JP3584536B2 - 出力電圧の温度特性を変化させる機構を有する電圧源回路、およびその機構を有する液晶用安定化電源回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、出力電圧の温度特性を変化させる機構をもつ電圧源回路、およびその機構を有する液晶用安定化電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルをマルチプレクシング(時分割)駆動する場合の、駆動電圧(VOP)に対する輝度特性の一例が図20に示される。
【0003】
この輝度特性は、図示されるように選択波形によるものと非選択波形によるものとに区別され、自動車用に多く用いられるネガ表示の場合には、選択波形における輝度特性が50%以上、非選択波形における輝度特性が5%以下になるように駆動電圧VOP(それぞれV1,V2)を設定するのが一般的である。
【0004】
しかし、液晶のしきい値電圧(Vth)は、弾性定数や誘電率の温度特性のために温度が上がると低下する、負の温度係数を有する。
【0005】
このため、特に時分割数を多くした場合には選択波形と非選択波形との差が小さくなり、クロストークのない動作電圧範囲(図20中のT2)は非常に小さなものとなる。
【0006】
したがって、液晶パネルのしきい値の温度特性を何ら考慮せずに、常に一定の液晶駆動電圧を与えると、上述した適切な動作電圧範囲を外れてクロストークが生じ、本来なら選択されないドットが選択されてしまう恐れがある。
【0007】
このような液晶パネルのしきい値の温度依存性に対する対策としては、図21に示される、サーミスタ(800)を用いて液晶駆動用IC(900)の電源電圧(VDD)に液晶パネルと同様の温度特性をもたせる方法がある。
【0008】
また、特公平3−45391号公報には、液晶表示体用安定化電源を用い、pn接合の温度係数に、抵抗の分割比できまる可変の補正定数を乗算して、電源電圧の温度係数を液晶パネルの温度係数に合わせて変化させるという技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
液晶パネルのしきい値の温度依存性は各種の液晶パネル毎に異なる。したがって、その液晶パネルの温度特性に対応した電源回路を液晶パネル毎に用意しなければならず、実際の使用上、不便である。
【0010】
そこで、本発明の発明者は、一つの電源回路の出力電圧を各種の液晶パネルの特性に合わせて自在に高精度に変化させて、一つの電源回路で種々の液晶パネルに適合させることができないかを検討した。
【0011】
その結果、以下のことが明らかとなった。
【0012】
(1)つまり、上述したサーミスタを用いる技術では、モノリシック化が困難であり、したがって温特の制御精度が悪く、また、温特制御の自由度も小さく、上述の目的を達成し得ないことがわかった。
【0013】
(2)また、上述した特公平3−45391号公報の技術は、充分に実用に耐えるものであるが、一つの電源回路で種々の液晶パネルの温特に高精度に適合させるという目的達成には、精度,調整の自由度の点で不十分な点があり、また、この技術によれば、チップ面積の増大やコスト高も生じやすいことがわかった。
【0014】
このことについて、以下、説明する。この技術では、次のようにして出力電圧VOUTの温特を制御する。
【0015】
VOUT=(R4/R3)VBE+(R4/R3)・(R2/R1)・Vst
となる。
【0016】
ここで、Vstは温度に対して安定な一定の電圧,VBEはpn接合ダイオードの順方向電圧であり、さらに、仮にVBEの温特をγ(mv/℃),(R4/R3)=A,(R2/R1)=Bとおくと、出力電圧VOUTの温度係数α(mv/℃)は、上式を温度で微分して求められ、したがって、α=Aγとなる。
【0017】
つまり、定数Aを選択することにより、出力電圧の温度係数αを変化させることができる。
【0018】
また、A・B・Vstで定まる定数の値により、VOUTのレベルシフトが可能である。
【0019】
しかし、この技術では、温特源としてVBEのみを用い、細かな温特の制御はすべて抵抗の分割比によってのみ行うため、その抵抗分割比を多段階に高精度に制御する機構(例えば、公告公報に記載されるように、分割比を記憶したメモリや、抵抗とトランスファーゲート(アナログスイッチ)と組み合わせて構築される抵抗網等)が必要であり、チップ面積が増大しやすく、また、抵抗分割して得た電圧をトランスファゲート(アナログスイッチ)を介して出力するためにその歪みにより出力電圧に誤差が生じやすい等、精度ならびに調整の自由度の面で、一定の限界がある。
【0020】
本発明は、このような本願発明者の検討の結果に基づいてなされたものであり、
その目的は、出力電圧の温度特性を高精度に、かつより自由に変化させる機構を有する電圧源回路を提供することであり、他の目的は、その機構を有する液晶用安定化電源回路を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明は、以下のような構成となっている。
【0023】
(1)請求項1記載の本発明の電圧源回路は、第1および第2の基準電流作成手段によって得られた第2の基準電流(I2)を、m個の抵抗(R40〜R60)とn個(nは1以上の自然数)のダイオード(D1〜D50)とが直列に接続されてなる直列接続回路に供給し、その直列接続回路の両端に発生する電圧を電圧出力(V ref )とすると共に、さらに、直列接続回路のダイオードの段数ならびに抵抗値を調整するための調整回路を設け、その調整回路におけるスイッチ手段の開閉制御によってダイオードの個数(n)または抵抗の抵抗値の少なくとも一つを制御し、これによって、出力電圧(V ref )の温度勾配(C T )を制御可能となっていることを特徴とする。
【0025】
