JP3586012B2 - 音響再生装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ信号源と、フェーダ制御装置と、それら2つの装置の後方に接続されてオーディオ信号をデジタル的処理する装置とを備えている音響再生装置におけるチャンネルを減少されるための手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ信号源の後方に接続されたデジタルオーディオ信号プロセッサを備えた音響再生装置は従来の技術において知られており、ここで詳しく説明する必要はない。オーディオ信号源が音響事象のステレオ伝送のために2つに分離されたオーディオ信号チャンネルを含むものであり、フェーダ制御装置がオーディオ信号源の後に接続され、その2つの異なる出力チャンネルに音響チャンネル中のオーディオ出力信号を分配するならば、現在の技術ではデジタル処理にアクセス可能なステレオオーディオ信号を形成する2つの解決方法が存在する。
【0003】
さらに詳細に説明する前に、フェーダ制御装置の機能について説明する。非常に簡単な形態では、これは調節可能な分圧器であり、各分圧器の全抵抗を調整して変化させることによって2つの個々の抵抗に分割し、それによって存在する全電圧を調節可能な個々の電圧に分割する。音響事象のステレオ伝送のために2つオーディオ信号チャンネルを含んでいるオーディオ信号およびその後に接続されたフェーダ制御装置において、調節可能な分圧器は各オーディオ信号チャンネルに対して設けられる。これら2つの分圧器は等しい大きさの全体の抵抗を有し、フェーダ制御装置の調節にしたがって各分圧器に対して等しい割合が各個々の抵抗に対して与えられるように互いに接続されている。もしも2つオーディオ信号チャンネルに存在するオーディオ出力信号がそのようなフェーダ制御装置を通過するならば、等しい振動を有する2つオーディオ信号が各オーディオ出力チャンネルから得られる。等しい振動を有するオーディオ信号の振幅は各個々の抵抗の比に応じて互いに同じまたは異なる大きさであることができる。そのようなフェーダ制御装置は例えば2つの前方スピーカおよび2つの後方スピーカの間で自動車中で2チャンネルの音響を分割するために使用される。すなわち、例えば2つの前方スピーカ間で聞かれる音はまた2つの他のスピーカ間でも聞くことができる。形態に応じてフェーダ制御装置はオーディオ信号源の集合化された部品、例えば自動車ラジオのような装置であってもよく、或いはオーディオ信号源から離れて、例えば自動車の中央コンソールに配置されることもできる。
【0004】
もしも、オーディオ信号源がそのようなフェーダ制御装置を備えており、また、もしもフェーダ制御装置中の出力チャンネルの数に応じてオーディオ信号がオーディオ信号のデジタル処理のために装置に導かれるならば、4個の高品質の、すなわちオーディオ信号の処理に適したA/D変換器(アナログデジタル変換器)がオーディオ信号を導くために必要とされ、オーディオ信号はデジタルプロセッサに対してフェーダ制御装置によって「分割」される。さらに結果としてデジタル信号処理は4つのチャンネルで行われなければならない。
【0005】
しかしながら、フェーダ制御装置は2つのスピーカ群(前方および後方スピーカ群)間で2チャンネル音響情報を分割する機能を有しているに過ぎないから、両方のオーディオ信号チャンネルに存在するオーディオ出力信号だけをデジタル信号処理を受けさせ、その後2つのスピーカ群に対して分割を実行することが好ましい。そのような構成はオーディオ信号の処理に適したA/D変換器が2個しか必要とされない利点を有するが、多数のオーディオ信号源に集積された種類のフェーダ制御装置を使用して音響情報を分配することができず、別々のフェーダ制御装置が使用されなければならない欠点がある。さらにオーディオ信号源の付近にデジタルオーディオ信号プロセッサのための空間が得られないことも多い。そのため多くの場合に長い接続線が別々のフェーダ制御装置とオーディオ信号のデジタル処理のための装置との間に必要とされ、分離されたフェーダ制御装置はオーディオ信号のデジタル処理のための装置から離れた恐らくオーディオ信号源の付近に配置されなければならない。
【0006】
後者は両方の場合に適用され、フェーダ制御装置はすでに詳細に説明されたものであり、また調整に応じてオーディオ信号のデジタル処理のためのプロセッサ装置に直接影響する別の調整装置によってフェーダ制御装置の機能が行われる場合もある。
【0007】
もしも、オーディオ信号源が集積されたフェーダ制御装置を備え、また、もしもデジタル信号処理が付加的なフェーダ制御装置を使用して2つのチャンネルで行われるならば、フェーダ制御装置の前段でデジタル装置によって処理されるオーディオ信号に対してオーディオ信号源に接続されたフェーダ制御装置の調整と無関係にオーディオ出力信号が2つのチャンネルで確実に得られるために付加的な手段が取られなければならない。サービスマンが変化されないオーディオ信号源中のフェーダ制御装置の調整を忘れる可能性は無視できないので、オーディオ信号源に接続されたフェーダ制御装置の調整に関係なく、オーディオ出力信号が得られたオーディオ信号源中に2以上の出力を生成することによってのみ実現できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、本発明の目的は、従来の装置のスイッチングの要求を減少させ、しかも、同時に通常のフェーダ制御装置、すなわち電圧分圧器の原理により動作するフェーダ制御装置を使用する音響再生装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的は、本発明の音響再生装置によって達成される。
本発明は、音響事象のステレオ伝送のための2つの分離したオーディオ信号チャンネルを備えたオーディオ信号源と、2つのオーディオ信号チャンネルが導かれ、それらのオーディオ信号チャンネルによって供給されるオーディオ信号源からのオーディオ出力信号をそれぞれ2つのチャンネルの2つのオーディオ信号に分割して出力チャンネルに導く調整可能なフェーダ制御装置と、このフェーダ制御装置に後続して配置され、それぞれ後続する1つの信号チャンネルを有する2個以上のA/D変換器を有するオーディオ信号のデジタル処理のための装置とを具備している音響再生装置において、
