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JP3588376B2 - 強誘電体メモリ - Google Patents
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JP3588376B2 - 強誘電体メモリ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は強誘電体メモリに関し、特に、3値以上の情報を記憶することが可能で不揮発性を有する強誘電体メモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
強誘電体材料は、電界と分極の大きさとが非線形であり、印加電界の履歴によって分極の大きさが異なるヒステリシス特性を有する。強誘電体メモリは、このヒステリシス特性を利用して情報を記憶するメモリであり、現在、強誘電体を容量絶縁膜としたコンデンサとトランジスタとを組み合わせたメモリセルを有するものが主として提案されている。
【0003】
このような強誘電体メモリについて、メモリ容量を拡大する観点から、1つのメモリセルに3値以上の情報を記憶させることが提案されている。例えば、特開平5−28773号公報及び特開平5−28774号公報には、強誘電体を容量絶縁膜としたコンデンサにおいて、1個の強誘電体の表裏両面に夫々複数の電極を並列に配置し、各電極間の電界を制御することにより、1つのメモリセルに3値以上の情報を記憶させるようにした強誘電体メモリが開示されている。
【0004】
また、特開平5−89691号公報には、強誘電体を容量絶縁膜とした1つのコンデンサと4つのMOSFETによってコンデンサの分極状態を変化させることで3値を記憶できるようにした強誘電体メモリが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような強誘電体を容量絶縁膜としたコンデンサとトランジスタとを組み合わせたメモリセルを有する強誘電体メモリでは、特に、3値以上の情報を記憶させようとした場合、1つのメモリセル当たりの素子数が多くなるために、結局、メモリ容量を拡大することに適しないという問題があった。
【0006】
一方、強誘電体を電界効果トランジスタのゲート絶縁膜の一部として用いることにより、1個の電界効果トランジスタのみからメモリセルを構成した不揮発性の強誘電体メモリが提案されている(“Physics of ferroelectric nonvolatile memory field effect transistor” S.L.Miller and P.J.McWhorter, J.Appl.Phys.72(12),15 December 1992 )。しかしながら、この文献には、強誘電体メモリトランジスタ(FEMFET)の特性が開示されているに過ぎず、3値以上の情報を記憶するためにFEMFETを用いることについては何ら開示されていない。
【0007】
そこで、本発明は、強誘電体をゲート絶縁膜として用いた電界効果トランジスタのみからメモリセルが構成されているとともに、3値以上の情報を記憶することができる強誘電体メモリを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の強誘電体メモリは、半導体基板と、上記半導体基板の表面に形成され、一方向に延びるウェル線と、上記半導体基板の上方に形成され、上記ウェル線と交差するワード線と、上記ウェル線と上記ワード線との間に形成され、強誘電体膜を含むゲート絶縁膜と、上記ウェル線の表面に平面視で前記ワード線を間に挟むようにして形成されたソース及びドレインと、上記ドレインに接続されたビット線と、上記ワード線と上記ウェル線との間に電圧を印加する電圧印加手段と、上記ソースの電圧を上記ウェル線とは独立して制御するソース電圧制御手段と、上記強誘電体膜の分極状態の違いを、上記ソース及び上記ドレインを備え上記ワード線をゲートとする電界効果トランジスタのしきい値電圧の違いとして上記ビット線を介して検出する検出手段と、を有し、上記電圧印加手段は、書き込むデータの種類に応じて、上記ワード線と上記ウェル線との間に、第1の電圧、上記第1の電圧とは逆極性の第2の電圧及び上記強誘電体膜を飽和分極状態にしない範囲で上記第1の電圧とは大きさの異なる第3の電圧のうちから一の電圧を選択して印加することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様においては、上記第1の電圧及び上記第2の電圧が、上記強誘電体膜を夫々飽和分極状態にする電圧である。
【0010】
本発明の一態様においては、上記電圧印加手段が、上記第3の電圧とは逆極性の第4の電圧を上記ワード線と上記ウェル線との間に印加する。
【0011】
