンデータに基づいて、その第1未処理打点に適したデフォルトの1スポット溶接ガン19が指定される。指定されたスポット溶接ガン19を示す識別子「MCF」は、図20に示すように、打点配置結果データ41の使用ガン欄43に登録される。
【0066】
ステップP5で、指定されたスポット溶接ガン「MCF」で処理される未処理打点が抽出され、抽出された未処理打点が1溶接ロボット14に割り振られる。この打点配分の決定工程の詳細は後述される。
【0067】
図21に示すフローチャートを参照し、図19のステップP3における第1未処理打点の抽出工程を詳述する。この工程では、図19のステップP2で呼び出された未処理打点の中から、例えば、車体フレーム11に設定された任意の基準点CCから最も離れた未処理打点が抽出される。全ての未処理打点に対して基準点CCからの距離DBが算出され、算出された距離DBの一番大きな未処理打点が選択されるのである。基準点CCには、例えば図5に示されるように、三次元座標軸TBHに対して車体フレーム11の中心座標(0,0,0)が選択されればよい。
【0068】
まず、ステップQ1でパラメータDA=0が設定される。ステップQ2では、基準点CCの三次元座標(0,0,0)に対する1未処理打点(T,B,H)の距離DBが算出される。ステップQ3で、算出された距離DBがパラメータDAを超えていれば、ステップQ4で、算出された距離DBの値がパラメータDAに置き換えられる。パラメータDAが置き換えられると、ステップQ5で、その未処理打点PPの三次元座標(T,B,H)が記憶される。続いてステップQ6で次の未処理打点を探しにいく。
【0069】
ステップQ3で、算出された距離DBがパラメータDAを超えなければ、パラメータDAを置き換えずに次の未処理打点を探しにいく(ステップQ6)。その結果、常に基準点CCから最も離れた未処理打点PPの三次元座標(T,B,H)が記憶され続ける。全ての未処理打点に対する基準点CCからの距離が算出されると、ステップQ7で、記憶された未処理打点が三次元座標(T,B,H)で特定されることとなる。打点配置結果データ41の打順欄44では、例えば図20に示されるように、特定された第1未処理打点に対して打順「1」が登録される。
【0070】
次に図22に示すフローチャートを参照し、図19のステップP5における打点配分の決定工程を詳述する。この決定工程では、まず、ステップU1で、以下の処理で用いられるパラメータT1、T2、TOが初期化される。
【0071】
ステップU2では、1溶接ロボット14に最初に割り振られた第1未処理打点に対して、図15のステップS3で指定された作動範囲Oaが画定される。この画定にあたっては、作動範囲データで示される作動範囲Oaが車体フレーム11に対して投影される。作動範囲Oaは、例えば図23に示されるように、第1未処理打点「H2」「K3−2」を中心に作動範囲データで示される半径の球面を車体フレーム11に投影させることによって規定されてもよい。その他、図19のステップP3で車体フレーム11の三次元座標空間に取り込まれた溶接ロボット14の位置を用いれば、溶接ロボットのアーム基点21を中心に描かれる球面や、溶接ロボット14の三次元キネマティクス解に基づいて作動範囲Oaは規定されることができる。
【0072】
作動範囲Oaが画定されると、ステップU3で、図19のステップP2で呼び出された未処理打点の中から、その作動範囲Oaに含まれる未処理打点が特定される。その後、ステップU4以下で、特定された未処理打点の中から、指定された1スポット溶接ガン19で処理される未処理打点が抽出される。
【0073】
詳述すると、ステップU4で、ガンデータを用いて、指定されたスポット溶接ガン19で次に処理される次未処理打点が決定される。この次未処理打点には、干渉データ上で第1未処理打点との間に関連付けされている未処理打点が優先的に選択されることが望ましい。そういった未処理打点が抽出されなければ、第1未処理打点に最近の未処理打点が選択されればよい。決定された次未処理打点にはステップU5で打順が付与される。次未処理打点の打順「2」は打点配置結果データ41の打順欄44に登録される。
【0074】
一般に、使用されるスポット溶接ガン同士が干渉を引き起こすということは、2つの未処理打点同士が十分に接近していることを意味する。こうした2つの未処理打点が2つの溶接ロボットに別々に配分されると、それらの未処理打点を同時に処理するスポット溶接ガン同士は干渉してしまう。その一方、そういった2つの未処理打点が1溶接ロボット14に対して配分されれば、2つの未処理打点同士が十分に接近していることから、その溶接ロボット14に装着されたスポット溶接ガン19の移動時間が節約され、最大作業時間内でできる限り数多くの未処理打点をそのスポット溶接ガン19に処理させることが可能となる。
【0075】
しかも、例えば図14から明らかなように、1溶接ロボット14に対して十分に接近した未処理打点「A1−1」「A1−2」同士が配分されれば、各未処理打点「A1−1」「A1−2」に設定されるスポット溶接ガン19の占有空間36、37が互いに重なり合う。その結果、1溶接ロボット14当たりの総占有空間は縮小され、したがって、その1溶接ロボット14が所属する作業ステーションで他の溶接ロボット14に配分される未処理打点の候補を増加させることができるのである。その一方で、干渉データ上で関連付けされていない未処理打点「A1−1」「A1−4」が配分されてしまうと、図14から明らかなように、1溶接ロボット14当たりの総占有空間は広がってしまい、同一作業ステーション内で他の溶接ロボット14に配分される未処理打点の候補は減少する確率が高くなってしまう。
