JP3589202B2 - 4輪駆動車両の駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、4輪駆動車両の駆動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の4輪駆動車両の駆動力制御装置としては、例えば、特開平7−172204号公報に記載されているような技術が知られている。
【0003】
上記公報によれば、4輪駆動車両の駆動力制御装置は、車輪速度センサによって各車輪の車輪速度を検出し、前輪と後輪との車輪速度差(以下、前後輪速差ともいう)、およびその変化率を求め、車輪速度差およびその変化率に応じて前後輪の駆動力配分を設定するようになっていた。すなわち、主駆動輪である後輪が加速スリップし、前後輪速差が生じる時にのみ、4輪駆動状態になるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の4輪駆動車両の駆動力制御装置は、前後輪速差が生じなければ4輪駆動状態にならないため、滑りやすい低μ路面や悪路を走行する場合は、走行安定性や走破性を確保する上で4輪駆動状態を継続して走行したい時に、それができないという問題があった。また、従来の4輪駆動車両の駆動力制御装置は、4輪駆動状態の時には主駆動輪はスリップ状態であるため、主駆動輪はグリップ力に余裕がなく車両安定性を考えると好ましくない。またさらには、従来の4輪駆動車両の駆動力制御装置は、低μ路面で頻繁に2輪駆動状態と4輪駆動状態とを繰り返す場合も考えられ、その場合、4輪駆動状態時のメカニカルロスや電気的ロスによる車両の加速度や速度の変動により、運転者に違和感を感じさせる虞もあった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、必要な時のみに4輪駆動状態を継続して走行できる4輪駆動車両の駆動力制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、請求項1に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、前後輪の一方である主駆動輪と、前後輪の他方である従駆動輪と、主駆動輪の加速スリップ量を検出するスリップ検出手段と、運転者が駆動力の要求をしているか否かを判断する駆動力要求判断手段と、駆動力要求判断手段で運転者が駆動力の要求をしていると判断する場合には、スリップ検出手段で検出した主駆動輪の加速スリップ量に基づき従駆動輪の駆動力配分率を最大値に更新するように前後輪の駆動力配分比を算出する従駆動力配分最大値更新手段と、駆動力要求判断手段で運転者が駆動力の要求をしていないと判断する場合には、実際の主駆動輪の加速スリップ量に応じた前後輪の駆動力配分比を算出するスリップ対応駆動力配分算出手段と、従駆動力配分最大値更新手段またはスリップ対応駆動力配分算出手段で算出された前後輪の駆動力配分比になるように前輪と後輪との駆動力を可変に調整する駆動力調整手段とを備えたことを特徴とした。
【0007】
また、請求項2に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、請求項1に記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置において、従駆動力配分最大値更新手段は、主駆動輪の加速スリップ量を最大値更新することを特徴とした。
【0008】
また、請求項3に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、前後輪の一方である主駆動輪と、前後輪の他方である従駆動輪と、主駆動輪の加速スリップ量を検出するスリップ検出手段と、運転者が駆動力の要求をしているか否かを判断する駆動力要求判断手段と、駆動力要求判断手段で運転者が駆動力の要求をしていると判断する場合には、スリップ検出手段で検出した主駆動輪の加速スリップ量に基づき従駆動輪の駆動力配分率を最大値に更新するように前後輪の駆動力配分比を算出する従駆動力配分最大値更新手段と、駆動力要求判断手段で運転者が駆動力の要求をしていないと判断する場合には、従駆動輪の駆動力配分率を低減またはゼロとなるように前後輪の駆動力配分比を算出する従駆動力配分低減手段と、従駆動力配分最大値更新手段または従駆動力配分低減手段で算出された前後輪の駆動力配分比になるように前輪と後輪との駆動力を可変に調整する駆動力調整手段とを備えたことを特徴とした。
【0009】
また、請求項4に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、請求項3に記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置において、車体速度を検出する車体速検出手段を備え、従駆動力配分低減手段は、車体速度の低下に応じて、従駆動輪の駆動力配分率が低減される前後輪の駆動力配分比とすることを特徴とした。
【0010】
また、請求項5に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、請求項3に記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置において、車輪速度を検出する車輪速検出手段を備え、従駆動力配分低減手段は、車輪速度の低下に応じて、従駆動輪の駆動力配分率が低減される前後輪の駆動力配分比とすることを特徴とした。
【0011】
