JP3582217B2 - 障害物検知装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化する検出波の反射波により、自動車の前方を走行する先行車両等の物体を検出して障害物を検知する障害物検知装置に関し、特に検出波の各発信タイミング毎に検出される物体の同一化に要する処理負荷を軽減する対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の障害物検知装置としては、例えば特開平3−111785号公報に記載されているものが知られている。このものでは、自車両の前方に水平方向に拡がる所定範囲内をレーダビームの発信方向が所定角速度で往復変化するように発信方向を変更して物体の水平方向の寸法を演算し、その演算結果に基づいて物体を先行車両と認識できるようにすることで、障害物としての検知対象の数を低減して障害物検知に要するCPUの演算処理時間を短縮することができるようになされている。
【0003】
ところで、ICC(インテリジェントオートクルーズ)やCW(衝突警報)を実行させるに当たり、自車両の前方に複数の先行車両が存在している場合には、発信方向の各変更タイミング毎に同一の先行車両であるということを何如に識別するかは大きな問題である。例えば、図12に白抜きの三角形で示す先行車両について、同図(a)に示すように、今回、発信方向が図の左側から右側に扇型に変化する間に検出された角度位置R1 及び検出時刻t1 と、同図(b)に示すように、次回、発信方向が図の右側から左側に変化する間に検出された先行車両の角度位置R8 及び検出時刻t8 とに基づいて、その相対角速度Vを求めようとするとき、人間の場合であれば、次のような処理によって行う。
【0004】
V=(R8 −R1 )/(t8 −t1 )
このとき、人間は視覚による目標の色や形等の総合的な判断に基づいて、(R1 ,t1 )及び(R8 ,t8 )という各データが同一先行車両のものであるという認識をしている。しかし、レーダビームによっては色も形も認識できず、一般には単に角度位置と検出時刻とが判るのみである。
【0005】
では、従来の障害物検知装置では、上記相対角速度はどのようにして求められてきたのかというと、今回、検出された(R1 ,t1 )の先行車両に対して、次回に検出された全ての先行車両を仮に同一目標であると見做し、それらのデータ(R5 ,t5 )〜(R8 ,t8 )を総当りで上記の式により処理し、そのうちで最も小さい速度、すなわち、確率的に最もそれらしいといえる移動距離の最も小さい速度の関係にある先行車両を同一目標と判定(これを、同一化と定義する)するようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような目標物の同一化に要する処理は、検出目標数が多くなると、演算の負荷が大きくなってCPUの演算速度が間に合わなくなることから、障害物データを迅速に処理する上で問題である。
【0007】
上記の対策としては、次回までに各先行車両が移動でき得る位置を予測するようにしておき、その予測位置で次回に検出された先行車両のみを比較対象として同一化処理を行うということが考えられる。
【0008】
だが、上記対策においても、上記予測位置内に複数台の先行車両が検出された場合には、検出された全ての先行車両を比較の対象として総当りで処理しなければならず、依然として上記問題は残る。
【0009】
さらに、レーダビームの発信方向は一定の角速度で変化するものであることから、同じ計測タイミングであっても、各先行車両では検出される時刻には差がある。したがって、検出される位置を十分な精度で予測すること自体が困難であり、そのような精度の不十分な予測位置に基づいた同一化処理では、障害物データを正確に処理するという点では難がある。
【0010】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化する検出波の反射波により、自動車の前方を走行する先行車両等の物体を検出して障害物を検知する障害物検知装置において、新たなアルゴリズムを付与することで、発信方向の各変更タイミング毎に検出される物体の同一化処理を行う際の比較対象を絞り込んで処理負荷を軽減できるようにし、もって、障害物データを迅速にかつ正確に処理できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、今回、レーダビームにより検出された先行車両について、次回に検出されるであろう検出時刻を予測し、その予測検出時刻と実検出時刻との比較に基づいて両先行車両の同一化処理を行うようにすることで、同一化の際の比較対象を絞り込むことができるようにした。
【0012】
具体的には、請求項1の発明では、図1に示すように、検出波を発信する発信部1aと、該検出波の物体からの反射波を受信する受信部1bと、検出波の発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化すべく発信方向を変更する発信方向変更部1cとから構成されていて、所定領域内に存在する物体を検出する物体検出手段1を備え、上記物体検出手段1により検出された物体の所定時間内における変位量及び変位の方向に基づいて障害物を検知するようにした障害物検知装置が前提である。
【0013】
そして、今回、上記物体検出手段1により検出された物体の変位特性(変位量及び変位の方向)と、発信方向の変更特性とに基づき、次回、物体検出手段1により検出される上記物体の予測検出時刻を演算する時刻予測手段2と、この時刻予測手段2により演算された予測検出時刻と、次回、上記物体検出手段1により上記物体が検出されたときの実検出時刻との比較に基づいて、今回、該物体検出手段1により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かを判定する同一判定手段4とを備えるようにする。
【0014】
上記の構成において、物体検出手段1は、検出波を発信してその発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化するように該発信方向を変更させることで、その各変更タイミング毎に物体を検出する。一方、上記物体の変位特性と、発信方向の変更特性とに基づいて、次回、物体検出手段1にて検出されるであろう上記物体の予測検出時刻が、時刻予測手段2により演算される。そして、次回、上記物体検出手段1にて物体が実際に検出されたときに、その実検出時刻と上記予測検出時刻との比較に基づいて、今回、物体検出手段1にて検出された物体と、次回の走査にて検出された物体とが同一であるか否かが、同一判定手段4により判定される。これらにより、同一判定手段4による同一化の比較対象は、上記予測検出時刻のときに検出される物体に絞り込まれるので、比較対象が絞られる分だけ同一化に要する処理負荷は軽減され、よって、障害物データは迅速にかつ高い精度で処理されるようになる。
【0015】
請求項2の発明では、上記請求項1の発明において、今回、物体検出手段1により検出された物体の変位特性に基づいて、次回、該物体検出手段1により検出されるであろう上記物体の予測検出位置を演算する位置予測手段3を備えるようにする。その上で、同一判定手段4は、予測検出時刻と実検出時刻との比較に加え、上記位置予測手段3により演算された予測検出位置と、次回、上記物体検出手段1により上記物体が実際に検出されたときの実検出位置との比較の両方に基づいて、今回、物体検出手段1により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かを判定するように構成されているものとする。
【0016】
上記の構成において、次回に物体検出手段1にて検出されるであろう物体の予測検出時刻が時刻予測手段2により演算される一方、次回に物体検出手段1にてにて検出されるであろう上記物体の予測検出位置が、その物体の変位特性に基づいて位置予測手段3により演算される。そして、次回、物体検出手段1により上記予測検出時刻のときに上記予測検出位置で物体が実際に検出されると、その予測検出時刻及び実検出時刻の比較だけでなく、予測検出位置及び実検出位置の比較に基づいても、今回、物体検出手段1により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かが、同一判定手段4により判定される。
これらにより、同一判定手段4による同一化の比較対象は、上記予測検出時刻のときに検出される物体に絞り込まれた上に、上記予測検出位置で検出される物体にさらに絞り込まれるので、同一化に要する処理負荷はさらに軽減されるようになる。
【0017】
請求項3の発明では、上記請求項1の発明の場合と同じ前提に立ち、今回、物体検出手段1により検出された物体の変位特性(変位量及び変位の方向)と、その物体検出手段1の発信方向の変更特性とに基づいて、次回、物体検出手段1により検出されるであろう上記物体の予測検出時刻を演算する時刻予測手段2と、今回、上記物体検出手段1により検出された物体の変位特性に基づいて、上記時刻予測手段2により演算された予測検出時刻のときに検出されるであろう上記物体の予測検出位置を演算する位置予測手段3と、この位置予測手段3により演算された予測検出位置と、次回、上記物体検出手段1により上記物体が実際に検出されたときの実検出位置との比較に基づいて、今回、物体検出手段1により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かを判定する同一判定手段4とを備えるようにする。
【0018】
上記の構成において、物体検出手段1は、検出波を発信してその発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化するように該発信方向を変更させることで、その各変更タイミング毎に物体を検出する。一方、上記物体の変位特性と、上記物体検出手段1の発信方向の変更特性とに基づいて、先ず、次回に物体検出手段1にて検出されるであろう上記物体の予測検出時刻が、時刻予測手段2により演算される。次いで、今回、上記物体検出手段1により検出された物体の変位特性に基づいて、上記時刻予測手段2により演算された予測検出時刻のときに検出されるであろう上記物体の予測検出位置が、位置予測手段3により演算される。そして、次回、上記物体検出手段1にて物体が実際に検出されたときに、その実検出位置と上記予測検出位置との比較に基づいて、今回、物体検出手段1にて検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かが、同一判定手段4により判定される。
