JP3587766B2 - 搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークを搬送する搬送装置に関し、特にロボットの手首に取付けられて使用する搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばプレス機間でワークを搬送する場合、プレス機間にロボットを設置し、ロボットでワークを搬送する。このとき、プレス機間の間隔が大きい場合には、ロボットの手首に搬送装置を取り付け、搬送装置とロボットのアームの動きとでワークを搬送する。このような搬送装置の従来技術の一例が実開平4−42390号公報「物品搬送装置」に開示される。
【0003】
この従来技術の搬送装置は、スライダーと、ワークを吸着して保持し、スライダーに沿って走行する保持手段を有する。ワークを搬送するには、まず、ロボットで搬送装置を一方のプレス機側に移動させ、スライダーの一方側端部配置される保持手段で一方のプレス機のワークを吸着保持しする。次に、ワークを保持した保持手段をスライダーの他方側端部までスライドさせるとともに、ロボットで搬送装置を他方のプレス機側に移動させる。そして、ワークが他方側のプレス機に達すると、保持手段による吸着保持を解除する。
【0004】
このようにして、搬送距離が長い場合でもワークを搬送することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の搬送装置では、スクリューねじを用いて保持手段をスライドさせて搬送させるので、搬送速度が遅いといった問題を有する。
【0006】
また、搬送装置を駆動させるのに、スクリューを駆動させる駆動用モータを別途に必要とするため、この駆動用モータをロボットとは別に制御せねばならず、制御が複雑となる。
【0007】
本発明の目的は、搬送速度が速く、別途に駆動用モータを必要としない搬送装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、ロボットの手首に取付けられ、被搬送物を着脱自在に保持する保持手段を有し、第1位置と第2位置との間で往復揺動するロボットのアームに同期して、保持手段を第1位置と第2位置との間で往復動させて被搬送物を第1位置から第2位置に搬送する搬送装置において、
基端部が、ロボットの手首に取付けられる第1リンク、および第1リンクの先端部に回転可能に基端部が連結される第2リンクを有するリンク機構と、
アームに対する第1リンクの回転を第2リンクに伝達し、第1リンクに対して第2リンクを回転させる回転伝達手段とを備え、
前記回転伝達手段は、第1リンクの基端部に回転自在に設けられ、かつロボットのアームに固定的に連結される太陽歯車と、第1リンクの先端部に回転自在に設けられ、かつ第2リンクの基端部に固定される遊星歯車と、太陽歯車および遊星歯車間にわたって巻掛けられるタイミングベルトとを有し、
アームを揺動させながら、ロボットの手首の手首軸によって、第1リンクをアームに対して回転させることによって、その回転は前記回転伝達手段によって第2リンクに伝達されて第2リンクを第1リンクに対して回転させ、
第1位置と第2位置との中央位置からのロボットのアームの揺動角度をαとしたとき、手首軸によって駆動される第1リンクの回転角度は、アームの揺動角度αの(90°−α)/α倍とされ、第2リンクの回転角度が、アームに対する第1リンクの回転角度の180°/(90°−α)倍となるように、前記太陽歯車の歯数に対する前記遊星歯車の歯数が設定されることを特徴とする搬送装置である。
【0009】
本発明に従えば、搬送手段は第1リンクと第2リンクとを有するリンク機構から構成されるので、スクリューねじを駆動させてスライド変位させる従来の搬送手段に比べて格段に高速に動作することができる。ロボットは、たとえば6軸多関節型ロボットであり、第1リンクは、その手首軸によって回転駆動する。アームに対する第1リンクの回転は、回転伝達手段によって第2リンクに伝達される。これによって、第1リンクを手首軸で回転駆動させると、これに連動して第2リンクが回転する。このようにして、搬送手段に駆動用モータを別途に設けることなく、ロボットの手首軸を用いて搬送手段のリンク機構を駆動することができる。
【0013】
図1を参照して、搬送装置の動作について説明する。ロボットのアームは、第1位置(図1の左方)と第2位置(図1の右方)と間を揺動し、搬送装置のリンク機構は、この揺動に同期して動作し、アームが第1位置側にあるとき、リンク機構は第1位置側に伸び、第2位置側にあるとき、第2位置側に伸びるように動作する。
【0014】