本発明の一態様においては、上記第3の電圧が、電圧除去後に上記強誘電体膜を実質的に非分極状態にする電圧である。
【0012】
本発明の一態様においては、上記電圧印加手段が、上記第1の電圧と上記第3の電圧との中間の大きさを有する第5の電圧及び上記第5の電圧とは逆極性の第6の電圧を夫々上記ワード線と上記ウェル線との間に印加する。
【0013】
【作用】
メモリセルのゲート電極に大きさの異なる少なくとも3種類の電圧を印加する手段を具備しているために強誘電体膜の分極状態を少なくとも3種類に変化させることができる。従って、少なくとも3値の情報を記憶することができる。
【0014】
また、強誘電体膜を飽和分極状態にする電圧を印加したり、電圧除去後に強誘電体膜を非分極状態にする電圧を印加することによって、強誘電体膜の分極状態の差異が明確になり、その検出が容易になる。
【0015】
また、印加する電圧を種々に選定することによって、強誘電体膜の分極状態を4種類以上に変化させることもでき、その場合には、より多くの情報を記憶することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例につき図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施例による強誘電体メモリのメモリセルアレイを構成するメモリセルのうち、縦横夫々の方向に2個づつ、計4つのメモリセルMC〜MCが接続されている様子を示す部分平面図である。図1において、ワード線WL、WLと直交する方向には、ビット線BL、BLが夫々形成されている。また、ワード線WLとWLとの間には、これらと平行にソース線SLが形成されている。さらに、ビット線BL、BLの下方には、これらと平行にウェル線BUL、BULが夫々形成されている。
【0018】
ビットコンタクトBC、BCにおいては、ビット線BLとメモリセルMCのドレイン21及びメモリセルMCのドレイン23とが夫々接続されている。ビットコンタクトBC、BCにおいては、ビット線BLとメモリセルMCのドレイン22及びメモリセルMCのドレイン24とが夫々接続されている。ソースコンタクトSCにおいては、ソース線SLとメモリセルMC、MCに共通のソース25とが接続されている。ソースコンタクトSCにおいては、ソース線SLとメモリセルMC、MCに共通のソース26とが接続されている。
【0019】
図2は、図1のII−II線での断面図である。図2において、シリコン基板31には、ウェル領域であるウェル線BUL、BULが夫々形成されている。また、シリコン基板31上には、図示省略した絶縁膜を介してゲート電極であるワード線WLが形成されており、ワード線WL上にはビット線BL、BLが夫々形成されている。ワード線WLとウェル線BUL、BULとの間には、ゲート絶縁膜として強誘電体膜であるPZT膜32が形成されている。
【0020】
図3は、図1のIII −III 線での断面図である。図3において、シリコン基板31には、ウェル線BUL、BUL及びこれらに囲まれたソース25、26が夫々形成されている。また、シリコン基板31上には、図示省略した絶縁膜を介してビット線BL、BL及びソース線SLが夫々形成されている。ソース線SLは、ソースコンタクトSC、SCを介して夫々ソース25、26と接続されている。
【0021】
図4は、図1のIV−IV線での断面図である。図4において、シリコン基板31のウェル線BUL内には、ドレイン21、23及びソース25が夫々形成されている。ドレイン21とソース25及びドレイン23とソース25の間のシリコン基板31上には、PZT膜32を介してワード線WL、WLが夫々形成されている。また、ワード線WL上に形成されたビット線BL、BLは、ビットコンタクトBC、BCを介して夫々ドレイン21、23と接続されている。
【0022】
図5は、図1に示すメモリセルアレイの等価回路図である。図5において、ワード線WLはメモリセルMC、MCのゲート電極に夫々接続されており、ワード線WLはメモリセルMC、MCのゲート電極に夫々接続されている。また、ビット線BLはメモリセルMC、MCのドレインに夫々接続されており、ビット線WLはメモリセルMC、MCのドレインに夫々接続されている。また、ウェル線BULはメモリセルMC、MCの基板端子に夫々接続されており、ウェル線BULはメモリセルMC、MCの基板端子に夫々接続されている。さらに、ソース線SLはメモリセルMC〜MCのソースに夫々接続されている。
【0023】
図6は、本実施例の各メモリセルにおいて、そのゲート電極に印加される電圧VGB(=ゲート電極の電位−ウェルの電位)と強誘電体の分極の大きさとの関係(ヒステリシス特性)を示すグラフである。
【0024】
まず、分極していない状態“C”又は負に大きく分極した状態“B”にある強誘電体を有するメモリセルにVGB=Vの正の高電圧を印加すると、強誘電体は分極が正に飽和した状態“D”となる。そして、このときにVGB=0とすると、強誘電体は正に大きく分極した状態“A”となる。
