JP3581682B2 - 流体コンセント用保護キャップ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体コンセント用保護キャップ、特に、不使用状態にある流体コンセントの接続口を保護する為の流体コンセント用保護キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9に示した流体コンセント(1)は、屋外の加熱機と屋内の放熱機(共に図示せず)との間の流体循環路を途中で着脱自在に接続する為のものであり、屋内の床面(F)に設置される形式のものである。
【0003】
この種流体コンセント(1)は、前記加熱機から延びる一対の室外側流体配管(16a)(16b)の先端に設けられるコンセント本体(10)が、前記床面(F)に設けられた開口部(F0)に嵌め込まれて固定される上方開放のケース体(17)内に収容されているもので、前記コンセント本体(10)には、流体循環路接続の為の一対の接続口(11)(12)が上方に開放するように並設されている。
流体コンセント(1)の不使用時には、前記ケース体(17)の上方開放部は、被覆板(14)によって開放可能に被覆される。
【0004】
この流体コンセント(1)を使用するには、前記被覆板(14)を開放させ、ケース体(17)の開放端から奥まって位置する前記接続口(11)(12)に、放熱機から延びる室内側流体ホース(図示せず)の先端に設けられた流体プラグのプラグ部(図示せず)を接続させる。これにより、前記接続口(11)(12)に内蔵されている弁体(110)(120)及び前記プラグ部に内蔵されている弁体が各々開弁し、流体循環路が接続されることとなる。
【0005】
尚、このコンセント本体(10)における前記接続口(11)(12)間には、前記流体プラグに設けられている係合片を抜け止め状態に係合させるための孔部(13)が上方に開放するように形成されている。
【0006】
流体コンセント(1)の不使用時には、前記プラグ部を流体コンセント(1)から引き抜いて取り外す。これにより、前記弁体(110)(120)は内部に設けられているバネ(18)の復帰力により上方へ押し上げられる方向に付勢されることにより閉弁するため、接続口(11)(12)から流体が漏れることがない。しかしながら、接続口(11)(12)からの不用意な漏れ防止と接続口(11)(12)の保護の為に、接続口(11)(12)の開放端を含むコンセント本体(10)の上端部分には、同図に示すような保護キャップ(3)が装着される。
【0007】
従来のこの種保護キャップ(3)は、接続口(11)(12)各々に取外し可能に嵌入する一対のキャップ部(31)(32)と、これらキャップ部(31)(32)を並列状態に一体的に連結させる連結部材(30)、キャップ部(31)(32)間における連結部材(30)に一体的に並設されると共に前記キャップ部(31)(32)の突出方向と同一方向に突出させた一対の係合片(33)(34)と、前記係合片(33)(34)間に板バネ(35)を介して一端が装着され且つ外方へ引っ張ることにより前記係合片(33)(34)を近接する方向に揺動させて保護キャップ(3)を強制的に取り外すためのボールチェーン(5)とから構成されている。
【0008】
又、前記キャップ部(31)(32)の外周面には、接続口(11)(12)に嵌入させたときに接続口(11)(12)との間の水密を確保する為のOリング(36)が装着されている。接続口(11)(12)にOリング(36)が内嵌状態に収容されるまでキャップ部(31)(32)を押し込むと同時に、係合片(33)(34)は孔部(13)の周縁部に係合させることにより、保護キャップ(3)はコンセント本体(10)の接続口(11)(12)に水密状態に装着される。その後、被覆板(14)を閉塞させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような形式の流体コンセント(1)では、接続口(11)(12)内にキャップ部(31)(32)を嵌入させることにより、流路の循環は確実に遮断されることとなるから、流路配管(16a)(16b)やコンセント本体(10)内には流体が残存したままで長期間放置されることとなる。このため、特に、寒冷地では、冬季において、流路配管(16a)(16b)やコンセント本体(10)内に残存された前記流体が凍結し、流路配管(16a)(16b)等を破損させてしまう問題がある。
【0010】
本発明は、『流体コンセントの不使用時に、コンセント本体に設けられている流体循環用の一対の接続口に着脱自在に装着されて前記接続口を水密状態に被覆する流体コンセント用保護キャップであって、
前記接続口の各々に水密状態に装着可能な一対のキャップ部と、前記キャップ部各々の基端部に一体的に連結されている連結部材とからなる流体コンセント用保護キャップ』において、前記キャップ部を前記接続口に水密状態に装着させた状態にて、流路配管内で前記流体が凍結しないように、流体コンセントの不使用時においても、流体を循環させることができるようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために講じた発明の解決手段は、『一方の前記キャップ部の突出端から前記連結部材を介して他方の前記キャップ部の突出端に至るまでの範囲に前記流体が流通可能な連通孔が形成され、
前記キャップ部を前記接続口にそれぞれ水密状態に装着させた状態にて、前記接続口内に内蔵されている弁体を開弁させることができるように、前記キャップ部に前記弁体を開弁させる開弁手段を設けたこと』である。
【0012】
プラグ部が引き抜かれた後の流体コンセントの接続口に、保護キャップのキャップ部を各々水密状態に装着させる。すると、前記キャップ部に設けられている開弁手段により、接続口内の弁体が開弁する。これにより、一方の接続口から流れ出る流体は、保護キャップ内を貫通するように形成されている連通孔を通って、他方の接続口へ流れ込む。すなわち、流体は、屋外の加熱機とコンセント本体との間を、前記保護キャップを介して循環することとなる。
【0013】
<2項>
前記1項に詳述した発明において、『前記キャップ部は前記接続口内に嵌入可能な筒体とし、前記筒体の開放端の内径は前記弁体の接続端側の外径よりも小さく設定されており、前記キャップ部を前記接続口に挿入させたとき、前記弁体は前記筒体の開放端で内方へ押されて開弁するように設定されている』ものでは、前記キャップ部を接続口に挿入させるだけで、プラグ部が差し込まれた場合と同様に、接続口内の弁体が開弁し、前記保護キャップを介して流体が循環する。この場合、前記キャップ部の開放端が弁体の開弁手段として機能することとなる。
【0014】
<3項>
前記1項に詳述した発明において、『前記キャップ部は前記接続口内に挿入可能な筒体とし、前記筒体の開放端は前記弁体の接続端側を包囲する大きさに設定されていると共に、前記筒体内には、その軸線に沿って、前記キャップ部を前記接続口に挿入させたときに前記弁体を内方へ押すための軸部が設けられている』ものでは、キャップ部を接続口に挿入させると、キャップ部内の軸部が接続口内の弁体を押すこととなり、前記弁体を開弁させて流路を循環させることができる。この場合、前記軸部が弁体の開弁手段として機能することとなる。