図1において、ロボットのアームが、第1位置と第2位置との中央の位置にあるとき、リンクは第1位置と第2位置とをむすぶ直線状の搬送経路Lに対して垂直となる。またこのとき、第1リンクと第2リンクとは重なるように折り畳まれ、かつロボットのアームに沿って延びている。このときのアームの角度を絶対座標の0°とし、リンクが第2位置にあるときの揺動角度をα°とする。
【0015】
アームを0°から第2位置にむけてα°回転させるとき、第2リンクの先端に保持される被搬送物が、第1リンクと第2リンクとを結ぶ搬送経路Lに沿って移動するためには、アームが0°からα°揺動する間に、第1リンクはアームに対して(90°−α)回転させる必要がある。つまり、第1リンクは、アームの揺動に対して、(90°−α)/α倍回転させる必要がある。
【0016】
同様に、アームが0°からα°揺動する間に、第2リンクは第1リンクに対して180°回転する必要がある。つまり、第2リンクは、アームに対する第1リンクの回転角度に対して、180°/(90°−α)倍回転する必要がある。
【0017】
したがって、手首軸によって駆動される第1リンクを、アームの揺動角度の(90°−α)/α倍となるように制御し、第2リンクの回転角度が、アームに対する第1リンクの回転角度の180°/(90°−α)倍となるように回転伝達手段を設定することによって、第2リンクの先端部の設けられる保持手段を第1位置から第2位置に一直線状に移動させることができ、アームの揺動角度がαのとき、第1リンクと第2リンクとは第1位置から第2位置への保持手段の移動経路上で180°の角度をなすことによって、搬送の動作範囲を大きく取ることができる。
【0018】
請求項2記載の本発明は、前記リンク機構は、3個以上のリンクが直列に連結されるリンク機構か、またはダブルリンクを有するリンク機構か、またはひし形リンクを有するリンク機構であることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、搬送装置のリンク機構は、図11に示すようにM字状または図12に示すように逆N字状であってもよく、図13に示すように、第1リンクおよび第2リンクがそれぞれダブルリンク(平行クランク機構)を構成するものであってもよく、また図17に示すように、第1リンクおよび第2リンクがひし形のリンク機構を構成するものであってもよく、さらにこれらを組み合わせたリンク機構であってよい。
【0021】
請求項3記載の本発明は、前記保持手段は、第2リンクの先端部に回転可能に設けられ、第1リンクに対する第2リンクの回転を伝達して、保持手段の回転角度が、第1リンクに対する第2リンクの回転角度の1/2となるように、保持手段用回転伝達手段が設定され、搬送中の被搬送物の向きを一定とすることを特徴とする。
【0022】
図1を参照して、保持手段の動作について説明する。第1リンクに対する第2リンクの回転は、保持手段用回転伝達手段によって保持手段に伝達され、保持手段もアームの揺動に同期して回転する。保持手段によって保持される被搬送物が、搬送中に向きを変えないためには、ロボットのアームが0°からα°回転し、第2リンクが、第1リンクに対して180°回転するとき、保持手段を第2リンクに対して90°回転させる必要がある。つまり、保持手段は、第1リンクに対する第2リンクの回転角度の1/2倍回転する。
【0023】
したがって、第1リンクに対する第2リンクの回転角度が1/2倍に拡大されて保持手段に伝達されるように保持手段用回転伝達手段を設定することによって、被搬送物の向きを変えず、非反転で搬送することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の実施の一形態である搬送装置1を備えるロボットシステム2を示す側面図であり、図3はその平面図である。搬送装置1は、ロボット3の手首7に取付けられ、一対のプレス機20,21間でワークWを搬送するのに用いられる。
【0026】
ロボット3は6軸垂直多関節形ロボットであり、床に固定される基台4、下部アーム5、上部アーム66および手首7を有する。下部アーム5は、下端部が鉛直な第1軸J1まわりに旋回可能に基台4に取付けられるとともに、水平な第2軸J2まわりに前後回転可能に基台4に設けられる。下部アーム5の上端部には上部アーム6の基端部が、水平な第3軸J3まわりに上下に回転可能に取付けられる。上部アーム6の先端部に取付けられる手首7は、上部アーム6の軸線に平行な第4軸J4まわりに回転可能に取付けられるとともに、上部アーム6の軸線に垂直な第5軸J5まわりに回転可能に取付けられる。そしてこの手首7に搬送装置1が取付けられる。手首7の手首軸は、第5軸J5に垂直な第6軸J6まわりに回転する。
