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JP3579715B2 - 粘弾塑性部材を用いた消波装置 - Google Patents
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JP3579715B2 - 粘弾塑性部材を用いた消波装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水表面の波を低減させる消波装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、港湾や海岸には、入射する波を低減させて湾内を静穏に保持する目的などのために、防波堤や離岸堤などの施設(以下、「消波施設」という。)が設けられている。これらの消波施設の多くは、コンクリート製のケーソン(函塊)や消波ブロックなどの大規模で剛な構造物により構成され、入射する波を反射させたり、減衰させて消波を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の消波施設は、大規模かつ剛な構造物であり、海上に大きく突出することが多く、船舶の航行の障害となる場合がある。また、これら大規模かつ剛な構造物は、海岸等の景観を損なう場合もある。また、これらの構造物は、海水等の水の流れを阻害する場合が多く、水の循環をさまたげ、海岸等の環境を悪化させる要因になる場合もある。
【0004】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、船舶航行、景観、環境等に対して問題の少ない消波施設を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の粘弾塑性部材を用いた消波装置は、水底(2A又は2B又は2C若しくは2D)付近に設けられ内部に収容空間を有する収容手段(3A又は3B又は3C若しくは3D)の前記収容空間内に、ゴムタイヤを切断して形成したタイヤ切断片(4A2)を粘弾塑性部材として複数個収容し、水表面の波(W1又はW2)による水の運動により前記複数の粘弾塑性部材を変形させ、前記複数の粘弾塑性部材のせん断弾性係数Gを0.1〜10メガニュートン/m 2 の範囲の値に設定し、前記複数の粘弾塑性部材の設置長さB L を前記波(W1又はW2)の波長の1.0〜2.0倍程度の値とし、かつ前記複数の粘弾塑性部材の設置高さh s を前記複数の粘弾塑性部材の上の水深dとほぼ同じ程度の値に設定することにより、前記変形する前記粘弾塑性部材の内部で前記波(W1又はW2)のエネルギーを熱エネルギーとして消費させ前記波(W1又はW2)の波高伝達率K T を0.3程度の最小値にさせることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の粘弾塑性部材を用いた消波装置は、水底(2A又は2B又は2C若しくは2D)付近に設けられ内部に収容空間を有する収容手段(3A又は3B又は3C若しくは3D)の前記収容空間内に、ゴム系材料から金型により成型して形成した成型ゴム(4A3)を粘弾塑性部材として複数個収容し、水表面の波(W1又はW2)による水の運動により前記複数の粘弾塑性部材を変形させ、前記複数の粘弾塑性部材のせん断弾性係数Gを0.1〜10メガニュートン/m 2 の範囲の値に設定し、前記複数の粘弾塑性部材の設置長さB L を前記波(W1又はW2)の波長の1.0〜2.0倍程度の値とし、かつ前記複数の粘弾塑性部材の設置高さh s を前記複数の粘弾塑性部材の上の水深dとほぼ同じ程度の値に設定することにより、前記変形する前記粘弾塑性部材の内部で前記波(W1又はW2)のエネルギーを熱エネルギーとして消費させ前記波(W1又はW2)の波高伝達率K T を0.3程度の最小値にさせることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0008】
図1は、本発明の第1実施形態である消波装置の構成を示したものである。図1に示すように、この消波装置1Aは、収容構造体3Aと、複数個のゴム部材4Aを備えて構成されている。符号11は海上の船舶を示している。
【0009】
収容構造体3Aは、海底2Aに構築されており、鉄筋コンクリート構造等からなる上部が開口した箱状の構造体であり、内部に収容空間を有している。収容構造体3Aの上端縁は海底2Aとほぼ同じ高さ位置となっており、収容空間は海底2Aに対する凹部となっている。
【0010】