【0015】
<4項>
上記各項に詳述した発明において、『前記接続口が開放する前記コンセント本体の前面に所定深さの係合用孔部が形成されており、
前記連結部材には、前記係合用孔部内の被係合部に取外し自在に係合可能な係合片が前記キャップ部と同方向に突設され、
前記被係合部は、前記係合用孔部内の深さ方向に沿った複数箇所に形成されていると共に、
前記係合片が最深位置の前記被係合部に係合したとき、前記弁体が前記開弁手段によって開弁するように設定されている』ものでは、キャップ部を接続口に水密状態に装着させると、これと同時に、係合片が係合用孔部に係合し、保護キャップはコンセント本体に対して抜け止め状態に取付けられる。前記係合用孔部は、流体コンセントの使用時に、流体プラグのプラグ部突出面に設けられている係合突起を抜け止め状態に係合させるためのものであり、この係合片が係合する被係合部は前記孔部の軸線方向に沿って複数個形成されているから、前記係合片は前記係合用孔部に対して段階的に係合可能となる。そして、最も深い位置に形成されている被係合部に係合片が係合されたとき、前記弁体は前記開弁手段によって開弁させられ、流路は保護キャップを介して循環することとなる。尚、係合用孔部の開放端に近い被係合部に係合片が係合された場合、キャップ部で接続口は水密状態に閉塞されるが、接続口内の弁体は閉弁状態のままであっても良い。尚、前記係合片間には、従来のものの場合と同様に、前記係合片を近接する方向に揺動させるボールチェーンを板バネを介して設けておき、前記係合片の前記被係合部への係合は、前記ボールチェーンを外方へ引っ張ることにより解除可能としても良い。
【0016】
<5項>
上記1項から3項に詳述した発明において、『前記キャップ部は接続口内へ挿入可能に設定されていると共に、前記接続口内への挿入深さは、前記連結部材を貫通し且つ前記コンセント本体に螺合するボルト部材の螺合度合いに応じて調整可能とし、
前記ボルトを最終締付け位置に達するまで締付けた状態にて、前記弁体が開弁手段によって開弁するように設定されている』ものでは、キャップ部を接続口内に挿入させると同時にボルト部材を締付けることにより、保護キャップを流体コンセントのコンセント本体に抜け止め状態に取付けることができる。そして、ボルト部材を最終締付け位置に達するまで締付けたとき、前記弁体はキャップ部によって開弁させることができ、流路を循環させることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、流体コンセントの不使用時に、コンセント本体の接続口に保護キャップを装着させると、接続口からの流体の漏れを防止できると共に、前記流体は屋外の加熱機と流体コンセントとの間を保護キャップを介して循環させることができる。よって、冬季においても流体配管内で前記流体が凍結してしまう不都合がなく、屋外配管の破損等を防止することができる。
【0018】
2項のものでは、上記効果に加えて、キャップ部を接続口に差し込むだけで、循環回路を形成することができるから、流体コンセントの不使用時における循環回路の形成が容易に行えるという効果がある。
【0019】
3項のものでは、上記2項と同様な効果を有する。
【0020】
4項のものでは、係合片の、前記係合用孔部内での係合位置を選択することができ、最深位置にある被係合部に係合させたときに接続口内の弁体が開弁して循環回路が形成されるように設定されているから、保護キャップの機能として、接続口の止水のみとするか、又は、止水と凍結防止の両方を機能させるかを選択することができ、種々の条件に応じた使用法が可能となる。
【0021】
5項の発明のものでは、4項と同様な効果がある上に、保護キャップはネジ止めによりコンセント本体に結合されることとなるから、両者の結合は確実なものとなり、流体コンセントの不使用時に、保護キャップが不用意に外れて漏れを生じさせてしまう不都合がない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本願発明の第1番目の実施の形態の流体コンセント用保護キャップ(2)を装着させた流体コンセント(1)の断面図であり、図1は、前記保護キャップ(2)の装着により接続口の弁体(110)(120)が開放した状態を示しており、図2は、前記保護キャップ(2)を装着させた状態でも前記弁体(110)(120)は閉弁したままの状態を示している。
【0023】
本発明実施の形態の流体コンセント(1)は、流体暖房装置(図示せず)に備えられるものであり、屋外に設置されて流体を加熱する加熱機(図示せず)から延びる流体経路の先端部に装着されると共に、室内側の床面(F)に取り付けられて固定されるものである。
【0024】
上記流体コンセント(1)は、従来のものと同様に、床面(F)に設けた開口(F0)に落とし込んで固定されるケース体(17)内にコンセント本体(10)が収容された構成であり、不使用状態においては、前記ケース体(17)の上方開放部は、化粧板(18)に回動自在に軸支されている被覆板(14)によって開放自在に閉塞される構成となっている。
【0025】
前記被覆板(14)を開放させた状態にて、前記コンセント本体(10)の流路接続口(11)(12)は並列状態で上方に露出する態様となっており、これら接続口(11)(12)の内方端には、これら接続口(11)(12)を含む流路を開閉する為の弁体(110)(120)が各々内蔵されている。
【0026】
又、コンセント本体(1)の上面の接続口(11)(12)の間には、従来のものと同様に、流体プラグのプラグ部の係止突起(図示せず)が係止される所定の深さを有する孔部(13)が上方開放状態に形成されている。
この流体コンセント(1)の不使用時には、接続口(11)(12)からの流体の漏れを防止するために保護キャップ(2)がコンセント本体(10)に装着される。
【0027】
本発明の実施の形態の保護キャップ(2)は、図1及び図2に示すように、一対の筒状のキャップ部(21)(22)と、これらを並列状態に連結させる板状の連結部材(20)と、前記連結部材(20)の中央の、前記キャップ部(21)(22)の間に前記キャップ部(21)(22)と同方向に略並行に突出させている一対の係合片(23)(24)と、前記係合片(23)(24)の間に板バネ(26)を介して取付けられているボールチェーン(5)とを備えた構成であり、キャップ部(21)(22)の胴部外周には、シール性を確保するためのOリング(25)がそれぞれ装着されている。
【0028】
前記一方のキャップ部(21)には、第1通路(41)が形成されており、他方のキャップ部(22)には第2通路(42)が形成されており、これら第1、第2通路(41)(42)は、前記連結部材(20)に形成されている第3通路(40)によって連通されている。すなわち、本発明の実施の形態の保護キャップ(2)には、前記キャップ部材(21)の先端からキャップ部材(22)の先端まで、連結部材(20)を介して連通する、第1、第2、第3通路(41)(42)(40)からなる連通孔(4)が形成された構成となっている。
【0029】
