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JP3585785B2 - 移動通信システムにおける移動機の位置測定方法及びシステム及び移動機 - Google Patents
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移動通信システムにおける移動機の位置測定方法及びシステム及び移動機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信システムにおける移動機の位置測定方法及びシステムに係り、詳しくは、移動機と複数の基地局との間での通信を行って移動機の位置を特定するようにした移動通信システムにおける移動機の位置測定方法及びシステム及びその方法に用いられる移動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルラー方式の移動通信システムでは、各移動機(携帯電話機、PHS端末等)は、周囲の基地局と通信を行い、その際、最も受信レベルが高くなる信号を送信する基地局に位置登録される。そして、各移動局は、この位置登録された基地局を介して外部の通信端末との通信を行う。
【0003】
ところで、近年、移動機の位置を検出して、移動機(ユーザ)の追跡、移動機周辺に関する情報の配信、緊急時の移動機ユーザの位置特定などのサービスが種々提案されている。上述したような移動機の位置登録では、基地局の通信エリア内に移動機が存在することは判るものの、詳細な位置を知ることができないため、移動機の詳細な位置に応じた上記サービスを実現することができない。
【0004】
そこで、移動機の位置を検出する手法として、複数の衛星からの信号により移動機の位置を検出するGPS(Global Positioning System )が知られている。このGPSは、基地局との位置関係を考慮することなく、移動機の絶対的な位置を比較的高精度にて検出することができる。
しかし、移動機内にGPSを実現するための機能を搭載する必要があり、コストがかさむと共に、常時位置検出する場合に移動機での電力消費も多くなる。また、移動機が室内に位置する場合や、ビルなどの建物が密集する都市部においては、衛星から送信される測位のための信号を受信し難くなり、検出位置の信頼性が低下してしまう。
【0005】
このようなGPSを用いた移動機の位置検出手法が有する欠点を特に有することのない別の手法も従来知られている。この手法は、複数(3つ以上)の基地局と移動機との間で通信を行い、各基地局と移動機との間の相対的な位置関係を測定し、その移動機と各基地局との相対的な位置関係と各基地局の絶対的な位置とに基づいて所謂三角測量と同様の手法により当該移動機の位置を特定(測位)するものである。上記移動機と基地局との相対的な位置関係は、例えば、移動機と基地局との間で送受信される信号の伝播時間に基づいて得ることができ(TOA)、また、移動機と各基地局との間で送受信される各信号の伝播時間の差に基づいて得ることができ( TDOA) 、更に、移動機から送信される信号の各基地局での受信角度に基づいても得ることができる(AOA)。なお、上記移動機から送信される信号の各基地局での受信角度は、各基地局にアレイアンテナを設置して各基地局での受信エリアをセクタ化することにより検出することができる。
【0006】
更にまた、空中を伝播する電波の強度は、距離の2乗に比例して減衰することから、移動機と各基地局との間で送受信される信号の送信信号レベルと受信信号レベルとの比に基づいて、移動機と各基地局との間の相対的な位置関係を得るこもできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
移動機から各基地局に対して測位(位置検出)に用いられる信号を送信する場合(Up−link 方式)、移動機が通信サービス(通話サービス、データ通信サービス等)を受ける基地局では、移動機から送信される測位に用いられる信号の受信レベルは比較的安定しているものの、他の基地局では、移動機からの距離が大きくなるので、その信号の受信レベルは極端に小さくなる(距離の2乗に比例して減衰)。例えば、CDMA無線通信方式の移動通信システムでは、移動機においてTPC(Transmission Power Control)が常時行われるので、移動機が通信サービスを受ける基地局の通信エリアのどこに位置していても、当該移動機から送信される測位に用いられる信号の当該基地局での受信レベルは略一定であるのに対して、その信号の他の基地局での受信レベルは、移動機と当該他の基地局との距離が大きくなると極端に小さくなる。
【0008】
また、基地局側から移動機に対して測位に用いられる信号を送信する場合においても(Down−link 方式)、移動機での信号の受信レベルは、同様の傾向を有する。
そこで、上述したような複数の基地局と移動機との間で測位に用いられる信号を送受信して移動機の位置を特定する手法を用いる場合、複数の基地局と移動機との間で送受される測位に用いられる信号の送信パワーは、一般に最大値に調整(固定)される。このように測位に用いられる信号の送信パワーが最大値に調整されることにより、移動機と基地局との距離が大きくても、基地局または移動機での受信状態が比較的安定し、その結果、比較的精度良く移動機の位置検出が可能となる。
【0009】
しかし、上記のように複数の基地局と移動機との間で送受される測位に用いられる信号の送信パワーが最大値に調整されると、移動機の位置検出を行っている間、他の移動機の通信に対する干渉が大きくなっていしまう。このため、移動機の連続的な位置検出(測位)ができない。
そこで、本発明の第一の課題は、複数の基地局と移動機との間で通信を行って移動機の位置検出を連続的に行っても、他の移動機の通信に対する干渉をできるだけ小さくすることのできる移動機の位置測定方法を提供することである。
【0010】
本発明の第二の課題は、上記方法が適用される移動機の位置測定システムを提供することである。
また、本発明の第三の課題は、上記のような移動機の位置測定方法に用いられる移動機を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記第一の課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるように、移動通信システムにおける移動機と複数の基地局との間で所定の信号を送信及び受信し、当該所定の信号の各基地局または移動機での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定するようにした移動機の位置測定方法において、上記移動機と当該移動機から上記複数の基地局のうち最も遠方に位置する基地局との間で送信及び受信される該所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の手順と、該第一の手順にて設定された送信レベルにて当該所定の信号を移動機または該複数の基地局から送信する第二の手順とを含むように構成される。
【0012】
このような移動機の位置測定方法では、移動機と当該移動機から複数の基地局のうち最も遠方に位置する基地局との間で送信及び受信される所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように当該所定の信号の送信レベルが設定され、そのように送信レベルが設定された当該所定の信号が移動機または該複数の基地局から送信される。そして、その送信された当該所定の信号の各基地局または移動機での受信状態に基づいて当該移動機の位置が特定される。
