JP3578650B2 - キャリア同期回路及び直交復調回路及び混信波除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン受像機及び中継放送装置に用いられるキャリア同期回路及び直交復調回路及び混信波除去装置に係り、特に安定して精度の高い再生キャリア信号を生成し、混信波を的確に除去できるキャリア同期回路及び直交復調回路及び混信波除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本国内では、テレビ放送信号が超短波帯(VHF)のうち、90MHz〜108MHz及び170MHz〜222MHzで送信されている。
一方、高度100km付近に発生する電離層(E層)と略同じ高度付近に突発的に現れる電離層として、スポラディックE層(以下、「Eスポ」と略称する)と呼ばれるものがあり、日本周辺では4月〜8月にかけてよく発生し、VHF波の電波の異常伝搬を発生させ、国内のテレビ放送信号に外国のFM音声放送波を混信させる原因となることが知られている。
【0003】
そこで、従来から一部のテレビジョン放送中継装置には、Eスポに起因する混信波の影響を除去するため、種々の装置(混信波除去装置)が組み込まれている。近年、特にデジタル信号処理技術の発展により、例えば、特開平10−294884号の「デジタル化Eスポ混信妨害除去回路」、特開平10−294901号の「テレビジョン信号のデジタル処理方式」等に記載されているようなデジタル処理を用いて、回路をLSI化することでテレビジョン受像機に内蔵することが可能な混信波除去装置が考案されている。
【0004】
これらEスポに起因する混信波を除去するための従来のデジタル処理を用いた混信波除去装置に用いられる直交復調回路について、図3を参照しつつ説明する。図3は、従来の直交復調回路の一例を表す構成ブロック図である。
【0005】
従来の直交復調回路は、図3に示すように、一般に、受信したテレビ放送信号をアナログ回路により、後段のデジタル回路におけるサンプリング周波数の1/4の周波数の中間周波信号(IF信号)に変換するIF信号変換手段1と、当該IF信号を直接A/D変換するA/D変換手段2と、局部発振信号(以下、「局発信号」と略称する)を生成する手段としての局発信号生成手段3と、局発信号を用いてA/D変換した信号を準同期検波し、複素ベースバンド信号を生成する準同期検波手段4と、複素ベースバンド信号から複素リミッタ及び狭帯域ローパスフィルタ(LPF)を用いて複素キャリア信号を抽出する複素キャリア信号抽出手段5と、複素キャリア信号を用いて、複素ベースバンド信号の周波数と位相とを補正し、完全直交同期検波された複素ベースバンド信号を出力する補正手段6とから構成されている。
【0006】
また、局発信号生成手段3は、π/2ラジアンごとの余弦の符号に従って、一定時間ごとに「1,0,−1,0,1…」のように変化するデータ系列である同相局部発振信号(以下、「COS信号」と称する)を出力するCOS信号生成手段と、π/2ラジアンごとの正弦の符号を反転したものに従って、一定時間ごとに「0,−1,0,1,0,…」のように変化するデータ系列である直交局部発振信号(以下、「−SIN信号」と称する)を出力する−SIN信号生成手段とから構成されている。
【0007】
次に、図3に示した従来の混信波除去装置の直交復調回路の動作について説明すると、まず、IF信号変換手段1が受信信号をサンプリング周波数の1/4の周波数のIF信号に変換して出力し、A/D変換手段2が、当該IF信号をA/D変換して出力する。
【0008】
一方、局発信号生成手段3のCOS信号生成手段と、−SIN信号生成手段とがそれぞれ、COS信号と−SIN信号とを局発信号として出力し、準同期検波手段4が、当該局発信号を用いてA/D変換手段2が出力する信号を準同期検波して、複素ベースバンド信号を生成して出力する。
【0009】
そして、複素キャリア信号抽出手段5が、複素リミッタ及び狭帯域LPFを用いて複素キャリア信号を抽出して出力し、補正手段6が、複素キャリア信号抽出手段5から入力される複素キャリア信号を用いて、準同期検波手段4から入力される複素ベースバンド信号の周波数と位相とを補正し、完全直交同期検波された複素ベースバンド信号を出力するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の直交復調回路では、IF信号変換手段が、アナログ回路であり、混信波の影響により、IF信号の周波数に揺らぎが発生したり、IF信号の周波数がずれたりする場合がある。
したがって、複素キャリア信号抽出手段の精度を高めるために狭帯域LPFの帯域幅を狭めようとすると、本来通過すべき周波数の信号が本来の位置から揺らぎ等によりずれているために、通過させるべき映像キャリア信号が通過せずに減衰して、復調映像信号に歪みが発生するため、狭帯域LPFの帯域幅を狭めることができない。
また、極端に通過帯域幅の狭いLPFを用いると、狭帯域LPFのハードウエアの規模が大きくなり、デジタル処理による混信波除去装置の利点である回路規模の縮小を図ることができなくなるため、いずれにしろ、狭帯域LPFの帯域幅を極端に狭めることは困難である。
【0011】
従って、映像キャリア周波数に近接した周波数の混信波が到来すると、再生キャリア信号に混信波が混入することになり、精度の高いキャリア信号を再生できないという問題点があった。
【0012】
さらに、面積の大きい白色部分を含む絵柄の映像信号によって変調された変調波が受信された場合、過変調やマルチパス歪み等により、キャリア成分が消失したり、キャリア成分の強度が低下する等、再生キャリア信号の精度が劣化するという問題点があった。
【0013】
このように従来の直交復調回路を用いた混信波除去装置では、再生キャリア信号の精度を高めることができず、劣化した再生キャリア信号に基づいて生成された完全同期検波信号から混信波を検出して除去するので、混信波を的確に除去できないと同時に、出力される映像信号に歪みを与えるという問題点があった。
【0014】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、劣悪な混信環境のもとでも高い精度の再生キャリア信号を得ることのできるキャリア同期回路及び直交復調回路さらに、混信波除去装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、キャリア同期回路において、複素ベースバンド信号の入力を受けて、当該複素ベースバンド信号の振幅を一定にする複素リミッタ回路と、前記複素リミッタ回路が出力する複素ベースバンド信号からキャリア信号を抽出する狭帯域ローパスフィルタ回路と、前記狭帯域ローパスフィルタ回路から出力されるキャリア信号の位相にロックし、当該ロックした位相で、持続的にキャリア信号を再生し、準同期検波して得られた複素ベースバンド信号の周波数位相誤差を補正するためのキャリア信号として出力するデジタルPLL回路とを有することを特徴としており、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成できる。
【0017】
上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、キャリア同期回路において、複素ベースバンド信号の入力を受けて、帯域制限を行う第2のLPF回路と、前記帯域制限された複素ベースバンド信号のサンプリング周波数をNTSC信号の色副搬送波周波数に変換する第2のダウンサンプル回路と、前記第2のダウンサンプル回路から出力される信号の振幅が一定になるように制御する複素リミッタ回路と、前記複素リミッタ回路が出力する信号の映像キャリア成分をキャリア信号として抽出する狭帯域ローパスフィルタ回路と、前記狭帯域ローパスフィルタ回路が出力するキャリア信号の位相にロックし、当該ロックした位相で、持続的にキャリア信号を再生して出力するデジタルPLL回路と、前記デジタルPLL回路から入力されるキャリア信号に、予め設定された信号を内挿して、サンプリング周波数を高めるアップサンプル回路と、前記内挿によりサンプリング周波数が高められたキャリア信号を補間し、再生キャリア信号として出力する第4のLPF回路とを有することを特徴としており、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成できる。