前記連結部材(20)は、前記キャップ部(21)(22)の基端部に一体的に結合されている一定肉厚の小判型の板状体である連結板(20a)と、その上面全域を被覆するカバー板(20b)とからなる。これらの略中央域には、矩形の孔部(27)が両者を貫通するように形成されている。
【0030】
図3は、前記カバー板(20b)を取り外した状態の前記連結板(20a)の平面図である。これに示すように、連結板(20a)の上面には、前記第3通路(40)が、前記第1、第2通路(41)(42)に連通し且つ前記孔部(27)を回避するように、略コ字状に形成されていると共に、前記第3通路(40)を包囲する範囲には、前記第3通路(40)よりも浅い溝部(44)が形成されている。この溝部(44)内には、パッキン(43)が嵌め込まれ(図1参照)、その上方から、図4に示すような、前記カバー板(20b)を被覆させて接着させる。これにより、第3通路(40)とカバー板(20b)との間は、前記パッキン(43)によってシールされることとなる。
尚、図5(a)は、図1の要部中央縦断面図であり、図5(b)は、図2の要部中央縦断面図である。
【0031】
前記係合片(23)(24)は、図1、図2及び図5(a)(b)に示すように、キャップ部(21)(22)の並列方向に対して直角に位置する前記連結部材(20)の中心線上に突設されており、一方の係合片(24)は、前記連結板(20a)の孔部(27)の周縁から垂下するように、前記連結板(20a)に一体的に設けられている。そして、他方の係合片(23)は、前記カバー板(20b)における孔部(27)を閉塞する頂面板(23a)と、前記頂面板(23a)の一端から垂下させられる係止板(23b)とから断面略逆L字状に形成されている。
【0032】
前記係合片(23)は、頂面板(23a)の中央よりもやや他端寄りに、図4に示すような楕円形の孔部(28)が形成されていると共に、前記一端側の前記係止板(23b)に続くコーナ部において、連結部材(20)の前記孔部(27)内に架設させた軸(29)に回動自在に軸支された構成となっている。
【0033】
又、頂面板(23a)の下面の孔部(28)に対応する箇所には、係合片(23)(24)の内面相互を離反させる方向に付勢する略U字状の板バネ(26)の屈曲部が対応しており、この板バネ(26)を介して、ボールチェーン(5)の一端が前記連結部材(20)に抜け止め状態に固定されると共に、前記ボールチェーン(5)は、孔部(28)から外方へ延長する態様となっている。
【0034】
このボールチェーン(5)を外方から引っ張ると、前記板バネ(26)の前記屈曲部が前記頂面板(23a)を下方から押すことにより、前記係止片(23)は、前記軸(29)を回転軸として、前記頂面板(23a)が浮き上がる方向に回動させられることとなる。これに伴って、係止板(23b)の先端部側が、前記板バネ(26)を弾性変形させながら、他方の係止片(24)側に近づく方向に揺動する(図5の(a)の矢印参照)。そして、ボールチェーン(5)の引っ張りを解除すると、前記板バネ(26)の弾性復帰力により、係止片(23)は他方の係止片(24)から離反する方向に揺動し、前記頂面板(23a)の前記一端側が、前記係止片(24)の上端部に当接すると共に前記係止片(23)と略並行に位置する元の姿勢に復帰させられることとなる。
【0035】
尚、前記係止板(23b)の先端部には、係合部(51)が外方に向かって突出するように形成されており、係止片(23)(24)が挿入される流体コンセント(1)の孔部(13)内には、図5(a)(b)に示すように、被係合部(15a)(15b)が深さ方向に2つ並んで形成されている。
【0036】
係止片(23)(24)を前記孔部(13)内に挿入させると、前記係止片(23)は、前記係合突起(51)が被係合部(15a)(15b)に押されることにより、他方の係止片(24)側に揺動しながら差し込まれていくと共に、板バネ(26)の弾性復帰力によって、前記被係合部(15a)(15b)のどちらかにワンウェイ係合することとなる。
【0037】
すなわち、この実施の形態の係合片(23)の係合突起(51)を、前記被係合部(15a)(15b)のどちらかに係合させることにより、保護キャップ(2)のコンセント本体(10)に対する係合位置を二段階に調整することができる。
【0038】
図5の(a)は、係合突起(51)が奥側の被係合部(15a)に係合した状態を示しており、この係合状態が得られるまで、係合片(23)(24)を孔部(13)に差し込むと同時に、キャップ部(21)(22)を接続口(11)(12)に差し込むと、図1に示されているように、接続口(11)(12)内の弁体(110)(120)が、前記キャップ部(21)(22)の先端部分で押されて開弁するように、各部の寸法が設定されているものとする。
【0039】
係合突起(51)が被係合部(15a)に係合されるまで、 流体コンセント(1)に対して保護キャップ(2)を深く差し込んだ状態にて、弁体(110)(120)が開弁し、図1の矢印に示すように、一方の流体配管(16a)からコンセント本体(10)内に供給されてくる流体は、接続口(11)からキャップ部(21)の第1通路(41)、連結部材(20)の第3通路(40)、キャップ部(22)の第2通路(42)を通って、他方の流体配管(16b)へ流れ出ることとなる。言い換えれば、流体コンセント(1)の不使用時においても、屋外に設置されている加熱機と流体コンセント(1)との間は、保護キャップ(2)を介して流体を循環させることができる。よって、寒冷地においても、冬季に配管内の流体が凍結してしまう不都合がない。
【0040】
そして、この接続状態を解除するには、前記したように、ボールチェーン(5)を外方へ引っ張ることにより、係合片(23)を、軸(29)を支点に揺動させて、係合突起(51)の被係合部(15a)(15b)への係合を解除すればよい。
【0041】
又、図5の(b)は、係合突起(51)が孔部(13)の開放端側に形成されている被係合部(15b)に係合させた状態を示しており、この場合、キャップ部(21)(22)はOリング(25)によって接続口(11)(12)へ水密状態に挿入されるが、その挿入深さは、図2に示すように、キャップ部(21)(22)によって、弁体(110)(120)が開弁しない程度に設定されているものとする。
【0042】
すなわち、この場合においては、流体コンセント(1)内に残存する流体は、キャップ部(21)(22)のOリング(25)によって止水されてはいるが、保護キャップ(2)内を循環することはない。よって、凍結の心配のない地域では、係合突起(51)を(15b)に係合させる係合態様で十分であり、接続口(11)(12)からの不用意な漏水を防止できると共にホコリ等の付着も防止することができる。さらに、係合突起(51)が係合しているのは手前側の被係合部(15b)であるから、流体コンセント(1)に対する保護キャップ(2)の脱着が容易である。
【0043】
[他の実施の形態]
