JP3580152B2 - 車間距離検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は先行車までの車間距離を検出する車間距離検出装置に係り、特に先行車に接近したときの車間距離を精度良く検出するのに好適な車間距離検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ドライバーが安全な車間距離で楽に運転できるように車両の自動追尾システムが提案されている。このシステムは、例えば車両が先行車に近づいたときは自動的にスロットル又はブレーキを制御して車両を減速し、逆に遠ざかったときは自動的にスロットルを制御して車両を加速し、これによって先行車までの車間距離を所定範囲に維持するものである。従って、この種のシステムには先行車までの車間距離を検出する車間距離検出装置が備えられている。
【0003】
車間距離を検出する装置としては、例えば特開平4−276585号公報に開示された車載用測距装置がある。この装置は近距離用測距センサと遠距離用測距センサを併用したもので、近距離用測距センサにはCCDカメラや超音波レーダ装置が、また遠距離用測距センサにはレーザレーダや電波レーダが用いられている。そして、近距離を走行する先行車までの車間距離の測定において、先行車のコントラストがほとんどない場合や超音波が反射されずに先行車までの測距を近距離用測距センサで行うことができなかった場合に、車速から推定される対象物までの距離および本来距離出力として採用されない遠距離用測距センサからの距離出力に基づいて距離を演算し、いずれか小なる方の距離を採用して先行車の追従走行を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、近距離用測距センサとして用いられるCCDカメラを車両フロント部に所定間隔離間して2個上下又は左右に設置し、両CCDカメラの結像位置の相違を検出して三角測量の原理を用いて先行車までの車間距離を計測する。しかしながら、このセンサは2台のCCDカメラを有することから、センサ自体のコストが高くなり、しかもカメラ2台分の取付スペースが必要となるという問題がある。その上、このセンサは長時間使用した場合、車両走行中の振動等により2台のCCDカメラの離間間隔が変化し、その結果、三角測量の原理を用いて行う車間距離測定の精度が低下するという問題もある。
そこで、このような複数のCCDカメラを用いることなく、レーザレーダ等の車間距離検出センサの精度を上げて、遠距離から近距離までの車間距離をこの車間距離検出センサにより計測するように構成することが考えられる。しかし、この場合には、車間距離検出センサが何らかの原因で不作動状態となったときでも車間距離の検出ができるように構成する必要がある。そのため、このような場合に備えて簡易な車間距離検出用の補助的手段を設けることが求められる。
【0005】
従って本発明の目的は、車間距離検出手段の不作動時に、1台の撮像手段を用いて先行車までの車間距離を精度良く検出し得る車間距離検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車間距離検出装置は、カメラ等の撮像手段で得られた先行車画像を入力し、別途レーザレーダ等の車間距離検出手段で得られた先行車までの車間距離及び方向に基づいて前記先行車画像の複数箇所にそれぞれ追尾点を配置し、この追尾点の集団の位置情報および前記先行車までの車間距離から車間距離計測用係数を算出し、前記算出した車間距離計測用係数および現時点における追尾点の集団の位置情報から車間距離を算出するよう構成した車間距離推定手段を備え、前記レーザレーダ等の車間距離検出手段の不作動時には、前記車間距離推定手段を用いて、先行車との車間距離を推定するものである。ここで、追尾点の集団の位置情報としては、例えば追尾点の集団の分散の値を用いることができる。この場合、車間距離と画像における先行車の幅には相関関係があるため、分散の算出は計算を簡略化するため水平方向について求め、垂直方向については省略することができる。
【0007】