【0076】
打順「2」が登録されると、第1未処理打点から第2未処理打点までスポット溶接ガン19が移動する際に費やされる移動時間T1が取得される。未処理打点の組み合わせが特定されれば、前述したとおり、オフラインティーチデータ34によって移動時間T1は特定されることができる。ただし、この場合には、1対の未処理打点のあらゆる組み合わせに対して2点間の移動時間T1を予め登録しておかなければならない。ここでは、溶接ロボットの姿勢変化の有無を判断し、その判断に基づいて短ピッチ移動時間Tpや姿勢変化時間Tcの規定値を用いて簡略的に移動時間T1を導き出すこととする。
【0077】
まず、ステップU6で、第1および第2未処理打点47、48に対してスポット溶接ガン19のアプローチ方向を規定するベクトル50、51を設定する。ベクトル50、51は、打点データに含まれる未処理打点の三次元座標値と、この三次元座標値で示される三次元座標点に対して設定されるベクトル値とによって特定されればよい。すなわち、ベクトル値を示すデータを予め打点データに付属させておけばよいのである。こうしたベクトルは、CAD/CAMシステム24に取り込まれる車体フレーム11の三次元設計データや、溶接ロボット14のコントローラ31に記憶されるデータ等に基づいて特定されればよい。
【0078】
2つのベクトル50、51が比較されると、スポット溶接ガン19の姿勢変化の有無が判断される。例えば図24に示されるように、第1未処理打点47と第2未処理打点48との間でスポット溶接ガン19のアプローチ方向を規定するベクトル50、51同士が平行であれば、図25に示されるように、溶接ロボット14の姿勢変化を起因することなく、2つの未処理打点47、48間でスポット溶接ガン19は直線的に移動することができる。これに対し、例えば図26に示されるようにベクトル50、51同士が平行でなければ、図27に示されるように、第1未処理打点47を処理後に一旦車体フレーム11からスポット溶接ガン19を後退させ、第2未処理打点48に向けてスポット溶接ガン19を前進させる必要がある。したがって、1対のベクトル50、51を比較すれば溶接ロボット14の姿勢変化の有無を判断することができるのである。
【0079】
ステップU6で姿勢変化がないと判断されれば、ステップU7で短ピッチ移動時間Tpの規定値が取得される。その一方で、姿勢変化があると判断されれば、ステップU7で姿勢変化時間Tcの規定値が取得される。いずれの場合でも、取得された規定値は、2つの未処理打点47、48間で必要とされる短ピッチ移動時間データまたは姿勢変化時間データとしてオフラインティーチデータ34に登録される。こうしてシミュレーションを実行しながら該当する2未処理打点間の移動時間T1が特定されるのである。
【0080】
移動時間T1が取得されると、ステップU8で、第1未処理打点47から第2未処理打点48までの総移動時間T2が算出される。ここでは、前回までの総移動時間T2=0であるから、移動時間T1がそのまま総移動時間T2に置き換えられる。
【0081】
ステップU9では、算出された総移動時間T2に基づいて、第1未処理打点47から第2未処理打点48までの処理時間TOが算出される。この算出にあたっては、設備データ32からガン開閉時間データが取得され、ワークデータ33から溶接時間データが取得され、オフラインティーチデータ34から前進時間データや後退時間データが取得される。例えば溶接ロボット14の姿勢が変化しない場合、例えば図25に示すように、処理時間TOは、第1未処理打点47までの前進時間Tf、第1未処理打点47から第2未処理打点48までの短ピッチ移動時間Tp、第2未処理打点48からの後退時間Tb、第1および第2未処理打点47、48での溶接時間Twおよびガン開閉時間Tgなどによって特定される。溶接ロボット14の姿勢が変化する場合、例えば図27に示すように、処理時間TOには、図25の短ピッチ移動時間Tpに代えて、姿勢変化時間Tcが含まれることとなる。
【0082】
算出された処理時間TOは、ステップU10で、タクト時間データすなわち最大作業時間データで示される最大作業時間と比較される。処理時間TOが最大作業時間を超えていれば、ステップU11に進み、打点配分は完了する。第2未処理打点48の処理が最大作業時間内に終了しないと判断され、第2未処理打点48の割り振りは失敗に終わる。指定された溶接ロボット14には第1未処理打点のみが配分されることとなる。その一方で、処理時間TOが最大作業時間を超えていなければ、ステップU12で、第2未処理打点が前未処理打点として登録され、処理工程はステップU4に戻る。
【0083】
ステップU4では、再び次未処理打点が検出される。この次未処理打点には、配分済みの第2未処理打点48に対して干渉データ上で関連付けされた未処理打点が選択される。そういった未処理打点が抽出されなければ、第2未処理打点48に対して最近の未処理打点が選択されればよい。検出されなければ、ステップU11に進み、打点配分は完了する。1溶接ロボット14に配分された未処理打点や打順は図15の後工程に引き渡される。こうして打順が特定されれば、打順に従って移動するスポット溶接ガン19の移動経路が設定されてもよい。例えば、2つのベクトル50、51を用いれば、第1未処理打点47に接近する際の移動経路や第2未処理打点48から離反する際の移動経路は特定されることができる。溶接ロボット14の姿勢変化がなければ、2つの打点同士47、48を直線的に連結することで移動経路は特定されることができ、姿勢変化があれば、2つのベクトル50、51の基点同士を連結することで移動経路は特定されることができる(図25および図27を参照のこと)。
