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JP3583589B2 - シート形電池 - Google Patents
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JP3583589B2 - シート形電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電要素が熱融着シール用フィルム内に収納された構造のシート形電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の発達にともない、小型で軽量、かつエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電が可能な非水電解液二次電池の開発が要望されている。このような二次電池としては、リチウムまたはリチウム合金を活物質とする負極と、モリブデン、バナジウム、チタンあるいはニオブなどの酸化物、硫化物もしくはセレン化物を活物質として含む懸濁液が塗布された集電体からなる正極と非水電解液を具備したリチウム二次電池が知られている。
【0003】
また、最近では負極に例えばコークス、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成体、熱分解気相炭素のようなリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を含むものを用い、正極としてリチウムコバルト酸化物やリチウムマンガン酸化物を含むものを用いるリチウムイオン二次電池の開発、商品化が活発に行われている。
【0004】
これら非水電解液二次電池の形態は、当初、コイン形や、円筒形が主流であったが、用途の多様化に伴い角形や長円形等の体積効率の優れた形態を有するものの要求が高まっている。また、さらなる軽量化及び小型化を目的として、発電要素を収納する容器を従来の金属製外装缶からフィルム材料に変更することが検討されている。
【0005】
このフィルム材料としては、フィルムの内外で水蒸気及び酸素等の気体の交換が行われないよう中心にアルミニウム箔等の金属箔が配置され、最外層としてポリエチレンテレフタレート等の前記金属箔を物理的衝撃から保護するための樹脂層が、最内層としてアイオノマー等の熱融着性樹脂層が設けられた複合フィルム(ラミネートフィルム)が一般的に用いられている。前記複合フィルムを用いた電池の封止は、まず、2枚の複合フィルムの間に発電要素となる内容物を前記発電要素と前記最内層が接するように配置し、前記2枚のフィルムの4辺を加熱圧着し、フィルム周縁の最内層同士を接着することにより行われる。このように発電要素をフィルム材料で密封することにより、電池の薄形化及び軽量化を図れる。
【0006】
前述のようなフィルム材で封止する構造の電池において、電池の気密性を従来の金属外装缶を用いたものと同程度にするためには、融着部の面積をある程度大きくする必要がある。
【0007】
しかしながら、融着部を広くすると、融着部の大きさ分二次電池の外形が大きくなるため、大きさの割に電池容量が低く、単位体積当たりのエネルギー効率が低くなるという問題点が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高い気密性を維持しつつ、単位体積当たりのエネルギー効率が向上されたシート形電池を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、シート状の正極シート状の負極前記正極と電気的に接続された正極リード前記負極と電気的に接続された負極リード、及び非水電解液を含む素電池と、
前記素電池が収納されるラミネートフィルム製容器と
を具備し、
前記ラミネートフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)層/アルミニウム箔層/ポリエチレン層/アイオノマー樹脂層がこの順番に積層されたものであり、
前記容器は、前記素電池を前記ラミネートフィルムで前記アイオノマー樹脂層が最内層となり、かつ前記正極リードおよび前記負極リードの先端が外部に突出するように被覆し、その開口している三辺の前記最内層間を熱融着で封止したものであり、
前記三辺の熱融着部のうち長手方向に沿う両端部が前記容器の一方の面に折り返されて接着テープで固定され、
前記正極リードおよび前記負極リードは、残りの熱融着部から突出していることを特徴とするシート形電池が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るシート形電池を図1〜8に示すシート形ポリマー電解質二次電池(a) 〜(c) を例にして説明する。
(1)ポリマー電解質二次電池(a)