また、車間距離検出手段の不作動時とは、例えば、車間距離検出手段としてレーザレーダが用いられる装置においては、レーザレーダ自体の故障により出力が得られない場合、あるいは大型トラックのような先行車に車両が接近してレーザレーダからのレーザ光が先行車下部に潜り込んで反射光が得られない場合、レーザレーダに太陽光もしくは他車のレーザ光が入り込み、検出精度が低下し一時的に作動不能になった場合、さらには距離検出の主体がレーザレーダからカメラに自動的に又は人為的に切り換えられた場合等が含まれる。上述のように構成することにより、車間距離検出手段の不作動時において、その直前に計算し保持された車間距離計測用係数を用いて、追尾点の集団の位置情報から先行車までの車間距離を精度良く検出することができる。
なお、車間距離推定手段は、撮像手段で得られた先行車画像を入力する画像入力部と、車間距離検出手段で得られた先行車までの車間距離D及び方向に基づいて前記先行車画像の複数個所にそれぞれ追尾点を配置する画像処理部と、先行車画像の前記複数箇所の追尾点について追尾を行うことによって得られる追尾点の集団の位置情報、および、この際に、車間距離検出手段によって得られる前記先行車までの車間距離から車間距離計測用係数hを算出し、前記算出した車間距離計測用係数hおよび現時点における追尾点の集団の位置情報から車間距離Dを算出する車間距離計算部とを備えて構成される。
また、前記車間距離計測用係数hは、ある時点において得られる、前記追尾点の集団の水平方向の分散値σと前記車間距離検出手段による前記先行車までの車間距離Dとの乗算値(D×σ)とすることができる。そして、車間距離推定手段では、車間距離検出手段の不作動時に、予め得られた前記車間距離計測用係数hを現時点において得られる、前記追尾点の集団の水平方向の分散値σ e で除して、前記先行車との車間距離の推定値D e (h/σ e )を得ることができる。
さらに、前記車間距離計算部では、前記複数箇所の追尾点について追尾を行う際に、前記複数の追尾点を順次に注目点として選択し、この注目点周りにテンプレートを設定し、所定時間後に、かかる注目点が移動したと考えられる候補点を含む範囲に上記テンプレートと同様な窓を設定し、該注目点のテンプレート内の画素の明るさと、該候補点の窓内の画素の明るさとの差が、最小なものを移動した追尾点に設定することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る車間距離検出装置を搭載した車両の模式図である。図のように、コントローラ1は車間距離推定手段2および制御信号生成部3を備えており、車両4の室内前方上部に配置されたカメラ5で得られた先行車の画像情報を入力し、また車両4の先端部に配置された車間距離検出センサ6、例えばレーザレーダや電波レーダなど(以下、総称してレーザレーダという)で得られた先行車までの車間距離及び方向を入力する。コントローラ1は、通常時においては、レーザレーダ6で得られた先行車までの車間距離情報に基づいてブレーキアクチュエータ7やスロットルアクチュエータ8を制御する。一方、レーザレーダ6の不作動時においては、コントローラ1は、カメラ5で得られた先行車の画像情報およびレーザレーダ6の正常作動時に得られた先行車までの車間距離情報に基づいて算出された車間距離の値にしたがってブレーキアクチュエータ7やスロットルアクチュエータ8を制御する。また車間距離の値は、車両室内の操作・情報表示部9に表示される。
【0009】
図2は、本発明に係る車間距離検出装置の一実施例を示す図である。図のように、車間距離推定手段2は、カメラ5で得られた先行車の画像情報を入力する画像入力部21と、レーザレーダ6で得られた先行車までの車間距離情報を用いて上述の先行車画像上の複数箇所にそれぞれ後述する追尾点を配置する画像処理部22と、これらの追尾点の集団の位置情報および上述の先行車までの車間距離情報から車間距離計測用係数を算出し、この算出した車間距離計測用係数および現時点における追尾点の集団の位置情報から車間距離を算出する車間距離計算部23とを備える。制御信号生成部3にはスイッチ10が接続される。スイッチ10の入力端子の一方は車間距離推定手段2側に接続され、他方はレーザレーダ6側に接続される。スイッチ10は、レーザレーダ(L/R)不作動検出部11からの出力で切り換えられる。
【0010】