同じ聴取区域のためのオーディオ信号を導く2つの出力チャンネルに入力が接続されている第1の加算器と、第1の加算器に後続する信号路に設けられている第1のA/D変換器と、それぞれ異なる聴取区域のためのオーディオ信号を導くが同じオーディオチャンネルから生じる2つの出力チャンネルに入力がそれぞれ接続されている第2および第3の加算器と、第2および第3の加算器中で形成された各複合信号がそれぞれ供給されるオーディオ信号に適した第2および第3のA/D変換器とを備え、第2および第3のA/D変換器に後続する各信号チャンネルがそれぞれ2以上の並列な信号チャンネルに分割されており、さらに、それぞれの分割された並列な信号チャンネルの少なくとも2つにそれぞれ割当てられている乗算器と、第2および第3の加算器において形成された複合信号が入力に供給され、出力が信号チャンネルに接続されている第4の加算器と、各加算器が設けられているチャンネルに含まれている平均レベル値を決定する装置と、その平均レベル値を決定する装置に後続して信号路中に配置されている平滑化装置と、信号チャンネルが導かれてそれにより供給された信号からそれらの商を形成する除算装置と、除算装置により形成されて信号チャンネルにより供給された商によって2つの係数を決定する計算装置とを備え、第1のA/D変換器は第1の加算器と乗算器との間の信号通路に配置されており、前記係数は異なった信号チャンネル中に位置する乗算器によってそれぞれ利用可能であることを特徴とする。本発明の有効な形態は請求項2以下に記載されている。
【0010】
音響再生装置が上記のような構成を有しているならば、2つの元の出力信号、すなわちオーディオ信号チャンネルのフェーダ制御装置の前段の信号が、この装置を使用してフェーダ制御装置のチャンネル中に存在するオーディオ信号を再構成し、さらに処理するために2チャンネル信号にそれらを導くことができるのみならず、高価な部品(オーディオ信号に適したA/D変換器等)を必要としないで異なった出力チャンネル、またはフェーダ制御装置の後方のすでに存在する出力チャンネルではなく、フェーダ制御装置とオーディオ信号のデジタル処理のための装置との間の接続ラインにおけるオーディオ出力信号の分配を決定することを可能にする。
【0011】
この発明の効果は、異なった聴取区域(前方/後方)に対して通常のフェーダ制御装置によってすでに分配されたオーディオ出力信号が、異なった聴取区域に対するフェーダ制御装置中で調整された分配率の同時分離手段によって2つのチャンネルで本質的に処理されるオーディオ出力信号(L,R)を導くために使用されることができることである。
【0012】
第1、第2、第3の各加算器がオーディオ信号チャンネル(TKL ,TKR )中に存在する2つのオーディオ出力信号(L,R)のそれぞれを再構成するために設けられる。それらの中の2個の加算器のそれぞれはフェーダ制御装置の2つのそのような出力チャンネルに接続され、そこから異なった聴取区域(前方または後方)に送ることを意図しているが同じ信号チャンネルから発生する2つの信号が得られる。2個の加算器中で発生された各複合信号はそれぞれのオーディオ出力チャンネル(L,R)に振幅および振動が対応しており、オーディオ信号に適したA/D変換器に導かれ、それ故、デジタルチャンネル形式の信号処理を受けることができる。
【0013】
第1の加算器はフェーダ制御装置における分配率の各調整値を決定するために設けられている。この第1の加算器の入力は2つの出力チャンネルに接続され、そこにおいて同じ聴取区域に送ることを意図しているが異なったオーディオ信号チャンネル(TKL またはTKR )から発生する1つのオーディオ信号(LV ,LH またはRV ,RH )を得ることができる。
【0014】
もしも、第2、第3の加算器の後方において複合信号が第4の加算器に導かれるならば、フェーダ制御装置に存在する分配率は第1および第4の加算器の後方において複合信号の比率を除算装置により決定することができる。換言すれば除算により得られる商は2つの聴取区域(前方、後方)に送られる各オーディオ信号(L,R)の量を示す値である。そのためこの商は計算装置に送られ、この商から両方の聴取区域に分割される信号分配率を決定することができる。各商およびそれと相補型的な商はこの実施例では呼び出された係数であり、デジタル複合信号Sum2 ,Sum3 に影響を与えるために使用され、それはA/D変換後フェーダ制御装置における調整された分配率に関連して2つの信号チャンネル(SK2 ,SK3 )中に存在する。そのためA/D変換後、これらの各信号チャンネル(SK2 ,SK3 )が互いに並列な2以上の信号チャンネル(SK2.2/3 ,SK3.2/3 )に分割されてそれぞれ乗算器に送られる。計算装置によって決定された2つの係数が例えばデータラインによって異なる信号チャンネルに位置する2つの乗算器で使用可能になれば、デジタルオーディオ信号は乗算器の後方で得られて、その分配率はフェーダ制御装置における調節された比率に対応する。
【0015】
原理的に第4の加算器、除算装置、および計算装置が回路中に配置されることは重要なことではなく、係数がデジタル形態で各乗算器に対して利用可能にされることが確実になるに過ぎない。これは第2、第3の加算器の後方における複合信号がアナログ信号として第4の加算器に与えられ、そこからアナログ信号が第1の加算器の後方にある場合と同様に除算装置および計算装置に送られてそれからA/D変換が行われるようにすることもできる。
【0016】
少なくとも第1および第4の加算器に接続された各チャンネルは、少なくとも1つの平均レベルを決定する装置を備え、これらの装置はそれに後続する信号チャンネル中に平滑化装置を備えており、請求項3に記載されているように、もしもA/D変換が第1乃至第3の加算器の直ぐ後で行われ、続いてデジタル形式で平均レベルの決定および平滑化が行われるならばさらに有効である。
【0017】
請求項2に記載されているように、平均レベルを決定する各装置および後続する各平滑化装置が第1および第4の加算器に関して対称的に配置されているならば特に良好な結果が得られる。この対称的配置によって、異なったチャンネルのオーディオ信号が加算されたとき避けることのできない位相の問題が非常に軽減される効果が得られる。それはそうでなければ発生する除算後の分配率の再構成のための問題がもはや存在しないことと、複合信号が第1および第4の加算器の後方でそのレベルまで等しいことによるものである。対称的配置は2つの加算点(第1および第4の加算器中)を基準として平均レベル値を決定する全ての装置が各加算器の前または後のいずれかに位置される場合に行われる。
【0018】
例えば180度位相の変位した音響信号が第1の加算器に送られた出力信号中に存在する時に生じる極端な位相の問題は、請求項4に記載された構成により避けることができる。すなわち、第1の加算器に導かれた各チャンネルは、平均レベル値を決定するために整流器の形態の装置を先行して設けられている。
【0019】
平均レベル値の決定を行う方法には原理的な差はない。例えば絶対値または2乗された値による方法が行われることができる。しかしながら、平均レベル値を決定する装置が絶対値法によって動作するならば特に有効である。これは2乗された値による方法とは対照的に絶対値法によれば十分に区別されている平均レベル値、すなわち少ない許容誤差の値が非常に低いNF(低い周波数)においてさえもA/D変換器に対する入力で得られるからである。
【0020】
請求項6に記載されているように、しきい値装置が除算装置に先行して配置されているならば、それは0の除数を排除すると共に、第4の加算器の後段て得られる全体のレベルが安定な商を形成するためにしきい値装置があるしきい値を越えることを確実にする。換言すれば、後者の機能の意味では、しきい値装置はそれでなければ存在する非常に小さい全体的な信号レベルが商の形成中に劣化したり、不安定になることを確実に阻止する。