ゴム部材4Aは、ゴム系材料からなる部材である。ゴム部材4Aは、多数個が収容空間の内部に配置されている。
【0011】
ゴム系材料としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、ポリイソブチレンゴム、ハロゲン化ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPM及びEPDM)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM及びANM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ヒドリンゴム(CO及びECO)、ウレタンゴム(U)、ポリノルボルネンゴム、エチレンアクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、ポリフォスファゼンゴム等が使用可能である。
【0012】
上記のように、海底2A付近に設けられ内部に収容空間を有する収容構造体3Aの収容空間内に、ゴム系材料からなるゴム部材4Aを複数個収容すると、海の表面の波W1の運動が、海水によりゴム部材4Aに伝達される。これにより、複数のゴム部材4Aが、図1に矢印で示す方向(略鉛直方向、又は略水平方向)に変形する。このゴム部材4Aの変形時に、波W1のエネルギーは、ゴム部材4Aの内部で熱エネルギーとして消費される。これにより、波W1の運動エネルギーは徐々に減少し、波の入射位置P1から出射位置P2に至る間に波W1の波高は低減され、結果として消波が行われる。
【0013】
図2は、図1に示す消波装置の消波機能を説明する第1の図である。図2(A)に示すように、波による1周期分の力Fがゴム部材4Aに作用すると、変形(ひずみ)が生じる。特に、せん断応力により、図2(A)においてεで示すようなせん断ひずみが発生する。
【0014】
ゴム部材4Aの材料であるゴム系材料は、完全な弾性体ではないため、せん断応力τとせん断ひずみεは、比例関係(線形)ではなく、塑性変形も生じるため、図2(B)に示すように、ループ状の変化(ヒステリシス)を生じる。図2(B)において斜線で示した領域は、エネルギーの消費を示しており、ゴム系材料では、与えられるエネルギーに対するエネルギー消費の割合(エネルギー消費率)が高いと考えられる。なお、図2(B)において、符号Gは、応力−ひずみ曲線の傾きを示し、せん断弾性係数と呼ばれる。
【0015】
図3は、図1に示す消波装置の消波機能を説明する第2の図である。図3(A)は、図1に示す消波装置におけるゴム部材の堅さと消波機能を説明する図であり、ゴム部材4Aの堅さ、例えば、せん断弾性係数Gを0.1〜10MN/m2(MN:メガニュートン=106N)の範囲の適切な値に設定すると、波の波高伝達率KTを、0.3程度の最小値にすることができることが示されている。
【0016】
ここに、波の波高伝達率KTとは、入射波高に対する伝達波高の比率(伝達波高/入射波高)を示している。入射波高とは、この消波装置1Aへ波W1が入射する位置P1における波高(波の山の最高点と谷の最低点の間の高さ、又は波の振幅値)を示しており、伝達波高とは、この消波装置1Aから波W1が出射する位置P2における波高(波の山の最高点と谷の最低点の間の高さ、又は波の振幅値)を示している。
【0017】
図3(B)は、波の波高伝達率KTに関係するパラメータを示した図である。波の波高伝達率KTは、図3(B)に示すゴム部材の設置長さBLが長いほど小さくなり、消波の効率は高くなる。また、波の波高伝達率KTは、図3(B)に示すゴム部材の設置高さhsが高いほど小さくなり、消波の効率は高くなる。また、波の波高伝達率KTは、図3(B)に示す水深h、又はゴム部材上の水深dが小さいほど小さくなり、消波の効率は高くなる。もちろん、ゴム部材4Aの堅さ(例えば、せん断弾性係数G)、波W1の周期、波高によっても波の波高伝達率KTは変化する。一般に、ゴム部材の設置長さBLが波W1の波長の1.0〜2.0倍程度で、ゴム部材の設置高さhsがゴム部材上の水深dとほぼ同じ程度の値である場合には、波の波高伝達率KTを0.3程度の値にすることができる。
【0018】
なお、上記した消波装置1Aにおいては、ゴム部材4Aと4Aの間の空隙を流動する水により、水とゴム部材との間の摩擦、あるいは空隙における渦の発生によっても波のエネルギーは消費されると考えられるが、本装置1Aの主たるエネルギー消費は、ゴム部材4Aにおける内部のエネルギー消費である。
【0019】