【0027】
ロボット3の各関節軸J1〜J6は、それぞれ個別にサーボモータによって回転駆動され、手首軸は、第1リンク10を、上部アーム6に対して第6軸J6まわりに回転駆動する。
【0028】
搬送装置1は、第1リンク10および第2リンク11から成るリンク機構9と、第2リンク11の先端部に設けられる保持手段12とから構成される。第2リンク11は、第1リンク10と同じ長さであり、基端部11aが、第1リンク10の先端部10bに、前記第6軸J6に平行な回転軸線A1まわりに回転可能に取付けられ、第2リンク11の先端部11bに保持手段12が取付けられる。保持手段12は、複数の吸盤13を有し、これらの吸盤13でワークWを着脱可能に保持する。
【0029】
ロボットシステム2のロボット3は2つのプレス機20,21の中央に設置され、図3の左方の第1位置にある一方のプレス機20から図3の右方の第2位置にある他方のプレス機21にワークWを搬送する。ロボット3は、第6軸J6が鉛直となるように搬送装置1をほぼ水平に保持し、第1軸J1を中心として上部アーム6を揺動させるとともに、この上部アーム6の揺動に同期させて搬送装置1のリンク機構9を往復動作させる。
【0030】
次に、図4を参照してこのロボットシステム2の搬送動作をさらに詳しく説明する。
【0031】
図4(1)に示すように、上部アーム6とともに一方のプレス機20側へ搬送装置1を伸ばし、保持手段12でワークWを保持したのち、第1リンク10が第1の回転方向(図4において時計回り)に回転し、第2リンク11が第2の回転方向(図4において反時計回り)に回転するとともに、保持手段12が、第1の回転方向(図4において時計回り)に回転する。このように回転させることによって、ワークWが、保持した状態と同じ向きを維持して移動し始める。
【0032】
さらに第1リンク10を第1の回転方向に回転させると、図4(2)に示す状態を経て、図4(3)に示すようにプレス機20,21間の中央部で搬送装置1は折り畳まれる。このとき、搬送経路Lに垂直にロボット3の上部アーム6が配置されるとともに、第1リンク10および第2リンク11が折り重なって搬送経路Lに垂直に配置される。
【0033】
さらに上部アーム6を他方側に揺動させるとともに、第1リンク10を第1の回転方向に回転させることによって、ワークWの向きを同じ向きに維持した状態で、搬送装置1は他方側に伸びる。このようにして、図4(4)の状態を経て、第1リンク10と第2リンク11とを一直線になるまで伸ばし、ワークWを他方側のプレス機21まで搬送させる。図4(5)に示すように、搬送完了後のワークWの向きは、(1)に示す搬送開始時のワークWの向きと同じである。
【0034】
次に、リンク機構9について説明する。リンク機構9は、第1リンク10と、第2リンク11と、ロボットの上部アーム6に対する第1リンク10の回転を第2リンク11に伝達し、第1リンク10に対して第2リンク11を回転させる回転伝達手段8と、第1リンク10に対する第2リンク11の回転を保持手段12に伝達し、保持手段12を回転させる保持手段用回転伝達手段15とを含む。図5は、搬送装置1の内部構造を示す平面図であり、図6はその側面図である。
【0035】
第1リンク10は中空の第1リンク本体22を有し、基端部10aが手首7に固定され、この第1リンク本体22が、ロボットの手首軸を駆動するサーボモータM6によって回転駆動される。この第1リンク本体22の内部で、基端部10a側に、第1太陽歯車25が設けられる。この第1太陽歯車25は、ロボットの上部アーム6に対して固定的に連結されており、第1リンク10を手首軸で回転させたとき、第1太陽歯車25は、相対的に第1リンク10に対して回転することになる。第1リンク本体22の先端部10bには、第6軸の軸線J6に平行な回転軸線A1まわりに回転自在に軸支される第1遊星歯車26が設けられ、第1太陽歯車25から第1遊星歯車26間にわたってタイミングベルト27が巻掛けられる。これらの第1太陽歯車25、第1遊星歯車26、およびタイミングベルト27から回転伝達手段8が構成される。第1遊星歯車26は、軸受け28によって第1リンク本体22に回転自在に軸支されるとともに、第2リンク11の基端部11aが固定され、第1遊星歯車26と一体となって第2リンク11が回転する。
【0036】
中空の第2リンク本体39の基端部には第2太陽歯車36が設けられ、先端部に第2遊星歯車37が設けられ、この第2遊星歯車37に保持手段12が連結され、第2遊星歯車37とともに保持手段12が回転する。第2太陽歯車36から第2遊星歯車37にわたってタイミングベルト38を巻きかけられる。これらの第2太陽歯車36、第2遊星歯車37、タイミングベルト38から保持手段用回転伝達手段15が構成される。
