JP3590382B2 - Abcブロックポリマー分散剤を含む顔料分散液 - Google Patents
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Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ABCブロックポリマー分散剤を含む改良型顔料分散液に関する。
【0002】
(発明の背景)
ABブロックポリマー分散剤は当分野で知られており、これを使用してさまざまなコーティング組成物において使用する顔料分散液を形成する。1987年4月7日にHutchins他に発行された米国特許第4,656,226号は、顔料の表面およびポリマーの他のブロックに結びつく酸またはアミンなどの極性の基を有するABブロックポリマー分散剤は、分散液またはコーティング組成物中で顔料を安定に保つことを示している。1994年6月22日にMa他に発行された米国特許第5,221,334号も、顔料をインク中に分散させたままにするために水性印刷用インク中に使用されるABまたはBABブロックポリマーを示している。1996年5月21日にMa他に発行された米国特許第5,519,085号中で示されるように、ABCトリブロックポリマーは水性インクジェットインク中で使用されており、これらのインク中に顔料を分散させる。
【0003】
これらのブロックポリマーは、基移動重合(GTP)とも呼ばれる知られている「リビング」フリーラジカル重合技法によって作成される。GTPでは、開始剤がアクリルモノマー単位の尾部に向かう一方の端および頭部へのもう一方の端を分裂させる。頭部の基は第2のモノマー単位の頭部に移動する。なぜならその単位は第1のものと重合するからである。1983年11月22日に発行された米国特許第4,417,034号、1985年4月2日にO.W.Websterに発行された第4,508,880号、1983年11月8日に発行された米国特許第4,414,372号、および1985年6月18日にFarnham他に発行された第4,524,196号中にこのような技法が記載されている。前述の特許は、参照によってここに組み込まれている。
【0004】
従来のトラックおよび乗用車用の仕上げ剤は、プライマー層上に加えられる着色されたベースコート上に加えられるクリアコートを含む。ベースコートにおいて使用されるポリマー分散剤は、顔料を液体コーティング組成物中に分散させたままにしなければならないだけでなく反応基を含む必要があり、この反応基はコーティング組成物中で使用する架橋剤と反応し、この架橋剤は硬化によって分散剤を結果として生じる仕上げ剤の一体部分にする。ポリマー分散剤はインターコートの接着の失敗を引き起こす可能性があり、通常は限られた量のみしか使用されない。プライマー層と結びついてベースコートのインターコートのプライマーへの接着を改善し、インターコートの接着問題および仕上げ剤のフレーキングおよびチッピングを引き起こさない反応基を、ポリマー分散剤が有することが望ましい。
【0005】
(発明の概要)
分散した顔料、非水性キャリヤー液およびABCブロックポリマー分散剤(バインダー)を含むコーティング組成物を形成するために有用な顔料分散液であって、
ABCブロックポリマーが約5,000〜20,000の数平均分子量を有し、ポリマーAセグメント、ポリマーBセグメントおよびポリマーCセグメントを含み、
ブロックポリマーのポリマーAセグメントが以下の群、アルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー、アリール(メタ)アクリレートモノマー、シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーまたは前述のいずれかの混合物から選択される重合したモノマーであり、
ブロックポリマーのポリマーBセグメントがアルキル化剤を用いて四級化したアルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する重合したアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーであり、
ブロックポリマーのポリマーCセグメントがアルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合したモノマー、および以下の群、アルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、またはシクロアルキル(メタ)アクリレートから選択されるモノマーであり、グリシジル(メタ)アクリレートまたはポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの重合したモノマーを任意選択で含み、
分散液中の顔料とバインダーの重量比が約1/100〜200/100である顔料分散液。
【0006】
C、BおよびAセグメントが前に記載したものと同様であるCBAブロックポリマーの顔料分散液も、本発明の一部である。
【0007】
(発明の詳細な説明)
(メタ)アクリレートという語は、アクリレートおよびメタクリレートエステルの両方のことである。
【0008】
新規な顔料分散液は安定しており一般に凝集する(すなわち塊になる)ことはなく、コーティング組成物中で従来的に使用されているポリマーフィルムを形成するさまざまなバインダー、特にコーティング組成物中で使用されるポリマーと相溶性がある。分散剤が取り込まれているコーティング組成物の硬化によって、ABCブロックポリマー分散剤はポリイソシアネート架橋剤などのコーティング組成物の他のフィルム形成成分と反応し、フィルムの一部となり、ポリマー分散剤中にフィルムの未反応成分が残る場合に起こる可能性がある風化によってフィルムの劣化を引き起こすことはない。さらにABCブロックポリマーは優れた分散剤であるので、ポリマーと顔料(または分散しているポリマー)の比は従来の分散剤に関して使用するもの未満であり、非常にさまざまな顔料およびポリマーを分散させることができ、これによって配合することができる顔料分散液の数およびタイプが増大する。ABCブロックポリマーはプライマー層への接着性を改善する反応基を有し、これによってコーティング組成物のフレーキングおよびチッピングが減少する。
【0009】
これらの新規の顔料分散液を使用して、改良されたコーティング組成物が得られることが分かっている。これらのコーティング組成物は、フィルム形成バインダー(通常ポリイソシアネートまたはアルキル化メラニリンなどのアクリルポリマーおよび硬化剤)も含む。このような組成物には、乗用車用の仕上げ剤に望ましい優れたコーティング性質を提供するという利点がある。本発明の顔料分散液で着色した自動車およびトラックにおいて現在使用されている従来のベースコートのベースコート/クリアコート仕上げ剤は、従来の顔料分散液で着色したベースコートと比較して色の深みが大幅に改良されている。
【0010】
本発明の分散液を配合するために使用するABCブロックポリマーは、アニオン重合、原子移動重合またはGTP(基移動重合)技法によって調製することができる。前述のGTP特許(米国特許第4,417,034号、第4,508,880号、第4,414,372号、および第4,524,196号)に記載されるようなGTP技法を使用してポリマーを調製することが好ましい。これらのポリマーは数平均分子量が5,000〜20,000、好ましくは7,500〜12,000である。ポリマーのAセグメントはポリマーの20〜60重量%(好ましくは32〜42%)であり、ポリマーのBセグメントはポリマーの20〜60重量%(好ましくは15〜40%)であり、ポリマーのCセグメントはポリマーの20〜60重量%(好ましくは35〜45%)である。
【0011】
本明細書で言及する分子量はすべて、ポリメチルメタクリレート標準体を使用するGPC(ゲル透過クロマトグラフィ)によって決定することができる。
【0012】
ABCブロックポリマーのAセグメントはBおよびCセグメントと比較して相対的に非極性であり、顔料分散液の立体的な安定性を提供する。Bセグメントは極性であり、極性−極性相互作用によって顔料微粒子に結びつく基を含む。Cセグメントは大部分が重合している非極性モノマーを含み、官能性ヒドロキシル基、アミノ基およびグリシジル基、アミノ基およびアルキレングリコール基などの他の官能基を含む。これらの基によって、分散液が加えられているコーティング組成物のフィルム形成成分との共有結合が提供される。
【0013】
ABCブロックポリマーは、GTP技法を使用して調製することが好ましい。窒素などの不活性雰囲気中で、THF(テトラヒドロフラン)、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、テトラグリムなどの溶媒またはこのような溶媒の混合物、テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートなどの触媒、1−メトキシ−1−トリメチルシロキシ−2−メチルプロペンなどの開始剤を重合用容器に装入する。次いでAセグメントモノマーを加える。使用する典型的な反応温度は室温から70℃である(45〜90分)。モノマーの少なくとも95%が重合しているときは、ポリマーのBセグメント用のモノマーを加える。典型的な反応温度は約30〜70℃であり、反応時間は約30〜100分、またはモノマーの少なくとも95%が重合するまでである。セグメントCのモノマーを加え、約30〜60℃で約60〜90分、またはモノマーのすべてが反応するまで反応させる。ポリマーを形成するためのモノマーの転換はすべて、高圧液体クロマトグラフィによって判定する。重合が完了した後、ポリマー溶液を水またはアルコールを用いて冷却し、次いで有機溶媒の大部分を取り除き(それがTHFなどの低沸点溶媒である場合)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどの溶媒で置き換える。次いでアルキル化剤を加えてBセグメントのアミン基を第四級にし、反応混合物をその環流温度である約95〜105℃に約2〜3時間、または第四級化が完了して本発明の分散液を形成するために使用するABCブロックポリマーの溶液を形成するまで保つ。
