JP3589261B2 - 便器用付属装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、便器に取付けられる局部洗浄装置、便器洗浄装置、暖房便座装置などの便器用付属装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の便器用付属装置の多くは高機能化され各機能がマイクロコンピュータで制御される。例えば最近の局部洗浄装置は、局部洗浄機能、温風乾燥機能、脱臭機能、便座暖房機能、室内暖房機能などの種々の便利な機能を備え、個々の機能部分の動作はマイクロコンピュータにより制御される。また、便器へ洗浄水を自動的に流す便器洗浄装置においても、弁を開くモータの回転数や駆動時間がマイクロコンピュータにより制御される。
【0003】
従来の便器用付属装置では、制御に必要な設定データは全てマイクロコンピュータのプログラム内に組込まれている。例えば、局部洗浄装置では、設定データとして洗浄水温の上下限値、乾燥風温度の上下限値、洗浄強度の上下限値、便座温度の上下限値、ノズル長さの上下限値などがあり、これらは全てマイクロコンピュータのプログラムROM内に書込まれている。
【0004】
ところで、設定データとして適切な値は、地域、ユーザの好みなどによって大きく変わる。特にトイレットルームは冷暖房されてないのが通常であるから、温度に関する設定データなどは、寒冷地向けか温暖値向けかによって変えることが望ましい。また、局部洗浄時の洗浄水の強度やノズル長やなどに関するユーザの好みも、これがプライベートなものであるだけに、人によって大きく異なり、アンケート調査結果などで一概に適正範囲を決めることは望ましくない。
【0005】
こうした事情を考慮して設定データを変更しようとする場合、従来知られている方法は、
▲1▼ ソフトウェアの変更、
▲2▼ 可変抵抗を用いたセンサ出力のダイナミックレンジの変更、
▲3▼ ジャンパ線やディップスイッチを用いた選択
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、▲1▼のソフトウェアの変更は、マスクロROMの作り直しなどが必要で多大なコストがかかるため、原則的に採用され得ない。
【0007】
また、▲2▼の可変抵抗を用いたセンサのダイナミックレンジの変更とは、センサの出力端にある分圧抵抗に可変抵抗を用いてその値を変えるものであるが、可変抵抗値のサイズが大きいため制御基板の縮小化の障害となる。さらに、分圧抵抗値を変える方法は、ダイナミックレンジを全体的に上方や下方にシフトさせることはできても、ダイナミックレンジの拡大や縮小、及び上下限値の個別の変更はできない。
【0008】
また、▲3▼ジャンパ線やディップスイッチを用いた選択は、予めプログラム内に用意されている複数のオプションの中から一つを、ジャンパ線やディップスイッチで選択する方法であるが、設定データをステップ的にしか変更できず、必ずしも最適値が選択できるとは限らない。また、多くのオプションを用意しておけばこの問題は解決できるが、するとプログラムのサイズが大きくなり、限定されROM容量に納まらなくなる可能性が生じる。
【0009】
従って、本発明の目的は、マイクロコンピュータ制御の便器用付属装置において、コンピュータプログラムを変更することなく、制御に必要な種々の設定データを容易かつ自由に変更できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に従うマイクロコンピュータ制御の便器用付属装置は、登録したい設定データの値を指定した登録命令を受信する受信手段と、登録されたデータを継続的に保持する書換え可能な記憶手段と、受信された登録命令が指定している設定データ値を書換え可能な記憶手段に登録する手段とを備える。そして、マイクロコンピュータは、書換え可能記憶手段に登録されている値を設定データとして用いて当該便器用付属装置を制御する。ここで、書換え可能記憶手段には、例えばEEPROMや、バックアップされたRAMなどが好適である。
【0011】
この便器用付属装置においては、任意の設定データ値を指定した登録命令を受信手段に送信すると、その設定データ値が書換え可能記憶手段に登録され、以後の制御に使用されることになる。従って、設定データの変更が容易である。
【0012】
この便器用付属装置に登録命令を送信するために、受信手段と通信可能なデータ入力器を用いることができる。このデータ入力器はそれ専用の機器であってもよいが、便器用付属装置に動作命令を送るためのリモートコントローラを、このデータ入力器として兼用できるようにしてもよい。
【0013】