また、請求項6に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、請求項3に記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置において、従駆動力配分低減手段は、時間の経過に応じて、従駆動輪の駆動力配分率が低減される前後輪の駆動力配分比とすることを特徴とした。
【0012】
また、請求項7に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、請求項1から6までのいずれかに記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置において、車輪速度を検出する車輪速検出手段を備え、スリップ検出手段は、前後輪の速度差から加速スリップ量を求めることを特徴とした。
【0013】
また、請求項8に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、請求項1から6までのいずれかに記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置において、主駆動輪に伝達される駆動トルクを算出する主駆動輪トルク算出手段と、主駆動輪の路面反力限界トルクを算出する路面反力限界トルク算出手段とを備え、上記スリップ検出手段は、主駆動輪に伝達される駆動トルクと主駆動輪の路面反力限界トルクとの差から加速スリップ量を求めることを特徴とした。
【0014】
また、請求項9に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、請求項1から8のいずれかに記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置において、ブレーキ操作をしているか否かを検出するブレーキ操作検出手段を備え、駆動力要求判断手段は、ブレーキ操作していることを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていないと判断し、ブレーキ操作していないことを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていると判断することを特徴とした。
【0015】
また、請求項10に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、請求項1から9のいずれかに記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置において、アクセル操作をしているか否かを検出するアクセル操作検出手段を備え、駆動力要求判断手段は、アクセル操作していることを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていると判断し、アクセル操作していないことを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていないと判断することを特徴とした。
【0016】
また、請求項11に係る4輪駆動車両の駆動力制御装置は、請求項1から10のいずれかに記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置において、車体速度を検出する車体速検出手段と、前後輪の荷重配分に応じて前後輪の駆動力配分比を算出する荷重対応駆動力配分算出手段とを備え、所定の車速以下でかつ従駆動力配分最大値更新手段で駆動力配分比の算出処理を行なっている場合には、従駆動力配分最大値更新手段で算出した駆動力配分比と、荷重対応駆動力配分算出手段が算出する駆動力配分比とで、従駆動輪の駆動力が大きい方の駆動力配分比を選択し、選択された前後輪の駆動力配分比になるように前輪と後輪との駆動力を可変に調整することを特徴とした。
【0017】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、運転者が駆動力の要求をしていると判断する場合には、主駆動輪の加速スリップ量に基づき従駆動輪の駆動力配分率を最大値に更新するように前後輪の駆動力配分比を算出し、運転者が駆動力の要求をしていないと判断する場合には、実際の主駆動輪の加速スリップ量に応じた前後輪の駆動力配分比を算出し、算出された前後輪の駆動力配分比になるように前輪と後輪との駆動力を可変調整するので、主駆動輪に発生した加速スリップが収束しても、運転者が駆動力の要求をしていると判断する間は4輪駆動状態を継続するため、低μ路面での車両の安定性の確保や悪路での走破性の確保をすることができるという効果が得られる。また、4輪駆動状態を継続することによって、主駆動輪のグリップ力に余裕ができて車両安定性に有利となるし、低μ路面で頻繁に2輪駆動状態と4輪駆動状態とを繰り返すことが避けられことで、車両の加速度や速度の変動による違和感を運転者に感じさせることを防ぐことができる。更に、運転者が駆動力の要求をしていないと判断したら実際の主駆動輪の加速スリップ量に応じた前後輪の駆動力配分比とするため、必要以上に4輪駆動状態を継続することがないという効果が得られる。
【0018】
また、請求項2に係る発明によれば、主駆動輪の加速スリップ量を最大値更新するので、最大値に更新された主駆動輪の加速スリップ量に応じて前後輪の駆動力配分比を算出され、結果的に従駆動輪の駆動力配分率を最大値に更新するように前後輪の駆動力配分比を算出することと同じとなり、確実に従駆動輪の駆動力配分率を最大値に更新することができるという効果が得られる。
【0019】