【0025】
次に、分極していない状態“C”又は正に大きく分極した状態“A”にある強誘電体を有するメモリセルにVGB=−Vの負の高電圧を印加すると、強誘電体は分極が負に飽和した状態“E”となる。そして、このときにVGB=0とすると、強誘電体は負に大きく分極した状態“B”となる。
【0026】
次に、負に大きく分極した状態“B”にある強誘電体を有するメモリセルに、適宜選択したVGB=V(0<V<V)の正の高電圧を印加すると、強誘電体は状態“D”よりも弱く正に分極した状態“F”となる。そして、このときにVGB=0とすると、強誘電体は分極していない状態(非分極状態)“C”(又はその近傍の状態)となる。
【0027】
次に、正に大きく分極した状態“A”にある強誘電体を有するメモリセルにVGB=−Vの負の高電圧を印加すると、強誘電体は状態“E”よりも弱く負に分極した状態“G”となる。そして、このときにVGB=0とすると、強誘電体は分極していない状態“C”(又はその近傍の状態)となる。
【0028】
図7は、図6に対応して強誘電体が状態“A”、“C”及び“B”のときの、メモリセルのドレイン電流Iとゲート電圧VGBとの関係を夫々示すグラフである。図7において、左側の曲線が状態“A”、中央の曲線が状態“C”、右側の曲線が状態“B”に夫々対応する。
【0029】
状態“A”においては、強誘電体が正に大きく分極しているために、メモリセルのしきい値電圧VtAは、分極していない状態“C”でのしきい値電圧VtCよりも小さくなっている。また、状態“B”においては、強誘電体が負に大きく分極しているために、メモリセルのしきい値電圧VtBは、分極していない状態“C”でのしきい値電圧VtCよりも大きくなっている。
【0030】
このように、強誘電体を3つの分極状態“A”、“C”及び“B”に変化させることによって、メモリセルのしきい値電圧を異なる3種類に制御することができるので、このしきい値電圧の値に応じてメモリセルに3値の情報を記憶させることができる。
【0031】
尚、例えば、1個のメモリセルに4値を記憶させる場合には、状態“B”にある強誘電体を有するメモリセルに適宜選択したVGB=V(V<V<V)の正の高電圧を印加した後にVGB=0とすることによって、強誘電体を状態“A”の略半分程度の分極を有する状態にする。また、状態“A”にある強誘電体を有するメモリセルにVGB=−Vの負の高電圧を印加した後にVGB=0とすることによって、強誘電体を状態“B”の略半分程度の分極を有する状態にする。これによって、各メモリセルは状態“A”、“B”以外に更に2つの状態を取ることができて4値の記憶が可能になる。
【0032】
このように、各メモリセルのゲート電圧VGBを電圧Vと電圧Vの間で適宜調節することによって、各メモリセルのしきい値電圧を状態“A”と状態“C”との間及び状態“B”と状態“C”との間で任意に変化させることができる。従って、それらに対応して、各メモリセルに4値以上の情報を記憶させることが可能となる。
【0033】
図8に、本実施例の強誘電体メモリの回路ブロック図を示す。
【0034】
図8において、メモリセルアレイMARYは、ゲート絶縁膜として強誘電体膜を用いたメモリセルトランジスタをマトリックス状に配列したものである。アドレス入力端子ADは、書き換え時又は読み出し時に選択するメモリセルトランジスタを決定するための信号を入力する端子である。制御入力端子CNTは、書き換え、読み出し等のモードを選択するための信号を入力する端子である。データ入出力端子DIOは、読み出し時には記憶されたデータを出力し、書き換え時にはメモリセルトランジスタに書き込むデータを入力する端子である。
【0035】
アドレスバッファADBFは、アドレス入力端子ADからの信号をラッチし、出力信号AXを、列デコーダRDEC、行デコーダCDEC及びウェル線選択回路BUDECに夫々出力する回路である。
【0036】
列デコーダRDEC、行デコーダCDEC及びウェル線選択回路BUDECは、書き換え時又は読み出し時に、メモリセルアレイMARYのワード線(列線)WL、ビット線(行線)BL及びウェル線BULを夫々選択するための回路である。
【0037】
マルチプレクサMPXは、行デコーダCDECからのマルチプレクサ選択信号PYを制御入力とし、読み出し時に、選択されたビット線のみをデータ線DBと導通させ、非選択ビット線とは非導通とし、書き換え時に、総てのビット線をデータ線DBと非導通とするための回路である。
【0038】
チップ制御回路CCNTは、制御入力端子CNTからの信号によって、チップ選択状態、読み出し状態、書き換え状態等のモードを選択する制御信号PDQ、RD及びCNTのうち、制御信号PDQをアドレスバッファADBFに出力し、制御信号RDを行デコーダCDEC、センスアンプ回路SAMP、データ出力バッファDOBF、ソース線電圧制御回路SLCNT及びウェル電位制御回路BUCNTに夫々出力し、制御信号CNTをライト状態制御回路WCNTに出力する回路である。