【0084】
図28に示すように再び次未処理打点49が検出されると、ステップU5で次未処理打点49に打順「3」が付与される。付与された打順「3」は打点配置結果データ41の打順欄44に登録される。こうして打順「3」が登録されると、前述と同様に、第2および第3未処理打点48、49間でベクトル51、53が比較され(ステップU6)、比較結果に基づいて第2未処理打点48から第3未処理打点49までの移動時間T1が取得される。
【0085】
続いてステップU8では、取得された移動時間T1に基づいて総移動時間T2が算出される。ここでは、前回記憶された総移動時間T2に、今回算出された移動時間T1が加えられる。前回の総移動時間T2は、こうして移動時間T1が加えられた総移動時間T2によって置き換えられる。
【0086】
総移動時間T2が算出されると、ステップU9で、第1未処理打点47から第3未処理打点49までの処理時間TOが算出される。その結果、第1〜第3未処理打点47〜49で溶接ロボット14の姿勢が全く変化しない場合には、例えば図29に示すように、処理時間TOは、第1未処理打点47までの前進時間Tf、第1未処理打点47から第3未処理打点49までの2短ピッチ移動時間Tp、第3未処理打点49からの後退時間Tb、第1〜第3未処理打点47〜49での溶接時間Twおよびガン開閉時間Tgなどによって特定される。
【0087】
算出された処理時間TOは、ステップU10で再び最大作業時間と比較される。処理時間TOが最大作業時間を超えていれば、ステップU11に進み、打点配分は完了する。ここでは、第3未処理打点49の処理が最大作業時間内に終了しないと判断され、第3未処理打点49の割り振りは失敗に終わる。その結果、指定された1溶接ロボット14に、第1および第2未処理打点47、48が配分される。こうした配分結果と打順とは図15の後工程に引き渡される。
【0088】
処理時間TOが最大作業時間を超えていなければ、ステップU11で、第3未処理打点49が前未処理打点に置き換えられ、処理工程は再びステップU4に戻る。ステップU4以下の処理工程が再び実行される。こうして、ステップU10で処理時間TOが最大作業時間を超えるまで、あるいは、ステップU4で次未処理打点が検出されなくなるまで、ステップU4〜U12の処理工程が繰り返されていく。その結果、指定された1溶接ロボット14に対して未処理打点が配分されるのである。ステップU11では、指定された溶接ロボットごとに、未処理打点の配分と打順とが図15の後工程に引き渡されることとなる。
【0089】
以上の実施形態に加え、本発明に係る生産ラインの作業配分シミュレーション方法は、既存の増し打ちラインのように配置が決定された溶接ロボットに対して車体フレーム11上のスポット溶接打点23を配分する際にも用いられることができる。この場合には、設備データ32内の三次元CADデータで、各溶接ロボット14の配置や各溶接ロボット14に装着されたスポット溶接ガンの形態SCA、SCB…が特定されればよい。未処理打点の配分にあたっては、増し打ちライン13の上流側から順番に1溶接ロボット14が指定されればよい。1溶接ロボット14が指定されると、溶接ロボット14の配置に基づき車体フレーム11上に各スポット溶接ガン19の作動範囲Oaが描かれることとなる。
【0090】
なお、本発明は、前述したいわゆる増し打ちラインを構築する際に用いられるだけでなく、同様に作業ロボットが配列されるその他の生産ラインを構築する際に用いられることができる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、スポット溶接ガンを始めとする作業ツール同士の干渉を考慮しながら効率的に一連の作業を配分することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の車体フレームを製造する生産ラインの一具体例を示す概略平面図である。
【図2】溶接ロボットの一具体例を示す斜視図である。
【図3】各スポット溶接ガンの形状を示す図である。
【図4】各溶接ロボットの作業に必要とされる作業時間を算出する方法を示す模式図である。
【図5】車体フレーム上の打点群の一具体例を示す図である。
【図6】本発明に係る生産ラインの作業配分シミュレーション方法を実現するCAD/CAM(コンピュータ支援設計製造)システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】占有空間の特定方法を示す図である。
【図8】可動空間域の表現方法を示す図である。
【図9】打点データの構造を示す図である。
【図10】打点データの構造を示す図である。
【図11】ガンデータの構造を示す図である。
【図12】干渉データの構造を示す図である。
【図13】干渉データを準備する処理工程を示すフローチャートである。
【図14】未処理打点の関連付けを示す図である。
【図15】本発明に係る生産ラインの作業配分シミュレーション方法の処理工程を概略的に示すフローチャートである。