(2)請求項2記載の本発明の電圧源回路は、請求項1において、第2の基準電流作成手段をカレントミラーで構成し、第1の基準電流をカレントミラーの基準側トランジスタに供給し、カレントミラー比に対応した第2の基準電流をカレントミラーの出力側トランジスタより得るようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
(3)請求項3記載の本発明の電圧源回路は、請求項1または2において、第1の基準電流を決定する抵抗と、直列接続回路を構成する抵抗とを同一の特性とすることを特徴とする。
【0027】
(4)請求項4記載の本発明の電圧源回路は、請求項1または2において、第1の基準電流を決定する抵抗と、直列接続回路を構成する抵抗とを異なる特性とすることを特徴とする。
【0028】
(5)請求項5記載の本発明の電圧源回路は、請求項1〜4のいずれかにおいて、直列接続回路を構成するダイオード(D1〜Dn)を、半導体基板の表面絶縁膜上に形成されたポリシリコン中にp型不純物ならびにn型不純物を導入してpn接合を構成することにより形成されたポリシリコンダイオードにより構成したことを特徴とする。
【0029】
(6)請求項6記載の本発明の電圧源回路は、請求項1〜5のいずれかにおいて、出力電圧の温度特性が補償された定電圧回路であって、半導体基板に他の回路とともに集積して形成され、極めて小さな温度依存性を有する定電圧回路を使用して、第1の基準電流を作成することを特徴とする。
【0030】
(7)請求項7記載の本発明の電源回路は、請求項1〜5のいずれかにおいて、半導体の禁制帯幅に相当する電圧を発生するバンドギャップ回路、あるいは、MOS(金属−絶縁体−半導体)構造の仕事関数の差に相当する電圧を発生する仕事関数差回路のいずれかを用いて第1の基準電流を作成することを特徴とするものである。
【0031】
(8)請求項8記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかにおいて、直列接続回路を構成する抵抗の一端を動作電源電位に接続したものである。
【0033】
(9)請求項9記載の本発明の液晶表示体に駆動電圧を供給する液晶用安定化電源回路は、駆動電圧を作成するための電圧源として、液晶表示体のしきい値電圧の温度に依存した変化に伴って出力電圧(Vref)が変化する定電圧回路を用い、
この定電圧回路は、第2の基準電流を直列接続回路に供給して、その直列接続回路の両端に発生する電圧を電圧出力(Vref)とすると共に、さらに、直列接続回路のダイオードの段数ならびに抵抗値を調整するための調整回路を設けた構成を有しており、その調整回路におけるスイッチ手段の開閉制御によってダイオードの個数(n)または抵抗の抵抗値の少なくとも一つを制御し、これによって、出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)を制御可能となっていることを特徴とするものである。
【0034】
【作用】
(1)請求項1記載の発明では、「温度勾配」という新規な基準を導入し、従来にない相対的な概念で温度特性を精度よく、かつ、より自由に制御するものである。
【0038】
つまり、請求項1の制御では、分母と分子の相対比を調整することによって温度勾配を種々に制御できるが、これはあくまで相対的な割合を制御しているのであり、この場合には、電圧源回路の出力電圧の絶対値はそのような割合の調整に対応して変動し、所望の範囲外となることも考えられる。
【0039】
したがって、出力段にレベルシフト回路を接続することにより、所定の温度勾配の出力電圧(Vref)が得られた後に、その温度勾配はそのままに、出力電圧の絶対値を所定のレベルに調整することができる。
【0040】
これにより、温度勾配を制御する機能をもった定電圧回路が得られる。しかも、直列接続回路におけるダイオードの接続段数(n)や抵抗の抵抗値を、調整回路により外部から可変できるようにしたもので、電圧源回路の使用の自由度が広がる。
【0041】
(2)請求項2の本発明では、第1の基準電流と第2の基準電流との比をカレントミラー比(つまりトランジスタのサイズ)によって調整する。
【0042】
これにより、抵抗のみにより電流比を調整する場合に比べ、極めてコンパクトに、かつ、精度よく、第1の基準電流に対して所定の比率を持った第2の基準電流を作成することができる。
【0043】
(3)請求項3ならびに4の本発明では、半導体回路の製造プロセスにおいて、抵抗の温特(温度係数)の極性を調整することにより、出力電圧の温度勾配の微妙な調整が可能となる。
【0044】
(4)請求項5の本発明では、直列接続回路を構成するダイオードを、ポリシリコンダイオードで形成する。ポリシリコンダイオードのpn接合形成のための不純物導入工程は、MOSトランジスタの製造工程と共用化されている。
【0045】
このポリシリコンダイオードの順方向電圧(VF)は、通常の拡散層を利用したpn接合ダイオードの順方向電圧よりかなり小さく、したがって、接続段数(n)の調整による出力電圧の温度勾配の制御に適している。
【0046】
(5)請求項6および7の本発明では、第1の基準電流を作成するための定電圧源として、バンドギャップ回路等の極めて高精度に温特の補償がなされた電圧源回路を用いて温度による変動を抑えて、出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)の調整を容易化している。
【0047】
その一方で、その定電圧源の、半導体集積回路化に伴う微少な温特を積極的に利用して、出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)をより高精度に制御することもできる。
【0048】
(6)請求項8記載の本発明では、直列接続回路を構成する抵抗を動作電源電位に接続する。
【0049】
抵抗は半導体基板に形成する場合には寄生のpn接合容量が付加されるために空乏層の影響をうけて、両端電位が微妙に変動しやすい。したがって、抵抗の一端を安定な動作電源電位に接続することにより、その電圧変動を低減することができる。
【0051】
