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JP3582009B2 - 根菜類用育苗ポット - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に非木材系の繊維を主材料とし、苗の育成目的に応じた効用を有する副材料を添加することで、希望する発育状態を得ると共に、環境公害問題をも解決し得る育苗ポットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の育苗ポットは、周知のごとく塩化ビニール等の合成樹脂シートを小型の植木鉢形状に成型したものが最も多用されている。この合成樹脂シート製の育苗ポットは安価であるが、畑地や鉢に植え代える場合に育苗ポットを除去するための手数を要し、又、植え代え時には根部周辺の土を崩して根を損傷し、本植え後の成育に支障を来すのみならず、不要となった育苗ポットを焼却処分するときに環境汚染や公害問題が発生するという欠点があった。この欠点を解消するために合成樹脂シートに代えて農業や林業の分野で発生する廃材を利用した紙状の育苗ポットが提案され、使用される機運にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この様な原材料からなる従来の紙製の育苗ポットは、その特徴としては廃材の利用によるので経済的であり、天然素材であることから使用後に土中に放置されても生分解されるので、合成樹脂シート製の育苗ポットが有していた欠点を解消してはいるが、期待される効果は先述の経済効果と環境問題だけであり、ポットの材料や形状などが植物体の成育に及ぼす影響については何等検討される事なく、植え込まれる苗の性質、根菜か果菜か或いは葉菜か等、植物に対する要求は一切配慮されていないので、要求どおりの苗の十分な育成が期待されないという解決すべき課題を有していた。
【0004】
そこで、本発明に於いては、通称根菜類として認識されている作物の育苗に際して上記課題を解決するために、安価な植物性材料や未利用材料を利用して大量生産を行い、だいこん、じゃがいも、ごぼう、ゆりね等、根菜類として重要な主根、主茎、塊茎等の育成を主眼とすると共に、製品価格が安く、強靭で且つ安全無害であり、その上、廃棄するに際してもそのまま土中に放置しても生分解され、焼却しても有害物質を発生することのない育苗ポットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
該目的を達成するために講じた本発明の手段を、実施例の説明と共通の用語により説明すると、第1発明の根菜類用育苗ポットは、煮沸処理されていない竹繊維と、イネ科植物又はハギ等マメ科植物を煮沸処理した煮沸繊維材料と、非木材植物素材を焙煎処理して炭化させた炭素化植物材料と、少量の尿素とからなる混合材料を成型してなる。
【0006】
又、第2発明の根菜類用育苗ポットは、煮沸処理されていない竹繊維と、イネ科植物又はハギ等マメ科植物を煮沸処理した煮沸繊維材料と、非木材植物素材を焙煎処理して炭化させた炭素化植物材料と、少量の尿素及び2酸化硅素を主成分とする粉末とからなる混合材料を成型してなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記した本発明の根菜類用育苗ポットを実施するには、使用される植物素材は、抗菌性を有する竹の幹、茎、皮、芯等から得た繊維約7重量%〜10重量%と、煮沸繊維材料として葦又はハギの繊維約50重量%〜60重量%と、炭素化植物材料として蕎麦殻、茶殻、油滓、コーヒー滓(すでに焙煎されているので改めて焼く必要はない)等を焼いて(焙煎)炭素化したものを約20重量%〜30重量%とを混合し、これに約15重量%の尿素を混和して成型用の混合材材とする。こうして得た混合材料を、成型温度180℃以上、200℃前後、成型圧力3〜6Kg/cm、成型時間24〜30Sec程度の条件下で成型する。この場合、紙に於けるサイズ剤に相当する結合剤を添加しなくても水素結合により繊維と繊維が結着し、ポットとしての所定の形状を保持する。尚、育苗ポットの成型手段としては、上記のごとく竹の繊維及び煮沸繊維材料、炭素化植物材料を直接に所定形状の金型で加圧加熱してもよいが、これらの素材を水に懸濁させてスラリーとし、漉き網を使って抄造し、プレスする手段としてもよいことは言うまでもない。上記したごとく材料中の竹の繊維は抗菌性を有するので、植えられた苗の側根はポットの側壁に近付くにつれて成長が抑制され、養分は主根のほうに集積されて該主根を主に成長させ、根菜として優れた形質とする作用を有する。
