JP3577176B2 - 硬性鏡光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬性鏡の観察光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
硬性鏡は通常、図3に示すように、生体内等の空洞内に挿入するための細長い硬性の挿入部1と、使用時に前記空洞の外に位置し術者の手や硬性鏡保持具で支えるための把持部2とからなる。空洞内の物体の像を取得する観察光学系は挿入部1内から把持部2内にかけて配置されている。挿入部1内の観察光学系は、先端側に配置され物体の実像を形成する対物光学系3と、該対物光学系3で形成された像を把持部2内に伝送するリレー光学系4とからなる。対物光学系3とリレー光学系4は挿入部1内にある保持チューブ5内に同軸に配置される。把持部2内の観察光学系はリレー光学系4で伝送された物体像の眼視観察を可能とする接眼光学系6からなる。内視鏡下外科手術に硬性鏡を用いる場合はビデオ観察が必須となるため、把持部2の接眼マウントに硬性鏡用テレビカメラ7を取り付けてテレビモニタ8での観察をおこなう。特に、腹腔鏡分野においてテレビ観察は必須となっている。なお、符号9は撮像光学系、符号10は固体撮像素子、符号11はカメラコントロールユニットをそれぞれ示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
硬性鏡での大きな間題として、製品の画質が設計性能に対して大きく劣化することが挙げられる。また、製品の画質が衝撃等の外乱により変化するという問題もある。上記の原因として、挿入部内の保持チューブの中でのレンズユニットの偏芯、特にレンズユニットの傾きが考えられる。
【0004】
硬性鏡の観察光学系は細長い挿入部内で像を伝送するため非常に多数のレンズユニットを必要とする。なお、本発明でのレンズユニットとは組立時に一体化されているレンズすべてを指し、接合レンズを一つのレンズユニットとして扱い、また、単レンズも一つのレンズユニットとして扱う。
図4はこれらのレンズユニットを保持した状態の説明図である。図において、保持チューブ5の一端部には側面に小孔22が設けられている。他端には、レンズ保持部材24が取り付けられている。レンズ保持部材24は、保持チューブ5に取り付けるために保持チューブ5の外径に嵌合する部分とそれより太い内径を有する大径部とからなっている。
【0005】
多数のレンズユニットのうち、対物レンズの先端部のレンズユニット12が保持チューブ5の一端部から若干突出した状態で嵌合され、上記小孔22から注入された接着剤により接着固定される。他のレンズユニットはレンズユニットどうしの間隔を保持するためのスペーサ13とともに保持チューブ5の他端から順次挿入される。最後のレンズユニットは保持チューブ5の他端から若干はみ出た状態となる。保持チューブ5とレンズ保持部材24の大径部との間にレンズ押さえ部材25を嵌め、その鍔部を最後のレンズのはみ出た後端部に当てる。そして、レンズ押さえ部材25の薄肉部分とレンズ保持部材24の大径部との間にレンズ押さえバネ14を挟み、レンズ保持部材24の大径部にバネ押さえ部材26を螺合させてバネの弾性力によりレンズユニットとスペーサ13を先端部のレンズユニット12に向けて押しつけ、各レンズユニットを位置決めする。
【0006】
なお、保持チューブ5には、対物光学系3とリレー光学系4とを一本の保持チューブ5におさめるものと、後記するように対物光学系用の保持チューブとリレー光学系用の保持チューブとが別体になったものがある。
通常、組立時にレンズユニットをスムーズに保持チューブに入れるために、保持チューブの内径とレンズユニット外径の間に0.01〜0.05mm程度のクリアランスを設けるが、これによって保持チューブ内でレンズユニットの偏芯が生じる。
【0007】
偏芯で特に問題となるのがレンズユニットの傾きである。像もしくは物体に近い位置でのレンズユニットの傾きは像面の傾きを生じるため、ピントの合ったシャープな画像は視野の一部でしか得られなくなる。瞳に近い位置でのレンズユニットの傾きは偏芯によるコマ収差を発生させるため、視野の全面でコントラストが低下する。
【0008】
また、衝撃等の外乱によってもレンズユニットの傾き状態が変化する。また、多数のレンズユニットはそれぞれ、偏芯したとき画像に与える影響の大小が互いに異なり、その影響の大きいレンズすなわち偏芯に関する感度の高いレンズが保持チューブ内で傾きを生じると大幅な画質劣化が生じる。