【0021】
請求項7に記載されているように、フェーダ制御装置の出力とA/D変換器の入力との間に配置された部品がアダプタ中に統合されることは特に有効である。これはそのようなアダプタは小型で、それ故容易にフェーダ制御装置の直ぐ近くに配置されることが可能であるからである。アダプタがフェーダ制御装置の直ぐ近くに配置され、フェーダがオーディオ信号のデジタル処理のための装置から大きい距離に位置される場合、それらの接続のために3つのガイドチャンネルが必要であるに過ぎない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照にして説明する。
図1に示されたブロック図はオーディオ信号源10を示し、それは利用可能な2つのオーディオ信号チャンネルTKL ,TKR を有している。これらのオーディオ信号チャンネルTKは2つのオーディオ出力信号L,Rを含み、それらのチャンネルはこの実施の形態においてはステレオ的に送信された音響事象の2つの信号を伝送する。フェーダ制御装置11は電圧分圧器の原理で動作し、オーディオ信号源10に接続されている。2つのオーディオ信号チャンネルTKはこのフェーダ制御装置11に導かれている。前に詳細に説明したようにオペレータによって選択されたフェーダ制御装置11の調整に応じて、オーディオ出力信号L,Rは2つの聴取区域、すなわち前方および後方聴取区域に分割され、各出力チャンネルAK1−4 に導かれる。
【0023】
この実施の形態において、オーディオ信号源10およびフェーダ制御装置11はこれらを囲む1点鎖線で示されるようにユニット化されている。そのような装置は例えばカーラジオで知られているものと同様である。
【0024】
オーディオ信号LV およびRV 、すなわち前方聴取区域に与えられるオーディオ信号は出力チャンネルAK1 ,AK2 を通って第1の加算器12.1に供給され、この第1の加算器12.1はこれらのオーディオ信号LV およびRV から複合信号Sum 1を形成する。
【0025】
オーディオ信号LV ,LH またはRV ,RH は異なる聴取区域に導かれるが、等しいオーディオ信号チャンネルTKL ,TKR から発生し、オーディオチャンネルのような各出力チャンネルAK1−4 によって各加算器12.2,12.3の1つに導かれる。この例の場合、右のオーディオチャンネルTKR から発生したオーディオ信号RV/H は加算器12.2に導かれ、左のオーディオチャンネルTKL から発生したオーディオ信号LV/H は加算器12.3に導かれる。
【0026】
各加算器チャンネルSK1−3 の1つはそれぞれ加算器12.1〜12.3に接続され、そこに加算器12.1〜12.3中で形成された複合信号Sum 1〜3 が供給される。各加算器チャンネルSK2/3 は複合信号Sum2/3 を得ることができ、それは各オーディオ出力信号L,Rに対応する。
【0027】
複合信号Sum 1〜3 はさらに装置13において処理されて(オーディオ)信号のデジタル処理が行われる。そのために加算器12.1〜12.3から来る各信号チャンネルSK1−3 はA/D変換器14.1〜14.3に送られる。A/D変換器14.2,14.3はオーディオ信号に適したA/D変換器であり、16ビット以上の分解能を有する必要がある。そのような高い分解能はA/D変換器14.1では必要がない。むしろ、このA/D変換器14.1は8ビット以上の分解能があれば十分である。この実施例の場合、“コーディック1”と呼ばれる変換器が使用され、それはそれぞれ16ビットの分解能を有するオーディオ信号に適したA/D変換器14.2,14.3に加えて、単なる付属品として12ビットの分解能を有するA/D変換器を有し、それがA/D変換器14.1として使用された。
【0028】
各変換器14に後続してDC電圧を排除するためにハイパスフィルタ15が設けられている。
複合信号Sum 2/3が各ハイパスフィルタ15を通過した後、各信号チャンネルSK2/3 は3つの並列の加算器チャンネルSK2.1−3 ,SK3.1−3 に分割される。参照符号SK2.2/3 ,SK3.2/3 を有する各加算器チャンネルは乗算器M 1〜4 を有している。
詳しく説明すると、加算器チャンネルSK2 ,SK3 が各加算器チャンネルSK2.2/3 ,SK3.2/3 に分割される前に、これらのチャンネルに送られる信号は別のチャンネル形式のデジタル処理を受けることを指摘しておく。これは図1では破線のブロック16で示されている。
【0029】
信号チャンネルSK2.1 またはSK3.1 は第4の加算器12.4に導かれる。この第4の加算器12.4において2つの複合信号Sum2/3 から形成された複合信号Sum 4は加算器12.4に接続されている加算器チャンネルSK4 に供給される。
【0030】
各加算器チャンネルSK1 ,SK4 は平均レベル値を決定する装置17を含み、それはそれぞれハイパスフィルタ15.1と第4の加算器12.4とに後続して配置されている。この装置17は絶対値法によって平均レベルを決定する。
【0031】
各装置17に後続して平滑化装置18が配置され、決定された平均レベル値をアルゴリズムにしたがって変換する。ここで説明した構成は一例に過ぎない。このアルゴリズムにしたがって平均レベル値の変換を行う主な基準は次の通りである。
【0032】
i(t)=装置17の計算にしたがった平均レベル値
o(t)=平滑化装置18中の計算を実行した後の平滑化されたレベル
ts =サンプリング時間=1サンプリング周波数
ta =アタック時間
tr =リリース時間
ba =exp(−ts/ta)
br =exp(−ts/tr)
平滑化関数o(t−ts )は、
o(t+ts )=
i(t)+[ba +br ][1/2][o(t)−i(t)]+
[ba −br ][1/2]|[o(t)−i(t)]|
装置18の後において、平滑にされた複合信号Sum1’,Sum4’はしきい値装置19に送られる。このしきい値装置19は、複合信号Sum4’が0に等しいとき、複合信号Sum1’だけがさらに処理されるように設計される。これはしきい値装置19に後続する除算装置20が0で除算することを防止する。さらに、しきい値装置19の設計は、全体のNFレベルに対応する存在する平滑にされた複合信号Sum4’があるしきい値を越えてしきい値装置19に後続する除算装置20における長期間安定な商Qを形成することを確実にする。Sum4’をSum1’で除算することによって除算装置20は商Qを決定し、それは除算装置20に後続する計算装置21に供給される。必要ならば別の平滑化装置18’ が除算装置20と計算装置21との間に配置されることもできる。
【0033】
2つの係数FV ,FH は別のアルゴリズムによって得られたそれぞれの商Qから計算装置21によって決定される。この係数決定は例えば0.5以上の商Qに対しては、