【0013】
上記のような移動機の位置測定方法によれば、移動機と当該移動機から複数の基地局のうち最も遠方に位置する基地局との間で送信及び受信される所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように当該所定の信号の送信レベルが設定されるので、この移動機の位置特定に用いられる当該所定の信号の送信レベルが、移動しうる移動機と当該移動機から最も遠方に位置する基地局との相対的位置関係に依存するようになる。従って、該所定の信号の送信レベルは、移動しうる移動機の位置に応じて変化することになり、常に最大値に保持されることはなく、その最大値より低いレベルに設定され得る。
【0014】
上記所定の信号の受信品質とは、伝播する過程で品質が低下する当該所定の信号の移動機または各基地局での受信時における品質であって、受信レベル、他の信号との干渉の度合い、ノイズの含まれる度合い(S/N比)などで表すことができる。
上記記所定の条件とは、当該所定の信号の受信状態に基づいて移動機の位置を特定するために必要となる当該所定の信号の受信品質についての条件であり、レベル検出のハードウエアの性能、移動機の位置を特定するための手法、特定される移動機の位置の精度などの各種要因に依存する。
【0015】
上記所定の信号の各基地局または移動機での受信状態に基づいて移動機の位置を特定する手法は特に限定されない。移動機と各基地局との相対的な位置関係に応じて当該所定の信号の受信状態を表す物理量が変化すれば、その物理量に基づいて移動機の位置を特定することができる。例えば、移動機または各基地局における当該所定の信号の受信タイミング(伝播時間に対応)に基づき(TOA)、移動機または各基地局における当該所定の信号の受信タイミングの差に基づき(TDOA)、移動機または各基地局における当該所定の信号の受信角度に基づいて(AOA)、また、移動機または各基地局における当該所定の信号の受信レベルの差に基づいて当該移動機の位置を特定することができる。
【0016】
上記所定の信号の送信元、受信先は、特に限定されない。例えば、請求項2に記載されるように、上記所定の信号は移動機から送信され、当該所定の信号の各基地局での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定することも(所謂、UP−link 方式)、請求項3に記載されるように、上記所定の信号は各基地局から送信され、当該所定の信号の移動機での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定することも(所謂、Down−link 方式)できる。
【0017】
上記のように移動機側から当該所定の信号を送信する場合において、移動機から最も遠方に位置する基地地局での当該所定の信号の受信品質を容易に検出できるという観点から、本発明は、請求項4に記載されるように、上記移動機の位置測定方法において、上記第一の手順は、各基地局から送信された信号の品質を測定する手順と、該測定された品質のうち最も低位の品質に基づいて移動機から各基地局に送信される当該所定の信号の送信レベルを設定する手順とを含むように構成することができる。
【0018】
上記各基地局から送信される信号の品質(レベル、他の信号との干渉状態、S/N比など)は、移動機と各基地局からの相対的位置関係に依存するもので、移動機から送信された当該所定の信号の各基地局での受信品質と一定の関係を有する。従って、各基地局から送信される信号の品質のうち最も低位の品質は、移動機から最も遠方に位置する基地局での当該所定の信号の受信品質一定の関係を有する。
【0019】
また、上記のように移動機側から当該所定の信号を送信する場合において、通常のフィードバック制御の手法により、当該所定の信号の送信レベルを適正なレベルに制御できるという観点から、本発明は、請求項5に記載されるように、上記移動機の位置特定方法において、上記第一の手順は、上記第二の手順に従って移動機から送信さた所定の信号の各基地局での受信品質のうち最も低位の品質に基づいた制御情報を移動機に通知する手順と、移動機に通知された当該制御情報に基づいて移動機から各基地局に送信される当該所定の信号の送信レベルを設定する手順とを含むように構成することができる。
【0020】
上記移動機から送信された所定の信号の各基地局での受信品質のうち最も低位の品質は、移動機から最も遠方に位置する基地局での当該所定の信号の受信品質に対応し、その受信品質が制御情報として第一の手順にフィードバックされる。そして、第一の手順では、その受信品質に依存した制御情報に基づいて移動機から各基地局に送信される当該所定の信号の送信レベルが設定される。
【0021】
移動局と基地局との間で送信及び受信される当該所定の信号のレベルを更に低減できるという観点から、本発明は、請求項6に記載されるように、上記移動機の位置測定方法において、各基地局にて受信される当該所定の信号に基づいて、各基地局のアンテナの指向性を、移動機から最も遠方に位置する基地局での当該所定の信号に対する受信感度が他の基地局での当該所定の信号に対する受信感度より高くなるように調整する手順を含むように構成することができる。
【0022】
このような移動機の位置測定方法では、各基地局の指向性が、移動機から最も遠方に位置する基地局での当該所定の信号に対する受信感度が他の基地局での当該所定の信号に対する受信感度より高くなるように調整されるので、移動機から最も遠方に位置する基地局での当該所定の信号の受信品質に依存して設定される当該所定の信号の送信レベルは、当該所定の信号に対する受信感度が良い分、低減させることができる。
【0023】
また、移動機から最も遠方に位置する基地局以外の基地局のうち少なくとも移動機から最も近くなる基地局おける他の移動局との通信に対する当該所定の信号の影響をできるだけ小さくできるという観点から、本発明は、請求項7に記載されるように、上記移動機の位置測定方法において、移動機から最も遠方に位置する基地局以外の基地局のうち少なくとも移動機から最も近くに位置する基地局のアンテナの受信ビームを、移動機の方向における受信感度が他の方向の受信感度より低くなるように調整する手順を含むように構成することができる。
【0024】
少なくとも移動機から最も近くに位置する基地局では、移動機の位置測定に用いられる当該所定の信号の受信品質(受信レベルなど)は、最も高位になる。このような状況において、上述したような移動機の位置測定方法では、少なくともその移動機から最も近くに位置する基地局では、移動機の方向における受信感度が低減されるので、その基地局では当該所定の信号の受信レベルが低減される。従って、少なくとも移動機から最も近くに位置する基地局では、他の移動機との通信に対する当該所定の信号の影響を低減することができる。
【0025】
移動機または各基地局において高位な品質の状態にて当該移動機の位置測定に用いられる当該所定の信号を受信できるようにするという観点から、本発明は、上記移動機の位置測定方法において、請求項8に示すように、移動機と各基地局との間で送信及び受信される当該所定の信号の送信タイミングを各基地局と移動機との間の通信状況に基づいて決定する送信タイミング決定手順を有し、該送信タイミング決定手順にて決定された送信タイミングで上記所定の信号が上記第二の手順にて送信されるように構成することができる。
【0026】