【0014】
ABCブロックポリマーを形成するために使用する他の典型的な溶媒、GTP重合触媒および開始剤は、前述のGTPに関する特許中で開示されている。
【0015】
ポリマーのAセグメントは非極性であり、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、第三級ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、第三級ブチルメタクリレート、ペンチルアクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルアクリレート、ノニルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルアクリレートおよびラウリルメタクリレートなどの、アルキル基中に1〜12個の炭素原子を有する重合したアルキル(メタ)アクリレートモノマーを主に含む。
【0016】
ポリマーのAセグメントはベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレートなどの重合したアリール(メタ)アクリレートモノマーを含むこともでき、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレートまたはイソボロニルメタクリレートなどの重合したシクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーを含んでよい。
【0017】
ポリマーのBセグメントは極性であり、アルキル化剤を用いて四級化した重合したアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーを含む。典型的には、有用なアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーはジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、メチルエチルアミノエチルメタクリレート、メチルエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、およびt−ブチルアミノエチルアクリレートである。Bセグメントの1つの好ましいモノマーは、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートである。
【0018】
典型的なアルキル化剤は以下の一般式を有する。
【0019】
R−CH2−X
【0020】
上式でRはH、1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基、またはフェニルなどの芳香族基または置換されたフェニルである。典型的には、有用なアルキル化剤は塩化ベンジル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルおよびヨウ化ベンジルである。
【0021】
他の有用なアルキル化剤には硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどの硫酸アルキル、およびメチルトルエンスルホネート(メチルトシレート)がある。
【0022】
ブロックポリマーのCセグメントは大部分が非極性であり、官能基、特にヒドロキシル基および他の反応基を含み、立体的な安定性およびABCブロックポリマーの分散剤が加えられているコーティング組成物のフィルム形成成分との共有結合を提供する。典型的には有用なモノマーは、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどのアルキル基中に2〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの任意の混合物である。GTP重合ではブロック型ヒドロキシル基を有するモノマーのみを使用することができ、次いでブロック型ヒドロキシル基を除去してポリマー上にヒドロキシル基を形成する。以下はGTP重合に有用な典型的なブロック型ヒドロキシルモノマーである:トリメチルシロキシエチルメタクリレート、トリメチルシロキシプロピルメタクリレートおよびトリメチルシロキシブチルメタクリレートなどのアルキル基中に2〜4個の炭素原子を有するシランブロック型ヒドロキシルアルキルメタクリレート。
【0023】
以下のモノマーも、Cセグメントを形成するために使用することができる:グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートなどのアルコキシポリアルキレングリコールメタクリレートおよび前述のモノマーの任意の混合物。
【0024】
1つの好ましい実施形態ではABCブロックポリマーは、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート(MMA/BMA)の32〜42重量部のAセグメント、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)の20〜30重量部のBセグメント、およびメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート(MMA/BMA/HEMA)の35〜45重量部のCセグメントを含む。
【0025】
アニオン重合法を使用してポリマーを形成するときに、ABCブロックポリマー中において微量で使用することができる適切な他のオレフィン性不飽和モノマーには無水マレイン酸、無水イタコン酸および無水フマル酸およびこれらのジエステル、スチレン、αメチルスチレンおよびビニルトルエンなどのビニル芳香物、およびポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートがある。
【0026】
CBAブロックポリマーを形成することもでき、これは本発明の一部である。CBAブロックポリマーを形成する際には、前述のものと同じ手順を使用して最初にCセグメントを作成し、次いでBセグメント用のモノマーを加え、Bセグメントを形成した後にAセグメント用のモノマーを加え重合させる。C、BおよびAセグメントについて前に記載したように、異なる開始剤、同じ触媒および溶媒を使用する。
【0027】
分散樹脂としてABCブロックポリマーを使用して、一般にコーティング組成物中で使用されるさまざまな顔料を分散させる。使用される典型的な顔料は、二酸化チタン、さまざまな色の酸化鉄、酸化亜鉛、カーボンブラックなどの金属性の酸化物、タルク、カオリン、バライト、カーボネイト、シリケートなどの充填剤顔料、クイナクリドン、銅フタロシン、ペリレン、アゾ顔料、インダントロンブルー、カルバゾールバイオレットなどのカルバゾール、イソインドリオン、イソインドロン、チオインジゴレッド、ベンジミルアゾリノンなどのさまざまな有機着色顔料などである。
【0028】
本発明の顔料分散液を形成するためには、ABCブロックポリマー、溶媒、任意選択でアクリル樹脂またはポリエステル樹脂などの粉砕樹脂、および分散させる顔料をアトリッタ、サンドミル、ボールミルまたは2ロールミルなどの適切な粉砕用容器に加え、次いで約5分間〜12時間で粉砕して顔料分散液を形成する。典型的にはこれらの顔料分散液は、約0〜1,000Pa(パスカル)の降伏応力、Rotovisco粘度計上で測定される約100〜10,000m.Pas(ミリパスカルセコンド)の低いせん断(20sec−l)粘度および約10〜1,000m.Pasの高いせん断(1,000sec−l)粘度を有する。
【0029】
本発明の顔料分散液が使用されるコーティング組成物は好ましくはアクリルベースのポリマーのバインダー、メラミン架橋剤、ポリイソシアネート架橋剤、またはブロック型ポリイソシアネート架橋剤などの架橋剤を有機液体キャリヤー中に含み、この液体キャリヤーは通常バインダー成分用の溶媒であるか、またはNAD(非水性分散液)を形成するため溶媒/非溶媒の混合物である可能性がある。ABCブロックポリマーは安定した溶液または分散液を形成する。これらのコーティング組成物は約10〜70%、より典型的には15〜50重量%のバインダー、および約30〜90%、より典型的には50〜85重量%の液体キャリヤーを含む。正常な塗料配合技法に従って他の有用な成分を配合することによって、適切なコーティング組成物を調製する。
【0030】
約60〜180℃の高い焼付温度下で約5〜60分で架橋する組成物を形成するためには、バインダーの重量に基づいて10から50%、好ましくは15から30重量%の、アルキル化した基の中に1〜4個の炭素原子を有するアルキル化メラミンホルムアルデヒド架橋剤が好ましい。
【0031】
一般にこれらの架橋剤は部分的に(または完全に)アルキル化したメラミンホルムアルデヒド化合物であり、前述のようにモノマーまたはポリマーであってよい。ブロック型ポリイソシアネートは架橋剤として使用することもできる。
【0032】
メラミン架橋剤を含むこれらのコーティング組成物は、バインダーの重量に基づいて約0.1から1.0重量%の強酸触媒またはその塩を含み、硬化温度および時間を減らすことができる。パラトルエンスルホン酸またはそのアンモニウム塩は好ましい触媒である。使用することができる他の触媒は、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸およびこれらの酸のアンモニウム塩である。