図6及び図7に示すものは本発明の第2番目の実施の形態の流体コンセント用保護キャップ(2)をコンセント本体(10)に装着させた状態における接続口(11)(又は(12))と、キャップ部(21)(又は(22))と、弁体(110)(又は(120))との関係を示す断面図であり、図6は、保護キャップ(2)を装着しても弁体(110)(120)は閉じたままの状態を示しており、図7は、保護キャップ(2)の装着に伴って弁体(110)(120)が開弁した状態を示している。但し、図示しないが、この実施の形態のものも、流体コンセント(1)のコンセント本体(10)に対して段階的に接続可能に設定されているものとする。
【0044】
保護キャップ(2)は、上記した第1番目の実施の形態と同様に、キャップ部(21)(22)と連結部材(20)から構成されていると共に、一方のキャップ部(21)の先端から他方のキャップ部(22)の先端まで連結部材(20)を介して連通する連通孔(4)が形成されている構成とするが、キャップ部(21)(22)に形成する連通孔(4)の開放端の内径は、弁体(110)(120)の接続端の外径よりも大きく形成されており、キャップ部(21)(22)を接続口(11)(12)に深く差し込んだ状態においては、連通孔(4)の開放端で前記弁体(110)(120)の接続端側が包囲される構成とする。
【0045】
そこで、前記キャップ部(21)(22)内には、その中心軸に沿って、軸部(45)を前記連結部材(20)から一体的に突設させている。前記軸部(45)の長さは、前記キャップ部(21)(22)の突出長さに略一致させている。
【0046】
この実施の形態における保護キャップ(2)をコンセント本体(10)に対して、キャップ部(21)(22)が接続口(11)(12)に浅く挿入される第1の段階で装着させた場合、図6に示すように、キャップ部(21)(22)の開放端が弁体(110)(120)を包囲すると共に前記軸部(45)の突出端が弁体(110)(120)の接続端に略接触する態様となる。この状態においては、前記接続口(11)(12)はキャップ部(21)(22)に設けられているOリング(25)によって、水密状態に被覆されることとなるが、弁体(110)(120)は閉弁状態のままである。
【0047】
そして、キャップ部(21)(22)が接続口(11)(12)に深く挿入される第2の段階においては、図6に示した状態から、キャップ部(21)(22)が接続口(11)(12)内の奥へ押されることとなり、前記軸部(45)の突出端が弁体(110)(120)を奥へ押圧する。これにより、図7に示すように、弁体(110)(120)は開放させられ、保護キャップ(2)を介する循環回路を形成することができることとなる。
【0048】
保護キャップ(2)をコンセント本体(10)に対して段階的に接続させるための構造としては、前述したような、係止片(23)(24)と、コンセント本体(10)の孔部(13)に設ける被係合部(15a)(15b)との組み合わせのほかに、図8に示すように、連結部材(20)に挿通孔(50)を形成すると共に、キャップ部(21)(22)を接続口(11)(12)に挿入させたときに、前記挿通孔(50)に対応するコンセント本体(10)の面に、ネジ孔(52)を形成し、連結部材(20)とコンセント本体(10)とをボルト(53)によって連結させる構成としても良い。
【0049】
このものでは、ボルト(53)の締付け度合いによって、キャップ部(21)(22)の接続口(11)(12)への挿入深さを所定に設定することができ、ボルト(53)を最終締付け位置に達するまで締付けた状態における前記キャップ部(21)(22)の挿入によって、接続口(11)(12)内の弁体(110)(120)が開弁するように設定しておけば良い。
【0050】
尚、ボルト(53)を用いて、保護キャップ(2)をコンセント本体(10)に接続させる構成としたものでは、ボールチェーン(5)を設ける必要がないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップを装着させると共に弁体を開弁させた状態を示す流体コンセントの断面図。
【図2】本願発明の第1番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップを、弁体を閉じた状態のままで装着させた状態を示す流体コンセントの断面図。
【図3】本願発明の第1番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップの連結板の平面図。
【図4】本願発明の第1番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップのカバー板の平面図。
【図5】本願発明の第1番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップの係止片が流体コンセントの被係合部に係合させた状態を示す断面図であり、(a)は図1の要部中央縦断面図であり、(b)は図2の要部中央縦断面図である。
【図6】本願発明の第2番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップのキャップ部と接続口と閉弁状態にある弁体との関係を示す断面図。
【図7】本願発明の第2番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップのキャップ部と接続口と開弁状態にある弁体との関係を示す断面図。
【図8】他の連結方法による流体コンセント用保護キャップと流体コンセントとの関係を示す断面図。
【図9】従来の流体コンセント用保護キャップの使用状態を示す断面図。
【符号の説明】
(1)・・・・・・流体コンセント
(10)・・・・・・コンセント本体
(11)(12)・・・・接続口
(110)(120)・・・弁体
(2) ・・・・・・保護キャップ
(20)・・・・・・連結部材
(21)(22)・・・・キャップ部
(25)・・・・・・シール部(Oリング)
(4) ・・・・・・連通孔
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体コンセント用保護キャップ、特に、不使用状態にある流体コンセントの接続口を保護する為の流体コンセント用保護キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9に示した流体コンセント(1)は、屋外の加熱機と屋内の放熱機(共に図示せず)との間の流体循環路を途中で着脱自在に接続する為のものであり、屋内の床面(F)に設置される形式のものである。
【0003】
この種流体コンセント(1)は、前記加熱機から延びる一対の室外側流体配管(16a)(16b)の先端に設けられるコンセント本体(10)が、前記床面(F)に設けられた開口部(F0)に嵌め込まれて固定される上方開放のケース体(17)内に収容されているもので、前記コンセント本体(10)には、流体循環路接続の為の一対の接続口(11)(12)が上方に開放するように並設されている。
流体コンセント(1)の不使用時には、前記ケース体(17)の上方開放部は、被覆板(14)によって開放可能に被覆される。
【0004】