【0018】
上記従来例の問題点を解決 するための請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のキャリア同期回路において、デジタルPLL回路が、中間周波信号の映像キャリア周波数と、NTSC信号の色副搬送波周波数の2倍の周波数との差をあらわす周波数誤差信号を出力するデジタルPLL回路であり、前記デジタルPLL回路が出力する周波数誤差信号から高周波成分を除去するループフィルタ回路と、前記ループフィルタ回路が出力する信号に基づいて、中間周波信号の生成に用いる局部発振信号を出力する電圧制御発振器とを有することを特徴としており、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成でき、かつ、IF信号の周波数を安定にできる。
【0019】
上記従来例の問題点を解決するための請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2又は請求項3記載のキャリア同期回路において、デジタルPLL回路は、位相比較手段と、積分手段と、発振手段とを具備し、前記位相比較手段が、入力される複素キャリア信号の位相と、再生した複素キャリア信号の位相との位相差を位相誤差信号として出力するとともに、入力される複素キャリア信号の振幅が予め定めた一定の値より小さくなったときに、前記位相誤差信号を強制的に位相差がないことを表すゼロデータとして出力する位相比較手段であり、前記積分手段が、前記位相誤差信号から前記発振手段を制御する信号を生成して出力する積分手段であり、前記発振手段が、前記積分手段が出力する信号に基づいて複素キャリア信号の位相を生成し、当該位 相から複素キャリア信号を再生して出力するとともに、当該再生した複素キャリア信号の位相を前記位相比較手段に帰還して出力する発振手段であるデジタルPLL回路であることを特徴としており、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成できる。
【0020】
上記従来例の問題点を解決するための請求項5記載の発明は、請求項4記載のキャリア同期回路において、位相比較手段は、入力された複素キャリア信号の位相としての逆正接を演算する逆正接回路と、前記発振手段が再生した複素キャリア信号の位相と、当該演算した逆正接との差を位相誤差信号として演算する引算器と、前記位相誤差信号を−π〜πまでの値に変換する第1の±π化回路と、位相差がないことを表す信号としてのゼロデータを出力するゼロデータ回路と、入力された複素キャリア信号の絶対値を演算して出力する絶対値回路と、前記絶対値回路が出力する絶対値が、予めキャリア信号が消失しているか否かを区別するレベルとして設定されているしきい値を超えているか否かにより、入力された複素キャリア信号のレベルが十分なレベルになっているか否かを判断する第1のスレショルド回路と、前記第1のスレショルド回路が、キャリア信号が十分なレベルになっていると判断する場合には、前記第1の±π化回路が出力する位相誤差信号を出力し、前記第1のスレショルド回路が、キャリア信号が十分なレベルになっていないと判断する場合には、前記ゼロデータ回路が出力する信号を出力する第1のセレクタ回路とを有する位相比較手段であることを特徴としており、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成できる。
【0021】
上記従来例の問題点を解決するための請求項6記載の発明は、請求項4又は請求項5記載のキャリア同期回路において、発振手段が、第3の加算器と、第2の±π化回路と、第2のラッチ回路と、COS回路と、SIN回路とを具備する数値制御発振器回路であって、前記第3の加算器が、積分手段から入力される制御信号と前記第2のラッチ回路が出力する信号とを加算して出力する第3の加算器であり、前記第2の±π化回路が、前記第3の加算器が出力する信号を−π〜πまでの値に変換する第2の±π化回路であり、前記第2のラッチ回路が、前記第2の±π化回路が出力する信号をラッチして出力する第2のラッチ回路であり、前記COS回路が、前記第2のラッチ回路が出力する 信号の余弦を出力するCOS回路であり、前記SIN回路が、前記第2のラッチ回路が出力する信号の正弦を出力するSIN回路であることを特徴としており、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成できる。
【0022】
上記従来例の問題点を解決するための請求項7記載の発明は、請求項4又は請求項5又は請求項6記載のキャリア同期回路において、積分手段は、前記位相比較手段が出力する信号に、引き込み時の直接項係数と、保持時の直接項係数と、引き込み時の積分項係数と、保持時の積分項係数とを各々乗算する第1〜第4の固定値乗算回路と、前記位相比較手段が出力する検出位相誤差信号が、引き込みが完了して、保持の動作を行うべき誤差として予め設定されているしきい値を超えているか否かにより、引き込みを完了したか否かを判断する第2のスレショルド回路と、前記第2のスレショルド回路が引き込みを完了したと判断した時には、前記第2の固定値乗算回路が出力する信号を出力し、前記第2のスレショルド回路が引き込みを完了していないと判断した時には、前記第1の固定値乗算回路が出力する信号を出力する第2のセレクタ回路と、前記第2のスレショルド回路が引き込みを完了したと判断した時には、前記第4の固定値乗算回路が出力する信号を出力し、前記第2のスレショルド回路が引き込みを完了していないと判断した時には、前記第3の固定値乗算回路が出力する信号を出力する第3のセレクタ回路と、前記第3のセレクタ回路が出力する信号を積分する積分回路と、前記第2のセレクタ回路が出力する信号と前記積分回路により積分された信号とを加算し、制御信号として出力する第2の加算器とを有する積分手段であることを特徴としており、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成できる。
【0023】
上記従来例の問題点を解決するための請求項8記載の発明は、請求項7記載のキャリア同期回路において、積分手段が、積分回路が出力する信号をアナログ信号に変換し、周波数誤差信号として出力するD/A変換回路とを有する積分手段であることを特徴としており、当該周波数誤差信号をIF信号の再生に用いる局部発振信号を制御する信号として用いれば、IF信号の周波数を安定にできる。
【0024】
上記従来例の問題点を解決するための請求項9記載の発明は、請求項3又は請求項8記載のキャリア同期回路において、デジタルPLL回路から出力される周波数誤差信号の高周波成分を除去するループフィルタ回路と、前記ループフィルタ回路から出力される信号に基づいて、IF信号を生成するための局部発振信号を生成して出力する電圧制御発振器とを有することを特徴としており、IF信号の周波数を安定にできる。
【0025】
上記従来例の問題点を解決するための請求項10記載の発明は、直交復調回路において、局部発振信号とTVチューナ等から入力されるRF信号とを乗算して周波数変換を行う乗算器と、前記乗算器における周波数変換で生じたイメージ信号等不要成分を除去して、アナログのIF信号として出力するバンドパスフィルタ回路と、前記バンドパスフィルタ回路が出力するアナログのIF信号をデジタルのIF信号に変換するA/D変換回路と、前記A/D変換回路が出力する信号のNTSC変調波における両側波帯領域の信号成分を減衰させるステップナイキストフィルタ回路と、前記ステップナイキストフィルタ回路が出力する信号を準同期検波し、複素ベースバンド信号を出力する準同期検波回路と、前記複素ベースバンド信号から準同期検波に伴って発生したイメージ成分を除去する第1のローパスフィルタ回路と、前記第1のローパスフィルタ回路が出力する信号のサンプリング周波数を変換する第1のダウンサンプル回路と、前記第1のダウンサンプル回路が出力する信号を一定の時間遅延する遅延回路と、前記複素ベースバンド信号からキャリア信号の再生を行い、再生したキャリア信号を出力する請求項1乃至請求項9記載のキャリア同期回路と、前記キャリア同期回路から出力される再生キャリア信号に基づいて、前記遅延回路から出力される信号の周波数位相誤差を補正し、完全同期検波した信号を出力する位相回転回路とを有することを特徴としており、安定した複素ベースバンド信号を出力できる。