【0008】
又、土中で生分解されるので植え代えに際し、従来の合成樹脂シートの育苗ポットのように除去する必要がないので植え代えの手数を省き得ると共に、生分解するときに炭素化植物材料の炭素と尿素とが反応して窒素を生じ、肥料として作用する。
【0009】
又、上記材料に重量比で2〜5%の2酸化硅素(=SiO)即ち、主として石英の粉末を混合することにより同一種の植物の連作が可能となる。一般に連作を阻害する要因としては、フザリウム菌による土中の水分の腐敗が指摘されているが、混合された2酸化硅素粉末は土中の水分に波動を起こさせて、水分の腐敗を防ぎ連作を阻害する要因を除去する作用を行う。
【0010】
成型された育苗ポットは植木鉢と同様に底面部に排水穴1と、周囲に該排水穴1が閉ざされないようにする突出部3と、空溝4とが設けられる。この様な育苗ポットは、土中に埋没して放置されると生分解によって約2箇月程度で分解する。この期間は、本植された苗の根部が成長して土中に埋設された育苗ポットが、苗の根の成育を阻害し始めるようになるまでの期間に相当する。この期間は植物によって長短があることは言うまでもないが、これに対処する目的で底面部や側壁面部に小貫通穴2を穿設すると、該小貫通穴2がきっかけとなって生分解が早くなる。小貫通穴2の数は通常1個以上12個程度である。又、前記した成型用の混合材料に撥水剤を2%程度混入すると、数か月間生分解を遅らせる事ができる。この撥水剤を混入した育苗ポットは土中での寿命が長いので、球根栽培用、接ぎ木用として有用である。
【0011】
本発明の根菜類用育苗ポットは7%〜25%もの広範囲で水分調整力を有し、周辺の空気中の湿度が高くなると水蒸気を吸着して湿度を下げ、湿度が低くなると吸着した水蒸気を放出して適度な湿度に自動的に調整する作用を有する。従って育苗ポットとして使用時、一時的な外気の乾燥に耐える事ができる。更に、ビニールシート製のポットと比較して、保温性(18℃〜10℃)が優れているので、寒冷地での使用に適している。
【0012】
原材料が今まで利用されずに捨てられていた材料を使用するので、材料費を抑えて製造コストを引き下げることが可能である。その上、使用後に廃棄する場合でも、低温焼却が可能であるから焼却炉を傷めることがなく、ダイオキシンを発生させることもない。更に、そのまま土中に埋没させた場合でも土中の細菌や酵素によって生分解されて肥料となり、土壌の改良に貢献して環境衛生の浄化に寄与することになる。
【0013】
【実施例】
以下本発明の各種の実施例を前記発明の実施の形態欄の記載事項並びに図面に基づいて説明する。図1は第1実施例の外観を示す斜視図、図2、図3、図4は同平面図、正面図、使用状態を示す斜視図である。又、図5、図6は第2実施例の外観を示す斜視図、同平面図、図7、図8は第3実施例の外観を示す斜視図、同平面図である。
【0014】
第1実施例:煮沸されていない竹の繊維約10%と、煮沸した葦とハギの繊維約60%前後と、蕎麦殻又は茶殻等を焙煎して炭素化したものを約30%前後とを混合し、この植物性材料に対し約15重量%の尿素を混和して成型用の混合材材とする。この混合材料を温度200℃、圧力3Kg/cmの条件下で24秒かけて成型する。水素結合により繊維同士が結着し、ポットとしての所定の形状を保持する。第1実施例の育苗ポットは植木鉢の形状を有し、底面部に排水穴1と突出部3と排水穴1に通じる空溝4とが交互に、排水穴1を中心として水平方向放射状に形成されている。又、側面部に8個、底面部の3方向の空溝4に夫々1個づつ計3個、合計11個の小貫通穴2が穿設され、又、1回目の成型では育苗ポットの開口部周辺にバリ状の余白部が残留しているので、2度目の仕上げ成型によって縁切をして余白部を除去すると同時に排水穴1と小貫通穴2とを形成する。本実施例の外観形状を図1〜図3に、又、苗が植えられた使用中の状態を図4に示す。
【0015】
第2実施例:煮沸されていない竹の幹、茎、皮、芯等をチップ状、パウダー状に粉砕して粉パルプとし、当該竹を素材とする粉パルプ約10%と、煮沸した葦の繊維約30%及びハギ(呼称)の繊維約30%と、蕎麦殻を焼いて(焙煎)炭素化したもの約30%とを混合し、水を加えて溶解槽で泥状に解離し懸濁液とする。更に該懸濁液に、懸濁前の植物性材料に対し約5重量%の尿素を混和して成型用の混合材材とする。次にこの混合材料を漉き網で抄造し、温度200℃、圧力3Kg/cmの条件下で30秒かけて成型する。第2実施例の外観を図5の斜視図と図6の平面図に示す。この実施例は小貫通穴2が側面部に12個だけとなっている。又、この実施例は原料素材の種類と成型までの過程が第1実施例とは同一ではないが、本発明の構成要件と作用及び効果とを備えている。