【0033】
アクリロウレタン、ポリエステルおよびポリエステルウレタン、ポリエーテルおよびポリエーテルウレタンなどの他のフィルム形成ポリマーもこれらのコーティング組成物中で使用することができ、これらは枝分かれ型ポリマーの分散液と相溶性がある。ポリイソシアネートを架橋剤として使用して、周囲温度で硬化するコーティング組成物を提供することができる。
【0034】
さらに、本発明の分散液を使用するコーティング組成物は、充填剤、可塑剤、抗酸化剤、界面活性剤および流れ調整剤を含めたさまざまな他の任意選択の成分を含んでもよい。
【0035】
このようなコーティング組成物の仕上げ剤の耐候性を改善するために、紫外線安定剤または紫外線安定剤の組み合わせを、バインダーの重量に基づいて0.1〜5重量%の量を加えることができる。安定剤はたとえば顔料を含む本発明の分散液に加えることができ、またはコーティング組成物に直接加えることができる。このような安定剤には紫外線吸収剤、スクリーナー、急冷剤および特異的な干渉アミン光線安定剤がある。さらに、バインダーの重量に基づいて0.1〜5重量%の量の抗酸化剤を加えることができる。
【0036】
有用である典型的な紫外線安定剤にはベンゾフェノン、トリアゾール、トリアジン、ベンゾエート、干渉アミンおよびこれらの混合物がある。紫外線安定剤の具体例は米国特許第4,591,533号に開示されており、その全体的な開示は参照によって本明細書に組み込まれている。
【0037】
このようなコーティング組成物は、流れ調整剤、たとえば「Resiflow」S(ポリブチルアクリレート)、IBYK320および325(高分子量ポリアクリレート)、ヒュームドシリカなどのレオロジー調整剤などの従来の配合添加剤を含んでもよい。
【0038】
本発明の顔料分散液はモノコートまたは着色されたカラーコートまたはベースコートにおいて使用することができ、これらのコート上にクリアコートを加えてカラーコート/クリアコート仕上げ剤を提供する。さらに、少量の顔料分散液をクリアコートに加えて、色つけなどの特別な色彩または美的効果を提供する。
【0039】
本発明の分散液を用いて配合したコーティング組成物は、前もってペイントした支持体、下塗りした支持体、冷間圧延した鋼、リン酸塩で処理した鋼、および電着によって従来のプライマーで被覆した鋼などの、さまざまな金属製または非金属製支持体に対する接着性が優れている。これらのコーティング組成物を使用して、ポリエステル強化型ファイバーガラス、反応射出成型ウレタンおよび部分的に結晶質であるポリアミドなどのプラスチック製支持体を被覆することができる。特に、本発明の分散液を用いて配合したベースコートまたはカラーコート組成物は、プライマー層とベースコートの間の改善されたインターコート接着、およびクリアトップコートへの改善された接着を提供する。この改善された接着によって、結果として生じる仕上げ剤のチップ抵抗(乗用車およびトラック用の仕上げ剤に関して非常に重要な性質である)が大幅に改善される結果となる。
【0040】
吹き付け、静電吹き付け、浸漬、ブラッシングまたはフローコーティングなどの従来の技法によって、本発明の分散液を用いて配合したコーティング組成物を加えることができる。好ましい技法は吹き付けおよび静電吹き付けである。OEMの応用例では、典型的には組成物を100〜150℃で約15〜30分間焼き付けて、厚さ約2.54〜76.2ミクロン(0.1〜3.0ミル)のコーティングを形成する。クリアコートを使用するときは、クリアコートをカラーコートの上に加え、これを乾燥させて粘着性のない状態にして、クリアコートを加える前に短時間で硬化(好ましくはフラッシュ乾燥)させることができる。次いでカラーコート/クリアコートの仕上げ剤を前述のように焼き付けて、乾燥硬化した仕上げ剤を提供する。当業者によって容易に理解されるように、本発明は焼き付けずに表面を再仕上げしたシステムにも適用可能である。
【0041】
「ウエットオンウエット」塗布によって、ベースコートの上にクリアトップコートを加えることは一般的である。すなわち、ベースコートを硬化または完全に乾燥させずに、トップコートをベースコートに加える。次いでコートした支持体を所定時間加熱して、ベースおよびクリアコートを同時に硬化させる。
【0042】
以下の実施例によって本発明を例示する。他に指示がない限り、部、比およびパーセンテージはすべて重量ベースである。本明細書で開示する分子量はすべて、ポリメチルメタクリレート標準体を使用するGPC(ゲル透過クロマトグラフィ)によって決定することができる。
【0043】
以下のブロックコポリマーI〜IIIの3つすべてについて、出発手順は同じであった。すべてのモノマーおよび溶媒は、それらを4Aを超えるモレキュラーシーブに通すことによって乾燥させ、使用する前に窒素下で保存した。5リットルの丸底4つ口フラスコは、コンデンサ/ドライエライトチューブ、デジタル温度計プローブおよび窒素用インレット、機械的撹拌機およびモノマー添加用漏斗を備えていた。次いでフラスコを窒素でパージし、ヒートガンを用いて乾燥させた。
【0044】
実施例1
ABCブロックコポリマーIの調製
窒素を用いてフラスコをフラッシュしながら、THF(テトラヒドロフラン)1000.0gおよび1−メトキシ−1−トリメチシロキシ−2−メチルプロペン(本明細書ではメチル開始剤と呼ぶ)22.4gを、添加用漏斗を介して加えた。メシチレン2gおよびアセトニトリルに溶かしたTBACB(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエート)の1M溶液1.5ml(本明細書では触媒と呼ぶ)を2つのシリンジを使用して注入し、第1のモノマー供給を開始した。nBMA(正常なブチルメタクリレート)258.9g、MMA(メチルメタクリレート)210.3g、Aブロックの主要成分を、添加用漏斗を介して45分かけて加えた。反応フラスコを氷浴で冷却することによって、温度を40℃未満に保った。スタートから60分後、モノマー転換率は99%以上であり、同じ添加用漏斗を介して第2のモノマー供給(Bブロック)を開始した。DMAEMAモノマー(Bブロックの主要成分、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)132.0gを、45分かけて加えた。この供給中、温度を40℃未満に保った。スタートから120分後、ポリマーのCブロックについて第3のモノマー供給を開始した。Cブロックの主要成分はn−BMA、MMAおよび2−[トリメチルシロキシ]ヒドロキシエチルメタクリレート、TMS−HEMAであった。n−BMA298.7g、MMA252.4gおよびTMS−HEMA85.1gを、同じ添加用漏斗を介して45分かけて加えた。反応による発熱が急速に増大し、氷浴を使用して温度を40℃未満に保った。モノマー供給と平行して、THF6.2g中のTBACB1.5mlの供給物を、180分かけて反応ポットに供給した。モノマーすべてについて、270分後のモノマー転換率(HPLC)は99%以上であった。メタノール50gを加えて反応を停止させた。次に、THF571.0gを2ステップで取り出し、1200gのPMAc(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)に置き換えた。80.2gのBzCl(塩化ベンジル)を加えて、DMAEMAのアミノ基を四級化した。アミノ値が0.08mEq/溶液1gになるまで、溶液を3時間環流させた。結果として生じたポリマー溶液はポリマー固形分が43.0%であり、数平均分子量は約9280であった。ABCブロックポリマーは以下の成分のモル比n−BMA/MMA//DMAEMA−BzCl//n−BMA/MMA/HEMA 13/15//6〜4.5//15/18/3(モル比)を有し、n−BMA/MMAはAセグメントであり、DMAEMAはBセグメントであり、BMA/MMA/HEMAはポリマーのCセグメントである。
【0045】
ABCブロックコポリマーIIの調製
窒素を用いてフラスコをフラッシュしながら、THF1258.6gおよびメチル開始剤30.6gを、添加用漏斗を介して加えた。メシチレン2gおよびアセトニトリルに溶かしたTBACBの1M溶液2.5mlを2つのシリンジを使用して注入し、第1のモノマー供給(Aブロック)を開始した。n−BMA325.2gおよびMMA262.6gを、添加用漏斗を介して45分かけて加えた。反応フラスコを氷浴で冷却することによって、温度を40℃未満に保った。スタートから60分後、モノマー転換率は99%以上であり、同じ添加用漏斗を介して第2のモノマー供給(Bブロック)を開始した。DMAEMA220.1gを、45分かけて加えた。この供給中、温度を40℃未満に保った。スタートから120分後、第3のモノマー供給を開始した(Cブロック)。n−BMA325.2g、MMA227.8gおよびTMS−HEMA106.3gを、同じ添加用漏斗を介して45分かけて加えた。反応による発熱が急速に増大し、氷浴を使用して温度を41.4℃未満に保った。スタートから315分後、HPLCによって判定されるようにすべてのモノマー転換率は99%以上であった。この時点で、メタノール62.5gを加えて反応を停止させた。次に、THF654.1gを2ステップで取り出し、1375gのPMAcに置き換えた。133.8gのBzClを加えて、DMAEMAのアミノ基を四級化した。アミノ値が0.108mEq/溶液1gになるまで、溶液を4時間環流させた。結果として生じたポリマー溶液はポリマー固形分が43.19%であり、数平均分子量は約9013であった。ABCブロックポリマーは以下の成分のモル比n−BMA/MMA//DMAEMA−BzCl//n−BMA/MMA/HEMA 13/15//8〜6//13/13/3(モル比)を有し、n−BMA/MMAはAセグメントであり、DMAEMAはBセグメントであり、BMA/MMA/HEMAはポリマーのCセグメントである。
