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JP3579952B2 - 信号変換方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複数のパルスが時系列的に連続するパルス列信号を所定のフォーマットに変換する信号変換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数のパルスが時系列的に連続するパルス列信号の1つに、論理回路の検証用のテストパターンがある。ここでいうテストパターンは、論理回路を設計するに当り、論理回路のロジックが組み込まれた論理回路シミュレータによって、設計された論理回路が正常に動作するかどうかを検証するためのテストデータとして用いられるもので、入力信号データ群及びそれに対して正常な応答として期待される出力信号データ群の総称である。
【0003】
従来、このテストパターンは、グラフィック・エディタ等による手作業で作成されることが多かったが、論理回路が大規模化するに従い、作成すべきテストパターンがますます複雑化し、テストパターンの長さも数百ビットから数千ビットもの長さになり、かつ論理回路へのテストパターンの並列入力数も多くなる傾向にあるため、テストパターンの作成、編集には多大の作業時間を必要とするようになりつつある。その上、このように複雑化したテストパターンは、作成後のエラーチェックにも多大の作業時間が必要となる。
【0004】
そこで、テストパターン作成負荷を軽減するために、信号の変化の型のうち使用頻度の高い基本的な型をライブラリ化し、必要に応じてその型をライブラリから呼び出し、それらを組み合わせてテストパターンを作成するという方式に関するいくつかの提案がなされている。しかし従来のこの方式では、信号を等間隔の時間で区切り、区切った信号を基本パターンとしてライブラリに登録するので、これを呼び出して使う時に、信号が変化していない部分でも、それに対応する基本パターンを1つ1つ呼び出して組み合わせる必要がある。その結果、作成されたテストパターンのデータ量が多くなる。
【0005】
特開平5−159013号公報には、やはり使用頻度の高い基本的なパターンをライブラリ化する方式が開示されているが、パターンの組合せ及び登録を手作業で行うため作業負荷が大きい上、パターンが長くなると操作ミスが生じる可能性が高くなり、またデータ量も増加するという問題がある。
この他に、入力テストパターンの記憶容量を減少させるために、変化点の時間データのみを記憶することによってデータ量を圧縮する方法が提案されているが、この方法では変化点の時間データ以外の情報を記憶しないので、信号がオンかオフかという2つの値しか持たない場合にしか適用できず、信号の値がオンかオフかという情報以外の情報を記憶できないという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑み、複数のパルスが時系列的に連続するパルス列信号を所定のフォーマットに変換することによりデータ量を圧縮する信号変換方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の信号変換方法は、複数のパルスが時系列的に連続するパルス列信号の変化の型が複数に類型化されて成る複数の基本パターンを用意し、パルス列信号を時系列的に区切りながら各区切り区間内の信号を上記基本パターンのいずれかに当て嵌めると共に、当て嵌めた基本パターンに区切り区間内の信号の変化の時刻を表す時間データを付すことにより、パルス列信号を、基本パターンの系列と各基本パターンに付された時間データとに変換することを特徴とする。
【0008】
ここで、互いに隣接する上記区切り区間のうち時間的に早い第1の区切り区間内の信号の最後の変化点と、これら互いに隣接する区切り区間どうしの接点との間の第1の時間、及び、これら互いに隣接する区切り区間のうち時間的に遅い第2の区切り区間内の信号の最初の変化点と、上記接点との間の第2の時間が、互いに同一の時間となるようにパルス列信号の区切り点を定めることが好ましい。
【0009】
また、複数のパルス列信号それぞれを、上記基本パターンの系列と各基本パターンに付された時間データとに変換し、上記複数のパルス列信号のうちの第1のパルス列信号に対応する基本パターンの系列の少なくとも一部が、上記複数のパルス列信号のうちの第2のパルス列信号に対応する基本パターンの系列と一致する場合に、第1のパルス列信号に対応する基本パターンの系列のうちの上記少なくとも一部を、上記第2のパルス列信号に対応する基本パターンの系列と一致する旨の表記に置き換えることも好ましい態様である。