つまり、次回の発信方向の変更タイミングのときに検出されるであろう予測検出位置が、各物体の予測検出時刻に基づいて演算されるので、各物体毎に検出時刻にばらつきがあっても、その検出位置は精度よく予測される。
【0019】
請求項4の発明では、上記請求項3の発明において、同一判定手段4は、予測検出位置と実検出位置との比較に加え、時刻予測手段2により演算された予測検出時刻と、次回、物体検出手段1により物体が検出されたときの実検出時刻との比較に基づいても、今回、該物体検出手段1により検出された物体と、次回のときに検出された物体とが同一であるか否かを判定するように構成されているものとする。
【0020】
上記の構成において、同一判定手段4による同一化の比較対象は、予測検出時刻に基づいて演算された予測位置にある物体に絞り込まれた上に、上記予測検出時刻のときに検出される物体にさらに絞り込まれるので、同一化に要する処理負荷はさらに軽減される。
【0021】
請求項5の発明では、上記請求項1〜4の発明において、時刻予測手段2により演算された予測検出時刻に基づいて、次回、物体検出手段1による物体の所定領域内での検出が可能であるか否かを判定する検出判定手段5と、この検出判定手段5により、次回、物体検出手段1による物体の所定領域内での検出が不能であると判定されたときに、同一判定手段4による同一判定の比較対象から上記物体を除外する管理中止手段6とを備えるようにする。
【0022】
上記の構成において、時刻予測手段2により演算された予測検出時刻に基づいて、検出判定手段5により、次回の物体検出手段1による物体の所定領域内での検出が可能であるか否かが判定される。そして、上記検出判定手段5により、次回の物体検出手段1による物体の所定領域内での検出が不能であると判定されたとき、管理中止手段6により、同一判定手段4での同一化の比較対象から上記物体は除外される。これらにより、次回の物体検出手段1による検出時に所定領域内で検出できないと判定された物体の分だけ、同一化に要する処理負荷は軽減される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る障害物検知装置が備えられた自動車を示し、この自動車の車体の前端部には、自動車の前方に存在する物体としての先行車両を検出する物体検出手段としてのレーダヘッドユニット1が配置されている。このレーダヘッドユニット1は、検出波としてのレーザビームを発信部1aから自動車の前方に向けて発信する一方、その反射波を受信部1bで受信し、このことで、先行車両を検出するようになされている。その際に、上記発信部1aのレーザビームは、発信方向変更部1cにより水平面内において所定角度の扇型状に一定の角速度で往復変化してその発信方向が変更されるようになっている。そして、各変更タイミング毎に、物体の角度及び距離を検出する。
【0024】
また、上記自動車は、レーダヘッドユニット1の検出信号が入力されるコントロールユニットCを備えており、このコントロールユニットCにおいて上記検出信号の処理が行われる。その処理結果は、図3に示すように、ヘッドアップディスプレイ12、警報装置13及び車両制御装置14にそれぞれ入力されるようになされている。そして、自車両の前方に障害物が検知されたときに、そのことがヘッドアップディスプレイ12により進行路の状態と併せてフロントウインドの前方位置に表示されるとともに、警報装置13により警報が発せられる一方、車両制御装置14により各ブレーキ14a,14a,…(図2には左前輪のブレーキ14aのみ示している)が作動して各車輪に制動力を付与するようになされている。また、上記コントロールユニットCには、自車両の車速を検出する車速センサ9、自車両のステアリングハンドルの操舵角を検出する舵角センサ10、及び自車両の発生するヨーレートを検出するヨーレートセンサ11がそれぞれ接続されている。
【0025】
そして、本実施形態では、上記コントロールユニットCには、今回、レーダヘッドユニット1により検出された先行車両の変位量やその変位の方向等の変位特性と、ヘッドユニット1の発信方向の変更特性とに基づいて、今回、ヘッドユニット1により検出されるであろう上記先行車両の予測検出時刻を演算する時刻予測手段としての時刻予測部2と、今回、上記レーダヘッドユニット1により検出された先行車両の変位特性に基づいて、上記時刻予測部2により演算された予測検出時刻のときに検出されるであろう上記先行車両の予測検出位置を演算する位置予測手段としての位置予測部3と、上記時刻予測部2により演算された予測検出時刻と実際に検出されたときの実検出時刻とを比較するとともに、上記位置予測部3により演算された予測検出位置(この例では角度及び距離)と実際に検出されたときの実検出位置とを比較して、今回、検出された先行車両と次回に検出された先行車両とが同一であるか否かを判定する同一判定手段としての同一判定部4とを備えている。また、コントロールユニットCには、上記各センサ9〜11の検出信号に基づいて自車両の進行路を推定する進行路推定部7、及びこの進行路推定部7の出力信号及び上記同一判定部4の処理信号に基づいて障害物を判定する障害物判定部8も備えられている。
【0026】
上記進行路推定部7は、車速センサ9及び舵角センサ10によりそれぞれ検出された自車両の車速V及び舵角φに基づいて自車両の進行路を推定するものであり、具体的には、進行路の曲率半径R1 を、次式を用いて算出することにより行う。
R1 =(1+A・V2 )・LB ・N/φ
但し、A :スタビリティファクタ
N :ステアリングギヤ比
LB :ホイールベース
【0027】
また、上記進行路推定部7は、ヨーレートセンサ11により検出された自車両のヨーレートγと車速Vとに基づいて進行路を推定することもでき、その際の進行路の曲率半径R2 は、次式により算出される。
R2 =V/γ
【0028】
ところで、高速道路等のように曲線道路にカントがある場合には、舵角φは実際の自車両の旋回角度とは一致せず、その舵角φに基づいて推定される自車両の進行路の曲率半径は、実際の曲率半径よりも大きくなる。また、自車両が直進走行しているときでも、ステアリングハンドルは左右に微妙に操舵されるのが一般であることから、そのような舵角φの変化に追従して進行路を推定すると、推定された進行路が実際の進行路と一致しなくなる場合がある。
【0029】
そこで、上記舵角φが所定値よりも小さいときには後者の曲率半径R2 を選択することとし、舵角φが所定値以上であるときには、2つの曲率半径R1 ,R2 のうちの小さい方を選択するようにすることが好ましい。すなわち、カントのある曲線道路上を旋回走行するときには、ステアリングハンドルを大きく操舵しなくても、カントにより自車両が旋回運動を行うことから、自車両に発生するヨーレートγに基づく曲率半径R2 を求めることで進行路は適格に推定される。また、自車両が急激な旋回走行を行うときには、大きな舵角に対応する曲率半径R1 が選択され、一方、自車両が直線走行を行うときには、ステアリングハンドルが僅かに操作されてもヨーレートγは殆ど生じないので、そのヨーレートγに応じた小さな曲率半径R2 が選択されることとなる。
【0030】
ここで、上記時刻予測部2における現検出時刻(t=tm )のときの予測検出時刻(t=tm+1 )の演算方法について説明する。尚、本実施形態では、上記予測検出時刻(tm+1 )のときの予測検出位置(予測距離及び予測角度)を演算する際に、予測検出時刻(tm+1 )から導きだされる予測検出時刻間隔T2 を用いるようにされているので、その予測検出時刻間隔T2 の演算方法についても説明する。
【0031】
先ず、レーザビームの角度θがθ=0からθ=θmax まで変化する順方向の変化時に先行車両を検出した場合について、横軸が時刻tであり、縦軸が角度θである平面座標を示す図4に基づいて説明すると、同図に#1で示すレーザビームの順方向の変化軌跡、#2で示す逆方向(θ=θmax からθ=0に変化する方向)の変化軌跡、及び#3で示す一例としての先行車両の角度位置の変化軌跡は、それぞれ次式(1)〜(3)のようになる。
θ=θB ・t …(1)
θ=−θB ・t+2・θmax …(2)
θ=θT ・t+θk +θT ・(−tm )…(3)
但し、点B(tm+1 ,θk (tm+1 )):先行車両の予測検出座標位置(未知)
点A(tm ,θk (tm )):先行車両の現検出座標位置(既知)
θmax :レーザビームの最大変化角度(固定値)
θB :レーザビームの角速度(固定値)
θT :先行車両の移動角速度(未知)
【0032】
上記の式(2)及び式(3)より、この場合の点Bの予測検出時刻(t=tm+1 )を解くと、
tm+1 =(θT ・tm +2・θmax −θk )/(θB +θT ) …(4)
となる。
【0033】
そして、上記先行車両の移動角速度θT は、図5に示すように、前検出時刻tm−1 及びそのときの前検出角度θk と、現検出時刻tm 及びそのときの現検出角度θk とから得ることができる。尚、同図において、T1 は前検出時刻tm−1 から現検出時刻tm までのデータ検出時刻間隔を示している。
【0034】
さらに、点Aの現検出時刻tm から予測検出時刻tm+1 までの間の予測検出時刻間隔T2 は、
となる。一方、上記の式(1)に(tm ,θk )を代入すると、
θk =θB tm
tm =θk /θB
となる。したがって、上記予測検出時刻間隔T2 は、この場合には、
T2 =2(θmax −θk )/(θT +θB ) …(5)′
と表わすことができる。
【0035】
次に、逆方向の変化で先行車両を検出した場合について説明すると、図6に#1′で示す逆方向の変化軌跡、#2′で示す順方向の変化軌跡、及び#3で示す先行車両の角度位置の変化軌跡は、
θ=−θB ・t+θmax …(6)
θ=θB ・t−θmax …(7)
θ=θT ・t+θk +θT ・(−tm ) …(8)