この便器用付属装置において、望ましくは、設定データのデフォルト値を予めプログラムROMなどに格納しておき、書換え可能記憶手段に設定データ値が登録されてない時、又は登録されている設定データ値が異常であるときには、そのデフォルト値を制御に用いるようにすることができる。これにより、常に正常な制御が行われることが保証される。
【0014】
また、マイクロコンピュータによる制御の実行中に登録命令が受信された場合には、受信された登録命令が指定している設定データ値を、実行中の制御に直ちに反映させることが望ましい。これにより、便器用付属装置を使用しつつ設定データ値を変更して、その値が適切か否かをその場で確認できるので、最適値を見つけるのが容易である。
【0015】
【実施形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る局部洗浄装置の要部のブロック構成を示す。
【0016】
この局部洗浄装置は、マイクロコンピュータ1を搭載した制御基板2を備える。また、同じ制御基板100上に、外部のデータ入力器6と通信するための通信インタフェース4(例えば、通信ケーブルのコネクタ端子、又は無線送受信機など)と、データ入力器6から入力された設定データを保持するためのEEPROM3とが搭載され、マイクロコンピュータ1と接続されている。さらに、マイクロコンピュータ1には、このマイクロコンピュータ1によって制御される各種の機能部品や、それら機能部品の作動状態をユーザが調整するための調整器や、それら機能部品の状態を検出するセンサなどが接続されている。図1では、機能部品として洗浄水ヒータ9、調整器として洗浄水温度の調整摘み7、及びセンサとして洗浄水温度センサ8を例示するが、この局部洗浄装置が持つそれ以外の種々の調節可能な機能部品(例えば、便座ヒータ、乾燥風ヒータ、洗浄水噴出ポンプ、ノズル進退用モータなど)についても同様であることは言うまでもない。
【0017】
外部のデータ入力器6は、この局部洗浄装置に対して任意の設定データ値を入力することができるもので、制御基板2上のマイクロコンピュータ1と通信するための通信インタフェース5(例えば、コネクタ端子又は無線送受信機など)を備える。このデータ入力器6は出荷先地域などに応じた適切な設定データ値を入力するために、製造工場などで用いるもの、或は、取付け施工時に施工者が用いるものである。この他、ユーザが使用するリモートコントローラのような形でデータ入力器6を構成したり、局部洗浄装置の本体に設けられた操作パネルにデータ入力器6を組込んでもよい。特に、最近の局部洗浄装置の多くは運転操作用のリモートコントローラを備えるから、このリモートコントローラにデータ入力器6の機能を兼ねさせることができる。この場合、ユーザは自分の好みに応じて設定データ値を変更できるから便利である。いずれにしても、データ入力器6から入力された設定データは、マイクロコンピュー1を通じてEEPROM3に登録される。
【0018】
設定データには多種多様な項目がある。例えば、洗浄水温度の上限値と下限値、乾燥風温度の上限値と下限値、洗浄強度の上限値と下限値、便座温度の上限値と下限値、ノズル長(ノズル先端位置)の上限値と下限値、調整摘み7の位置(回転角)と洗浄水温度の制御目標値との変換データ、乾燥風ファンの回転数、脱臭ファンの回転数、使用終了後の脱臭ファンの継続駆動時間、着座検出用の着座スイッチのオンオフ判断用の閾値などがあるが、勿論、これら以外の項目もあるし、これらの全てがなければならないわけでもない。また、データ入力器6を用いて登録できる設定データは、全ての項目にわたっていてもよいが、一般に調整の必要と考えられる一部の項目のみに限定してもよい。
【0019】
マイクロコンピュータ1は、制御においてこれらの設定データを利用する。原則的に全ての項目の設定データについて、各々のデフォルト値がマイクロコンピュータ1内のプログラムROM(図示せず)に予め格納されている。各項目の設定データについて、EEPROM3に何等かの値が登録されている場合には、マイクロコンピュータ1はデフォルト値でなくその登録値を当該項目の設定データとして用いるが、EEPROM3に登録値がない、又は、登録値があってもそれが異常である(例えば、極端に大きい又は小さい、実現不可能な値、正常に読み出せない、など)場合には、マイクロコンピュータ1はデフォルト値を当該項目の設定データとして用いる。
【0020】
図3は、マイクロコンピュータ1が行う処理の流れを示す。
【0021】
マイクロコンピュータ1は命令の有無を周期的に監視し、命令を受信するとその命令の内容を解釈する(S1)。命令には、大きく分けて登録命令と動作命令とがある。登録命令とは、設定データ値を登録するためにデータ入力器6から入ってくる命令で、登録したい設定データの項目及びその値を指定している。
【0022】