【0046】
CBAブロックコポリマーIIIの調製
窒素を用いてフラスコをフラッシュしながら、THF803.6gおよび1−メトキシ−1−トリメチシロキシ−2−トリメチルシロキシエチルプロペン(本明細書ではヒドロキシルブロック型開始剤と呼ぶ)30.1gを、添加用漏斗を介して加えた。メシチレン2gおよびアセトニトリルに溶かしたTBACBの1M溶液2.0mlを2つのシリンジを使用して注入し、第1のモノマー供給(Cブロック)を開始した。n−BMA200.8g、MMA141.4gおよびTMS−HEMA44.0gを、添加用漏斗を介して45分かけて加えた。第1のモノマー供給の終わりに温度は58.7℃に上昇した。スタートから125分後、HPLCによって判定されるようにモノマー転換率は99%以上であった。同じ添加用漏斗を介して第2のモノマー供給(Bブロック)を開始した。DMAEMA136.7gを、45分かけて加えた。この供給中、温度を40℃未満に保った。スタートから255分後、第3のモノマー供給(Aブロック)を開始した。n−BMA200.9gおよびMMA163.2gを、同じ添加用漏斗を介して45分かけて加えた。反応による発熱によって、温度が58.8℃に上昇した。この時間、冷却は加えなかった。スタートから360分後、すべてのモノマー転換率は99.5%以上であった。メタノール35.2gを加えて反応を停止させた。次に、THF512.8gを2ステップで取り出し、1000gのPMAcに置き換えた。最後に、82.9gのBzClを加えて、DMAEMAのアミノ基を四級化した。アミノ値が0.0969mEq/溶液1gになるまで、溶液を120分間環流させた。結果として生じたポリマー溶液はポリマー固形分が39.87%であり、数平均分子量は約8904であった。CBAブロックポリマーは以下の成分のモル比n−BMA/MMA/HEMA//DMAEMA−BzCl//n−BMA/MMA 13/15/3//8〜6//13/15(モル比)を有し、BMA/MMA/HEMAはCセグメントであり、DMAEMAはBセグメントであり、n−BMA/MMAはポリマーのAセグメントである。
【0047】
ABAブロックコポリマーIVの調製
Westの米国特許第4,812,517号の手順を使用して、ABAブロックコポリマーを調製した。同じ比で同じモノマーを前述のように使用して、前述のコポリマーIIのAおよびBセグメント形成した。
【0048】
顔料分散液A〜Oの調製
前に調製したABCブロックポリマーIを顔料分散剤として使用して、以下の表2に示すそれぞれの顔料を顔料分散液に配合した。前に調製したABCブロックコポリマーIIを顔料分散剤として使用し顔料分散液の第2の組を調製し、ABAブロックコポリマーIVを顔料分散剤として使用し分散液第3の組(コントロール)を調製した。
【0049】
顔料分散剤の固体1g、顔料2g、酢酸ブチル20gおよび粗い砂15gを2オンス(約56.6グラム)をスクリューキャップボトルに加えることによって、それぞれの顔料分散液を調製した。次いでこのボトルをペイントシェイカー中で20分間振とうさせた。
【0050】
前に調製した分散液のそれぞれを、光学顕微鏡を使用して質に関して試験および格付けした。表1はこの評価の結果を示す。0から1の格付けは脱凝集した(安定な)顔料を有する良質の分散液を示す。2から3の格付けは凝集した(不安定な)粒子を有する質の良くない分散液を示す。
【0051】
ABCブロックポリマー分散剤IおよびIIは、試験用顔料とさまざまな相互作用を示す(顔料はすべて脱凝集した)。ABAブロックコポリマーIV(コントロール)に関して作成した分散液は、ABCブロックポリマーIおよびIIに関して作成した分散液と同等であったかまたはそれより劣っていた。
【0052】
表1は、メタノール2gをそれぞれの分散液に加えた後の、顕微鏡による格付けも示す。メタノールを極性ディスプレーサーとして使用し、顔料−分散剤の相互作用の強度を試験した。顔料とABCブロックポリマー分散剤の間の相互作用は、1つの場合を除くすべての場合において、メタノールによる排除に耐えるほど充分に強いことが結果によって示される。ABAブロックコポリマー(コントロール)に関して作成した分散液と比較すると、(ABAブロックコポリマーがあまり凝集せずよく分散した)顔料Aに関して作成した分散液以外は、ABCブロックコポリマーIおよびIIに関して作成した分散液は、ABAブロックコポリマーコントロールと均等であるかより良い結果を与えた。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
(発明の分野)
本発明は、ABCブロックポリマー分散剤を含む改良型顔料分散液に関する。
【0002】
(発明の背景)
ABブロックポリマー分散剤は当分野で知られており、これを使用してさまざまなコーティング組成物において使用する顔料分散液を形成する。1987年4月7日にHutchins他に発行された米国特許第4,656,226号は、顔料の表面およびポリマーの他のブロックに結びつく酸またはアミンなどの極性の基を有するABブロックポリマー分散剤は、分散液またはコーティング組成物中で顔料を安定に保つことを示している。1994年6月22日にMa他に発行された米国特許第5,221,334号も、顔料をインク中に分散させたままにするために水性印刷用インク中に使用されるABまたはBABブロックポリマーを示している。1996年5月21日にMa他に発行された米国特許第5,519,085号中で示されるように、ABCトリブロックポリマーは水性インクジェットインク中で使用されており、これらのインク中に顔料を分散させる。
【0003】
これらのブロックポリマーは、基移動重合(GTP)とも呼ばれる知られている「リビング」フリーラジカル重合技法によって作成される。GTPでは、開始剤がアクリルモノマー単位の尾部に向かう一方の端および頭部へのもう一方の端を分裂させる。頭部の基は第2のモノマー単位の頭部に移動する。なぜならその単位は第1のものと重合するからである。1983年11月22日に発行された米国特許第4,417,034号、1985年4月2日にO.W.Websterに発行された第4,508,880号、1983年11月8日に発行された米国特許第4,414,372号、および1985年6月18日にFarnham他に発行された第4,524,196号中にこのような技法が記載されている。前述の特許は、参照によってここに組み込まれている。
【0004】
従来のトラックおよび乗用車用の仕上げ剤は、プライマー層上に加えられる着色されたベースコート上に加えられるクリアコートを含む。ベースコートにおいて使用されるポリマー分散剤は、顔料を液体コーティング組成物中に分散させたままにしなければならないだけでなく反応基を含む必要があり、この反応基はコーティング組成物中で使用する架橋剤と反応し、この架橋剤は硬化によって分散剤を結果として生じる仕上げ剤の一体部分にする。ポリマー分散剤はインターコートの接着の失敗を引き起こす可能性があり、通常は限られた量のみしか使用されない。プライマー層と結びついてベースコートのインターコートのプライマーへの接着を改善し、インターコートの接着問題および仕上げ剤のフレーキングおよびチッピングを引き起こさない反応基を、ポリマー分散剤が有することが望ましい。
【0005】
(発明の概要)
分散した顔料、非水性キャリヤー液およびABCブロックポリマー分散剤(バインダー)を含むコーティング組成物を形成するために有用な顔料分散液であって、
ABCブロックポリマーが約5,000〜20,000の数平均分子量を有し、ポリマーAセグメント、ポリマーBセグメントおよびポリマーCセグメントを含み、
ブロックポリマーのポリマーAセグメントが以下の群、アルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー、アリール(メタ)アクリレートモノマー、シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーまたは前述のいずれかの混合物から選択される重合したモノマーであり、
ブロックポリマーのポリマーBセグメントがアルキル化剤を用いて四級化したアルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する重合したアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーであり、
ブロックポリマーのポリマーCセグメントがアルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合したモノマー、および以下の群、アルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、またはシクロアルキル(メタ)アクリレートから選択されるモノマーであり、グリシジル(メタ)アクリレートまたはポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの重合したモノマーを任意選択で含み、
分散液中の顔料とバインダーの重量比が約1/100〜200/100である顔料分散液。
【0006】
C、BおよびAセグメントが前に記載したものと同様であるCBAブロックポリマーの顔料分散液も、本発明の一部である。
【0007】
(発明の詳細な説明)