この流体コンセント(1)を使用するには、前記被覆板(14)を開放させ、ケース体(17)の開放端から奥まって位置する前記接続口(11)(12)に、放熱機から延びる室内側流体ホース(図示せず)の先端に設けられた流体プラグのプラグ部(図示せず)を接続させる。これにより、前記接続口(11)(12)に内蔵されている弁体(110)(120)及び前記プラグ部に内蔵されている弁体が各々開弁し、流体循環路が接続されることとなる。
【0005】
尚、このコンセント本体(10)における前記接続口(11)(12)間には、前記流体プラグに設けられている係合片を抜け止め状態に係合させるための孔部(13)が上方に開放するように形成されている。
【0006】
流体コンセント(1)の不使用時には、前記プラグ部を流体コンセント(1)から引き抜いて取り外す。これにより、前記弁体(110)(120)は内部に設けられているバネ(18)の復帰力により上方へ押し上げられる方向に付勢されることにより閉弁するため、接続口(11)(12)から流体が漏れることがない。しかしながら、接続口(11)(12)からの不用意な漏れ防止と接続口(11)(12)の保護の為に、接続口(11)(12)の開放端を含むコンセント本体(10)の上端部分には、同図に示すような保護キャップ(3)が装着される。
【0007】
従来のこの種保護キャップ(3)は、接続口(11)(12)各々に取外し可能に嵌入する一対のキャップ部(31)(32)と、これらキャップ部(31)(32)を並列状態に一体的に連結させる連結部材(30)、キャップ部(31)(32)間における連結部材(30)に一体的に並設されると共に前記キャップ部(31)(32)の突出方向と同一方向に突出させた一対の係合片(33)(34)と、前記係合片(33)(34)間に板バネ(35)を介して一端が装着され且つ外方へ引っ張ることにより前記係合片(33)(34)を近接する方向に揺動させて保護キャップ(3)を強制的に取り外すためのボールチェーン(5)とから構成されている。
【0008】
又、前記キャップ部(31)(32)の外周面には、接続口(11)(12)に嵌入させたときに接続口(11)(12)との間の水密を確保する為のOリング(36)が装着されている。接続口(11)(12)にOリング(36)が内嵌状態に収容されるまでキャップ部(31)(32)を押し込むと同時に、係合片(33)(34)は孔部(13)の周縁部に係合させることにより、保護キャップ(3)はコンセント本体(10)の接続口(11)(12)に水密状態に装着される。その後、被覆板(14)を閉塞させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような形式の流体コンセント(1)では、接続口(11)(12)内にキャップ部(31)(32)を嵌入させることにより、流路の循環は確実に遮断されることとなるから、流路配管(16a)(16b)やコンセント本体(10)内には流体が残存したままで長期間放置されることとなる。このため、特に、寒冷地では、冬季において、流路配管(16a)(16b)やコンセント本体(10)内に残存された前記流体が凍結し、流路配管(16a)(16b)等を破損させてしまう問題がある。
【0010】
本発明は、『流体コンセントの不使用時に、コンセント本体に設けられている流体循環用の一対の接続口に着脱自在に装着されて前記接続口を水密状態に被覆する流体コンセント用保護キャップであって、
前記接続口の各々に水密状態に装着可能な一対のキャップ部と、前記キャップ部各々の基端部に一体的に連結されている連結部材とからなる流体コンセント用保護キャップ』において、前記キャップ部を前記接続口に水密状態に装着させた状態にて、流路配管内で前記流体が凍結しないように、流体コンセントの不使用時においても、流体を循環させることができるようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために講じた発明の解決手段は、『一方の前記キャップ部の突出端から前記連結部材を介して他方の前記キャップ部の突出端に至るまでの範囲に前記流体が流通可能な連通孔が形成され、
前記キャップ部を前記接続口にそれぞれ水密状態に装着させた状態にて、前記接続口内に内蔵されている弁体を開弁させることができるように、前記キャップ部に前記弁体を開弁させる開弁手段を設けたこと』である。
【0012】
プラグ部が引き抜かれた後の流体コンセントの接続口に、保護キャップのキャップ部を各々水密状態に装着させる。すると、前記キャップ部に設けられている開弁手段により、接続口内の弁体が開弁する。これにより、一方の接続口から流れ出る流体は、保護キャップ内を貫通するように形成されている連通孔を通って、他方の接続口へ流れ込む。すなわち、流体は、屋外の加熱機とコンセント本体との間を、前記保護キャップを介して循環することとなる。
【0013】
<2項>
前記1項に詳述した発明において、『前記キャップ部は前記接続口内に嵌入可能な筒体とし、前記筒体の開放端の内径は前記弁体の接続端側の外径よりも小さく設定されており、前記キャップ部を前記接続口に挿入させたとき、前記弁体は前記筒体の開放端で内方へ押されて開弁するように設定されている』ものでは、前記キャップ部を接続口に挿入させるだけで、プラグ部が差し込まれた場合と同様に、接続口内の弁体が開弁し、前記保護キャップを介して流体が循環する。この場合、前記キャップ部の開放端が弁体の開弁手段として機能することとなる。
【0014】
<3項>
前記1項に詳述した発明において、『前記キャップ部は前記接続口内に挿入可能な筒体とし、前記筒体の開放端は前記弁体の接続端側を包囲する大きさに設定されていると共に、前記筒体内には、その軸線に沿って、前記キャップ部を前記接続口に挿入させたときに前記弁体を内方へ押すための軸部が設けられている』ものでは、キャップ部を接続口に挿入させると、キャップ部内の軸部が接続口内の弁体を押すこととなり、前記弁体を開弁させて流路を循環させることができる。この場合、前記軸部が弁体の開弁手段として機能することとなる。
【0015】
<4項>
上記各項に詳述した発明において、『前記接続口が開放する前記コンセント本体の前面に所定深さの係合用孔部が形成されており、
前記連結部材には、前記係合用孔部内の被係合部に取外し自在に係合可能な係合片が前記キャップ部と同方向に突設され、
前記被係合部は、前記係合用孔部内の深さ方向に沿った複数箇所に形成されていると共に、
前記係合片が最深位置の前記被係合部に係合したとき、前記弁体が前記開弁手段によって開弁するように設定されている』ものでは、キャップ部を接続口に水密状態に装着させると、これと同時に、係合片が係合用孔部に係合し、保護キャップはコンセント本体に対して抜け止め状態に取付けられる。前記係合用孔部は、流体コンセントの使用時に、流体プラグのプラグ部突出面に設けられている係合突起を抜け止め状態に係合させるためのものであり、この係合片が係合する被係合部は前記孔部の軸線方向に沿って複数個形成されているから、前記係合片は前記係合用孔部に対して段階的に係合可能となる。そして、最も深い位置に形成されている被係合部に係合片が係合されたとき、前記弁体は前記開弁手段によって開弁させられ、流路は保護キャップを介して循環することとなる。尚、係合用孔部の開放端に近い被係合部に係合片が係合された場合、キャップ部で接続口は水密状態に閉塞されるが、接続口内の弁体は閉弁状態のままであっても良い。尚、前記係合片間には、従来のものの場合と同様に、前記係合片を近接する方向に揺動させるボールチェーンを板バネを介して設けておき、前記係合片の前記被係合部への係合は、前記ボールチェーンを外方へ引っ張ることにより解除可能としても良い。