図1は本発明に係るシート形電池の一例(シート形ポリマー電解質二次電池)を示す断面図、図2は図1の二次電池の要部を示す斜視図、図3は図1の二次電池における熱融着部を折り返す前の状態を示す上面図、図4は図1の二次電池を示す上面図である。
【0011】
ポリマー電解質二次電池(a) は、図1に示すように、素電池1を備える。前記素電池1は、負極層2が銅製エキスパンドメタルのような網状集電体3の両面に担持された構造を有する負極4を備える。2枚の正極5は、前記負極4の両面に配置されている。各正極5は、活物質を含む正極層6がアルミニウム製エキスパンドメタルのような網状集電体7の両面に担持された構造を有する。固体電解質層8は、前記正極5と前記負極4の間に介在されている。前記各正極5の集電体7は、図1の手前側に位置する部分に帯状の正極端子9を有する。また、前記負極4の集電体3は、前記正極端子9と重ならないような位置(例えば、図1の奥側に位置する部分)に帯状の負極端子10を有する。前記2枚の正極端子9は、帯状の正極リード11に溶接によって固定されている。一方、前記負極端子10は、帯状の負極リード12(後述する図3及び図4に示す)に溶接によって固定されている。
【0012】
このような素電池は、横方向に沿って二つ折りにされた熱融着シール用フィルム13内に前記正極リード11及び前記負極リード12の先端がフィルムの一端から突出した状態で収納されている。前記フィルムの折り曲げ端部(閉じられた端部)は、前記正極リード11及び前記負極リード12が突出している端部と対向している。前記フィルム13の開口している3辺は、図1、2に示すように、熱融着により張り合わせられている。前記熱融着部は、2つのリードの先端が突出している端部を除き、同一方向(例えば、フィルム13の上面)に折り返され、接着テープのような接着剤15で固定されている。
【0013】
このようなシート形ポリマー電解質二次電池(a) は、例えば、以下に説明する方法により製造される。まず、図3に示すように、矩形の熱融着シール用フィルム13を横方向に沿って二つ折りし、このフィルム13で前述した構造の素電池を前記正極リード11及び前記負極リード12の先端が外部に突出するように被覆する。この時、フィルム13の折り返し端部をリードが突出している端部と対向させる。前記フィルム13の開口している3つの端部を熱融着により張り合わせる。熱融着部14(図3の斜線で示す領域)のうち、長手方向に沿う端部を矢印から折り返し、接着テープで前記フィルム13の上面に固定することにより前述した図1,2及び図4に示すようなシート形ポリマー電解質二次電池(a) を製造する。
【0014】
前記熱融着シール用フィルムとしては、例えば、絶縁性を有する最外層と、熱融着性を有する最内層と、前記最外層及び前記最内層の間に配置された金属層とを含むラミネートフィルムを挙げることができる。このようなフィルムは、内部に金属層を含むため、前記二次電池の気密性を高めることができ、好適である。
【0015】
前記熱融着シール用フィルムの最内層は、例えば、アイオノマー、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)のような熱融着樹脂を含む層から形成することができる。
【0016】
前記熱融着シール用フィルムの金属層を形成する金属は、例えば、アルミニウム、ニッケル等を挙げることができる。
前記熱融着シール用フィルムの最外層は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ナイロンのような絶縁性樹脂を含む層から形成することができる。
【0017】
前記ラミネートフィルムとしては、例えば、(a) PET(最外層)/Al箔/PET/PPもしくはPE(最内層)、(b) PET(最外層)/Al箔/ナイロン/PE(最内層)、(c) PET(最外層)/PE/Ni箔/アイオノマー(最内層)、(d) ナイロン(最外層)/PE,PET/PE/EVA,PET/アイオノマー(最内層)、(e) PET(最外層)/ナイロン/PE,PET/PP,PET/ナイロン/PP,PET/ビニリデンクロライド樹脂/PE,Al蒸着PET/PE,PET/Al箔/PET/アイオノマー(最内層)、(f) ポリカーボネート(最外層)/PE/EVA(最内層)、(g) PET(最外層)/Al箔/PE/アイオノマー(最内層)等を挙げることができる。
【0018】
前記ポリマー電解質二次電池の正極、負極及び電解質層としては、例えば、以下に説明するものを用いることができる。
(正極)
この正極は、正極活物質、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む正極層が集電体に担持されたものから形成される。
【0019】