このような移動機の位置測定方法では、移動機と各基地局との間の通信状態に応じて当該所定の信号の送信タイミングが決定される。従って、その通信状態が良好なときに移動機の位置測定に用いられる当該当該信号の送信が可能となる。従って、移動機または各基地局において高位な品質の状態にて当該所定の信号を受信できる。
【0027】
上記各基地局と移動機との間の通信状況は、各基地局と移動機との間の通信に影響を与える状況であれば特に限定されず、例えば、各基地局での通信トラヒックに依存した移動機と基地局間の通信に割当て可能なチャネルの状況や、移動機と基地局間の伝送路の状態(フェージング等の状態)等である。
上記第二の課題を解決するため、本発明は、請求項9に記載されるように、移動通信システムにおける移動機と複数の基地局との間で所定の信号を送信及び受信し、当該所定の信号の各基地局または移動機での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定するようにした移動機の位置測定システムにおいて、上記移動機と当該移動機から上記複数の基地局のうち最も遠方に位置する基地局との間で送信及び受信される該所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の手段と、該第一の手段にて設定された送信レベルにて当該所定の信号を移動機または該複数の基地局から送信する第二の手段とを含むように構成される。
【0028】
また、上記第二の課題を解決するため、本発明は、請求項16に記載されるように、移動通信システムにおける移動機から送信される所定の信号を複数の基地局にて受信し、当該所定の信号の各基地局での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定するようにした移動機の位置測定システムにおいて、各基地局に結合された計算機装置を有し、上記移動機は、当該移動機から上記複数の基地局のうち最も遠方に位置する基地局との間で送信及び受信される該所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の手段と、該第一の設定手段にて設定された送信レベルにて当該所定の信号を該複数の基地局に送信する第二の手段とを有し、上記計算機装置は、各基地局にて受信された移動機からの当該所定の信号の受信状態に基づいて当該移動機の位置を演算する位置演算手段を有するように構成される。
【0029】
このような移動機の位置測定システムでは、移動機から所定の信号が各基地局に送信され、当該所定の信号の各基地局での受信状態が計算機装置に通知され、この計算機装置が当該所定の信号の各基地局での受信状態に基づいて当該移動機の位置を演算する。
更に、上記第三の課題を解決するため、本発明は、請求項22に記載されるように、移動通信システムにおける移動機から送信される所定の信号を複数の基地局にて受信し、当該所定の信号の各基地局での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定するようにした移動機の位置測定方法に用いられる移動機において、当該移動機から上記複数の基地局のうち最も遠方に位置する基地局にて受信される該所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の手段と、該第一の手段にて設定された送信レベルにて当該所定の信号を該複数の基地局から送信する第二の手段とを有するように構成される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施の一形態に係る移動機の位置測定方法が適用される移動通信システムは、例えば、図1に示すように構成される。
図1において、移動機(例えば、携帯電話機)100と無線通信を行う各基地局(BS0、BS1、BS2)200は、交換局(MSC)300に接続されている。交換局(MSC)300は制御局(LCC)の計算機装置400に接続されている。この計算機装置400は、所定のネットワーク(公衆電話網、インターネットなど)500を介して端末装置(電話機、コンピュータ端末、移動機など)50と通信を行えるようになっている。
【0031】
移動機(MS)100は、周囲の基地局(BS0、BS1、BS2)200と通信を行い、その際、最も受信レベルが高くなる信号を送信する基地局(例えば、BS0)200に位置登録される。そして、移動機100は、この位置登録された基地局(BS0)200を介して外部の通信端末との通信を行う。
上記移動機100は、例えば、図2に示すように構成される。
【0032】
図2において、移動機100は、送受信共用のアンテナ110が接続されたアンテナ共用器101、送受信装置102、マイク103、スピーカ104、表示器105、キーボード106及び制御回路120を有している。送受信装置102は、アンテナ共用器101及びアンテナ110を介して基地局200と信号(音声信号、データ信号、制御信号)の送受信を行う。制御回路120は、送受信装置102を制御し、送受信装置102にて受信した信号の処理を行うと共に、送信すべき信号(制御信号、データ信号)を送受信装置102に供給する。
【0033】
なお、送受信装置102には音声信号の入出力デバイスとなるマイク103及びスピーカ104が接続されている。また、制御回路120にはデータ信号の入出力デバイスとなる表示器105及びキーボード106が接続されている。
各基地局200は、例えば、図3に示すように構成される。
図3において、各基地局200は、送受信共用のアンテナ210が接続されるアンテナ共用器201、送受信装置202、伝送装置203及び制御装置220を有している。送受信装置202は、アンテナ共用器201及びアンテナ210を介して移動機100と信号(音声信号、データ信号、制御信号)の送受信を行う。伝送装置203は、送受信装置202にて受信した信号を交換局(MSC)300に伝送し、交換局(MSC)300から入力した送信すべき信号を送受信装置202に供給する。制御装置220は、送受信装置202及び伝送装置202を制御し、送受信装置202にて受信した信号の処理を行うと共に、送信すべき信号(制御信号、データ信号)を送受信装置202に供給する。
【0034】
移動機100の位置測定は、例えば、図4に示す手順に従って行われる。この位置測定の過程で、移動機100は、例えば、図5に示す手順に従って処理を行い、移動機100の位置登録のなされた基地局(BS0)200は、例えば、図6に示す手順に従って処理を行う。
なお、以下の説明において、移動機100の参照符号をMSとし、各基地局200の参照符号をBS0、BS1、BS2とし、交換局300の参照符号をMSCとし、制御局(LCC)の計算機装置の参照符号をLCCとする。
【0035】
図4において、初期化の段階においては、各基地局BS0、BS1、BS2は、各基地局BS0、BS1、BS2から絶対的な位置情報が交換局MSCを介して計算機装置LCCに報告される。 この状態で、端末装置50からネットワーク500を介してある移動機MS(MSアドレス(電話番号など)で特定される)の位置を通知する旨の要求が計算機装置LCCになされると、その要求が計算機装置LCCから交換局MSCを介して当該移動機MSの位置登録のなされた基地局BS0(以下、必要に応じて主基地局BS0という)に伝送される。そして、この要求は、主基地局BS0から移動機MSに対して所定のチャネルを使用して送信される。
【0036】