図4は、図1に示す消波装置に用いるゴム部材の構成例を示す図である。ゴム部材としては、図4(A)に示すように、リサイクル材としてのゴムタイヤ4A1を用いることができる。また、図4(B)に示すように、ゴム部材としては、ゴムタイヤを切断して形成したタイヤ切断片4A2を用いることができる。このタイヤ切断片4A2の場合には、切断片の長さ等の寸法を適宜設定することによりゴム部材の間の空隙率を調整することが可能である。また、図4(C)に示すように、ゴム部材としては、ゴム系材料から金型等により成型して形成した成型ゴム4A3を用いることもできる。この成型ゴム4A3の場合には、成型ゴムの各位置の寸法を適宜設定することによりゴム部材の間の空隙率を調整することが可能である。また、この成型ゴム4A3の場合には、材料となるゴム系材料の堅さ(例えば、せん断弾性係数G)を適宜設定することによりゴム部材の内部のエネルギー消費率を調整することが可能である。
【0020】
また、図5は、上記の消波装置1Aを設置する箇所の第1の例を示す図である。図5に示すように、既存の防波堤21、22の開口部23に設置し、消波を行うようにしてもよい。また、図6は、上記の消波装置1Aを設置する箇所の第2の例を示す図である。図6に示すように、既存の埠頭24の波除手段として設置し、消波を行うようにしてもよい。図6において、符号12、13は海上の船舶を示している。もちろん、通常の防波堤や離岸堤の代替施設として用いることも可能である。
【0021】
また、図7は、本発明の第2実施形態である消波装置の構成を示したものである。図7に示すように、この消波装置1Bは、収容構造体3Bと、複数個のゴム部材4Bを備えて構成されている。符号14は海上の船舶を示している。
【0022】
収容構造体3Bは、海底2Bに構築されており、鉄筋コンクリート構造等からなる上部が開口した箱状の構造体であり、内部に収容空間を有している。収容構造体3Bの上端縁は海底2Bよりも高い位置となっている。この第2実施形態の場合は、消波装置1Bが一種の潜堤を構成している。
【0023】
この第2実施形態1Bのように構成しても、第1実施形態1Aの場合と同様に、海の表面の波W2の運動が、海水によりゴム部材4Bに伝達される。これにより、複数のゴム部材4Bが変形し、このゴム部材4Bの変形時に、波W2のエネルギーは、ゴム部材4Bの内部で熱エネルギーとして消費される。これにより、波W2の運動エネルギーは徐々に減少し、結果として消波が行われる。
【0024】
また、図8は、本発明の第3実施形態である消波装置の構成を示したものである。図8に示すように、この消波装置1Cは、収容構造体3Cと、複数個のゴム部材4Cと、保護シート5を備えて構成されている。
【0025】
収容構造体3Cは、海底2Cに構築されており、鉄筋コンクリート構造等からなる上部が開口した箱状の構造体であり、内部に収容空間を有している。この第3実施形態の消波装置1Cの特徴は、収容構造体3Cの上部に保護シート5が設けられている点であり、他の構成は、上記した第1実施形態、又は第2実施形態の場合と同様である。
【0026】
保護シート5としては、可撓性を有する合成樹脂材料からなるシート部材などが使用可能である。
【0027】
この第3実施形態1Cのように構成しても、第1実施形態1Aの場合と同様に、海の表面の波の運動が、海水により伝達され、保護シート5を介してゴム部材4Cに伝達される。これにより、複数のゴム部材4Cが変形し、このゴム部材4Cの変形時に、波のエネルギーは、ゴム部材4Cの内部で熱エネルギーとして消費される。これにより、波の運動エネルギーは徐々に減少し、結果として消波が行われる。また、上記の効果に加え、保護シート5により、漂砂がゴム部材4Cの間の空隙に侵入してゴム部材4Cを砂中に埋没させることを防止することができる。
【0028】
また、図9は、本発明の第4実施形態である消波装置の構成を示したものである。図9に示すように、この消波装置1Dは、収容構造体3Dと、複数個のゴム部材4Dと、排砂ポンプ6と、排砂管7と、支持部材8を備えて構成されている。
【0029】
収容構造体3Dは、海底2Dに構築されており、鉄筋コンクリート構造等からなる上部が開口した箱状の構造体であり、内部に収容空間を有している。この第4実施形態の消波装置1Dの特徴は、収容構造体3Dの内部に支持部材8を設置して複数のゴム部材4Dを支持し、支持部材8には、砂が通過可能な開口を複数設けておき、支持部材8の下方に排砂ポンプ6を配置し、支持部材8から落下して溜まった砂を排砂管7を介して収容構造体3Dの外部へ排出するように構成した点であり、他の構成は、上記した第1実施形態、又は第2実施形態の場合と同様である。
【0030】
