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JP3590934B2 - 施肥機を利用した水稲湛水直播き方法及びその播種機 - Google Patents
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JP3590934B2 - 施肥機を利用した水稲湛水直播き方法及びその播種機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,例えば,田植機に設けられた施肥機の導肥管と作溝器とを利用して種籾をほ場に直播きする水稲湛水直播き方法及びその播種機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,田植機に設けられた粒状肥料をほ場に施肥する施肥機は知られている。これらに施肥機には作溝器が設けられ,該作溝器によって土壌に溝を掘り,肥料ホッパからの粒状肥料が作溝器の上方に設けられている導肥管を通じて溝に施肥するものである。
【0003】
施肥・播種機の繰出装置として,実開昭64−52415号公報に開示されたものが知られている。該施肥・播種機の繰出装置は,種子タンクの下方に繰出装置を設け,繰出装置の下方に漏斗ケースを設け,漏斗ケース内を送風室の仕切板により二分し,一方を繰出装置からの種子落下室に形成し,他方を送風ファンに連通した送風室に形成したものである。
【0004】
また,実開昭59−22242号公報に開示された農機の粉粒体繰出し供給装置は,繰出しホッパの下部繰出し口に,供給間を接続したロートを装備し,ロートを繰出し口に連通接続した使用位置と,繰出し口から外れた近傍位置とにわたって案内移動し,両位置で固定支持するロート支持機構を設けたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記のような施肥機は,元来の構造として,作溝器によってほ場に作溝を掘る場合に,作溝深さがほ場表面から5cm以上になるように設定されているので,これらの施肥機を利用して肥料ホッパに種籾を入れ,肥料落下誘導ホースの導肥管を通じて種籾をほ場に播種しても,種籾の播種位置が深過ぎて種籾からの発芽,苗立が皆無となり,播種機として兼用することができない。また,種籾のほ場への播種深さを浅くするために,播種機の作溝器を短く形成すること,作溝器を短く切断すること,或いは田植機のフロートの底部を上げ底に設定するスペーサを介在させることが考えられるが,このような方法では,施肥機として使用できなくなり,スペーサ等の各種の部品を使用しなければならず,スペーサと脱着する作業等の手間が大きい等の問題が発生する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,田植機に設けられた粒状肥料をほ場に施肥する施肥機を利用し,施肥機の作溝器と導肥管とを利用して播種用ガイド部材を脱着自在に取り付け,種籾の播種の時には播種用ガイド部材を取り付け,播種用ガイド部材に沿って種籾をほ場の表面から1〜2cmの深さに播種し,粒状肥料の施肥の時には播種用ガイド部材を取り外して施肥を行うことを可能にした水稲湛水直播き方法及びその播種機を提供することである。
【0007】
この発明は,粒状肥料用施肥機における作溝器によってほ場に溝を形成し,前記作溝器の通過に伴って前記作溝器を迂回して前記溝を埋めるように前記溝に流れ込んだ土壌上に播種用ガイド部材を使用して種籾を落下させて播種し,次いで前記種籾上に土壌が流れ込んでほ場表面から1〜2cmの深さに種籾が位置されることから成る施肥機を利用した水稲湛水直播き方法に関する。
【0008】
この水稲湛水直播き方法は,湛水されている前記ほ場に前記種籾を播種するか,又は湛水されていない前記ほ場に前記種籾を播種し,次いで所定量の水を前記ほ場に引き込んで湛水することが可能であり,代掻き後の前記ほ場に前記種籾が播種されるものである。
【0009】
また,この発明は,粒状肥料用施肥機における導肥管に連通して設けられた作溝器の背面側に隣接して配置された播種用ガイド部材を有し,前記播種用ガイド部材の上部が前記作溝器と前記導肥管との隙間に脱着可能に取り付けられ,前記播種用ガイド部材の下部が前記作溝器の前記背面から離れる後方へ屈曲状に傾斜し,前記播種用ガイド部材の下端が種籾を播種するほ場の表面から1〜2cm深さに設定されていることから成る施肥機を利用した水稲湛水直播き播種機に関する。
【0010】
また,前記播種用ガイド部材は,プラスチック製容器の口部への屈曲傾斜面の部分を切断して作製される。また,前記播種用ガイド部材は,前記種籾や前記土壌が付着せずに壁面に沿ってスムースに落下できる撥水性プラスチック材料で作製されている。
【0011】