【0037】
図7に示すように、第2太陽歯車36は、第1リンク本体22に固定的に連結され、第1リンク10と一体に回転する。第1遊星歯車26と第2太陽歯車36は回転軸線A1を共通にもつが、図7に示すように、第1遊星歯車26は、軸34を介して第2リンク本体39に固定的に接続され、第2リンク11と一体に回転軸線A1まわりに回転し、第2太陽歯車36は、第1リンク本体22に固定的に接続され、第1リンク10と一体となる。第2遊星歯車37は、第2リンク11本体の先端部11aで、回転軸線A1に平行な回転軸線A2まわりに回転自在に、第2リンク本体39に軸支される。
【0038】
第1太陽歯車25から第1遊星歯車26にわたってタイミングベルト27が巻掛けられているので、図5に示すように、歯車25を固定した状態で、第1リンク10を第1の回転方向(図5の紙面で時計回り)に回転させると、タイミングベルト26が図5の矢符に示すように回転し、これによって第1遊星歯車26が第2の回転方向(反時計まわり)に回転する。前述したように、第1遊星歯車26と第2リンク11とは固定されており、一体となって回転するので、第1リンク10を第1の回転方向に回転駆動させることによって、第1遊星歯車26とともに第2リンク11を第2の回転方向に連動して回転させることができる。
【0039】
図1で説明したように、中央から第2位置である他方側のプレス機21まで上部アーム6の揺動角度をα(°)としたとき、手首軸によって駆動される第1リンク10を、上部アーム6の揺動角度αの(90°−α)/α倍となるように手首軸を制御し、第2リンク11の回転角度が、上部アーム6に対する第1リンクの回転角度の180°/(90°−α)倍となるように回転伝達手段8を設定することによって、第2リンク11の先端部の設けられる保持手段12を一方のプレス機20から他方のプレス機21に一直線状に移動させることができる。
【0040】
第1リンク10が、上部アーム6の揺動角度αの(90°−α)/α倍となるように手首軸を制御するとは、具体例を挙げると、たとえば、アーム6の揺動角度αが30°のとき、第1リンク10の回転角度を、アーム6に対して2倍となるように制御し、揺動角度αが45°のとき、第1リンク10の回転角度を、アーム6の揺動角度と同じになるように制御し、揺動角度が60°のとき、第1リンク10の回転角度を、アーム6の揺動角度の1/2となるように制御する。
【0041】
また、第2リンク11の回転角度が、上部アーム6に対する第1リンクの回転角度の180°/(90°−α)倍となるように回転伝達手段8を設定するとは、具体例を挙げると、たとえばアーム6の揺動角度αが30°のとき、第1リンク10に対する第2リンク11の回転角度が3倍となるように回転伝達手段8を設定し、揺動角度αが45°のとき、第2リンク11の回転角度が4倍となるように設定し、揺動角度αが60°のとき、第2リンク11の回転角度が6倍となるように設定する。
【0042】
つまり、回転伝達手段8の第1遊星歯車26の歯数に対して、第1太陽歯車25の歯数が、180°/(90°−α)倍となるように選ぶ。
【0043】
同様に、図1で説明したように、第1リンク10に対する第2リンク11の回転角度が1/2倍に拡大されて保持手段12に伝達されるように保持手段用回転伝達手段15を設定することによって、被搬送物の向きを変えず、非反転で搬送することができる。
【0044】
つまり、保持手段用回転伝達手段15の第2遊星歯車37の歯数に対して、第2太陽歯車36の歯数が、1/2となるように選ぶ。
【0045】
なお、図1においては、中央から第2位置に移動するときの状態のみを図示したものであるが、第1位置から中央までの移動に関しては、対称に現れる。
【0046】
図8は、上部アーム6の手首先端の移動速度(a)と、リンクの回転速度(b)と、ワークWの移動速度(c)との関係を示すグラフである。
【0047】
アーム6が第一位置から第2位置まで揺動するとき、第1リンク10は、180°回転する。ロボット3は、上部アーム6の手首先端が、搬送経路Lに沿って一定速度で移動するように制御される。したがって、図8(a)に示すように、手首先端が一定速度で移動すると、リンクの回転速度は、図8(b)に示すように、中央で最も速くなる。
【0048】
したがって、ワークWの移動速度は、図8(c)に示すように、アーム6の移動速度に比べて中央部で格段に速い速度で移動する。
【0049】