【0039】
ライト状態制御回路WCNTは、チップ制御回路CCNTの出力CNTと、入力データ/出力データ比較回路DPRGの出力DATを入力信号とし、書き換え時において、ワード線WL及びウェル線BULに印加する電圧を制御する信号PRG、PRGのうち、信号PRGを列デコーダRDEC、ウェル電位制御回路BUCNT、正高電圧発生/制御回路PVCNT及び負高電圧発生/制御回路NVCNTに夫々出力し、信号PRGを行デコーダCDEC、ソース線電圧制御回路SLCNT及びウェル電位制御回路BUCNTに夫々出力する回路である。
【0040】
正高電圧発生/制御回路PVCNT及び負高電圧発生/制御回路NVCNTは、ライト状態制御回路WCNTの出力PRGを入力信号とし、書き換え時にワード線WL及びウェル線BULに印加する正負の高電圧を発生/制御するための信号V、Vを夫々発生する回路である。これらの信号V、Vは、ウェル電位制御回路BUCNT及び列デコーダRDECに夫々供給される。
【0041】
ウェル電位制御回路BUCNTは、チップ制御回路CCNTの出力RD、ライト状態制御回路WCNTの出力PRG、PRG、正高電圧発生/制御回路PVCNTの出力V及び負高電圧発生/制御回路NVCNTの出力Vを入力信号とし、書き換え、読み出し等のモードの違い及び書き込むデータの違いに応じて、ウェル線BULに印加する電圧を制御する信号BXをウェル線選択回路BUDECに出力する回路である。
【0042】
ソース線電圧制御回路SLCNTは、ライト状態制御回路WCNTの出力PRG及びチップ制御回路CCNTの出力RDを入力信号とし、書き換え、読み出し等のモードの違い及び書き込むデータの違いに応じて、ソース線SLに印加する電圧を制御する回路である。
【0043】
データ出力バッファDOBFは、チップ制御回路CCNTの出力RDを制御入力とし、読み出し時にセンスアンプ回路SAMPの出力DOUTをラッチしてデータ入出力端子DIOに出力する回路である。
【0044】
データ入力バッファDIBFは、データ書き換え時にデータ入出力端子DIOからの入力をラッチして出力信号DINを入力データ/出力データ比較回路DPRGに出力する回路である。
【0045】
センスアンプ回路SAMPは、チップ制御回路CCNTの出力RDを制御入力、データ線DBをデータ入力とし、読み出しデータをデータ出力バッファDOBF及び入力データ/出力データ比較回路DPRGに夫々出力信号DOUTとして出力する。
【0046】
入力データ/出力データ比較回路DPRGは、センスアンプ回路SAMPの出力DOUT及びデータ入力バッファDIBFの出力DINを入力信号とし、各々の信号を比較した結果により、ライト状態制御回路WCNTを制御する信号DATを出力する回路である。
【0047】
次に、本実施例の強誘電体メモリの書き換え及び読み出し動作を、図5〜図9を参照しながら説明する。尚、以下の説明において、3つのデータ“1”、“0”及び“−1”は、図6で説明した3つの分極状態“A”、“C”及び“B”に夫々対応するものとする。
【0048】
本実施例の強誘電体メモリの書き換え及び読み出し動作を〔表1〕に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003588376
【0050】
最初に、書き換え動作について説明する。まず、図8のチップ制御回路CCNTによって書き換えモードが選択されると、例えば信号PDQがハイ電圧となり、アドレスバッファADBFが活性化する。すると、メモリセルアレイMARYで1本のワード線及びウェル線が夫々選択される。尚、書き換えモードにおいて、非選択ワード線、総てのビット線及びソース線は、フローティング(又はハイインピーダンス)である。
【0051】
データ入出力端子DIOより“1”に相当するデータが入力されると(図9のステップS1)、そのデータはデータ入力バッファDIBF及び入力データ/出力データ比較回路DPRGを通じてライト状態制御回路WCNTに送られ、このライト状態制御回路WCNTからの制御出力PRGにより正高電圧発生/制御回路PVCNT及び負高電圧発生/制御回路NVCNTが夫々“1”書き込み状態となる。そして、正の高電圧V/2及び負の高電圧−V/2を夫々発生し、列デコーダRDEC及びウェル電位制御回路BUCNTに夫々出力する。一方、ライト状態制御回路WCNTからの制御出力PRGは、列デコーダRDEC、ウェル電位制御回路BUCNTにも夫々入力され、アドレス入力端子ADからアドレスバッファADBFを介して入力されたアドレス入力信号により選択されたワード線に正の高電圧V/2が、選択されたウェル線には負の高電圧−V/2が夫々印加される。また、非選択のウェル線には正の高電圧V/2が印加される。
【0052】