また、請求項3に係る発明によれば、運転者が駆動力の要求をしていると判断する場合には、主駆動輪の加速スリップ量に基づき従駆動輪の駆動力配分率を最大値に更新するように前後輪の駆動力配分比を算出し、運転者が駆動力の要求をしていないと判断する場合には、従駆動輪の駆動力配分率を低減またはゼロとなるように前後輪の駆動力配分比を算出し、算出された前後輪の駆動力配分比になるように前輪と後輪との駆動力を可変調整するので、主駆動輪に発生した加速スリップが収束しても、運転者の駆動力の要求が無くなったと判断するまでは4輪駆動状態を継続するため、低μ路面での車両の安定性の確保や悪路での走破性の確保をすることができるという効果が得られる。また、4輪駆動状態を継続することによって、主駆動輪のグリップ力に余裕ができて車両安定性に有利となるし、低μ路面で頻繁に2輪駆動状態と4輪駆動状態とを繰り返すことが避けられことで、車両の加速度や速度の変動による違和感を運転者に感じさせることを防ぐことができる。更に、運転者が駆動力の要求をしていないと判断したら従駆動輪の駆動力配分率を低減することで必要以上に従駆動輪の駆動力をかけることを防いだり、または従駆動輪の駆動力配分率をゼロすなわち2輪駆動状態にすることで、必要以上に4輪駆動状態を継続することがないという効果が得られる。
【0020】
また、請求項4に係る発明によれば、運転者が駆動力の要求をしていないと判断する場合、車体速度の低下に応じて、従駆動輪の駆動力配分率を低減するので、徐々に2輪駆動状態にすることで、急激な主駆動輪の駆動力変化による車両安定性の悪化を防ぐことができるという効果が得られる。
【0021】
また、請求項5に係る発明によれば、運転者が駆動力の要求をしていないと判断する場合、車輪速度の低下に応じて、従駆動輪の駆動力配分率を低減するので、徐々に2輪駆動状態にすることで、急激な主駆動輪の駆動力変化による車両安定性の悪化を防ぐことができるという効果が得られる。
【0022】
また、請求項6に係る発明によれば、運転者が駆動力の要求をしていないと判断する場合、時間の経過に応じて、従駆動輪の駆動力配分率を低減するため、徐々に2輪駆動状態になることで、急激な主駆動輪の駆動力変化による車両安定性の悪化を防ぐことができるという効果が得られる。
【0023】
また、請求項7に係る発明によれば、前後輪の速度差から加速スリップ量を求めるので、確実に加速スリップ量が求められるという効果が得られる。
【0024】
また、請求項8に係る発明によれば、主駆動輪に伝達される駆動トルクと主駆動輪の路面反力限界トルクとの差から加速スリップ量を求めるので、前後輪の速度差が微少やゼロであっても、加速スリップ量が求められるという効果が得られる。
【0025】
また、請求項9に係る発明によれば、ブレーキ操作していることを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていないと判断し、ブレーキ操作していないことを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていると判断するので、確実に運転者が駆動力の要求をしているか否かを検出できるという効果が得られる。
また、請求項10に係る発明によれば、アクセル操作していることを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていると判断し、アクセル操作していないことを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていないと判断するので、確実に運転者が駆動力の要求をしているか否かを検出できるという効果が得られる。
【0026】
また、請求項11に係る発明によれば、所定の車速以下でかつ従駆動力配分最大値更新手段で駆動力配分比の算出処理を行なっている場合には、従駆動力配分最大値更新手段で算出した駆動力配分比と、荷重対応駆動力配分算出手段が算出する駆動力配分比とで、従駆動輪の駆動力が大きい方の駆動力配分比を選択し、選択された前後輪の駆動力配分比になるように前輪と後輪との駆動力を可変に調整するので、発進前の加速スリップが生じていない時でも前後荷重による駆動力配分が選択され最初から4輪駆動状態とすることで、特に加速スリップの発生しやすい発進時には、加速スリップが発生してから4輪駆動状態にするよりも、発進時の加速性や車両の安定性に優れ、かつ必要以上に4輪駆動状態を継続しないという効果が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の第一の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態の全体構成を示す図である。また、本実施の形態は、通常は後輪を駆動する2輪駆動を基本に4輪駆動可能な車両について説明する。
【0028】
図中、4輪駆動車両のエンジン1の出力は、トランスミッション2を介して駆動力配分制御アクチュエータ3で前後輪の駆動力配分を行い、フロントプロペラシャフト4とリヤプロペラシャフト5に伝達する。フロントプロペラシャフト4に伝達された駆動力はフロントデフ6と前軸7とを介して右前輪10FR,左前輪10FLに伝達される。同様に、リヤプロペラシャフト5に伝達された駆動力はリヤデフ8と後軸9とを介して右後輪10RR,左後輪10RLに伝達される。
【0029】
車両の各車輪10FR,10FL,10RR,10RLには車輪速度センサ12FR,12FL,12RR,12RLが備えられ、それぞれの検出値を駆動力配分制御コントローラ11へ出力する。また、駆動力配分制御アクチュエータ3は、例えばトランスミッション2とフロントプロペラシャフト4との間に油圧クラッチを介している。なお、油圧クラッチの替りに電磁クラッチであっても構わない。