【0026】
上記従来例の問題点を解決するための請求項11記載の発明は、混信波除去装置において、請求項10記載の直交復調回路が出力する信号に基づいて、混信波を検出して除去することを特徴としており、混信波を的確に除去できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係るキャリア同期回路は、同相成分と直交成分とを有する複素キャリア信号(以下、「キャリア信号」と略称する)を再生するにあたり、準同期検波して得た複素ベースバンド信号を複素リミッタ回路によりその振幅を一定にし、狭帯域ローパスフィルタ回路によりキャリア信号の成分を抽出し、さらにデジタルPLL回路によって、キャリア信号の位相にロックしたキャリア信号を再生することで、キャリア信号の精度を高め、かつ、抽出したキャリア信号のレベルが減衰し、又は消失してもPLL回路の特性によりキャリア信号を持続的に安定して出力できるものである。
【0028】
また、かかるキャリア同期回路を用いた、本発明の実施の形態に係る直交復調回路は、安定したキャリア信号に基づいて準同期検波して得た複素ベースバンド信号の周波数位相誤差を補正し、完全直交同期検波された複素ベースバンド信号を得て出力するものであり、安定した複素ベースバンド信号を出力できるものである。
【0029】
さらに、かかる直交復調回路を用いた、本発明の実施の形態に係る混信波除去装置は、安定した複素ベースバンド信号に基づいて混信波を検出し、除去するので、混信波を的確に除去できると共に歪みの少ない復調信号を得ることができるものである。
【0030】
本発明の実施の形態に係る直交復調回路を図1を使って説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る直交復調回路の構成ブロック図である。
本発明の実施の形態に係る直交復調回路は、図1に示すように、局発信号とTVチューナ等から入力されるRF信号とを乗算して周波数変換を行う手段としての乗算器11と、周波数変換で生じたイメージ信号等不要成分を除去する手段としてのBPF回路12と、アナログのIF信号をデジタルのIF信号に変換する手段としてのA/D変換回路13と、ステップナイキストフィルタ回路14と、COS信号及び−SIN信号を局発信号として準同期検波を行い、同相成分と直交成分との各成分にわけて、複素ベースバンド信号を出力する手段としての準同期検波回路15と、複素ベースバンド信号の同相成分と直交成分とに対応して設けられ、各々対応する成分の複素ベースバンド信号から準同期検波に伴って発生したイメージ成分を除去する手段としての2つの第1のLPF回路16a,16bと、第1のLPF回路16a,16bの各々に対応して設けられ、各信号のサンプリング周波数を変換する手段としての第1のダウンサンプル回路17a,17bと、第1のダウンサンプル回路17a,17bに対応して設けられ、各信号を一定の時間遅延する手段としての遅延回路18a,18bと、各信号の入力を受けて、周波数位相誤差を補正し、完全同期検波した信号を出力する手段としての位相回転回路19と、キャリア信号の再生を行い、再生したキャリア信号を同相成分と直交成分とにわけて出力するとともに、IF信号を生成するための局発信号を出力する手段としてのキャリア同期回路20とから基本的に構成されている。
【0031】
また、キャリア同期回路20は、図1に示したように、後にサンプリング周波数を変換する際に、同相成分と直交成分の各信号に対応して設けられ、各対応する信号に折り返し歪みが生じないよう、帯域制限を行う手段としての第2のLPF回路21a,21bと、第2のLPF回路21a,21bに対応して設けられ、サンプリング周波数をNTSC信号の色副搬送波周波数に変換する手段としての第2のダウンサンプル回路22a,22bと、第2のダウンサンプル回路22a,22bが出力する複素ベースバンド信号の振幅すなわち絶対値が一定になるように処理する手段としての複素リミッタ回路23と、複素リミッタ回路23が出力する同相成分と直交成分の各信号に対応して設けられ、対応する各信号の映像キャリア成分以外の成分を除去する手段としての第3のLPF回路(狭帯域ローパスフィルタ回路)24a,24bと、第3のLPF回路24a,24bが出力する信号(複素キャリア信号)の位相にロックし、当該位相で、持続的に複素キャリア信号を再生して出力することで、当該キャリア信号の精度を高め、複素キャリア信号の振幅が小さい場合でも安定した複素キャリア信号を自走して再生し、出力するとともに、IF信号の映像キャリア周波数と、NTSC信号の色副搬送波周波数の2倍の周波数との差をあらわす信号を周波数誤差信号として出力する手段としてのデジタルPLL回路25と、デジタルPLL回路25から入力される同相成分と直交成分の各信号に「0」の信号を内挿して、サンプリング周波数を高めるアップサンプル回路26a,26bと、内挿によりサンプリング周波数が高められた各信号に対応して設けられ、各信号を補間して再生したキャリア信号として出力する手段としての第4のLPF回路27a,27bと、デジタルPLL回路25が出力する周波数誤差信号から高周波成分を除去する手段としてのループフィルタ回路28と、ループフィルタ回路28が出力する信号に基づいて、乗算器11がIF信号を生成するために用いる局発信号を出力する手段としてのVCO29とから構成されている。
【0032】
以下、各部を具体的に説明する。
乗算器11は、キャリア同期回路20から入力される局発信号とTVチューナ等から入力されるRF信号(アンテナから入力された、混信波を含む信号を所定のレベルに増幅した信号)とを乗算してRF信号の周波数変換を行い、例えば、理想的には、RF信号をサンプリング周波数28.63636MHzの1/4の周波数である7.15809MHzのIF信号に変換して出力するものである。ここで、28.63636MHzとは、NTSC信号の色副搬送波周波数の8倍の周波数であり、従って、7.15809MHzは、NTSC信号の色副搬送波周波数の2倍の周波数である。
【0033】
BPF回路12は、乗算器11から入力されるIF信号から周波数変換に伴って生じるイメージ成分と不要な帯域の成分とを除去して出力するものである。
A/D変換回路13は、BPF回路12から入力される信号を例えば28.63636MHz(NTSC信号の色副搬送波周波数の8倍の周波数)のクロック周波数でデジタル信号に変換し、デジタルのIF信号として出力するものである。
【0034】
ステップナイキストフィルタ回路14は、NTSC信号が残留側波帯信号であることから、そのまま検波すると、映像信号に歪みが生じることを考慮して、映像キャリア周波数の近傍の周波数(±1.25MHz)、すなわち両側波帯(DSB;DoubleSideBand)領域の信号をSSB(SingleSideBand)領域の信号成分に比べて約6dB程度、減衰させるものである。
【0035】
準同期検波回路15は、COS信号及び−SIN信号を局発信号として用いて、ステップナイキストフィルタ14が出力する信号を準同期検波し、同相成分と直交成分との各成分を有する複素ベースバンド信号を出力するものである。
【0036】
第1のLPF回路16aは、準同期検波回路15が出力する複素ベースバンド信号の同相成分から準同期検波に伴って発生したイメージ成分を除去するものであり、第1のLPF回路16bは、準同期検波回路15が出力する複素ベースバンド信号の直交成分から準同期検波に伴って発生したイメージ成分を除去するものである。
【0037】
第1のダウンサンプル回路17aと、第1のダウンサンプル回路17bとは、それぞれ第1のLPF回路16aから入力された信号と第1のLPF回路16bから入力された信号とを2:1の割合いで間引いて、サンプリング周波数を28.63636MHzから、その半分の14.31818MHz(NTSC信号の色副搬送波周波数の4倍の周波数)に変換するものである。
【0038】
遅延回路18a及び遅延回路18bは、それぞれ第1のダウンサンプル回路17aと、第1のダウンサンプル回路17bとから入力された信号を一定時間遅延させて、後に説明する、キャリア同期回路20がキャリア信号を再生して位相回転回路19に出力するタイミングと一致するようにして、位相回転回路19に出力するものである。
【0039】