(7)請求項9記載の本発明では、液晶用安定化電源回路のユーザーが、使用する液晶パネルに応じて適宜に駆動電圧の温特の調整をすることができるようになり、使い勝手が向上する。
【0052】
【実施例】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0053】
(実施例1)
まず、本発明の電圧出力の温度特性の制御方法の内容を、図1〜図3を用いて説明する。
【0054】
(a)本発明では、図1の左上に例示されるような、n個のダイオード(D1〜Dn)と抵抗(R2)で構成される直列接続回路を定電流(I)で電流バイアスし、その直列接続回路の両端に発生する電圧を出力電圧(Vref)とする。
【0055】
この直列接続回路は、温特源として、抵抗R2(例えば、温度係数+β(Ω/℃))と,ダイオード(順方向電圧VF,温度係数は、例えば−α(v/℃))と,電流I(例えば、温度係数+γ(A/℃))とを有している。
【0056】
したがって、出力電圧(Vref)の温度係数は、△Iに対するダイオードの順方向電圧の変化分を無視すれば、−α+β・γ(v/℃)となる。
【0057】
ここで、「温度係数」とは、温度と共に変化する量Aがあるとき、温度tについての微分dA/dtをいい、Aの温度変化の大きさを表す量である。
【0058】
従来、半導体ICの分野では、この温度係数を基準として温度特性を表現してきた。これは、トランジスタ回路の動作は、素子に与えられるバイアス自体によって変化するため、電圧の絶対値(v)が温度に対してどれだけ変動するかが重要であるからである。
【0059】
したがって、半導体回路における温特制御は、もっぱら、この温度係数自体を変化させることによって行われてきた。
【0060】
上述した特公平3−45391号公報の技術でも同様であり、この場合、制御に一定の限界があった。
【0061】
そこで、本発明では、温度勾配(CT=%/℃)なる相対的な温特の基準を新しく導入し、この新規な基準をもとにして温特制御のための新規な回路を構築したものである。
【0062】
ここで、「温度勾配」とは、基準となる温度(例えば25℃)における物理量A0が、1℃の温度に変化によって△A変化したとき(△A=温度係数αの絶対値)
の、△A/A0をいう。
【0063】
すなわち、1℃あたりの変化量△Aが基準温度における物理量A0に占める割合をいう(単位は1/℃,またはこれに100をかけて%/℃)。
【0064】
このような相対的な温特基準は、液晶の分野ではよく使われており、したがって、種々の液晶パネルのもつ温度特性に半導体回路の出力電圧(Vref)の温特を追従させるためには、半導体回路の出力電圧(Vref)の温特の基準として、液晶で使用されている相対的な基準を導入する必要があるのである。
【0065】
本発明はこの知見に基づき、温度勾配なる基準を導入し、図1の下側に示されるように、出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)を定義する。なお、以下、本明細書では、基準温度を25℃とし、このときの物理量には下付きの「0」をつけて表示する。
【0066】
(b)この温度勾配の考え方を用いると、図2に示すように、従来にない相対的な概念で温度特性を制御できるようになる。
【0067】
つまり、図2の上側に示すように、各素子の温度係数α,β,γ(分数の分子)は同じでも、25℃(基準温度)における初期物理量(VF0,R0,I0)を変えれば、分数の分母が変化し、よって、温度勾配が変化するという特徴が生じる。本発明ではこの考え方を採用し、従来のように温度係数の直接的な変化のみを追求するのではなく、分母と分子の割合を変化させて所望の温特を実現させるものである。
【0068】
つまり、図3に示されるように、本発明では、温度に対するVOUTの変化量は同じでも、25℃における電圧(つまりオフセット量(Voff))を変えて、温度勾配を制御し得るということである。
【0069】
そして、このような考え方を用いることによって、図2の下に示されるように、直列接続回路におけるダイオードの個数(n)ならびに抵抗の抵抗値(つまり、図1の直列接続回路の抵抗部に発生する電圧)を外部より調整することにより、温度勾配を容易に制御し得るようになる。
【0070】
ダイオードの個数(n),抵抗の抵抗値(直列接続回路の抵抗部に発生する電圧)による温度勾配(CT)の制御の概要(CTがいかに変動するかの概略)が、図5に示されている。
【0071】
図示されるように、かなりの広範囲にわたって温度勾配CTを外部から調整できる。
【0072】
さらに、図4に示すように、この出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)は、設計段階やICの製造段階におけるパラメータ設定によっても種々に調整でき、したがって、広範囲にわたって、極めて高精度な制御が可能となる。
【0073】
(実施例2)
図6は、本発明の電圧源回路の一実施例の構成を示す回路図である。
【0074】
本実施例は、基準電圧源10(図8のバンドギャップ回路や図9の仕事関数差回路により構成される)と、MOSトランジスタにより構成された差動対回路(具体的構成例は図7に示される)20と、第1の基準電流I1の電流量を決定する抵抗R1と、MOSトランジスタM1(チャンネルコンダクタンスβ1),MOSトランジスタM2(チャネルコンダクタンスβ2)により構成されるカレントミラー(カラントミラー比β2/β1)と、抵抗R2ならびにダイオードD1〜Dnとを直列に接続してなる直列接続回路12とを有している。
【0075】
そして、カレントミラーの出力電流(第2の基準電流)I2により直列接続回路12を電流バイアスし、直列接続回路12の両端に発生する電圧を出力電圧(Vref)とする。
【0076】
本実施例においては、直列接続回路12において、抵抗R2を高レベル電源電位(グランド)に接続する回路構成をとっているが、もちろん、図18に示されるような、ダイオードD1のアノードを高レベル電源電位に接続する回路構成としてもよい。
【0077】