【0030】
また、運転者の駆動力要求を検出する、すなわちアクセル操作の有無を検出するためのアクセルスイッチ13と、ブレーキ操作の有無を検出するブレーキスイッチ14とは、それぞれの検出値を駆動力配分制御コントローラ11へ出力する。なお、アクセルスイッチ13の替りにアクセル開度の状態を検出するためのアクセル開度センサを用いても構わないし、ブレーキスイッチ14の替りにブレーキペダルストローク量を検出するためのブレーキストロークセンサを用いても構わない。
【0031】
また、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転数センサ15を備え、エンジン回転数センサ15は検出した検出値を駆動力配分制御コントローラ11へ出力する。また、エンジン1の吸気管路のスロットルバルブには、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ16を備え、スロットル開度センサ16は検出した検出値を駆動力配分制御コントローラ11へ出力する。
【0032】
また、駆動力配分制御コントローラ11は、各センサの検出値を入力し、主駆動輪の加速スリップ量を算出する。まず、車輪速度センサ12FR,12FL,12RR,12RLの検出値とエンジン回転数センサ15の検出値とスロットル開度センサ16の検出値を入力し、主駆動輪の伝達トルクと主駆動輪の加速トルクとを求め、それらから加速スリップ量である路面反力トルクを算出する。そして、例えば通常は前後輪の駆動力配分比率が前輪0%:後輪100%の状態から、路面反力トルクに応じて駆動力配分を算出し駆動力配分制御アクチュエータ3へ指令値を出力し、駆動力配分制御アクチュエータ3は油圧クラッチの締結力を制御することで、前後輪の駆動力配分を制御する。
【0033】
次に、図2に基づいて駆動力配分制御コントローラ11の制御処理について説明する。図2は本発明の第一の実施の形態の制御処理の概要を示すフローチャート図である。この演算処理は、例えば所定時間10msec毎に実行される。
【0034】
まず、ステップS1にて駆動力配分制御コントローラ11は、車輪速度センサ12FR,12FL,12RR,12RLの各検出値とエンジン回転数センサ15の検出値とスロットル開度センサ16の検出値とを入力しステップS2へ移行する。ステップS2では、入力した車輪速度センサ12RR,12RLの各検出値を基に主駆動輪の車輪加速度を求め、左右輪の平均値を主駆動輪の車輪加速度Afとして算出し、ステップS3へ移行する。
【0035】
ステップS3では、エンジン回転数センサ15の検出値とスロットル開度センサ16の検出値とからエンジン出力トルクTeを求め、エンジン出力トルクTeとトルクコンバータの増幅比を含めた変速機のギヤ比Gと主駆動輪の駆動力配分率Kfとを乗じて主駆動輪の伝達トルクTrを算出し、ステップS4へ移行する。ステップS4では、主駆動輪の駆動系イナーシャ(ギヤ比含む)と主駆動輪の車輪加速度Afとを乗じて主駆動輪の加速トルクTifすなわち路面反力限界トルクを算出し、ステップS5へ移行する。ステップS5では、主駆動輪の伝達トルクTrから主駆動輪の加速トルクTifを減じて余剰トルクTLを算出し、ステップS6へ移行する。ステップ6では、余剰トルクTLが大きいほど従駆動輪の駆動力配分率が大きくなるように、余剰トルクTLに応じて駆動力配分Dを算出し、ステップS7へ移行する。
【0036】
ステップS7では、ブレーキスイッチ14の検出値を入力してブレーキ操作がされているか否かを判断する。ブレーキスイッチ14がOFFすなわちブレーキ操作がされていないと判断した場合には、ステップS8へ移行し、ブレーキスイッチ14がONすなわちブレーキ操作がされていると判断した場合には、ステップS10へ移行する。ステップS8では、アクセルスイッチ13の検出値を入力してアクセル操作しているか否かを判断する。アクセルスイッチ13がONすなわちアクセル操作していると判断した場合には、ステップS9へ移行し、アクセルスイッチ13がOFFすなわちアクセル操作していないと判断した場合には、ステップS10へ移行する。そして、ステップS9にて、前回の計算周期時に算出した駆動力配分より今回の計算周期時に算出した駆動力配分の方が、従駆動輪の駆動力配分率が大きい場合は今回の値(最大値)に更新し、前回の値の方が大きい場合は前回の値(最大値)を今回の計算周期に用いる値とする最大値更新処理を行い、ステップS11へ移行する。また、ステップS10では、今回の計算周期時に算出した駆動力配分の値をそのまま用いるように設定して、ステップS11へ移行する。ステップS11では、ステップS9またはステップS10で処理した駆動力配分の値を満足する駆動力配分制御アクチュエータ3の油圧クラッチの締結力を制御する指令値を算出し、駆動力配分制御アクチュエータ3へ出力し、リターンに至る。
【0037】
なお、ステップS6の処理では、余剰トルクに応じて駆動力配分Dを算出しているが、余剰トルクと車輪の回転半径とから余剰反力を算出し、余剰反力に応じて駆動力配分Dを算出する処理としても構わない。
【0038】
更に図3に基づいて説明する。図3は本発明の第一の実施の形態のタイムチャート図である。ここで、図3aには前輪の車輪速度Vf,後輪の車輪速度Vrの各経時変化を、同図bには後輪の伝達トルクの経時変化を、同図cには前輪の駆動力配分率の経時変化を、同図dにはタイヤと路面との摩擦係数の経時変化を、同図eにはアクセルスイッチ検出値の経時変化を、同図fにはブレーキスイッチの検出値の経時変化を示している。
【0039】
