JP3580975B2 - ビデオ信号再生回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオ信号再生回路に係わり、特に、テレビジョン放送信号を受信してビデオ信号を再生する際に、チューナ部の出力側にリチウムナイオベート(LiNbO3 )基板を用いた表面弾性波(SAW)フィルタを接続し、全体の回路構成を簡素化し、製造コストを安価にしたビデオ信号再生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放送信号を受信し、ビデオ信号を再生するビデオ信号再生回路には、チューナ部から出力される中間周波信号を抽出するために、チューナ部の出力側にリチウムタンタレート(LiTaO3 )基板を用いた表面弾性波(SAW)フィルタを接続した構成のものが知られている。
【0003】
図5は、かかる既知のビデオ信号再生回路の構成の一例を示すブロック構成図である。
【0004】
図5に示されるように、既知のビデオ信号再生回路は、テレビジョン放送信号を受信して中間周波信号に周波数変換するチューナ部51と、チューナ部51の出力側に中間周波増幅器52を介して接続されたリチウムタンタレート(LiTaO3 )基板を用いた表面弾性波(SAW)フィルタ53と、表面弾性波フィルタ53の出力側にインピーダンス整合コイル54を介して接続された検波用集積回路(IC)55と、検波用集積回路55の出力側に接続されたビデオイコライザ回路56とによって構成されている。
【0005】
この場合、中間周波増幅器52は、表面弾性波フィルタ53で発生する中間周波数信号の比較的大きな損失を補償するために用いたもので、インピーダンス整合コイル54は、表面弾性波フィルタ53の高い出力インピーダンスを、検波用集積回路55の低い入力インピーダンスにインピーダンス整合させるために用いたものである。
【0006】
かかる構成を有するビデオ信号再生回路において、チューナ部51はアンテナ(図示なし)で受信したテレビジョン放送信号を中間周波数信号に変換して出力し、中間周波増幅器52はこの中間周波数信号を増幅して出力する。表面弾性波フィルタ53は増幅した中間周波数信号の中から必要な中間周波数信号のみを抽出し、インピーダンス整合コイル54は抽出した必要な中間周波数信号に対するインピーダンス変換を行なう。検波用集積回路55は必要な中間周波数信号を検波してビデオ信号を出力し、ビデオイコライザ回路56はビデオ信号に対して所定の周波数等化を行なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記既知のビデオ信号再生回路に利用されているリチウムタンタレート基板を用いた表面弾性波フィルタ53は、温度−周波数特性が比較的良好であるため、特別に温度補償回路を付加することなしに使用することができるという利点がある反面、比較的高価であり、信号通過帯域内の信号損失が比較的大きく、しかも、入出力インピーダンスが比較的高いものである。このため、リチウムタンタレート基板を用いた表面弾性波フィルタ53を用いた既知のビデオ信号再生回路は、信号通過帯域内で生じる信号損失を補償するために、表面弾性波フィルタ53の前段に中間周波増幅器52を接続したり、表面弾性波フィルタ53が呈する高い出力インピーダンスを検波用集積回路55が呈する低い入力インピーダンスにインピーダンス整合させるために、表面弾性波フィルタ53の後段にインピーダンス整合コイル54を接続したりする必要がある。
【0008】
このように、リチウムタンタレート基板を用いた表面弾性波フィルタ53を用いた既知のビデオ信号再生回路は、中間周波増幅器52やインピーダンス整合コイル54の接続により、ビデオ信号再生回路の構成が複雑になるだけでなく、表面弾性波フィルタ53自体が高価なことと相俟って、ビデオ信号再生回路の製造コストが高価になってしまうという問題を有している。
【0009】
本発明は、これらの問題点を解決するもので、その目的は、安価な表面弾性波フィルタを用い、その比較的大きな温度−周波数特性を簡単な回路で補償することによって、全体の構成を簡素化し、製造コストを安価にしたビデオ信号再生回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のビデオ信号再生回路は、表面弾性波フィルタとして、リチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタを用い、その温度−周波数特性を打ち消すために、チューナ部及びビデオイコライザ回路の双方に全体としてその温度−周波数特性と逆の温度−周波数特性を持たせるようにした手段を具備する。
【0012】