この第4実施形態1Dのように構成しても、第1実施形態1Aの場合と同様に、海の表面の波の運動が、海水によりゴム部材4Dに伝達される。これにより、複数のゴム部材4Dが変形し、このゴム部材4Dの変形時に、波のエネルギーは、ゴム部材4Dの内部で熱エネルギーとして消費される。これにより、波の運動エネルギーは徐々に減少し、結果として消波が行われる。また、上記の効果に加え、排砂ポンプ6と排砂管7と支持部材8により砂を適宜時期に外部へ排出し、漂砂がゴム部材4Dの間の空隙に侵入してゴム部材4Dを砂中に埋没させることを防止することができる。
【0031】
上記各実施形態において、収容構造体3A〜3Dは、収容手段に相当している。また、ゴム部材4A、ゴムタイヤ4A1、タイヤ切断片4A2、成型ゴム4A3、ゴム部材4B〜4Dは、粘弾塑性部材に相当している。
【0032】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0033】
例えば、上記各実施形態においては、海底に設置される消波装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、海底以外の他の箇所、例えば、湖、池、沼等の内水部の水底に配置された場合でも、水表面の波を減衰させることが可能である。
【0034】
また、上記各実施形態においては、収容空間内に配置する粘弾塑性部材として、ゴム系材料からなるゴム部材(4A〜4D)を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、一般に粘弾塑性材料からなる部材であればよい。
【0035】
粘弾塑性材料とは、粘塑性と弾性の両方を兼ね備えた性質を有する材料である。粘弾塑性材料は、外力を加えて変形(ひずみ)を生じさせたときに、観測時間の長い時間領域では粘塑性体としての性質(粘塑性)を示し、観測時間の短い時間領域では弾性体としての性質(弾性)を示す。ここに、粘性とは、任意の点における応力状態が変形(ひずみ)の時間的変化率に比例するニュートン流体等の性質をいい、粘性係数に比例する。また、弾性とは、フックの法則に従い、応力を受けた場合の変形(ひずみ)が応力に比例し、応力がなくなると変形(ひずみ)が元に戻る性質をいい、弾性係数(ヤング率)に比例する。また、塑性とは、応力を受けた場合の変形(ひずみ)が、応力がなくなっても元に戻らないような性質をいう。このような粘弾塑性材料としては、上記したゴム系材料のほか、熱可塑性エラストマー系材料が使用可能である。
【0036】
熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomer:TPE)系材料としては、例えば、スチレン系統TPE(TPS)、オレフィン系TPE(TPO)、塩ビ系TPE、ウレタン系TPE(TPU)、エステル系TPE(TPEE)、ポリアミド系TPE、1,2−ポリブタジエン系TPE等が使用可能である。
【0037】
また、上記各実施形態においては、収容手段として、鉄筋コンクリート構造等からなる上部が開口した箱状の構造体(例えば3A、3B等)を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、側部を鋼矢板等で形成するとともに側部の内部の海底を掘り下げて収容空間を形成するようにしたものでもよい。この場合には、掘り下げられた海底面が収容構造体の底面を兼ねることになるので、収容構造体は底部を有しない。要は、収容手段は、水底付近に設けられ内部に粘弾塑性部材を複数個収容可能な収容空間を有する構成のものであれば、どのような材質、構造のものであってもよいのである。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、水底(2A又は2B又は2C若しくは2D)付近に設けられ内部に収容空間を有する収容手段(3A又は3B又は3C若しくは3D)の収容空間内に、ゴムタイヤを切断して形成したタイヤ切断片(4A2)を粘弾塑性部材として複数個収容し、複数の粘弾塑性部材のせん断弾性係数Gを0.1〜10メガニュートン/m 2 の範囲の値に設定し、複数の粘弾塑性部材の設置長さB L を波(W1又はW2)の波長の1.0〜2.0倍程度の値とし、かつ複数の粘弾塑性部材の設置高さh s を複数の粘弾塑性部材の上の水深dとほぼ同じ程度の値に設定するようにしたので、水表面の波(W1又はW2)による水の運動により複数の粘弾塑性部材を変形させ、変形する粘弾塑性部材の内部で波(W1又はW2)のエネルギーを熱エネルギーとして消費させ、波(W1又はW2)の波高伝達率K T を0.3程度の最小値にさせることができる、という利点を有している。