前記正極活物質としては、種々の酸化物(例えばLiMn などのリチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、例えばLiNiO などのリチウム含有ニッケル酸化物、例えばLiCoO などのリチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化モリブテンなど)等を挙げることができる。中でも、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好ましい。
【0020】
前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される。
前記非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。
【0021】
前記電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF )、ホウ四フッ化リチウム(LiBF )、六フッ化砒素リチウム(LiAsF )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF SO )、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF SO ]等のリチウム塩を挙げることができる。
【0022】
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.2mol/l〜2mol/lとすることが望ましい。
前記非水電解液を保持するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導体を含むポリマー、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等を用いることができる。前記HFPの共重合割合は、前記共重合体の合成方法にも依存するが、通常、最大で20重量%前後である。
【0023】
前述した図1、2においては、前記正極の集電体としてアルミニウム製エキスパンドメタルを使用したが、前記集電体には、例えばアルミニウム箔、アルミニウム製メッシュ、アルミニウム製パンチドメタル等を用いても良い。
【0024】
前記正極の端子9及びリード11は、例えば、アルミニウムから形成することができる。また、前記正極端子9は、メッシュのような網状のものや、板状のものを用いることができる。
【0025】
前記正極は、導電性を向上する観点から導電性材料を含んでいてもよい。前記導電性材料としては、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックなど)、ニッケル粉末等を挙げることができる。
【0026】
前記正極は、例えば、以下に説明する方法によって作製することができる。
前記非水電解液を保持するポリマー、可塑剤、前記活物質及び前記導電材料を前記ポリマーが可溶な有機溶媒に混合してペーストを調製した後、製膜することにより電解液未含浸の正極層を得る。これを前記集電体に積層し、前記正極層中の可塑剤を例えば溶媒抽出により除去した後、前記非水電解液を含浸させることにより前記正極を得ることができる。また、正極層の集電体への積層は、前記ペーストを前記集電体に塗布することによって行っても良い。
【0027】
前記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、プロピレンカーボネート(PC)、tris−ブトキシエチルホスフェート等を挙げることができる。
【0028】
(負極)
この負極は、負極活物質、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む負極層が集電体に担持されたものから形成される。
【0029】
前記負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を挙げることができる。かかる炭素質材料としては、例えば、有機高分子化合物(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成することにより得られるもの、コークスや、メソフェーズピッチを焼成することにより得られるもの、人造グラファイト、天然グラファイト等に代表される炭素質材料を挙げることができる。中でも、500℃〜3000℃の温度で、常圧または減圧下にて前記メソフェーズピッチを焼成して得られる炭素質材料を用いるのが好ましい。
【0030】
前記非水電解液及び前記ポリマーとしては、前述した正極で説明したものと同様なものが用いられる。
前述した図1、2においては前記負極の集電体としては、銅製エキスパンドメタルを使用したが、例えば銅箔、銅製メッシュ、銅製パンチドメタル等を用いても良い。
【0031】