リンク機構9は、第1位置および第2位置近傍では第1リンク10と第2リンク11とが開き、剛性が低くなっているが、中央部では第1リンク10と第2リンク11とが重なって折り畳まれ、剛性が高くなっている。したがって、上部アーム6を一定速度で移動させることによって、剛性の低い第1位置、第2位置近傍では移動速度を遅くし、剛性の高い中央部では移動速度を速くして安定に搬送することができる。
【0050】
また逆に、図9(a)に示すように、第1位置と第2位置との中央部において、上部アーム6の先端部の移動速度が遅くなるように上部アーム6の揺動速度を制御し、これによってリンクの回転速度が一定となるように制御してもよい。
【0051】
つぎに、図10を参照して、保持したワークWの水平姿勢角度について説明する。
【0052】
ロボット3の上部アーム6が中央から第2位置に揺動したときの揺動角度をαとし、アーム6の任意の位置での揺動角度をθとし、第1リンク10の回転角度をθ1とし、第2リンク11の回転角度をθ2とし、保持手段12の回転角度をθ3とすると、
となる。このときのワークWの水平姿勢角度Θは、
となり、常に一定である。
ここで、第1リンク10の回転角度θ1を微量分φ回転させると、
となり、
となる。
【0053】
したがって、微量分φに対してα/(90°−α)倍の回転角度比でΘの角度が変化する。この変化する割合は、ロボット3の上部アーム6のそのときの揺動角度θによらず、システム設定の角度αによって決まる。
【0054】
つまり、微量分φによるワーク保持手段12の姿勢変更は、両端のワーク吸着保持点、または吸着解除点だけでなく、途中位置でも可能で、ワーク保持手段12を、搬送装置1へ取付けるときに微調整することができる。
【0055】
図11、12は本発明の他の実施形態の搬送装置55,56を示す平面図である。搬送装置55は、前述した搬送装置1のリンク機構のリンクを直列に連結してさらに延長したものである。搬送装置55では、第2リンク11の先端に第3リンク57を設け、この第3リンク57の先端にさらに第4リンク58を設けたM字状の構造を有する。このように構成することによって、搬送装置1に比べて搬送距離を2倍にすることができる。なお、第3リンク57および第4リンク58は、それぞれ歯車とベルトを用いた回転伝達手段によって、ロボット3の上部アーム6に対する第1リンク11の回転が伝達される。
【0056】
図12に示す搬送装置56では、第2リンク11の長さを倍にするとともに、第3リンク57のみ設ける構成とした。このような逆N字状の構造によって、図11に示す搬送装置55に比べて構造を単純にし、かつ搬送装置55と同じ搬送距離を有するように構成できる。
【0057】
図13は、本発明の実施の他の形態の搬送装置40の構成を示す平面図である。本実施形態の搬送装置40のリンク機構41は、前述した搬送装置1のリンク機構9と異なり、ダブルリンク(平行クランク機構)によって構成される。
【0058】
詳しく説明すると、リンク機構41は、前述した搬送装置1の第1リンクに対応する第1ダブルリンク42と、搬送装置1の第2リンクに対応する第2ダブルリンク43とから構成され、第1ダブルリンク42は、第1〜第4リンク44〜47から構成され、第2ダブルリンク43は、第1ダブルリンク42の第4リンク47を共通に持ち、第4〜第7リンク47〜50から構成される。第1ダブルリンク42は、第1リンク44と第3リンク46とが平行であり、第3リンク45と第4リンク47とが平行である。第2ダブルリンク43は、第4リンク47と第6リンク49とが平行であり、第5リンク48と第7リンク50とが平行である。第2ダブルリンク43の先端の第6リンク49に、保持手段12が固定される。
【0059】
第1ダブルリンク42の第1リンク44が、ロボット3の手首軸によって回転駆動される。第1リンク44の先端部に取付けられる第7リンク50は、前述した搬送装置1と同様に、ベルトと歯車から成る回転伝達手段と同様の機構によって、上部アーム6に対する第1リンク44の回転が伝達される。また、手首に取付けられるもう一方のリンクである第2リンク45は、歯車などの回転伝達手段によって、上部アーム6に対する第1リンク44の回転が伝達され、この第2リンク45は、常に搬送経路Lに平行となるように回転する。このような構成によって、第2ダブルリンク43先端の第6リンク49も常に搬送経路Lに平行となり、この第6リンク49に固定される保持手段12の向きも常に一定となり、非反転でワークWは搬送される。
【0060】