と表わすことができる。そして、上記の式(7)及び式(8)により、この場合の点Bの予測検出時刻(t=tm+1 )を解くと、
tm+1 =(θT ・tm −θmax −θk )/(θT −θB ) …(9)
となる。
【0036】
さらに、予測検出時刻間隔T2 は、
となる。ここで、上記の式(6)に(tm ,θk )を代入すると、
θk =−θB ・tm +θmax
tm =(θmax −θk )/θB
よって、この場合には、予測検出時刻間隔T2 は、
T2 =2・θk /(θT −θB ) …(10)′
と表わすことができる。
【0037】
また、上記予測位置部3における予測検出位置としての未来予測距離r.p.t及び未来予測角度θ.p.tの演算処理について説明すると、それらは、上記データ検出時刻間隔T1 及び予測検出時刻間隔T2 を利用して、次の式(11)及び式(12)でそれぞれ表わすことができる。
r.p.t=(先行車両の相対速度)×T2 +(先行車両との現距離) …(11)
θ.p.t=(先行車両の角速度)×T2 +(先行車両の現角度) …(12)
【0038】
その際に、レーザヘッドユニット1から出力された検出信号にフィルタをかけてノイズや外乱を除去することで検出距離rk 及び検出角度θk をそれぞれスムージングしてなる平滑距離r.s.t及び平滑角度θ.s.tと、さらにそれをそれぞれ微分してなる平滑距離微分値r.d.t及び平滑角度微分値θ.d.t(距離及び角度の変化速度)とを用い、電波レーダに応用されているαβトラッカを利用することで、さらに高精度な予測を行えるようにしている。
【0039】
上記予測距離r.p.t、検出距離rk 、平滑距離r.s.t、平滑距離微分値r.d.tの関係は、次のようになる。
したがって、上記の式(11)は、
となる。
【0040】
一方、上記予測角度θ.p.t、検出角度θk 、平滑角度θ.s.t、及び平滑角度微分値θ.d.tの関係は、次のようになる。
したがって、上記の式(12)は、
となる。
【0041】
さらに、本実施形態では、上記コントロールユニットCには、上記時刻予測部2により演算された予測検出時刻に基づいて、次回、レーザヘッドユニット1による先行車両の所定領域内での検出が可能であるか否かを判定する検出判定手段としての検出判定部5と、この検出判定部5により、次回、レーザヘッドユニット1による先行車両の所定領域内での検出が不能であると判定されたときに、同一判定部4による同一判定の比較対象から上記先行車両を除外する管理中止手段としての管理中止部6とが備えられている。
【0042】
具体的には、レーダビームの覆域である領域と先行車両との位置関係が、角速度及び相対速度に対して相対的に狭く、次回には領域外に逸脱して検出できなくなると予測されたときには、その先行車両の管理を中止して管理目標数の低減を図り、このことで、処理負荷を軽減できるようになされている。例えば、図7に示す例では、先行車両は、5回目の変更タイミングのときには検出できなくなると予測される。したがって、4回目の発信方向の変化終了時に管理目標外とする。
【0043】
ここで、上記のコントローラユニットCにおいて行われる本実施形態に係る障害物検知の処理を、図8〜図11のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、ステップS1で、レーザユニット1による最大でn組の検出データ(tN1,rN1,θN1),(tN2,rN2,θN2),…(tNk,rNk,θNk)…(tNn,rNn,θNn)を取り込んでN表データを作成する。但し、tNkは検出時刻、rNkは距離、θNkは角度である。ステップS2で、相関を調査する今回の検出データであるM表データ又は上記N表データを状況に応じて更新した後、ステップS3に移る。尚、M表とは、目標想定数分の各々についての実検出時刻tMk及び予測検出時刻t.pMkと、予測距離r.p.t、平滑距離r.s.t及び平滑距離微分r.d.tと、予測角度θ.p.t、平滑角度θ.s.t及び平滑角度微分θ.d.tとからなるデータの集りであり、本処理のスタート直後は、後述のステップS23〜S25で初期化されることとなる。
【0044】
上記ステップS3では、M表データの1つの先行車両の予測検出時刻t.pMkがN表データの何れかの先行車両の実検出時刻tNkに近似しているか否かを判定する。つまり、予測検出時刻t.pMkと実検出時刻tNkとの比較に基づく同一化を行う。判定がYESのときには、次のステップS4に移る一方、NOのときには上記ステップS2に戻る。そして、上記ステップS4で、上記予測検出時刻t.pMkに、より近い実検出時刻tNkを選択した後、ステップS5に移る。
【0045】
上記ステップS5では、ステップS4で選択された先行車両について、予測距離r.p.tが現在距離rk に近似しており、かつ予測角度θ.p.tが現在角度θk に近似しているか否かを判定する。つまり、予測距離r.p.t及び予測角度θ.p.tと現在距離rk 及び現在角度θk との比較に基づく同一化を行う。判定がYESのときには、次のステップS6に移る一方、NOのときには上記ステップS2に戻る。そして、上記ステップS6で、上記予測距離r.p.t及び予測角度θ.p.tに、より近い(rk ,θk )を選択した後、ステップS7に移る。ここで、上記ステップS3及びS5は、同一判定部4を構成している。
【0046】
上記ステップS7では、N表データの(rn ,θn )まで調査が完了したか否かを判定する。判定がYESのときには、次のステップS8に移る一方、NOのときには上記ステップS2に戻って上記の処理をM表データの全ての検出データ毎に繰り返す。そして、上記ステップS8で、相関のあるN表データが在ったか否かを判定し、その判定がYESのときには、図9のステップS9に、またNOのときには、図10のステップS20にそれぞれ移る。
【0047】
上記ステップS9では、M表データの予測角度θ.p.tと、その予測角度θ.p.tに近似しているとして選択されたN表データの現在角度θk と、そのN表データが検出されたときのビーム走査方向とから、データ検出時刻間隔T1 を計算し、その後、ステップS10に移る。
【0048】
上記ステップS10では、N表データの検出距離rk とデータ検出時刻間隔T1 とを用いて、M表データの現在予測距離r.p.t、平滑距離r.s.t及び平滑距離微分値r.d.tをそれぞれ次式(13)〜(15)により演算して書き直し、ステップS11に移る。
r.p.t=r.s.t+r.d.t×T1 …(13)
r.s.t=r.p.t+α(rk −r.p.t) …(14)
r.d.t=r.d.t+β(rk −r.p.t)/T1 …(15)
【0049】
上記ステップS11では、N表データの検出角度θk とデータ検出時刻間隔T1 とを用いて、M表データの現在予測角度θ.p.t、平滑角度θ.s.t及び平滑角度微分値θ.d.tをそれぞれ次式(16)〜(18)により演算して書き直し、その後、ステップS12に移る。
θ.p.t=θ.s.t+θ.d.t×T1 …(16)
θ.s.t=θ.p.t+α(θk −θ.p.t) …(17)
θ.d.t=θ.d.t+β(θk −θ.p.t)/T1 …(18)
【0050】
上記ステップS12では、上記N表データの作成に当たって順方向の走査時に当該先行車両を検出したか否かを判定する。そして、判定がYESのときにはステップS13及びS14に移る一方、NOのとき、つまりレーザビームが逆方向に走査されているときに検出したときにはステップS15及びS16に移る。
【0051】
上記ステップS13では、先に説明した次の式(4)に従って、予測検出時刻としての未来予測検出時刻t.pNkを求め、
t.pNk=(θT ・tNk+2・θmax −θNk)/(θB +θT ) …(4)
次のステップS14では、次式(5)′に従って予測検出時刻間隔T2 を求め、その後、図10のステップS17に移る。
T2 =2(θmax −θk )/(θT +θB ) …(5)′
【0052】
一方、上記ステップS15では、次式(9)により未来予測検出時刻t.pNkを求める。すなわち。上記ステップS13及びS15により、時刻予測部2が構成されている。
【0053】
t.pNk=(θT ・tNk−θmax −θNk)/(θT −θB ) …(9)
そして、次のステップS16では、次式(10)′により予測検出時刻間隔T2 を求めた後にステップS17に移る。
【0054】
T2 =2・θNk/(θT −θB ) …(10)′
【0055】
上記ステップS17では、上記の予測検出時刻間隔T2 が0を超えかつレーザビームの1走査時間TS 未満である(0<T2 <TS )か否かを判定する。このステップS17は、検出判定部5を構成しており、その先行車両が次回のときにも検出の可能な範囲内に存在するか否かを判定する。判定がYESのときにはステップS18及びS19の処理に移る一方、NOのときにはステップS20に移る。
【0056】
先ず、上記ステップS18では、現在平滑距離r.s.t、平滑距離微分値r.d.t及び予測検出時刻間隔T2 を用いて、上述の式(11)′により、未来予測距離r.p.tを演算する。次いで、上記ステップS19では、現在平滑角度θ.s.t、平滑角度微分値θ.d.t及び予測検出時刻間隔T2 を用いて、上述の式(12)′から未来予測角度θ.p.tを演算し、その後、ステップS21に移る。すなわち、これらステップS18及びS19により、位置予測部3が構成されている。
【0057】
一方、上記ステップS20では、該当するM表データの登録を抹消する。つまり、上記ステップS17から移ってきた場合には、予測検出時刻間隔T2 が0<T2 <TS の条件を満たさない先行車両のデータの登録のみを抹消する。このステップS20は管理中止部6を構成している。また、上記ステップS8から移ってきた場合には、M表データの全ての登録をそれぞれ抹消し、次いでステップS21に移る。
【0058】
上記ステップS21では、M表データの全ての相関調査が終了したか否かを判定する。判定がYESのときには、図11のステップS22に移る一方、NOのときには、上記ステップS2に戻る。そして、上記ステップS22では、新規に先行車両を検出したか否かを判定する。判定がYESのときにはステップS23〜S25の処理に移る一方、NOのときには全ての処理を終了する。