この要求を受信した移動機MSは、周囲の基地局からの止まり木チャネルの受信レベルに基づいて当該移動機MSの位置測定(測位)を行うべき3つの基地局BS0、BS1、BS2を決定する。なお、主基地局BS0は、移動機MSとの通信状態が最も良いので、測位を行うべき3つの基地局に含まれる。そして、この決定された基地局BS0、BS1、BS2を特定するBSアドレスと当該移動機MSを特定するMSアドレスとを含む測位要求が移動機MSから主基地局BS0に送信される。
【0037】
主基地局BS0にて受信された測位要求は、交換局MSCを介して計算機装置LCCに伝送される。計算機装置LCCは、この測位要求を受信すると、指定された移動機MSの測位計算に必要な準備を行った後、測位要求に含まれたBSアドレスにて特定される基地局BS0、BS1、BS2に対して測位許可を送信する。この測位許可を表す情報には、例えば、図7に示すように、各基地局BS0、BS1、BS2を特定するBSアドレス、移動機MSを特定するMSアドレスと共に、各基地局BS0、BS1、BS2内部の時計を揃えるためのタイミング情報が含まれる、この測位許可に含まれるタイミング情報を受信した各基地局BS0、BS1、BS2では、以後、測位に関する処理の同期がとられる。そして、主基地局BS0から上記測位許可が移動機MSに対して送信される。
【0038】
この測位許可信号を受信した移動機MSの制御回路120(図2参照)は、例えば、図5に示す手順に従って処理が実行し、主基地局BS0の制御装置220(図3参照)は、例えば、図6に示す手順に従って処理を実行する。
以下、図4と共に、図5及び図6を参照して、移動機MSの測位に関する処理について説明する。
【0039】
主基地局BS0は、上記測位許可信号を交換局MSC側から受信すると(図6、S21)、測位指令を止まり木チャネルにて放射する(図6、S22)。そして、基地局BS0は、移動機MSからの測位信号の待ち状態となる(図6、S23)。他の基地局BS1、BS2も、また、上記測位許可信号を交換局MSC側から受信した後に、移動機MSからの測位信号の待ち状態となる。
【0040】
一方、移動機MSは、上記測位許可信号を基地局BS0から受信すると( 図5、S1) 、タイマを動作させて(図5、S2)、主基地局BS0から測位指令を受信するか否かを繰り返し判定している(図5、S3)。そして、主基地局BS0から測位指令を受信したことが判定されると、各基地局BS0、BS1、BS2から止まり木チャネルを用いて放射される下り信号の受信レベルがその下り信号の受信品質として測定される(図5、S4)。そして、その測定された下り信号の受信レベルのうち最小レベルとなるものが選択される( 図5、S5) 。移動機MSと各基地局BS0、BS1、BS2との間で送受信される信号は、その伝播距離に応じて減衰するので、この最小レベルとなる下り信号は、当該移動機MSから最も遠方に位置する基地局(例えば、BS2)から送信されるものである。
【0041】
この最小レベルの下り信号の当該レベルに基づいて移動機MSから送信されるべき測位信号の送信レベルが設定される(図5、S6)。この送信レベルの設定は、例えば、次のようになされる。
上記最小レベルの下り信号の当該レベル(品質)に基づいて移動機MSから最も遠方に位置する基地局BS2までの距離が推定される。そして、その推定される距離に位置する基地局BS2に対して測位信号を送信した場合に、その基地局BS2での当該測位信号の受信品質が適正な測位を行うのに必要な条件(レベル等の受信品質についての条件)を満たすように、当該測位信号の送信レベルが設定される。
【0042】
このように、移動機MSから最も遠方に位置する基地局BS2での当該測位信号の受信レベルが適正な測位を行うのに必要な条件を満たすように、上記測位信号の送信レベルが決定される場合、その決定される送信レベルは、比較的高いものとなる。しかし、移動機MSから最も遠方に位置する基地局と当該移動機までの距離や伝送路の状態は種々の場合で変化するので、その決定される測位信号の送信レベルは、常に最大レベルとなることはない。従って、上記のように移動機MSから最も遠方に位置する基地局での測位信号の受信品質が適正な測位を行うのに必要な条件を適当に決めることにより、測位信号の送信レベルは、比較的高いレベルのうちでもより低いレベルに決定され得る。
【0043】
このように送信すべき測位信号の送信レベルが決定されると、更に、この測位信号のフレーム構成がなされる(図5、S7)。例えば、図8に示すように、所定の測位コード、移動機MSを特定するMS情報及びその設定された送信レベルに対応した送信パワーレベルが含まれるように、測位信号のフレーム構成がなされる。
【0044】
このように、送信すべき測位信号のフレーム構成がなされると、この測位信号を送信すべきタイミングであるか否かが判定される(図5、S8)。この判定は、例えば、各基地局BS0、BS1、BS2への上り伝送路の通信トラヒックが所定の状態より低いか否かによってなされる。また、当該移動機MSから最も遠くに位置する基地局BS2からの止まり木チャネルでの下り信号の受信状態(フェージング)が所定の状態より良好であるか否かによって行うこともできる。
【0045】
このようにして、測位信号の送信すべきタイミングであると判定されると、移動機MSは、上記のようにしてフレーム構成された測位信号を上記のようにして設定された送信レベル(送信パワーレベル)にて各基地局BS0、BS1、BS2のそれぞれに空きチャネルを用いて送信する(図5、S9)(図4における測位(t11)開始)。以後、移動機MSは、主基地局BS0から後述するようなTPC情報が受信されるか否かの監視状態となる(図5、S10及びS11)。
【0046】
一方、上述したように移動機MSからの測位信号の待ち状態となる(図6、S23)各基地局BS0、BS1、BS2では、上り信号に含まれる測位コードにより上記のようにして移動機MSから送信される測位信号が受信されたと判定されると、内部の時計を用いてその受信タイミングが検出される(図6、S24)。そして、更に、受信した測位信号の受信レベルが検出される(図6、S25)。
【0047】
その後、計算機装置LCCに送信すべき受信情報のフレーム構成がなされる(図6、S26)。例えば、図9に示すように、送り先の計算機装置LCCを特定するLCCアドレス、当該基地局を特定するBS情報、上記のようにして検出した測位信号の受信タイミング、測位信号に含まれる送信パワーレベル(図8参照)及び上記のようにして検出された測位信号の受信レベルが含まれるように、受信情報のフレーム構成が行われる。
【0048】
このように受信情報のフレーム構成が終了すると、この受信情報が各基地局BS0、BS1、BS1から交換局MSCを介して計算機装置LCCに転送される(図6、S27)。その後、主基地局BS0は、計算機装置LCCからの応答の待ち状態になる(図6、S28及びS29)。なお、この主基地局BS0以外の基地局BS1及びBS2は、上記のように受信情報を計算機装置LCCに転送した後に、次の測位信号の待ち状態となる。
【0049】
各基地局BS0、BS1、BS2から受信情報(図9参照)を受信した計算機装置LCCは、この受信情報に基づいて移動機MCの位置を演算する。この移動機MSの位置は、例えば、各基地局BS0、BS1、BS2での上記測位信号の各受信タイミングの差と、各基地局BS0、BS1、BS2の絶対的な位置情報に基づいて、三角測量と同様の手法に従って演算される(TDOA)。この演算される移動機MSの位置は、例えば、緯度、経度を用いて表される。
【0050】
なお、各基地局BS0、BS1、BS2からの受信情報に含まれる上記測位信号の送信パワーレベルと受信レベルとの違い(差または比)に基づいて、上記のようにして演算される位置を補正するようにしてもよい。この測位信号の送信パワーレベルと受信レベルとの違いは、移動局MSと各基地局BS0、BS1、BS2との間の伝送路の状態を表す。従って、上記のような補正は、当該伝送路の状態に基づいた補正となる。