FV =1,およびFH =2(1−Q)であり、
0.5以より小さい商Qに対しては、
FV =2Q,およびFH =1である。
【0034】
ここに説明した実施の形態において、計算装置21によって決定されたこれらの各係数FV ,FH はデータライン22によって乗算器M1 〜 4で利用される。その場合には後方聴取区域に分配される信号を表す係数FH は乗算器M1/3 に送られ、前方聴取区域に分配される信号を表す係数FV は乗算器M2/4 に送られ、対応する乗算の後、オーディオ信号LV ,RV ,LH ,RH はフェーダ制御装置11によるそれらの分配率と共に乗算器M1 〜 4の出力においてオーディオ信号dLH/V ,dRH/V として出力される。
【0035】
1点鎖線はフェーダ制御装置11と装置13との間に配置された部品がアダプタ23として組合わされていることを示している。そのようなアダプタ23は比較的小型であるからフェーダ制御装置11の付近に容易に配置することができる。オーディオ信号のデジタル処理を行うための装置13はしばしばフェーダ制御装置11から非常に離れた場所に配置されなければならないから、フェーダ制御装置11の出力24に接続されたアダプタ23が使用されるならば、離れた位置に配置されているオーディオ信号のデジタル処理のための装置13の入力26にアダプタ23の出力25から3個の信号チャンネルを導くことが必要であるに過ぎないことを図1は明瞭に示している。
【0036】
図2に示された装置は、出力チャンネルAK1/2 の代りに出力チャンネルAK3/4 が第1の加算器12.1に導かれる点で図1に示されたものと相違している。さらに、第1の加算器12.1に導かれる出力チャンネルAK3 ,AK4 が平均レベル値を決定する装置17を含んでいる。この実施例ではこれらの装置17は整流器として構成されている。第1の加算器12.1の前に配置された整流器として構成された装置17は、位相が反対のオーディオ信号LV ,RV により第1の加算器12.1中で生成される和信号Sum1 がゼロに等しくないことを確実にする。さらに出力チャンネルAK3 ,AK4 におけるオーディオ信号LV ,RV の整流は、異なった音響チャンネルTKから来る完全に位相が反対でないオーディオ信号LV ,RV の加算中に生じる可能性のある位相の問題を消去する方向で作用する。後者は本発明によれば、第1の加算器12.1における平均された(個々の)レベル値の加算がフェーダ制御装置11の後方の分布を再構成するのに十分な発生源を有する。装置17が第1の加算器12.1の前に配置されているにもかかわらず、第4の加算器12.4による対称性は乱されない。それは第4の加算器12.4および装置17が各信号チャンネルに先行しているからである。各平滑化装置18はそれぞれ加算器12.1/4の後方の信号通路中に接続されている。平滑化装置18を加算器12.1の直ぐ後に配置することは強制的なものではない。むしろ、各平滑化装置18は別の形態(図示せず)では例えば装置17と各加算器12.1/4との間に配置することもできる。
【0037】
図3に示された構成の実施例では、フェーダ制御装置11で調整された分配率の再構成は純粋にアナログ的に実現される。そのために2つの信号チャンネルSK2.1 ,SK3.1 は第2および第3の加算器12.2/3の後方で、しかしオーディオ信号のデジタル処理のための装置13の前で各信号チャンネルSK2/3 から分岐され、第4の加算器12.4’ へ導かれる。すでに図2を参照にして説明したように、各出力チャンネルAK3/4 は装置17として整流装置を有し、整流装置17はまた第4の加算器12.4へ導かれる各チャンネルに接続されている。
【0038】
2つの加算器12.1,12.4’ から出る信号の平滑化は平滑化装置18’’において行われる。その後、平滑化された信号はしきい値装置19’ に供給される。商Q’ が決定される除算装置20’ はしきい値装置19’ に接続されている。除算装置20’ に後続する計算装置21’ は、この商Q’ から2つの係数FV ,FH を決定し、それらはデータライン22’ を通ってA/D変換器14.1’ に供給される。変換された係数FV ,FH は前述のものと同様に対応する乗算器M 1〜4 に供給され、異なった聴取区域に対応した分布を有するデジタル化されたオーディオ信号が乗算器M 1〜4 の出力から得られる。
【0039】
図3に示されるような2個のA/D変換器14.1’ を使用する代りに、1個のA/D変換器14.1’ だけが使用され、除算装置20’ と計算装置21’ との間に配置されることもできる(図3で破線で示されている)。
これに関連して、図示されていないが、図3によるアナログ係数FV ,FH はアナログ調整装置に供給され、このアナログ調整装置がA/D変換器の後方で信号路に接続されることができる。その場合には乗算器M 1〜4 は省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置のブロック図。
【図2】本発明による別の実施形態の装置のブロック図。
【図3】本発明による別の実施形態の装置のブロック図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ信号源と、フェーダ制御装置と、それら2つの装置の後方に接続されてオーディオ信号をデジタル的処理する装置とを備えている音響再生装置におけるチャンネルを減少されるための手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ信号源の後方に接続されたデジタルオーディオ信号プロセッサを備えた音響再生装置は従来の技術において知られており、ここで詳しく説明する必要はない。オーディオ信号源が音響事象のステレオ伝送のために2つに分離されたオーディオ信号チャンネルを含むものであり、フェーダ制御装置がオーディオ信号源の後に接続され、その2つの異なる出力チャンネルに音響チャンネル中のオーディオ出力信号を分配するならば、現在の技術ではデジタル処理にアクセス可能なステレオオーディオ信号を形成する2つの解決方法が存在する。
【0003】
さらに詳細に説明する前に、フェーダ制御装置の機能について説明する。非常に簡単な形態では、これは調節可能な分圧器であり、各分圧器の全抵抗を調整して変化させることによって2つの個々の抵抗に分割し、それによって存在する全電圧を調節可能な個々の電圧に分割する。音響事象のステレオ伝送のために2つオーディオ信号チャンネルを含んでいるオーディオ信号およびその後に接続されたフェーダ制御装置において、調節可能な分圧器は各オーディオ信号チャンネルに対して設けられる。これら2つの分圧器は等しい大きさの全体の抵抗を有し、フェーダ制御装置の調節にしたがって各分圧器に対して等しい割合が各個々の抵抗に対して与えられるように互いに接続されている。もしも2つオーディオ信号チャンネルに存在するオーディオ出力信号がそのようなフェーダ制御装置を通過するならば、等しい振動を有する2つオーディオ信号が各オーディオ出力チャンネルから得られる。等しい振動を有するオーディオ信号の振幅は各個々の抵抗の比に応じて互いに同じまたは異なる大きさであることができる。そのようなフェーダ制御装置は例えば2つの前方スピーカおよび2つの後方スピーカの間で自動車中で2チャンネルの音響を分割するために使用される。すなわち、例えば2つの前方スピーカ間で聞かれる音はまた2つの他のスピーカ間でも聞くことができる。形態に応じてフェーダ制御装置はオーディオ信号源の集合化された部品、例えば自動車ラジオのような装置であってもよく、或いはオーディオ信号源から離れて、例えば自動車の中央コンソールに配置されることもできる。