【0016】
第3実施例:この実施例は竹の繊維約10%と、煮沸した葦又はハギ(呼称)の繊維約60%前後と、蕎麦殻又は茶殻等を焼いて(焙煎)炭素化したものを約30%前後とを混合し、これに約5重量%の尿素を混和し、更に石英粉末(SiO)2%を混入して成型用の混合材材とする。又、成型は第1実施例と同一の手段を用いている。図7の斜視図と図8の平面図に第3実施例の外観を示す。小貫通穴2は、側面部に千鳥状に6個、底面部の3方向の突出部3に夫々1個づつ計3個、合計9個である。
【0017】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ、本発明にいう目的を達成し、以下にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【0018】
【発明の効果】
本発明にいう根菜類用育苗ポットは、竹繊維と、煮沸処理した葦又はハギ等の植物繊維材料と、蕎麦殻又は茶殻等を加熱処理して炭化させた炭素化植物材料と、尿素とからなる混合材料、若しくはこれらに2酸化硅素を混入した混合材料を成型してなり、材料中の竹の繊維は抗菌性を有するので、植えられた苗の側根はポットの側壁に近付くにつれて成長が抑制され、養分は主根のほうに集積されて該主根を主体として成長させ、根菜として優れた形質とする効果を有する。
【0019】
又、2酸化硅素粉末を混合した実施例では土中の水分に波動を起こさせて水分の腐敗を防ぎ、連作阻害因子を除去して同一種の植物の連作を可能とする効果を有する。更に広範囲な水分調整力を有し、周辺の空気中の湿度が高くなると水蒸気を吸着して湿度を下げ、湿度が低くなると吸着した水蒸気を放出して適度な湿度に自動的に調整する。従って育苗ポットとして使用された場合、一時的な外気の乾燥に耐える効果がある。また、保温効果を有するので寒冷地での使用に適する。
【0020】
又、主成分が天然の材料からなるので、そのまま土中に埋没させた場合でも土中の細菌や酵素によって生分解されるので本植えのとき育苗ポットを除去する必要がなく、植え代え作業に於いて手数を省き、植え代えに伴う根部の損傷を防ぐ効果をも有する。その上、生分解するとき炭素化植物材料と尿素とが反応して窒素を生じ、肥料として土壌を改良し植物の成育に寄与すると共に、ポット壁に小貫通穴を穿設したり撥水剤を混入したりすることによって生分解までの期間を調節できるので、広範囲の根菜類に適用する事ができる。
【0021】
原材料が今まで利用されずに捨てられていた材料を使用するので、材料費を抑えて製造コストを引き下げることが可能である。その上、使用後に廃棄する場合でも、低温焼却が可能であるから焼却炉を傷めることがなく、ダイオキシンを発生させることもない。従って前記した土中に於ける生分解作用とも相俟って、環境衛生の浄化に貢献するという効果をも有するに至ったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の外形を示す斜視図。
【図2】同、平面図。
【図3】同、正面図。
【図4】同、使用状態を示す説明用の斜視図。
【図5】第2実施例の外形を示す斜視図。
【図6】同、平面図。
【図7】第3実施例の外形を示す斜視図。
【図8】同、平面図。
【符号の説明】
1 排水穴
2 小貫通穴
3 突出部
4 空溝

Claims (4)

  1. 煮沸処理されていない竹繊維と、イネ科植物又はハギ等マメ科植物を煮沸処理した煮沸繊維材料と、非木材植物素材を焙煎処理して炭化させた炭素化植物材料と、少量の尿素とからなる混合材料を成型してなる根菜類用育苗ポット。
  2. 煮沸処理されていない竹繊維と、イネ科植物又はハギ等マメ科植物を煮沸処理した煮沸繊維材料と、非木材植物素材を焙煎処理して炭化させた炭素化植物材料と、少量の尿素及び主成分が2酸化硅素である粉末とからなる混合材料を成型してなる根菜類用育苗ポット。
  3. 育苗ポットの底面部又は側壁面部の一方若しくは両方に少なくとも1個以上の小貫通穴(2)が形成されている請求項1又は2記載の根菜類用育苗ポット。
  4. 前記炭素化植物材料の非木材植物素材が蕎麦殻又は茶殻、油滓、コーヒー滓である請求項1又は2記載の根菜類用育苗ポット。
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