【0010】
なお、本発明の信号変換方法におけるパルス列信号とは、ある値と他の値との2つの状態の間を遷移する2値信号のみではなく、その他に、例えば、不定状態あるいはハイインピーダンス状態をとるような信号であってもよい。
【0011】
【作用】
本発明の信号変換方法は、予めパルス列信号の変化の型を類型化することにより、複数の基本パターンを用意しておき、パルス列信号を基本パターンの系列と各基本パターンに付された時間データとに変換するものであるため、時間軸を考慮すると無限に存在する信号の変化の型を、所定の限られた種類の基本パターンと時間データとの組み合せで表現することができ、これによりパルス列信号のデータ量が大幅に圧縮される。
【0012】
また、上記パルス列信号を区切って基本パターンの系列に変換する過程で、互いに隣接する2つの区切り区間のうち時間的に早い第1の区切り区間内の信号の最後の変化点と、これら互いに隣接する区切り区間どうしの接点との間の第1の時間、及び、時間的に遅い第2の区切り区間内の信号の最初の変化点と上記接点との間の第2の時間が、互いに同一の時間となるようにパルス列信号の区切り点を定めた場合は、実質的に同一の時間データである第1の時間と第2の時間とのいずれか一方のみを両者兼用の時間データとして記憶し、他方は記憶せずに済ますことができるので、データ量が更に圧縮される。
【0013】
また、複数のパルス列信号それぞれを、基本パターンの系列と各基本パターンに付された時間データとに変換し、上記複数のパルス列信号のうちの第1のパルス列信号に対応する基本パターンの系列の少なくとも一部が、上記複数のパルス列信号のうちの第2のパルス列信号に対応する基本パターンの系列と一致する場合に、第1のパルス列信号に対応する基本パターンの系列の上記少なくとも一部を、上記第2のパルス列信号に対応する基本パターンの系列と一致する旨の表記に置き換えると、その’少なくとも一部’が、データ量の多い基本パターンの系列として表現することに代わり、データ量のより少ない一致する旨の表記で表現されることとなり、データ量が更に圧縮される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の信号変換方法を論理回路シミュレータ用のテストパターンに適用した一実施例を内包するテストパターン生成装置のブロック図である。
ここでは、予め、複数のパルスが時系列的に連続するテストパターンの変化の型を分類して、複数の基本パターンとして類型化し、類型化した複数の基本パターンを、図1に示す基本パターンテーブル10に格納しておく。
【0015】
図1に示すように、テストパターン生成装置には、上記基本パターンテーブル10の他に、キーボードやマウスの操作により、グラフィックデータ、またはキャラクタデータを組み合わせてテストパターンの入力データを作成し、これを入力するデータ入力手段11と、入力されたテストパターンを時系列的に区切りながら各区切り区間内の信号を上記基本パターンのいずれかに当て嵌めると共に、当て嵌めた基本パターンに区切り区間内の信号の変化の時刻を表す時間データを付すことにより、テストパターンを、基本パターンの系列と各基本パターンに付された時間データとに変換するデータ変換手段12と、変換されたデータを登録しておくための変換データ登録ファイル20と、上記変換されたデータを変換データ登録ファイル20に登録する変換データ登録手段13と、変換データ登録ファイル20に登録された変換データを読み出す変換データ読出し手段14と、読み出された変換データからテストパターンを生成するテストパターン生成手段15とが備えられている。
【0016】
なお、上記データ入力手段11は、図示しない論理回路シミュレータからの出力信号を、テストパターンとして受け入れることもできる。
図2は、図1の基本パターンテーブル10の内容を示す図である。
基本パターンテーブル10は、前述のようにテストパターンの変化の型を分類して類型化し、それをライブラリ化したものである。
【0017】
図2に示すように、本実施例においては、基本パターンは15種類用意されており、各基本パターンは基本パターンテーブル10内の行を表す符号1,2,3,・・・、及び列を表す符号A,B,C,D,・・・を組合わせたコード1A,1B,1C,1D,2A,2B,2C,3A,・・・,4Dによって識別することができるようになっている。
【0018】