【0004】
もしも、オーディオ信号源がそのようなフェーダ制御装置を備えており、また、もしもフェーダ制御装置中の出力チャンネルの数に応じてオーディオ信号がオーディオ信号のデジタル処理のために装置に導かれるならば、4個の高品質の、すなわちオーディオ信号の処理に適したA/D変換器(アナログデジタル変換器)がオーディオ信号を導くために必要とされ、オーディオ信号はデジタルプロセッサに対してフェーダ制御装置によって「分割」される。さらに結果としてデジタル信号処理は4つのチャンネルで行われなければならない。
【0005】
しかしながら、フェーダ制御装置は2つのスピーカ群(前方および後方スピーカ群)間で2チャンネル音響情報を分割する機能を有しているに過ぎないから、両方のオーディオ信号チャンネルに存在するオーディオ出力信号だけをデジタル信号処理を受けさせ、その後2つのスピーカ群に対して分割を実行することが好ましい。そのような構成はオーディオ信号の処理に適したA/D変換器が2個しか必要とされない利点を有するが、多数のオーディオ信号源に集積された種類のフェーダ制御装置を使用して音響情報を分配することができず、別々のフェーダ制御装置が使用されなければならない欠点がある。さらにオーディオ信号源の付近にデジタルオーディオ信号プロセッサのための空間が得られないことも多い。そのため多くの場合に長い接続線が別々のフェーダ制御装置とオーディオ信号のデジタル処理のための装置との間に必要とされ、分離されたフェーダ制御装置はオーディオ信号のデジタル処理のための装置から離れた恐らくオーディオ信号源の付近に配置されなければならない。
【0006】
後者は両方の場合に適用され、フェーダ制御装置はすでに詳細に説明されたものであり、また調整に応じてオーディオ信号のデジタル処理のためのプロセッサ装置に直接影響する別の調整装置によってフェーダ制御装置の機能が行われる場合もある。
【0007】
もしも、オーディオ信号源が集積されたフェーダ制御装置を備え、また、もしもデジタル信号処理が付加的なフェーダ制御装置を使用して2つのチャンネルで行われるならば、フェーダ制御装置の前段でデジタル装置によって処理されるオーディオ信号に対してオーディオ信号源に接続されたフェーダ制御装置の調整と無関係にオーディオ出力信号が2つのチャンネルで確実に得られるために付加的な手段が取られなければならない。サービスマンが変化されないオーディオ信号源中のフェーダ制御装置の調整を忘れる可能性は無視できないので、オーディオ信号源に接続されたフェーダ制御装置の調整に関係なく、オーディオ出力信号が得られたオーディオ信号源中に2以上の出力を生成することによってのみ実現できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、本発明の目的は、従来の装置のスイッチングの要求を減少させ、しかも、同時に通常のフェーダ制御装置、すなわち電圧分圧器の原理により動作するフェーダ制御装置を使用する音響再生装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的は、本発明の音響再生装置によって達成される。
本発明は、音響事象のステレオ伝送のための2つの分離したオーディオ信号チャンネルを備えたオーディオ信号源と、2つのオーディオ信号チャンネルが導かれ、それらのオーディオ信号チャンネルによって供給されるオーディオ信号源からのオーディオ出力信号をそれぞれ2つのチャンネルの2つのオーディオ信号に分割して出力チャンネルに導く調整可能なフェーダ制御装置と、このフェーダ制御装置に後続して配置され、それぞれ後続する1つの信号チャンネルを有する2個以上のA/D変換器を有するオーディオ信号のデジタル処理のための装置とを具備している音響再生装置において、
同じ聴取区域のためのオーディオ信号を導く2つの出力チャンネルに入力が接続されている第1の加算器と、第1の加算器に後続する信号路に設けられている第1のA/D変換器と、それぞれ異なる聴取区域のためのオーディオ信号を導くが同じオーディオチャンネルから生じる2つの出力チャンネルに入力がそれぞれ接続されている第2および第3の加算器と、第2および第3の加算器中で形成された各複合信号がそれぞれ供給されるオーディオ信号に適した第2および第3のA/D変換器とを備え、第2および第3のA/D変換器に後続する各信号チャンネルがそれぞれ2以上の並列な信号チャンネルに分割されており、さらに、それぞれの分割された並列な信号チャンネルの少なくとも2つにそれぞれ割当てられている乗算器と、第2および第3の加算器において形成された複合信号が入力に供給され、出力が信号チャンネルに接続されている第4の加算器と、各加算器が設けられているチャンネルに含まれている平均レベル値を決定する装置と、その平均レベル値を決定する装置に後続して信号路中に配置されている平滑化装置と、信号チャンネルが導かれてそれにより供給された信号からそれらの商を形成する除算装置と、除算装置により形成されて信号チャンネルにより供給された商によって2つの係数を決定する計算装置とを備え、第1のA/D変換器は第1の加算器と乗算器との間の信号通路に配置されており、前記係数は異なった信号チャンネル中に位置する乗算器によってそれぞれ利用可能であることを特徴とする。本発明の有効な形態は請求項2以下に記載されている。
【0010】
音響再生装置が上記のような構成を有しているならば、2つの元の出力信号、すなわちオーディオ信号チャンネルのフェーダ制御装置の前段の信号が、この装置を使用してフェーダ制御装置のチャンネル中に存在するオーディオ信号を再構成し、さらに処理するために2チャンネル信号にそれらを導くことができるのみならず、高価な部品(オーディオ信号に適したA/D変換器等)を必要としないで異なった出力チャンネル、またはフェーダ制御装置の後方のすでに存在する出力チャンネルではなく、フェーダ制御装置とオーディオ信号のデジタル処理のための装置との間の接続ラインにおけるオーディオ出力信号の分配を決定することを可能にする。
【0011】
この発明の効果は、異なった聴取区域(前方/後方)に対して通常のフェーダ制御装置によってすでに分配されたオーディオ出力信号が、異なった聴取区域に対するフェーダ制御装置中で調整された分配率の同時分離手段によって2つのチャンネルで本質的に処理されるオーディオ出力信号(L,R)を導くために使用されることができることである。