まず、T1の時点から運転者がアクセルを踏み車両が発進し、図3bの実線に示すように後輪の伝達トルクが上昇し、破線に示す後輪の路面反力限界トルクを越えると後輪は加速スリップを発生することとなり、図3aに示すように後輪の車輪速度Vrは前輪の車輪速度Vfに対し大きくなる。また、図3eに示すアクセルスイッチはON、図3fに示すブレーキスイッチはOFFのため、駆動力配分は前輪への配分率が最大値に更新されるように処理が行われる。その後、T2の時点を越えると、図3bに示す後輪伝達トルクと路面反力限界トルクとの差が小さくなっていくが、アクセルスイッチONかつブレーキスイッチOFFの間は最大値更新処理によって図3cに示すように前輪の駆動力配分率は最大値が継続され続ける。その後、T3の時点で、後輪の加速スリップが収束して、後輪伝達トルクと路面反力限界トルクとの差がなくなるが、アクセルスイッチONかつブレーキスイッチOFFの状態のため、そのまま最大値更新処理を継続されることで駆動力配分が継続され、図3cに示すように前輪の駆動力配分率は最大値が継続され続け、4輪駆動状態を継続することができる。その後、T4の時点で路面摩擦係数のより低い状態に車両が移行し、後輪の路面反力限界トルクが低下するが4輪駆動状態を継続しているので後輪の伝達トルクは路面反力限界トルクを越えず、後輪が再び加速スリップを発生することはない。
【0040】
その後、T5の時点で、運転者がアクセル操作を止め、アクセルスイッチはOFFとなることで、駆動力要求がなくなったと判断し、最大値更新処理を止め、実際の後輪伝達トルクと路面反力限界トルクとの差に応じて算出した駆動力配分の値とする処理を行う。しかし、この場合は実際には後輪伝達トルクと路面反力限界トルクとの差が生じていないので前輪の駆動力配分率がゼロとなる駆動力配分となるため、結果的には2輪駆動状態となる。その後、T6の時点で、運転者がブレーキ操作することで、ブレーキスイッチONとなるが、すでにT5の時点でアクセルOFFによって駆動力要求がなくなったと判断しているため、実際の後輪伝達トルクと路面反力限界トルクとの差に応じて算出した駆動力配分の値とする処理を継続する。なお、駆動力要求がないと判断した場合には、最大値更新処理をしないことで、すなわち実際の後輪伝達トルクと路面反力限界トルクとの差から求める駆動力配分の値とすることで、例えば過剰なアクセルON操作により後輪の加速スリップが大きく、駆動力要求がないと判断された後にまだ惰性によって後輪伝達トルクと路面反力限界トルクとの差が収束していない場合、実際の後輪伝達トルクと路面反力限界トルクとの差に応じて4輪駆動状態が継続されるため、急激に2輪駆動状態に切り替わることがなく、車両の安定性の確保に優れる。
【0041】
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。全体構成は第一の実施の形態の図1と同様であるが、駆動力配分制御コントローラ11で実行する主駆動輪の加速スリップ量の算出するための構成と、従駆動輪の駆動力配分率が最大値更新されるように処理するための構成と、運転者の駆動力要求がない場合の処理の構成と、所定の車速以下の場合に駆動力配分を算出するための構成が異なる。
【0042】
主駆動輪の加速スリップ量の算出するための構成は、車輪速度センサ12FR,12FL,12RR,12RLの検出値を入力し、左右前輪と左右後輪とのそれぞれの平均値を求め、前輪平均値と後輪平均値との差である前後輪回転速度差(前後輪速差)を加速スリップ量として算出するようになっている。また、従駆動輪の駆動力配分率が最大値更新されるように処理するための構成は、加速スリップ量として算出した前後輪速差を最大値更新し、その最大値更新した前後輪速差に応じて駆動力配分を算出するようになっている。また、運転者の駆動力要求がない場合の処理の構成は、運転者の駆動力要求がない場合は、車体速度の低下に応じて従駆動輪の駆動力配分率が低減するように駆動力配分を算出するようになっている。また、所定の車速以下の場合に駆動力配分を算出するための構成は、所定の車速以下の場合は別の駆動力配分算出手段を併行して設け、それで算出する駆動力配分の値と加速スリップ量に基づいて算出する駆動力配分の値とを比較し、従駆動輪の駆動力配分率が大きい方の駆動力配分の値を選択するようになっている。また、駆動力配分制御コントローラ11は、入力した車輪速度に基づいて車体速度を算出している。
【0043】
次に、図4に基づいて駆動力配分制御コントローラ11の制御処理について説明する。図4は本発明の第二の実施の形態の制御処理の概要を示すフローチャート図である。この演算処理は、図2の演算処理と同様に同じ所定時間10msec毎に実行される。
【0044】
まず、ステップS21にて駆動力配分制御コントローラ11は、車輪速度センサ12FR,12FL,12RR,12RLの各検出値を入力し、車輪速度を基に車体速度Vcarnを求め、ステップS22へ移行する。ステップS22では、ステップS21で入力した各車輪速度を基に左右前輪の平均値と左右後輪の平均値とを求めてから、主駆動輪である後輪の平均値から従駆動輪である前輪の平均値を減算して前後輪速差△Vnを算出し、ステップS23へ移行する。ステップS23では、ブレーキスイッチ14の検出値を入力してブレーキ操作がされているか否かを判断する。ブレーキスイッチ14がOFFすなわちブレーキ操作がされていないと判断した場合には、ステップS24へ移行し、ブレーキスイッチ14がONすなわちブレーキ操作がされていると判断した場合には、ステップS26へ移行する。ステップS24では、アクセルスイッチ13の検出値を入力してアクセル操作しているか否かを判断する。