【0059】
上記ステップS23〜S25では、M表データの初期化が行われる。すなわち、ステップS23では、全新規先行車両について、その検出時刻tNkをデータとして取り込む。ステップS24では、検出距離rNkに基づき、初期予測距離r.p.t、初期平滑距離r.s.t及び初期平滑距離微分r.d.tの各値をそれぞれ設定する。具体的には、初期予測距離r.p.t及び初期平滑距離r.s.tには、それまでの検出データは存在しないので、仮のデータとして検出距離rNkをそのまま代入する。また、初期平滑距離微分r.d.tには、同じ理由で0を代入する。次いで、ステップS25では、検出角度θNkに基づき、初期予測角度θ.p.t、初期平滑角度θ.s.t及び初期平滑角度微分θ.d.tの各値をそれぞれ設定する。その後、上記ステップS22に戻り、新規検出先行車両が無ければ、全ての処理を終了する。
【0060】
したがって、本実施形態によれば、次回、レーダヘッドユニット1にて検出されるであろう先行車両の予測検出時刻t.pNk(→t.pMk)を時刻予測部2で演算しておき、次回に先行車両が検出されたときに、その実検出時刻tNkとの比較に基づいて、それら両先行車両の同一化を行うようにしたので、同一化の比較対象を、上記予測検出時刻t.pMkのときに検出される先行車両に絞り込んで同一化に要する処理負荷を軽減することができ、よって、障害物データを迅速にかつ正確に処理することができるようになる。
【0061】
加えて、次回、上記レーダヘッドユニット1にて検出されるであろう上記先行車両の予測距離r.p.t及び角度θ.p.tを位置予測部3で演算しておき、次回に先行車両が検出されたときには、実際の距離rNk及び角度θNkとの比較に基づいても、両先行車両の同一化を行うようにしたので、同一化の比較対象を予測検出位置に存在する先行車両にさらに絞り込むことができ、よって、同一化に要する処理負担を一段と軽減することができる。
【0062】
また、上記予測距離r.p.t及び角度θ.p.tを演算する際に、上記予測検出時刻t.pNkから導き出される予測検出時刻間隔T2 を用いるようにしているので、同じ発信方向の変更タイミング時であっても各先行車両毎に検出時刻tNkにばらつきがあるにも拘らず、各先行車両について精度のよい予測距離r.p.t及び角度θ.p.tを求めることができる。
【0063】
さらに、上記予測検出時刻間隔T2 に基づいて、次回のときに先行車両の所定領域内での検出が可能であるか否かを検出判定部5にて判定し、その検出が不能であるときには、上記先行車両の管理を中止するようにしたので、次回のレーダヘッドユニット1による検出時に所定領域内で検出できないと判定された先行車両についての同一判定に要する分の処理負荷を無くすることができ、障害物検知装置の処理負荷の軽減に貢献することができる。
【0064】
尚、上記実施形態では、予測検出時刻と実検出時刻との比較に加え、予測検出位置と実検出位置との比較にも基づいて同一判定を行うようにしているが、予測検出時刻と実検出時刻との比較のみ、または予測検出位置と実検出位置との比較のみに基づいて行うようにしてもよい。
【0065】
さらに、上記実施形態では、レーザビームを水平方向に往復変化させて物体を検出する検知装置について説明したが、発振波はレーザビームに限定されるものではなく、また発信方向の変更の形態も一定の変更特性を有するものであればよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、検出波を発信する発信部と、該検出波の物体からの反射波を受信する受信部と、検出波の発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化すべく発信方向を変更する発信方向変更部とから構成されていて、所定領域内に存在する物体を検出する物体検出手段を備え、上記物体検出手段により検出された物体の所定時間内における変位量及び変位の方向に基づいて障害物を検知するようにした障害物検知装置において、今回、上記物体検出手段により検出された物体の変位特性と物体検出手段の発信方向の変更特性とに基づいて、次回、物体検出手段により検出される上記物体の予測検出時刻を演算する時刻予測手段と、この時刻予測手段により演算された予測検出時刻と次回に上記物体が検出されたときの実検出時刻との比較に基づいて、今回、検出された物体と次回のときに検出された物体とが同一であるか否かを判定する同一判定手段とを備えるようにしたので、同一化の比較対象を、上記予測検出時刻のときに検出される物体に絞り込むことができ、その分だけ同一化に要するCPUの処理負荷を軽減することができる結果、障害物データを迅速にかつ正確に処理することができるようになる。
【0067】
請求項2の発明によれば、今回、上記物体検出手段により検出された物体の変位特性に基づいて、その物体検出手段により次回のときに検出される上記物体の予測検出位置を演算する位置予測手段を備えるようにした上で、上記同一判定手段を、予測検出時刻と実検出時刻との比較に加え、上記位置予測手段により演算された予測検出位置と次回に上記物体が検出されたときの実検出位置との比較の両方に基づいて同一化を行うようにしたので、同一化の比較対象を予測検出位置に存在する物体にさらに絞り込むことができ、よって、同一化に要する処理負担を一段と軽減することができる。
【0068】
請求項3の発明によれば、上記位置予測手段を、上記時刻予測手段により演算された予測検出時刻のときに検出される物体の予測検出位置を演算するように構成し、その予測検出位置と実検出位置との比較に基づいて同一化するようにしたので、次回のときに検出される物体の検出位置を精度よく予測することができ、障害物データの処理を正確化することができる。
【0069】
請求項4の発明によれば、同一判定手段を、予測検出時刻に基づいて演算された予測検出位置と、その実検出位置との比較に加え、上記予測検出時刻と実検出時刻との比較の両方に基づいて同一化するようにしたので、同一化に用する処理負荷を一層軽減することができる。
【0070】
請求項5の発明によれば、上記予測検出時刻に基づいて、次回のときに物体の所定領域内での検出が可能であるか否かを判定する検出判定手段と、この検出判定手段により物体の所定領域内での次回の検出が不能であると判定されたときにその物体の管理を中止する管理中止手段とを備えるようにしたので、次回のときに所定領域内で検出できないと判定された物体についての同一判定に要する分の処理負荷を無くすることができ、障害物検知装置の処理負荷の軽減に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る障害物検知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る障害物検知装置が備えられた自動車を示す斜視図である。
【図3】周辺機器を含む障害物検知装置の全体構成を示すブロック図である。
【図4】順方向のレーザビーム変化時に検出した先行車両の予測検出時刻間隔T2 を説明するための角度−時刻の特性図である。
【図5】前検出時の角度及び時刻と現検出時の角度及び時刻とに基づいて得られる先行車両の角速度及びデータ検出時刻間隔T1 を説明するための角度−時刻の特性図である。
【図6】逆方向のレーザビーム変化時に検出した先行車両の予測検出時刻間隔T2 を説明するための図4相当図である。
【図7】検出領域から逸脱していく先行車両の状態を示す角度−時刻の特性部である。
【図8】障害物検知処理の初段部分を示すフローチャート図である。
【図9】障害物検知処理の2段目の部分を示すフローチャート図である。
【図10】障害物検知処理の3段目の部分を示すフローチャート図である。
【図11】障害物検知処理の終段部分を示すフローチャート図である。
【図12】走査式障害物検知装置における複数台の先行車両のビーム変更毎の変位を示す模式図である。
【符号の説明】
1 レーダヘッドユニット(物体検出手段)
1a 発信部
1b 受信部
1c 発信方向変更部
2 時刻予測部(時刻予測手段)
3 位置予測部(位置予測手段)
4 同一判定部(同一判定手段)
5 検出判定部(検出判定手段)
6 管理中止部(管理中止手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化する検出波の反射波により、自動車の前方を走行する先行車両等の物体を検出して障害物を検知する障害物検知装置に関し、特に検出波の各発信タイミング毎に検出される物体の同一化に要する処理負荷を軽減する対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の障害物検知装置としては、例えば特開平3−111785号公報に記載されているものが知られている。このものでは、自車両の前方に水平方向に拡がる所定範囲内をレーダビームの発信方向が所定角速度で往復変化するように発信方向を変更して物体の水平方向の寸法を演算し、その演算結果に基づいて物体を先行車両と認識できるようにすることで、障害物としての検知対象の数を低減して障害物検知に要するCPUの演算処理時間を短縮することができるようになされている。
【0003】
ところで、ICC(インテリジェントオートクルーズ)やCW(衝突警報)を実行させるに当たり、自車両の前方に複数の先行車両が存在している場合には、発信方向の各変更タイミング毎に同一の先行車両であるということを何如に識別するかは大きな問題である。例えば、図12に白抜きの三角形で示す先行車両について、同図(a)に示すように、今回、発信方向が図の左側から右側に扇型に変化する間に検出された角度位置R1 及び検出時刻t1 と、同図(b)に示すように、次回、発信方向が図の右側から左側に変化する間に検出された先行車両の角度位置R8 及び検出時刻t8 とに基づいて、その相対角速度Vを求めようとするとき、人間の場合であれば、次のような処理によって行う。
【0004】
V=(R8 −R1 )/(t8 −t1 )
このとき、人間は視覚による目標の色や形等の総合的な判断に基づいて、(R1 ,t1 )及び(R8 ,t8 )という各データが同一先行車両のものであるという認識をしている。しかし、レーダビームによっては色も形も認識できず、一般には単に角度位置と検出時刻とが判るのみである。
