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JP3576413B2 - マイクロカプセル型硬化触媒の製造方法 - Google Patents
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JP3576413B2 - マイクロカプセル型硬化触媒の製造方法 - Google Patents

マイクロカプセル型硬化触媒の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロカプセル型硬化触媒およびそれを用いた半導体封止用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
IC、LSI等の半導体素子は、一般にエポキシ樹脂組成物を用いて封止され半導体装置化されており、それらは、常温で液状のエポキシ樹脂組成物をポッティングや毛管力などによって封止させたり、常温で固形状態の組成物をトランスファーモールドによって封止させるなど素子の種類によって適宜使い分けられている。この種のエポキシ樹脂組成物には、通常、エポキシ樹脂とともに、各種硬化剤、無機質充填剤、さらに、硬化触媒が含有される。
【0003】
しかしながら上記エポキシ樹脂組成物について、保存安定性の観点から、低温での保管が余儀なくされ、更に使用時常温に戻す時には、樹脂組成物の吸湿に注意せねばならず、樹脂管理の困難さを有している。これらの内、液状タイプの組成物は、主剤であるエポキシ樹脂と硬化剤・硬化触媒とを別々に保管して使用にあたり随時混合するという、いわゆる二液型としての使用方法が一般的であるが、このような二液型エポキシ樹脂では使用直前の計量・混合作業が必要となり、作業時間が長くなることが多い。このため、混合の均一性、作業中の硬化の進行による変質、製品のボイドレス化に対する管理が困難になる。また、ポットライフに応じて二液の計量・混合作業を繰り返すことは、工程の簡素化のみならず品質管理の面からも好ましくない。
【0004】
以上のような問題を有しているエポキシ樹脂において常温での保存安定性を確保するためには、硬化触媒が常温では不活性であるが加熱することにより急激に活性を示すようになるといった性質、すなわち潜在性を持つことが必要となる。熱的に触媒活性を発現させるためには、硬化触媒自身のイオン解離反応・溶解、ポーラスな担体に含浸させた硬化触媒の溶出、硬化触媒粒子表面を不活性物質で被覆したマイクロカプセルの破壊などの手法が考えられている。このうち、硬化触媒自身の化学反応性を利用して潜在性を持たせる手法では、硬化触媒が活性になる温度が明確でなく、十分な保存安定性と迅速な硬化性を実現することが困難である。また、この手法では添加される硬化剤などの種類によって硬化触媒の潜在性が大きく変化し、ときには潜在性が全く失われることもある。一方、硬化触媒のマイクロカプセル化はこれらの問題を解決するのに有効であると考えられている。
【0005】
これまで提案されてきたマイクロカプセル型硬化触媒では、シェル材料として熱可塑性樹脂(特開平2−292325号)、熱硬化性樹脂(特開平1−287131号)、またはエポキシ・アミン付加物(特開平2−11619号)などを用いることが検討されている。これらの材料によりコア材料である硬化触媒を被覆すれば保存安定性は向上するが、これらの材料は有機ポリマーまたはオリゴマーであるため、系中に含まれる材料との関係で選択の余地が限られる。つまり有機系シェル材料は、膨潤、浸透、溶解などによりカプセル化効果を失う場合がある。このため有機系シェル材料を用いたマイクロカプセル型硬化触媒は、エポキシ樹脂用硬化剤のうち例えばアミン系硬化剤とともに使用することができても、酸無水物系硬化剤とともに使用するとその潜在性を損なうというような場合があった。さらに、エポキシ・アミン付加物などのシェル材料を用いたマイクロカプセル型硬化触媒では、徐々に反応が進行するため、硬化開始温度にずれが生じ場合によっては硬化しなくなるという問題があった。このように、有機系シェルでは十分な耐薬品性、耐熱性、保存安定性などが得られない場合が多い。特に、コア材料が化学的に活性の高い硬化触媒であり、かつこれをカプセル化したマイクロカプセル型硬化触媒を有機マトリクス中で用いる場合には制約が多い。
【0006】
そこで、より強固なシェルの形成が期待できる原料を用いることが検討されている。例えば、シェル原料として不飽和炭化水素基を導入したオルガノシロキサンを用い、カプセル化した後に架橋反応により硬化させる手法が提案されている(特開平5−271546号)。しかし、この方法でも架橋反応により炭素−炭素結合が生成するため、その耐薬品性、耐熱性、保存安定性などは十分とはいえない。
【0007】