位相回転回路19は、キャリア同期回路20が再生して出力する同相成分と直交成分とを有する複素キャリア信号に基づいて、遅延回路18a,bから入力される同相成分と直交成分とを有する複素ベースバンド信号の周波数位相誤差を補正し、完全同期検波出力の同相成分及び直交成分として出力するものである。
【0040】
また、キャリア同期回路20の第2のLPF回路21aと、第2のLPF回路21bとは、それぞれ第1のダウンサンプル回路17aと、第1のダウンサンプル回路17bとから入力された信号から映像キャリア周波数の近傍の成分のみを取り出して、後にダウンサンプル回路22にて折り返し歪みが生じないように帯域制限を行って、出力するものである。
【0041】
第2のダウンサンプル回路22aと、第2のダウンサンプル回路22bとは、それぞれ、第2のLPF回路21aと、第2のLPF回路21bとが出力する信号を例えば4:1に間引いて、サンプリング周波数を3.57954MHz(NTSC信号の色副搬送波周波数)に変換して出力するものである。
【0042】
複素リミッタ回路23は、第2のダウンサンプル回路22a,22bが出力する複素信号の振幅すなわち絶対値が一定になるように処理して、一定振幅の複素ベースバンド信号を出力するものである。
複素リミッタ回路23の具体的な構成としては、特開平10−303999号の「複素搬送波リミッタ回路」に示すようなものが考えられる。
【0043】
第3のLPF回路24aと第3のLPF回路24bとは、狭帯域ローパスフィルタ回路であり、それぞれ複素リミッタ回路23が出力する同相成分と直交成分の各成分の信号に対応して設けられ、対応する各信号の映像キャリア成分以外の成分を除去して出力するものである。
【0044】
デジタルPLL回路25は、第3のLPF回路24aと第3のLPF回路24bとが出力する同相成分と直交成分の各成分の信号(複素キャリア信号)の精度を高めるとともに、複素キャリア信号の振幅が小さい場合でも安定したキャリア信号を再生して出力するとともに、IF信号の映像キャリア周波数と、NTSC信号の色副搬送波周波数の2倍の周波数との差をあらわす信号を周波数誤差信号として出力するものである。
【0045】
つまり、デジタルPLL回路25は、第3のLPF回路24の通過帯域を狭める代わりに、PLL回路の特性により、第3のLPF回路24が出力する複素キャリア信号の精度を高め、また、同様にPLL回路の特性として、信号の入力がなくても一定の期間は自走動作する、いわゆる、フライホイール効果があるため、複素キャリア信号が過変調やマルチパス歪み等によって消失してしまったり、減衰してしまっていても、安定したキャリア信号を再生するものである。
デジタルPLL回路25の具体的な構成については、後述する。
【0046】
アップサンプル回路26aとアップサンプル回路26bとは、それぞれ、デジタルPLL回路25から入力される同相成分と直交成分の各信号に「0」の信号を内挿して、サンプリング周波数を高め、例えば、4倍の14.31818MHzの周波数に変換するものである。
第4のLPF回路27aと第4のLPF回路27bとは、それぞれアップサンプル回路26aとアップサンプル回路26bとから入力される信号を補間して、再生したキャリア信号として出力するものである。
【0047】
ループフィルタ回路28は、デジタルPLL回路25が出力する周波数誤差信号から高周波成分を除去するものである。
VCO29は、電圧制御発振器であり、ループフィルタ28から入力される信号に基づいて、IF信号を生成するために用いる局発信号を出力するものである。
尚、VCO29の制御は、デジタルPLL回路25の応答速度に比べ、十分遅いものとして、互いのフィードバック制御が競合しないようにしておくことが好適である。そうでないと、デジタルPLL回路25が応答しないうちに、VCO29が制御され、的確な制御ができなくなるからである。
【0048】
ここで、デジタルPLL回路25の構成について、図2を参照しつつ説明する。図2は、デジタルPLL回路25の一例を表す構成ブロック図である。PLL回路は、一般に、位相比較手段と、積分手段と、発振手段とから構成されているものであるが、ここでは、図2を用いて、発振手段として、NCO(数値制御発振器)を用いたデジタル信号処理型の2次Tan−DPLL回路について説明する。
デジタルPLL回路25は、他の回路構成であっても構わない。
【0049】
図2に示すデジタルPLL回路は、入力される複素キャリア信号と、再生した複素キャリア信号の位相誤差を位相誤差信号として出力するとともに、入力される複素キャリア信号の振幅が一定の値より小さくなったときに、位相誤差信号を強制的にゼロとして出力する手段としての位相比較手段71と、入力される複素キャリア信号に基づいて、当該位相誤差信号からIF信号の映像キャリア周波数とNTSC信号の色副搬送波周波数の2倍の周波数との差をあらわす周波数誤差信号と、キャリア信号を再生するために必要なNCOの発振周波数を制御する信号としてのNCO制御信号とを生成する積分手段72と、積分手段72が出力するNCO制御信号に基づいてキャリア信号の位相の値を再生し、当該値から再生したキャリア信号として、同相成分と直交成分とにわけて出力するとともに、当該再生したキャリア信号の位相の値を位相比較手段71に帰還して出力するNCO回路(数値制御発振器回路)73とから構成されている。
【0050】
位相比較手段71は、図2に示すように、入力された同相成分と直交成分との各成分の複素キャリア信号から、当該複素キャリア信号の位相を演算する手段としての逆正接回路41と、NCO回路73が再生した複素キャリア信号の位相と、当該演算した位相との差(位相誤差信号)を演算する手段としての引算器42と、位相誤差信号θをθ=θ0+2πn(ここでnは、整数)となるようなθ0(−π<θ0<π)の値に変換する手段としての第1の±π化回路43と、「0」の値を表す信号としてのゼロデータを出力する手段としてのゼロデータ回路44と、入力された同相成分と直交成分とを有する複素キャリア信号の絶対値を演算して出力する手段としての絶対値回路45と、絶対値回路45が出力する絶対値が、予めキャリア信号が消失しているか否かを区別するレベルとして設定されているしきい値を超えているか否かを判断して、キャリア信号のレベルが十分なレベルになっているか否かを判断する手段としての第1のスレショルド回路46と、第1のスレショルド回路46が、キャリア信号が十分なレベルになっていると判断する場合には、第1の±π化回路43が出力する位相誤差信号θ0を積分手段72に出力し、そうでない場合には、ゼロデータ回路44が出力する「0」を表す信号を積分手段72に選択的に出力する手段としての第1のセレクタ回路47とから構成されている。
【0051】
また、積分手段72は、位相比較手段71が出力する信号に、引き込み時の直接項係数α1と、保持時の直接項係数α2と、引き込み時の積分項係数β1と、保持時の積分項係数β2とを各々乗算する手段としての第1〜第4の固定値乗算回路48a〜48dと、位相比較手段71の第1の±π化回路43が出力する位相誤差信号θ0が、予め引き込みが完了して、保持の動作を行うべき誤差として設定されているしきい値を超えているか否かを判定し、引き込みを完了したか否かを判断する手段としての第2のスレショルド回路49と、第2のスレショルド回路49が引き込みを完了したと判断した時には、保持時の直接項係数α2を乗算する第2の固定値乗算回路48bが出力する信号を選択的に出力し、そうでない時には、引き込み時の直接項係数α1を乗算する第1の固定値乗算回路48aが出力する信号を選択的に出力する手段としての第2のセレクタ回路50aと、第2のスレショルド回路49が引き込みを完了したと判断した時には、保持時の積分項係数β2を乗算する第4の固定値乗算回路48dが出力する信号を選択的に出力し、そうでない時には、引き込み時の積分項係数β1を乗算する第3の固定値乗算回路48cが出力する信号を選択的に出力する手段としての第3のセレクタ回路50bと、当該第3のセレクタ回路50bが出力する信号を積分する手段としての第1の加算器51とクリップ回路52とラッチ回路53(請求項において、第1の加算器51とクリップ回路52とラッチ回路53とをまとめて、「積分回路」と称する)と、第2のセレクタ回路50aが出力する信号とラッチ回路53が出力する信号とを加算し、キャリア信号を再生するために必要な信号(NCO制御信号)として出力する手段としての第2の加算器54と、ラッチ回路53が出力する信号をアナログ信号に変換して、周波数誤差信号として出力するD/A変換回路55とから構成されている。