通常時、スイッチ10はレーザレーダ6側に接続されている。制御信号生成部3は、レーザレーダ6で得られた先行車までの車間距離情報をスイッチ10を介して入力し、ブレーキアクチュエータ7やスロットルアクチュエータ8を制御する信号、および操作・情報表示部9へ表示する信号を生成する。レーザレーダ不作動検出部11はレーザレーダ6で得られた車間距離情報を監視し、レーザレーダ6の不作動が検出されると、スイッチ10をレーザレーダ6側から車間距離推定手段2側に切り換える。レーザレーダ6の不作動の検出は、例えば車間距離情報に特異な値が現れた場合に行われる。これにより制御信号生成部3は、車間距離推定手段2で得られた車間距離の算出値をスイッチ10を介して入力し、ブレーキアクチュエータ7やスロットルアクチュエータ8を制御する信号、および操作・情報表示部9へ表示する信号を生成する。
【0011】
図3は、本発明に係る車間距離検出装置の動作を示すフローチャートである。図のように、ステップ31にて、カメラ5で得られた画像を入力する。ステップ32では、図4(a)に示すように、レーザレーダ(L/R)6で得られた先行車までの車間距離及び方向に基づいて、入力画像中において先行車の存在する範囲48を決定する。ステップ33では、図4(b)に示すように、先行車画像42の存在範囲48に複数の追尾点を配置する。ステップ34では、これらの追尾点を順次に注目点43として選択し先行車の追尾を行うためのテンプレート44を作成する。ここでテンプレート44は、追尾点の周りに仮想的に設けた小さな窓である。ステップ35では、このテンプレート44を用いて、次のようにして先行車を追尾する。すなわち、時刻tから時間dt経過後、図4(c)に示すように、この注目点が移動したと考えられる候補点を含む範囲に対して、テンプレートと同様な複数の小さな窓を考える。この候補点の窓と移動前の注目点の窓との間で、窓内の画素の明るさの差の絶対値和を求める。この絶対値和(SSD:Sum of Squared Differences)は、注目座標(xt,yt)の明るさをB(xt,yt)、追尾の候補点の座標(xt+dt,yt+dt)の明るさをB(xt+dt,yt+dt)、そして窓をWとすると、次の(数1)より求められる。
【0012】
【数1】
【0013】
候補点のうちでSSD値の最も小さい(相関が高い)窓に対応する点46を移動先の点として決定する。ステップ36では、それぞれの点が追尾に成功したか失敗したかを判定する。この判定部分はレーザレーダが正常に作動しているときのみ動作し、レーザレーダ不作動時には動作しない。図4(c)に示すように、レーザレーダによる先行車存在範囲45の範囲内にある点は追尾に成功したものとし、ステップ34に戻って追尾を継続する。一方、範囲外にある点47は追尾に失敗した点とし、ステップ37にて新たな追尾点を作成し追尾をやり直す。そして最終的に全ての追尾点が先行車画像上に配置されるようにする。以上のような画像処理を行なった後、車間距離を算出する動作に移る。
【0014】
車間距離の算出では、まずステップ38にて、先行車画像上に配置された複数の追尾点の集団の重心を計算する。そしてステップ39にて、この重心との関係を用いて追尾点位置の水平方向の分散σを算出する。追尾点の集団(n個)の重心を(X,Y)、追尾点の座標を(Xk,Yk)としたとき、n個の追尾点の集団の水平方向の分散σは次の(数2)で求められる。
【0015】
【数2】
【0016】
図4(a)のように、先行車までの車間距離が小さくなったときは、先行車画像は画面中で大きくなり画像上の各追尾点の間隔が広がって、水平方向の各追尾点位置(Xk)が重心位置(X)から離れるので分散σは大きくなる。逆に、図4(c)のように、先行車までの車間距離が大きくなったときは、先行車画像は画面中で小さくなり画像上の各追尾点の間隔が狭まって、水平方向の各追尾点位置(Xk)が重心位置(X)に近づくので分散σは小さくなる。ステップ40では、この分散と車間距離との関係を用いて車間距離計測用係数hを算出する。即ち、ある時点においてレーザレーダ6で得られた先行車までの車間距離をDとし分散をσとすると、車間距離計測用係数hは、h=D×σより算出される。算出された車間距離計測用係数hは、車間距離計算部23に備えられた図示しない記録媒体に保持される。ステップ41では、レーザレーダ6の不作動時において、この算出された車間距離計測用係数hおよびレーザレーダ不作動時点における分散σeを用いて、先行車までの車間距離Deを計算し推定する。推定車間距離Deは、De=h/σeより算出される。この推定車間距離Deの値に基づいて、制御信号生成部3は制御信号を出力し、ブレーキアクチュエータ7やスロットルアクチュエータ8を制御し、また推定車間距離の値を車両室内の操作・情報表示部9に表示する。