上記問題点のうち、特に衝撃等の外乱に対する対策を施した先行例として特開平7−191267号公報に記載のものが挙げられる。しかし、この先行例は保持チューブ内のほとんどすべてのレンズユニットを接着剤や半田付けによって固定するというものであり、組立性が悪くコストアップも生じる。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑み、レンズユニットの保持チューブ内での傾きを減少させ、製作時の画質劣化が少なく、かつ、衝撃等の外乱による画質劣化が少なく、また組立性が良好な硬性鏡光学系を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の第1の硬性鏡光学系は、挿入部内に観察光学系を形成する複数のレンズユニットを有し、前記レンズユニットの少なくとも一部を挿入部内の保持チューブで保持する構成の硬性鏡光学系において、
前記保持チューブで外周を保持されるレンズユニットの少なくとも一つは曲率半径の絶対値がレンズユニットの外径以下の屈折面を含むレンズユニットであり、前記屈折面を含むレンズユニットのすべてが以下の条件(1),(2)を満足することを特徴とするものである。
【0011】
T>1.43mm ・・・(1)
T/D>0.5 ・・・(2)
ただし、Tは保持チューブで外周を保持されるレンズユニットの縁肉厚、Dは前記レンズユニットの外径である。
本発明の第2の硬性鏡光学系は、挿入部内に観察光学系を形成する複数のレンズユニットを有し、前記レンズユニットの少なくとも一部を挿入部内の保持チューブで保持する構成の硬性鏡光学系において、
前記保持チューブで外周を保持されるすべてのレンズユニットが前記の条件(1),(2)を満足することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の第3の硬性鏡光学系は、挿入部内に観察光学系を形成する複数のレンズユニットを有し、前記レンズユニットの少なくとも一部を挿入部内の保持チューブで保持する構成の硬性鏡光学系において、
前記保持チューブで外周を保持されるレンズユニットの少なくとも一つは曲率半径の絶対値がレンズユニットの外径以下の屈折面を含むレンズユニットであり、前記屈折面を含むレンズユニットのすべてが以下の条件(3),(4)を満足することを特徴とするものである。
【0013】
T>2.86mm ・・・(3)
T/D>1 ・・・(4)
本発明の第4の硬性鏡光学系は、挿入部内に観察光学系を形成する複数のレンズユニットを有し、前記レンズユニットの少なくとも一部を挿入部内の保持チューブで保持する構成の硬性鏡光学系において、
前記保持チューブで外周を保持されるすべてのレンズユニットが前記の条件(3),(4)を満足することを特徴とするものである。
【0014】
本発明の第5の硬性鏡光学系は、上記の第1または第3の硬性鏡光学系において、
曲率半径の絶対値がレンズユニットの外径以下の屈折面を含むレンズユニットの少なくとも一つを保持チューブに対して接着固定したことを特徴とするものである。
【0015】
以下に、本発明において上記構成をとる理由について説明する。
本発明の第1の硬性鏡光学系の構成は、挿入部内の観察光学系の中で偏芯に関する感度の高いレンズユニットの傾きを抑制するためのものである。
図5はレンズユニットの傾き状態を示す図であり、この図から、レンズユニット15の傾き角度εは下式で示される。
【0016】
ε=sin−1(C/T)
ただし、Cは保持チューブ5の内径とレンズユニット15の外径との間のクリアランス、Tはレンズユニット15の縁肉厚である。
クリアランスCが小さすぎると保持チューブ5にレンズユニット15を挿入しづらくなり組立に支障を生じる。また、クリアランスCの最大値を減らすために保持チューブの内径とレンズユニットの外径との間の公差を厳しくすることは部品コストが増大するため望ましくない。ゆえに、クリアランスCを改善してレンズユニット15の傾きを減少させるのは困難である。なお、通常のクリアランスCは0.01〜0.05mm程度である。
【0017】