つぎに、図14を参照して、搬送装置40の搬送動作について説明する。ロボット3の上部アーム6を中央位置から図12において時計回りにα(°)回転させて第2位置に搬送するものとする。ロボット3は、上部アーム6を揺動させるとともに、手首軸で第1リンク44を回転させる。すると、回転伝達手段によって、上部アーム6に対する第1リンク44の回転が、第7リンク50に伝達されて、第7リンク50が反時計回りに回転するとともに、第2リンク45も反時計回りに回転する。このように回転し、上部アーム6の揺動角度がα°となったとき、リンク機構41は一直線状に伸び、ワークWを第2位置まで搬送することができる。
【0061】
このとき、手首軸によって駆動される第1リンク44を、上部アーム6の揺動角度αの(90°−α)/α倍となるように手首軸を制御し、上部アーム6に対する第1リンク44の回転を第7リンク50に伝達するする回転伝達手段は、上部アーム6の揺動角度の180°/(90°−α)倍に拡大するように設定され、上部アーム6に対する第1リンク44の回転を第4リンク45に伝達するする回転伝達手段は、上部アーム6の揺動角度と同じ角度だけ第4リンク45を回転させるように設定される。このように設定されることによって、保持手段12を搬送経路Lに沿って一直線状に搬送することができる。
【0062】
図15は、図11で示したM字状の搬送装置55にダブルリンクを適用した構造の本発明のさらに他の実施形態の搬送装置75を示す図であり、図16は、図12で示した逆N字状の搬送装置56に、ダブルリンクを適用したさらに他の実施形態の搬送装置76を示す図である。このように、M字状、逆N字状のダブルリンク構造の搬送装置であってもよい。
【0063】
図17は、本発明の実施の他の形態の搬送装置60の構成を示す平面図である。搬送装置60のリンク機構68は、第1〜第4リンク61〜64を有し、第1リンク61の基端部および第3リンク63の基端部は、ロボット3の手首に回転可能に取付けられる。このうち、第1リンク61が、ロボット3の手首軸によって回転駆動される。
【0064】
第1リンク61の先端部の下に第2リンク62の基端部が回転可能に取付けられ、第3リンク3の先端部の下に第4リンク64の基端部が回転可能に取付けられ、第2リンク2および第4リンク64の先端部の下に保持手段12が取付けられる。第2リンク62および第4リンク64の先端部の下に連結部材67を介して保持手段12が取り付けられる。第2リンク62の先端部と連結部材67とは回転可能に連結され、第4リンク64の先端と連結部材67とは、第3リンク63の先端とは異なる位置で連結部材67に回転可能に連結される。また、第2リンク62の先端部と第4リンク64の先端部には、それぞれ歯車65,66が固定され、これらの歯車65,66は互いに噛合し、この歯車65,66を介して連結部材67が取付けられるので、取り付け部材67に取付けられる保持手段12は、水平位置姿勢を一定に保持することができる。
【0065】
第1〜第4リンク61〜64はそれぞれ同じ長さを有し、第1リンク61と第4リンク64とが平行に配置され、第2リンク62と第3リンク63とが平行に配置され、これらによってひし形のリンク機構68が構成される。手首軸によって回転駆動される第1リンク61の上部アーム6に対する回転は、歯車などを用いて第3リンク63に伝達され、手首軸によって第1リンク61を回転させることによって、リンク機構68を折り畳んだり、伸長させたりすることができる。次に、図18を参照して、リンク機構68の動きについて説明する。
【0066】
ロボット3の上部アーム6が中央位置にあるとき、第1リンク61の下に第2リンク62が重なり、第3リンク63の下に第4リンク64が重なってリンク機構68が折り畳まれている。上部アーム6を図18において時計回りに揺動させるとともに、第1リンク61を手首軸で時計回りに回転させると、第1リンク61の回転に連動して第2リンク62および第3リンク63が反時計周りに回転し、第4リンク64が時計周りに回転し、やがて第1リンク61と第2リンク62と、第3リンク63と第4リンク64とが一直線になって伸び、ワークWが他方側のプレス機21まで搬送される。
【0067】
中央位置から第2位置である他方側のプレス機21まで上部アーム6の揺動角度をα(°)としたとき、手首軸によって駆動される第1リンク61を、上部アーム6の揺動角度αの(90°−α)/α倍となるように手首軸が制御され、第3リンク63が、(90°+α)/α倍となるように、上部アーム6に対する第1リンク61の回転が第3リンク63に伝達され、これによって、ワークWを一直線状の搬送経路Lに沿って搬送することができる。
【0068】
図19は、上述した搬送装置60に類似する本発明のさらに他の実施形態の搬送装置120を示す平面図である。この搬送装置120は、第1〜第6リンク121〜126からなるリンク機構127を有し、前述した搬送装置60のリンク機構68を2倍とした構造を有する。