アクセルスイッチ13がONすなわちアクセル操作していると判断した場合には、ステップS25へ移行し、アクセルスイッチ13がOFFすなわちアクセル操作していないと判断した場合には、ステップS26へ移行する。そして、ステップS25にて、前回の計算周期時に算出した前後輪速差△Vn−1よりも今回の計算周期時に算出した前後輪速差△Vnが大きい場合は今回の値(最大値)に更新し、前回の値の方が大きい場合は前回の値(最大値)を今回の計算周期に用いる値とする処理をする、すなわち駆動力配分を算出するための前後輪速差△Vnの値を最大値に更新処理された値とするように処理をし、フラグを1にセットして、ステップS27へ移行する。また、ステップS26では、前回の計算周期の時に駆動力配分の算出に用いた前後輪速差の値△Vn−1に、今回の計算周期で求められた車体速度Vcarnを前回の計算周期で求められた車体速度Vcarn−1で除した値と所定の係数0.7とを乗じた値を駆動力配分の算出に用いる前後輪速差の値△Vnとする処理をする、すなわち駆動力配分を算出するための前後輪速差の値を車体速度に応じて低減する処理をし、フラグを0にセットして、ステップS27へ移行する。ステップS27では、例えば特開平1−94025号公報の第8図のように加速スリップ量が増加するにつれ従駆動輪の駆動力配分率が大きくなるような特性となる演算式やマップから、ステップS25やステップS26で処理された前後輪速差△Vnの値に応じて前後輪の駆動力配分D1を算出し、ステップS28へ移行する。
【0045】
ステップS28では、車体速度Vcarnが所定の車速15km/h以下であるか否かを判断し、所定の車速以下の場合はステップS29へ移行し、所定の車速より大きい場合はステップS30へ移行する。ステップS29では、車体速度の変化率すなわち加減速度を算出し、ステップS31へ移行する。ステップS31では、事前に車両諸元から求まる前後輪の基本荷重配分比を車両の加減速度に応じて補正し、ステップS32へ移行する。すなわちステップS31では、加速時は後輪の荷重配分が増加し、減速時は前輪への荷重配分が増加するので、荷重配分の変化量を補正することを行っている。ステップS32では、荷重配分に応じて駆動力配分D2を算出する、例えば、基本荷重配分比が前輪50%:後輪50%の車両が加速により荷重移動し、前輪40%:後輪60%になっている場合、駆動力配分を前輪40%:後輪60%とし、ステップS33へ移行する。ここで、ステップS27とステップS32とは、それぞれ別々の算出方法により駆動力配分を算出している。ステップS33では、フラグが1であるか否かを判断し、フラグが1であればステップS34へ移行し、フラグが1でなければステップS35へ移行する。ステップS34では、ステップS27で算出した駆動力配分D1と、ステップS32で算出した駆動力配分D2とを比較し、従駆動輪の駆動力配分率が大きくなる方の駆動力配分を選択し、ステップS36へ移行する。また、ステップS35では、駆動力配分をステップS27で算出した値D1とする処理をし、ステップS36へ移行する。ステップS36では、ステップS34またはステップS35で処理した駆動力配分を満足する駆動力配分制御アクチュエータ3の油圧クラッチの締結力を制御する指令値を算出し、駆動力配分制御アクチュエータ3へ出力し、リターンに至る。
【0046】
なお、ステップS26の処理の替りに、前後輪速差の値を強制的にゼロ(△Vn=0)とする処理をしても構わない。また、ステップS26の処理の替りに、請求項5に記載の発明のように車輪速度の低下に応じて従駆動輪の駆動力配分率が低減されるように前後輪速差を算出(例えば、△Vn=△Vn−1×(Vfn/Vfn−1)×所定係数0.7)する処理をしても構わない。また、ステップS26の処理の替りに、請求項6に記載の発明のように前回の計算周期に用いた前後輪速差の値から所定値を減算(例えば、△Vn=△Vn−所定値1km/h)する処理をしても構わない。
【0047】
更に図5に基づいて説明する。図5は本発明の第二の実施の形態のタイムチャート図である。図示の条件はb以外は前記図3と同様である。図5bには後輪の車輪速度Vrから前輪の車輪速度Vfを減じた前後輪速差の経時変化を示している。
【0048】
まず、T11の時点から運転者がアクセルを踏み車両が発進し車速が15km/hに達するまでは、前後輪の基本荷重配分を加速度に応じて補正した荷重配分に応じた駆動力配分にて4輪駆動状態で走行している。その後、T12の時点で車速が15km/hを越えると、前後輪速差に応じた駆動力配分とする処理をするようになるが、図5aおよびbに示すように実際には前後輪速差が生じていないので、2輪駆動状態となる。その後、T13の時点で、路面摩擦係数のより低い状態に車両が移行し、後輪の路面反力限界が低下して後輪の駆動力が後輪の路面反力限界を越えると後輪は加速スリップを発生する。この時、図5aに示すように後輪の車輪速度Vrは前輪の車輪速度Vfに対し大きくなるため、前輪の車輪速度Vfと後輪の車輪速度Vrとの間に前後輪速差が生じる。また、図5eに示すアクセルスイッチはON、かつ図5fに示すブレーキスイッチはOFFのため、図5bに示すように前後輪速差を最大値に更新する処理が行われ、図5cに示すように最大値更新された前後輪速差の値に応じて、前後輪の駆動力配分が制御されることで前輪の駆動力配分率も最大値に更新され続ける。その後、後輪の駆動力の低減により図5aに示す実際の前後輪速差は減少してゆき、T14の時点で、後輪の加速スリップが収束して、実際の前後輪速差がなくなるが、アクセルスイッチONかつブレーキスイッチOFFの状態のため、最大値更新処理によって駆動力の演算に用いられる前後輪速差の値は図5bに示すように最大値が継続され続ける。その結果、前輪の駆動力配分率は最大値に更新された状態で継続するため、図5cに示すように前輪の駆動力配分率はゼロとならず4輪駆動状態を継続することができる。