例えば、図5において、メモリセルトランジスタMCが選択されたときには、ワード線WLとウェル線BULとが夫々選択され、メモリセルトランジスタMCのゲート電極−ウェル間には正の高電圧Vが印加されることになり、図6において例えば分極状態“C”又は“B”が分極状態“D”に変化する。しかる後、メモリセルトランジスタMCのゲート電極−ウェル間に印加される電圧を0Vにすることによって、分極状態“D”は状態“A”に変化する。つまり、選択されたメモリセルトランジスタMCには“1”が書き込まれたことになる(図9のステップS2)。
【0053】
尚、このとき、メモリセルトランジスタMCにおいては、ゲート電極−ウェル間の電圧は0Vであるので、分極の状態は変化せず、データは書き換えられない。また、メモリセルトランジスタMC、MCにおいては、ワード線WLがフローティングであるために、ゲート電極−ウェル間には正負いずれの高電圧も印加されず、従って、分極の状態は変化せず、データは書き換えられない。つまり、選択されたメモリセルトランジスタMCにのみ“1”が書き込まれる。
【0054】
次に、データ入力端子DIOより“−1”に相当するデータが入力されると(図9のステップS1)、“1”に相当するデータが入力されたときと同様の動作により、選択ワード線及び非選択ウェル線に負の高電圧−V/2が、選択ウェル線には正の高電圧V/2が夫々印加される。従って、選択されたメモリセルトランジスタのゲート電極−ウェル間に負の高電圧−Vが印加されることになり、図6において、例えば分極状態“A”又は“C”であったものが、分極状態“E”を経て“B”に変化する。つまり、選択されたメモリセルトランジスタには“−1”が書き込まれたことになる(図9のステップS3)。尚、“−1”を書き込む場合も、“1”を書き込む場合と同様の理由により、非選択メモリセルトランジスタのデータは書き換えられない。
【0055】
次に、データ入力端子DIOより“0”に相当するデータが入力されると(図9のステップS1)、まず、選択されたワード線に正の高電圧V/2、選択されたウェル線に負の高電圧−V/2、非選択のウェル線にV/2を夫々印加し、選択されたメモリセルトランジスタを“1”に強制的に書き換える(図9のステップS4)。次に、選択されたワード線に負の高電圧−V/2、選択されたウェル線に正の高電圧V/2、非選択のウェル線に−V/2を夫々与え、選択されたメモリセルトランジスタのゲート電極−ウェル間に電圧Vを印加する。しかる後、選択されたメモリセルトランジスタのゲート電極−ウェル間に印加される電圧を0Vにすることによって、この選択されたメモリセルトランジスタは“0”に書き換えられる(図9のステップS5)。尚、選択されたメモリセルトランジスタを“1”ではなく“−1”に書き換えてから、選択されたワード線に正の高電圧V/2、選択されたウェル線に負の高電圧−V/2、非選択のウェル線にV/2を夫々印加することによって、選択されたメモリセルトランジスタを“0”に書き換えるように構成してもよい。
【0056】
次に、“0”書き込みの別の方法について説明する。データ入力端子DIOより“0”に相当するデータが入力されると(図9のステップS1)、まず、書き込み前読み出しモードとなり、アドレス入力信号に応じて1本のワード線と1本のビット線が選択される。このとき選択ワード線には、例えば5V、選択ビット線には例えば1Vが印加され、非選択ワード線、ウェル線、ソース線及び非選択ビット線には夫々0Vが印加される。この結果、選択されたメモリセルトランジスタのしきい値電圧の違いによって“1”、“0”又は“−1”に相当するデータがセンスアンプ回路SAMPから出力され、入力データ/出力データ比較回路DPRGの入力となる。
【0057】
入力データ/出力データ比較回路DPRGは、書き込み前読み出しにおける選択メモリセルからの読み出しデータに応じて、“1”→“0”、“−1”→“0”又は“0”→“0”への書き換えで夫々異なる制御信号をライト状態制御回路WCNTに出力する。ライト状態制御回路WCNTは、入力データ/出力データ比較回路DPRGからの制御信号により、列デコーダRDEC、ウェル電位制御回路BUCNT、正高電圧発生/制御回路PVCNT及び負高電圧発生/制御回路NVCNTに制御信号PRGを夫々出力し、行デコーダCDEC、ソース線電圧制御回路SLCNT及びウェル電位制御回路BUCNTに制御信号PRGを夫々出力する。すると、総てのビット線とソース線はフローティングとなり、選択されたワード線とウェル線には夫々所定の高電圧が印加される。
【0058】
メモリセルのデータを“1”→“0”に書き換えるときには、例えば選択ワード線及び非選択ウェル線を−V/2、選択ウェル線をV/2とし、非選択ワード線、ソース線及び全ビット線をフローティングとする。これにより、選択されたメモリセルのデータのみを“0”に書き換えることができる。
【0059】