詳しく説明すると、第1リンク121と第4リンク124は基端部がロボット3の上部アーム6先端に回転可能に取付けられ、第2リンク122の基端部は、第1リンク121の先端部の下に回転可能に取付けられ、第5リンク125は、第4リンク124の先端部の下に回転可能に取付けられ、第3リンク123は、第2リンク122の先端部の下に回転可能に取付けられ、第6リンク126は、第5リンク125の先端部の下に回転可能に取付けられ、第3リンク123の先端部と第6リンク126の下に連結部材127が回転可能に取付けられ、この連結部材127の下に保持手段12が固定される。
【0069】
本実施形態の搬送装置120も、前述した搬送装置60と同様に、ロボット3の上部アーム6の揺動に連動して第1リンク121を回転駆動し、ロボット3の上部アーム6に対する第1リンク121の回転を、第4リンク124に伝達し、第1リンク121の回転に連動して第4リンク124を回転駆動することによって、一直線状の搬送経路Lに沿ってワークWを搬送することができる。
【0070】
図20は、本発明のさらに他の実施の形態である搬送装置70の構成を示す平面図である。搬送装置70は、図17で示した搬送装置60の第1〜第4リンクをダブルリンクにした構造を有する。すなわち、第1ダブルリンク71はリンク81〜84から構成され、第2ダブルリンク72は第1リンク71のリンク84を共通に持つ4つのリンク84〜87から構成され、第3ダブルリンク73は、第1ダブルリンク71のリンク81を共通に持つ4つのリンク81,89〜91から構成され、第4ダブルリンク74は、第3ダブルリンクのリンク91および第2ダブルリンク72のリンク87を共通に持つ4つのリンク87,91〜93から構成され、保持手段12は、第2リンク72と第4リンク74の共通のリンク87の下に取付けられる。
【0071】
ロボット3の手首軸によって回転駆動するのは、第1ダブルリンク71のリンク82であり、ロボット3の上部アーム6に対するリンク82の回転は、回転伝達手段によって第2ダブルリンク72のリンク85に伝達される。さらに、上部アーム6に対するリンク82の回転は、歯車などの回転伝達手段によってリンク81に伝達される。このリンク81は、搬送中に常に搬送経路Lに平行となるように、回転伝達手段のギヤ比は設定される。この場合、ロボットの上部アーム6に対して、(90°−α)/α倍リンク82が回転するよう手首軸を駆動し、リンク85は、リンク83に対して90°/(90°−α)倍回転するように回転伝達手段は設定され、リンク81は、リンク83に対してα/(90°−α)倍回転するように設定する。
【0072】
また、他の駆動方法として、手首軸でリンク82を回転駆動し、手首に連結される他の2つのリンク81,90を、歯車を用いて回転を伝達するように構成してもよい。この場合、リンク82は、ロボット3の上部アーム6に対して、(90°−α)/α倍回転させ、リンク90は、上部アーム6に対して(90°−α)/α倍回転させる。
【0073】
図21は、図19で示した搬送装置120の各リンクをダブルリンクとした本発明のさらに他の実施形態の搬送装置130を示す図である。このような構造であっても、図20で説明した搬送装置70と同様に手首軸の駆動を伝達することによって、ワークWを直線に沿って搬送することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、リンク機構を用いて搬送装置を構成することによって、被搬送物を第1位置から第2位置に一直線状の搬送経路に沿って移動させ、高速で、長距離を搬送し、アームの揺動角度がαのとき、第1リンクと第2リンクとは第1位置から第2位置への保持手段の移動経路上で180°の角度をなすことによって、搬送の動作範囲を大きく取ることができる。
【0075】
また、手首軸で第1リンクを回転させて搬送装置を駆動させることによって、別途にモータを必要とせず、ロボットに備えられる駆動源で駆動することができ、コストダウンが図られる。
【0076】
また、保持手段用回転伝達手段を用いて、保持手段を回転させながら搬送することによって、非反転で搬送することができる。
【0077】
また、リンク機構を用いるので、軽量に構成することができ、ロボットに対する負担が少なく、動特性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送装置の動作を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の一形態である搬送装置1を用いるロボットシステム2を示す側面図である。