(メタ)アクリレートという語は、アクリレートおよびメタクリレートエステルの両方のことである。
【0008】
新規な顔料分散液は安定しており一般に凝集する(すなわち塊になる)ことはなく、コーティング組成物中で従来的に使用されているポリマーフィルムを形成するさまざまなバインダー、特にコーティング組成物中で使用されるポリマーと相溶性がある。分散剤が取り込まれているコーティング組成物の硬化によって、ABCブロックポリマー分散剤はポリイソシアネート架橋剤などのコーティング組成物の他のフィルム形成成分と反応し、フィルムの一部となり、ポリマー分散剤中にフィルムの未反応成分が残る場合に起こる可能性がある風化によってフィルムの劣化を引き起こすことはない。さらにABCブロックポリマーは優れた分散剤であるので、ポリマーと顔料(または分散しているポリマー)の比は従来の分散剤に関して使用するもの未満であり、非常にさまざまな顔料およびポリマーを分散させることができ、これによって配合することができる顔料分散液の数およびタイプが増大する。ABCブロックポリマーはプライマー層への接着性を改善する反応基を有し、これによってコーティング組成物のフレーキングおよびチッピングが減少する。
【0009】
これらの新規の顔料分散液を使用して、改良されたコーティング組成物が得られることが分かっている。これらのコーティング組成物は、フィルム形成バインダー(通常ポリイソシアネートまたはアルキル化メラニリンなどのアクリルポリマーおよび硬化剤)も含む。このような組成物には、乗用車用の仕上げ剤に望ましい優れたコーティング性質を提供するという利点がある。本発明の顔料分散液で着色した自動車およびトラックにおいて現在使用されている従来のベースコートのベースコート/クリアコート仕上げ剤は、従来の顔料分散液で着色したベースコートと比較して色の深みが大幅に改良されている。
【0010】
本発明の分散液を配合するために使用するABCブロックポリマーは、アニオン重合、原子移動重合またはGTP(基移動重合)技法によって調製することができる。前述のGTP特許(米国特許第4,417,034号、第4,508,880号、第4,414,372号、および第4,524,196号)に記載されるようなGTP技法を使用してポリマーを調製することが好ましい。これらのポリマーは数平均分子量が5,000〜20,000、好ましくは7,500〜12,000である。ポリマーのAセグメントはポリマーの20〜60重量%(好ましくは32〜42%)であり、ポリマーのBセグメントはポリマーの20〜60重量%(好ましくは15〜40%)であり、ポリマーのCセグメントはポリマーの20〜60重量%(好ましくは35〜45%)である。
【0011】
本明細書で言及する分子量はすべて、ポリメチルメタクリレート標準体を使用するGPC(ゲル透過クロマトグラフィ)によって決定することができる。
【0012】
ABCブロックポリマーのAセグメントはBおよびCセグメントと比較して相対的に非極性であり、顔料分散液の立体的な安定性を提供する。Bセグメントは極性であり、極性−極性相互作用によって顔料微粒子に結びつく基を含む。Cセグメントは大部分が重合している非極性モノマーを含み、官能性ヒドロキシル基、アミノ基およびグリシジル基、アミノ基およびアルキレングリコール基などの他の官能基を含む。これらの基によって、分散液が加えられているコーティング組成物のフィルム形成成分との共有結合が提供される。
【0013】
ABCブロックポリマーは、GTP技法を使用して調製することが好ましい。窒素などの不活性雰囲気中で、THF(テトラヒドロフラン)、トルエン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、テトラグリムなどの溶媒またはこのような溶媒の混合物、テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートなどの触媒、1−メトキシ−1−トリメチルシロキシ−2−メチルプロペンなどの開始剤を重合用容器に装入する。次いでAセグメントモノマーを加える。使用する典型的な反応温度は室温から70℃である(45〜90分)。モノマーの少なくとも95%が重合しているときは、ポリマーのBセグメント用のモノマーを加える。典型的な反応温度は約30〜70℃であり、反応時間は約30〜100分、またはモノマーの少なくとも95%が重合するまでである。セグメントCのモノマーを加え、約30〜60℃で約60〜90分、またはモノマーのすべてが反応するまで反応させる。ポリマーを形成するためのモノマーの転換はすべて、高圧液体クロマトグラフィによって判定する。重合が完了した後、ポリマー溶液を水またはアルコールを用いて冷却し、次いで有機溶媒の大部分を取り除き(それがTHFなどの低沸点溶媒である場合)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどの溶媒で置き換える。次いでアルキル化剤を加えてBセグメントのアミン基を第四級にし、反応混合物をその環流温度である約95〜105℃に約2〜3時間、または第四級化が完了して本発明の分散液を形成するために使用するABCブロックポリマーの溶液を形成するまで保つ。
【0014】
ABCブロックポリマーを形成するために使用する他の典型的な溶媒、GTP重合触媒および開始剤は、前述のGTPに関する特許中で開示されている。
【0015】
ポリマーのAセグメントは非極性であり、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、第三級ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、第三級ブチルメタクリレート、ペンチルアクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルアクリレート、ノニルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルアクリレートおよびラウリルメタクリレートなどの、アルキル基中に1〜12個の炭素原子を有する重合したアルキル(メタ)アクリレートモノマーを主に含む。
【0016】
ポリマーのAセグメントはベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレートなどの重合したアリール(メタ)アクリレートモノマーを含むこともでき、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレートまたはイソボロニルメタクリレートなどの重合したシクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーを含んでよい。
【0017】
ポリマーのBセグメントは極性であり、アルキル化剤を用いて四級化した重合したアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーを含む。典型的には、有用なアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーはジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、メチルエチルアミノエチルメタクリレート、メチルエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、およびt−ブチルアミノエチルアクリレートである。Bセグメントの1つの好ましいモノマーは、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートである。
【0018】
典型的なアルキル化剤は以下の一般式を有する。
【0019】
R−CH2−X
【0020】
上式でRはH、1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基、またはフェニルなどの芳香族基または置換されたフェニルである。典型的には、有用なアルキル化剤は塩化ベンジル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルおよびヨウ化ベンジルである。
【0021】
他の有用なアルキル化剤には硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどの硫酸アルキル、およびメチルトルエンスルホネート(メチルトシレート)がある。
【0022】
ブロックポリマーのCセグメントは大部分が非極性であり、官能基、特にヒドロキシル基および他の反応基を含み、立体的な安定性およびABCブロックポリマーの分散剤が加えられているコーティング組成物のフィルム形成成分との共有結合を提供する。典型的には有用なモノマーは、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどのアルキル基中に2〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの任意の混合物である。GTP重合ではブロック型ヒドロキシル基を有するモノマーのみを使用することができ、次いでブロック型ヒドロキシル基を除去してポリマー上にヒドロキシル基を形成する。以下はGTP重合に有用な典型的なブロック型ヒドロキシルモノマーである:トリメチルシロキシエチルメタクリレート、トリメチルシロキシプロピルメタクリレートおよびトリメチルシロキシブチルメタクリレートなどのアルキル基中に2〜4個の炭素原子を有するシランブロック型ヒドロキシルアルキルメタクリレート。
【0023】
以下のモノマーも、Cセグメントを形成するために使用することができる:グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートなどのアルコキシポリアルキレングリコールメタクリレートおよび前述のモノマーの任意の混合物。