前記手段によれば、表面弾性波フィルタに、安価で、入出力インピーダンスの低いリチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタを利用しているので、既知のこの種の回路に用いられていた表面弾性波フィルタの信号損失を補償する中間周波増幅器や、インピーダンスを整合させるインピーダンス整合コイルが不必要になり、全体的にビデオ信号再生回路の回路構成が簡素化され、製造コストが安価になる。
【0013】
また、前記手段によれば、リチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタの温度−周波数特性を、その温度−周波数特性と逆の温度−周波数特性を有するチューナ部及びビデオイコライザ回路によって補償し、ビデオ信号再生回路全体の温度−周波数特性をなくしている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態において、少なくとも、放送信号を受信して中間周波信号に周波数変換するチューナ部と、チューナ部の出力側に接続されたリチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタと、表面弾性波フィルタの出力側に検波用集積回路を介して接続されたビデオイコライザ回路とからなり、チューナ部及びビデオイコライザ回路に温度−周波数特性を持たせ、それらの温度−周波数特性によって表面弾性波フィルタの温度−周波数特性を打ち消すようにしているものである。
【0016】
また、この実施の形態の具体例においては、チューナ部に温度依存型中間周波共振回路を用いて温度−周波数特性を持たせており、好ましくは、温度依存型中間周波共振回路に温度−容量特性を有するコンデンサを用いている。
【0017】
かかる本発明の実施の形態によれば、必要な中間周波信号を抽出する表面弾性波フィルタに、安価で、入出力インピーダンスの低いリチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタを利用することにより、既知のビデオ信号再生回路に用いられていた、表面弾性波フィルタの信号損失を補償する中間周波増幅器や表面弾性波フィルタと次続の検波用集積回路とをインピーダンスを整合させるインピーダンス整合コイルを省いているので、全体的にビデオ信号再生回路の回路構成が簡素化され、安価なリチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタの利用と相俟って、ビデオ信号再生回路の製造コストを安価にすることが可能になる。
【0018】
また、本発明の実施の形態によれば、リチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタが有する温度−周波数特性を、チューナ部及びビデオイコライザ回路にその温度−周波数特性と逆の温度−周波数特性を持たせ、この逆の温度−周波数特性によって打ち消すようにしているので、ビデオ信号再生回路全体の温度−周波数特性がなくなり、周囲温度の変動に伴うビデオ信号の帯域幅の変動を防ぐことができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明によるビデオ信号再生回路の一実施例の構成を示すブロック回路図である。
【0021】
図1に示されるように、本実施例のビデオ信号再生回路は、テレビジョン放送信号を受信し、中間周波信号に周波数変換して出力するチューナ部1と、チューナ部1の出力側に接続されたリチウムナイオベート(LiNbO3 )基板を用いた表面弾性波(SAW)フィルタ2と、表面弾性波フィルタ2の出力側に接続された検波用集積回路(IC)3と、検波用集積回路3の出力側に接続されたビデオイコライザ回路4と、ビデオイコライザ回路4の出力端(図番なし)に接続されたビデオ信号出力端子5とを備えている。
【0022】
この場合、チューナ部1は、以下に詳しく述べるように、表面弾性波フィルタ2が呈する比較的大きな温度−周波数特性と逆の比較的大きな温度−周波数特性を有するものが用いられる。
【0023】
また、図2(a)は、図1に図示されたチューナ部1の出力部分の1つの構成例を示すブロック構成図であり、図2(b)乃至(d)は、図2(a)に図示された温度依存型中間周波共振回路の他の構成例を示す回路図である。
【0024】
図2(a)に示されるように、チューナ部1の出力部分は、同調されるテレビジョン放送信号周波数に対応した周波数の局部発振信号を出力する局部発振器6と、受信されたテレビジョン放送信号と局部発振信号とを周波数混合する周波数混合器7と、中間周波数に同調し、温度−周波数特性を有する温度依存型中間周波共振回路8と、中間周波信号出力増幅器9とを具備している。
【0025】