【図16】溶接ロボット指定欄に対する「11」の登録を示す図である。
【図17】打順欄に対する打順の登録を示す図である。
【図18】溶接ロボット指定欄に対する「12」の登録を示す図である。
【図19】打点配分の検討工程を示すフローチャートである。
【図20】第1未処理打点に対する1スポット溶接ガン「MCF」の登録を示す図である。
【図21】第1未処理打点の抽出工程を示すフローチャートである。
【図22】打点配分の決定工程を示すフローチャートである。
【図23】車体フレーム上に設定された作動範囲を示す図である。
【図24】溶接ロボットの姿勢が変化しない場合に第1および第2未処理打点に対してアプローチ方向を規定するベクトルを示す図である。
【図25】溶接ロボットの姿勢が変化しない場合に第1および第2未処理打点に対して想定される処理時間を示す図である。
【図26】溶接ロボットの姿勢が変化する場合に第1および第2未処理打点に対してアプローチ方向を規定するベクトルを示す図である。
【図27】溶接ロボットの姿勢が変化する場合に第1および第2未処理打点に対して想定される処理時間を示す図である。
【図28】第2および第3未処理打点に対してアプローチ方向を規定するベクトルを示す図である。
【図29】第1〜第3未処理打点に対して想定される処理時間を示す図である。
【符号の説明】
10 生産ライン、11 ワークとしての車体フレーム、13a〜13i 作業ステーション、14 溶接ロボット、19 スポット溶接ガン、19a 溶接チップ、23 スポット溶接打点、30 オフラインティーチシステム、31 コントローラ、32 作業時間データを含む設備データ、33 干渉データを含むワークデータ、36 第1占有空間、37,38 第2占有空間。
Claims (21)
- 使用されるスポット溶接ガン同士の干渉を引き起こす未処理打点の組み合わせを特定する干渉データを取得する工程と、生産ラインに沿って配置される1溶接ロボットを指定する工程と、指定された溶接ロボットが所属する作業ステーションで他の溶接ロボットに配分された配分済み未処理打点を特定する工程と、前記干渉データに基づき、配分済み未処理打点との間で前記組み合わせを構成する未処理打点以外の未配分未処理打点を抽出する工程と、抽出された未配分未処理打点を前記指定された溶接ロボットに配分する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項1に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記干渉データを準備するにあたって、ワーク上の1未処理打点を処理する際に1スポット溶接ガンが占有可能な第1占有空間を画定する工程と、ワーク上の他の1未処理打点を処理する際に1スポット溶接ガンが占有可能な第2占有空間を画定する工程と、第1および第2占有空間が互いに重なり合った未処理打点同士を関連付ける工程とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項2に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記第1占有空間を画定するにあたって、スポット溶接ガンごとに前記第1占有空間を特定する占有空間データが取得されることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項2または3に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記第1および第2占有空間は、未処理打点に対して溶接チップの面直を維持しつつその面直方向に沿った軸線回りで1スポット溶接ガンを回転させる際にその1スポット溶接ガンが占有することができる可動空間域によって規定されることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項4に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記可動空間域は、前記未処理打点を中心に描かれる球面に基づいて設定されることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項4に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記可動空間域は、前記1スポット溶接ガンの三次元形状データに基づいて設定されることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 使用されるスポット溶接ガン同士の干渉を引き起こす未処理打点の組み合わせを特定する干渉データを取得する工程と、生産ラインに沿って配置される1溶接ロボットを指定する工程と、指定された溶接ロボットに配分された配分済み未処理打点を特定する工程と、前記干渉データに基づき、配分済み未処理打点との間で前記組み合わせを構成する未配分未処理打点を抽出する工程と、抽出された未配分未処理打点を前記1溶接ロボットに配分する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項7に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記干渉データを準備するにあたって、ワーク上の1未処理打点を処理する際に1スポット溶接ガンが占有可能