一方、メモリセルのデータを“−1”→“0”に書き換えるときには、例えば選択ワード線及び非選択ウェル線をV/2、選択ウェル線を−V/2とし、非選択ワード線、ソース線及び全ビット線をフローティングとする。これにより、選択されたメモリセルのデータのみを“0”に書き換えることができる。
【0060】
さらに、メモリセルのデータを“0”のまま書き換えないときには、例えば選択ワード線及び総てのウェル線を0Vに、非選択ワード線、ソース線及び全ビット線をフローティングとする。
【0061】
メモリセルのデータを読み出すときには、“0”書き込みのときの書き込み前読み出しモードと同様の動作によって、センスアンプ回路SAMPの出力が、データ出力バッファDOBFを通じ、読み出しデータとしてデータ入出力端子DIOに出力される。
【0062】
図10は、図8のセンスアンプ回路についてより詳細に示したものである。RDはセンスアンプ回路を活性化する信号であり、DOUT及びDOUTは夫々データ出力、DBはメモリ読み出しデータ入力である。IV01、IV02、IV04、IV05は夫々MOSトランジスタで構成されたインバータ回路、AND03はMOSトランジスタで構成された2入力の論理積回路(AND回路)である。また、MP01、MP02、…、MP06はPチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ、MN01、MN02、…、MN10はNチャネルエンハンスメント型MOSトランジスタ、RCEL、RCELはリファレンス用メモリセルである。
【0063】
図10で、ノードN20はトランジスタMP01のドレイン、MN01のドレイン、MN02のドレイン及びMN03のゲートに夫々接続されており、ノードN21はトランジスタMP02のドレイン並びにゲート、MN03のドレイン、MN05のゲート及び回路ブロックDAMPとDAMPの夫々のトランジスタMN05のゲートに夫々接続され、ノードN23はトランジスタMP03のドレイン、MN05のドレイン及びインバータ回路IV02の入力に夫々接続されている。また、ノードN22はトランジスタMP05のドレイン並びにゲート、MN07のドレイン及びMN06のゲートに夫々接続されており、ノードN24はトランジスタMP04のドレイン、MN06のドレイン、MP03のゲート及びMP04のゲートに夫々接続され、ノードN25はトランジスタMN05のソース、MN06のソース及びMN04のドレインに接続され、ノードN26はトランジスタMP06のドレイン、MN09のドレイン、MN10のドレイン及びMN07のゲートに夫々接続され、ノードN27はトランジスタMN07のソース、MN08のドレイン及びMN09のゲートに夫々接続されている。
【0064】
DAMPは、トランジスタMP03、MP04、MP05、MP06、MN04、MN05、MN06、MN07、MN08、MN09、MN10、インバータ回路IV02及びリファレンス用メモリセルRCELを含む回路ブロックであり、DAMPはDAMPと同様なトランジスタ及び結線を有する回路ブロックである。
【0065】
図10で、活性化信号RDはインバータ回路IV01、回路ブロックDAMPのトランジスタMN04のゲート及び回路ブロックDAMPのトランジスタMN04(図示せず)のゲートに夫々入力され、インバータ回路IV01の出力PDQBはトランジスタMP01、MN01、MP06、MN10の夫々のゲート及び回路ブロックDAMPのトランジスタMP06とMN10(いずれも図示せず)のゲートに夫々入力される。メモリ読み出しデータ入力DBはトランジスタMN02のゲート及びMN03のソースに夫々入力される。SOは回路ブロックDAMPのインバータ回路IV02の出力であってインバータ回路IV04の入力、SOは回路ブロックDAMPのインバータ回路IV02(図示せず)の出力であってインバータ回路IV05の入力となっている。データ出力DOUTはインバータ回路IV04の出力SO1Bに等しい。SO2Bはインバータ回路IV05の出力であり、論理積回路AND03の入力である。論理積回路AND03の他方の入力はインバータ回路IV04の出力SO1Bである。データ出力DOUTは論理積回路AND03の出力である。信号線REFは回路ブロックDAMPのトランジスタMN08のソースとリファレンス用メモリセルRCELのドレインに接続されている。図示は省略したが、同様の信号線が回路ブロックDAMPのリファレンス用メモリセルRCELに関しても設けられている。N30は接地ノードであり、インバータ回路IV01〜IV05及び論理積回路AND03の各接地端子(いずれも図示せず)、トランジスタMN01、MN02、MN04、MN09、MN10の各ソース端子及びリファレンス用メモリセルRCEL、RCELの各ソース端子に夫々接続されている。N31は電源ノードであり、インバータ回路IV01〜IV05及び論理積回路AND03の各電源端子(いずれも図示せず)、トランジスタMP01〜MP06の各ソース端子及びトランジスタMN08のゲート端子に夫々接続されている。