コード1Aは、信号が0から1に変化し更に1から0に変化する基本パターンを表し、コード1Bは、信号が1から0に変化し更に0から1に変化する基本パターンを表し、コード1Cは、信号がハイインピーダンス状態から1に変化し更に1からハイインピーダンス状態に変化する基本パターンを表し、コード1Dは、信号がハイインピーダンス状態から0に変化し更に0からハイインピーダンス状態に変化する基本パターンを表す。
【0019】
また、コード2Aは、信号が0から不定状態に変化し更に不定状態から0に変化する基本パターンを表し、コード2Bは、信号が1から不定状態に変化し更に不定状態から1に変化する基本パターンを表し、コード2Cは、信号がハイインピーダンス状態から不定状態に変化し更に不定状態からハイインピーダンス状態に変化する基本パターンを表す。なお、コード2Dは未定義である。
【0020】
また、コード3Aは、信号が0から1に変化する基本パターンを表し、コード3Bは、信号が1から0に変化する基本パターンを表し、コード3Cは、信号がハイインピーダンス状態から1に変化する基本パターンを表し、コード3Dは、信号がハイインピーダンス状態から0に変化する基本パターンを表す。
また、コード4Aは、信号が1からハイインピーダンス状態に変化する基本パターンを表し、コード4Bは、信号が0からハイインピーダンス状態に変化する基本パターンを表し、コード4Cは、信号が1のまま変化しない基本パターンを表し、コード4Dは、信号が0のまま変化しない基本パターンを表す。
【0021】
基本パターンテーブル10がどのように用いられるかについては後述する。
図3は、図1の変換データ登録ファイル20の内容を示す図である。
変換データ登録ファイル20は、後述の変換データ登録手段13によって登録される変換データを格納するためのものであり、変換データを構成する各基本パターン系列31,32,33は、変換データ登録ファイル20内のそれぞれの行位置を表すコード01,02,03,04,・・・によって識別できるようになっている。
【0022】
変換データ登録ファイル20がどのように用いられるかについては後述する。
以下、図1を参照しながら本実施例の動作について説明する。
先ず、図1のデータ入力手段11によってテストパターンが作成され入力される。
次に、データ変換手段12によって、入力されたテストパターンを先頭から順に時系列的に区切り、各区切り区間内の信号を上記基本パターンテーブル10に格納された基本パターンに当て嵌める。この基本パターンへの当て嵌めに当たっては、区切り区間内の信号の時間軸上の変化点の位置は考慮せずに、信号の状態が変化する型、例えば信号の値が1から0に変化し更に1に変化するといった変化の型のみに注目して区切り区間内の信号と基本パターンとの変化の型が一致するか否かを判定し、両者の変化の型が一致した場合に、区切り区間内の信号を対応する基本パターンに当て嵌める。
【0023】
一方、区切り区間内の信号を基本パターンに当て嵌めると共に、各区切り区間内の変化の時刻を表す時間データを、当て嵌められた基本パターンに付して記憶する。
図4は、図1のデータ変換手段12における、テストパターンから基本パターン系列及び時間データへの変換処理の詳細な流れ図である。
【0024】
図5は、テストパターンが時系列的に区切られ、各区切り区間内の信号が基本パターンに当て嵌められて基本パターンの系列に変換される過程を示す模式図であり、図6は、テストパターンの各区切り区間内の信号の変化の時間データが抽出される過程を示す模式図である。
以下、図4、図5及び図6を参照しながら、テストパターンが基本パターン系列及び時間データに変換される過程について説明する。
【0025】
先ず、図4のステップS41において、テストパターンを読み込み、ステップS42において、テストパターンから時系列的に信号の変化点を抽出すると共に、信号を時系列的に区切る操作が行われる。
変化点の抽出は次のようにして行われる。図5(a)に示すテストパターンにおいて、始点Sから信号の変化点の抽出を開始し、先ず、最初の変化点51を抽出し、次いで、2番目の変化点52、3番目の変化点53というように、時系列的に隣接した3つの変化点を抽出する。変化点の抽出と共に、各変化点での信号の変化の型を抽出する。すなわち、最初の変化点51においては、0から1に変化する型であり、2番目の変化点52においては、信号が1から0に変化する型であり、また、3番目の変化点53においては、信号が0から1に変化する型であることが抽出される。
【0026】