この発明による水稲湛水直播き方法及びその播種機は,上記のように構成されているので,元々の粒状肥料を施肥する施肥機の機能を損なうことなく,また機構そのものを変更することなく,簡易に脱着可能な播種用ガイド部材を取り付けだけで水稲湛水直播きを可能にすることができる。また,播種用ガイド部材は,従来より市販されている粒状肥料を施肥する施肥機における作溝筒即ち作溝器と粒状肥料の落下誘導ホース即ち導肥管との隙間に簡易に挿入して固定されるので,従来の施肥機を設計変更する必要がない。また,播種用ガイド部材は,その下部を湾曲の傾斜を持つ形状であり,種籾が作溝器の背面から距離をおいた状態即ち隔置状態であり,種籾が作溝器の後方に落下されるので,作溝した溝には作溝器の通過に伴って柔らかい返り土壌が入り込み,その上に種籾が播種される状態になり,種籾上に更なる柔らかい返り土壌がかけられ,種籾はほ場表面から1〜2cm程度に位置し,発芽及び苗立が最も安定することになり,良好な直播きが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して,この発明による水稲湛水直播き方法及びその播種機を説明する。図1はこの発明による水稲湛水直播き用播種機が取り付けられる田植機に設けた施肥機を示す概略斜視図,図2は図1の播種機の要部を示す説明図,図3は図1の播種機の要部を示し,施肥機の作溝器と導肥管との間に取り付けられた播種用ガイド部材を示す正面部,図4は図1の播種機によって種籾が播種されている状態を示す説明図,及び図5は播種用ガイド部材の作製状態を説明する概略図である。
【0013】
この水稲湛水直播き方法は,田植機1に設けられた粒状肥料用施肥機2における作溝器4によってほ場6に溝5を形成し,作溝器4の通過に伴って作溝器4を迂回して溝5を埋めるように溝5に流れ込んだ返り土壌15上に播種用ガイド部材10,10A,10Bにガイドされて種籾7を落下させて播種し,次いで種籾7上に返り土壌15が流れ込んでほ場表面14から1〜2cmの深さに種籾7が位置されるように播種される。
【0014】
種籾7は,湛水されているほ場6に播種されてもよく,また,湛水されていないほ場6に播種されてもよく,ほ場6が湛水されていない場合には,種籾7をほ場6に播種した後に,ほ場6に所定量の水を引き込んで湛水してもよいものである。また,ほ場6を代掻き後に,ほ場6に種籾7が播種されることが好ましい。
【0015】
この水稲湛水直播き方法を達成する水稲湛水直播き播種機は,植付け爪13やフロート12を備えた田植機1に設けられた粒状肥料をほ場6に施肥する施肥機2を利用するものである。この水稲湛水直播き播種機は,粒状肥料用施肥機2における導肥管8に連通して設けられた作溝器4の背面側に隣接して配置された播種用ガイド部材10,10A,10Bを有する。図4に示すように,播種用ガイド部材10,10A,10Bの上部は,作溝器4と導肥管8との隙間9に脱着可能に取り付けられ,特に,播種用ガイド部材10,10A,10Bの下部は,作溝器4の背面から離れる後方へ湾曲面16に屈曲して傾斜した屈曲先端部11に形成され,播種用ガイド部材10,10A,10Bの下端が種籾7を播種するほ場6のほ場表面14から1〜2cm深さに設定されるように構成されている。図3の(a)には,播種用ガイド部材10が作溝器4の背面に位置した状態の正面図が示されており,図3の(b)には播種用ガイド部材10の側面図が示されている。
【0016】
この水稲湛水直播き播種機は,播種用ガイド部材10,10A,10Bを作溝器4と導肥管8との隙間9に取り付けた場合には,播種機として作動させることができ,また,播種用ガイド部材10,10A,10Bを施肥機2から取り外せば,植付け爪13を用いて田植をする田植機として作動させたり,或いはホッパ3に粒状肥料を入れて肥料を施肥する施肥機2として作動させることができる。
【0017】
この水稲湛水直播き播種機の作動は,従来の粒状肥料の施肥の場合と同様であり,施肥機を播種機として作動する場合には,粒状肥料を入れるホッパ即ち種籾用ホッパ3に種籾7を入れる。種籾用ホッパ3に入れられた種籾7は,種籾用ホッパ3から繰出し装置17によって導肥管8へ送り込まれ,導肥管8から繰り出された種籾7は,播種用ガイド部材10にガイドされて,ほ場6に形成された溝5に流れ込んだ柔らかい返り土壌15上に播種される。次いで,種籾7上に返り土壌15が更に流れ込んで,ほ場表面14から1〜2cmの深さに種籾7が位置するようになる。
【0018】
播種用ガイド部材10,10A,10Bは,例えば,農薬等が入っていた廃品のポリ容器等のプラスチック製容器を利用して作製でき,プラスチック製容器の口部への屈曲傾斜面の部分を切断して作製される。また,播種用ガイド部材10,10A,10Bは,種籾7や泥土等が付着せずに,種籾7が壁面に沿ってスムースに落下できる撥水性のプラスチック材料で作製されることが好ましい。プラスチック製容器のポリエチレン材料は上記の条件を備えた材料であるので,内容物が空になったプラスチック製容器を使用すれば,播種用ガイド部材10,10A,10Bをいつでも簡単に容易に作製することができる。