【0012】
第1、第2、第3の各加算器がオーディオ信号チャンネル(TKL ,TKR )中に存在する2つのオーディオ出力信号(L,R)のそれぞれを再構成するために設けられる。それらの中の2個の加算器のそれぞれはフェーダ制御装置の2つのそのような出力チャンネルに接続され、そこから異なった聴取区域(前方または後方)に送ることを意図しているが同じ信号チャンネルから発生する2つの信号が得られる。2個の加算器中で発生された各複合信号はそれぞれのオーディオ出力チャンネル(L,R)に振幅および振動が対応しており、オーディオ信号に適したA/D変換器に導かれ、それ故、デジタルチャンネル形式の信号処理を受けることができる。
【0013】
第1の加算器はフェーダ制御装置における分配率の各調整値を決定するために設けられている。この第1の加算器の入力は2つの出力チャンネルに接続され、そこにおいて同じ聴取区域に送ることを意図しているが異なったオーディオ信号チャンネル(TKL またはTKR )から発生する1つのオーディオ信号(LV ,LH またはRV ,RH )を得ることができる。
【0014】
もしも、第2、第3の加算器の後方において複合信号が第4の加算器に導かれるならば、フェーダ制御装置に存在する分配率は第1および第4の加算器の後方において複合信号の比率を除算装置により決定することができる。換言すれば除算により得られる商は2つの聴取区域(前方、後方)に送られる各オーディオ信号(L,R)の量を示す値である。そのためこの商は計算装置に送られ、この商から両方の聴取区域に分割される信号分配率を決定することができる。各商およびそれと相補型的な商はこの実施例では呼び出された係数であり、デジタル複合信号Sum2 ,Sum3 に影響を与えるために使用され、それはA/D変換後フェーダ制御装置における調整された分配率に関連して2つの信号チャンネル(SK2 ,SK3 )中に存在する。そのためA/D変換後、これらの各信号チャンネル(SK2 ,SK3 )が互いに並列な2以上の信号チャンネル(SK2.2/3 ,SK3.2/3 )に分割されてそれぞれ乗算器に送られる。計算装置によって決定された2つの係数が例えばデータラインによって異なる信号チャンネルに位置する2つの乗算器で使用可能になれば、デジタルオーディオ信号は乗算器の後方で得られて、その分配率はフェーダ制御装置における調節された比率に対応する。
【0015】
原理的に第4の加算器、除算装置、および計算装置が回路中に配置されることは重要なことではなく、係数がデジタル形態で各乗算器に対して利用可能にされることが確実になるに過ぎない。これは第2、第3の加算器の後方における複合信号がアナログ信号として第4の加算器に与えられ、そこからアナログ信号が第1の加算器の後方にある場合と同様に除算装置および計算装置に送られてそれからA/D変換が行われるようにすることもできる。
【0016】
少なくとも第1および第4の加算器に接続された各チャンネルは、少なくとも1つの平均レベルを決定する装置を備え、これらの装置はそれに後続する信号チャンネル中に平滑化装置を備えており、請求項3に記載されているように、もしもA/D変換が第1乃至第3の加算器の直ぐ後で行われ、続いてデジタル形式で平均レベルの決定および平滑化が行われるならばさらに有効である。
【0017】
請求項2に記載されているように、平均レベルを決定する各装置および後続する各平滑化装置が第1および第4の加算器に関して対称的に配置されているならば特に良好な結果が得られる。この対称的配置によって、異なったチャンネルのオーディオ信号が加算されたとき避けることのできない位相の問題が非常に軽減される効果が得られる。それはそうでなければ発生する除算後の分配率の再構成のための問題がもはや存在しないことと、複合信号が第1および第4の加算器の後方でそのレベルまで等しいことによるものである。対称的配置は2つの加算点(第1および第4の加算器中)を基準として平均レベル値を決定する全ての装置が各加算器の前または後のいずれかに位置される場合に行われる。
【0018】
例えば180度位相の変位した音響信号が第1の加算器に送られた出力信号中に存在する時に生じる極端な位相の問題は、請求項4に記載された構成により避けることができる。すなわち、第1の加算器に導かれた各チャンネルは、平均レベル値を決定するために整流器の形態の装置を先行して設けられている。
【0019】
平均レベル値の決定を行う方法には原理的な差はない。例えば絶対値または2乗された値による方法が行われることができる。しかしながら、平均レベル値を決定する装置が絶対値法によって動作するならば特に有効である。これは2乗された値による方法とは対照的に絶対値法によれば十分に区別されている平均レベル値、すなわち少ない許容誤差の値が非常に低いNF(低い周波数)においてさえもA/D変換器に対する入力で得られるからである。
【0020】
請求項6に記載されているように、しきい値装置が除算装置に先行して配置されているならば、それは0の除数を排除すると共に、第4の加算器の後段て得られる全体のレベルが安定な商を形成するためにしきい値装置があるしきい値を越えることを確実にする。換言すれば、後者の機能の意味では、しきい値装置はそれでなければ存在する非常に小さい全体的な信号レベルが商の形成中に劣化したり、不安定になることを確実に阻止する。
【0021】
請求項7に記載されているように、フェーダ制御装置の出力とA/D変換器の入力との間に配置された部品がアダプタ中に統合されることは特に有効である。これはそのようなアダプタは小型で、それ故容易にフェーダ制御装置の直ぐ近くに配置されることが可能であるからである。アダプタがフェーダ制御装置の直ぐ近くに配置され、フェーダがオーディオ信号のデジタル処理のための装置から大きい距離に位置される場合、それらの接続のために3つのガイドチャンネルが必要であるに過ぎない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照にして説明する。
図1に示されたブロック図はオーディオ信号源10を示し、それは利用可能な2つのオーディオ信号チャンネルTKL ,TKR を有している。これらのオーディオ信号チャンネルTKは2つのオーディオ出力信号L,Rを含み、それらのチャンネルはこの実施の形態においてはステレオ的に送信された音響事象の2つの信号を伝送する。フェーダ制御装置11は電圧分圧器の原理で動作し、オーディオ信号源10に接続されている。2つのオーディオ信号チャンネルTKはこのフェーダ制御装置11に導かれている。前に詳細に説明したようにオペレータによって選択されたフェーダ制御装置11の調整に応じて、オーディオ出力信号L,Rは2つの聴取区域、すなわち前方および後方聴取区域に分割され、各出力チャンネルAK1−4 に導かれる。
【0023】
この実施の形態において、オーディオ信号源10およびフェーダ制御装置11はこれらを囲む1点鎖線で示されるようにユニット化されている。そのような装置は例えばカーラジオで知られているものと同様である。
【0024】
