JP3587944B2 - めっき層にAlを含むめっき鋼板の高周波抵抗溶接方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、Zn−Alめっき鋼板,アルミめっき鋼板等のめっき層にAlを含むめっき鋼板の外観を損傷することなく、高周波抵抗溶接する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼管,軽量溶接形鋼等の構造材料を使用して構造体を構築する際、鋼管や形鋼を現場で組み立てた後、溶接している。溶接法としては、生産性及び作業能率を改善するために高周波抵抗溶接が多用されている。また、優れた耐久性が要求される場合には、防錆処理が施された構造材料が使用される。
耐久性を向上させるため、溶接後に防錆塗料を塗布する方法も採用されているが、このような方法では現場での作業工数が増加する。そこで、めっき鋼板等の素材を使用することが一般化されている。めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板が代表的なものであるが、それ以外にもAlを含有するもの,たとえば5%Al含有亜鉛めっき鋼板や、亜鉛めっきより更に耐食性が優れたアルミめっき鋼板等が使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通常の亜鉛めっき鋼板に関しては、鋼管,形鋼等を製造する技術が確立されている。他方、めっき層にAlを含むめっき鋼板については、板材としては一般的に利用されており、誘導コイルで加熱する高周波誘導溶接法で鋼管を製造することも知られている。しかしながら、形状による制約から誘導コイルで加熱できない構造用軽量溶接形鋼に関しては、めっき層にAlを含むめっき鋼板を素材とするものは未だ製品化されていない。
これは、高周波抵抗溶接によって製品表面の損傷,通電チップの損耗が激しくなることが原因である。すなわち、高周波抵抗溶接では、被溶接材料に接触させる通電チップの材質として一般的に銅系材料が使用されているが、めっき層にAlを含むめっき鋼板を被溶接材料とするとき、めっき層中のAlにより通電チップの先端に硬質で脆弱な合金層が形成され易くなる。この合金層は、剥離し易く、通電チップの損耗を著しく促進させる。また、合金層が剥離するとスパークが発生し、製品表面を損傷させる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、物性が特定された材質の通電チップを使用することにより、めっき層表面の損傷や通電チップの損耗を抑制し、めっき層にAlを含むめっき鋼板の外観を損なうことなく高周波抵抗溶接することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の高周波抵抗溶接方法は、その目的を達成するため、導電率が80%IACS以上で800℃における強度が5kg/mm2以上の材質の通電チップをAl含有めっき層で被覆されているめっき鋼板に直接接触させ、摺動させつつ高周波電流を供給してめっき鋼板を連続的に溶接することを特徴とする。
通電チップの材質としては、アルミナ分散銅が使用される。被溶接材料に対する通電チップの接触面積は、200mm2以上が好ましい。
【0005】
【作用】
通電チップの先端に生成する合金層は電極素材とめっき層との反応のし易さや電極の発熱に影響され、合金層の剥離に伴ったスパークの発生には合金層の厚み及び高温における電極材の変形抵抗が関与している。本発明者等は、合金層の生成及びスパークの発生について種々調査検討した結果、めっき層にAlを含むめっき鋼板を被溶接材料とするとき、導電率が80%IACS以上で800℃における強度が5kg/mm2 以上の材質でできた通電チップが最適であることを見い出した。なかでも、Alとの反応性が低く、電気伝導度及び熱伝導度が高く高温強度に優れたアルミナ分散銅が優れたチップ材質である。形状としても被溶接材料に対する接触面積を200mm2 以上にすると、面圧が低下し、且つ単位面積当りの発熱量が減少するため、合金層の成長が抑制される。
【0006】
【実施の形態】
本発明に従った高周波抵抗溶接では、図1,2に示すように、被溶接材料1であるめっき層にAlを含むめっき鋼板に通電チップ2を接触させ、通電チップ2を介して高周波電流3を被溶接材料1に供給することにより、被溶接材料1を発熱させて溶接する。このとき、接合面4も加熱されるが、被溶接材料1と通電チップ2との接触界面も加熱される。被溶接材料1の表面にあるめっき層は、融点が低いため、このときの加熱によって溶融し、通電チップ2の材質と合金化反応する。
Alを含む合金層は、硬質で脆弱な相であるため、厚く成長すると割れ易い。この状態で通電チップ2が温度上昇によって軟化していると、通電チップ2と被溶接材料1との摺動により通電チップ2が変形すると共に合金層が破壊される。その結果、通電チップ2が損傷し、スパークの発生によって被溶接材料1の表面が損傷する。
【0007】
この点、本発明で使用する通電チップ2は、導電性が良好な材質でできており、同時に熱伝導性も良好なため温度上昇しにくい。そのため、溶接時の温度で通電チップ2が軟化し難く、めっき層との合金化反応も抑制される。なかでも、材質がアルミナ分散銅である通電チップ2では、合金層の成長速度が遅く、一層良好な結果が得られる。接触面積が200mm2 以上の形状をもつ通電チップ2も、単位面積当りの入熱が相対的に小さくなって温度上昇が抑制され、しかも面圧が低下することから、同様に軟化し難く、めっき層との合金化反応も抑制される。