連続する3つの変化点のうち、最初の変化点における変化の型と3番目の変化点における変化の型とを比較し、最初の変化点における変化の型と3番目の変化点における変化の型とが同一である場合は、最初の変化点と2番目の変化点とを含む区間を1つの区切り区間とする。一方、最初の変化点における変化の型と第3の変化点における変化の型とが異なる場合は、第1の変化点のみを含む区間を1つの区切り区間とする。
【0027】
図5(a)においては、最初の変化点51における変化の型と第3の変化点53における変化の型とは、共に、0から1という変化の型であるので、第1の変化点51と第2の変化点53とを含む区切り区間R1を、次のようにして定めた区切り点Eによって区切る。すなわち、図5(a)の互いに隣接する区切り区間R1と区切り区間R2との間の区切り点Eは、2つの区切り区間R1,R2のうち時間的に早い第1の区切り区間R1内の信号の最後の変化点52から、区切り区間R1と区切り区間R2とが接する接点Eまでの第1の時間、及び、2つの区切り区間R1,R2のうち時間的に遅い第2の区切り区間R2内の信号の最初の変化点53から、上記接点Eまでの第2の時間が、互いに同一の時間となるように定める。言い換えると、時間的に早い第1の区切り区間R1内の信号の最後の変化点52と、時間的に遅い第2の区切り区間R2内の信号の最初の変化点53との間の時間を2等分する時刻を区切り点Eとする。
【0028】
第1の変化点における変化の型と第3の変化点における変化の型とが異なる場合の区切り点の定め方も、上記と同様であり、時間的に早い第1の区切り区間内の信号の最後の変化点と、時間的に遅い第2の区切り区間内の信号の最初の変化点との間の時間を2等分する時刻を区切り点とする。
第1の区切り区間の切り出しに続いて、第2の区切り区間を切り出す。第2の区切り区間を切り出すために、上記区切り点Eを第2の区切り区間の始点として、第1の区切り区間R1の切り出しの時と同様に、最初の変化点53における変化の型と3番目の変化点55における変化の型とを比較する。以下、第1の区切り区間R1の切り出しの時と同様にして、第2の区切り区間R2、第3の区切り区間R3を順次切り出す。
【0029】
次に、ステップS43において、上記のようにして切り出された各区切り区間R1,R2,R3,・・・を、図1の基本パターンテーブル10内の基本パターンのいずれかにそれぞれ当て嵌め、続いて、ステップS44において、当て嵌められた基本パターンの系列に変換される。すなわち、図5(a)に示された、始点Sから始まって時系列的に6つの変化点51,52,53,54,55,56が連続しているテストパターンから3つの区切り区間R1,R2,R3が切り出され、ここでは、図5(b)に示すように、各区切り区間R1,R2,R3,・・・のいずれもが基本パターンテーブル10に格納されたコード1Aの基本パターンに当て嵌められ、図5(c)に示すように、3つの基本パターン1Aから成る基本パターンの系列に変換される。
【0030】
一方、ステップS45においては、上記の各変化点の時刻から時間データを生成する。
図6は、各変化点の時刻から時間データを生成する過程を示す模式図である。図6には、図5(a)のテストパターンのうち、始点Sから第4の変化点54までが示されている。上記のステップS42において区切られた区切り区間R1,R2,R3,・・・からそれぞれ時間データを抽出する。ここで、第1の区切り区間R1は、最初の変化点における変化の型と3番目の変化点における変化の型とが同一である場合に相当し、区切り区間R1内には2つの変化点が存在するので、始点Sから最初の変化点51までの時間T1、最初の変化点51から2番目の変化点52までの時間T2、及び、2番目の変化点52から区切り点Eまでの時間T3を抽出する。これら3つの時間T1,T2,T3が、図5(c)の基本パターンの系列の第1番目の要素1Aに対応する時間データとなる。一方、最初の変化点における変化の型と3番目の変化点における変化の型とが異なる場合は、区切り区間内には1つの変化点しか存在しないので、始点Sから最初の変化点までの時間データと最初の変化点から区切り点までの2つの時間データを抽出することとなる。
【0031】
次に、第1の区切り区間R1と第2の区切り区間R2との区切り点Eを、第2の区切り区間R2の始点として第2の区切り区間R2の時間データを抽出し、以下、同様にして第3、第4の区切り区間の時間データを抽出する。
ところで、上記のように、区切り点Eは隣接する2つの変化点52,53の間の時間を2等分した時刻であるので、例えば、図6の第1の区切り区間R1の時間データT3は、第2の区切り区間R2の時間データT4と同一である。そこで、本実施例では、ステップS46において、互いに隣接する区切り区間のうち時間的に早い第1の区切り区間R1の時間データT3と第2の区切り区間R2の時間データT4とを兼用させ、一方の時間データのみを記憶することによってデータ量を圧縮する。