【図3】ロボットシステム2の平面図である。
【図4】搬送装置1による搬送過程を示す図である。
【図5】搬送装置1の内部機構を示す平面図である。
【図6】搬送装置1の内部機構を示す側面図である。
【図7】搬送装置35の第1遊星歯車26、第2太陽歯車36近傍を示す断面図である。
【図8】ロボットのアームの移動速度(a)と第2リンクの回転角速度(b)とワークの移動速度(c)との関係を示すグラフである。
【図9】ロボットのアームの移動速度(a)と第2リンクの回転角速度(b)とワークの移動速度(c)との関係を示すグラフである。
【図10】ワークWの水平位置姿勢角度を説明する図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の搬送装置55を示す平面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態の搬送装置56を示す平面図である。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態の搬送装置40を示す平面図である。
【図14】搬送装置40の搬送動作を説明する図である。
【図15】本発明のさらに他の実施の形態の搬送装置75を示す平面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施の形態の搬送装置76を示す平面図である。
【図17】本発明のさらに他の実施の形態の搬送装置60を示す平面図である。
【図18】搬送装置60の搬送動作を説明する図である。
【図19】本発明のさらに他の実施の形態の搬送装置120を示す平面図である。
【図20】本発明のさらに他の実施の形態の搬送装置70を示す平面図である。
【図21】本発明のさらに他の実施の形態の搬送装置130を示す平面図である。
【符号の説明】
1,40,55,56,75,76,60,70,120,130, 搬送装置
2 ロボットシステム
3 ロボット
9,68,127 リンク機構
10,44,61,121,131 第1リンク
11,62,122 第2リンク
12 保持手段
Claims (3)
- ロボットの手首に取付けられ、被搬送物を着脱自在に保持する保持手段ンを有し、第1位置と第2位置との間で往復移動するロボットのアームに同期して、保持手段を第1位置と第2位置との間で往復揺動するロボットのアームに同期して、保持手段を第1位置と第2位置との間で往復動させて被搬送物を第1位置から第2位置に搬送する搬送装置において、
基端部が、ロボットの手首に取付けられる第1リンク、および第1リンクの先端部に回転可能に基端部が連結される第2リンクを有するリンク機構と、
アームに対する第1リンクの回転を第2リンクに伝達し、第1リンクに対して第2リンクを回転させる回転伝達手段とを備え、
前記回転伝達手段は、第1リンクの基端部に回転自在に設けられ、かつロボットのアームに固定的に連結される太陽歯車と、第1リンクの先端部に回転自在に設けられ、かつ第2リンクの基端部に固定される遊星歯車と、太陽歯車および遊星歯車間にわたって巻掛けられるタイミングベルトとを有し、
アームを揺動させながら、ロボットの手首の手首軸によって、第1リンクをアームに対して回転させることによって、その回転は前記回転伝達手段によって第2リンクに伝達されて第2リンクを第1リンクに対して回転させ、
第1位置と第2位置との中央位置からのロボットのアームの揺動角度をαとしたとき、手首軸によって駆動される第1リンクの回転角度は、アームの揺動角度αの(90°−α)/α倍とされ、第2リンクの回転角度が、アームに対する第1リンクの回転角度の180°/(90°−α)倍となるように、前記太陽歯車の歯数に対する前記遊星歯車の歯数が設定されることを特徴とする搬送装置。 - 前記リンク機構は、3個以上のリンクが直列に連結されるリンク機構か、またはダブルリンクを有するリンク機構か、またはひし形リンクを有するリンク機構であることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
- 前記保持手段は、第2リンクの先端部に回転可能に設けられ、第1リンクに対する第2リンクの回転を伝達して、保持手段の回転角度が、第1リンクに対する第2リンクの回転角度の1/2となるように、保持手段用回転伝達手段が設定され、搬送中の被搬送物の向きを一定とすることを特徴とする請求項1または2記載の搬送装置。
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