また、請求項2記載の発明によれば、水底(2A又は2B又は2C若しくは2D)付近に設けられ内部に収容空間を有する収容手段(3A又は3B又は3C若しくは3D)の収容空間内に、ゴム系材料から金型により成型して形成した成型ゴム(4A3)を粘弾塑性部材として複数個収容し、複数の粘弾塑性部材のせん断弾性係数Gを0.1〜10メガニュートン/m 2 の範囲の値に設定し、複数の粘弾塑性部材の設置長さB L を波(W1又はW2)の波長の1.0〜2.0倍程度の値とし、かつ複数の粘弾塑性部材の設置高さh s を複数の粘弾塑性部材の上の水深dとほぼ同じ程度の値に設定するようにしたので、水表面の波(W1又はW2)による水の運動により複数の粘弾塑性部材を変形させ、変形する粘弾塑性部材の内部で波(W1又はW2)のエネルギーを熱エネルギーとして消費させ、波(W1又はW2)の波高伝達率K T を0.3程度の最小値にさせることができる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である消波装置の構成を示す概念図である。
【図2】図1に示す消波装置の消波機能を説明する第1の図である。
【図3】図1に示す消波装置の消波機能を説明する第2の図である。
【図4】図1に示す消波装置に用いるゴム部材の構成例を示す図である。
【図5】図1に示す消波装置を設置する箇所の第1の例を示す図である。
【図6】図1に示す消波装置を設置する箇所の第2の例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態である消波装置の構成を示す概念図である。
【図8】本発明の第3実施形態である消波装置の構成を示す概念図である。
【図9】本発明の第4実施形態である消波装置の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1A〜1D 消波装置
2A〜2D 海底
3A〜3D 収容構造体(収容手段)
4A ゴム部材
4A2 タイヤ切断片
4A3 成型ゴム
4A1 ゴムタイヤ
4B〜4D ゴム部材(粘弾塑性部材)
5 保護シート
6 排砂ポンプ
7 排砂管
8 支持部材
11〜14 船舶
21、22 防波堤
23 開口部
24 埠頭
L ゴム部材の設置長さ
d ゴム部材上の水深
h 水深
s ゴム部材の設置高さ
P1 入射位置
P2 出射位置
W1、W2 波

Claims (2)

  1. 水底(2A又は2B又は2C若しくは2D)付近に設けられ内部に収容空間を有する収容手段(3A又は3B又は3C若しくは3D)の前記収容空間内に、ゴムタイヤを切断して形成したタイヤ切断片(4A2)を粘弾塑性部材として複数個収容し、水表面の波(W1又はW2)による水の運動により前記複数の粘弾塑性部材を変形させ、前記複数の粘弾塑性部材のせん断弾性係数Gを0.1〜10メガニュートン/m 2 の範囲の値に設定し、前記複数の粘弾塑性部材の設置長さB L を前記波(W1又はW2)の波長の1.0〜2.0倍程度の値とし、かつ前記複数の粘弾塑性部材の設置高さh s を前記複数の粘弾塑性部材の上の水深dとほぼ同じ程度の値に設定することにより、前記変形する前記粘弾塑性部材の内部で前記波(W1又はW2)のエネルギーを熱エネルギーとして消費させ前記波(W1又はW2)の波高伝達率K T を0.3程度の最小値にさせることを特徴とする粘弾塑性部材を用いた消波装置。
  2. 水底(2A又は2B又は2C若しくは2D)付近に設けられ内部に収容空間を有する収容手段(3A又は3B又は3C若しくは3D)の前記収容空間内に、ゴム系材料から金型により成型して形成した成型ゴム(4A3)を粘弾塑性部材として複数個収容し、水表面の波(W1又はW2)による水の運動により前記複数の粘弾塑性部材を変形させ、前記複数の粘弾塑性部材のせん断弾性係数Gを0.1〜10メガニュートン/m 2 の範囲の値に設定し、前記複数の粘弾塑性部材の設置長さB L を前記波(W1又はW2)の波長の1.0〜2.0倍程度の値とし、かつ前記複数の粘弾塑性部材の設置高さh s を前記複数の粘弾塑性部材の上の水深dとほぼ同じ程度の値に設定することにより、前記変形する前記粘弾塑性部材の内部で前記波(W1又はW2)のエネルギーを熱エネルギーとして消費させ前記波(W1又はW2)の波高伝達率K T を0.3程度の最小値にさせることを特徴とする粘弾塑性部材を用いた消波装置。
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