前負極の端子10及びリード12は、例えば、銅から形成することができる。また、前記負極端子10は、メッシュのような網状のものや、板状のものを用いることができる。
【0032】
なお、前記負極は、人造グラファイト、天然グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ニッケル粉末、ポリフェニレン誘導体等の導電性材料、オレフィン系ポリマーや炭素繊維等のフィラーを含むことを許容する。
【0033】
前記負極は、例えば、以下に説明する方法によって作製することができる。
前記非水電解液を保持するポリマー、可塑剤および前記活物質を前記ポリマーが可溶な有機溶媒に混合してペーストを調製した後、製膜することにより電解液未含浸の負極層を得る。これを前記集電体に積層し、前記負極層中の可塑剤を例えば溶媒抽出により除去した後、前記非水電解液を含浸させることにより前記負極を得ることができる。また、負極層の集電体への積層は、前記ペーストを前記集電体に塗布することによって行っても良い。
【0034】
前記可塑剤としては、前述した正極で説明したのと同様なものを用いることができる。
(固体ポリマー電解質層)
この電解質層は、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む。
【0035】
前記非水電解液及び前記ポリマーとしては、前述した正極で説明したものと同様なものが用いられる。
前記電解質層は、強度を更に向上させる観点から、酸化硅素粉末のような無機フィラーを添加しても良い。
【0036】
前記電解質層は、例えば、以下に説明する方法で作製することができる。
前記非水電解液を保持するポリマーに可塑剤を添加し、これらを有機溶媒に溶解させてペーストを調製し、成膜し、得られた膜中の可塑剤を例えば溶媒抽出により除去した後、前記非水電解液を含浸させることにより得ることができる。
【0037】
前記可塑剤としては、前述した正極で説明したのと同様なものを用いることができる。
なお、可塑剤の抽出及び非水電解液の含浸は、正極、負極及び固体電解質層について個別に行っても良いし、正極、負極及び固体電解質層のうち少なくとも2つを積層した状態で行うこともできる。
【0038】
(2)ポリマー電解質二次電池(b)
図5は融着部を折り返す前の状態のポリマー電解質二次電池を示す上面図、図6は本発明に係るポリマー電解質二次電池(b) を示す上面図である。
【0039】
このポリマー電解質二次電池(b) は、例えば、以下に説明する方法で製造される。図5に示すように、矩形の熱融着シール用フィルム13を横方向に沿って二つ折りにし、このフィルム13内に、前述した二次電池(a) と同様な構成の素電地を正極リード11及び負極リード12の先端が外部に突出するように配置する。この時、前記フィルム13の閉じられた端部をリードが突出している端部と直交させる。前記フィルム13の開口している3つの端部を熱融着により張り合わせる。得られた融着部14(図5の斜線で示す領域)のうち、長手方向に沿う端部を矢印1から折り返す。次いで、リードが突出している端部と対向する端部を矢印2から1回目の折り曲げと同一の方向に折り返し、折り返した2つの端部を前記フィルム13の上面に接着テープのような接着剤で固定することにより図6に示すようなポリマー電解質二次電池(b) を製造する。
【0040】
前記熱融着シール用フィルムとしては、前述した二次電池(a) で説明したのと同様なものを挙げることができる。
なお、前記二次電池(b) は、図6に示すように、折り返された融着部同士が重なった部分16(図6の斜めの格子で示す領域)が存在する。このため、前記二次電池(b) の体積は、重なり部16が存在する箇所の厚さ(最大電池厚さ)を電池の厚さとして算出される。従って、この厚さ増加によって増えた体積が、融着部を折り返したことによって減少した体積に比べて十分に小さくなるような電池サイズの時に、このような構造にすると良い。
【0041】
(3)ポリマー電解質二次電池(c)
図7は融着部を折り返す前の状態のポリマー電解質二次電池を示す上面図、図8は本発明に係るポリマー電解質二次電池(c) を示す上面図である。
【0042】
このポリマー電解質二次電池(c) は、例えば、以下に説明する方法で製造される。図7に示すように、2枚の熱融着シール用フィルム13を互いの熱融着層が対向するように重ね合わせ、このフィルム13の間に、前述した二次電池(a) と同様な構成の素電地を正極リード11及び負極リード12の先端が外部に突出するように配置する。前記フィルム13の4つの端部全てを熱融着により張り合わせる。得られた融着部14(図7の斜線で示す領域)のうち、長手方向に沿う両端部を矢印1から折り返す。次いで、正極リード11及び負極リード12が突出している端部と対向する端部を矢印2から1度目の折り曲げと同一の方向に折り返し、折り返した3つの端部を前記フィルム13の上面に接着テープのような接着剤で固定することにより図8に示す構造を有するポリマー電解質二次電池(c) 製造する。