オーディオ信号LV およびRV 、すなわち前方聴取区域に与えられるオーディオ信号は出力チャンネルAK1 ,AK2 を通って第1の加算器12.1に供給され、この第1の加算器12.1はこれらのオーディオ信号LV およびRV から複合信号Sum 1を形成する。
【0025】
オーディオ信号LV ,LH またはRV ,RH は異なる聴取区域に導かれるが、等しいオーディオ信号チャンネルTKL ,TKR から発生し、オーディオチャンネルのような各出力チャンネルAK1−4 によって各加算器12.2,12.3の1つに導かれる。この例の場合、右のオーディオチャンネルTKR から発生したオーディオ信号RV/H は加算器12.2に導かれ、左のオーディオチャンネルTKL から発生したオーディオ信号LV/H は加算器12.3に導かれる。
【0026】
各加算器チャンネルSK1−3 の1つはそれぞれ加算器12.1〜12.3に接続され、そこに加算器12.1〜12.3中で形成された複合信号Sum 1〜3 が供給される。各加算器チャンネルSK2/3 は複合信号Sum2/3 を得ることができ、それは各オーディオ出力信号L,Rに対応する。
【0027】
複合信号Sum 1〜3 はさらに装置13において処理されて(オーディオ)信号のデジタル処理が行われる。そのために加算器12.1〜12.3から来る各信号チャンネルSK1−3 はA/D変換器14.1〜14.3に送られる。A/D変換器14.2,14.3はオーディオ信号に適したA/D変換器であり、16ビット以上の分解能を有する必要がある。そのような高い分解能はA/D変換器14.1では必要がない。むしろ、このA/D変換器14.1は8ビット以上の分解能があれば十分である。この実施例の場合、“コーディック1”と呼ばれる変換器が使用され、それはそれぞれ16ビットの分解能を有するオーディオ信号に適したA/D変換器14.2,14.3に加えて、単なる付属品として12ビットの分解能を有するA/D変換器を有し、それがA/D変換器14.1として使用された。
【0028】
各変換器14に後続してDC電圧を排除するためにハイパスフィルタ15が設けられている。
複合信号Sum 2/3が各ハイパスフィルタ15を通過した後、各信号チャンネルSK2/3 は3つの並列の加算器チャンネルSK2.1−3 ,SK3.1−3 に分割される。参照符号SK2.2/3 ,SK3.2/3 を有する各加算器チャンネルは乗算器M 1〜4 を有している。
詳しく説明すると、加算器チャンネルSK2 ,SK3 が各加算器チャンネルSK2.2/3 ,SK3.2/3 に分割される前に、これらのチャンネルに送られる信号は別のチャンネル形式のデジタル処理を受けることを指摘しておく。これは図1では破線のブロック16で示されている。
【0029】
信号チャンネルSK2.1 またはSK3.1 は第4の加算器12.4に導かれる。この第4の加算器12.4において2つの複合信号Sum2/3 から形成された複合信号Sum 4は加算器12.4に接続されている加算器チャンネルSK4 に供給される。
【0030】
各加算器チャンネルSK1 ,SK4 は平均レベル値を決定する装置17を含み、それはそれぞれハイパスフィルタ15.1と第4の加算器12.4とに後続して配置されている。この装置17は絶対値法によって平均レベルを決定する。
【0031】
各装置17に後続して平滑化装置18が配置され、決定された平均レベル値をアルゴリズムにしたがって変換する。ここで説明した構成は一例に過ぎない。このアルゴリズムにしたがって平均レベル値の変換を行う主な基準は次の通りである。
【0032】
i(t)=装置17の計算にしたがった平均レベル値
o(t)=平滑化装置18中の計算を実行した後の平滑化されたレベル
ts =サンプリング時間=1サンプリング周波数
ta =アタック時間
tr =リリース時間
ba =exp(−ts/ta)
br =exp(−ts/tr)
平滑化関数o(t−ts )は、
o(t+ts )=
i(t)+[ba +br ][1/2][o(t)−i(t)]+
[ba −br ][1/2]|[o(t)−i(t)]|
装置18の後において、平滑にされた複合信号Sum1’,Sum4’はしきい値装置19に送られる。このしきい値装置19は、複合信号Sum4’が0に等しいとき、複合信号Sum1’だけがさらに処理されるように設計される。これはしきい値装置19に後続する除算装置20が0で除算することを防止する。さらに、しきい値装置19の設計は、全体のNFレベルに対応する存在する平滑にされた複合信号Sum4’があるしきい値を越えてしきい値装置19に後続する除算装置20における長期間安定な商Qを形成することを確実にする。Sum4’をSum1’で除算することによって除算装置20は商Qを決定し、それは除算装置20に後続する計算装置21に供給される。必要ならば別の平滑化装置18’ が除算装置20と計算装置21との間に配置されることもできる。
【0033】
2つの係数FV ,FH は別のアルゴリズムによって得られたそれぞれの商Qから計算装置21によって決定される。この係数決定は例えば0.5以上の商Qに対しては、
FV =1,およびFH =2(1−Q)であり、
0.5以より小さい商Qに対しては、
FV =2Q,およびFH =1である。
【0034】
ここに説明した実施の形態において、計算装置21によって決定されたこれらの各係数FV ,FH はデータライン22によって乗算器M1 〜 4で利用される。その場合には後方聴取区域に分配される信号を表す係数FH は乗算器M1/3 に送られ、前方聴取区域に分配される信号を表す係数FV は乗算器M2/4 に送られ、対応する乗算の後、オーディオ信号LV ,RV ,LH ,RH はフェーダ制御装置11によるそれらの分配率と共に乗算器M1 〜 4の出力においてオーディオ信号dLH/V ,dRH/V として出力される。
【0035】
1点鎖線はフェーダ制御装置11と装置13との間に配置された部品がアダプタ23として組合わされていることを示している。そのようなアダプタ23は比較的小型であるからフェーダ制御装置11の付近に容易に配置することができる。オーディオ信号のデジタル処理を行うための装置13はしばしばフェーダ制御装置11から非常に離れた場所に配置されなければならないから、フェーダ制御装置11の出力24に接続されたアダプタ23が使用されるならば、離れた位置に配置されているオーディオ信号のデジタル処理のための装置13の入力26にアダプタ23の出力25から3個の信号チャンネルを導くことが必要であるに過ぎないことを図1は明瞭に示している。
【0036】