傾き角度εを減少させるには縁肉厚Tを大きくするようにレンズ設計時に配慮する必要がある。傾き角度εは絶対値として2°以下であることが望ましい。クリアランスCが最大値の0.05mmの場合、傾き角度εを2°以下にするには縁肉厚Tを1.43mm(=0.05mm/sin2°)以上とすればよい。すなわち前記の条件(1)を満足させればよい。条件(1)を満足させるようにレンズ設計をおこなえば、保持チューブ内でのレンズユニットの傾き角度を2°以下に抑えられる。
【0018】
さらに、硬性鏡の太さによる要求性能の違いを考慮して前記の条件(2)を満足させる必要がある。硬性鏡は挿入部の外径が太いものほど高画質が要求される傾向にある。挿入部の外径と挿入部内の観察光学系のレンズユニットの外径とは相関関係にあり、挿入部の外径が太いものほどレンズユニットの外径も大きくなる。このため、高画質が要求される、レンズユニットの外径の大きいものほどレンズユニットの傾き角度εを小さくする必要がある。ゆえに条件(2)を満足させるように、そのレンズユニットの(縁肉厚T/外径D)の値を大きくとって設計すればよい。条件(2)を満足させないとレンズユニットの傾きの抑制が不十分であり、要求性能を満足させられない。
【0019】
また通常、曲率の強い屈折面を有するレンズユニットほど傾きに関する感度が高い。屈折面に与え得る曲率はレンズユニットの外径Dと相関があり、屈折面の曲率半径の絶対値がレンズユニットの外径Dより小さい屈折面は非常に強い曲率を有するといえる。この場合、レンズユニットの外周部において屈折面の法線は光軸に対して30°以上傾く。上記のような曲率の強い屈折面を有するレンズユニットが保持チューブ内で傾くと、偏芯収差が多量に発生し画質が大幅に劣化する。このため、曲率の強い屈折面を持たせないレンズ設計が望まれるが、要求仕様の実現やレンズ枚数削減のためには上記のような曲率の強い屈折面を導入せざるを得ない。
【0020】
そこで、曲率の強い屈折面を有するレンズユニットの外周を保持チューブで保持する場合は、傾きを抑えるために前記の条件(1),(2)を満足させればよい。曲率の強い屈折面を有するレンズユニットが条件(1),(2)を満足しないと、組立時の画質劣化、または組立後の衝撃等の外乱による画質劣化が大幅に発生し、高画質の硬性鏡をユーザに提供できない。
【0021】
なお、上記のような曲率の強い屈折面を有するレンズユニットを含む光学系では、曲率の強い屈折面を有するレンズユニットが製造時の画質劣化を支配するため、相対的に偏芯感度の弱いレンズユニットの傾きを抑えてもほとんど画質劣化の低減に寄与せず、単なるコストアップにつながりかねない。このため、曲率の強い屈折面を有するレンズユニットのすべてが条件(1),(2)を満足していれば、その他の曲率の強い屈折面を含まないレンズユニットについては傾きに対して寛容であってよい。
【0022】
本発明の第2の硬性鏡光学系の構成は、挿入部内の観察光学系のすべてのレンズユニットの傾きを抑制するためのものである。
前記の条件(1),(2)を、保持チューブで外周を保持するすべてのレンズユニットに適用することで、組立時および製品出荷後も良好な画質を維持できる。なお、保持チューブで外周を受けないレンズユニット、例えば先端カバーカラスや図4に示すような先端の平凹レンズ18などは除外して考えてよい。
【0023】
本発明の第3および第4の硬性鏡光学系の構成は、第1および第2の硬性鏡光学系の構成において、レンズユニットの傾きをさらに抑制するためのものである。
硬性鏡の仕様によっては、レンズユニットの傾きをさらに抑えねばならない場合がある。近年の硬性鏡用テレビカメラの普及と画質向上にともない、硬性鏡にはさらなる明るさ向上と画質向上が求められている。このため、最近の硬性鏡の観察光学系の一部では、NA(開口数)を増大させながら従来以上の画質を確保せねばならないという厳しい課題を抱えている。
【0024】
このため、本発明の第1および第2の硬性鏡光学系の構成において、前記の条件(3),(4)を満足すると一層好ましい。条件(3),(4)を満足させれば、条件(1),(2)を満足する場合に対しレンズユニットの傾き角度を半減でき、高仕様・高画質の要求される硬性鏡の画質を維持できる。条件(3),(4)を満足させないと、硬性鏡の仕様によってはレンズユニットの傾きによって許容しがたい画質劣化が生じるため好ましくない。
【0025】
また、本発明の第5の硬性鏡光学系の構成は、特に高画質を要求される硬性鏡において、組立後の外乱による画質劣化を防止するためのものである。