【0017】
このように本実施例では、レーザレーダ6の不作動時において、その直前に得られたレーザレーダによる先行車までの車間距離および追尾点の集団の分散から車間距離を計算し推定しているので、先行車までの車間距離を精度良く推定することができる。また、1台のカメラで得られた先行車画像に複数の追尾点を付与し同時に追尾するので、追尾に失敗した点が何点かあっても車間距離算出の精度に影響が少ない。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、車間距離検出手段の不作動時に、1台の撮像手段を用いて先行車までの車間距離を精度良く検出可能な車間距離検出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車間距離検出装置を搭載した車両の模式図である。
【図2】本発明に係る車間距離検出装置の一実施例を示す図である。
【図3】本発明に係る車間距離検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】(a)、(b)、(c)はそれぞれ追尾点を用いて先行車を追尾する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 コントローラ
2 車間距離推定手段
3 制御信号生成部
4 車両
5 カメラ
6 レーザレーダ
7 ブレーキアクチュエータ
8 スロットルアクチュエータ
9 操作・情報表示部
10 スイッチ
11 L/R不作動検出部
21 画像入力部
22 画像処理部
23 車間距離計算部
Claims (6)
- 自車と先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記先行車を撮像する1つの撮像手段とを備えた車間距離検出装置において、
前記車間距離検出手段の不作動時に、前記先行車との車間距離Dを推定する車間距離推定手段をそなえ、
前記車間距離推定手段は、
前記撮像手段で得られた先行車画像を入力する画像入力部と、
前記車間距離検出手段で得られた先行車までの車間距離D及び方向に基づいて前記先行車画像の複数個所にそれぞれ追尾点を配置する画像処理部と、
前記先行車画像の前記複数箇所の追尾点について追尾を行うことによって得られる前記追尾点の集団の位置情報、および、この際に前記車間距離検出手段によって得られる前記先行車までの車間距離から車間距離計測用係数hを算出し、前記算出した車間距離計測用係数hおよび現時点における追尾点の集団の位置情報から車間距離Dを算出する車間距離計算部とを備えて構成されている
ことを特徴とする、車間距離検出装置。 - 前記追尾点の集団の位置情報には、前記追尾点の分散値が用いられることを特徴とする、請求項1記載の車間距離検出装置。
- 前記分散値は、前記追尾点の集団の水平方向の分散値σであることを特徴とする、請求項2記載の車間距離検出装置。
- 前記車間距離計測用係数hは、ある時点において得られる、前記追尾点の集団の水平方向の分散値σと前記車間距離検出手段による前記先行車までの車間距離Dとの乗算値(D×σ)であることを特徴とする、請求項3記載の車間距離検出装置。
- 前記車間距離推定手段では、前記車間距離検出手段の不作動時に、予め得られた前記車間距離計測用係数hを現時点において得られる、前記追尾点の集団の水平方向の分散値σ e で除して、前記先行車との車間距離の推定値D e を得ることを特徴とする、請求項4記載の車間距離検出装置。
- 前記車間距離計算部では、前記複数箇所の追尾点について追尾を行う際に、前記複数の追尾点を順次に注目点として選択し、該注目点周りにテンプレートを設定し、所定時間後に、該注目点が移動したと考えられる候補点を含む範囲に上記テンプレートと同様な窓を設定し、該注目点のテンプレート内の画素の明るさと、該候補点の窓内の画素の明るさとの差が、最小なものを移動した追尾点に設定することを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の車間距離検出装置。
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1998
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