【0005】
では、従来の障害物検知装置では、上記相対角速度はどのようにして求められてきたのかというと、今回、検出された(R1 ,t1 )の先行車両に対して、次回に検出された全ての先行車両を仮に同一目標であると見做し、それらのデータ(R5 ,t5 )〜(R8 ,t8 )を総当りで上記の式により処理し、そのうちで最も小さい速度、すなわち、確率的に最もそれらしいといえる移動距離の最も小さい速度の関係にある先行車両を同一目標と判定(これを、同一化と定義する)するようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような目標物の同一化に要する処理は、検出目標数が多くなると、演算の負荷が大きくなってCPUの演算速度が間に合わなくなることから、障害物データを迅速に処理する上で問題である。
【0007】
上記の対策としては、次回までに各先行車両が移動でき得る位置を予測するようにしておき、その予測位置で次回に検出された先行車両のみを比較対象として同一化処理を行うということが考えられる。
【0008】
だが、上記対策においても、上記予測位置内に複数台の先行車両が検出された場合には、検出された全ての先行車両を比較の対象として総当りで処理しなければならず、依然として上記問題は残る。
【0009】
さらに、レーダビームの発信方向は一定の角速度で変化するものであることから、同じ計測タイミングであっても、各先行車両では検出される時刻には差がある。したがって、検出される位置を十分な精度で予測すること自体が困難であり、そのような精度の不十分な予測位置に基づいた同一化処理では、障害物データを正確に処理するという点では難がある。
【0010】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化する検出波の反射波により、自動車の前方を走行する先行車両等の物体を検出して障害物を検知する障害物検知装置において、新たなアルゴリズムを付与することで、発信方向の各変更タイミング毎に検出される物体の同一化処理を行う際の比較対象を絞り込んで処理負荷を軽減できるようにし、もって、障害物データを迅速にかつ正確に処理できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、今回、レーダビームにより検出された先行車両について、次回に検出されるであろう検出時刻を予測し、その予測検出時刻と実検出時刻との比較に基づいて両先行車両の同一化処理を行うようにすることで、同一化の際の比較対象を絞り込むことができるようにした。
【0012】
具体的には、請求項1の発明では、図1に示すように、検出波を発信する発信部1aと、該検出波の物体からの反射波を受信する受信部1bと、検出波の発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化すべく発信方向を変更する発信方向変更部1cとから構成されていて、所定領域内に存在する物体を検出する物体検出手段1を備え、上記物体検出手段1により検出された物体の所定時間内における変位量及び変位の方向に基づいて障害物を検知するようにした障害物検知装置が前提である。
【0013】
そして、今回、上記物体検出手段1により検出された物体の変位特性(変位量及び変位の方向)と、発信方向の変更特性とに基づき、次回、物体検出手段1により検出される上記物体の予測検出時刻を演算する時刻予測手段2と、この時刻予測手段2により演算された予測検出時刻と、次回、上記物体検出手段1により上記物体が検出されたときの実検出時刻との比較に基づいて、今回、該物体検出手段1により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かを判定する同一判定手段4とを備えるようにする。
【0014】
上記の構成において、物体検出手段1は、検出波を発信してその発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化するように該発信方向を変更させることで、その各変更タイミング毎に物体を検出する。一方、上記物体の変位特性と、発信方向の変更特性とに基づいて、次回、物体検出手段1にて検出されるであろう上記物体の予測検出時刻が、時刻予測手段2により演算される。そして、次回、上記物体検出手段1にて物体が実際に検出されたときに、その実検出時刻と上記予測検出時刻との比較に基づいて、今回、物体検出手段1にて検出された物体と、次回の走査にて検出された物体とが同一であるか否かが、同一判定手段4により判定される。これらにより、同一判定手段4による同一化の比較対象は、上記予測検出時刻のときに検出される物体に絞り込まれるので、比較対象が絞られる分だけ同一化に要する処理負荷は軽減され、よって、障害物データは迅速にかつ高い精度で処理されるようになる。
【0015】
請求項2の発明では、上記請求項1の発明において、今回、物体検出手段1により検出された物体の変位特性に基づいて、次回、該物体検出手段1により検出されるであろう上記物体の予測検出位置を演算する位置予測手段3を備えるようにする。その上で、同一判定手段4は、予測検出時刻と実検出時刻との比較に加え、上記位置予測手段3により演算された予測検出位置と、次回、上記物体検出手段1により上記物体が実際に検出されたときの実検出位置との比較の両方に基づいて、今回、物体検出手段1により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かを判定するように構成されているものとする。
【0016】
上記の構成において、次回に物体検出手段1にて検出されるであろう物体の予測検出時刻が時刻予測手段2により演算される一方、次回に物体検出手段1にてにて検出されるであろう上記物体の予測検出位置が、その物体の変位特性に基づいて位置予測手段3により演算される。そして、次回、物体検出手段1により上記予測検出時刻のときに上記予測検出位置で物体が実際に検出されると、その予測検出時刻及び実検出時刻の比較だけでなく、予測検出位置及び実検出位置の比較に基づいても、今回、物体検出手段1により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かが、同一判定手段4により判定される。
これらにより、同一判定手段4による同一化の比較対象は、上記予測検出時刻のときに検出される物体に絞り込まれた上に、上記予測検出位置で検出される物体にさらに絞り込まれるので、同一化に要する処理負荷はさらに軽減されるようになる。
【0017】
請求項3の発明では、上記請求項1の発明の場合と同じ前提に立ち、今回、物体検出手段1により検出された物体の変位特性(変位量及び変位の方向)と、その物体検出手段1の発信方向の変更特性とに基づいて、次回、物体検出手段1により検出されるであろう上記物体の予測検出時刻を演算する時刻予測手段2と、今回、上記物体検出手段1により検出された物体の変位特性に基づいて、上記時刻予測手段2により演算された予測検出時刻のときに検出されるであろう上記物体の予測検出位置を演算する位置予測手段3と、この位置予測手段3により演算された予測検出位置と、次回、上記物体検出手段1により上記物体が実際に検出されたときの実検出位置との比較に基づいて、今回、物体検出手段1により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かを判定する同一判定手段4とを備えるようにする。
【0018】
上記の構成において、物体検出手段1は、検出波を発信してその発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化するように該発信方向を変更させることで、その各変更タイミング毎に物体を検出する。一方、上記物体の変位特性と、上記物体検出手段1の発信方向の変更特性とに基づいて、先ず、次回に物体検出手段1にて検出されるであろう上記物体の予測検出時刻が、時刻予測手段2により演算される。次いで、今回、上記物体検出手段1により検出された物体の変位特性に基づいて、上記時刻予測手段2により演算された予測検出時刻のときに検出されるであろう上記物体の予測検出位置が、位置予測手段3により演算される。そして、次回、上記物体検出手段1にて物体が実際に検出されたときに、その実検出位置と上記予測検出位置との比較に基づいて、今回、物体検出手段1にて検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かが、同一判定手段4により判定される。
つまり、次回の発信方向の変更タイミングのときに検出されるであろう予測検出位置が、各物体の予測検出時刻に基づいて演算されるので、各物体毎に検出時刻にばらつきがあっても、その検出位置は精度よく予測される。
【0019】
請求項4の発明では、上記請求項3の発明において、同一判定手段4は、予測検出位置と実検出位置との比較に加え、時刻予測手段2により演算された予測検出時刻と、次回、物体検出手段1により物体が検出されたときの実検出時刻との比較に基づいても、今回、該物体検出手段1により検出された物体と、次回のときに検出された物体とが同一であるか否かを判定するように構成されているものとする。
【0020】
上記の構成において、同一判定手段4による同一化の比較対象は、予測検出時刻に基づいて演算された予測位置にある物体に絞り込まれた上に、上記予測検出時刻のときに検出される物体にさらに絞り込まれるので、同一化に要する処理負荷はさらに軽減される。
【0021】
請求項5の発明では、上記請求項1〜4の発明において、時刻予測手段2により演算された予測検出時刻に基づいて、次回、物体検出手段1による物体の所定領域内での検出が可能であるか否かを判定する検出判定手段5と、この検出判定手段5により、次回、物体検出手段1による物体の所定領域内での検出が不能であると判定されたときに、同一判定手段4による同一判定の比較対象から上記物体を除外する管理中止手段6とを備えるようにする。
【0022】