【0049】
その後、T15の時点で、運転者がアクセル操作を止め、アクセルスイッチはOFFとなることで、駆動力要求がなくなったと判断し、前後輪速差の最大値更新処理の替りに前回の演算処理の前後輪速差の値を基に車速に応じてその値を低減する処理を行うため、車速の低下ととともに演算処理に用いられる前後輪速差の値は小さくなり、徐々に2輪駆動状態に近づく。その後、T16の時点で、運転者がブレーキ操作することで、ブレーキスイッチONとなるが、すでにT15の時点でアクセルOFFによって駆動力要求がなくなったと判断しているため、前回の演算処理の前後輪速差の値を基に車速に応じてその値を低減する処理を継続する。
【0050】
その後、車速が再び15km/h以下となるが、アクセルスイッチとブレーキスイッチの状態から駆動力要求がないと判断するため、最大値更新して算出する処理が行われないので、最大値更新されて算出する駆動力配分と荷重配分に応じて算出する駆動力配分比とで従駆動輪の駆動力が大きい方の駆動力配分を選択する処理も行われず、前後輪速差に応じた駆動力配分の算出値のみによる処理が継続され、車速に応じて徐々に2輪駆動状態となってゆく。
【0051】
以上説明したように、本発明を実施することで、駆動力配分制御手段を備える4輪駆動車両において、頻繁に加速スリップが起きやすい低μ路面や悪路において、車両の安定性の確保や悪路での走破性の確保をすることができ、かつ必要な時だけ4輪駆動状態を継続することができる。また、4輪駆動状態を継続することによって、主駆動輪のグリップ力に余裕ができて車両安定性に有利となるし、低μ路面で頻繁に2輪駆動状態と4輪駆動状態とを繰り返すことが避けられことで、車両の加速度や速度の変動による違和感を運転者に感じさせることを防ぐことができる。
【0052】
また、図2の演算処理のステップS1〜ステップS5および図4の演算処理のステップS21〜ステップS22が、本発明の加速スリップ検出手段を構成している。また、図2の演算処理のステップS7〜ステップS8および図4の演算処理のステップS23〜ステップS24が、本発明の駆動力要求判断手段を構成している。また、図2の演算処理のステップS9および図4の演算処理のステップS25が、本発明の従駆動力配分最大値更新手段を構成している。また、図2の演算処理のステップS10が、本発明のスリップ対応駆動力配分算出手段を構成している。また、図2の演算処理のステップS3が本発明の主駆動輪トルク算出手段を、ステップS4が本発明の路面反力限界トルク算出手段を構成している。また、図4の演算処理のステップS26が、本発明の従駆動力配分低減手段を構成している。また、図4の演算処理のステップS29〜ステップS32が、本発明の荷重対応駆動力配分算出手段を構成している。また、図1の駆動力配分制御アクチュエータ3が、本発明の駆動力調整手段を構成している。
【0053】
なお、上記実施の形態では、前後輪の駆動力配分比を算出するようにしているが、駆動力配分比の算出の替りに従駆動輪へ伝達する駆動トルクまたは従駆動輪から路面へ伝達する駆動力を算出するようにしても同じことである。
【0054】
なお、上記実施の形態では、荷重対応駆動力配分算出手段は前後荷重配分比を駆動力配分比とした場合について説明したが、それ以外にも前後の荷重配分に応じて一定の駆動力配分(例えば、前輪50%:後輪50%)とするように処理しても構わない。
【0055】
なお、上記実施の形態では、駆動力要求判断手段として、アクセル操作とブレーキ操作とを組合せた場合について説明したが、アクセル操作・ブレーキ操作のどちらか1つでも構わない。が、アクセルとブレーキとを同時操作する場合も考えられるので、それらを組合せた方がより適切に運転者の駆動力の要求があるか否かを検出できるので好ましい。
【0056】
なお、上記実施の形態では、通常は後輪を駆動する2輪駆動を基本に4輪駆動可能な車両について説明したが、駆動力配分を制御できる4輪駆動可能な車両であれば他の形態であっても適用可能である。また、上記実施の形態のような内燃機関の出力を前後に配分する4輪駆動可能な車両以外でも、例えば前後輪の一方を内燃機関で駆動し前後輪の他方を電動機で駆動する4輪駆動可能な車両や、前輪と後輪とが別々の内燃機関または電動機で駆動される4輪駆動可能な車両にも適用可能である。
【0057】
なお、上記実施の形態では説明していないが、本発明を基に公知技術(例えばタイトブレーキング現象を防止するための公知技術)などを組合せて、駆動力配分をさらに補正するようにしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態の制御フローチャート図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態のタイムチャート図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態の制御フローチャート図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態のタイムチャート図である。
【符号の説明】
1:エンジン
3:駆動力配分制御アクチュエータ
11:駆動力配分制御コントローラ
12FR,12FL,12RR,12RL:車輪速度センサ
13:アクセルスイッチ
14:ブレーキスイッチ
Claims (11)