【0032】
このようにして、テストパターンを基本パターンの系列と各基本パターンに付された時間データとに変換することにより、時間軸を考慮すると無限に存在する信号の変化の型を、これら15種類の基本パターンと時間データとから成る変換データに置き換えて表現することが可能となり、膨大なデータ量のテストパターンのデータ量を大幅に圧縮することができる。このようにデータ量が圧縮された変換データによってテストデータの生成、記憶、入出力などを効率よく実行することができる。
【0033】
なお、基本パターンテーブル10は、図2に示すように、データ圧縮度の高い基本パターン、すなわち変化点の数の多い基本パターンから圧縮度の低い基本パターン、すなわち変化点の数の少ない基本パターンへという順序に配列して格納されており、各区切り区間内の信号を基本パターンに当て嵌めるに当たっては、基本パターンテーブル10内の先頭に記憶された基本パターンから照合を始め、上記区切り区間内の信号と一致した場合は一致した基本パターンを上記区切り区間内の信号に当て嵌め、一致しない場合は次の基本パターンと照合するというように順次照合を進める。こうすることにより、テストパターンを高い圧縮度で基本パターンの系列に変換することができる。例えば、図2において、コード1Aは、テストパターンが0から1に変化し更に1から0に変化する基本パターンを表しているが、テストパターンが0から1に変化する基本パターンは、コード3Aに定義され、テストパターンが1から0に変化する基本パターンは、コード3Bに定義されている。従って、テストパターンが0から1に変化し更に1から0に変化する区切り区間内の信号は、後方に格納されているコード3A及びコード3Bの基本パターンに当て嵌められることなく、前方に格納されているコード1Aの基本パターンに当て嵌められる。もしコード1A,3A,3Bが上記の順序でなく、3A,3B,1Aという順序で格納されていればテストパターンが0から1に変化し更に1から0に変化する区切り区間内の信号はコード3Aとコード3Bの2つの基本パターンに当て嵌められることとなり、図2における順序で格納されている場合に比較しデータ圧縮度が低下することとなる。
【0034】
また、時間データについても、コード3A及びコード3Bの2つの基本パターンには6つの時間データを必要とするのに対して、コードA1の基本パターンは4つの時間データで済むので、上記のような順序で基本パターンを格納しておくことにより高い圧縮度でデータを圧縮することができる。
次に、図1の変換データ登録手段13により、基本パターンの系列及び時間データに変換された複数のテストパターンから成る変換データが、各テストパターン毎に変換データ登録ファイル20に登録される。
【0035】
変換データを変換データ登録ファイル20に登録するに当たっては、テストパターンが複数存在する場合に、それら複数のテストパターンのうちの或る1つのテストパターン(これを第1のテストパターンと称する)に対応する基本パターンの系列の一部もしくは全部が、それら複数のテストパターンのうちの別のテストパターン(第2のテストパターンと称する)に対応する基本パターンの系列と一致する場合に、第1のテストパターンに対応する基本パターンの系列の一致している部分を、上記第2のテストパターンに対応する基本パターンの系列と一致する旨の表記に置き換えた上で登録する。以下、この点の具体例を含め、変換データ登録の手順について説明する。
【0036】
図7は、図1の変換データ登録手段13の変換データ登録の詳細な手順を示す流れ図である。
図8は、図3の変換データ登録ファイル20に、新たな基本パターンの系列が追加登録される過程を示す模式図である。
新たに登録される基本パターンの系列40は、図8(b)に示すように、コード1A,1A,1A,及び1Bの4つの要素から構成されているものとする。この基本パターンの系列40を登録するに当たって、変換データ登録ファイル20内に既に登録されている3つの基本パターンの系列31,32,33が参照される(図7のステップS61)。
【0037】
登録される基本パターンの系列40は、先ず、基本パターンの系列31と比較される(図7のステップS62)。この比較は、双方の系列の先頭の要素どうしの比較から始め、続いて第2番目の要素どうし、第3番目の要素どうしが比較される(図7のステップS63)。