そこで、このような問題を解決するために、本発明者らは、先に、無機材料からなるシェルを形成するマイクロカプセル型硬化触媒について考案し、固体粉末を利用する物理化学的及び機械的なカプセル化、ガラス前駆体ポリマーからのガラス形成を利用するカプセル化、ゾル−ゲル法を利用するカプセル化などさまざまな作成手法を提案し、保存安定性に優れたマイクロカプセル型硬化触媒を得た。しかしながら、その製造過程で高温での処理を伴わなければならず、マイクロカプセル化後の触媒活性を考えると十分であるとは言えなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、保存安定性などに優れたマイクロカプセル型硬化触媒を提供することにある。本発明の他の目的は、上記のマイクロカプセル型硬化触媒を含有し、貯蔵安定性に優れ、且つ成形性および信頼性に優れた硬化物の得られる半導体封止用樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のマイクロカプセル型硬化触媒の製造方法は、硬化触媒表面に、ポリシラザンを存在させる工程と、前記硬化触媒表面上の前記ポリシラザンを、100℃以下でアミン類及び水蒸気と接触させ、SiO 2 に転化させることにより、前記硬化触媒をSiO 2 により覆いカプセル化する工程を備えることを特徴とする。
本発明の製造方法で得られたマイクロカプセル型硬化触媒は、硬化触媒を含有するコアをポリシラザン由来のSiO2成分からなるシェルで被覆したことを特徴とするものである。硬化触媒としては、イミダゾール系化合物、有機ホスフィン系化合物、又はDBU系化合物が挙げられる。
【0010】
また、本発明の製造方法で得られたマイクロカプセル型硬化触媒を用いた樹脂組成物は、硬化性触媒と、硬化触媒を含有するコアをポリシラザン由来のSiO2成分からなるシェルで被覆したマイクロカプセル型硬化触媒とを含有するものが挙げられる。より具体的な樹脂組成物としては、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の硬化剤と、エポキシ樹脂の硬化触媒を含有するコアをポリシラザン由来のSiO2成分からなるシェルで被覆したマイクロカプセル型硬化触媒とを含有するものが挙げられる。これらの樹脂組成物において、マイクロカプセル型硬化触媒を構成する硬化触媒の粒径は0.1μm以上30μm未満であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のマイクロカプセル型硬化触媒は、硬化触媒を含有するコアをポリシラザン由来のSiO成分からなるシェルで被覆したものであり、これらシェルの作成を、出発原料としてポリシラザンを用いることにより、そして特に100℃以下の低温セラミックス化法で処理することにより、コアに使用する硬化触媒を損なわないような低温でSiO膜が形成され、本発明に好適のマイクロカプセル型硬化触媒が提供される。そして、低温でセラミックス化することが可能であればいずれのポリシラザンを使用してもSiO膜を形成することができる。
【0012】
本発明で使用できるポリシラザンは、下記化学式1で表わされる単位からなる主骨格を有する数平均分子量が100〜5万のポリシラザンを変性したものである。
【化1】
Figure 0003576413
(R1 、R2 及びR3 は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの基以外でケイ素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基を表わす。ただし、R1 、R2 及びR3 の少なくとも1つは水素原子である。)
本発明では、R1 、R2 及びR3 のすべてが水素原子であるペルヒドロポリシラザンが特に好ましく、例えば、東燃(株)社製、N110,L110,NV110などが挙げられる。
【0014】
ここで、本発明においてコア材料として用いられる硬化触媒について、一般的には以下のようなものが例示される。例えば、過酸化ベンゾイル、過硫化カリウム、t−ブチルヒドロキシペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリルなどのラジカル触媒;三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素アミン錯体、塩化アルミニウム、塩化第二スズ、四塩化チタン、アルキルアルミニウムなどのカチオン触媒;n−ブチルリチウム、ナフタリンナトリウム、アミン類などのアニオン触媒;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ヨウ化カリウム、カルボン酸類、スルホン酸類、アルデヒド類、水などその他の触媒などである。
【0015】
また、特にエポキシ樹脂用として好適な硬化触媒としては具体的には以下のようなものが例示される。例えば、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール化合物およびその誘導体;トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタンなどの有機ホスフィン化合物;DBA−DBU(6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7)、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕5−ノネン)などのDBU系化合物;テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロパン、ジアルキルアミノエタノール、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルモルホリン、ヘキサメチレンテトラミン、1−ヒドロキシエチル−2−ヘプタデシルグリオキサリジン、ピリジン、ピラジン、キノリン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第三アミン化合物などである。