【0066】
図10において、活性化信号RDが“H”電位になると、メモリ読み出しデータ入力DBは、選択したメモリセルのビット線と同電位になる。インバータ回路IV01の出力PDQBは“L”電位となるので、トランジスタMP01はオン状態となり、トランジスタMN01はオフ状態となって、ノードN20の電位は0Vから上昇する。ノードN20の電位が上昇すると、トランジスタMN03がオン状態となり、メモリ読み出しデータ入力DBは、ノードN20の電位からトランジスタMN03のしきい値電圧を引いた電位となる。しかし、メモリ読み出しデータ入力DBの電位がトランジスタMN02のしきい値電圧より高くなると、トランジスタMN02がオン状態となり、メモリ読み出しデータ入力DBの電位上昇を抑制する。従って、活性化信号RDが“H”になることにより、メモリ読み出しデータ入力DBは0Vと電源電圧との中間値、例えば2Vになる。この時、読み出しを行うメモリセルがオン状態であれば、メモリ読み出しデータ入力DBからそのメモリセルのソースに向けて電流が流れ、メモリ読み出しデータ入力DBの電位は若干下がり、例えば1.8Vとなる。このときの電流供給はトランジスタMP02を経由して行われるので、トランジスタMP02のトランジスタサイズを適切に選ぶことにより、ノードN21の電位は、メモリ読み出しデータ入力DBよりも大きく低下し、例えば4.2Vから3.5Vになる。また、ノードN21の電位はメモリセルに流れる電流量の大きさにも比例するので、トランジスタMP01、MP02、MN02及びMN03はメモリ読み出しデータ入力DBの電位変動を増幅していることになる。トランジスタMP03、MP04、MN04、MN05及びMN06は差動増幅器であり、ノードN21及びN22が差動入力である。トランジスタMP05、MP06、MN07、MN09及びMN10はトランジスタMP01、MP02、MN01、MN02及びMN03と相似の回路であり、信号線REFに対しメモリ読み出しデータ入力DBと同様な働きをする。トランジスタMN08は信号線REFの電位をノードN27に伝える働きをする。
【0067】
今、読み出しを行うメモリセルのしきい値電圧が例えば3Vであり、リファレンスセルRCEL、RCELのしきい値電圧が夫々例えば7V、2Vであるとした場合、
REFの電位<DBの電位<REFの電位
となり、出力SOは“L”電位、出力SOは“H”電位となる。尚、リファレンス用のメモリセルのしきい値電圧は予めテストモード等で設定しておくものとし、本実施例では詳述しない。この結果、データ出力DOUTは“H”電位、データ出力DOUTは“L”電位となる。
【0068】
図11は、メモリセルのしきい値電圧と、図10のデータ出力DOUT、DOUTの2ビットのデータとの対応を示す図である。図11において、上にあるものほどしきい値電圧が高いとき、下にあるものほどしきい値電圧が低いときに対応する。
【0069】
例えば、分極の状態が“−1”、即ち図6の状態“B”であるとき、センスアンプ回路の出力はDOUT=“0”、DOUT=“0”である。同様に、分極の状態が“0”、即ち図6の状態“C”であるとき、センスアンプ回路の出力はDOUT=“0”、DOUT=“1”である。また、分極の状態が“1”、即ち図6の状態“A”であるとき、センスアンプ回路の出力はDOUT=“1”、DOUT=“1”である。
【0070】
以上、説明したように、本実施例の強誘電体メモリでは、ゲート絶縁膜に強誘電体膜を用いたメモリセルトランジスタをアレイ状に配列したメモリセルアレイのワード線及びウェル線に書き換え時に正の高電圧又は負の高電圧を印加する際、メモリセルトランジスタのゲート−ウェル間の電位差として、V、V、−V及び−Vの4種類の値を設定することにより、メモリセルトランジスタのゲート絶縁膜に3種類の分極状態を生じさせ、読み出し時にはその3種類の分極状態でメモリセルトランジスタのしきい値電圧が変わることを利用して、1メモリセルトランジスタに3値の情報の書き込み及び読み出しを可能としている。
【0071】
以上、本発明を一実施例につき説明したが、上述の実施例は本発明を限定するものではない。例えば、上述の実施例では、ワード線とウェル線とで書き換え時の印加電圧の絶対値が等しいが、必ずしもその必要はない。また、読み出し時のワード線及びビット線の電位は上述の実施例と異なる値であってもよい。
【0072】
さらに、強誘電体膜の分極の方向の正負とメモリセルトランジスタのしきい値電圧Vの大小関係は、上述の実施例と同じである必要はなく、大小関係が逆であってもよい。
【0073】
尚、上述の実施例では、各メモリセルトランジスタの基板部であるウェルの電位を制御可能に構成して、例えば、ゲート電極にV/2、ウェルに−V/2の電圧を夫々印加することにより、ゲート−ウェル間の電位差をVに制御したが、ウェルの電位が0Vに固定されている場合には、勿論、ゲート電極にVの電圧を印加する。