【0043】
前記熱融着シール用フィルムとしては、前述した二次電池(a) で説明したのと同様なものを挙げることができる。
以上詳述したように本発明に係るシート形電池は、シート状の正極と、シート状の負極と、前記正極と電気的に接続された正極リードと、前記負極と電気的に接続された負極リードとを含む素電池を備え、前記素電池を熱融着シール用フィルムにより前記正極リードおよび前記負極リードの先端が外部に突出するように被覆し、前記フィルムの開口されている端部を熱融着により封止することにより得られる構造を有するシート形電池であって、前記フィルムの熱融着部は、前記正極リード及び前記負極リードが突出している端部を除き、前記フィルムの一方の面か、あるいは両面に折り返されていることを特徴とするものである。このような電池は、フィルムの融着部が、正極リード及び負極リードが融着されている端部を除き、前記フィルムの一方の面か、あるいは両面に折り返されているため、最外郭寸法(電池サイズ)を小さくすることができる。その結果、前記電池は、高い気密性を維持しつつ、単位体積当たりのエネルギー効率を向上することができる。特に、前述した二次電池(a) のように、矩形の熱融着シール用フィルムを横に折り、このフィルムで素電池をリードの先端が外部に突出し、かつフィルムの折り返し端部がリード突出端部と対向するように被覆し、前記フィルムの開口している端部を熱融着し、融着部をリード突出端部を除いて折り返すことによって、単位体積当たりのエネルギー効率をより一層向上することができる。
【0044】
また、例えば前述した二次電池(a) 、(b) のように二つ折りにした熱融着シール用フィルムで素電池を被覆することによって、熱融着の必要な端部を低減することができるため、気密性を向上することができる。その結果、例えばポリマー電解質二次電池においては、サイクル寿命、特に高温環境下でのサイクル寿命を向上することができる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明に係わる実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
まず、活物質として組成式がLiMn で表されるリチウムマンガン複合酸化物56重量%と、カーボンブラック5重量%と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−HFP)の共重合体粉末17重量%と、可塑剤としてフタル酸ジブチル(DBP)22重量%をN−N−ジメチルホルムアミド中で混合し、ペーストを調製した。得られたペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に塗布し、シート化し、非水電解液未含浸の正極シートを作製した。アルミニウム製エキスパンドメタルからなり、正極端子部を有する集電体の両面に、得られた正極シートを熱ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含浸の正極を作製した。
【0046】
<負極の作製>
活物質としてメソフェーズピッチ炭素繊維58重量%と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−HFP)の共重合体粉末17重量%と、可塑剤{フタル酸ジブチル(DBP)}25重量%とをN−N−ジメチルホルムアミド中で混合し、ペーストを調製した。得られたペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に塗布し、シート化し、電解液未含浸の負極シートを作製した。銅製エキスパンドメタルからなり、負極端子部を有する集電体の両面に、得られた負極シートを熱ロールで加熱圧着することにより電解液未含浸の負極を作製した。
【0047】
<固体ポリマー電解層の作製>
酸化硅素粉末33.3重量%と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−HFP)の共重合体粉末22.2重量%と、可塑剤{フタル酸ジブチル(DBP)}44.5重量%とをアセトン中で混合し、ペースト状にした。得られたペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に塗布し、シート化し、電解液未含浸の電解質層を作製した。
【0048】
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)が体積比で2:1の割合で混合された非水溶媒に電解質としてのLiPF をその濃度が1mol/lになるように溶解させて非水電解液を調製した。