本発明の第1または第3の硬性鏡光学系の構成によって曲率の強い屈折面を含むレンズユニットの傾きを減らせるが、傾きを完全になくすことは不可能である。このため傾きによる画質劣化を実質的に除去するには、偏芯に関する感度の高い、曲率の強い屈折面を有するレンズユニットが保持チューブの中でまったく動かないようにすればよい。そのためには、前記曲率の強い屈折面を有するレンズユニットを保持チューブに対して接着固定すればよい。ただし、接着工程を増やすことは組立のリードタイム増加とコストアップにつながる。したがって、前記曲率の強い屈折面を有するレンズユニットの中で最も偏芯に関する感度の高いものを少なくとも一つ選んで接着固定すれば、傾きによる画質劣化を大幅に軽減でき、しかも接着固定するレンズユニットの数を最小限にするので、組立性は良好である。上記構成を満足させないと、要求品質の特に厳しい硬性鏡において、レンズユニットの傾きによる画質劣化によって、ユーザを満足させる画質を維持できず好ましくない。
【0026】
なお、前記レンズユニットを接着固定する際は、保持チューブの側面に接着穴をあけて、そこから接着剤を流し込みレンズユニットの外周を固定する。この際、事前にレンズユニットの傾きをなくすために、画像を見ながら接着穴から針等で中のレンズユニットをゆらして良好な画像が得られるように調整してから接着固定するとよい。
【0027】
ここで、本発明におけるレンズユニットの縁肉厚Tと外径Dの定義について第6図を用いて説明する。レンズユニットがそれぞれ、(a)は単レンズの場合、(b)は同一外径接合レンズの場合、(c)は外径差付き接合レンズの場合、(d)はプリズムユニットの場合を示す。
外径Dは第6図に示すように常に保持チューブで外周を受ける部分で定義する。このため、(c)のように外径差がある場合は、大きい方のレンズの外径を用いる。
【0028】
縁肉厚Tも第6図に示すように保持チューブで外周を受ける部分で定義する。実際のレンズには通常バリ防止のための面取りを設けるが、面取りの大きさは十分に小さいため無視してよい。(c)では外周を受ける右側のレンズの値とする。(d)では非軸対称となるため最も縁肉厚Tが小さい部分とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の硬性鏡光学系の実施例1および2について図面を参照して説明する。
実施例1および2の光軸を含むレンズ断面図をそれぞれ図1および図2に示す。各実施例の数値データは後記する。
【0030】
実施例1においては、図1の(a)は対物部、(b)はリレー部の一部を示す。この実施例1は挿入部外径Φ12mmの腹腔鏡を想定したもので、内径Φ9.5mmの保持チューブ5に対物光学系の一部とリレー光学系のレンズユニットを保持する。なお、符号23は外装チューブを示す。
第1面(r 1)〜第20面(r20)が対物光学系である。第21面(r21)以降がリレー光学系である。リレー回数は2回であり、像を1回リレーする左右対称の単位リレー光学系を2組使用している。2組目のリレー光学系は1組目のリレー光学系の繰り返しであるので、図1の(b)では1組目のみを示し、2組目は省略してある。
【0031】
第1面(r 1)〜第2面(r 2)のカバーガラス16はサファイヤ素材からなり、外装チューブ23の先端に取付けたカバーガラス固定部材17に半田付けで固定し、保持チューブ5では保持しない。第3面(r 3)〜第4面(r 4)の平凹レンズ18は、第5面(r 5)上に接着固定し、保持チューブ5では外周を保持しない。
【0032】
第5面(r 5)以降が内径Φ9.5mmの保持チューブ5で外周を保持するレンズユニットである。したがって第5面以降のレンズユニットの外径DはΦ9.5mmである。第5面(r 5)〜第7面(r 7)で構成するレンズユニットは小孔22から注入された接着剤により、保持チューブ5に対して外周を接着固定される。第8面(r 8)以降のレンズユニットは保持チューブ5に接着固定せずに、スペーサ13と、図4のごとくバネ力で押さえる。
【0033】
後記する数値データに示すように、第5面以降で曲率半径の絶対値がレンズユニットの外径以下である屈折面は第14面(r14)と第17面(r17)と第19面(r19)であり、これらの面を含むレンズユニットは条件(1),(2)を満足している。また、第5面(r 5)以降のすべてのレンズユニットは条件(1),(2)を満足している。このため、保持チューブ5内で大きく傾くことがなく、製造時および製造後の画質劣化が少ない。また、第14面(r14)または第17面(r17)または第19面(r19)を含むレンズユニットを保持チューブ5に対して接着固定してもよい。