登録命令を受信した場合、マイクロコンピュータ1はその登録命令を解釈してそれが指定する設定データの項目とデータ値とを把握し、この項目と値とをEEPROM3に登録する(S3)。このとき、EEPROM3に同じ項目について既にデータ値が登録されている場合は、マイクロコンピュータ1はその既登録のデータ値を受信した新たなデータ値に書換える。
【0023】
一方、動作命令とは、この局部洗浄装置がもつ種々の機能の動作制御(例えば、局部洗浄、温風乾燥、便座暖房、脱臭などの動作の開始、停止、制御目標値の調節など)のためにリモートコントローラ、操作パネル又は各種センサ・スイッチ類から入ってくる命令(又は信号)で、行いたい動作の内容を指定している。動作命令をいくつか例示すると、調整摘み7から入ってくる摘み7の位置信号は洗浄水温度の制御目標値を指定する動作命令であり、着座スイッチからのターンオン信号は脱臭動作の開始や局部洗浄機能をイネーブルにすることを指定する動作命令であり、リモートコントローラから入ってくる洗浄命令は局部洗浄動作の開始を指定する動作命令である。
【0024】
動作命令を受信した場合、マイクロコンピュータ1はその動作命令を解釈してその命令が指定する動作内容を把握し、そして、その動作内容を行うのに必要な項目の設定データ値がEEPROM3に登録されているかチェックする(S3)。登録されている場合は、その登録されているデータ値をEEPROM3から読み出して当該項目の設定データとし(S4)、そして、その設定データを用いて指示された動作内容を実行する(S6)。一例を挙げれば、調整摘み7からの位置信号を受信した場合、マイクロコンピュータ1は、図2に示すように、洗浄水温度の上限値aや下限値bや、摘み7の位置と洗浄水の目標温度との変換データなどの登録値をEEPROM3から読み出し、これを使用して受信した位置信号が示す摘み位置を洗浄水の目標温度に変換し、そして、温度センサ8による検出温度がその目標温度になるように、ヒータ9への通電量をフィードバック制御する。
【0025】
ステップS3でのチェックの結果、必要な設定データ値がEEPROM3に登録されてない場合又はその登録されているデータ値が異常である場合は、マイクロコンピュータ1はプログラムROMから当該項目のデフォルト値を読み出して、これを当該項目の設定データとし(S5)、そして、その設定データを用いて指示された動作内容を実行する(S6)。これにより、異常な設定データ値が誤って登録されていたり、EEPROM3に不具合があって設定データ値が正しく読み出せない場合でも、正常な動作が保証される。
【0026】
また、ある動作が開始されてその動作が継続している間に、その動作に必要な設定データの登録命令を受信した場合(例えば、局部洗浄動作が行われている間に、洗浄水強度の上限値の登録命令を受信した場合など)は、マイクロコンピュータ1はその命令に従ってステップS2の登録動作を行うとともに、ステップS6へ進んで、その登録した値を直ちに継続中の動作制御における設定データとして利用する。
【0027】
この実施形態によれば、データ入力器を用いて容易に設定データを変更することができる。また、リモートコントローラなどからユーザが設定データを変更できるようにした場合には、ユーザの好みに応じた設定変更が可能なので、特に、洗浄水強度の上限値のようにユーザによる好みのばらつきが大きい項目に関して便利である。
【0028】
また、上記実施形態では、ある動作の実行中にその動作に関連する設定データを変更するとその変更が直ちに当該動作に反映されるようになっているので、最適な設定データ値を選ぶことが容易である。例えば、洗浄水強度の上限値を変更したい場合、現在の上限強度で局部洗浄を行いつつ洗浄強度上限値を増加させるよう操作をすることにより、その増加された洗浄水強度の上限値が直ちに現在実行中の局部洗浄動作に反映されるため、ユーザはその強度を体験しつつ適切な上限値を設定することできる。
【0029】
図4は、本発明の第2の実施形態にかかる便器洗浄装置の要部を示す。
【0030】
この便器洗浄装置は、マイクロコンピュータ11を搭載した制御基板12を有し、このマイクロコンピュータ11にスイッチ19とモータ17とが接続されている。モータ17の回転軸は、便器に取付けれたロータンク18内の排水弁20に連結されている。
【0031】
また、制御基板12上には、第1の実施形態と同様に、設定データを登録するためのEEPROM13と、データ入力器16と通信するための通信インタフェース14とがある。データ入力器16も通信インタフェース15をもつ。データ入力器16は、工場で用いるものでも、施工者が用いるものでも、ユーザが用いるリモートコントローラのようなものでもよい。
【0032】
ユーザがスイッチ19を押すと、マイクロコンピュータ11がモータ17を駆動して排水弁20を開かせ、それにより洗浄水が便器へ流れる。その洗浄水量は、ロータンク18に洗浄水を供給する水道の水圧Pとモータの駆動時間(開弁時間)tとによって決まる。そのため、便器に一定量の洗浄水を流すために必要なモータ駆動時間tは、図5に示すように水道水圧Pによって変わる。