- 前後輪の一方である主駆動輪と、前後輪の他方である従駆動輪と、主駆動輪の加速スリップ量を検出するスリップ検出手段と、運転者が駆動力の要求をしているか否かを判断する駆動力要求判断手段と、駆動力要求判断手段で運転者が駆動力の要求をしていると判断する場合には、スリップ検出手段で検出した主駆動輪の加速スリップ量に基づき従駆動輪の駆動力配分率を最大値に更新するように前後輪の駆動力配分比を算出する従駆動力配分最大値更新手段と、駆動力要求判断手段で運転者が駆動力の要求をしていないと判断する場合には、実際の主駆動輪の加速スリップ量に応じた前後輪の駆動力配分比を算出するスリップ対応駆動力配分算出手段と、従駆動力配分最大値更新手段またはスリップ対応駆動力配分算出手段で算出された前後輪の駆動力配分比になるように前輪と後輪との駆動力を可変に調整する駆動力調整手段とを備えたことを特徴とする4輪駆動車両の駆動力制御装置。
- 上記従駆動力配分最大値更新手段は、主駆動輪の加速スリップ量を最大値更新することを特徴とする請求項1に記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置。
- 前後輪の一方である主駆動輪と、前後輪の他方である従駆動輪と、主駆動輪の加速スリップ量を検出するスリップ検出手段と、運転者が駆動力の要求をしているか否かを判断する駆動力要求判断手段と、駆動力要求判断手段で運転者が駆動力の要求をしていると判断する場合には、スリップ検出手段で検出した主駆動輪の加速スリップ量に基づき従駆動輪の駆動力配分率を最大値に更新するように前後輪の駆動力配分比を算出する従駆動力配分最大値更新手段と、駆動力要求判断手段で運転者が駆動力の要求をしていないと判断する場合には、従駆動輪の駆動力配分率を低減またはゼロとなるように前後輪の駆動力配分比を算出する従駆動力配分低減手段と、従駆動力配分最大値更新手段または従駆動力配分低減手段で算出された前後輪の駆動力配分比になるように前輪と後輪との駆動力を可変に調整する駆動力調整手段とを備えたことを特徴とする4輪駆動車両の駆動力制御装置。
- 車体速度を検出する車体速検出手段を備え、上記従駆動力配分低減手段は、車体速度の低下に応じて、従駆動輪の駆動力配分率が低減される前後輪の駆動力配分比とすることを特徴とする請求項3に記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置。
- 車輪速度を検出する車輪速検出手段を備え、上記従駆動力配分低減手段は、車輪速度の低下に応じて、従駆動輪の駆動力配分率が低減される前後輪の駆動力配分比とすることを特徴とする請求項3に記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置。
- 上記従駆動力配分低減手段は、時間の経過に応じて、従駆動輪の駆動力配分率が低減される前後輪の駆動力配分比とすることを特徴とする請求項3に記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置。
- 車輪速度を検出する車輪速検出手段を備え、上記スリップ検出手段は、前後輪の速度差から加速スリップ量を求めることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置。
- 主駆動輪に伝達される駆動トルクを算出する主駆動輪トルク算出手段と、主駆動輪の路面反力限界トルクを算出する路面反力限界トルク算出手段とを備え、上記スリップ検出手段は、主駆動輪に伝達される駆動トルクと主駆動輪の路面反力限界トルクとの差から加速スリップ量を求めることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置。
- ブレーキ操作をしているか否かを検出するブレーキ操作検出手段を備え、上記駆動力要求判断手段は、ブレーキ操作していることを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていないと判断し、ブレーキ操作していないことを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていると判断することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置。
- アクセル操作をしているか否かを検出するアクセル操作検出手段を備え、上記駆動力要求判断手段は、アクセル操作していることを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていると判断し、アクセル操作していないことを検出した場合には運転者が駆動力の要求をしていないと判断することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置。
- 車体速度を検出する車体速検出手段と、前後輪の荷重配分に応じて前後輪の駆動力配分比を算出する荷重対応駆動力配分算出手段とを備え、所定の車速以下でかつ従駆動力配分最大値更新手段で駆動力配分比の算出処理を行なっている場合には、従駆動力配分最大値更新手段で算出した駆動力配分比と、荷重対応駆動力配分算出手段が算出する駆動力配分比とで、従駆動輪の駆動力が大きい方の駆動力配分比を選択し、選択された前後輪の駆動力配分比になるように前輪と後輪との駆動力を可変に調整することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載した4輪駆動車両の駆動力制御装置。
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