但し、図19(b)に示されるように、図18の構成では、空乏層の影響が抵抗R2の抵抗値変動に現れやすいが、図6の構成では図19(a)に示されるように電位的に安定している分、悪影響が少ないと考えられる。したがって、実際の使用にあたっては、図18の構成よりは、図6の構成の方が望ましい。
【0078】
図6において、基準電圧源10は、温特補償がなされた回路であって、例えば、図8のバンドギャップ回路や図9の仕事関数差回路を使用できる。
【0079】
図8のバンドギャップ回路の出力VR0は、下記のように示される。
【0080】
VR0=VB−I・R52=−VBEQ1−(VBEQ1−VBEQ2)・(R52/R51)
したがって、異なる電流密度でバイアスしたバイポーラトランジスタQ1,Q2のベース・エミッタ間電圧の温特の差により正の温特を作りだし、トランジスタQ1のベースエミッタ間電圧の負の温特をキャンセルすることにより、温度による変動が極めて小さい出力VR0を得ることができる。
【0081】
また、図9の仕事関数差回路は、ポリシリコンゲートの導電型のみが異なる(他の構造は同じ)nMOSトランジスタQ5と、Q6およびQ7のソース・ドレイン経路を直列に接続し、nMOSトランジスタQ5とQ6の接続点より出力VR0を取り出す。
【0082】
nMOSトランジスタQ6,Q7のポリシリコンゲートにはn型不純物が導入されており、nMOSトランジスタQ5のポリシリコンゲートにはp型不純物が導入されており、この結果としてMOSトランジスタの仕事関数差に相当する温度依存性の少ない電圧(例えば、温度係数が0.6mV/℃)が得られる。この回路の詳細は、特公平4−65546号公報に記載されている。
【0083】
また、図6の差動対回路20は、図7に示されるように、差動対をなすpMOSトランジスタQ11,Q12と、負荷回路を構成するnMOSトランジスタQ13,Q14とからなっており、この差動対20とnMOSトランジスタM1とでオペアンプが構成される。
【0084】
つまり、図6において、仮想接地により抵抗R1の一端の電位がVR0となり、したがって、第1の基準電流I1=VR0/R1となり、この電流がトランジスタM1,M2で構成されるカレントミラーの基準側電流となる。
【0085】
また、カレントミラーを構成するnMOSトランジスタM1,M2の伝達コンダクタンスβ1,β2は、以下のように表される。
【0086】
β1,β2=(W/L)・μ・{(ε0・εOX)/tOX}
但し、Wはゲート幅であり、Lはゲート長であり、ε0は真空の誘電率であり、εOXは酸化膜の比誘電率であり、tOXはゲート酸化膜厚であり、μはチャネル中のキャリアの移動度である。
【0087】
上式の右辺は、プロセスにより一義的に決まるため、実質的に、伝達コンダクタンスβ1,β2は、ゲート幅(W)/ゲート長(L)により制御されることになる。
【0088】
したがって、nMOSトランジスタM1,M2のW/Lを制御してβ1,β2を決めることにより、カレントミラー比(β2/β1)を調整することができ、基準電流I1とI2の比を調整できる。
【0089】
このようにして作成された電流I2が、ダイオードD1〜Dnと抵抗R2とで構成される直列接続回路12を電流的にバイアスし、この結果、出力電圧Vrefが発生する。
【0090】
次に、図6の回路の出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)を決定(算出)する方法を説明する。
【0091】
温度勾配(CT)は、下記(5)式〜(9)式に基き、(10)式に示すように表すことができる。
【0092】
【数5】
【0093】
つまり、電流I1,I2は(5)式 、(6)式のように示され、Vrefは(7)式のようになる。25℃のときのVrefは(8)式のようになり、温度係数(1℃あたりの変化量)は(9)式のようになる。したがって、出力電圧Vrefの温度勾配(CT)は、(10)式のようになる。
【0094】
したがって、図4において説明したように、この温度勾配(CT)は、ダイオードの段数(n),基準電圧VR0の25℃における電圧値,VR0の温度係数,カレントミラー比(β2/β1),抵抗R2の抵抗値ならびに温度係数,抵抗R1とR2の温度係数の極性によって、種々に変化させることができる。
【0095】
温度勾配(CT)を制御するための素子を同一半導体基板上に構成する場合の例を図10に示す。
【0096】
カレントミラー比は、ゲート長(L1)を固定してゲート幅(W1,W2)を変化させることにより、あるいは、ゲート幅(W1,W2)を固定してゲート長(L1)を変化させることにより調整できる。図10では、ゲート長を固定してゲート幅を変化させる手法を採用している。
【0097】
また、カレントミラーを構成するトランジスタをなるべく近接させて配置すると、2つのトランジスタの伝達コンダクタンスβ1,β2において、(W/L)以外のプロセスにより決定される項の差が小さくなるため、カレントミラー比を精度よく調整することができる。
【0098】
また、直列接続回路12を構成するダイオードD1(〜Dn)は、図10に示されるように、半導体基板の絶縁膜上に形成されたポリシリコンダイオードにより形成できる。PN接合の形成を最も簡単に行うためには、MOSトランジスタのS/D形成用のイオン注入を兼用して行うのがよい。但し、ダイオードのVF特性を合わせ込むために、専用のイオン注入を追加する方法を採用してもよい。また、ダイオードを複数個ならべる場合、カレントミラー比の場合と同様に、各ダイオードをなるべく近接させて配置する方が特性差をなくすうえで好ましい。
【0099】
このポリシリコンダイオードの順方向電圧VFは、0.28(V)程度であり、その温度係数は−1.646mV/℃程度である。
【0100】
また、抵抗R1,R2は半導体基板上で製造できる抵抗(例えば、n型拡散抵抗,p型ポリシリコン抵抗,n型ポリシリコン抵抗,n型基板抵抗等)を幅広く利用できる。
【0101】
但し、図10では、イオン注入により形成されたp型拡散抵抗を採用している。
【0102】