【0049】
<素電池の作製>
前記正極を2枚と前記負極を1枚と前記電解質層を2枚用意し、前記正極と前記負極をその間に前記電解質層を介在させながら交互に積層し、これらを145℃に加熱した剛性ロールにて加熱圧着し、積層物を作製した。このような積層物をメタノール中に浸漬し、前記積層物中のDBPをメタノールによって抽出し、除去した。これを乾燥し、前記組成の非水電解液に浸積することにより前記積層物への電解液の含浸を行い、積層厚が1.0mm、外径寸法が25×50mmの素電池を作製した。
【0050】
<電池の組立>
前記素電池が有する合計2つの正極端子と正極リード(厚さが0.5mmの帯状アルミニウム箔からなる)を超音波溶接により固定した。また、負極端子と負極リード(厚さが0.5mmの帯状銅箔からなる)を超音波溶接により固定した。
【0051】
一方、熱融着シール用フィルムとして、厚さが0.1mmで、ポリエチレンテレフタレート層、アルミニウム箔層、ポリエチレン層及びアイオノマー樹脂層がこの順番に積層された矩形の複合フィルムを用意した。次いで、前記フィルムを横方向に沿って二つ折りし、このフィルムにより前記素電池を前記正極リード及び前記負極リードの先端が外部に突出するように、かつ前記素電池の表面と前記フィルムのアイオノマー樹脂層(熱融着性樹脂層)が対向するように被覆した。この時、前記フィルムの閉じられた端部をリード突出端部と対向させた。ひきつづき、前記フィルムの開口されている3辺を、加熱融着時の影響が素電池に表れないように素電池寸法と加熱融着部分のマージンを持たせるようにして融着幅10mmで加熱融着することにより、前述した図3に示す構造を有し、厚さが1.2mmで、リード部分を除く外径寸法が50×65mmで、電気容量が50mAhのポリマー電解質二次電池を100個製造した。
【0052】
次いで、前記各二次電池のリード固定部分を除く二カ所の封止部を前述した図3に示すように同一方向に折り返し、厚さ0.1mmの接着テープで固定することにより、前述した図1,3,4に示す構造を有し、最大厚さ1.5mm、リード部分を除く外径寸法が30×65mmのシート形ポリマー電解質二次電池とした。
(実施例2)
前述した実施例1と同様にして素電池の作製及びリードの取り付けを行った。実施例1と同様な厚さ及び素材の矩形複合フィルムを用意し、横方向に沿って二つ折りにした。このフィルムにより前記素電池を前記正極リード及び前記負極リードの先端が外部に突出するように、かつ前記素電池の表面と前記フィルムのアイオノマー樹脂層(熱融着性樹脂層)が対向するように被覆した。この時、前記フィルムの閉じられた端部をリード突出端部と直交させた。ひきつづき、前記フィルムの開口されている3辺を、加熱融着時の影響が素電池に表れないように素電池寸法と加熱融着部分のマージンを持たせるようにして融着幅10mmで加熱融着することにより、前述した図5に示す構造を有し、厚さが1.2mmで、リード部分を除く外径寸法が40×75mmで、電気容量が50mAhのポリマー電解質二次電池を100個製造した。
【0053】
次いで、前記各二次電池のリード固定部分を除く二カ所の封止部を前述した図5に示すように同一方向に折り返し、厚さ0.1mmの接着テープで固定することにより、前述した図6に示す構造を有し、最大厚さ1.8mm(二カ所の封止部が重なる部分16の厚さ)、リード部分を除く外径寸法が30×65mmのシート形ポリマー電解質二次電池とした。
(実施例3)
前述した実施例1と同様にして素電池の作製及びリードの取り付けを行った。実施例1と同様な厚さ及び素材の矩形複合フィルムを2枚用意した。この2枚のフィルムを互いのアイオノマー樹脂層(熱融着性樹脂層)が対向するように配置した。これらの間に前記素電池を前記正極リード及び前記負極リードの先端が外部に突出するように配置した。ひきつづき、前記フィルムの4辺全てを、加熱融着時の影響が素電池に表れないように素電池寸法と加熱融着部分のマージンを持たせるようにして融着幅1.0mmで加熱融着することにより、前述した図7に示す構造を有し、厚さが1.2mmで、リード部分を除く外径寸法が50×75mmで、電気容量が50mAhのポリマー電解質二次電池を100個製造した。
【0054】
次いで、前記各二次電池のリード固定部分を除く三カ所の封止部を前述した図7に示すように同一方向に折り返し、厚さ0.1mmの接着テープで固定することにより、前述した図8に示す構造を有し、最大厚さ1.8mm(二カ所の封止部が重なる部分16の厚さである)、リード部分を除く外径寸法が30×65mmのシート形ポリマー電解質二次電池とした。
(比較例)
前述した実施例1と同様にして素電池の作製及びリードの取り付けを行った。実施例1と同様な厚さ及び素材の矩形複合フィルム内に実施例1と同様にして素電池を密封し、図9に示す構造を有し、厚さが1.2mmで、リード部分を除く外径寸法が50×65mmで、電気容量が50mAhのポリマー電解質二次電池を100個製造した。