図2に示された装置は、出力チャンネルAK1/2 の代りに出力チャンネルAK3/4 が第1の加算器12.1に導かれる点で図1に示されたものと相違している。さらに、第1の加算器12.1に導かれる出力チャンネルAK3 ,AK4 が平均レベル値を決定する装置17を含んでいる。この実施例ではこれらの装置17は整流器として構成されている。第1の加算器12.1の前に配置された整流器として構成された装置17は、位相が反対のオーディオ信号LV ,RV により第1の加算器12.1中で生成される和信号Sum1 がゼロに等しくないことを確実にする。さらに出力チャンネルAK3 ,AK4 におけるオーディオ信号LV ,RV の整流は、異なった音響チャンネルTKから来る完全に位相が反対でないオーディオ信号LV ,RV の加算中に生じる可能性のある位相の問題を消去する方向で作用する。後者は本発明によれば、第1の加算器12.1における平均された(個々の)レベル値の加算がフェーダ制御装置11の後方の分布を再構成するのに十分な発生源を有する。装置17が第1の加算器12.1の前に配置されているにもかかわらず、第4の加算器12.4による対称性は乱されない。それは第4の加算器12.4および装置17が各信号チャンネルに先行しているからである。各平滑化装置18はそれぞれ加算器12.1/4の後方の信号通路中に接続されている。平滑化装置18を加算器12.1の直ぐ後に配置することは強制的なものではない。むしろ、各平滑化装置18は別の形態(図示せず)では例えば装置17と各加算器12.1/4との間に配置することもできる。
【0037】
図3に示された構成の実施例では、フェーダ制御装置11で調整された分配率の再構成は純粋にアナログ的に実現される。そのために2つの信号チャンネルSK2.1 ,SK3.1 は第2および第3の加算器12.2/3の後方で、しかしオーディオ信号のデジタル処理のための装置13の前で各信号チャンネルSK2/3 から分岐され、第4の加算器12.4’ へ導かれる。すでに図2を参照にして説明したように、各出力チャンネルAK3/4 は装置17として整流装置を有し、整流装置17はまた第4の加算器12.4へ導かれる各チャンネルに接続されている。
【0038】
2つの加算器12.1,12.4’ から出る信号の平滑化は平滑化装置18’’において行われる。その後、平滑化された信号はしきい値装置19’ に供給される。商Q’ が決定される除算装置20’ はしきい値装置19’ に接続されている。除算装置20’ に後続する計算装置21’ は、この商Q’ から2つの係数FV ,FH を決定し、それらはデータライン22’ を通ってA/D変換器14.1’ に供給される。変換された係数FV ,FH は前述のものと同様に対応する乗算器M 1〜4 に供給され、異なった聴取区域に対応した分布を有するデジタル化されたオーディオ信号が乗算器M 1〜4 の出力から得られる。
【0039】
図3に示されるような2個のA/D変換器14.1’ を使用する代りに、1個のA/D変換器14.1’ だけが使用され、除算装置20’ と計算装置21’ との間に配置されることもできる(図3で破線で示されている)。
これに関連して、図示されていないが、図3によるアナログ係数FV ,FH はアナログ調整装置に供給され、このアナログ調整装置がA/D変換器の後方で信号路に接続されることができる。その場合には乗算器M 1〜4 は省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置のブロック図。
【図2】本発明による別の実施形態の装置のブロック図。
【図3】本発明による別の実施形態の装置のブロック図。
Claims (7)
- 音響事象のステレオ伝送のための2つの分離したオーディオ信号チャンネルを備えたオーディオ信号源(10)と、
2つのオーディオ信号チャンネルが導かれ、それらのオーディオ信号チャンネルによって供給されるオーディオ信号源からのオーディオ出力信号をそれぞれ2つのチャンネルの2つのオーディオ信号に分割して出力チャンネルに導く調整可能なフェーダ制御装置(11)と、このフェーダ制御装置(11)に後続して配置され、それぞれ後続する1つの信号チャンネルを有するA/D変換器を有するオーディオ信号のデジタル処理のための装置(13)とを具備している音響再生装置において、
同じ聴取区域のためのオーディオ信号を導く2つの出力チャンネルに入力が接続されている第1の加算器(12.1)と、
第1の加算器 (12.1) に後続する信号路に設けられた第1のA/D変換器 (14.1) と、
それぞれ異なる聴取区域のためのオーディオ信号を導くが同じオーディオチャンネルから生じる2つの出力チャンネルに入力がそれぞれ接続されている第2および第3の加算器(12.2, 12.3)と、
第2および第3の加算器(12.2, 12.3)中で形成された各複合信号がそれぞれ供給されるオーディオ信号に適した第2および第3のA/D変換器(14.2, 14.3)とを具備し、
前記第2および第3のA/D変換器(14.2, 14.3)に後続する各信号チャンネルがそれぞれ2以上の並列な信号チャンネルに分割されており、
さらに、それぞれの分割された並列な信号チャンネルの少なくとも2つにそれぞれ割当てられている乗算器( M1 〜 M4 )と、
前記第2および第3の加算器(12.2, 12.3)において形成された複合信号が入力に供給され、出力が信号チャンネルに接続されている第4の加算器(12.4)と、
各加算器(12.1 〜 12.3) が設けられているチャンネルに含まれている平均レベル値を決定する装置(17)と、
前記平均レベル値を決定する装置(17)に後続して信号路中に配置されている平滑化装置(18)と、
信号チャンネルが導かれ、それにより供給された信号からそれらの商を形成する除算装置(20)と、
除算装置 (20) により形成されて信号チャンネルにより供給された商によって2つの係数(F H ,F V )を決定する計算装置(21) とを具備し、
前記第1のA/D変換器 (14.1) は第1の加算器(12.1)と乗算器( M1 〜 M4 )との間の信号通路に配置されており、
前記係数(F H ,F V )は異なった信号チャンネル中に位置する乗算器( M1 〜 M4 )によってそれぞれ利用可能であることを特徴とする音響再生装置。 - 平均レベル値を決定する各装置(17) および後続する平滑化装置 (18)はそれぞれ第1および第4の加算器(12.1, 12.4)に関して対称的に配置されている請求項1記載の音響再生装置。
- A/D変換器 (14.1 〜 14.3) は加算器(12.1 〜 12.3) に直接接続されている請求項1または2記載の音響再生装置。
- 平均レベル値を決定する装置(17)は第1の加算器(12.1)の前に接続されている請求項1記載の音響再生装置。
- 平均レベル値を決定する装置(17)はA/D変換器 (14.1 〜 14.3) に後続して配置され、絶対値法にしたがって平均レベル値を決定するように構成されている請求項3記載の音響再生装置。
- しきい値装置(19)が除算装置(20)に先行して配置されている請求項1記載の音響再生装置。
- フェーダ制御装置(11)の出力とA/D変換器(14.1 〜 14.3) の入力との間に配置されている部品はアダプタ(23)中に統合されている請求項1記載の音響再生装置。
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