この理由は、正の温度係数をもつ(温度が上昇すると抵抗値も上昇する)ため、出力電圧Vrefの温度勾配をより増長させる方向に作用するためであり、また、抵抗値により基準電流が決定されるために、できるだけ精度が高い方がよいからである。つまり、p(n)型拡散抵抗の場合、トランジスタのソース/ドレインと同等の不純物注入工程で製造できるため、n型基板抵抗などと比べて精度が高く、したがって、高精度化に適する。
【0103】
但し、逆に精度を犠牲にすれば、抵抗の種類によって基準電流の温特を変化させることも可能と考えらえる。例えば、ポリシリコン抵抗の場合、不純物濃度によって温度特性が変化するため、適切にプロセス条件を制御すれば、温度変化がない抵抗素子を作ることも可能である。また、上述のカレントミラー比やダイオードの場合と同様に、抵抗R1とR2もなるべく近接させて配置する方が特性差をなくす上で好ましい。
【0104】
このように、精度よく温度勾配(CT)の制御ができるが、この温度勾配(CT)が決まれば、逆に、その温度勾配を実現するための各種パラメータを逆算して求めることができる。
【0105】
例えば、下記の11式,12式に基づき、抵抗R1,R2の抵抗値を求めることができる。
【0106】
【数6】
【0107】
つまり、自由度の高い設計が可能であるということである。
【0108】
次に、本実施例の効果を図11を参照して説明する。図11は、図6の回路において、抵抗R2の抵抗値の変化と、ダイオードの個数n(n=1〜6)の変化により温度勾配(CT)と出力電圧(Vref)がどう変化するかを示す図(コンピュータシミュレーション図)である。
【0109】
この特性を得るにあたって使用した回路パラメータは以下のとおりである。
【0110】
基準電圧VR0=1.5(v),
抵抗R1の抵抗値1.5×10−6(Ω),
I1=1.0(μA),
I2=0.5(μA),
カレントミラー比(β2/β1)=0.5,
ダイオード1個の順方向電圧VF=0.2845(V),
基準電圧VR0の温度係数△VR0=0.6(mV/℃,)
抵抗R1,R2の温特CR=0.004(1/℃),
ダイオードの順方向電圧VF自体がもつ温特CVF=−1.47(mV)
電流I2の変化に対する、ダイオードの順方向電圧VFの変化
αVFI=0.088(V/μA)
ダイオードの順方向電圧VFの総合温度係数△VF
△VF=CVF+(−CR・I2・αVFI)=1.646(mv/℃)
但し、上記した、電流I2の変化に対するダイオードの順方向電圧VFの変化(αVFI)は、ダイオードの電流式(I=IS・exp(qVF/kT)−1)より明らかなように、本来なら1次式では表すことはできない。しかし、本実施例では、I2がある一定の範囲では、VFは一次式によって近似できる(直線的に変化変化する)と仮定して、係数αVFIを使用している。
【0111】
図11の上側の図より、抵抗R2の値を変化させることによって温度勾配(CT)を−0.1%/℃〜−0.6%/℃に渡って変化させることができ、また、ダイオードの個数(n)を1〜6の範囲で変化させることにより、温度勾配(CT)の抵抗R2の抵抗値変化に対する変化率(傾き)を変えることができることがわかる。
【0112】
また、この図11において重要な点は、抵抗の抵抗値とダイオードの組合せを適切に選ぶことにより、出力電圧Vrefをほぼ一定値に保ちつつ、温度勾配を−0.1%/℃〜−0.6%/℃に渡って変化させることができることである。
【0113】
つまり、抵抗R2の値のみを変化させることで、温度勾配(CT)を−0.1%/℃〜−0.6%/℃に渡って変化させることができるが、この場合、出力電圧Vrefの値が大きく変わってしまうので回路設計上、使いづらいという不都合が生じる。
【0114】
この場合、ダイオードの個数も変えることで、出力電圧Vrefをほぼ一定値に保ちつつ、温度勾配を−0.1%/℃〜−0.6%/℃に渡って変化させることができる。
【0115】
図11の下のグラフから上のグラフに向かって矢印が伸びているが、この矢印に対応する抵抗R2の値は、出力電圧Vrefをほぼ1.5(v)に保ちつつ、温度勾配値を−0.15%(ダイオード1個の場合),−0.25%(ダイオード2個の場合),−0.35%(ダイオード3個の場合),−0.45%(ダイオード4個の場合),−0.55%(ダイオード5個の場合)の5つのポイントに合わせるための抵抗値を示している。したがって、ダイオードの個数(n)に対応させて、そのようなR2の抵抗値を選定することによって、出力電圧(絶対値)ならびに温度勾配(相対値)の双方を適切な値に調整することができる。
【0116】
このような、出力電圧Vrefをほぼ1.5(v)に保ちつつ温度勾配値(CT)を変化させることができる原理を図12に示す。
【0117】
つまり、出力電圧Vrefを固定すると温度勾配値(CT)の分母が固定される。分数の分子には固有の温特値をもつ△VFと、△R・△Iとがあり、それぞれの温特に対する重み付けを変化させて所望の温度勾配を実現する。すなわち、ダイオードと抵抗の出力電圧Vrefの分担率を変えることにより、△VFと、△R・△Iの重みを調整できるということである。
【0118】
(実施例3)
図14は本発明の他の実施例の構成を示す図である。本実施例の特徴は、図6の構成に加えて、基準電圧VROのトリミング回路100と、出力電圧Vrefのレベルシフト回路200とを設けたものである。
【0119】
基準電圧VROのトリミング回路100は、抵抗R(ア),R(イ)の比を変えることによって基準電圧VROの値を微調整し、トリミング後の基準電圧VR1を出力する。
【0120】
つまり、VR1={1+R(イ)/R(ア)}VROとなる。
【0121】
また、レベルシフト回路200は、上述のトリミング回路100と同じ回路構成をしており、同じ原理により、出力電圧Vrefの温度勾配をそのままに維持しつつ任意のレベルの出力電圧Vref1を得るものである。
【0122】
つまり、Vref1={1+R(エ)/R(ウ)}VROとなる。
【0123】