上記の構成において、時刻予測手段2により演算された予測検出時刻に基づいて、検出判定手段5により、次回の物体検出手段1による物体の所定領域内での検出が可能であるか否かが判定される。そして、上記検出判定手段5により、次回の物体検出手段1による物体の所定領域内での検出が不能であると判定されたとき、管理中止手段6により、同一判定手段4での同一化の比較対象から上記物体は除外される。これらにより、次回の物体検出手段1による検出時に所定領域内で検出できないと判定された物体の分だけ、同一化に要する処理負荷は軽減される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る障害物検知装置が備えられた自動車を示し、この自動車の車体の前端部には、自動車の前方に存在する物体としての先行車両を検出する物体検出手段としてのレーダヘッドユニット1が配置されている。このレーダヘッドユニット1は、検出波としてのレーザビームを発信部1aから自動車の前方に向けて発信する一方、その反射波を受信部1bで受信し、このことで、先行車両を検出するようになされている。その際に、上記発信部1aのレーザビームは、発信方向変更部1cにより水平面内において所定角度の扇型状に一定の角速度で往復変化してその発信方向が変更されるようになっている。そして、各変更タイミング毎に、物体の角度及び距離を検出する。
【0024】
また、上記自動車は、レーダヘッドユニット1の検出信号が入力されるコントロールユニットCを備えており、このコントロールユニットCにおいて上記検出信号の処理が行われる。その処理結果は、図3に示すように、ヘッドアップディスプレイ12、警報装置13及び車両制御装置14にそれぞれ入力されるようになされている。そして、自車両の前方に障害物が検知されたときに、そのことがヘッドアップディスプレイ12により進行路の状態と併せてフロントウインドの前方位置に表示されるとともに、警報装置13により警報が発せられる一方、車両制御装置14により各ブレーキ14a,14a,…(図2には左前輪のブレーキ14aのみ示している)が作動して各車輪に制動力を付与するようになされている。また、上記コントロールユニットCには、自車両の車速を検出する車速センサ9、自車両のステアリングハンドルの操舵角を検出する舵角センサ10、及び自車両の発生するヨーレートを検出するヨーレートセンサ11がそれぞれ接続されている。
【0025】
そして、本実施形態では、上記コントロールユニットCには、今回、レーダヘッドユニット1により検出された先行車両の変位量やその変位の方向等の変位特性と、ヘッドユニット1の発信方向の変更特性とに基づいて、今回、ヘッドユニット1により検出されるであろう上記先行車両の予測検出時刻を演算する時刻予測手段としての時刻予測部2と、今回、上記レーダヘッドユニット1により検出された先行車両の変位特性に基づいて、上記時刻予測部2により演算された予測検出時刻のときに検出されるであろう上記先行車両の予測検出位置を演算する位置予測手段としての位置予測部3と、上記時刻予測部2により演算された予測検出時刻と実際に検出されたときの実検出時刻とを比較するとともに、上記位置予測部3により演算された予測検出位置(この例では角度及び距離)と実際に検出されたときの実検出位置とを比較して、今回、検出された先行車両と次回に検出された先行車両とが同一であるか否かを判定する同一判定手段としての同一判定部4とを備えている。また、コントロールユニットCには、上記各センサ9〜11の検出信号に基づいて自車両の進行路を推定する進行路推定部7、及びこの進行路推定部7の出力信号及び上記同一判定部4の処理信号に基づいて障害物を判定する障害物判定部8も備えられている。
【0026】
上記進行路推定部7は、車速センサ9及び舵角センサ10によりそれぞれ検出された自車両の車速V及び舵角φに基づいて自車両の進行路を推定するものであり、具体的には、進行路の曲率半径R1 を、次式を用いて算出することにより行う。
R1 =(1+A・V2 )・LB ・N/φ
但し、A :スタビリティファクタ
N :ステアリングギヤ比
LB :ホイールベース
【0027】
また、上記進行路推定部7は、ヨーレートセンサ11により検出された自車両のヨーレートγと車速Vとに基づいて進行路を推定することもでき、その際の進行路の曲率半径R2 は、次式により算出される。
R2 =V/γ
【0028】
ところで、高速道路等のように曲線道路にカントがある場合には、舵角φは実際の自車両の旋回角度とは一致せず、その舵角φに基づいて推定される自車両の進行路の曲率半径は、実際の曲率半径よりも大きくなる。また、自車両が直進走行しているときでも、ステアリングハンドルは左右に微妙に操舵されるのが一般であることから、そのような舵角φの変化に追従して進行路を推定すると、推定された進行路が実際の進行路と一致しなくなる場合がある。
【0029】
そこで、上記舵角φが所定値よりも小さいときには後者の曲率半径R2 を選択することとし、舵角φが所定値以上であるときには、2つの曲率半径R1 ,R2 のうちの小さい方を選択するようにすることが好ましい。すなわち、カントのある曲線道路上を旋回走行するときには、ステアリングハンドルを大きく操舵しなくても、カントにより自車両が旋回運動を行うことから、自車両に発生するヨーレートγに基づく曲率半径R2 を求めることで進行路は適格に推定される。また、自車両が急激な旋回走行を行うときには、大きな舵角に対応する曲率半径R1 が選択され、一方、自車両が直線走行を行うときには、ステアリングハンドルが僅かに操作されてもヨーレートγは殆ど生じないので、そのヨーレートγに応じた小さな曲率半径R2 が選択されることとなる。
【0030】
ここで、上記時刻予測部2における現検出時刻(t=tm )のときの予測検出時刻(t=tm+1 )の演算方法について説明する。尚、本実施形態では、上記予測検出時刻(tm+1 )のときの予測検出位置(予測距離及び予測角度)を演算する際に、予測検出時刻(tm+1 )から導きだされる予測検出時刻間隔T2 を用いるようにされているので、その予測検出時刻間隔T2 の演算方法についても説明する。
【0031】
先ず、レーザビームの角度θがθ=0からθ=θmax まで変化する順方向の変化時に先行車両を検出した場合について、横軸が時刻tであり、縦軸が角度θである平面座標を示す図4に基づいて説明すると、同図に#1で示すレーザビームの順方向の変化軌跡、#2で示す逆方向(θ=θmax からθ=0に変化する方向)の変化軌跡、及び#3で示す一例としての先行車両の角度位置の変化軌跡は、それぞれ次式(1)〜(3)のようになる。
θ=θB ・t …(1)
θ=−θB ・t+2・θmax …(2)
θ=θT ・t+θk +θT ・(−tm )…(3)
但し、点B(tm+1 ,θk (tm+1 )):先行車両の予測検出座標位置(未知)
点A(tm ,θk (tm )):先行車両の現検出座標位置(既知)
θmax :レーザビームの最大変化角度(固定値)
θB :レーザビームの角速度(固定値)
θT :先行車両の移動角速度(未知)
【0032】
上記の式(2)及び式(3)より、この場合の点Bの予測検出時刻(t=tm+1 )を解くと、
tm+1 =(θT ・tm +2・θmax −θk )/(θB +θT ) …(4)
となる。
【0033】
そして、上記先行車両の移動角速度θT は、図5に示すように、前検出時刻tm−1 及びそのときの前検出角度θk と、現検出時刻tm 及びそのときの現検出角度θk とから得ることができる。尚、同図において、T1 は前検出時刻tm−1 から現検出時刻tm までのデータ検出時刻間隔を示している。
【0034】
さらに、点Aの現検出時刻tm から予測検出時刻tm+1 までの間の予測検出時刻間隔T2 は、
となる。一方、上記の式(1)に(tm ,θk )を代入すると、
θk =θB tm
tm =θk /θB
となる。したがって、上記予測検出時刻間隔T2 は、この場合には、
T2 =2(θmax −θk )/(θT +θB ) …(5)′
と表わすことができる。
【0035】
次に、逆方向の変化で先行車両を検出した場合について説明すると、図6に#1′で示す逆方向の変化軌跡、#2′で示す順方向の変化軌跡、及び#3で示す先行車両の角度位置の変化軌跡は、
θ=−θB ・t+θmax …(6)
θ=θB ・t−θmax …(7)
θ=θT ・t+θk +θT ・(−tm ) …(8)
と表わすことができる。そして、上記の式(7)及び式(8)により、この場合の点Bの予測検出時刻(t=tm+1 )を解くと、
tm+1 =(θT ・tm −θmax −θk )/(θT −θB ) …(9)
となる。
【0036】
さらに、予測検出時刻間隔T2 は、
となる。ここで、上記の式(6)に(tm ,θk )を代入すると、
θk =−θB ・tm +θmax
tm =(θmax −θk )/θB
よって、この場合には、予測検出時刻間隔T2 は、
T2 =2・θk /(θT −θB ) …(10)′
と表わすことができる。
【0037】
また、上記予測位置部3における予測検出位置としての未来予測距離r.p.t及び未来予測角度θ.p.tの演算処理について説明すると、それらは、上記データ検出時刻間隔T1 及び予測検出時刻間隔T2 を利用して、次の式(11)及び式(12)でそれぞれ表わすことができる。
r.p.t=(先行車両の相対速度)×T2 +(先行車両との現距離) …(11)
θ.p.t=(先行車両の角速度)×T2 +(先行車両の現角度) …(12)
【0038】
その際に、レーザヘッドユニット1から出力された検出信号にフィルタをかけてノイズや外乱を除去することで検出距離rk 及び検出角度θk をそれぞれスムージングしてなる平滑距離r.s.t及び平滑角度θ.s.tと、さらにそれをそれぞれ微分してなる平滑距離微分値r.d.t及び平滑角度微分値θ.d.t(距離及び角度の変化速度)とを用い、電波レーダに応用されているαβトラッカを利用することで、さらに高精度な予測を行えるようにしている。
【0039】
上記予測距離r.p.t、検出距離rk 、平滑距離r.s.t、平滑距離微分値r.d.tの関係は、次のようになる。
したがって、上記の式(11)は、
となる。
【0040】
一方、上記予測角度θ.p.t、検出角度θk 、平滑角度θ.s.t、及び平滑角度微分値θ.d.tの関係は、次のようになる。
したがって、上記の式(12)は、
となる。
【0041】