この場合、図2(a)に図示された例の場合、温度依存型中間周波共振回路8には、コイル10及び温度−容量特性を有するコンデンサ11の並列回路が信号伝送路と接地点間に接続されたものが用いられている。
【0026】
さらに、図3(a)は、リチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタ2の信号通過特性であり、図3(b)は、チューナ部1の温度依存型中間周波共振回路8が呈する通過特性である。
【0027】
図3(a)、(b)において、縦軸は信号レベル、横軸は周波数であって、実線は常温(例えば、25℃)のときの特性であり、一点鎖線は高温(例えば、55℃)のときの特性である。
【0028】
前記構成による本実施例のビデオ信号再生回路の動作を、図1、図2(a)及び図3(a)、(b)を用いて説明する。
【0029】
チューナ部1は、受信アンテナ(図示なし)を通してテレビジョン放送信号を受信し、受信したテレビジョン放送信号を高周波増幅器(図示なし)で増幅し、次に、周波数混合器7で局部発振器6から供給される局部発振信号と周波数混合して周波数混合信号を発生し、続いて、温度依存型中間周波共振回路8で供給された周波数混合信号に対し、図3(b)の実線に示されるような中間周波信号帯域通過特性によって中間周波信号を抽出し、中間周波信号出力増幅器9で抽出した中間周波信号を所要レベルまで増幅し、次続の表面弾性波フィルタ2に供給する。
【0030】
表面弾性波フィルタ2は、チューナ部1から供給された中間周波数信号に対し、図3(a)の実線に示されるような中間周波信号帯域通過特性によって必要な周波数成分を有する中間周波信号を抽出し、次続の検波用集積回路3に供給する。検波用集積回路3は、供給された中間周波信号を検波してビデオ信号を再生し、次続のビデオイコライザ回路4に供給する。ビデオイコライザ回路4は、供給されたビデオ信号に必要とする周波数等化を付与し、ビデオ信号出力端子5に供給する。
【0031】
この場合、使用温度が常温(例えば、25℃)またはそれに近いときは、リチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタ2における図3(a)の実線に示されるような中間周波信号帯域通過特性が、温度依存性中間周波共振回路8における図3(b)の実線に示されるような中間周波信号帯域通過特性にほぼ重なり合い、得られるビデオ信号の帯域通過特性は、実質的に、図3(a)の実線に示されるような表面弾性波フィルタ2における中間周波信号帯域通過特性に依存したものになる。
【0032】
一方、使用温度が常温より高い高温(例えば、55℃)またはそれに近くなると、表面弾性波フィルタ2が有する固有の温度−周波数特性によって、図3(a)の一点鎖線に示されるように、表面弾性波フィルタ2における中間周波信号帯域通過特性が全体的に低い周波数方向に移行するようになる。このとき、温度依存型中間周波共振回路8は、コンデンサ11に負の温度−容量特性を有するものを用い、その中間周波信号帯域通過特性を、図3(b)の一点鎖線に示されるように、全体的に高い周波数方向に移行させるようにしているので、表面弾性波フィルタ2による温度−周波数特性と温度依存型中間周波共振回路8による温度−周波数特性とが打ち消しあうようになり、ビデオ信号出力端子5に得られるビデオ信号の周波数特性を、使用温度の変化に係りなしに、ほぼ一定にすることができる。
【0033】
また、使用温度が常温より低い低温(例えば、−10℃)またはそれに近くなった場合、表面弾性波フィルタ2における中間周波信号帯域通過特性の全体的な周波数移行方向、温度依存型中間周波共振回路8における中間周波信号帯域通過特性の全体的な周波数移行方向は、それぞれ使用温度が常温より高い高温になった場合と逆になるが、表面弾性波フィルタ2による温度−周波数特性と温度依存型中間周波共振回路8による温度−周波数特性とは打ち消しあい、同様に、ビデオ信号出力端子5に得られるビデオ信号の周波数特性を、使用温度の変化に係りなしに、ほぼ一定にすることができる。
【0034】
ところで、前記実施例においては、温度依存型中間周波共振回路8として、コイル10及び正の温度−容量特性を有するコンデンサ11の並列回路を信号伝送路と接地点間に分路接続したものを用いた例を示したが、温度依存型中間周波共振回路8の構成例は、図2(a)に図示のものに限られず、図2(b)に示されるように、コイル10、正の温度−容量特性を有するコンデンサ11、抵抗12からなる並列回路を信号伝送路と接地点間に分路接続したもの、図2(c)に示されるように、コイル10と負の温度−容量特性を有するコンデンサ11の並列回路を信号伝送路に直列接続したもの、図2(d)に示されるように、コイル10、負の温度−容量特性を有するコンデンサ11、抵抗12からなる並列回路を信号伝送路に直列接続したものを用いてもよい。
【0035】