【0016】
これらの硬化触媒は、単独でまたは必要に応じて2種以上混合して使用される。またこれらの硬化触媒は、フェノールなどとの錯塩や、単官能または多官能のエポキシ樹脂との付加物として用いることもできる。このような錯塩や付加物を用いれば、コア材料の融点を最適化でき、ひいてはカプセルからコア材料である硬化触媒を放出させる温度を最適に設定することもできる。さらに、これらの硬化触媒は、化学的に安定な無機材料の固体マトリクスまたは多孔質体に混合または含浸させた後、粉砕するか液相で撹拌し粒子化して用いることもできる。
【0017】
ポリシラザンは、低温でアミン類及び水蒸気と接触させ、その後に乾燥雰囲気中で乾燥させることで容易にセラミック化する。該処理に当たっては、ポリシラザンを有機溶媒に溶解し溶液を調製する。
【0018】
この場合の有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族系溶媒;n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン等の飽和炭化水素化合物系溶媒;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類;エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、p−メンタン、デカヒドロナフタレン、ジペンテン; MIBK等のケトン類などが挙げられる。
【0019】
例えば、コア材料にトリフェニルホスフィン(TPP)を用いる場合、ベンゼンやキシレンと言った芳香族系溶媒では、粒径制御の点から化学的手法によりカプセル化し、一方、n−ヘキサンやジブチルエーテルのような溶媒に対しては、機械的手法を用いても容易にカプセル化できる。
【0020】
前記コア剤を含有したポリシラザンを低温でアミン類及び水蒸気と接触させセラミック化を行うが、ここで用いられるアミン類の具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン等(なお、炭化水素鎖は直鎖でも分枝鎖でもよい。)、また、ピリジン類としては、例えば、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジン、ルチジン、ピリミジン、ピリダジン等が挙げられ、更に、DBU、DBNなどが挙げられる。
【0021】
ポリシラザンとアミン類及び水蒸気との接触方法には、コア剤表面に塗布したポリシラザンを噴霧し、アミン類の蒸気と水蒸気の混合ガス雰囲気中にさらす(主に機械的手法を用いる場合)、アミン類の水溶液に浸漬する(主に化学的手法に用いる場合)、という二つの方法がある。
【0022】
前者の手法を用いた場合、ポリシラザンとアミン類の蒸気及び水蒸気との接触温度は、用いるポリシラザンのグレードにより異なるが、100℃以下の低温でシリカに転化するタイプが好ましい。後者の方法においては、コア剤として第三アミン類を用いる場合を除き、アミン類の水溶液中のアミン類濃度は0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜10重量%であり、アミン類の水溶液の温度は0℃〜100℃、好ましくは10℃〜80℃の処理でシリカに転化するタイプのポリシラザンを用いるのが好ましい。
【0023】
本発明において、 SiOに転化した層からなるシェルの膜厚は、用途に応じて適宜設定されるが、5nm〜200μm、さらには10nm〜10μmの範囲であることが好ましい。これは、シェルの膜厚が200μmを超えるとシェルが強固になるためカプセルの破壊によりコア材料である硬化触媒を放出させることが困難になり、逆に5nm未満では十分なカプセル化効果が得られなくなるためである。
【0024】
本発明において、コア材料である硬化触媒の粒子の粒径は用途に応じて適宜設定されるが、一般的には0.1μm以上30μm未満の範囲である。これは、30μm以上の場合には触媒反応が不均一に起こり硬化樹脂の特性にばらつきが生じるおそれがあり、逆に0.1μm未満の場合にはカプセル化処理自体を均一に行うことができずカプセル化効果が得られないおそれがあるためである。
【0025】
本発明のマイクロカプセル型硬化触媒について、シェルを破壊してコア材料である硬化触媒を放出させる方法は特に限定されない。例えば、高速回転・高せん断力の撹拌を行うかまたは直接圧縮して外部から圧力を加えてシェルを破壊してもよい。また、温度上昇によりコア材料を融解または熱膨張させて内圧の増加によりシェルを破壊してもよい。このような方法により潜在性を発揮させることができる。
【0026】
次いで、樹脂組成物について説明する。樹脂組成物は、硬化性樹脂と、硬化触媒を含有するコアをポリシラザン由来のSiO2から構成される無機材料からなるシェルで被覆したマイクロカプセル型硬化触媒とを含有するものが挙げられる。より具体的には、例えばエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の硬化剤と、エポキシ樹脂の硬化触媒を含有するコアをポリシラザン由来のSiO2から構成される無機材料からなるシェルで被覆したマイクロカプセル型硬化触媒とを含有する樹脂組成物が挙げられる。
【0027】