【0052】
さらに、NCO回路73は、積分手段72の第2の加算器54が出力する信号を−π〜πの範囲に維持しつつ積分を行い、キャリア信号の位相に相当する信号を出力する手段としての第3の加算器56と第2の±π化回路57と第2のラッチ回路58と、ラッチ回路58が出力する、キャリア信号の位相に相当する信号から、キャリア信号の同相成分を再生して出力するCOS回路59と、同様に、キャリア信号の位相に相当する信号から、キャリア信号の直交成分を再生して出力するSIN回路60とから構成されている。
【0053】
以下、各部を具体的に説明すると、位相比較手段71の逆正接回路41は、入力された同相成分と直交成分とを有する複素キャリア信号から、当該複素キャリア信号の逆正接を演算し、位相信号として出力するものである。
逆正接回路41は、例えば、複素キャリア信号の各成分に対応する逆正接の値を予め格納したROM(読み出し専用メモリ)を用いれば実現することができる。
【0054】
引算器42は、逆正接回路41が出力する位相信号とNCO回路73から入力される、再生したキャリア信号の位相を表す信号との差を演算して、位相誤差信号として出力するものである。
【0055】
第1の±π化回路43は、引算器42が出力する位相誤差信号θをθ=θ0+2πn(ここでnは整数)となるようなθ0(−π<θ0<π)に変換するものである。例えば正接の値は、−π〜πまでに対応する値を周期的に繰り返すものであるので、このような性質を利用したものである。
【0056】
ゼロデータ回路44は、θ0=0である場合に第1の±π化回路43が出力すべき値(ゼロデータ)を出力しているものである。
つまり、ゼロデータとは、位相誤差が「0」であることを表す位相誤差信号である。
【0057】
絶対値回路45は、入力されるキャリア信号の同相成分と直交成分との各成分の信号から、キャリア信号の振幅絶対値、すなわち当該キャリア信号に、その複素共役を乗算し、さらに平方根を求めた結果を表す信号を出力するものである。
【0058】
第1のスレショルド回路46は、絶対値回路45が演算した振幅絶対値が、予めキャリア信号が十分な振幅を有しているか否かを判定するために設定されているしきい値を超えているかを判断し、判断の結果を表す信号を出力するものである。
【0059】
第1のセレクタ回路47は、第1のスレショルド回路46から入力される信号に従って、キャリア信号が十分な振幅を有していると判断された場合には、第1の±π化回路43が出力する信号を選択的に、積分手段72に出力し、そうでなければ、ゼロデータ回路44が出力する信号を選択的に、積分手段72に出力するものである。
【0060】
つまり、位相比較手段71は、入力される複素キャリア信号の同相成分と直交成分とを逆正接回路41と絶対値回路45とに分配して入力し、逆正接回路41が位相信号を生成して出力し、絶対値回路45が複素キャリア信号の振幅絶対値を表す信号を出力し、引算器42が逆正接回路41が出力する位相信号と、NCO回路73が出力する再生したキャリア信号の位相信号との差を位相誤差信号として演算し、第1の±π化回路43が当該位相誤差信号(請求項において、「検出位相誤差信号」と称する)を−π〜πまでの値として出力する。
【0061】
一方、絶対値回路45が出力する振幅絶対値を表す信号に従って、第1のスレショルド回路46が、入力された複素キャリア信号の振幅が十分であるか否かを判断し、十分であると判断した場合には、第1のセレクタ回路47が、第1の±π化回路43から入力される位相誤差信号を選択的に出力し、第1のスレショルド回路46が、入力された複素キャリア信号の振幅が十分でないと判断した場合には、第1のセレクタ回路47が、ゼロデータ回路44が出力している、ゼロデータ(位相誤差が「0」であるとする位相誤差信号)を出力するようになる。
【0062】
入力される複素キャリア信号の振幅絶対値が極端に小さくなると、かかる複素キャリア信号から得られる位相信号の精度が悪くなって、再生される複素キャリア信号の精度が悪化することが考えられ、また、過変調などで、ある程度の時間、入力される複素キャリア信号が消失した場合に、正常な複素キャリア信号が持続的に再生できなくなることが考えられるが、このような位相比較手段71によれば、入力される複素キャリア信号の振幅絶対値が、予め設定された値より小さくなると、位相誤差信号を強制的にゼロとして、デジタルPLL回路の状態を保持し、NCOを持続発振させることができる効果がある。
【0063】
また、積分手段72の各部について説明すると、第1〜第4の固定値乗算回路48a〜48dは、それぞれ、位相比較手段71のセレクタ回路47が出力する位相誤差に、引き込み時の直接項係数α1と、保持時の直接項係数α2と、引き込み時の積分項係数β1と、保持時の積分項係数β2とを乗算するものである。
【0064】
これにより、γi=αxi+βΣxiのような数式(ここでxは、セレクタ回路47が出力する信号)を演算して、周波数誤差信号(βΣxiの部分)と再生キャリア信号を生成するために必要なNCO制御信号γとを得るようになっている。尚、Σはiについての加算である。
【0065】
第2のスレショルド回路49は、予め位相比較手段71の第1の±π化回路43が出力する位相誤差信号に基づいて、引き込みの動作を完了したか否かを判断するために設定されているしきい値と、第1の±π化回路43が出力する位相誤差信号とを比較し、第1の±π化回路43が出力する位相誤差信号がしきい値を超えている時には、引き込みの動作を完了していないと判断して、引き込みの動作を完了していないことを表す信号を第2のセレクタ回路50aと、第3のセレクタ回路50bとに出力するものである。
また、第2のスレショルド回路49は、第1の±π化回路43が出力する位相誤差信号がしきい値を超えていない時には、引き込みの動作を完了したと判断して、引き込みの動作を完了したことを表す信号を第2のセレクタ回路50aと、第3のセレクタ回路50bとに出力するものである。
【0066】
ここで、第2のスレショルド回路49は、持続的に電気的な振動を出力してしまう、いわゆるハンチングを防止するため、入力信号の絶対値を一定期間平均して得られた値で比較・判定するのが好適である。
【0067】
第2のセレクタ回路50aは、第2のスレショルド回路49から引き込みの動作を完了したことを表す信号の入力を受けて、第2の固定値乗算回路48bが出力する信号を選択的に第2の加算器54に出力するものである。
また、第2のセレクタ回路50aは、第2のスレショルド回路49から引き込みの動作を完了していないことを表す信号の入力を受けて、第1の固定値乗算回路48aが出力する信号を選択的に第2の加算器54に出力するものである。
【0068】
第3のセレクタ回路50bは、第2のスレショルド回路49から引き込みの動作を完了したことを表す信号の入力を受けて、第4の固定値乗算回路48dが出力する信号を選択的に第1の加算器51に出力するものである。
また、第3のセレクタ回路50bは、第2のスレショルド回路49から引き込みの動作を完了していないことを表す信号の入力を受けて、第3の固定値乗算回路48cが出力する信号を選択的に第1の加算器51に出力するものである。
【0069】
第1の加算器51は、第3のセレクタ50bから入力される信号と、ラッチ回路53から帰還して入力される信号とを加算して、クリップ回路52に出力するものである。
クリップ回路52は、第1の加算器51から入力される信号が第1のラッチ回路53が保持できるとする大きさを超えてしまわないように、いわゆるオーバーフロー処理、及びアンダーフロー処置を行うものである。
【0070】
第1のラッチ回路53は、クリップ回路52から入力される信号を一時的に記憶(ラッチ)して、第1の加算器51に帰還して出力するとともに、第2の加算器54に出力し、さらに、D/A変換回路55にも出力するものである。
従って、第1の加算器51とクリップ回路52と第1のラッチ回路53とは、全体として巡回的に加算を行って、積分を実行するものである。
【0071】
第2の加算器54は、第2のセレクタ回路50aから入力された信号とラッチ回路53から入力された信号とを加算して、NCO回路73に出力するものである。