【0074】
【発明の効果】
本発明によると、強誘電体メモリにおいて、比較的簡単な回路構成で且つ1個のメモリセルトランジスタに少なくとも3値の情報の書き換え及び読み出しを行うことが可能となる。従って、装置をより微細化することができるとともに、記憶容量を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による強誘電体メモリの要部平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII −III 線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図1の等価回路図である。
【図6】強誘電体メモリセルのヒステリシス特性を表すグラフである。
【図7】強誘電体メモリセルのしきい値電圧特性を表すグラフである。
【図8】本発明の一実施例による強誘電体メモリの回路ブロック図である。
【図9】本発明の一実施例による強誘電体メモリの書き換え方法のフローチャートである。
【図10】図8のセンスアンプ回路を詳細に示した回路図である。
【図11】メモリセルのしきい値電圧とセンスアンプ回路の出力との関係を示す概念図である。
【符号の説明】
MC〜MC メモリセル
WL、WL ワード線
BL、BL ビット線
SL ソース線
BUL、BUL ウェル線
BC〜BC ビットコンタクト
SC、SC ソースコンタクト
21〜24 ドレイン
25、26 ソース
31 シリコン基板
32 PZT膜
MARY メモリセルアレイ
AD アドレス入力端子
CNT 制御入力端子
DIO データ入出力端子
ADBF アドレスバッファ
AX 出力信号
RDEC 列デコーダ
CDEC 行デコーダ
BUDEC ウェル線選択回路
MPX マルチプレクサ
PY マルチプレクサ選択信号
DB データ線
CCNT チップ制御回路
PDQ、RD及びCNT 制御信号
SAMP センスアンプ回路
DOBF データ出力バッファ
SLCNT ソース線電圧制御回路
BUCNT ウェル電位制御回路
WCNT ライト状態制御回路
DPRG 入力データ/出力データ比較回路
DAT 出力
PVCNT 正高電圧発生/制御回路
NVCNT 負高電圧発生/制御回路
、V 信号
DIBF データ入力バッファ
DIN 出力信号

Claims (5)

  1. 半導体基板と、
    上記半導体基板の表面に形成され、一方向に延びるウェル線と、
    上記半導体基板の上方に形成され、上記ウェル線と交差するワード線と、
    上記ウェル線と上記ワード線との間に形成され、強誘電体膜を含むゲート絶縁膜と、
    上記ウェル線の表面に平面視で前記ワード線を間に挟むようにして形成されたソース及びドレインと、
    上記ドレインに接続されたビット線と、
    上記ワード線と上記ウェル線との間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    上記ソースの電圧を上記ウェル線とは独立して制御するソース電圧制御手段と、
    上記強誘電体膜の分極状態の違いを、上記ソース及び上記ドレインを備え上記ワード線をゲートとする電界効果トランジスタのしきい値電圧の違いとして上記ビット線を介して検出する検出手段と、
    を有し、
    上記電圧印加手段は、書き込むデータの種類に応じて、上記ワード線と上記ウェル線との間に、第1の電圧、上記第1の電圧とは逆極性の第2の電圧及び上記強誘電体膜を飽和分極状態にしない範囲で上記第1の電圧とは大きさの異なる第3の電圧のうちから一の電圧を選択して印加することを特徴とする強誘電体メモリ。
  2. 上記第1の電圧及び上記第2の電圧が、上記強誘電体膜を夫々飽和分極状態にする電圧であることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体メモリ。
  3. 上記電圧印加手段が、上記第3の電圧とは逆極性の第4の電圧を上記ワード線と上記ウェル線との間に印加することを特徴とする請求項1又は2に記載の強誘電体メモリ。
  4. 上記第3の電圧が、電圧除去後に上記強誘電体膜を実質的に非分極状態にする電圧であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ。
  5. 上記電圧印加手段が、上記第1の電圧と上記第3の電圧との中間の大きさを有する第5の電圧及び上記第5の電圧とは逆極性の第6の電圧を夫々上記ワード線と上記ウェル線との間に印加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の強誘電体メモリ。
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