【0016】
<5項>
上記1項から3項に詳述した発明において、『前記キャップ部は接続口内へ挿入可能に設定されていると共に、前記接続口内への挿入深さは、前記連結部材を貫通し且つ前記コンセント本体に螺合するボルト部材の螺合度合いに応じて調整可能とし、
前記ボルトを最終締付け位置に達するまで締付けた状態にて、前記弁体が開弁手段によって開弁するように設定されている』ものでは、キャップ部を接続口内に挿入させると同時にボルト部材を締付けることにより、保護キャップを流体コンセントのコンセント本体に抜け止め状態に取付けることができる。そして、ボルト部材を最終締付け位置に達するまで締付けたとき、前記弁体はキャップ部によって開弁させることができ、流路を循環させることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、流体コンセントの不使用時に、コンセント本体の接続口に保護キャップを装着させると、接続口からの流体の漏れを防止できると共に、前記流体は屋外の加熱機と流体コンセントとの間を保護キャップを介して循環させることができる。よって、冬季においても流体配管内で前記流体が凍結してしまう不都合がなく、屋外配管の破損等を防止することができる。
【0018】
2項のものでは、上記効果に加えて、キャップ部を接続口に差し込むだけで、循環回路を形成することができるから、流体コンセントの不使用時における循環回路の形成が容易に行えるという効果がある。
【0019】
3項のものでは、上記2項と同様な効果を有する。
【0020】
4項のものでは、係合片の、前記係合用孔部内での係合位置を選択することができ、最深位置にある被係合部に係合させたときに接続口内の弁体が開弁して循環回路が形成されるように設定されているから、保護キャップの機能として、接続口の止水のみとするか、又は、止水と凍結防止の両方を機能させるかを選択することができ、種々の条件に応じた使用法が可能となる。
【0021】
5項の発明のものでは、4項と同様な効果がある上に、保護キャップはネジ止めによりコンセント本体に結合されることとなるから、両者の結合は確実なものとなり、流体コンセントの不使用時に、保護キャップが不用意に外れて漏れを生じさせてしまう不都合がない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本願発明の第1番目の実施の形態の流体コンセント用保護キャップ(2)を装着させた流体コンセント(1)の断面図であり、図1は、前記保護キャップ(2)の装着により接続口の弁体(110)(120)が開放した状態を示しており、図2は、前記保護キャップ(2)を装着させた状態でも前記弁体(110)(120)は閉弁したままの状態を示している。
【0023】
本発明実施の形態の流体コンセント(1)は、流体暖房装置(図示せず)に備えられるものであり、屋外に設置されて流体を加熱する加熱機(図示せず)から延びる流体経路の先端部に装着されると共に、室内側の床面(F)に取り付けられて固定されるものである。
【0024】
上記流体コンセント(1)は、従来のものと同様に、床面(F)に設けた開口(F0)に落とし込んで固定されるケース体(17)内にコンセント本体(10)が収容された構成であり、不使用状態においては、前記ケース体(17)の上方開放部は、化粧板(18)に回動自在に軸支されている被覆板(14)によって開放自在に閉塞される構成となっている。
【0025】
前記被覆板(14)を開放させた状態にて、前記コンセント本体(10)の流路接続口(11)(12)は並列状態で上方に露出する態様となっており、これら接続口(11)(12)の内方端には、これら接続口(11)(12)を含む流路を開閉する為の弁体(110)(120)が各々内蔵されている。
【0026】
又、コンセント本体(1)の上面の接続口(11)(12)の間には、従来のものと同様に、流体プラグのプラグ部の係止突起(図示せず)が係止される所定の深さを有する孔部(13)が上方開放状態に形成されている。
この流体コンセント(1)の不使用時には、接続口(11)(12)からの流体の漏れを防止するために保護キャップ(2)がコンセント本体(10)に装着される。
【0027】
本発明の実施の形態の保護キャップ(2)は、図1及び図2に示すように、一対の筒状のキャップ部(21)(22)と、これらを並列状態に連結させる板状の連結部材(20)と、前記連結部材(20)の中央の、前記キャップ部(21)(22)の間に前記キャップ部(21)(22)と同方向に略並行に突出させている一対の係合片(23)(24)と、前記係合片(23)(24)の間に板バネ(26)を介して取付けられているボールチェーン(5)とを備えた構成であり、キャップ部(21)(22)の胴部外周には、シール性を確保するためのOリング(25)がそれぞれ装着されている。
【0028】
前記一方のキャップ部(21)には、第1通路(41)が形成されており、他方のキャップ部(22)には第2通路(42)が形成されており、これら第1、第2通路(41)(42)は、前記連結部材(20)に形成されている第3通路(40)によって連通されている。すなわち、本発明の実施の形態の保護キャップ(2)には、前記キャップ部材(21)の先端からキャップ部材(22)の先端まで、連結部材(20)を介して連通する、第1、第2、第3通路(41)(42)(40)からなる連通孔(4)が形成された構成となっている。
【0029】
前記連結部材(20)は、前記キャップ部(21)(22)の基端部に一体的に結合されている一定肉厚の小判型の板状体である連結板(20a)と、その上面全域を被覆するカバー板(20b)とからなる。これらの略中央域には、矩形の孔部(27)が両者を貫通するように形成されている。
【0030】
図3は、前記カバー板(20b)を取り外した状態の前記連結板(20a)の平面図である。これに示すように、連結板(20a)の上面には、前記第3通路(40)が、前記第1、第2通路(41)(42)に連通し且つ前記孔部(27)を回避するように、略コ字状に形成されていると共に、前記第3通路(40)を包囲する範囲には、前記第3通路(40)よりも浅い溝部(44)が形成されている。この溝部(44)内には、パッキン(43)が嵌め込まれ(図1参照)、その上方から、図4に示すような、前記カバー板(20b)を被覆させて接着させる。これにより、第3通路(40)とカバー板(20b)との間は、前記パッキン(43)によってシールされることとなる。
尚、図5(a)は、図1の要部中央縦断面図であり、図5(b)は、図2の要部中央縦断面図である。
【0031】