この場合、前記実施例は、温度依存型中間周波共振回路8に加えて、ビデオイコライザ回路4にも温度依存型中間周波共振回路8と同様の温度−周波数特性を持たせ、温度依存型中間周波共振回路8が有する温度−周波数特性とビデオイコライザ回路4が有する温度−周波数特性との総合の温度−周波数特性によって、表面弾性波フィルタ2による温度−周波数特性を打ち消すようにしている。
【0036】
図4(a)、(b)は、この実施例に用いられる温度−周波数特性を持ったビデオイコライザ回路4の各構成例を示す回路図である。
【0037】
この実施例の場合、ビデオイコライザ回路4は、図4(a)に示されるように、コイル13、負の温度−容量特性を有するコンデンサ14、抵抗15からなる直列回路を信号伝送経路と接地点間に分路接続したもの、または、図4(b)に示されるように、コイル13と抵抗15の並列回路を信号伝送経路に直列接続し、負の温度−容量特性を有するコンデンサ14を信号伝送経路と接地点間に接続したもの等が用いられる。
【0038】
この実施例においては、表面弾性波フィルタ2による温度−周波数特性を、温度依存型中間周波共振回路8が有する温度−周波数特性とビデオイコライザ回路4が有する温度−周波数特性との総合の温度−周波数特性で打ち消すようにしているので、温度依存型中間周波共振回路8やビデオイコライザ回路4の設計に裕度を持たせることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、必要な中間周波信号を抽出する表面弾性波フィルタに、安価で、入出力インピーダンスの低いリチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタを利用したので、既知のビデオ信号再生回路に用いられていた、表面弾性波フィルタの信号損失を補償する中間周波増幅器や表面弾性波フィルタと次続の検波用集積回路とをインピーダンスを整合させるインピーダンス整合コイルを省くことが可能になり、全体的にビデオ信号再生回路の回路構成が簡素化され、安価な前記表面弾性波フィルタの利用と相俟って、ビデオ信号再生回路の製造コストを安価できるという効果がある。
【0040】
また、本発明によれば、リチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタが有する比較的大きな温度−周波数特性を、チューナ部及びビデオイコライザ回路にその温度−周波数特性と逆の温度−周波数特性を持たせ、この逆の温度−周波数特性により打ち消すようにしているので、ビデオ信号再生全体の温度−周波数特性がなくなり、周囲温度の変動に伴うビデオ信号の帯域幅の変動を防げるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるビデオ信号再生回路の一実施例の構成を示すブロック回路図である。
【図2】図1に図示されたビデオ信号再生回路におけるチューナ部の出力部分の構成例を示す回路図である。
【図3】図1に図示されたビデオ信号再生回路において、表面弾性波フィルタ及びチューナ部の温度−周波数特性の各一例を示す特性図である。
【図4】図1に図示されたビデオ信号再生回路におけるビデオイコライザ回路の構成例を示す回路図である。
【図5】既知のビデオ信号再生回路の構成の一例を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1 チューナ部
2 リチウムナイオベート(LiNbO3 )基板を用いた表面弾性波(SAW)フィルタ
3 検波用集積回路(IC)
4 ビデオイコライザ回路
5 ビデオ信号出力端子
6 局部発振器
7 周波数混合器
8 温度依存型中間周波共振回路
9 中間周波信号出力増幅器
10、13 コイル
11、14 温度−容量特性を有するコンデンサ
12、15 抵抗
Claims (3)
- 少なくとも、放送信号を受信して中間周波信号に周波数変換するチューナ部と、前記チューナ部の出力側に接続されたリチウムナイオベート基板を用いた表面弾性波フィルタと、前記表面弾性波フィルタの出力側に検波用集積回路を介して接続されたビデオイコライザ回路とからなり、前記チューナ部及び前記ビデオイコライザ回路にそれぞれ温度−周波数特性を持たせ、それらの温度−周波数特性によって前記表面弾性波フィルタの温度−周波数特性を打ち消すようにしたことを特徴とするビデオ信号再生回路。
- 前記チューナ部は、温度依存型中間周波共振回路によって温度−周波数特性を持たせていることを特徴とする請求項1に記載のビデオ信号再生回路。
- 前記温度依存型中間周波共振回路は、温度−容量特性を有するコンデンサを用いていることを特徴とする請求項2に記載のビデオ信号再生回路。
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