また、デジタルPLL回路が十分に同期している状態(引き込みを完了した状態)では、第1のラッチ回路53が保持し、出力する値は、デジタルPLL回路に入力された複素キャリア信号の基となるIF信号の周波数誤差に比例している。
そこで、D/A変換回路55は、当該第1のラッチ回路53が出力する信号をアナログ信号に変換して、周波数誤差信号として出力するものである。
【0072】
つまり、積分手段72は、位相比較手段71の第1のセレクタ回路47が出力する位相誤差信号に、第1〜第4の固定値乗算回路48a〜48dによって、それぞれ引き込み時の直接項係数α1と、保持時の直接項係数α2と、引き込み時の積分項係数β1と、保持時の積分項係数β2とを乗算し、第1の±π化回路43から入力される位相誤差信号に基づいて、第2のスレショルド回路49が引き込みの動作を完了したか否かを判断し、引き込みの動作を完了したと判断すると、第2のセレクタ回路50aと第3のセレクタ回路50bとが、それぞれ第2の固定値乗算回路48bと、第4の固定値乗算回路48dとが出力する信号をそれぞれ選択的に第2の加算器54と、第1の加算器51とに出力し、第2のスレショルド回路49が引き込みの動作を完了していないと判断した時には、第2のセレクタ回路50aと第3のセレクタ回路50bとが、それぞれ第1の固定値乗算回路48aと、第3の固定値乗算回路48cとが出力する信号をそれぞれ選択的に第2の加算器54と、第1の加算器51とに出力するようになる。
【0073】
一方、第1の加算器51とクリップ回路52と第1のラッチ回路53とが、第3のセレクタ回路50bから入力される信号を積分して出力し、第2の加算器54が第2のセレクタ回路50aから入力される信号と当該積分の結果とを加算して、NCO回路73に出力するとともに、D/A変換回路55が、当該第1のラッチ回路53から入力される信号をアナログ信号に変換し、周波数誤差信号として出力するようになる。
【0074】
このような積分手段72によれば、RF信号をIF信号に周波数変換する際に使用する局発信号の周波数を制御する信号としてD/A変換回路55が出力する信号を使用することで、IF信号の映像キャリア周波数をサンプリング周波数の整数分の1に正確に同期させることができ、量子化に伴う高調波成分の折り返しを映像キャリア周波数に一致させて、フリッカやビートの発生を防止できる効果がある。
【0075】
第3の加算器56は、第2の加算器54が出力する信号と、第2のラッチ回路58が出力する信号とを加算して出力するものである。
第2の±π化回路57は、第3の加算器56が出力する信号φを、φ=φ0+2πn(ここで、nは整数)となるようなφ0(−π<φ0<π)に変換して出力するものである。
【0076】
第2のラッチ回路58は、第2の±π化回路57が出力する信号をラッチするとともに、第3の加算器56に帰還して出力し、かつ、位相比較手段71の引算器42にも出力するものである。
さらに、第2のラッチ回路58は、当該ラッチした信号を位相値として、COS回路59と、SIN回路60とに出力するものである。
【0077】
COS回路59は、第2のラッチ回路58から入力される位相値の余弦に相当する信号を生成して、再生キャリア信号の同相成分として出力するものである。また、SIN回路60は、第2のラッチ回路58から入力される位相値の正弦に相当する信号を生成して、再生キャリア信号の直交成分として出力するものである。
尚、COS回路59と、SIN回路60とは、逆正接回路41と同様に、ROM等により実現できるものである。
【0078】
つまり、NCO回路73は、積分手段72の第2の加算器54が出力する信号を第3の加算器56と第2の±π化回路58と第2のラッチ回路58とによって積分し、位相比較手段71が出力する位相誤差信号がゼロに収束するようにフィードバック動作する。
また、当該積分の結果を基にしてCOS回路59とSIN回路60とが再生キャリア信号の同相成分と直交成分とを各々出力するようになっている。
【0079】
このようなNCO73のフィードバック動作により、再生キャリア信号を安定して生成できるようになる効果がある。
【0080】
全体として、図2に示したようなデジタルPLL回路によれば、再生するキャリア信号の精度を高めることができ、入力されるキャリア信号の振幅が低下していたり、消滅してしまっても、再生キャリア信号を持続的に出力できる効果がある。
従って、図1に示す、このようなデジタルPLL回路を有するキャリア同期回路20によれば、精度の高い再生キャリア信号を持続的に出力できる効果がある。
【0081】
次に、図1に示した、デジタル直交復調回路の動作について説明する。
アンテナから入力された、混信波を含む受信信号は、適当なレベルに増幅され、RF信号として乗算器11に入力される。
すると、乗算器11がキャリア同期回路20のVCO29から入力される局発信号と当該RF信号とを乗算して出力し、BPF回路12が乗算器11における周波数変換に伴って生じるイメージ成分と不要な帯域の成分とを除去して、IF信号として出力する。
【0082】
ここで、例えばIF信号のサンプリング周波数を28.63636MHz(NTSC信号の色副搬送波周波数の8倍)とすると、映像キャリア周波数がサンプリング周波数の1/4の周波数である7.15809MHz(NTSC信号の色副搬送波周波数の2倍)のIF信号を得るようにする。
【0083】
そして、A/D変換回路13が、例えば28.63636MHzのクロック周波数で、アナログ信号としてのIF信号をデジタルIF信号に変換し、ステップナイキストフィルタ回路4が、NTSC変調波の両側波帯信号に相当する映像キャリア周波数±1.25MHzの周波数領域の信号成分をSSB領域の信号成分に比べて6dB低下させる。
【0084】
そして、準同期検波回路15が、ステップナイキストフィルタ回路14から入力された信号をCOS信号と、−SIN信号とを局発信号として直交復調し、複素ベースバンド信号を生成して、その同相成分と直交成分とにわけてそれぞれ出力する。
そして、複素ベースバンド信号の各成分は、それぞれ対応する第1のLPF回路16により直交復調に伴って発生したイメージ成分が除去され、対応する第1のダウンサンプル回路17により、サンプリング周波数を例えば、14.31818MHz(NTSC信号の色副搬送波周波数の4倍)に変換して落とされ、さらに対応する遅延回路18により、キャリア同期回路20で再生キャリア信号を生成するのに生じる遅延分だけ遅延させられて、位相回転回路19に出力される。
【0085】
一方、ダウンサンプル回路17が出力した信号の各成分はそれぞれ、対応する第2のLPF回路21によって、映像キャリア周波数近傍の成分のみを取り出されると共に、次のダウンサンプル処理で折り返し歪みが生じないように帯域制限され、複素リミッタ回路23によって、一定振幅の複索ベースバンド信号に変換される。
【0086】
そして、一定振幅に変換された複素ベースバンド信号の各成分の信号は、さらにそれぞれ対応する第3のLPF回路24によって映像キャリア成分以外の成分を除去され、キャリア信号として出力される。
そして、当該キャリア信号は、デジタルPLL回路25の働きによって、持続的な安定した再生キャリア信号として出力され、当該再生キャリア信号の同相成分と直交成分との各成分の信号は、それぞれ対応するアップサンプル回路26により、「0」の信号を内挿されて、例えば、4倍の14.31818MHzのサンプリング周波数に変換されて出力され、さらに、対応する第4のLPF回路27によって、補間されて、再生キャリア信号として位相回転回路19に出力される。
【0087】
そして、位相回転回路19が、遅延回路18が出力する複素ベースバンド信号の同相成分と直交成分との各成分の周波数位相誤差を当該再生キャリア信号の同相成分と直交成分との各成分の信号を用いて補正し、完全同期検波信号された複素ベースバンド信号の同相成分と直交成分とを出力するようになる。
【0088】
一方、デジタルPLL回路25が出力する周波数誤差信号(IF信号の映像キャリア周波数と、7.15809MHz(NTSC信号の色副搬送波周波数の2倍)との差の周波数に関する情報)をループフィルタ回路28により、高周波を除去した後、VCO29に制御の信号として出力し、VCO29が出力する局発信号を調整して、IF信号の周波数が正確に7.15809MHz(NTSC信号の色副搬送波周波数の2倍)になるようにする。