ここに示す例では、図8(b)に示す基本パターンの系列40の一部、すなわち第1の要素から第3の要素までと、既に変換データ登録ファイル20に登録されている基本パターンの系列31とが一致しているので、基本パターンの系列40の第1の要素から第3の要素までが基本パターンの系列31の変換データ登録ファイル20内の位置を表すコード01に置き換えられる(図7のステップS64)。次に、上記置き換えられたコード(01)と、置き換えられなかった、基本パターンの系列40の第4の要素(1B)とが合成されて図8(c)に示す系列となり、その系列が、図8(a)の最下行に示すような基本パターンの系列34が変換データ登録ファイル20内に新たに登録される。この基本パターンの系列34には、その系列を表すコード04が付される(図7のステップS65)。
【0038】
このように当初は4つの要素から成る基本パターンの系列40が2つの要素から成る基本パターンの系列34に変換されるため、テストパターンのデータ量が更に圧縮される。
もし、登録される基本パターンの系列40の各要素の一部もしくは全部と、既登録の第1の基本パターンの系列31とが一致しなかった場合は、登録される基本パターンの系列40は、既登録の第2の基本パターンの系列31と比較され、登録される基本パターンの系列40の各要素の一部もしくは全部が、既登録の第2の基本パターンの系列32とも一致しなかった場合は、登録される基本パターンの系列40は、既登録の第3の基本パターンの系列33と比較される。登録される基本パターンの系列40の各要素の一部もしくは全部が、既登録のいずれかの基本パターンの系列とも一致しない場合は、登録される基本パターンの系列40はそのコードのままでステップS65に進み、ステップS65において、その基本パターンの系列に変換データ登録ファイル20内の位置を示すコードが付されて、変換データ登録ファイル20に登録される。
【0039】
このようにして、登録される基本パターンの系列の各要素の一部もしくは全部が、既登録の基本パターンの系列の全要素と一致すると、登録される基本パターンの系列の一致した部分を、一致した既登録の基本パターンの系列を表すコードに置き換えることによって、登録される基本パターンの系列のデータ量を大幅に圧縮することができる。なお、新たな基本パターンの登録の際には、その基本パターンの系列が上記のように更に圧縮されても、その基本パターンに付される時間データには特別の処理は施さずに、その時間データを上記基本パターンの系列と共に変換データ登録ファイル20内に登録する。
【0040】
次に、本発明の信号変換方法によって作成された基本パターンの系列及び時間データより成る変換データを元のテストパターンに復元する方法について説明する。この復元処理は、上記のデータ変換手段12におけるデータ変換処理及び変換データ登録手段13における登録処理とは逆の処理が行われる。
先ず、図1の変換データ読出し手段14によって、図8(a)の変換データ登録ファイル20内に登録された複数の変換データの中から先頭の変換データ(基本パターンの系列31及びこれに対応する時間データ)を読み出す。
【0041】
次に、テストパターン生成手段15によって、読み出された基本パターンの系列の要素の中から変換データ登録ファイル20の基本パターンの系列に付されたコードと一致する要素を探し出す。例えば、先ず、図8(a)の先頭の基本パターンの系列31の3つの要素1A,1A,1Aそれぞれを、変換データ登録ファイル20の各基本パターンの系列に付されたコード01,02,03,04と順次、照合する。その結果、基本パターンの系列31の3つの要素1A,1A,1Aいずれもが、変換データ登録ファイル20の各基本パターンの系列に付されたコード01,02,03,04のいずれとも一致しないので、基本パターンの系列31の変換データ登録ファイル20との照合処理を終了する。
【0042】
次に、基本パターンの系列31を、図5(a)に示すような元のテストパターンのフォーマットに復元する。
この復元処理は基本パターンテーブル10を参照しながら行われる。先ず、図5(c)に示す基本パターンの系列31の3つの要素1A,1A,1Aそれぞれが、図5(b)に示す3つの基本パターン1Aに対応付けられ、更にこれらの3つの基本パターンと、上記基本パターンの系列の各要素と共に変換データ登録ファイル20内に記憶された時間データ(図6におけるT1,T2,T3,・・・)とから図5(a)に示すテストパターンを復元する。
【0043】
このようにして、最初の基本パターンの系列31についての照合処理及び復元処理が終了すると、図1の変換データ読出し手段14によって、図8(a)の変換データ登録ファイル20内に登録された2番目の変換データを読み出し、テストパターン生成手段15によって、照合処理及び復元処理が開始される。