【0024】
1つの好ましい実施形態ではABCブロックポリマーは、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート(MMA/BMA)の32〜42重量部のAセグメント、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)の20〜30重量部のBセグメント、およびメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート(MMA/BMA/HEMA)の35〜45重量部のCセグメントを含む。
【0025】
アニオン重合法を使用してポリマーを形成するときに、ABCブロックポリマー中において微量で使用することができる適切な他のオレフィン性不飽和モノマーには無水マレイン酸、無水イタコン酸および無水フマル酸およびこれらのジエステル、スチレン、αメチルスチレンおよびビニルトルエンなどのビニル芳香物、およびポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートがある。
【0026】
CBAブロックポリマーを形成することもでき、これは本発明の一部である。CBAブロックポリマーを形成する際には、前述のものと同じ手順を使用して最初にCセグメントを作成し、次いでBセグメント用のモノマーを加え、Bセグメントを形成した後にAセグメント用のモノマーを加え重合させる。C、BおよびAセグメントについて前に記載したように、異なる開始剤、同じ触媒および溶媒を使用する。
【0027】
分散樹脂としてABCブロックポリマーを使用して、一般にコーティング組成物中で使用されるさまざまな顔料を分散させる。使用される典型的な顔料は、二酸化チタン、さまざまな色の酸化鉄、酸化亜鉛、カーボンブラックなどの金属性の酸化物、タルク、カオリン、バライト、カーボネイト、シリケートなどの充填剤顔料、クイナクリドン、銅フタロシン、ペリレン、アゾ顔料、インダントロンブルー、カルバゾールバイオレットなどのカルバゾール、イソインドリオン、イソインドロン、チオインジゴレッド、ベンジミルアゾリノンなどのさまざまな有機着色顔料などである。
【0028】
本発明の顔料分散液を形成するためには、ABCブロックポリマー、溶媒、任意選択でアクリル樹脂またはポリエステル樹脂などの粉砕樹脂、および分散させる顔料をアトリッタ、サンドミル、ボールミルまたは2ロールミルなどの適切な粉砕用容器に加え、次いで約5分間〜12時間で粉砕して顔料分散液を形成する。典型的にはこれらの顔料分散液は、約0〜1,000Pa(パスカル)の降伏応力、Rotovisco粘度計上で測定される約100〜10,000m.Pas(ミリパスカルセコンド)の低いせん断(20sec−l)粘度および約10〜1,000m.Pasの高いせん断(1,000sec−l)粘度を有する。
【0029】
本発明の顔料分散液が使用されるコーティング組成物は好ましくはアクリルベースのポリマーのバインダー、メラミン架橋剤、ポリイソシアネート架橋剤、またはブロック型ポリイソシアネート架橋剤などの架橋剤を有機液体キャリヤー中に含み、この液体キャリヤーは通常バインダー成分用の溶媒であるか、またはNAD(非水性分散液)を形成するため溶媒/非溶媒の混合物である可能性がある。ABCブロックポリマーは安定した溶液または分散液を形成する。これらのコーティング組成物は約10〜70%、より典型的には15〜50重量%のバインダー、および約30〜90%、より典型的には50〜85重量%の液体キャリヤーを含む。正常な塗料配合技法に従って他の有用な成分を配合することによって、適切なコーティング組成物を調製する。
【0030】
約60〜180℃の高い焼付温度下で約5〜60分で架橋する組成物を形成するためには、バインダーの重量に基づいて10から50%、好ましくは15から30重量%の、アルキル化した基の中に1〜4個の炭素原子を有するアルキル化メラミンホルムアルデヒド架橋剤が好ましい。
【0031】
一般にこれらの架橋剤は部分的に(または完全に)アルキル化したメラミンホルムアルデヒド化合物であり、前述のようにモノマーまたはポリマーであってよい。ブロック型ポリイソシアネートは架橋剤として使用することもできる。
【0032】
メラミン架橋剤を含むこれらのコーティング組成物は、バインダーの重量に基づいて約0.1から1.0重量%の強酸触媒またはその塩を含み、硬化温度および時間を減らすことができる。パラトルエンスルホン酸またはそのアンモニウム塩は好ましい触媒である。使用することができる他の触媒は、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸およびこれらの酸のアンモニウム塩である。
【0033】
アクリロウレタン、ポリエステルおよびポリエステルウレタン、ポリエーテルおよびポリエーテルウレタンなどの他のフィルム形成ポリマーもこれらのコーティング組成物中で使用することができ、これらは枝分かれ型ポリマーの分散液と相溶性がある。ポリイソシアネートを架橋剤として使用して、周囲温度で硬化するコーティング組成物を提供することができる。
【0034】
さらに、本発明の分散液を使用するコーティング組成物は、充填剤、可塑剤、抗酸化剤、界面活性剤および流れ調整剤を含めたさまざまな他の任意選択の成分を含んでもよい。
【0035】
このようなコーティング組成物の仕上げ剤の耐候性を改善するために、紫外線安定剤または紫外線安定剤の組み合わせを、バインダーの重量に基づいて0.1〜5重量%の量を加えることができる。安定剤はたとえば顔料を含む本発明の分散液に加えることができ、またはコーティング組成物に直接加えることができる。このような安定剤には紫外線吸収剤、スクリーナー、急冷剤および特異的な干渉アミン光線安定剤がある。さらに、バインダーの重量に基づいて0.1〜5重量%の量の抗酸化剤を加えることができる。
【0036】
有用である典型的な紫外線安定剤にはベンゾフェノン、トリアゾール、トリアジン、ベンゾエート、干渉アミンおよびこれらの混合物がある。紫外線安定剤の具体例は米国特許第4,591,533号に開示されており、その全体的な開示は参照によって本明細書に組み込まれている。
【0037】
このようなコーティング組成物は、流れ調整剤、たとえば「Resiflow」S(ポリブチルアクリレート)、IBYK320および325(高分子量ポリアクリレート)、ヒュームドシリカなどのレオロジー調整剤などの従来の配合添加剤を含んでもよい。
【0038】
本発明の顔料分散液はモノコートまたは着色されたカラーコートまたはベースコートにおいて使用することができ、これらのコート上にクリアコートを加えてカラーコート/クリアコート仕上げ剤を提供する。さらに、少量の顔料分散液をクリアコートに加えて、色つけなどの特別な色彩または美的効果を提供する。
【0039】
本発明の分散液を用いて配合したコーティング組成物は、前もってペイントした支持体、下塗りした支持体、冷間圧延した鋼、リン酸塩で処理した鋼、および電着によって従来のプライマーで被覆した鋼などの、さまざまな金属製または非金属製支持体に対する接着性が優れている。これらのコーティング組成物を使用して、ポリエステル強化型ファイバーガラス、反応射出成型ウレタンおよび部分的に結晶質であるポリアミドなどのプラスチック製支持体を被覆することができる。特に、本発明の分散液を用いて配合したベースコートまたはカラーコート組成物は、プライマー層とベースコートの間の改善されたインターコート接着、およびクリアトップコートへの改善された接着を提供する。この改善された接着によって、結果として生じる仕上げ剤のチップ抵抗(乗用車およびトラック用の仕上げ剤に関して非常に重要な性質である)が大幅に改善される結果となる。
【0040】
吹き付け、静電吹き付け、浸漬、ブラッシングまたはフローコーティングなどの従来の技法によって、本発明の分散液を用いて配合したコーティング組成物を加えることができる。好ましい技法は吹き付けおよび静電吹き付けである。OEMの応用例では、典型的には組成物を100〜150℃で約15〜30分間焼き付けて、厚さ約2.54〜76.2ミクロン(0.1〜3.0ミル)のコーティングを形成する。クリアコートを使用するときは、クリアコートをカラーコートの上に加え、これを乾燥させて粘着性のない状態にして、クリアコートを加える前に短時間で硬化(好ましくはフラッシュ乾燥)させることができる。次いでカラーコート/クリアコートの仕上げ剤を前述のように焼き付けて、乾燥硬化した仕上げ剤を提供する。当業者によって容易に理解されるように、本発明は焼き付けずに表面を再仕上げしたシステムにも適用可能である。
【0041】
「ウエットオンウエット」塗布によって、ベースコートの上にクリアトップコートを加えることは一般的である。すなわち、ベースコートを硬化または完全に乾燥させずに、トップコートをベースコートに加える。次いでコートした支持体を所定時間加熱して、ベースおよびクリアコートを同時に硬化させる。
【0042】
以下の実施例によって本発明を例示する。他に指示がない限り、部、比およびパーセンテージはすべて重量ベースである。本明細書で開示する分子量はすべて、ポリメチルメタクリレート標準体を使用するGPC(ゲル透過クロマトグラフィ)によって決定することができる。
【0043】
以下のブロックコポリマーI〜IIIの3つすべてについて、出発手順は同じであった。すべてのモノマーおよび溶媒は、それらを4Aを超えるモレキュラーシーブに通すことによって乾燥させ、使用する前に窒素下で保存した。5リットルの丸底4つ口フラスコは、コンデンサ/ドライエライトチューブ、デジタル温度計プローブおよび窒素用インレット、機械的撹拌機およびモノマー添加用漏斗を備えていた。次いでフラスコを窒素でパージし、ヒートガンを用いて乾燥させた。