【0089】
本発明の実施の形態に係るデジタル直交復調回路によれば、RF信号に混信波等が混入し、RF信号から抽出されるキャリア信号が劣化し、又は消失しても、デジタルPLL回路25及び、それを用いたキャリア同期回路20の働きにより、持続的に高精度かつ安定した再生キャリア信号を得て、準同期検波した信号の周波数位相誤差を補正することができ、安定した完全同期検波信号を出力できる効果がある。
【0090】
さらに、図1に破線で示したように、本発明の実施の形態に係るデジタル直交復調回路の後段に、当該デジタル直交復調回路が出力する完全同期検波信号の同相成分と直交成分との各成分の信号を複素FFT処理し、混信波の周波数とレベルとを検出し、ヒルベルト変換/アダプティブフィルタ回路等によって、混信波成分を適応的にキャンセルするキャンセル回路を設ければ、混信波除去装置とすることもできる。
このような混信波除去装置によれば、精度の高い再生キャリア信号に基づいて生成された完全同期検波信号に基づいて混信波を検出して除去するので、混信波を的確に除去できるとともに画質劣化の少ない出力映像信号を得ることができる効果がある。
【0091】
尚、上記本発明の実施の形態に係るデジタル直交復調回路では、キャリア信号として、同相成分と直交成分とを有する複素キャリア信号の場合について説明したが、通常の実数キャリア信号の場合についても同様にすることができる。
【0092】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、抽出したキャリア信号の位相にロックしてキャリア信号を持続的に再生し、準同期検波して得られた複素ベースバンド信号の周波数位相誤差を補正するためのキャリア信号として出力するキャリア同期回路としているので、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成できる効果がある。
【0093】
請求項2記載の発明によれば、入力された複素ベースバンド信号を、予め帯域制限してからダウンサンプリングし、複素リミッタ回路により、その振幅を一定にし、さらに狭帯域ローパスフィルタ回路がキャリア信号を抽出して出力し、デジタルPLL回路が当該キャリア信号の入力を受けて、当該キャリア信号の位相にロックし、当該ロックした位相で、持続的にキャリア信号を再生して出力し、アップサンプル回路が、デジタルPLL回路から出力される再生されたキャリア信号に予め設定された信号を内挿してアップサンプリングし、さらにLPFによって補間して出力するキャリア同期回路としているので、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成できる効果がある。
【0094】
請求項3記載の発明によれば、デジタルPLL回路が、IF信号のキャリア信号の周波数の誤差を表す周波数誤差信号を出力し、ループフィルタ回路が当該周波数誤差信号の高周波成分を除去し、当該ループフィルタ回路から出力される信号に従って、電圧制御発振器がIF信号を生成するための局部発振信号を出力する請求項1又は2記載のキャリア同期回路としているので、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成できる効果があり、かつ、IF信号の周波数を安定にできる効果がある。
【0095】
請求項4〜7記載の発明によれば、デジタルPLL回路の位相比較手段が、入力されるキャリア信号と再生したキャリア信号との位相差を位相誤差信号として生成し、入力されたキャリア信号の強度が十分でない場合には、位相誤差信号を、強制的に位相誤差がないことを表す信号として出力し、積分手段が、当該位相誤差信号に基づいて、発振手段を制御する信号を出力し、発振手段が、当該信号に従って、キャリア信号を再生して出力するとともに、当該再生したキャリア信号の位相を位相比較手段に帰還して出力する請求項1又は請求項2又は請求項3記載のキャリア同期回路としているので、安定して精度の高い再生キャリア信号を生成できる効果がある。
【0096】
請求項8記載の発明によれば、積分手段のD/A変換回路が、内部で発生する信号を周波数誤差信号として出力する請求項7記載のキャリア同期回路としているので、当該周波数誤差信号を基に、IF信号を生成する発振器を制御すれば、IF信号の周波数を安定にできる効果がある。
【0097】
請求項9記載の発明によれば、ループフィルタ回路が、デジタルPLL回路から出力される周波数誤差信号の高周波成分を除去し、電圧制御発振器がループフィルタ回路から出力される信号に基づいて、IF信号を生成するための局部発振信号を生成して出力する請求項3又は請求項8記載のキャリア同期回路としているので、IF信号の周波数を安定にできる効果がある。
【0098】
請求項10記載の発明によれば、乗算器が、局部発振信号とTVチューナ等から入力されるRF信号とを乗算して周波数変換を行い、バンドパスフィルタ回路が、イメージ信号等不要成分を除去して、アナログのIF信号として出力し、A/D変換回路が、当該信号をデジタルのIF信号に変換して出力し、ステップナイキストフィルタ回路が、当該デジタルのIF信号のNTSC変調波における両側波帯領域の信号成分を減衰させてから、準同期検波回路が、当該信号を準同期検波して複素ベースバンド信号を出力し、第1のローパスフィルタ回路が、複素ベースバンド信号から準同期検波に伴って発生したイメージ成分を除去し、第1のダウンサンプル回路が、当該信号のサンプリング周波数を変換し、遅延回路が第1のダウンサンプル回路が出力する信号を一定の時間遅延して出力する一方、請求項1乃至請求項9記載のキャリア同期回路が複素ベースバンド信号からキャリア信号の再生を行い、再生したキャリア信号を出力し、位相回転回路が、キャリア同期回路から出力される再生キャリア信号に基づいて、遅延回路から出力される信号の周波数位相誤差を補正し、完全同期検波した信号を出力する直交復調回路としているので、請求項1乃至請求項9記載のキャリア同期回路が出力する持続的で安定したキャリア信号に基づいて、IF信号の復調を行うことができ、安定した複素ベースバンド信号を出力できる効果がある。
【0099】
請求項11記載の発明によれば、請求項10記載の直交復調回路が出力する信号に基づいて、混信波を検出して除去する混信波除去装置としているので、安定した複素ベースバンド信号に基づいて混信波を除去でき、混信波を的確に除去できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る直交復調回路の構成ブロック図である。
【図2】デジタルPLL回路25の一例を表す構成ブロック図である。
【図3】従来の直交復調回路の一例を表す構成ブロック図である。
【符号の説明】
1…IF信号変換手段、 2…A/D変換手段、 3…局発信号生成手段、 4…準同期検波手段、 5…複素キャリア信号抽出手段、 6…補正手段、 11…乗算器、 12…BPF回路、 13…A/D変換回路、 14…ステップナイキストフィルタ回路、 15…準同期検波回路、 16…第1のLPF回路、 17…第1のダウンサンプル回路、 18…遅延回路、 19…位相回転回路、 20…キャリア同期回路、 21…第2のLPF回路、 22…第2のダウンサンプル回路、 23…複素リミッタ回路、 24…第3のLPF回路、 25…デジタルPLL回路、 26…アップサンプル回路、 27…第4のLPF回路、 28…ループフィルタ回路、 29…VCO回路、 41…逆正接回路、 42…引算器、 43…第1の±π化回路、 44…ゼロデータ回路、 45…絶対値回路、 46…第1のスレショルド回路、 47…第1のセレクタ回路、 48…固定値乗算回路、 49…第2のスレショルド回路、 50a…第2のセレクタ回路、 50b…第3のセレクタ回路、 51…第1の加算器、52…クリップ回路、 53…第1のラッチ回路、 54…第2の加算器、 55…D/A変換回路、 56…第3の加算器、 57…第2の±π化回路、 58…第2のラッチ回路、 59…COS回路、 60…SIN回路、 71…位相比較手段、 72…積分手段、 73…NCO回路
Claims (11)