さらに、本実施形態では、上記コントロールユニットCには、上記時刻予測部2により演算された予測検出時刻に基づいて、次回、レーザヘッドユニット1による先行車両の所定領域内での検出が可能であるか否かを判定する検出判定手段としての検出判定部5と、この検出判定部5により、次回、レーザヘッドユニット1による先行車両の所定領域内での検出が不能であると判定されたときに、同一判定部4による同一判定の比較対象から上記先行車両を除外する管理中止手段としての管理中止部6とが備えられている。
【0042】
具体的には、レーダビームの覆域である領域と先行車両との位置関係が、角速度及び相対速度に対して相対的に狭く、次回には領域外に逸脱して検出できなくなると予測されたときには、その先行車両の管理を中止して管理目標数の低減を図り、このことで、処理負荷を軽減できるようになされている。例えば、図7に示す例では、先行車両は、5回目の変更タイミングのときには検出できなくなると予測される。したがって、4回目の発信方向の変化終了時に管理目標外とする。
【0043】
ここで、上記のコントローラユニットCにおいて行われる本実施形態に係る障害物検知の処理を、図8〜図11のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、ステップS1で、レーザユニット1による最大でn組の検出データ(tN1,rN1,θN1),(tN2,rN2,θN2),…(tNk,rNk,θNk)…(tNn,rNn,θNn)を取り込んでN表データを作成する。但し、tNkは検出時刻、rNkは距離、θNkは角度である。ステップS2で、相関を調査する今回の検出データであるM表データ又は上記N表データを状況に応じて更新した後、ステップS3に移る。尚、M表とは、目標想定数分の各々についての実検出時刻tMk及び予測検出時刻t.pMkと、予測距離r.p.t、平滑距離r.s.t及び平滑距離微分r.d.tと、予測角度θ.p.t、平滑角度θ.s.t及び平滑角度微分θ.d.tとからなるデータの集りであり、本処理のスタート直後は、後述のステップS23〜S25で初期化されることとなる。
【0044】
上記ステップS3では、M表データの1つの先行車両の予測検出時刻t.pMkがN表データの何れかの先行車両の実検出時刻tNkに近似しているか否かを判定する。つまり、予測検出時刻t.pMkと実検出時刻tNkとの比較に基づく同一化を行う。判定がYESのときには、次のステップS4に移る一方、NOのときには上記ステップS2に戻る。そして、上記ステップS4で、上記予測検出時刻t.pMkに、より近い実検出時刻tNkを選択した後、ステップS5に移る。
【0045】
上記ステップS5では、ステップS4で選択された先行車両について、予測距離r.p.tが現在距離rk に近似しており、かつ予測角度θ.p.tが現在角度θk に近似しているか否かを判定する。つまり、予測距離r.p.t及び予測角度θ.p.tと現在距離rk 及び現在角度θk との比較に基づく同一化を行う。判定がYESのときには、次のステップS6に移る一方、NOのときには上記ステップS2に戻る。そして、上記ステップS6で、上記予測距離r.p.t及び予測角度θ.p.tに、より近い(rk ,θk )を選択した後、ステップS7に移る。ここで、上記ステップS3及びS5は、同一判定部4を構成している。
【0046】
上記ステップS7では、N表データの(rn ,θn )まで調査が完了したか否かを判定する。判定がYESのときには、次のステップS8に移る一方、NOのときには上記ステップS2に戻って上記の処理をM表データの全ての検出データ毎に繰り返す。そして、上記ステップS8で、相関のあるN表データが在ったか否かを判定し、その判定がYESのときには、図9のステップS9に、またNOのときには、図10のステップS20にそれぞれ移る。
【0047】
上記ステップS9では、M表データの予測角度θ.p.tと、その予測角度θ.p.tに近似しているとして選択されたN表データの現在角度θk と、そのN表データが検出されたときのビーム走査方向とから、データ検出時刻間隔T1 を計算し、その後、ステップS10に移る。
【0048】
上記ステップS10では、N表データの検出距離rk とデータ検出時刻間隔T1 とを用いて、M表データの現在予測距離r.p.t、平滑距離r.s.t及び平滑距離微分値r.d.tをそれぞれ次式(13)〜(15)により演算して書き直し、ステップS11に移る。
r.p.t=r.s.t+r.d.t×T1 …(13)
r.s.t=r.p.t+α(rk −r.p.t) …(14)
r.d.t=r.d.t+β(rk −r.p.t)/T1 …(15)
【0049】
上記ステップS11では、N表データの検出角度θk とデータ検出時刻間隔T1 とを用いて、M表データの現在予測角度θ.p.t、平滑角度θ.s.t及び平滑角度微分値θ.d.tをそれぞれ次式(16)〜(18)により演算して書き直し、その後、ステップS12に移る。
θ.p.t=θ.s.t+θ.d.t×T1 …(16)
θ.s.t=θ.p.t+α(θk −θ.p.t) …(17)
θ.d.t=θ.d.t+β(θk −θ.p.t)/T1 …(18)
【0050】
上記ステップS12では、上記N表データの作成に当たって順方向の走査時に当該先行車両を検出したか否かを判定する。そして、判定がYESのときにはステップS13及びS14に移る一方、NOのとき、つまりレーザビームが逆方向に走査されているときに検出したときにはステップS15及びS16に移る。
【0051】
上記ステップS13では、先に説明した次の式(4)に従って、予測検出時刻としての未来予測検出時刻t.pNkを求め、
t.pNk=(θT ・tNk+2・θmax −θNk)/(θB +θT ) …(4)
次のステップS14では、次式(5)′に従って予測検出時刻間隔T2 を求め、その後、図10のステップS17に移る。
T2 =2(θmax −θk )/(θT +θB ) …(5)′
【0052】
一方、上記ステップS15では、次式(9)により未来予測検出時刻t.pNkを求める。すなわち。上記ステップS13及びS15により、時刻予測部2が構成されている。
【0053】
t.pNk=(θT ・tNk−θmax −θNk)/(θT −θB ) …(9)
そして、次のステップS16では、次式(10)′により予測検出時刻間隔T2 を求めた後にステップS17に移る。
【0054】
T2 =2・θNk/(θT −θB ) …(10)′
【0055】
上記ステップS17では、上記の予測検出時刻間隔T2 が0を超えかつレーザビームの1走査時間TS 未満である(0<T2 <TS )か否かを判定する。このステップS17は、検出判定部5を構成しており、その先行車両が次回のときにも検出の可能な範囲内に存在するか否かを判定する。判定がYESのときにはステップS18及びS19の処理に移る一方、NOのときにはステップS20に移る。
【0056】
先ず、上記ステップS18では、現在平滑距離r.s.t、平滑距離微分値r.d.t及び予測検出時刻間隔T2 を用いて、上述の式(11)′により、未来予測距離r.p.tを演算する。次いで、上記ステップS19では、現在平滑角度θ.s.t、平滑角度微分値θ.d.t及び予測検出時刻間隔T2 を用いて、上述の式(12)′から未来予測角度θ.p.tを演算し、その後、ステップS21に移る。すなわち、これらステップS18及びS19により、位置予測部3が構成されている。
【0057】
一方、上記ステップS20では、該当するM表データの登録を抹消する。つまり、上記ステップS17から移ってきた場合には、予測検出時刻間隔T2 が0<T2 <TS の条件を満たさない先行車両のデータの登録のみを抹消する。このステップS20は管理中止部6を構成している。また、上記ステップS8から移ってきた場合には、M表データの全ての登録をそれぞれ抹消し、次いでステップS21に移る。
【0058】
上記ステップS21では、M表データの全ての相関調査が終了したか否かを判定する。判定がYESのときには、図11のステップS22に移る一方、NOのときには、上記ステップS2に戻る。そして、上記ステップS22では、新規に先行車両を検出したか否かを判定する。判定がYESのときにはステップS23〜S25の処理に移る一方、NOのときには全ての処理を終了する。
【0059】
上記ステップS23〜S25では、M表データの初期化が行われる。すなわち、ステップS23では、全新規先行車両について、その検出時刻tNkをデータとして取り込む。ステップS24では、検出距離rNkに基づき、初期予測距離r.p.t、初期平滑距離r.s.t及び初期平滑距離微分r.d.tの各値をそれぞれ設定する。具体的には、初期予測距離r.p.t及び初期平滑距離r.s.tには、それまでの検出データは存在しないので、仮のデータとして検出距離rNkをそのまま代入する。また、初期平滑距離微分r.d.tには、同じ理由で0を代入する。次いで、ステップS25では、検出角度θNkに基づき、初期予測角度θ.p.t、初期平滑角度θ.s.t及び初期平滑角度微分θ.d.tの各値をそれぞれ設定する。その後、上記ステップS22に戻り、新規検出先行車両が無ければ、全ての処理を終了する。
【0060】
したがって、本実施形態によれば、次回、レーダヘッドユニット1にて検出されるであろう先行車両の予測検出時刻t.pNk(→t.pMk)を時刻予測部2で演算しておき、次回に先行車両が検出されたときに、その実検出時刻tNkとの比較に基づいて、それら両先行車両の同一化を行うようにしたので、同一化の比較対象を、上記予測検出時刻t.pMkのときに検出される先行車両に絞り込んで同一化に要する処理負荷を軽減することができ、よって、障害物データを迅速にかつ正確に処理することができるようになる。
【0061】
加えて、次回、上記レーダヘッドユニット1にて検出されるであろう上記先行車両の予測距離r.p.t及び角度θ.p.tを位置予測部3で演算しておき、次回に先行車両が検出されたときには、実際の距離rNk及び角度θNkとの比較に基づいても、両先行車両の同一化を行うようにしたので、同一化の比較対象を予測検出位置に存在する先行車両にさらに絞り込むことができ、よって、同一化に要する処理負担を一段と軽減することができる。
【0062】