先ず、2番目の基本パターンの系列32の2つの要素1A,3Aそれぞれを、変換データ登録ファイル20の各基本パターンの系列に付されたコード01,02,03,04と順次、照合する。その結果、基本パターンの系列32の要素1A,3Aいずれもが、変換データ登録ファイル20の各基本パターンの系列に付されたコード01,02,03,04のいずれとも一致しないので、基本パターンの系列32の変換データ登録ファイル20との照合処理を終了する。
【0044】
次に、基本パターンの系列32を、図5(a)に示すような元のテストパターンのフォーマットに復元する。復元の手順は上記基本パターンの系列31の場合と同様である。
このようにして、3番目以降の基本パターンの系列33,34,・・・について順次、処理が進められるが、4番目の基本パターンの系列34の照合処理において、基本パターンの系列34の要素の1つが、変換データ登録ファイル20の各基本パターンの系列に付されたコードの1つと一致する。すなわち、4番目の基本パターンの系列34の2つの要素01,1Bそれぞれを、変換データ登録ファイル20の各基本パターンの系列に付されたコード01,02,03,04と順次、照合していくと、基本パターンの系列34の先頭の要素01が変換データ登録ファイル20の先頭の基本パターンの系列に付されたコード01と一致する。そこで、基本パターンの系列34の先頭の要素01を、その系列に付されたコード01に対応する基本パターンの系列31の要素(1A,1A,1A)に置き換える。その結果、4番目の基本パターンの系列34は、01,1Bから1A,1A,1A,1Bに変換されて、図8(b)に示す元の基本パターンの系列40が得られる。
【0045】
次に、最初の基本パターンの系列31の時と同様、基本パターンの系列40の4つの要素1A,1A,1A,1Bそれぞれが、基本パターンテーブル10内の基本パターン、及び変換データ登録ファイル20内の時間データと照合されて、図5(a)と同様のフォーマットのテストパターンが復元される。
このようにして復元されたテストパターンが論理回路シミュレータの入力データとして使用される。
【0046】
ところで、論理回路シミュレータには、図5(a)に示すようなフォーマットのテストパターンが入力されるのが普通であるが、論理回路シミュレータの方に、上記テストパターン生成手段15と同様の機能を持たせておくことにより、変換データ登録ファイル20内の変換データを、直接、論理回路シミュレータに入力することができる。
【0047】
こうすることにより、本発明の信号変換方法によってデータ量が圧縮されて変換データ登録ファイル20に登録された、テストパターンの変換データを、データ量を圧縮した状態のままで、他の記憶媒体に格納し、複写し、保管することができ、テストパターンデータのハンドリングが容易になる。
また、変換データ読出し手段14及びテストパターン生成手段15と同様の処理を、手作業によって実行することにより、新たなテストパターンを生成することができる。すなわち、変換データ登録ファイル20から基本パターンの系列及び時間データより成る変換データを読み出し、それらを手作業によって組み合わせ、複写し、削除し、修正することによって、新たなテストパターンを自由に生成することができる。このようにして生成されたテストパターンを、図1に示すように、データ変換手段12及び変換データ登録手段13を経由させて変換データ登録ファイル20内に登録することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の信号変換方法によれば、パルス列信号を基本パターンの系列と各基本パターンに付された時間データとに変換することによってデータ量を圧縮し、その結果、データ生成、エラーチェック等の作業時間を短縮することができ、また記憶装置及び記憶媒体の容量を縮小することができる。
【0049】
また、パルス列信号を時系列的に区切り、各区切り区間内の信号を基本パターンに当て嵌めてパルス列信号を基本パターンの系列とする際に、互いに隣接する上記の区切り区間のうち時間的に早い第1の区切り区間内の信号の最後の変化点と、これら互いに隣接する区切り区間どうしの接点との間の第1の時間、及び、互いに隣接する上記の区切り区間のうち時間的に遅い第2の区切り区間内の信号の最初の変化点と、上記接点との間の第2の時間が、互いに同一の時間となるようにパルス列信号の区切り点を定めるようにした場合は、実質的に同一の時間データである上記第1の時間と上記第2の時間とのいずれか一方を両者兼用の時間データとして記憶し、他方は記憶せずに済ますことができるので、データ量が更に圧縮され、その結果、データ生成、エラーチェック等の作業時間を更に短縮することができ、また記憶装置及び記憶媒体の容量を更に縮小することができる。