本実施例では、基準電圧VROのトリミングによって、より高精度な温度勾配の制御ができ、また、出力電圧のレベル調整によって所望の定電圧を得ることができる。したがって、温度勾配が制御された所望レベルの定電圧を出力できる定電圧回路を実現できる。
【0124】
(実施例4)
図15は、本発明の他の実施例の構成を示す回路図である。
【0125】
本発明の基本的構成は図6の実施例と同様であるが、第1のセレクタ(SL1),第2のセレクタ(SL2),第3のセレクタ(SL3),第4のセレクタ(SL4),および切換制御手段(調整手段)150を設けて、外部より温度勾配を制御し得るようにした点が異なる。
【0126】
セレクタ(SL1)は、第1の基準電流(カレントミラーの入力側電流)I1の電流量を調整する役割を果たす。
【0127】
図示されるようにセレクタ(SL1)の内部スイッチが一番上側の接点に切り換えられている場合には、I1=VRO/R10となり、真ん中の接点になれば、I1=VRO/(R10+R20)となり、一番下側の接点に切り換えられれば、I1=VRO/(R10+R20+R30)となる。
【0128】
また、第2のセレクタ(SL2)は、nMOSトランジスタM2〜M5のいずれかを選択するためのスイッチSW1〜SW4を具備する。
【0129】
nMOSトランジスタM2〜M5はそれぞれ独自のチャネルコンダクタンス(β)を有すると共に、差動対20の出力によって駆動されるnMOSトランジスタM1とカレントミラーを構成するトランジスタである。
【0130】
したがって、切換制御手段150からの制御信号によってスイッチSW1〜SW4を選択的に閉じれば、カレントミラー比が変化して第2の基準電流I2の電流量が変化し、この結果として温度勾配(CT)を調整できる。
【0131】
また、第3のセレクタ(SL3)は、直列接続回路における、ダイオードD20およびD30の両端をショートするスイッチSW5と、ダイオードD40およびD50の両端をショートするスイッチSW6とを具備する。
【0132】
したがって、切換制御手段150からの制御信号によってスイッチSW5〜SW6を選択的に開閉すれば、ダイオードの個数(n)を変化させることができ、この結果として温度勾配(CT)を調整できる。
【0133】
また、第4のセレクタ(SL4)は、直列接続回路における、抵抗40の両端をショートするスイッチSW7と、抵抗R50の両端をショートするスイッチSW8とを具備する。
【0134】
したがって、切換制御手段150からの制御信号によってスイッチSW7〜SW8を選択的に開閉すれば、抵抗値を変化させることができ、この結果として温度勾配(CT)を調整できる。
【0135】
なお、スイッチSW1〜SW8は、例えば図16に示すようなアナログスイッチ(トランスファーゲート)によって構成できる。
【0136】
本実施例によれば、電圧源回路の出力電圧の温度勾配を外部より調整でき、したがって、ユーザーの使い勝手が向上する。
【0137】
(実施例5)
図17は本発明の液晶用安定化電源回路の一実施例の構成を示す図である。この実施例は、前掲の図6および図15に示した定電圧回路(電圧源回路)300を用いて、ワンチップ(IC)化された液晶用安定化電源回路210を構成したものである。
【0138】
この液晶用安定化電源回路210は、LCDパネル500のドライバー回路400の電源電圧(VOP)を発生させる回路であり、DC−DCコンバータ220と、安定化レベルシフト回路310(差動対回路320,NMOSトランジスタM21を含んで構成される)とからなる。
【0139】
安定化レベルシフト回路310は図17中に示されるように、抵抗R5と抵抗R6の抵抗値の比の調整によって任意のレベルの電源電圧(VOP)を発生させると共に、図に示されるような負帰還制御によって自動的に電源電圧(VOP)のレベル変動を抑制し、安定化させる機能をもつ。
【0140】
本実施例において、定電圧回路(電圧源回路)300として、図15に示した構成を用いれば、液晶パネル500の温特に合わせて温度勾配を外部から調整でき、かつ、安定化レベルシフト回路310の調整によって、所望の電圧レベルの定電圧を発生させることが可能である。
【0141】
したがって、本実施例によれば、外部信号で温度勾配量を高精度に制御することができ、したがって、一つの回路(IC)で種々の液晶パネルに適用できるようになる。
【0142】
例えば、図13に示すように、液晶のしきい値の温度特性S(TN)に精度よく追従して温度係数S(OP)が変化する、駆動電圧V(OP)を得ることができる。
【0143】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で変形が可能である。例えば、電圧源回路の電源として、負電源ではなく正電源を使用し、上述の実施例と同様に温特を制御した定電圧を発生することも可能である。
【0144】
【発明の効果】
本発明によれば以下の効果を得ることができる。
【0145】
(1)請求項1記載の本発明の方法は、温度勾配(CT)なる相対的な温特の基準を導入し、従来のように温度係数の直接的な変化のみを追求するのではなく、分母と分子の割合を変化させて出力電圧の所望の温特を実現する。
【0146】
したがって、直列接続回路におけるダイオードの個数(n)ならびに抵抗の抵抗値(直列接続回路の抵抗部に発生する電圧)を調整することにより、温度勾配を容易に制御し得るようになる。
【0147】
また、温度勾配(CT)は、設計段階やICの製造段階におけるパラメータ設定によっても調整でき、したがって、極めて高精度な制御が可能となる。
【0148】
(2)請求項2の本発明は、請求項1の本発明の方法を用いて電圧源回路を構築したものであり、種々のパラメータの適宜の設定によって、出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)広範囲にわたって高精度に制御できる。
【0149】