前記係合片(23)(24)は、図1、図2及び図5(a)(b)に示すように、キャップ部(21)(22)の並列方向に対して直角に位置する前記連結部材(20)の中心線上に突設されており、一方の係合片(24)は、前記連結板(20a)の孔部(27)の周縁から垂下するように、前記連結板(20a)に一体的に設けられている。そして、他方の係合片(23)は、前記カバー板(20b)における孔部(27)を閉塞する頂面板(23a)と、前記頂面板(23a)の一端から垂下させられる係止板(23b)とから断面略逆L字状に形成されている。
【0032】
前記係合片(23)は、頂面板(23a)の中央よりもやや他端寄りに、図4に示すような楕円形の孔部(28)が形成されていると共に、前記一端側の前記係止板(23b)に続くコーナ部において、連結部材(20)の前記孔部(27)内に架設させた軸(29)に回動自在に軸支された構成となっている。
【0033】
又、頂面板(23a)の下面の孔部(28)に対応する箇所には、係合片(23)(24)の内面相互を離反させる方向に付勢する略U字状の板バネ(26)の屈曲部が対応しており、この板バネ(26)を介して、ボールチェーン(5)の一端が前記連結部材(20)に抜け止め状態に固定されると共に、前記ボールチェーン(5)は、孔部(28)から外方へ延長する態様となっている。
【0034】
このボールチェーン(5)を外方から引っ張ると、前記板バネ(26)の前記屈曲部が前記頂面板(23a)を下方から押すことにより、前記係止片(23)は、前記軸(29)を回転軸として、前記頂面板(23a)が浮き上がる方向に回動させられることとなる。これに伴って、係止板(23b)の先端部側が、前記板バネ(26)を弾性変形させながら、他方の係止片(24)側に近づく方向に揺動する(図5の(a)の矢印参照)。そして、ボールチェーン(5)の引っ張りを解除すると、前記板バネ(26)の弾性復帰力により、係止片(23)は他方の係止片(24)から離反する方向に揺動し、前記頂面板(23a)の前記一端側が、前記係止片(24)の上端部に当接すると共に前記係止片(23)と略並行に位置する元の姿勢に復帰させられることとなる。
【0035】
尚、前記係止板(23b)の先端部には、係合部(51)が外方に向かって突出するように形成されており、係止片(23)(24)が挿入される流体コンセント(1)の孔部(13)内には、図5(a)(b)に示すように、被係合部(15a)(15b)が深さ方向に2つ並んで形成されている。
【0036】
係止片(23)(24)を前記孔部(13)内に挿入させると、前記係止片(23)は、前記係合突起(51)が被係合部(15a)(15b)に押されることにより、他方の係止片(24)側に揺動しながら差し込まれていくと共に、板バネ(26)の弾性復帰力によって、前記被係合部(15a)(15b)のどちらかにワンウェイ係合することとなる。
【0037】
すなわち、この実施の形態の係合片(23)の係合突起(51)を、前記被係合部(15a)(15b)のどちらかに係合させることにより、保護キャップ(2)のコンセント本体(10)に対する係合位置を二段階に調整することができる。
【0038】
図5の(a)は、係合突起(51)が奥側の被係合部(15a)に係合した状態を示しており、この係合状態が得られるまで、係合片(23)(24)を孔部(13)に差し込むと同時に、キャップ部(21)(22)を接続口(11)(12)に差し込むと、図1に示されているように、接続口(11)(12)内の弁体(110)(120)が、前記キャップ部(21)(22)の先端部分で押されて開弁するように、各部の寸法が設定されているものとする。
【0039】
係合突起(51)が被係合部(15a)に係合されるまで、 流体コンセント(1)に対して保護キャップ(2)を深く差し込んだ状態にて、弁体(110)(120)が開弁し、図1の矢印に示すように、一方の流体配管(16a)からコンセント本体(10)内に供給されてくる流体は、接続口(11)からキャップ部(21)の第1通路(41)、連結部材(20)の第3通路(40)、キャップ部(22)の第2通路(42)を通って、他方の流体配管(16b)へ流れ出ることとなる。言い換えれば、流体コンセント(1)の不使用時においても、屋外に設置されている加熱機と流体コンセント(1)との間は、保護キャップ(2)を介して流体を循環させることができる。よって、寒冷地においても、冬季に配管内の流体が凍結してしまう不都合がない。
【0040】
そして、この接続状態を解除するには、前記したように、ボールチェーン(5)を外方へ引っ張ることにより、係合片(23)を、軸(29)を支点に揺動させて、係合突起(51)の被係合部(15a)(15b)への係合を解除すればよい。
【0041】
又、図5の(b)は、係合突起(51)が孔部(13)の開放端側に形成されている被係合部(15b)に係合させた状態を示しており、この場合、キャップ部(21)(22)はOリング(25)によって接続口(11)(12)へ水密状態に挿入されるが、その挿入深さは、図2に示すように、キャップ部(21)(22)によって、弁体(110)(120)が開弁しない程度に設定されているものとする。
【0042】
すなわち、この場合においては、流体コンセント(1)内に残存する流体は、キャップ部(21)(22)のOリング(25)によって止水されてはいるが、保護キャップ(2)内を循環することはない。よって、凍結の心配のない地域では、係合突起(51)を(15b)に係合させる係合態様で十分であり、接続口(11)(12)からの不用意な漏水を防止できると共にホコリ等の付着も防止することができる。さらに、係合突起(51)が係合しているのは手前側の被係合部(15b)であるから、流体コンセント(1)に対する保護キャップ(2)の脱着が容易である。
【0043】
[他の実施の形態]
図6及び図7に示すものは本発明の第2番目の実施の形態の流体コンセント用保護キャップ(2)をコンセント本体(10)に装着させた状態における接続口(11)(又は(12))と、キャップ部(21)(又は(22))と、弁体(110)(又は(120))との関係を示す断面図であり、図6は、保護キャップ(2)を装着しても弁体(110)(120)は閉じたままの状態を示しており、図7は、保護キャップ(2)の装着に伴って弁体(110)(120)が開弁した状態を示している。但し、図示しないが、この実施の形態のものも、流体コンセント(1)のコンセント本体(10)に対して段階的に接続可能に設定されているものとする。
【0044】
保護キャップ(2)は、上記した第1番目の実施の形態と同様に、キャップ部(21)(22)と連結部材(20)から構成されていると共に、一方のキャップ部(21)の先端から他方のキャップ部(22)の先端まで連結部材(20)を介して連通する連通孔(4)が形成されている構成とするが、キャップ部(21)(22)に形成する連通孔(4)の開放端の内径は、弁体(110)(120)の接続端の外径よりも大きく形成されており、キャップ部(21)(22)を接続口(11)(12)に深く差し込んだ状態においては、連通孔(4)の開放端で前記弁体(110)(120)の接続端側が包囲される構成とする。
【0045】
そこで、前記キャップ部(21)(22)内には、その中心軸に沿って、軸部(45)を前記連結部材(20)から一体的に突設させている。前記軸部(45)の長さは、前記キャップ部(21)(22)の突出長さに略一致させている。