【0051】
計算機装置LCCは、上記のように移動機MSの位置を演算した後に、提供された各基地局BS0、BS1、BS2での測位信号の受信レベルのうち最も低い測位信号の当該受信レベル(受信品質の一態様)が所定のレベルに維持されるようにするため、測位信号の送信パワーレベルを制御するためのTPC(Transmission Power Control)情報を生成する。具体的には、実際に提供された各基地局BS0、BS1、BS2での測位信号の受信レベルのうち最も低い受信レベルと適正な測位が行えるための目標受信レベルとの差に基づいて上記TPC情報が生成される。
【0052】
上記のようにして移動機MSの位置演算及びTPC情報の生成が終了すると、計算機装置LCCは、主基地局BS0に対してTPC情報を送信すると共に、移動機MSの位置通知要求を行った端末装置50に対して演算した移動機MSの位置情報を送信する。具体的には、図10に示すように、主基地局BS0を特定するBSアドレス、移動機MSを特定するMSアドレス及びTPC情報を含むフレーム構成となる制御情報が計算機装置LCCから交換局MSCを介して主基地局BS0に送信される。また、図11に示すように、移動機MSに関する情報となるMS情報と演算された移動機MSの位置情報とを含むフレーム構成となる位置通知情報が計算機装置LCCからネットワーク500を介して端末装置50に送信される。
【0053】
計算機装置LCCからこの位置通知情報を受信した端末装置50では、その位置通知情報に含まれる位置情報とMS情報に基づいて、例えば、移動機MSとその位置(緯度、経度)を表す文字情報及び、その位置に所定のマークが付された地図が表示器に表示される。
一方、上述したように計算機装置LCCからの信号の待ち状態となる(図6、S28、S29参照)主基地局BS0は、計算機装置LCCからの制御情報を受信すると、その受信した信号がTPC情報を含むものであることから(図6、S30においてYES)、その制御情報を所定のチャネルにて移動機MSに送信する(図6、S31)。その後、この主基地局BS0は、移動機MSからの次の測位信号の待ち状態となる(S23)。
【0054】
また、上述したようにTPC情報の待ち状態となる(図5、S10、S11参照)移動機MSは、主基地局BS0からそのTPC情報を含む制御情報を受信すると、当該移動機MSにて強制終了の操作が行われたか否かを判定し(図5、S12)、そのような操作が行われていなければ、その受信したTPC情報に基づいて次に送信すべき測位信号のレベルを設定する(図5、S6)。そして、上述した手順と同様の手順(図6、S7、S8、S9)に従って、上記のようにして設定された送信レベルの測位信号が移動機MSから各基地局BS0、BS1、BS2のそれぞれに対して空きチャネルにて送信される(図4における測位(t12)開始)。
【0055】
各基地局BS0、BS1、BS2は、移動機MSからの測位信号の待ち状態にあり、この状態において、移動機MSから測位信号を受信すると、各基地局BS0、BS1、BS2は、上述した手順と同様の手順(図6、S24、S25、S26、S27)に従って、測位信号の受信タイミングの検出及び測位信号の受信レベルの検出を行って、図9に示すような受信情報を計算機装置LCCに送信する。そして、計算機装置LCCは、上述したのと同様に、各基地局BS0、BS1、BS2からの受信情報に含まれる受信タイミングに基づいて移動機MSの位置演算を行うと共に、受信情報に含まれる受信レベルに基づいてTPC情報を生成する。
【0056】
この計算機装置LCCで得られた移動機MSの位置情報は、ネットワーク500を介して端末装置50に送信され、TPC情報は、上述したように、交換局MSCを介して主基地局BS0に送信される。そして、このTPC情報が主基地局BS0から移動機MSに送信される(図4における測位( t12) の終了)。
以後、移動機MSから各基地局BS0、BS1、BS2への測位信号の送信、各基地局BS0、BS1、BS2による測位信号の受信タイミング等の検出、計算機装置LCCでの移動機MSの位置演算及びTPC情報の演算、更に、計算機装置LCCから端末装置50への位置情報の送信及びTPC情報の移動機MSへのフィードバック等の処理が、上述した手順に従って繰り返し実行される。このような処理の過程で、移動機MSから送信される測位信号の送信レベルは、TPC情報により適切なレベルに制御され、また、時期刻々と変化する移動機MSの位置が端末装置50に報告される。
【0057】
各基地局BS0、BS1、BS2から測位信号の受信タイミング情報を受ける毎に移動機MSの位置演算を行う計算機装置LCCは、上記手順での処理の回数が所定回数に達すると、再度測位指令を各基地局BS0、BS1、BS2に送信する(図4における測位(t1n))。この場合、TPC情報の待ち状態となる移動機MSは、このTPC情報が受信されずに所定時間T2が経過すると(図5、S10においてYES)、測位指令の待ち状態に切り換わる(図5、S2、S3)。
【0058】
また、受信情報(図9参照)を計算機装置LCCに送信した後に計算機装置LCCからの信号の待ち状態となる主基地局BS0は、この計算機装置LCCから測位指令を受信すると(図6、S30においてNO)、その測位指令を止まり木チャネルの下り信号により移動機MSに送信する(図6、S22)。そして、主基地局BS0は、移動機MSからの測位信号の待ち状態になる(S23)。
【0059】
上記のように測位指令の待ち状態となる移動機MSは、主基地局BS0からの測位指令を受信すると、その測位指令の含まれる下り信号のレベルを測定すると共に、他の基地局BS1及びBS2からの止まり木チャネルでの下り信号のレベルを測定する(図5、S4)。そして、上述した手順と同様の手順に従って、受信した下り信号のレベルのうち最小レベルが選択され(図5、S5)、その最小レベルに基づいて送信すべき測位信号の送信レベルが設定される(図5、S6)。そして、この設定された送信レベルの測位信号(図8参照)が各基地局BS0、BS1、BS2に送信される(図5、S7、S8、S9)(図4における測位(t21)の開始)。
【0060】
以後、前述したのと同様に、各基地局BS0、BS1、BS2による測位信号の受信タイミング等の検出、計算機装置LCCでの移動機MSの位置演算及びTPC情報の演算、計算機装置LCCから端末装置50への位置情報の送信及びTPC情報の移動機MSへのフィードバック、更に、TPC情報に基づいてレベル設定のなされた測位信号の移動機MSからの送信等の処理が、繰り返し実行される。
【0061】
なお、計算機装置LCCが位置演算処理を終了して、計算機装置LCCからの信号の待ち状態となる主基地局BS0が所定時間T3内に計算機装置LCCから信号を受信しない場合(図6、S28においてYES)、主基地局BS0の制御装置220は、移動機MSの位置検出に係る処理を終了する。また、測位指令の待ち状態となる移動機MSが所定時間T1内に主基地局BS0から測位指令を受信しない場合(図5、S2においてYES)、移動機MSの制御回路120は、当該移動機MSの位置検出に係る処理を終了する。更に、上述したような処理の過程で、移動機MSにおいて強制終了の操作がなされると(図5、S12においてYES)、当該処理が強制的に終了される。
【0062】