な第1占有空間を画定する工程と、ワーク上の他の1未処理打点を処理する際に1スポット溶接ガンが占有可能な第2占有空間を画定する工程と、第1および第2占有空間が互いに重なり合った未処理打点同士を関連付ける工程とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項8に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記第1占有空間を画定するにあたって、スポット溶接ガンに前記第1占有空間を特定する占有空間データが取得されることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項8または9に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記第1および第2占有空間は、未処理打点に対して溶接チップの面直を維持しつつその面直方向に沿った軸線回りで1スポット溶接ガンを回転させる際にその1スポット溶接ガンが占有することができる可動空間域によって規定されることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項10に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記可動空間域は、前記未処理打点を中心に描かれる球面に基づいて設定されることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項10に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記可動空間域は、前記1スポット溶接ガンの三次元形状データに基づいて設定されることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 使用される作業ツール同士の干渉を引き起こす未処理作業点の組み合わせを特定する干渉データを取得する工程と、生産ラインに沿って配置される1作業ロボットを指定する工程と、指定された作業ロボットが所属する作業ステーションで他の作業ロボットに配分された配分済み未処理作業点を特定する工程と、前記干渉データに基づき、配分済み未処理作業点との間で前記組み合わせを構成する未処理作業点以外の未配分未処理作業点を抽出する工程と、抽出された未配分未処理作業点を前記指定された作業ロボットに配分する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 使用される作業ツール同士の干渉を引き起こす未処理作業点の組み合わせを特定する干渉データを取得する工程と、生産ラインに沿って配置される1作業ロボットを指定する工程と、指定された作業ロボットに配分された配分済み未処理作業点を特定する工程と、前記干渉データに基づき、配分済み未処理作業点との間で前記組み合わせを構成する未配分未処理作業点を抽出する工程と、抽出された未配分未処理作業点を前記1作業ロボットに配分する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項13または14に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記作業ツールは、少なくとも2部材を互いに接合する接合ツールであることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項15に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記接合には、少なくとも、溶接、ボルト打ちおよびリベット打ちのいずれか1つが含まれることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 請求項16に記載の生産ラインの作業配分シミュレーション方法において、前記溶接にはスポット溶接が含まれることを特徴とする生産ラインの作業配分シミュレーション方法。
- 使用されるスポット溶接ガン同士の干渉を引き起こす未処理打点の組み合わせを特定する干渉データを取得する工程と、生産ラインに沿って配置される1溶接ロボットを指定する工程と、指定された溶接ロボットが所属する作業ステーションで他の溶接ロボットに配分された配分済み未処理打点を特定する工程と、前記干渉データに基づき、配分済み未処理打点との間で前記組み合わせを構成する未処理打点以外の未配分未処理打点を抽出する工程と、抽出された未配分未処理打点を前記指定された溶接ロボットに配分する工程とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 使用されるスポット溶接ガン同士の干渉を引き起こす未処理打点の組み合わせを特定する干渉データを取得する工程と、生産ラインに沿って配置される1溶接ロボットを指定する工程と、指定された溶接ロボットに配分された配分済み未処理打点を特定する工程と、前記干渉データに基づき、配分済み未処理打点との間で前記組み合わせを構成する未配分未処理打点を抽出する工程と、抽出された未配分未処理打点を前記1溶接ロボットに配分する工程とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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