【0055】
次いで、図9に示すように、前記各二次電池の封止部14(図9の斜線で示す領域)のうち長手方向に沿う両端部を矢印1から折り返した後、リードが固定された部分を矢印2から1度目と同じ方向に折り返し、厚さ0.1mmの接着テープで固定することにより、図10に示す構造を有し、二カ所の封止部14が重なる部分16(図10の斜め格子で示す領域)の厚さ(最大厚さ)がリードの厚さを含めて1.9mmで、リード部分を除く外径寸法が30×55mmのシート形ポリマー電解質二次電池とした。
【0056】
得られた実施例1〜3及び比較例の二次電池それぞれについて、平均作動電圧を3.8Vとした場合の体積効率(Wh/l;リード部を除く外径寸法から算出する)及び折り曲げ加工後の内部短絡数を求め、その結果を下記表1に示す。なお、体積効率は、封止部を折り曲げる前と、折り曲げた後について求めた。また、表1中の体積効率は、二次電池100個の平均値である。
【0057】
さらに、実施例1〜3及び比較例の二次電池それぞれについて、充放電レート;1.0C、4.5Vカット充電、3.0Vカット放電、サイクル温度60℃でサイクル評価を行い、充放電効率が50%を下回るまでのサイクル数を測定し、その結果を下記表1に示す。なお、表1中のサイクル寿命は、二次電池100個の平均値である。
【0058】
【表1】
Figure 0003583589
【0059】
表1から明らかなように、正極リード及び負極リードが突出している端部を除く封止部が同一方向に折り曲げられた構成の実施例1〜3の二次電池は、折り曲げ加工前に比べて体積効率を向上できることがわかる。特に、実施例1の二次電池の体積効率が著しく高いことがわかる。また、二つ折りにした熱融着シール用フィルムで素電池を被覆した実施例1〜2の二次電池は、2枚の熱融着シール用フィルムで素電池を被覆した実施例3の二次電池に比べて、高温環境下におけるサイクル寿命が長いことがわかる。
これに対し、リードが固定された端部も含めて封止部が折り返された比較例の二次電池は、リードが折り曲がるために内部短絡を生じることがわかる。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、高い気密性を維持しつつ、単位体積当たりのエネルギー効率を向上することができ、信頼性が高いシート形電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート形電池の一例(シート形ポリマー電解質二次電池(a) )を示す断面図。
【図2】図1の二次電池の要部を示す斜視図。
【図3】図1の二次電池における熱融着部を折り返す前の状態を示す上面図。
【図4】図1の二次電池を示す上面図。
【図5】本発明に係るシート形電池の一例であるポリマー電解質二次電池(b) における融着部を折り返す前の状態を示す上面図。
【図6】本発明に係るシート形電池の一例であるポリマー電解質二次電池(b) を示す上面図。
【図7】本発明に係るシート形電池の一例であるポリマー電解質二次電池(c) における融着部を折り返す前の状態を示す上面図。
【図8】本発明に係るシート形電池の一例であるポリマー電解質二次電池(c) を示す上面図。
【図9】比較例のポリマー電解質二次電池における融着部を折り返す前の状態を示す上面図。
【図10】比較例のポリマー電解質二次電池を示す上面図。
【符号の説明】
1…素電池、
4…負極、
5…正極、
8…固体ポリマー電解質層、
9…正極端子、
10…負極端子、
13…熱融着シール用フィルム
14…融着部。

Claims (1)

  1. シート状の正極シート状の負極前記正極と電気的に接続された正極リード前記負極と電気的に接続された負極リード、及び非水電解液を含む素電池と、
    前記素電池が収納されるラミネートフィルム製容器と
    を具備し、
    前記ラミネートフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)層/アルミニウム箔層/ポリエチレン層/アイオノマー樹脂層がこの順番に積層されたものであり、
    前記容器は、前記素電池を前記ラミネートフィルムで前記アイオノマー樹脂層が最内層となり、かつ前記正極リードおよび前記負極リードの先端が外部に突出するように被覆し、その開口している三辺の前記最内層間を熱融着で封止したものであり、
    前記三辺の熱融着部のうち長手方向に沿う両端部が前記容器の一方の面に折り返されて接着テープで固定され、
    前記正極リードおよび前記負極リードは、残りの熱融着部から突出していることを特徴とするシート形電池。
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