上述したような移動機の位置測定方法では、あるインターバルで、移動機MSから最も遠方に位置する基地局BS2からの下り信号のレベル(受信品質)に基づいて移動機MSから送信すべき測位信号の送信レベルが設定される。また、そのインターバルの間、移動機MSから最も遠方に位置する基地局BS2にて受信した測位信号の受信レベルに基づいて生成されるTPC情報に従って移動機MSから送信すべき測位信号の送信レベルが繰り返しフィードバック制御される。その結果、移動機MSから送信される測位信号の送信レベルは、最も遠方に位置する基地局BS2において所定の受信品質が得られるように調整される。
【0063】
このように移動機MSから測位のために送信される測位信号の送信レベルが、最も遠方に位置する基地局BS2において所定の受信品質が得られるように調整されると、その送信レベルは、比較的高く設定されるものの、その所定の受信品質が得られるに必要なレベルに設定され、必ずしも最大レベルに設定されるものとはならない。従って、移動機MSから位置測定のために送信される測位信号の送信レベルを安定した位置測定を可能にするレベルに保持しつつ、当該測位信号の他の移動機と基地局との間の通信に与える影響(干渉など)をより小さくすることができる。
【0064】
各基地局BS0、BS1、BS2のアンテナの指向性を調整することによって、更に、移動機MSから送信される測位信号の送信レベルを更に低減することができる。この場合、各基地局BS0、BS1、BS2は、例えば、図12に示すように構成される。
図12において、この基地局は、前述した例と同様に、送受信装置202、伝送装置203及び制御装置20を有している。更に、送受信装置202はアンテナアレイ制御回路204に接続される。このアンテナアレイ制御回路204は、制御装置220の制御のもと、アレイアンテナ250の指向性を調整する。このように制御されるアンテナアレイ250は、所謂、アダプティブアンテナアレイ(Adaptive Antenna Array)として機能する。
【0065】
各基地局BS0、BS1、BS2が上記のような構成となる場合、各基地局BS0、BS1、BS2は、図13に示すように、移動機MSからの測位信号の受信角度に基づいて移動機MSの方向d0、d1、d2を検出する。そして、各基地局BS0、BS1、BS2は、測位信号の受信タイミング、受信レベルと共に移動機MSの方向d0、d1、d2を計算機装置LCCに送る。計算機装置LCCは、移動機MSの位置演算と共に、その受信レベルに応じて各基地局BS0、BS1、BS2のアレイアンテナ250の指向性を演算する。この各基地局BS0、BS1、BS2のアレイアンテナ250の指向性は、測位信号の受信レベルがより低くなる基地局(移動機MSからより遠方に位置する基地局)での当該測位信号に対する受信感度がより高くなるように決められる。そして、計算機装置LCCは、各基地局BS0、BS1、BS2に対して上記のように決められた指向性の調整信号を送る。
【0066】
各基地局BS0、BS1、BS2では、計算器装置LCCから送られてくる指向性の調整信号に基づいてアンテナアレイ250の指向性が調整される。その結果、図13に示すように、各基地局BS0、BS1、BS2のアレイアンテナ250の指向性を表すビームB0、B1、B2の方向が、移動機MSからより遠方に位置する基地局ほど、移動機MSの検出方向d0、d1、d2に近づくように調整される。
【0067】
このように各基地局BS0、BS1、BSのアレイアンテナ250の指向性が調整されると、計算機装置LCCは、当該測位信号に対する受信感度が高い状態となった移動機MSから最も遠方に位置する基地局BS2での測位信号の受信レベルに応じてTPC情報を生成する。従って、そのTPC情報に基づいて制御される移動機MSから送信される測位信号の送信レベルは、前述した例の場合に比べて低く設定される。
【0068】
また、上記のようなシステムにおいては、移動機MSにおいて、各基地局BS0、BS1、BS2からの下り信号信号の受信レベルのうち最小となるレベルに基づいてその最小レベルとなる下り信号の送信元となる基地局での測位信号に対する受信感度を推定することができる。そのため、移動機MSにおいて受信した下り信号の最小レベルに基づいて測位信号の送信レベルを設定する際に、その推定された受信感度を考慮することができる。従って、この場合も、移動機MSから送信される測位信号の送信レベルは、前述した例の場合に比べて低く設定することができる。
【0069】
更に、上述した各例では、移動機MSから送信される測位信号の送信レベルは、基本的に、当該移動機MSから最も遠方に位置する基地局BS2での受信品質が所定の条件を満たすように設定されるので、比較的高いレベルに設定される。一方、移動機MSから近くに位置する基地局、特に、最も近い主基地局BS0は、通常の通話を行っている他の移動機と比較的低いレベルの信号の送受信を行う。このような状況で、この主基地局BS0が移動機MSから比較的高いレベルの測位信号を受信すると、通話を行っている他の移動機からの比較的低いレベルの信号を検出し難くなることがある。
【0070】
このような状況を避けるため、例えば、図14に示すように、特に、移動機MSから高いレベルの測位信号を受信すると予想される基地局BS0のアレイアンテナ250の受信ビームB0(指向性)を、移動機MSの方向d0での受信感度が低くなるように、調整することができる。このような調整により、比較的高いレベルの測位信号がMSから送信されても、当該移動局MSから近くに位置する基地局BS0では、他の移動機との通信に用いられる信号の受信能力の低下が防止される。
【0071】
上述した各例は、移動機MSから測位信号を各基地局BS0、BS1、BS2に一斉に送信するようにしたが、測位信号を所定の間隔で各基地局BS0、BS1、BS2に送信することも可能である。この場合、その測位信号を送信する時刻情報を測位信号に含めるか、予めその間隔が決められているのであれば、その情報を計算機装置LCCに記憶させるようにする。
【0072】
また、上述した各例は、移動機MSから測位信号を各基地局BS0、BS1、BS2に送信するようにした(U−link方式)が、本発明は、これに限られず、各基地局BS0、BS1、BS2から測位信号を移動機MSに送信し、その受信タイミングに基づいて移動機MSが位置演算を行うようにすることもできる(Down−link 方式)。この場合、各基地局BS0、BS1、BS2と移動機MSとの同期をとることになる。そして、移動機MSから送信される信号の各基地局BS0、BS1、BS1での受信レベル( 受信品質) のうち最小レベル( 最も低位に品質) に基づいて各基地局BS0、BS1、BS2から送信される測位信号の送信レベルが決定される。更に、移動機MSから位置情報を主基地局BS0を送信する際に、移動機MSで生成されたTPC情報が主基地局BS0に送信される。
【0073】
このように、各基地局BS0、BS1、BS2から測位信号が送信される場合も、その送信タイミングは、各基地局での通信トラヒックや伝送路の状態( フェージングの発生の有無等) に基づいて最適なタイミングに決定される。