(3)請求項3の本発明では、出力段にレベルシフト回路を設け、出力電圧の絶対値を調整する。したがって、温度勾配はそのままに、出力電圧の絶対値を所定のレベルに調整することができる。これにより、温度勾配を制御する機能をもった定電圧回路が得られる。
【0150】
(4)請求項4の本発明では、第1の基準電流と第2の基準電流との比をカレントミラー比(つまりトランジスタのサイズ)によって調整する。これにより、抵抗のみにより電流比を調整する場合に比べ、極めてコンパクトに、かつ、精度よく、第1の基準電流に対して所定の比率を持った第2の基準電流を作成することができる。
【0151】
(5)請求項5ならびに6の本発明では、半導体回路の製造プロセスにおいて、抵抗の温特(温度係数)の極性を調整することにより、出力電圧の温度勾配の微妙な調整が可能となる。
【0152】
(6)請求項7の本発明では、直列接続回路を構成するダイオードを、ポリシリコンダイオードで形成する。ポリシリコンダイオードのpn接合形成のための不純物導入工程は、MOSトランジスタの製造工程と共用化されている。
【0153】
このポリシリコンダイオードの順方向電圧(VF)は、通常の拡散層を利用したpn接合ダイオードの順方向電圧よりかなり小さく、したがって、接続段数(n)の調整による出力電圧の温度勾配の制御に適している。
【0154】
(7)請求項8および9の本発明では、第1の基準電流を作成するための定電圧源として、バンドギャップ回路等の極めて高精度に温特の補償がなされた電圧源回路を用いて温度による変動を抑えて、出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)の調整を容易化している。
【0155】
その一方で、その定電圧源の、半導体集積回路化に伴う微少な温特を積極的に利用して、出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)をより高精度に制御することができる。
【0156】
(8)請求項10記載の本発明では、直列接続回路を構成する抵抗を動作電源電位に接続する。抵抗は半導体基板に形成する場合には寄生のpn接合容量が付加されるために空乏層の影響をうけて、両端電位が微妙に変動しやすい。したがって、抵抗の一端を安定な動作電源電位に接続することにより、その電圧変動を低減することができる。
【0157】
(9)請求項11記載の本発明は、直列接続回路におけるダイオードの接続段数(n)や抵抗の抵抗値を、調整回路により外部から可変できるようにしたものである。これにより、電圧源回路の使用の自由度が広がる。
【0158】
(10)請求項12記載の本発明では、液晶用安定化電源回路のユーザーが、使用する液晶パネルに応じて適宜に駆動電圧の温特の調整をすることができるようになり、使い勝手が向上する。
【0159】
(11)このように本発明によれば、外部信号で温度勾配量を高精度に制御することができ、したがって、一つの回路(IC)で種々の液晶パネルに適用できるようになる。
【0160】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の出力電圧の温度特性の制御方法の特徴を説明するための第1の図である。
【図2】本発明の出力電圧の温度特性の制御方法の特徴を説明するための第2の図である。
【図3】本発明の出力電圧の温度特性の制御方法の特徴を説明するための第3の図である。
【図4】本発明の出力電圧の温度特性の制御方法の特徴を説明するための第4の図である。
【図5】本発明の出力電圧の温度特性の制御方法の特徴を説明するための第5の図であり、温特制御の概要を示す図である。
【図6】本発明の電圧源回路の一実施例の構成を示す回路図である。
【図7】図6の回路における差動対(20)ならびにカレントミラーM1,M2の具体的構成や特性を説明するための図である。
【図8】バンドギャップ回路の構成例を示す回路図である。
【図9】仕事関数差回路の構成例を示す回路図である。
【図10】図6の回路の温度勾配(CT)を制御するための素子を同一半導体基板に形成する場合の一例を説明するための図である。
【図11】図6の回路において、抵抗R2の抵抗値を変化させたとき、ダイオードの個数n(n=1〜6)により温度勾配(CT)と出力電圧(Vref)がどう変化するかを示す図である。
【図12】図11に示される特性の解釈の補助となる図である。
【図13】図17の回路による出力電圧(VOP)の温度特性(温度係数)の一例を示す図である。
【図14】本発明の電圧源回路の他の実施例の構成を示す回路図である。
【図15】本発明の電圧源回路の他の実施例の構成を示す回路図である。
【図16】図15の回路におけるスイッチ手段の具体的構成例を示す図である。
【図17】本発明の液晶用安定化電源回路の構成例を示す図である。
【図18】本発明の電圧源回路における、ダイオードならびに抵抗の直列接続回路の構成例を示す図である。
【図19】(a),(b)はそれぞれ、本発明の電圧源回路における、直列接続回路の構成の利点を説明するための図である。
【図20】液晶をマルチプレッシング駆動した場合の、駆動電圧に対する輝度特性を示す図である。
【図21】従来例の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
10 基準電圧源
11 電流源
12 直列接続回路
20 差動対
R1,R2 抵抗
D1〜Dn ダイオード
Claims (9)
- 基準電圧源(10)から供給される基準電圧(VR0)を利用して第1の基準電流(I1)を作成する第1の基準電流作成手段(R1,20,M1)と、
前記第1の基準電流を利用して第2の基準電流を作成する第2の基準電流作成手段(20,M1,M2)と、
直列接続されたm個(mは1以上の自然数)の抵抗(R40〜R60)と、直列接続されたn個(nは1以上の自然数)のダイオード(D10〜D50)とが直列に接続されてなる直列接続回路と、