【0046】
この実施の形態における保護キャップ(2)をコンセント本体(10)に対して、キャップ部(21)(22)が接続口(11)(12)に浅く挿入される第1の段階で装着させた場合、図6に示すように、キャップ部(21)(22)の開放端が弁体(110)(120)を包囲すると共に前記軸部(45)の突出端が弁体(110)(120)の接続端に略接触する態様となる。この状態においては、前記接続口(11)(12)はキャップ部(21)(22)に設けられているOリング(25)によって、水密状態に被覆されることとなるが、弁体(110)(120)は閉弁状態のままである。
【0047】
そして、キャップ部(21)(22)が接続口(11)(12)に深く挿入される第2の段階においては、図6に示した状態から、キャップ部(21)(22)が接続口(11)(12)内の奥へ押されることとなり、前記軸部(45)の突出端が弁体(110)(120)を奥へ押圧する。これにより、図7に示すように、弁体(110)(120)は開放させられ、保護キャップ(2)を介する循環回路を形成することができることとなる。
【0048】
保護キャップ(2)をコンセント本体(10)に対して段階的に接続させるための構造としては、前述したような、係止片(23)(24)と、コンセント本体(10)の孔部(13)に設ける被係合部(15a)(15b)との組み合わせのほかに、図8に示すように、連結部材(20)に挿通孔(50)を形成すると共に、キャップ部(21)(22)を接続口(11)(12)に挿入させたときに、前記挿通孔(50)に対応するコンセント本体(10)の面に、ネジ孔(52)を形成し、連結部材(20)とコンセント本体(10)とをボルト(53)によって連結させる構成としても良い。
【0049】
このものでは、ボルト(53)の締付け度合いによって、キャップ部(21)(22)の接続口(11)(12)への挿入深さを所定に設定することができ、ボルト(53)を最終締付け位置に達するまで締付けた状態における前記キャップ部(21)(22)の挿入によって、接続口(11)(12)内の弁体(110)(120)が開弁するように設定しておけば良い。
【0050】
尚、ボルト(53)を用いて、保護キャップ(2)をコンセント本体(10)に接続させる構成としたものでは、ボールチェーン(5)を設ける必要がないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップを装着させると共に弁体を開弁させた状態を示す流体コンセントの断面図。
【図2】本願発明の第1番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップを、弁体を閉じた状態のままで装着させた状態を示す流体コンセントの断面図。
【図3】本願発明の第1番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップの連結板の平面図。
【図4】本願発明の第1番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップのカバー板の平面図。
【図5】本願発明の第1番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップの係止片が流体コンセントの被係合部に係合させた状態を示す断面図であり、(a)は図1の要部中央縦断面図であり、(b)は図2の要部中央縦断面図である。
【図6】本願発明の第2番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップのキャップ部と接続口と閉弁状態にある弁体との関係を示す断面図。
【図7】本願発明の第2番目の実施の形態における流体コンセント用保護キャップのキャップ部と接続口と開弁状態にある弁体との関係を示す断面図。
【図8】他の連結方法による流体コンセント用保護キャップと流体コンセントとの関係を示す断面図。
【図9】従来の流体コンセント用保護キャップの使用状態を示す断面図。
【符号の説明】
(1)・・・・・・流体コンセント
(10)・・・・・・コンセント本体
(11)(12)・・・・接続口
(110)(120)・・・弁体
(2) ・・・・・・保護キャップ
(20)・・・・・・連結部材
(21)(22)・・・・キャップ部
(25)・・・・・・シール部(Oリング)
(4) ・・・・・・連通孔
Claims (5)
- 流体コンセントの不使用時に、コンセント本体に設けられている流体循環用の一対の接続口に着脱自在に装着されて前記接続口を水密状態に被覆する流体コンセント用保護キャップであって、
前記接続口の各々に水密状態に装着可能な一対のキャップ部と、前記キャップ部各々の基端部に一体的に連結されている連結部材とからなる流体コンセント用保護キャップにおいて、
一方の前記キャップ部の突出端から前記連結部材を介して他方の前記キャップ部の突出端に至るまでの範囲に前記流体が流通可能な連通孔が形成され、
前記キャップ部を前記接続口にそれぞれ水密状態に装着させた状態にて、前記接続口内に内蔵されている弁体を開弁させることができるように、前記キャップ部に前記弁体を開弁させる開弁手段を設けたことを特徴とする流体コンセント用保護キャップ。 - 請求項1に記載の流体コンセント用保護キャップにおいて、前記キャップ部は前記接続口内に嵌入可能な筒体とし、前記筒体の開放端の内径は前記弁体の接続端側の外径よりも小さく設定されており、前記キャップ部を前記接続口に挿入させたとき、前記弁体は前記筒体の開放端で内方へ押されて開弁するように設定されている流体コンセント用保護キャップ。
- 請求項1に記載の流体コンセント用保護キャップにおいて、前記キャップ部は前記接続口内に挿入可能な筒体とし、前記筒体の開放端は前記弁体の接続端側を包囲する大きさに設定されていると共に、前記筒体内には、その軸線に沿って、前記キャップ部を前記接続口に挿入させたときに前記弁体を内方へ押すための軸部が設けられている流体コンセント用保護キャップ。
- 請求項1から3のいずれかに記載の流体コンセント用保護キャップにおいて、前記接続口が開放する前記コンセント本体の前面に所定深さの係合用孔部が形成されており、
前記連結部材には、前記係合用孔部内の被係合部に取外し自在に係合可能な係合片が前記キャップ部と同方向に突設され、
前記被係合部は、前記係合用孔部内の深さ方向に沿った複数箇所に形成されていると共に、
前記係合片が最深位置の前記被係合部に係合したとき、前記弁体が前記開弁手段によって開弁するように設定されている流体コンセント用保護キャップ。 - 請求項1から3のいずれかに記載の流体コンセント用保護キャップにおいて、
前記キャップ部は接続口内へ挿入可能に設定されていると共に、前記接続口内への挿入深さは、前記連結部材を貫通し且つ前記コンセント本体に螺合するボルト部材の螺合度合いに応じて調整可能とし、
前記ボルトを最終締付け位置に達するまで締付けた状態にて、前記弁体が開弁手段によって開弁するように設定されている流体コンセント用保護キャップ。
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