上記例において、測位信号が移動機の位置測定を行うための所定の信号に対応し、図5に示すステップS4、S5、S6での処理と、計算機装置LCCでのTPC情報の作成処理及び図5におけるステップS11、S12、S6での処理がそれぞれ第一の手順に対応し、図5におけるステップS7、S8、S9での処理が第二の手順に対応する。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、請求項1乃至8記載の本願発明によれば、移動機の位置検出に用いられる所定の信号の送信レベルが、当該移動機から最も遠くに位置する基地局での当該所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように設定される。その結果、該所定の信号の送信レベルは、移動しうる移動機の位置に応じて変化することになり、常に最大値に保持されることはなく、最大のレベルより低いレベルに設定され得る。従って、複数の基地局と移動機との間で通信を行って移動機の位置検出を連続的に行っても、他の移動機の通信に対する干渉をできるだけ小さくすることのできる。
【0075】
請求項9乃至21に記載される本願発明によれば、上述したような移動機の位置測定方法が適用される移動機の位置測定システムが実現できる。
また、請求項22乃至24記載の本願発明によれば、上述した移動機の位置測定方法に用いられる移動機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る移動機の位置測定方法が適用される移動通信システムの基本的な構成を示す図である。
【図2】移動機の構成例を示すブロック図である。
【図3】基地局の構成例を示すブロック図である。
【図4】移動機の位置測定に係る処理の手順の一例を示すシーケンス図である。
【図5】移動機の位置測定に係る当該移動機での処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】移動機の位置測定に係る主基地局での処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】測位許可情報のフレーム構成例を示す図である。
【図8】測位信号のフレーム構成例を示す図である。
【図9】各基地局から計算機装置に送信される受信情報のフレーム構成例を示す図である。
【図10】制御情報のフレーム構成例を示す図である。
【図11】位置通知情報のフレーム構成例を示す図である。
【図12】基地局の他の構成例を示すブロック図である。
【図13】各基地局におけるアンテナの指向性の制御例を示す図である。
【図14】各基地局におけるアンテナの指向性の他の制御例を示す図である。
【符号の説明】
50 端末装置
100 移動機
101 アンテナ共用器
102 送受信装置
110 アンテナ
120 制御回路
200 基地局
201 アンテナ共用器
202 送受信装置
203 伝送装置
210 アンテナ
220 制御装置
300 交換局
400 計算機装置
500 ネットワーク

Claims (25)

  1. 移動通信システムにおける移動機と複数の基地局との間で所定の信号を送信及び受信し、当該所定の信号の各基地局または移動機での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定するようにした移動機の位置測定方法において、
    上記移動機と当該移動機から上記複数の基地局のうち最も遠方に位置する基地局との間で送信及び受信される該所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の手順と、
    該第一の手順にて設定された送信レベルにて当該所定の信号を移動機または該複数の基地局から送信する第二の手順とを含む移動機の位置測定方法。
  2. 請求項1記載の移動機の位置測定方法において、
    上記所定の信号は移動機から送信され、
    当該所定の信号の各基地局での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定するようにした移動機の位置測定方法。
  3. 請求項1記載の移動機の位置測定方法において、
    上記所定の信号は各基地局から送信され、
    当該所定の信号の移動機での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定するようにした移動機の位置測定方法。
  4. 請求項2記載の移動機の位置測定方法において、
    上記第一の手順は、各基地局から送信された信号の品質を測定する手順と、
    該測定された品質のうち最も低位の品質に基づいて移動機から各基地局に送信される当該所定の信号の送信レベルを設定する手順とを含む移動機の位置測定方法。
  5. 請求項2記載の移動機の位置測定方法において、
    上記第一の手順は、上記第二の手順に従って移動機から送信さた所定の信号の各基地局での受信品質のうち最も低位の品質に基づいた制御情報を移動機に通知する手順と、
    移動機に通知された当該制御情報に基づいて移動機から各基地局に送信される当該所定の信号の送信レベルを設定する手順とを含む移動機の位置測定方法。
  6. 請求項2、4及び5いずれか記載の移動機の位置測定方法において、
    各基地局にて受信される当該所定の信号に基づいて、各基地局のアンテナの指向性を、移動機から最も遠方に位置する基地局での当該所定の信号に対する受信感度が他の基地局での当該所定の信号に対する受信感度より高くなるように調整する手順を含む移動機の位置測定方法。
  7. 請求項2及び4乃至6いずれか記載の移動機の位置測定方法において、
    移動機から最も遠方に位置する基地局以外の基地局のうち少なくとも移動機から最も近くに位置する基地局のアンテナの受信ビームを、移動機の方向における受信感度が他の方向の受信感度より低くなるように調整する手順を含む移動機の位置測定方法。
  8. 請求項1乃至7いずれか記載の移動機の位置測定方法において、
    移動機と各基地局との間で送信及び受信される当該所定の信号の送信タイミングを各基地局と移動機との間の通信状況に基づいて決定する送信タイミング決定手順を有し、
    該送信タイミング決定手順にて決定された送信タイミングで上記所定の信号が上記第二の手順にて送信されるようにした移動機の位置測定方法。
  9. 移動通信システムにおける移動機と複数の基地局との間で所定の信号を送信及び受信し、当該所定の信号の各基地局または移動機での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定するようにした移動機の位置測定システムにおいて、
    上記移動機と当該移動機から上記複数の基地局のうち最も遠方に位置する基地局との間で送信及び受信される該所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の手段と、
    該第一の手段にて設定された送信レベルにて当該所定の信号を移動機または該複数の基地局から送信する第二の手段とを含む移動機の位置測定システム。
  10. 請求項9記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    上記第二の手段は移動機に含まれ、当該所定の信号が移動機から各基地局に送信されるようにした移動機の位置測定システム。
  11. 請求項10記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    上記第一の手段は移動機に含まれると共に、
    各基地局から送信される信号の品質を測定する品質測定手段と、
    該品質測定手段にて測定された品質のうち最も低位の品質に基づいて移動機から各基地局に送信される当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の送信レベル設定手段とを有する移動機の位置測定システム。