【0050】
また、複数のパルス列信号それぞれを、基本パターンの系列と各基本パターンに付された時間データとに変換し、上記複数のパルス列信号のうちの第1のパルス列信号に対応する基本パターンの系列の一部もしくは全部が、上記複数のパルス列信号のうちの第2のパルス列信号に対応する基本パターンの系列と一致する場合に、第1のパルス列信号に対応する基本パターンの系列の一部もしくは全部を、上記第2のパルス列信号に対応する基本パターンの系列と一致する旨の表記に置き換えた場合は、データ量を更に圧縮し、その結果、データ生成、エラーチェック等の作業時間を更に短縮することができ、また記憶装置及び記憶媒体の容量を更に縮小することができる。
【0051】
更に、本発明の信号変換方法をコンピュータを用いて自動化することにより、作業負荷を大幅に軽減することができ、また、自動化することによって信号変換の操作が正確に実行されるのでエラーチェックを省略することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の信号変換方法を論理回路シミュレータ用のテストパターンに適用した一実施例を内包するテストパターン生成装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施例における基本パターンテーブルの内容を示す図である。
【図3】本発明の一実施例における変換データ登録ファイルの内容の一部を示す図である。
【図4】本発明の一実施例におけるテストパターンが基本パターン系列及び時間データに変換される手順を示す流れ図である。
【図5】本発明の一実施例においてテストパターンの各区切り区間内の信号の変化の型が基本パターンに当て嵌められる過程を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施例においてテストパターンの各区切り区間内の信号の変化の時間情報が時間データに変換される過程を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施例における変換データ登録の詳細な手順を示す流れ図である。
【図8】本発明の一実施例における変換データ登録ファイルに基本パターンの系列が登録される過程を示す模式図である。
【符号の説明】
10 基本パターンテーブル
11 データ入力手段
12 データ変換手段
13 変換データ登録手段
14 変換データ読出し手段
15 テストパターン生成手段
20 変換データ登録ファイル
31,32,33,34,40 基本パターンの系列
51,52,53,54,55,56 変化点

Claims (3)

  1. 複数のパルスが時系列的に連続するパルス列信号の変化の型が複数に類型化されて成る複数の基本パターンを用意し、
    パルス列信号を時系列的に区切りながら各区切り区間内の信号を前記基本パターンのいずれかに当て嵌めると共に、当て嵌めた基本パターンに該区切り区間内の信号の変化の時刻を表す時間データを付すことにより、該パルス列信号を、前記基本パターンの系列と各基本パターンに付された時間データとに変換することを特徴とする信号変換方法。
  2. 互いに隣接する前記区切り区間のうち時間的に早い第1の区切り区間内の信号の最後の変化点と、これら互いに隣接する区切り区間どうしの接点との間の第1の時間、及び、これら互いに隣接する区切り区間のうち時間的に遅い第2の区切り区間内の信号の最初の変化点と、前記接点との間の第2の時間が、互いに同一の時間となるように前記パルス列信号の区切り点を定めることを特徴とする請求項1記載の信号変換方法。
  3. 複数のパルス列信号それぞれを、前記基本パターンの系列と各基本パターンに付された時間データとに変換し、前記複数のパルス列信号のうちの第1のパルス列信号に対応する前記基本パターンの系列の少なくとも一部が、前記複数のパルス列信号のうちの第2のパルス列信号に対応する前記基本パターンの系列と一致する場合に、第1のパルス列信号に対応する前記基本パターンの系列の前記少なくとも一部を、前記第2のパルス列信号に対応する前記基本パターンの系列と一致する旨の表記に置き換えることを特徴とする請求項1又は2記載の信号変換方法。
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