【0008】
【実施例】
実施例1:
被溶接材料として、板厚4.5mm及び3.2mm,片面当りのめっき付着量90g/mm2 で、5重量%のAlを含む亜鉛めっき層が形成された溶融めっき鋼板を使用した。この被溶接材料をウエブ及びフランジとし、150mm×100mmの軽量溶接H形鋼を高周波抵抗溶接により製造した。通電チップ2として表1に掲げた各種の材質を使用し、電源の真空管プレート電流14A,電圧14KV,ライン速度20m/分の条件下で溶接した。
溶接結果を示す表1にみられるように、本発明に従った溶接法では、8時間以上連続して溶接しても、通電チップに異常な損耗が発生せず、溶接製品も良好な外観を保っていた。また、同じアルミナ分散銅を通電チップの材質としてものでも、接触面積が大きな試験番号1では長時間使用後も電極の損耗が少なかったのに対し、接触面積が小さい試験番号3では電極が激しく損耗した。他方、導電率,800℃での引張強さ,接触面積の何れか一つ又は複数が本発明で規定した条件を満足していない比較例では、スパークの発生,電極の損傷等が観察され、良好な結果が得られなかった。
【0009】
【0010】
実施例2:
被溶接材料として、板厚2.3mm,片面当りのめっき付着量60g/mm2 で、Alめっき層が形成された溶融めっき鋼板を使用した。この被溶接材料をウエブ及びフランジとし、100mm×100mmの軽量溶接H形鋼を高周波抵抗溶接により製造した。通電チップ2として表1に掲げた各種の材質を使用し、電源の真空管プレート電流14A,電圧14KV,ライン速度25m/分の条件下で溶接した。
溶接結果を示す表2にみられるように、本発明に従った溶接法では、長時間連続して溶接しても、通電チップに異常な損耗が発生せず、比較例に比べて品質が著しく優れた溶接製品が得られた。この場合も、試験番号1と3との対比から、接触面積を大きくすることが通電チップの損耗抑制に有効なことが判る。
【0011】
【0012】
実施例3:
被溶接材料として、板厚4.5mm及び6mm,片面当りのめっき付着量190g/mm2 で、0.2重量%のAlを含む亜鉛めっき層が形成された溶融めっき鋼板を使用した。この被溶接材料をウエブ及びフランジとし、200mm×100mmの軽量溶接H形鋼を高周波抵抗溶接により製造した。通電チップ2として表1に掲げた各種の材質を使用し、電源の真空管プレート電流14A,電圧14KV,ライン速度15m/分の条件下で溶接した。
溶接結果を示す表3にみられるように、本発明に従った溶接法では、長時間連続して溶接しても、通電チップに異常な損耗が発生せず、溶接製品も良好な外観を保っていた。他方、導電率,800℃での引張強さ,接触面積の何れか一つ又は複数が本発明で規定した条件を満足していない比較例では、スパークの発生,電極の損傷等が観察された。この場合も、試験番号1と3との対比から、接触面積を大きくすることが通電チップの損耗抑制に有効なことが判る。
【0013】
【0014】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、めっき層がAlを含むめっき鋼板を高周波抵抗溶接する際、導電率が80%IACS以上,800℃での強度が5kg/mm2 以上の材質の通電チップを使用することにより、溶接中に通電チップの過熱や高温変形を抑制すると共に、電極材質とめっき層との合金化反応を抑制している。そのため、低融点のめっき層が表面にあるめっき鋼板であっても、通電チップの寿命を長くした高周波溶接が可能となり、スパーク発生に起因した表面疵がなく良好な外観を呈する溶接製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき鋼板を使用して溶接H形鋼を高周波抵抗溶接するときの説明図
【図2】高周波抵抗溶接時に被溶接材料中を流れる電流の説明図
【符号の説明】
1:被溶接材料 2:通電チップ 3:高周波電流 4:接合面
Claims (3)
- 導電率が80%IACS以上で800℃における強度が5kg/mm2以上の材質の通電チップをAl含有めっき層で被覆されているめっき鋼板に直接接触させ、摺動させつつ高周波電流を供給してめっき鋼板を連続的に溶接することを特徴とするめっき層にAlを含むめっき鋼板の高周波抵抗溶接方法。
- アルミナ分散銅でできた通電チップを使用する請求項1記載の高周波抵抗溶接方法。
- 接触面積が200mm2以上である通電チップを使用する請求項1又は2記載の高周波抵抗溶接方法。
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| JP25090996A JP3587944B2 (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | めっき層にAlを含むめっき鋼板の高周波抵抗溶接方法 |
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| JP25090996A JP3587944B2 (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | めっき層にAlを含むめっき鋼板の高周波抵抗溶接方法 |
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