【0044】
実施例1
ABCブロックコポリマーIの調製
窒素を用いてフラスコをフラッシュしながら、THF(テトラヒドロフラン)1000.0gおよび1−メトキシ−1−トリメチシロキシ−2−メチルプロペン(本明細書ではメチル開始剤と呼ぶ)22.4gを、添加用漏斗を介して加えた。メシチレン2gおよびアセトニトリルに溶かしたTBACB(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエート)の1M溶液1.5ml(本明細書では触媒と呼ぶ)を2つのシリンジを使用して注入し、第1のモノマー供給を開始した。nBMA(正常なブチルメタクリレート)258.9g、MMA(メチルメタクリレート)210.3g、Aブロックの主要成分を、添加用漏斗を介して45分かけて加えた。反応フラスコを氷浴で冷却することによって、温度を40℃未満に保った。スタートから60分後、モノマー転換率は99%以上であり、同じ添加用漏斗を介して第2のモノマー供給(Bブロック)を開始した。DMAEMAモノマー(Bブロックの主要成分、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)132.0gを、45分かけて加えた。この供給中、温度を40℃未満に保った。スタートから120分後、ポリマーのCブロックについて第3のモノマー供給を開始した。Cブロックの主要成分はn−BMA、MMAおよび2−[トリメチルシロキシ]ヒドロキシエチルメタクリレート、TMS−HEMAであった。n−BMA298.7g、MMA252.4gおよびTMS−HEMA85.1gを、同じ添加用漏斗を介して45分かけて加えた。反応による発熱が急速に増大し、氷浴を使用して温度を40℃未満に保った。モノマー供給と平行して、THF6.2g中のTBACB1.5mlの供給物を、180分かけて反応ポットに供給した。モノマーすべてについて、270分後のモノマー転換率(HPLC)は99%以上であった。メタノール50gを加えて反応を停止させた。次に、THF571.0gを2ステップで取り出し、1200gのPMAc(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)に置き換えた。80.2gのBzCl(塩化ベンジル)を加えて、DMAEMAのアミノ基を四級化した。アミノ値が0.08mEq/溶液1gになるまで、溶液を3時間環流させた。結果として生じたポリマー溶液はポリマー固形分が43.0%であり、数平均分子量は約9280であった。ABCブロックポリマーは以下の成分のモル比n−BMA/MMA//DMAEMA−BzCl//n−BMA/MMA/HEMA 13/15//6〜4.5//15/18/3(モル比)を有し、n−BMA/MMAはAセグメントであり、DMAEMAはBセグメントであり、BMA/MMA/HEMAはポリマーのCセグメントである。
【0045】
ABCブロックコポリマーIIの調製
窒素を用いてフラスコをフラッシュしながら、THF1258.6gおよびメチル開始剤30.6gを、添加用漏斗を介して加えた。メシチレン2gおよびアセトニトリルに溶かしたTBACBの1M溶液2.5mlを2つのシリンジを使用して注入し、第1のモノマー供給(Aブロック)を開始した。n−BMA325.2gおよびMMA262.6gを、添加用漏斗を介して45分かけて加えた。反応フラスコを氷浴で冷却することによって、温度を40℃未満に保った。スタートから60分後、モノマー転換率は99%以上であり、同じ添加用漏斗を介して第2のモノマー供給(Bブロック)を開始した。DMAEMA220.1gを、45分かけて加えた。この供給中、温度を40℃未満に保った。スタートから120分後、第3のモノマー供給を開始した(Cブロック)。n−BMA325.2g、MMA227.8gおよびTMS−HEMA106.3gを、同じ添加用漏斗を介して45分かけて加えた。反応による発熱が急速に増大し、氷浴を使用して温度を41.4℃未満に保った。スタートから315分後、HPLCによって判定されるようにすべてのモノマー転換率は99%以上であった。この時点で、メタノール62.5gを加えて反応を停止させた。次に、THF654.1gを2ステップで取り出し、1375gのPMAcに置き換えた。133.8gのBzClを加えて、DMAEMAのアミノ基を四級化した。アミノ値が0.108mEq/溶液1gになるまで、溶液を4時間環流させた。結果として生じたポリマー溶液はポリマー固形分が43.19%であり、数平均分子量は約9013であった。ABCブロックポリマーは以下の成分のモル比n−BMA/MMA//DMAEMA−BzCl//n−BMA/MMA/HEMA 13/15//8〜6//13/13/3(モル比)を有し、n−BMA/MMAはAセグメントであり、DMAEMAはBセグメントであり、BMA/MMA/HEMAはポリマーのCセグメントである。
【0046】
CBAブロックコポリマーIIIの調製
窒素を用いてフラスコをフラッシュしながら、THF803.6gおよび1−メトキシ−1−トリメチシロキシ−2−トリメチルシロキシエチルプロペン(本明細書ではヒドロキシルブロック型開始剤と呼ぶ)30.1gを、添加用漏斗を介して加えた。メシチレン2gおよびアセトニトリルに溶かしたTBACBの1M溶液2.0mlを2つのシリンジを使用して注入し、第1のモノマー供給(Cブロック)を開始した。n−BMA200.8g、MMA141.4gおよびTMS−HEMA44.0gを、添加用漏斗を介して45分かけて加えた。第1のモノマー供給の終わりに温度は58.7℃に上昇した。スタートから125分後、HPLCによって判定されるようにモノマー転換率は99%以上であった。同じ添加用漏斗を介して第2のモノマー供給(Bブロック)を開始した。DMAEMA136.7gを、45分かけて加えた。この供給中、温度を40℃未満に保った。スタートから255分後、第3のモノマー供給(Aブロック)を開始した。n−BMA200.9gおよびMMA163.2gを、同じ添加用漏斗を介して45分かけて加えた。反応による発熱によって、温度が58.8℃に上昇した。この時間、冷却は加えなかった。スタートから360分後、すべてのモノマー転換率は99.5%以上であった。メタノール35.2gを加えて反応を停止させた。次に、THF512.8gを2ステップで取り出し、1000gのPMAcに置き換えた。最後に、82.9gのBzClを加えて、DMAEMAのアミノ基を四級化した。アミノ値が0.0969mEq/溶液1gになるまで、溶液を120分間環流させた。結果として生じたポリマー溶液はポリマー固形分が39.87%であり、数平均分子量は約8904であった。CBAブロックポリマーは以下の成分のモル比n−BMA/MMA/HEMA//DMAEMA−BzCl//n−BMA/MMA 13/15/3//8〜6//13/15(モル比)を有し、BMA/MMA/HEMAはCセグメントであり、DMAEMAはBセグメントであり、n−BMA/MMAはポリマーのAセグメントである。
【0047】
ABAブロックコポリマーIVの調製
Westの米国特許第4,812,517号の手順を使用して、ABAブロックコポリマーを調製した。同じ比で同じモノマーを前述のように使用して、前述のコポリマーIIのAおよびBセグメント形成した。
【0048】
顔料分散液A〜Oの調製
前に調製したABCブロックポリマーIを顔料分散剤として使用して、以下の表2に示すそれぞれの顔料を顔料分散液に配合した。前に調製したABCブロックコポリマーIIを顔料分散剤として使用し顔料分散液の第2の組を調製し、ABAブロックコポリマーIVを顔料分散剤として使用し分散液第3の組(コントロール)を調製した。
【0049】
顔料分散剤の固体1g、顔料2g、酢酸ブチル20gおよび粗い砂15gを2オンス(約56.6グラム)をスクリューキャップボトルに加えることによって、それぞれの顔料分散液を調製した。次いでこのボトルをペイントシェイカー中で20分間振とうさせた。
【0050】
前に調製した分散液のそれぞれを、光学顕微鏡を使用して質に関して試験および格付けした。表1はこの評価の結果を示す。0から1の格付けは脱凝集した(安定な)顔料を有する良質の分散液を示す。2から3の格付けは凝集した(不安定な)粒子を有する質の良くない分散液を示す。
【0051】
ABCブロックポリマー分散剤IおよびIIは、試験用顔料とさまざまな相互作用を示す(顔料はすべて脱凝集した)。ABAブロックコポリマーIV(コントロール)に関して作成した分散液は、ABCブロックポリマーIおよびIIに関して作成した分散液と同等であったかまたはそれより劣っていた。
【0052】
表1は、メタノール2gをそれぞれの分散液に加えた後の、顕微鏡による格付けも示す。メタノールを極性ディスプレーサーとして使用し、顔料−分散剤の相互作用の強度を試験した。顔料とABCブロックポリマー分散剤の間の相互作用は、1つの場合を除くすべての場合において、メタノールによる排除に耐えるほど充分に強いことが結果によって示される。ABAブロックコポリマー(コントロール)に関して作成した分散液と比較すると、(ABAブロックコポリマーがあまり凝集せずよく分散した)顔料Aに関して作成した分散液以外は、ABCブロックコポリマーIおよびIIに関して作成した分散液は、ABAブロックコポリマーコントロールと均等であるかより良い結果を与えた。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
Claims (13)
- 分散した顔料、非水性キャリヤー液およびABCブロックポリマー分散剤(バインダー)を含むコーティング組成物を形成するために有用な顔料分散液であって、