【0034】
実施例2においては、図2の(a)は対物部、(b)はリレー部の非対称単位リレー部を示す。(c)はリレー部の対称単位リレー部を示す。この実施例2は挿入部外怪Φ3mmの膀胱鏡、子宮鏡、関節鏡を想定したもので、内径Φ1.65mmの対物光学系用保持チューブ19で対物光学系の一部を、内径Φ1.9mmのリレー光学系用保持チューブ20でリレー光学系のレンズユニットを保持する。対物光学系用保持チューブ19とリレー光学系用保持チューブ20とは別体となっている。
【0035】
第1面(r 1)〜第9面(r 9)が対物光学系である。第10面(r10)以降がリレー光学系である。リレー回数は7回であり、像を1回リレーする左右非対称の単位リレー光学系(第10面(r10)〜第17面(r17))を1組と、左右対称の単位リレー光学系(たとえば第18面(r18)〜第25面(r25))を6組使用している。2組目〜6組目の左右対称の単位リレー光学系は1組目の繰り返しであるので、図2の(c)では1組目のみを示し、2組目〜6組目は省略してある。
【0036】
第1面(r 1)〜第2面(r 2)の平凹レンズ21はサファイヤ素材からなり、カバーガラス固定部材17に半田付けで固定し、保持チューブでは保持しない。第3面(r 3)〜第4面(r 4)の平凹レンズ18は、第5面(r 5)上に接着固定し、保持チューブでは外周を保持しない。
第5面(r 5)〜第9面(r 9)のレンズユニットは内径Φ1.65mmの対物光学系用保持チューブ19で外周を保持する。したがって第5面〜第9面のレンズユニットの外径DはΦ1.65mmである。第5面(r 5)〜第6面(r 6)のレンズユニットは小孔22から注入された接着剤により、保持チューブ19に対して外周を接着固定される。第7面(r 7)以降のレンズユニットは保持チューブに接着固定せずに、スペーサ13と、図4のごとくバネ力で押さえる。
【0037】
第10面(r10)以降のレンズユニットは内径Φ1.9mmのリレー光学系用保持チューブ20で外周を保持する。したがって第10面(r10)以降のレンズユニットの外径DはΦ1.9mmである。対物光学系の最後の面r 9とリレー光学系の最初の面r10との間のスペーサ13aは、一端が対物光学系用保持チューブ19の内側に、他端がリレー光学系用保持チューブ20の内側に、それぞれほぼ嵌合する段差のついた構造になっている。
【0038】
後記する数値データに示すように、第5面以降で曲率半径の絶対値がレンズユニットの外径以下である屈折面は第8面(r 8)であり、この面を含むレンズユニットは条件(3),(4)を満足している。また、第5面(r 5)以降のすべてのレンズユニットは条件(3),(4)を満足する。このため、保持チューブ内で大きく傾くことがなく、製造時および製造後の画質劣化が少ない。また、第8面(r 8)を含むレンズユニットを保持チューブ19に対して接着固定してもよい。
【0039】
以下に、上記各実施例の数値データを示す。r 1,r 2,・・・は各レンズ面の曲率半径、d 1,d 2,・・・は各レンズ面間の間隔、n 1,n 3,・・・は各レンズの屈折率、ν 1,ν 3,・・・は各レンズのアッベ数である。
なお、非球面形状は、zを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
【0040】
z=(y2 /r)/[1+{1−(k+1)(y/r)2 }1/2 ]+Ey4 +Fy6 +Gy8
ただし、rは近軸曲率半径、kは円錐係数、E、F、Gはそれぞれ4次、6次、8次の非球面係数である。
以下に各レンズユニットの縁肉厚と外径のデータを示す。縁肉厚の符号T 5,T 8,・・・および、外径の符号D 5,D 8,・・・はそれぞれ以下の各レンズユニットに対応する。
第34面(r34)以降のレンズユニットについては、第21面(r21)〜第33面(r33)の3つのレンズユニットの繰り返しであるので、省略する。
以下に各レンズユニットの縁肉厚と外径のデータを示す。縁肉厚の符号T 5,T 7,・・・および、外径の符号D 5,D 7,・・・はそれぞれ以下の各レンズユニットに対応する。