前記m個の抵抗のうちの少なくとも一つの抵抗の両端をショートするための第1のスイッチ手段(SL4,SW7,SW8)と、前記n個のダイオードのうちの少なくとも一つのダイオードの両端をショートするための第2のスイッチ手段(SL3,SW5,SW6)と、前記第1または第2のスイッチ手段の開閉を制御信号によって制御するための切換制御手段(150)とを含んで構成された、直列接続回路の調整回路とを具備し、
前記第2の基準電流を前記直列接続回路に供給することにより、その直列接続回路の両端に発生する電圧を電圧出力(Vref)とし、
前記調整回路における前記第1または第2のスイッチ手段の操作によって前記直列接続回路を構成するダイオードの個数(n)または抵抗の抵抗値の少なくとも一つを制御し、これによって、下記(1)式で表される前記出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)を制御可能となっていることを特徴とする、温度特性を変化させる機構を有する電圧源回路。
但し、nはダイオードの接続個数(個);
VF0は基準温度におけるダイオードの順方向電圧VFの電圧値(V);
R0は基準温度における抵抗Rの抵抗値(Ω);
I0は基準温度における電流Iの電流値(A);
△Rは抵抗Rの温度係数(Ω/℃);
△Iは電流Iの温度係数(A/℃);
△VFはダイオードの順方向電圧VFの温度係数(V/℃);
である。 - 第2の基準電流作成手段をカレントミラーで構成し、第1の基準電流をカレントミラーの基準側トランジスタに供給し、カレントミラー比に対応した第2の基準電流をカレントミラーの出力側トランジスタより得るようにしたことを特徴とする請求項1記載の電圧源回路。
- 第1の基準電流作成手段は、基準電圧源(10)から供給される基準電圧(VR0)ならびに電流決定用抵抗(R1)を用いて第1の基準電流(I1)を決定するようになっており、
また、前記電流決定用抵抗(R1)および前記直列接続回路を構成する抵抗(R2)とを同一の半導体製造工程で形成することにより、それぞれの抵抗の抵抗値の温度特性を同じとしたことを特徴とする請求項1または2に記載の電圧源回路。 - 第1の基準電流作成手段は、基準電圧源(10)から供給される基準電圧(VR0)ならびに電流決定用抵抗(R1)を用いて第1の基準電流(I1)を決定するようになっており、
また、前記電流決定用抵抗(R1)および前記直列接続回路を構成する抵抗(R2)を異なる半導体製造工程で形成することにより、それぞれの抵抗の抵抗値の温度特性を異なるものとしたことを特徴とする請求項1または2に記載の電圧源回路。 - 直列接続回路を構成するダイオード(D1〜D50)は、半導体基板の表面絶縁膜上に形成されたポリシリコン中に、p型不純物ならびにn型不純物を導入してpn接合を構成することにより形成されたポリシリコンダイオードであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電圧源回路。
- 基準電圧源(10)として、出力電圧の温度特性が補償された定電圧回路であって、半導体基板に他の回路とともに集積して形成され、極めて小さな温度依存性を有する定電圧回路を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電圧源回路。
- 基準電圧源回路(10)として、半導体の禁制帯幅に相当する電圧を発生するバンドギャップ回路、あるいは、MOS(金属−絶縁体−半導体)構造の仕事関数の差に相当する電圧を発生する仕事関数差回路のいずれか一つを用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電圧源回路。
- 直列接続回路を構成する抵抗の一端を動作電源電位に接続したことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の電圧源回路。
- 液晶表示体に駆動電圧を供給する液晶用安定化電源回路であって、前記駆動電圧を作成するための電圧源として、前記液晶表示体のしきい値電圧の温度に依存した変化に伴って出力電圧(Vref)が変化する定電圧回路(300)が用いられ、
この定電圧回路(300)は、
基準電圧源(10)から供給される基準電圧(VR0)を利用して第1の基準電流(I1)を作成する第1の基準電流作成手段(R1,20,M1)と、
前記第1の基準電流を利用して第2の基準電流を作成する第2の基準電流作成手段(20,M1,M2)と、
直列接続されたm個(mは1以上の自然数)の抵抗(R40〜R60)と、直列接続されたn個(nは1以上の自然数)のダイオード(D10〜D50)とが直列に接続されてなる直列接続回路と、
前記m個の抵抗のうちの少なくとも一つの抵抗の両端をショートするための第1のスイッチ手段(SL4,SW7,SW8)と、前記n個のダイオードのうちの少なくとも一つのダイオードの両端をショートするための第2のスイッチ手段(SL3,SW5,SW6)と、前記第1または第2のスイッチ手段の開閉を制御信号によって制御し得るように構成された切換制御手段(150)と、を含んで構成された直列接続回路の調整回路とを具備して構成されており、
前記第2の基準電流を前記直列接続回路に供給することにより、その直列接続回路の両端に発生する電圧を電圧出力(Vref)とし、
前記調整回路における前記第1または第2のスイッチ手段の操作によって前記直列接続回路を構成するダイオードの個数(n)または抵抗の抵抗値の少なくとも一つを制御し、これによって、下記(2)式で表される前記出力電圧(Vref)の温度勾配(CT)を、前記液晶表示体のしきい値の温度特性に対応させて制御し得るようになっていることを特徴とする、温度特性を変化させる機構を有する液晶用安定化電源回路。
但し、nはダイオードの接続個数(個);
VF0は基準温度におけるダイオードの順方向電圧VFの電圧値(V);
R0は基準温度における抵抗Rの抵抗値(Ω);
I0は基準温度における電流Iの電流値(A);
△Rは抵抗Rの温度係数(Ω/℃);
△Iは電流Iの温度係数(A/℃);
△VFはダイオードの順方向電圧VFの温度係数(V/℃);
である。
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