前記ABCブロックポリマーが5,000〜20,000の数平均分子量を有し、ポリマーAセグメント、ポリマーBセグメントおよびポリマーCセグメントを含み、
前記ブロックポリマーの前記ポリマーAセグメントがアルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー、アリール(メタ)アクリレートモノマー、シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーまたは前述のいずれかの混合物からなる群から選択される重合したモノマーから本質的になり、
前記ブロックポリマーの前記ポリマーBセグメントがアルキル化剤を用いて四級化したアルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する重合したアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーから本質的になり、
前記ブロックポリマーの前記ポリマーCセグメントがアルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合したモノマー、およびアルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー、アリール(メタ)アクリレートモノマー、シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される重合したモノマーから本質的になり、グリシジル(メタ)アクリレートおよびポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選択される重合したモノマーを任意選択で含み、
前記分散液中の顔料とバインダーの重量比が1/100〜200/100であることを特徴とする顔料分散液。 - 前記ABCブロックポリマーを基移動重合によって調製することを特徴とする、請求項1に記載の顔料分散液。
- 前記ポリマーAセグメントがアルキル(メタ)アクリレートモノマー、アリール(メタ)アクリレートモノマーおよびシクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される重合したモノマーからなることを特徴とする、請求項2に記載の顔料分散液。
- 前記ポリマーAセグメントがメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される重合したモノマーからなることを特徴とする、請求項3に記載の顔料分散液。
- 前記ABCブロックポリマーの前記ポリマーBセグメントが、アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有し、以下の式からなるアルキル化剤を用いて四級化したジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの重合したモノマーから本質的になり、
R−CH2−X
上式でRがH、1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基、および芳香族基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の分散液。 - 前記ABCブロックポリマーの前記ポリマーBセグメントがジメチルアミノエチルメタクリレートの重合したモノマーからなり、前記四級化剤が塩化ベンジルであることを特徴とする、請求項5に記載の分散液。
- 前記ABCブロックポリマーの前記ポリマーCセグメントがアルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合したモノマー、およびアルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー、アリール(メタクリレート)モノマーおよびシクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される重合したモノマーから本質的になり、エポキシアルキルメタクリレート、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選択される重合したモノマーを任意選択で含むことを特徴とする、請求項2に記載の分散液。
- 前記ABCブロックポリマーの前記ポリマーCセグメントがヒドロキシエチルメタクリレートの重合したモノマー、およびブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される重合したモノマーからなることを特徴とする、請求項7に記載の分散液。
- 前記ポリマーCセグメントがグリシジルメタクリレートおよびエトキシトリエチレングリコールメタクリレートの重合したモノマーをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の分散液。
- 前記ABCブロックポリマーがメチルメタクリレート、ブチルメタクリレートの重合したモノマーのポリマーAセグメントからなり、前記ポリマーBセグメントがジエチルアミノエチルメタクリレートの重合したモノマーからなり、前記アルキル化剤が塩化ベンジルからなり、前記ポリマーCセグメントがメチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびヒドロキシエチルメタクリレートの重合したモノマーからなることを特徴とする、請求項2に記載の分散液。
- 有機液体キャリヤー、フィルム形成バインダーおよび請求項1に記載の顔料分散液を1〜50重量%含むことを特徴とする、コーティング組成物。
- 請求項2に記載の分散液を調製するための方法であって、
(a)アルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー、アリール(メタ)アクリレートモノマー、シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択されるモノマーを重合させることによって、基移動重合触媒および開始剤の存在下で有機溶媒中の前記ポリマーの前記Aセグメントを調製すること、
(b)前記ポリマーの前記Aセグメントの存在下で、アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのBセグメントモノマーを重合させること、
(c)5,000〜20,000の重量平均分子量を有する前記ABCブロックポリマーを形成するためにステップ(a)および(b)中で形成されたABセグメントの存在下で、アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのCセグメントモノマー、およびアルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー、アリール(メタ)アクリレートモノマー、シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択されるモノマーを重合させること、
(d)アルキル化剤を用いて前記ポリマーのアミノ基を第四級化し、結果として生じるABCブロックポリマーの非水性分散液を形成すること、
(e)前記ABCブロックポリマー分散液中に顔料を分散させて前記顔料分散液を形成すること、
を含む前記方法によって、前記ABCブロックポリマーを形成することを特徴とする方法。 - 分散した顔料、非水性キャリヤー液およびCBAブロックポリマー分散剤(バインダー)を含むコーティング組成物を形成するために有用な顔料分散液を調製するための方法であって、
(a)アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するブロック型ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー、およびアルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー、アリール(メタ)アクリレートモノマー、シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択されるモノマーを重合させることによって、基移動重合触媒および開始剤の存在下で有機溶媒中の前記ポリマーの前記Cセグメントを調製すること、
(b)前記ポリマーの前記Cセグメントの存在下で、アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのBセグメントモノマーを重合させること、
(c)5,000〜20,000の重量平均分子量を有する前記CBAブロックポリマーを形成するためにステップ(a)および(b)中で形成されたCおよびBセグメントの存在下で、アルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー、アリール(メタ)アクリレートモノマー、シクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーおよび前述の任意の混合物からなる群から選択される重合したモノマーから本質的になるAセグメントモノマーを重合させること、
(d)アルキル化剤を用いて前記ポリマーのアミノ基を第四級化し、結果として生じるCBAブロックポリマーの非水性分散液を形成すること、
(e)前記CBAブロックポリマー分散液中に顔料を分散させて前記顔料分散液を形成すること、
を含む前記方法によって、前記CBAブロックポリマーを形成することを特徴とする方法。
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