エポキシ樹脂の他に、含んでも良い硬化性樹脂は特に限定されず、以下のようなものが例示される。例えば、ラジカル重合するものとしてスチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、1−オクテンなど;カチオン重合するものとしてスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、β−ピネン、イソブテン、イソブチルビニルエーテル、N−ビニルカルバゾール、ビニルトリメチルシリルエーテル、N−ビニルカルバゾール、ビニルトリメチルシリルエーテル、エチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、トリオキサン、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクタム、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フェニルジアゾメタン、ノボラックなど;アニオン重合するものとしてスチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチル、アクリルアミド、クロトンアミド、N−カルボキシアミノ酸無水物、ノボラックなど;その他のものとしてシアノアクリル酸メチル、尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ナイロン、ウレタンなどが挙げられる。これらは、単独で用いて単独重合体としてもよいし、2種以上混合して共重合体としてもよい。
【0028】
また、特にエポキシ樹脂としては具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、フェノールまたはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ化合物、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は液状でも固体状でもよく、そのエポキシ当量も特に限定されず、単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0029】
エポキシ樹脂に対して用いられる硬化剤としては、具体的には以下のようなものが例示される。例えば、ポリメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、メンセンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、m−キシリレンジアミン、テトラクロロ−p−キシリレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン化合物;m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−メチレンジアニリン、ベンジジン、4,4’−チオジアニリン、4,4’−(o−トルイジン)、o−フェニレンジアミン、ジアニシジン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、ビス(3,4−ジアミノジフェニル)スルホン、2,4−トルエンジアミン、ジアミノジトリルスルホン、2,6−ジアミノピリジン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、4−メトキシ−6−メチル−m−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミンなどの芳香族アミン化合物;N−メチルピペラジン、ピペリジン、ヒドロキシエチルピペラジン、ピロリジン、モルホリンなどの第二アミン化合物;無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水アルケニル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸のリノレイン酸付加物、無水マレイン酸−ビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合体、メチルシクロペンタジエンの無水マレイン酸付加物、無水クロレンディック酸、無水アルキル化エンドアルキレンテトラヒドロフタル酸、無水メチル2置換ブテニルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水シクロペンタンテトラカルボン酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのカルボン酸無水物;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ノニルフェノールノボラック、ビスフェノールF型ノボラック、ビスフェノールA型ノボラック、ナフトール型ノボラック、ビフェニル構造含有ノボラック、ポリビニルフェノール、ポリパラオキシスチレン、2,2´−ジメトキシーp−キシレンとフェノールモノマーとの縮重合化合物などのフェノールアラルキル、ジシクロペンタジエン・フェノール重合体などのフェノール樹脂;その他ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂などが挙げられる。
【0030】
樹脂組成物における各成分の配合量については、各成分の種類、組み合わせに応じて適宜設定すればよい。一般的には硬化性樹脂100重量部に対し、硬化触媒が0.1〜50重量部、硬化剤が10〜200重量部程度配合される。すなわち、硬化触媒の配合量が少なすぎると硬化が十分に行なわれなくなるおそれがあり、硬化触媒の配合量が多すぎると、硬化時における作業性や混合の均一性、さらには硬化物における電気的特性の低下などを招きやすい。一方、硬化剤の配合量が少なすぎると機械的強度、電気的特性の良好な硬化物が得られ難く、硬化剤の配合量が多すぎると硬化不十分でかえって機械的強度、電気的特性が損なわれる傾向がある。
【0031】
さらに、特にエポキシ樹脂に対する有機ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、DBU系化合物などアニオン系の硬化触媒が配合される場合、そのより好ましい配合量は0.1〜10重量部である。ただし、上述したような硬化触媒をエポキシ樹脂との付加物として用いる場合は、硬化触媒を樹脂組成物の硬化物中に取り込ませることができるので、10〜50重量部の配合量でも好ましく使用され得る。また、エポキシ樹脂に対する硬化剤の配合量は、硬化剤におけるエポキシ基と反応する官能基の数を考慮して設定されることがより好ましい。具体的には、全エポキシ基数に対する硬化剤の全官能基数の比が0.6〜1.4となる範囲であり、全エポキシ数と全官能基数とがほぼ当量となる配合量が最も好ましい。
【0032】
樹脂組成物には、硬化物の特性を向上させるために、適当な充填剤を混合してもよい。充填剤としては、具体的には溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などの粉末、短繊維、または長繊維からなる無機系充填剤;熱可塑性樹脂などの有機系充填剤が挙げられる。これらの充填剤は、単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0033】
樹脂組成物には、本発明の効果を失わない範囲内で、必要に応じてさらに希釈剤、可とう性付与剤、離型剤、カップリング剤などの添加剤を添加してもよい。
(実施例)以下、本発明の実施例を説明する。まず、本発明に係るマイクロカプセル型硬化触媒(MA1)〜(MA4)を以下のようにして調製した。なお、試薬は市販品を用い、反応は不活性ガス雰囲気下で行った。作製したマイクロカプセル型硬化触媒は1〜30μmの粒径に分球したものを組成物に用いた。また、ここでの調製例中、各成分の配合比は全て重量比で換算したものである。
【0034】
(MA1)コア材料としての粉砕機により平均粒径10μmに粉砕した2−フェニルイミダゾール20部を、シェル原料としてのペルヒドロポリシラザンのm−キシレン20%溶液100部に混合して分散させ、疎水性混合物を作製した。ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル0.1部を添加した水200部中に上記疎水性混合物を加え、撹拌して分散させた。この分散液にトリエチルアミン10部を加え、さらに24時間攪拌した。反応終了後、数回水洗し、ガラスフィルターまたは遠心分離器を用いて分離し、減圧下で乾燥することによりマイクロカプセル型硬化触媒を得た。シェルの厚さは平均500nmであった。
【0035】
(MA2)コア材料としての粉砕機により平均粒径10μmに粉砕したトリフェニルホスフィン30部を、シェル原料としてのペルヒドロポリシラザンのジブチルエーテル20%溶液100部に混合して分散させ、疎水性混合物を作製した。ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル0.1部を添加した水200部中に上記疎水性混合物を加え、撹拌して分散させた。この分散液にトリエチルアミン10部を加え、さらに24時間攪拌した。反応終了後、数回水洗し、ガラスフィルターまたは遠心分離器を用いて分離し、減圧下で乾燥することによりマイクロカプセル型硬化触媒を得た。シェルの厚さは平均600nmであった。
【0036】
(MA3)コア材料としてDBA−DBU30部をペルヒドロポリシラザンのシクロヘキサン20%溶液100部に混合後、30分間攪拌し疎水性混合物を作製した。この混合物をポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル0.1部を添加した水200部中に滴下し、24時間攪拌して分散させた。反応終了後、数回水洗し、ガラスフィルターまたは遠心分離器を用いて分離し、減圧下で乾燥することによりマイクロカプセル型硬化触媒を得た。シェルの厚さは平均800nmであった。
【0037】
(MA4)コア材料としての粉砕機により平均粒径10μmに粉砕したトリフェニルホスフィン30部を、シェル原料としてのペルヒドロポリシラザンのシクロヘキサン20%溶液100部に混合して分散させた懸濁液を作製した。この懸濁液をスプレードライ造粒装置の供給部に備え、トリエチルアミン10%含有水溶液の蒸気を満たし、80℃に設定した室内に噴霧し造粒した。作成した粒子をm−キシレンで洗浄し乾燥することによりマイクロカプセル型硬化触媒を得た。シェルの厚さは平均800nmであった。
【0038】
また、比較のために、以下のようにして従来の硬化促進剤(A1)〜(A3)を調製した。
【0039】