また、上記予測距離r.p.t及び角度θ.p.tを演算する際に、上記予測検出時刻t.pNkから導き出される予測検出時刻間隔T2 を用いるようにしているので、同じ発信方向の変更タイミング時であっても各先行車両毎に検出時刻tNkにばらつきがあるにも拘らず、各先行車両について精度のよい予測距離r.p.t及び角度θ.p.tを求めることができる。
【0063】
さらに、上記予測検出時刻間隔T2 に基づいて、次回のときに先行車両の所定領域内での検出が可能であるか否かを検出判定部5にて判定し、その検出が不能であるときには、上記先行車両の管理を中止するようにしたので、次回のレーダヘッドユニット1による検出時に所定領域内で検出できないと判定された先行車両についての同一判定に要する分の処理負荷を無くすることができ、障害物検知装置の処理負荷の軽減に貢献することができる。
【0064】
尚、上記実施形態では、予測検出時刻と実検出時刻との比較に加え、予測検出位置と実検出位置との比較にも基づいて同一判定を行うようにしているが、予測検出時刻と実検出時刻との比較のみ、または予測検出位置と実検出位置との比較のみに基づいて行うようにしてもよい。
【0065】
さらに、上記実施形態では、レーザビームを水平方向に往復変化させて物体を検出する検知装置について説明したが、発振波はレーザビームに限定されるものではなく、また発信方向の変更の形態も一定の変更特性を有するものであればよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、検出波を発信する発信部と、該検出波の物体からの反射波を受信する受信部と、検出波の発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化すべく発信方向を変更する発信方向変更部とから構成されていて、所定領域内に存在する物体を検出する物体検出手段を備え、上記物体検出手段により検出された物体の所定時間内における変位量及び変位の方向に基づいて障害物を検知するようにした障害物検知装置において、今回、上記物体検出手段により検出された物体の変位特性と物体検出手段の発信方向の変更特性とに基づいて、次回、物体検出手段により検出される上記物体の予測検出時刻を演算する時刻予測手段と、この時刻予測手段により演算された予測検出時刻と次回に上記物体が検出されたときの実検出時刻との比較に基づいて、今回、検出された物体と次回のときに検出された物体とが同一であるか否かを判定する同一判定手段とを備えるようにしたので、同一化の比較対象を、上記予測検出時刻のときに検出される物体に絞り込むことができ、その分だけ同一化に要するCPUの処理負荷を軽減することができる結果、障害物データを迅速にかつ正確に処理することができるようになる。
【0067】
請求項2の発明によれば、今回、上記物体検出手段により検出された物体の変位特性に基づいて、その物体検出手段により次回のときに検出される上記物体の予測検出位置を演算する位置予測手段を備えるようにした上で、上記同一判定手段を、予測検出時刻と実検出時刻との比較に加え、上記位置予測手段により演算された予測検出位置と次回に上記物体が検出されたときの実検出位置との比較の両方に基づいて同一化を行うようにしたので、同一化の比較対象を予測検出位置に存在する物体にさらに絞り込むことができ、よって、同一化に要する処理負担を一段と軽減することができる。
【0068】
請求項3の発明によれば、上記位置予測手段を、上記時刻予測手段により演算された予測検出時刻のときに検出される物体の予測検出位置を演算するように構成し、その予測検出位置と実検出位置との比較に基づいて同一化するようにしたので、次回のときに検出される物体の検出位置を精度よく予測することができ、障害物データの処理を正確化することができる。
【0069】
請求項4の発明によれば、同一判定手段を、予測検出時刻に基づいて演算された予測検出位置と、その実検出位置との比較に加え、上記予測検出時刻と実検出時刻との比較の両方に基づいて同一化するようにしたので、同一化に用する処理負荷を一層軽減することができる。
【0070】
請求項5の発明によれば、上記予測検出時刻に基づいて、次回のときに物体の所定領域内での検出が可能であるか否かを判定する検出判定手段と、この検出判定手段により物体の所定領域内での次回の検出が不能であると判定されたときにその物体の管理を中止する管理中止手段とを備えるようにしたので、次回のときに所定領域内で検出できないと判定された物体についての同一判定に要する分の処理負荷を無くすることができ、障害物検知装置の処理負荷の軽減に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る障害物検知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る障害物検知装置が備えられた自動車を示す斜視図である。
【図3】周辺機器を含む障害物検知装置の全体構成を示すブロック図である。
【図4】順方向のレーザビーム変化時に検出した先行車両の予測検出時刻間隔T2 を説明するための角度−時刻の特性図である。
【図5】前検出時の角度及び時刻と現検出時の角度及び時刻とに基づいて得られる先行車両の角速度及びデータ検出時刻間隔T1 を説明するための角度−時刻の特性図である。
【図6】逆方向のレーザビーム変化時に検出した先行車両の予測検出時刻間隔T2 を説明するための図4相当図である。
【図7】検出領域から逸脱していく先行車両の状態を示す角度−時刻の特性部である。
【図8】障害物検知処理の初段部分を示すフローチャート図である。
【図9】障害物検知処理の2段目の部分を示すフローチャート図である。
【図10】障害物検知処理の3段目の部分を示すフローチャート図である。
【図11】障害物検知処理の終段部分を示すフローチャート図である。
【図12】走査式障害物検知装置における複数台の先行車両のビーム変更毎の変位を示す模式図である。
【符号の説明】
1 レーダヘッドユニット(物体検出手段)
1a 発信部
1b 受信部
1c 発信方向変更部
2 時刻予測部(時刻予測手段)
3 位置予測部(位置予測手段)
4 同一判定部(同一判定手段)
5 検出判定部(検出判定手段)
6 管理中止部(管理中止手段)
Claims (5)
- 検出波を発信する発信部と、該検出波の物体からの反射波を受信する受信部と、検出波の発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化すべく発信方向を変更する発信方向変更部とから構成されていて、所定領域内に存在する物体を検出する物体検出手段を備え、上記物体検出手段により検出された物体の所定時間内における変位量及び変位の方向に基づいて障害物を検知するようにした障害物検知装置において、
今回、上記物体検出手段により検出された物体の変位特性と、発信方向の変更特性とに基づき、次回、物体検出手段により検出される上記物体の予測検出時刻を演算する時刻予測手段と、
上記時刻予測手段により演算された予測検出時刻と、次回、上記物体検出手段により上記物体が検出されたときの実検出時刻との比較に基づき、今回、該物体検出手段により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かを判定する同一判定手段とを備えている
ことを特徴とする障害物検知装置。 - 請求項1記載の障害物検知装置において、
今回、物体検出手段により検出された物体の変位特性に基づき、次回、該物体検出手段により検出される上記物体の予測検出位置を演算する位置予測手段を備え、
同一判定手段は、予測検出時刻と実検出時刻との比較に基づくことに加え、上記位置予測手段により演算された予測検出位置と、次回、上記物体検出手段により上記物体が検出されたときの実検出位置との比較に基づき、今回、該物体検出手段により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かを判定するように構成されている
ことを特徴とする障害物検知装置。 - 検出波を発信する発信部と、該検出波の物体からの反射波を受信する受信部と、検出波の発信方向が所定範囲内を所定角速度で変化すべく発信方向を変更する発信方向変更部とから構成されていて、所定領域内に存在する物体を検出する物体検出手段を備え、上記物体検出手段により検出された物体の所定時間内における変位量及び変位の方向に基づいて障害物を検知するようにした障害物検知装置において、
今回、上記物体検出手段により検出された物体の変位特性と、発信方向の変更特性とに基づき、次回、物体検出手段により検出される上記物体の予測検出時刻を演算する時刻予測手段と、
今回、上記物体検出手段により検出された物体の変位特性に基づき、上記時刻予測手段により演算された予測検出時刻のときに検出される上記物体の予測検出位置を演算する位置予測手段と、
上記位置予測手段により演算された予測検出位置と、次回、上記物体検出手段により上記物体が検出されたときの実検出位置との比較に基づき、今回、該物体検出手段により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かを判定する同一判定手段とを備えている
ことを特徴とする障害物検知装置。 - 請求項3記載の障害物検知装置において、
同一判定手段は、予測検出位置と実検出位置との比較に基づくことに加え、時刻予測手段により演算された予測検出時刻と、次回、物体検出手段により物体が検出されたときの実検出時刻との比較に基づき、今回、該物体検出手段により検出された物体と、次回に検出された物体とが同一であるか否かを判定するように構成されている
ことを特徴とする障害物検知装置。 - 請求項1,2,3又は4記載の障害物検知装置において、
時刻予測手段により演算された予測検出時刻に基づき、次回、物体検出手段による物体の所定領域内での検出が可能であるか否かを判定する検出判定手段と、
上記検出判定手段により次回物体検出手段による物体の所定領域内での検出が不能であると判定されたときに、同一判定手段による同一判定の比較対象から上記物体を除外する管理中止手段とを備えている
ことを特徴とする障害物検知装置。
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