- 複素ベースバンド信号の入力を受けて、当該複素ベースバンド信号の振幅を一定にする複素リミッタ回路と、前記複素リミッタ回路が出力する複素ベースバンド信号からキャリア信号を抽出する狭帯域ローパスフィルタ回路と、前記狭帯域ローパスフィルタ回路から出力されるキャリア信号の位相にロックし、当該ロックした位相で、持続的にキャリア信号を再生し、準同期検波して得られた複素ベースバンド信号の周波数位相誤差を補正するためのキャリア信号として出力するデジタルPLL回路とを有することを特徴とするキャリア同期回路。
- 複素ベースバンド信号の入力を受けて、帯域制限を行う第2のLPF回路と、前記帯域制限された複素ベースバンド信号のサンプリング周波数をNTSC信号の色副搬送波周波数に変換する第2のダウンサンプル回路と、前記第2のダウンサンプル回路から出力される信号の振幅が一定になるように制御する複素リミッタ回路と、前記複素リミッタ回路が出力する信号の映像キャリア成分をキャリア信号として抽出する狭帯域ローパスフィルタ回路と、前記狭帯域ローパスフィルタ回路が出力するキャリア信号の位相にロックし、当該ロックした位相で、持続的にキャリア信号を再生して出力するデジタルPLL回路と、前記デジタルPLL回路から入力されるキャリア信号に、予め設定された信号を内挿して、サンプリング周波数を高めるアップサンプル回路と、前記内挿によりサンプリング周波数が高められたキャリア信号を補間し、再生キャリア信号として出力する第4のLPF回路とを有することを特徴とするキャリア同期回路。
- デジタルPLL回路が、中間周波信号の映像キャリア周波数と、NTSC信号の色副搬送波周波数の2倍の周波数との差をあらわす周波数誤差信号を出力するデジタルPLL回路であり、前記デジタルPLL回路が出力する周波数誤差信号から高周波成分を除去するループフィルタ回路と、前記ループフィルタ回路が出力する信号に基づいて、中間周波信号の生成に用いる局部発振信号を出力する電圧制御発振器とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のキャリア同期回路。
- デジタルPLL回路は、位相比較手段と、積分手段と、発振手段とを具備し、前記位相比較手段が、入力される複素キャリア信号の位相と、再生した複素キャリア信号の位相との位相差を位相誤差信号として出力するとともに、入力される複素キャリア信号の振幅が予め定めた一定の値より小さくなったときに、前記位相誤差信号を強制的に位相差がないことを表すゼロデータとして出力する位相比較手段であり、前記積分手段が、前記位相誤差信号から前記発振手段を制御する信号を生成して出力する積分手段であり、前記発振手段が、前記積分手段が出力する信号に基づいて複素キャリア信号の位相を生成し、当該位相から複素キャリア信号を再生して出力するとともに、当該再生した複素キャリア信号の位相を前記位相比較手段に帰還して出力する発振手段であるデジタルPLL回路であることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のキャリア同期回路。
- 位相比較手段は、入力された複素キャリア信号の位相としての逆正接を演算する逆正接回路と、前記発振手段が再生した複素キャリア信号の位相と、当該演算した逆正接との差を位相誤差信号として演算する引算器と、前記位相誤差信号を−π〜πまでの値に変換する第1の±π化回路と、位相差がないことを表す信号としてのゼロデータを出力するゼロデータ回路と、入力された複素キャリア信号の絶対値を演算して出力する絶対値回路と、前記絶対値回路が出力する絶対値が、予めキャリア信号が消失しているか否かを区別するレベルとして設定されているしきい値を超えているか否かにより、入力された複素キャリア信号のレベルが十分なレベルになっているか否かを判断する第1のスレショルド回路と、前記第1のスレショルド回路が、キャリア信号が十分なレベルになっていると判断する場合には、前記第1の±π化回路が出力する位相誤差信号を出力し、前記第1のスレショルド回路が、キャリア信号が十分なレベルになっていないと判断する場合には、前記ゼロデータ回路が出力する信号を出力する第1のセレクタ回路とを有する位相比較手段であることを特徴とする請求項4記載のキャリア同期回路。
- 発振手段が、第3の加算器と、第2の±π化回路と、第2のラッチ回路と、COS回路と、SIN回路とを具備する数値制御発振器回路であって、前記第3の加算器が、積分手段から入力される制御信号と前記第2のラッチ回路が出力する信号とを加算して出力する第3の加算器であり、前記第2の±π化回路が、前記第3の加算器が出力する信号を−π〜πまでの値に変換する第2の±π化回路であり、前記第2のラッチ回路が、前記第2の±π化回路が出力する信号をラッチして出力する第2のラッチ回路であり、前記COS回路が、前記第2のラッチ回路が出力する信号の余弦を出力するCOS回路であり、前記SIN回路が、前記第2のラッチ回路が出力する信号の正弦を出力するSIN回路であることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のキャリア同期回路。
- 積分手段は、前記位相比較手段が出力する信号に、引き込み時の直接項係数と、保持時の直接項係数と、引き込み時の積分項係数と、保持時の積分項係数とを各々乗算する第1〜第4の固定値乗算回路と、前記位相比較手段が出力する検出位相誤差信号が、引き込みが完了して、保持の動作を行うべき誤差として予め設定されているしきい値を超えているか否かにより、引き込みを完了したか否かを判断する第2のスレショルド回路と、前記第2のスレショルド回路が引き込みを完了したと判断した時には、前記第2の固定値乗算回路が出力する信号を出力し、前記第2のスレショルド回路が引き込みを完了していないと判断した時には、前記第1の固定値乗算回路が出力する信号を出力する第2のセレクタ回路と、前記第2のスレショルド回路が引き込みを完了したと判断した時には、前記第4の固定値乗算回路が出力する信号を出力し、前記第2のスレショルド回路が引き込みを完了していないと判断した時には、前記第3の固定値乗算回路が出力する信号を出力する第3のセレクタ回路と、前記第3のセレクタ回路が出力する信号を積分する積分回路と、前記第2のセレクタ回路が出力する信号と前記積分回路により積分された信号とを加算し、制御信号として出力する第2の加算器とを有する積分手段であることを特徴とする請求項4又は請求項5又は請求項6記載のキャリア同期回路。
- 積分手段が、積分回路が出力する信号をアナログ信号に変換し、周波数誤差信号として出力するD/A変換回路とを有する積分手段であることを特徴とする請求項7記載のキャリア同期回路。
- デジタルPLL回路から出力される周波数誤差信号の高周波成分を除去するループフィルタ回路と、前記ループフィルタ回路から出力される信号に基づいて、IF信号を生成するための局部発振信号を生成して出力する電圧制御発振器とを有することを特徴とする請求項3又は請求項8記載のキャリア同期回路。
- 局部発振信号とTVチューナ等から入力されるRF信号とを乗算して周波数変換を行う乗算器と、前記乗算器における周波数変換で生じたイメージ信号等不要成分を除去して、アナログのIF信号として出力するバンドパスフィルタ回路と、前記バンドパスフィルタ回路が出力するアナログのIF信号をデジタルのIF信号に変換するA/D変換回路と、前記A/D変換回路が出力する信号のNTSC変調波の両側波帯領域の信号成分を減衰させるステップナイキストフィルタ回路と、前記ステップナイキストフィルタ回路が出力する信号を準同期検波し、複素ベースバンド信号を出力する準同期検波回路と、前記複素ベースバンド信号から準同期検波に伴って発生したイメージ成分を除去する第1のローパスフィルタ回路と、前記第1のローパスフィルタ回路が出力するサンプリング周波数を変換する第1のダウンサンプル回路と、前記第1のダウンサンプル回路が出力する信号を一定の時間遅延する遅延回路と、前記複素ベースバンド信号からキャリア信号の再生を行い、再生したキャリア信号を出力する請求項1乃至請求項9記載のキャリア同期回路と、前記キャリア同期回路から出力される再生キャリア信号に基づいて、前記遅延回路から出力される信号の周波数位相誤差を補正し、完全同期検波した信号を出力する位相回転回路とを有することを特徴とする直交復調回路。
- 請求項10記載の直交復調回路が出力する信号に基づいて、混信波を検出して除去することを特徴とする混信波除去装置。
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