(A1)平均粒径10μmとなるよう粉砕したトリフェニルホスフィンをそのまま硬化触媒に用いた。
【0040】
(A2)コア材料としての粉砕機により平均粒径10μmに粉砕したトリフェニルホスフィン60部を四級アンモニウム系界面活性剤0.5部とともにヘキサン100部に分散させた。この分散液にシェル原料としてのトリレンジイソシアネート0.2部を溶解し、30分間撹拌した。反応終了後、ヘキサンで数回洗浄し、ガラスフィルターまたは遠心分離器を用いて分離し、減圧下で乾燥することによりマイクロカプセル型硬化促進剤を得た。シェルの厚さは平均50nmであった。
【0041】
(A3)粉砕機により平均粒径10μmに粉砕した2−フェニルイミダゾールをそのまま硬化触媒として用いた。
【0042】
(A4)DBA−DBUをそのまま用いた。
次いで、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂と無水メチルテトラヒドロフタル酸の同量混合物に上記で調製した硬化触媒(MA1)〜(MA4)および(A1)〜(A4)を2部混合したサンプルのDSC測定を行い、硬化発熱によるピーク開始温度を調べた。
【表1】
Figure 0003576413
【表2】
Figure 0003576413
さらに、表2に示す配合割合で樹脂、硬化剤および充填剤とともに混合し、実施例(1)〜(6)および比較例(1)〜(4)の樹脂組成物を調製した。調製方法として、実施例(1)〜(4)および比較例(1)〜(3)はヘンシェルミキサーにより均一混合後、約100℃に設定した熱ロールで3分間混合した。また実施例(5),(6)および比較例(4)は、ミキサーにて混合後、3本ロールに3回通して調製した。
【0043】
得られた各樹脂組成物について、調製直後および40℃で1か月保存した後にそれぞれ粘度を測定することにより、保存安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。すなわち、保存後の粘度を調製直後の値と比較して、変化がない場合を「優」、2倍以下の場合を「良」、2倍以上の変化を示した場合を「不可」とした。
【0044】
また、各樹脂組成物のうち▲1▼実施例(1)〜(4)および比較例(1)〜(3)は175℃、3分、さらにアフターキュアとして180℃、8時間の条件で、▲2▼実施例(5),(6)および比較例(4)の組成物は150℃、4時間の条件で硬化させ、硬化物の曲げ強度を測定した。硬化性については、▲1▼の場合、175℃、3分硬化の型開き直後の成形品のバーコール硬度を、▲2▼の場合、金属板上に組成物をポッティングし、所定温度で硬化直後のバーコール硬度で判断した。これらの結果を表3に記する。
【表3】
Figure 0003576413
なお、表2における樹脂、硬化剤および充填剤の記号は以下の材料を表す。
樹脂
(エポキシ樹脂A)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(エポキシ樹脂B)液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂
硬化剤
(硬化剤A)クレゾールノボラック樹脂
(硬化剤B)無水メチルテトラヒドロフタル酸
充填剤
(F1)溶融シリカ粉末、平均粒径20μm
(F2)溶融シリカ粉末、平均粒径5μm
顔料
カーボンブラック
表面処理剤
γ−グリシジルプロビルトリメトキシシラン
離型剤
カルナバワックス
表1に示されている通り、触媒をマイクロカプセル化することによって硬化開始温度が高くなり、潜在性を示すことが判る。さらに表2に示される通り、比較例(2)の樹脂組成物は、DSC測定の結果から潜在性硬化性を示すが、長期の保存安定性は無くなっているのに対し、試料(1)〜(6)の樹脂組成物においては、いずれも長期保存後の粘度の変化が小さく保存安定性が優れている。さらに、シェル材料が樹脂組成物の硬化後も無機充填剤として残存するので、半導体封止用途に用いる場合、不純物として作用しないといえる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、硬化触媒を含有するコアをポリシラザン由来のSiO2から構成される無機材料からなるシェルで被覆したマイクロカプセル型硬化触媒を提供でき、シェルの耐薬品性、耐水性、耐熱性を生かし、使用される硬化剤などの種類にかかわらず高い保存安定性を実現できる。また、このようなマイクロカプセル型硬化触媒を含有し、安定した硬化開始温度を示す樹脂組成物を提供できる。さらに、硬化後に残留するシェルは無機材料であることから不純物を溶出することがなく、しかも無機充填剤と同様に作用するため、硬化物としての信頼性を向上することができる。

Claims (2)

  1. 硬化触媒表面に、ポリシラザンを存在させる工程と、
    前記硬化触媒表面上の前記ポリシラザンを、100℃以下でアミン類及び水蒸気と接触させ、SiO 2 に転化させることにより、前記硬化触媒をSiO 2 により覆いカプセル化する工程を備えることを特徴とするマイクロカプセル型硬化触媒の製造方法。
  2. 請求項1記載の硬化触媒がイミダゾール系化合物、有機ホスフィン系化合物、またはDBU系化合物であるマイクロカプセル型硬化触媒の製造方法。
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