【0033】
モータ駆動時間tは設定データであって、そのデフォルト値は予めマイクロコンピュータ11内のプログラムROMに格納されており、また、駆動時間tとして任意の値をデータ入力器16からEEPROM13に登録することができる。
【0034】
マイクロコンピュータ11の動作は図3に示したものと同様である。ここで、登録命令とは、モータ駆動時間tについて任意の値を登録するためのデータ入力器6からの命令であり、また、動作命令とは、スイッチ19からの押圧を示す信号である。この押圧信号を受信すると、マイクロコンピュータ11は、EEPROM3にモータ駆動時間tの値が登録されていればこの登録値を、また、登録されていなければデフォルト値を、モータ駆動時間tとして用いて、この時間tの間だけモータ17を駆動して排水弁20を開く。
【0035】
この便器洗浄装置によれば、その設置場所の水道水圧に合せて適切な開弁時間が設定できる。
【0036】
尚、本発明は以上の実施形態だけでなく、種々の変形、修正、改良を加えた他の様々な形態での実施することができる。例えば、EEPROMの代りに、バックアップされたRAMを用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、マイクロコンピュータ制御の便器用付属装置の設定データを容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる局部洗浄装置の要部の構成を示すブロック図。
【図2】摘み7の位置と洗浄水の制御目標温度との関係を示す図。
【図3】マイクロコンピュータ1の動作を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施形態にかかる便器洗浄装置の要部の構成を示すブロック図。
【図5】一定量の洗浄水を流すための水道水圧とモータ駆動時間との関係を示す図。
【符号の説明】
1、11 マイクロコンピュータ
2、12 制御基板
3、13 EEPROM
6、16 データ入力器
Claims (7)
- マイクロコンピュータにより制御される便器用付属装置において、
登録命令と動作命令とを受信すると、それらの命令の内容を解釈する命令解釈手段と、
出荷先地域などに応じた適切な設定データ値を入力するために、製造工場などで用いるもの、或いは、取付施工時に施工者が用いる登録したい設定データの値を指定した登録命令を受信する受信手段と、
登録されたデータを継続的に保持する書換え可能な記憶手段と、
受信された登録命令が指定している設定データ値を、前記書換え可能な記憶手段に登録する手段と、
を備え、
前記マイクロコンピュータは、前記書換え可能記憶手段に登録されている値を、前記設定データとして用いて前記便器用付属装置を制御する便器用付属装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記登録命令を前記受信手段へ送信するためのデータ入力器を更に備える便器用付属装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記便器用付属装置に対して動作命令を送るためのリモートコントローラを備え、このリモートコントローラが前記データ入力器を兼ねる便器用付属装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記設定データのデフォルト値を保持したデフォルト値記憶手段を更に備え、
前記マイクロコンピュータが、前記書換え可能記憶手段に設定データ値が登録されてない時、又は登録されている設定データ値が異常であるとき、前記デフォルト値を制御に用いる便器用付属装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記マイクロコンピュータは、制御の実行中に前記登録命令が受信された場合、受信された登録命令が指定している設定データ値を、実行中の制御に使用する便器用付属装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記登録手段が、前記登録命令が受信されたとき、前記書換え可能記憶手段に既に設定デ−タ値が登録されている場合、この既登録の設定データ値を受信された登録命令が指定している設定データ値に書換える便器用付属装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記書換え可能記憶手段は、EEPROM又はバックアップされたRAMである便器用付属装置。
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