第26面(r26)以降のレンズユニットについては、第18面(r18)〜第25面(r25)の3つのレンズユニットの繰り返しであるので、省略する。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、レンズユニットの保持チューブ内での傾きを減少でき、製作時の画質劣化が少なく、また衝撃等の外乱による画質劣化が少なく、かつ組立性の良好な硬性鏡光学系を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の硬性鏡光学系の断面図である。
【図2】本発明の実施例2の硬性鏡光学系の断面図である。
【図3】硬性鏡システムの観察系の基本構成を示す断面図である。
【図4】保持チューブ内でのレンズユニットの保持状態を示す断面図である。
【図5】保持チューブ内でのレンズユニットの傾き状態を示す断面図である。
【図6】レンズユニットの縁肉厚Tと外径Dの定義を示す断面図である。
【符号の説明】
1 挿入部
2 把持部
3 対物光学系
4 リレー光学系
5 保持チューブ
6 接眼光学系
7 硬性鏡用テレビカメラ
8 テレビモニタ
9 撮像光学系
10 固体撮像素子
11 カメラコントロールユニット
12 先端部のレンズユニット
13,13a スペーサ
14 レンズ押さえバネ
15 レンズユニット
16 カバーガラス
17 カバーガラス固定部材
18,21 平凹レンズ
19 対物光学系用保持チューブ
20 リレー光学系用保持チューブ
22 小孔
23 外装チューブ
24 レンズ保持部材
25 レンズ押さえ部材
26 バネ押さえ部材
Claims (5)
- 挿入部内に観察光学系を形成する複数のレンズユニットを有し、前記レンズユニットの少なくとも一部を挿入部内の保持チューブで保持する構成の硬性鏡光学系において、
前記保持チューブで外周を保持されるレンズユニットの少なくとも一つは曲率半径の絶対値がレンズユニットの外径以下の屈折面を含むレンズユニットであり、前記屈折面を含むレンズユニットのすべてが以下の条件(1),(2)を満足することを特徴とする硬性鏡光学系。
T>1.43mm ・・・(1)
T/D>0.5 ・・・(2)
ただし、Tは保持チューブで外周を保持されるレンズユニットの縁肉厚、Dは前記レンズユニットの外径である。 - 挿入部内に観察光学系を形成する複数のレンズユニットを有し、前記レンズユニットの少なくとも一部を挿入部内の保持チューブで保持する構成の硬性鏡光学系において、
前記保持チューブで外周を保持されるすべてのレンズユニットが以下の条件(1),(2)を満足することを特徴とする硬性鏡光学系。
T>1.43mm ・・・(1)
T/D>0.5 ・・・(2)
ただし、Tは保持チューブで外周を保持されるレンズユニットの縁肉厚、Dは前記レンズユニットの外径である。 - 挿入部内に観察光学系を形成する複数のレンズユニットを有し、前記レンズユニットの少なくとも一部を挿入部内の保持チューブで保持する構成の硬性鏡光学系において、
前記保持チューブで外周を保持されるレンズユニットの少なくとも一つは曲率半径の絶対値がレンズユニットの外径以下の屈折面を含むレンズユニットであり、前記屈折面を含むレンズユニットのすべてが以下の条件(3),(4)を満足することを特徴とする硬性鏡光学系。
T>2.86mm ・・・(3)
T/D>1 ・・・(4)
ただし、Tは保持チューブで外周を保持されるレンズユニットの縁肉厚、Dは前記レンズユニットの外径である。 - 挿入部内に観察光学系を形成する複数のレンズユニットを有し、前記レンズユニットの少なくとも一部を挿入部内の保持チューブで保持する構成の硬性鏡光学系において、
前記保持チューブで外周を保持されるすべてのレンズユニットが以下の条件(3),(4)を満足することを特徴とする硬性鏡光学系。
T>2.86mm ・・・(3)
T/D>1 ・・・(4)
ただし、Tは保持チューブで外周を保持されるレンズユニットの縁肉厚、Dは前記レンズユニットの外径である。 - 請求項1または3記載の硬性鏡光学系において、
曲率半径の絶対値がレンズユニットの外径以下の屈折面を含むレンズユニットの少なくとも一つを保持チューブに対して接着固定したことを特徴とする硬性鏡光学系。
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1996
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