  12. 請求項10記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    上記第一の手段は、上記第二の手段にて移動機から送信された所定の信号の各基地局での受信品質のうち最も低位の品質に基づいた制御情報を移動機に通知する手段と、
    該移動機に通知された制御情報に基づいて移動機から各基地局に送信される当該所定の信号の送信レベルを設定する第二の送信レベル設定手段とを有する移動機の位置測定システム。
  13. 請求項10乃至12いずれか記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    各基地局にて受信される当該所定の信号に基づいて、各基地局のアンテナの指向性を、移動機から最も遠方に位置する基地局での当該所定の信号に対する受信感度が他の基地局での当該所定の信号に対する受信感度より高くなるように調整する指向性調整手段を含む移動機の位置測定システム。
  14. 請求項10乃至12いずれか記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    移動機から最も遠方に位置する基地局以外の基地局のうち少なくとも移動機から最も近くに位置する基地局のアンテナの受信ビームを、移動機の方向における受信感度が他の方向の受信感度より低くなるように調整する調整手段を有する移動機の位置測定システム。
  15. 請求項9乃至14いずれか記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    移動機と各基地局との間で送信及び受信される当該所定の信号の送信タイミングを各基地局と移動機との間の通信状況に基づいて決定する送信タイミング決定手順を有し、
    該送信タイミング決定手順にて決定された送信タイミングで上記所定の信号が上記第二の手段にて送信されるようにした移動機の位置測定方法。
  16. 移動通信システムにおける移動機から送信される所定の信号を複数の基地局にて受信し、当該所定の信号の各基地局での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定するようにした移動機の位置測定システムにおいて、
    各基地局に結合された計算機装置を有し、
    上記移動機は、当該移動機から上記複数の基地局のうち最も遠方に位置する基地局との間で送信及び受信される該所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の手段と、
    該第一の設定手段にて設定された送信レベルにて当該所定の信号を該複数の基地局に送信する第二の手段とを有し、
    上記計算機装置は、各基地局にて受信された移動機からの当該所定の信号の受信状態に基づいて当該移動機の位置を演算する位置演算手段を有する移動機の位置測定システム。
  17. 請求項16記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    上記移動機の第一の手段は、各基地局から送信される信号の品質を測定する品質測定手段と、
    該品質測定手段にて測定された各信号の品質のうち最も低位の品質に基づいて当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の送信レベル設定手段とを有する移動機の位置測定システム。
  18. 請求項16記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    上記計算機装置は、上記移動機の第二の手段にて送信される所定の信号の各基地局での受信品質のうち最も低位の品質に基づいた制御情報を生成する制御情報生成手段を有し、
    上記移動機の第一の手段は、計算機装置の制御情報生成手段にて生成された制御情報を所定の基地局から受信したときに、該制御情報に基づいて各基地局に送信される当該所定の信号の送信レベルを設定する第二の送信レベル設定手段を有し、上記第二の手段が該第二のレベル設定手段にて設定された送信レベルにて当該所定の信号を送信するようにした移動機の位置測定システム。
  19. 請求項16乃至18いずれか記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    各基地局はアンテナの指向性を調整する指向性調整手段を有し、
    各基地局にて受信される当該所定の信号の受信レベルに基づいて、当該所定の信号を受信する各基地局のアンテナの指向性を、移動機から最も遠方に位置する基地局での当該所定の信号に対する受信感度が他の基地局での当該所定の信号に対する受信感度より高くなるように各基地局の指向性調整手段を制御する第一の制御手段を有する移動機の位置測定システム。
  20. 請求項19記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    移動機から最も遠方に位置する基地局以外の基地局のうち少なくとも移動機から最も近くに位置する基地局のアンテナの受信ビームを、移動機の方向における受信感度が他の方向の受信感度より低くなるように当該基地局の指向性調整手段を制御する第二の制御手段を有する移動機の位置測定システム。
  21. 請求項16乃至20いずれか記載の移動機の位置測定システムにおいて、
    上記移動機は、該移動機と各基地局との間で送信及び受信される当該所定の信号の送信タイミングを各基地局と移動機との間の通信状況に基づいて決定する送信タイミング決定手段を有し、
    該送信タイミング決定手段にて決定された送信タイミングで上記所定の信号が上記第二の手段にて送信されるようにした移動機の位置測定システム。
  22. 移動通信システムにおける移動機から送信される所定の信号を複数の基地局にて受信し、当該所定の信号の各基地局での受信状態に基づいて当該移動機の位置を特定するようにした移動機の位置測定方法に用いられる移動機において、
    当該移動機から上記複数の基地局のうち最も遠方に位置する基地局にて受信される該所定の信号の受信品質が所定の条件を満たすように当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の手段と、
    該第一の手段にて設定された送信レベルにて当該所定の信号を該複数の基地局から送信する第二の手段とを有する移動機。
  23. 請求項22記載の移動機において、
    上記第一の手段は、各基地局から送信される信号の品質を測定する品質測定手段と、
    該品質測定手段にて測定された各信号の品質のうち最も低位の品質に基づいて当該所定の信号の送信レベルを設定する第一の送信レベル設定手段とを有する移動機。
  24. 請求項22または23記載の移動機において、
    各基地局での当該所定の信号の受信品質のうち最も低位の品質に基づいた制御情報に基づいて各基地局に送信される当該所定の信号の送信レベルを設定する第二の送信レベル設定手段を有し、上記第二の手段が該第二のレベル設定手段にて設定された送信レベルにて当該所定の信号を送信するようにした移動機。
  25. 請求項22乃至24いずれか記載の移動機にいおて、
    移動機と各基地局との間で送信及び受信される当該所定の信号の送信タイミングを各基地局と移動機との間の通信状況に基づいて決定する送信タイミング決定手段を有し、
    該送信タイミング決定手順にて決定された送信タイミングで上記所定の信号が上記第二の手段にて送信されるようにした移動機。
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