【0019】
播種用ガイド部材10,10A,10Bの作製にあたっては,その型どりをするとすれば,ティッシュペーパの箱を形成する厚紙を使用し,施肥機2の作溝器4と導肥管8との隙間サイズに合わせて型取りすればよく,厚紙の型取り形状に合わせてプラスチック製容器を切る取ることによって作製できる。播種用ガイド部材10のサイズとしては,例えば,図5の(A)に示す播種用ガイド部材10A,或いは図5の(B)に示す播種用ガイド部材10Bのサイズや形状である。図5の(A)(a)は播種用ガイド部材10Aの平面図であり,図5の(A)(b)は播種用ガイド部材10Aの側面図である。播種用ガイド部材10Aは,例えば,幅が30mmであり,長さが85mmである。また,図5の(B)(a)は播種用ガイド部材10Bの平面図であり,図5の(B)(b)は播種用ガイド部材10Bの側面図である。播種用ガイド部材10Bは,例えば,幅が32mmであり,長さが130mmである。
【0020】
この発明による水稲湛水直播き播種機は,現在普及している粒状肥料対応の施肥田植機の施肥部を利用するものであり,泥土や種籾が付着し難い撥水性のプラスチック材料からなる播種用ガイド部材10,10A,10Bを,作溝器4と導肥管8との隙間に取り付けるだけであり,本来の施肥や田植の機能を全く損なわないものであり,そして,施肥や田植を行う場合には播種用ガイド部材10,10A,10Bを取り外せばよいものである。また,上記実施例では,水稲湛水直播き播種方法及び播種機について説明したが,ほ場6が湛水状態でなく,陸稲の場合でも,直播き播種方法及び播種機として容易に転用することができ,極めて有効なものである。
【0021】
この粒状肥料対応の施肥機を使用した水稲湛水直播き播種機によって,種籾の条巻き播種の試験を行ったところ,苗立率はカルパー粉衣籾で63%以上の成果であったが,苗立が不良な領域は落水の不十分なためであり,水の調節が影響すると考えられ,また,倒伏率も低い状態であった。勿論,苗立が発生しない所については補植を行った。また,種籾7を深いところ(4〜5cm)に播種した領域では,種籾7の発芽や苗立ができなかったことを考慮すると,種籾7の直播き深さは,ほ場表面14から1〜2cmの位置の場合に,発芽や苗立が最も良好であることが分かった。即ち,作溝器4で形成した溝5の深さ,例えば,5cmでは,種籾7の植えつけ深さは深過ぎることが分かった。また,この水稲湛水直播き播種機を用いた播種方法では,稲の生育,収穫量についても問題はなく,極めて実用価値の高いものであることが分かった。
【0022】
【発明の効果】
この発明による施肥機を利用した水稲湛水直播き方法及びその播種機は,上記のように構成したので,種籾がほ場にその表面から1〜2cmの深さに的確に良好に播種でき,種籾からの発芽や苗立が良好になり,粒状肥料用施肥機を播種機として兼用させることができる。また,この水稲湛水直播き方法は,種籾上に柔らかい土壌の戻りがあれば,ほ場での水の有無にかかわらず,ほ場への種籾の播種が可能であって発芽や苗立が良好であり,また,種籾上にかけられる土壌が軟質であれば発芽に対して好ましいものとなり,実用性は大きいものである。
【0023】
ところで,大規模稲作農家では,地域農家の田植作業等を受託している場合が多く,全面的な湛水直播き栽培への切り替えは困難な現状である。しかしながら,この発明による施肥機を利用した水稲湛水直播き方法及びその播種機を用いれば,田植機と湛水施肥機との両方を保有する上に,更に水稲湛水直播き用播種機の機能を有するので,利用効率がアップし,僅かな投資であり,コスト低減効果が大きいものとなり,導入面積に応じた育苗に係る資材費や労働費の減少がそのまま生産費の低下につながると共に,播種用ガイド部材の脱着のみの作業であるので,瞬時に切り替えができ,田植機や施肥機に切り替えでき,水稲湛水直播き用播種を取り入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による水稲湛水直播き用播種機が取り付けられる田植機に設けた施肥機を示す概略斜視図である。
【図2】図1の播種機の要部を示す説明図である。
【図3】図1の播種機の要部を示し,施肥機の作溝器と導肥管との間に取り付けられた播種用ガイド部材を示す正面部である。
【図4】図1の播種機によって種籾が播種されている状態を示す説明図である。
【図5】播種用ガイド部材の作製状態を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 田植機
2 施肥機
3 粒状肥料又は種籾用のホッパ
4 作溝器
5 溝
6 ほ場
7 種籾
8 導肥管
9 隙間
10,10A,10B 播種用ガイド部材
11 屈曲先端部
14 ほ場表面
15 返り土壌
16 湾曲面
17 繰出し装置

Claims (7)

  1. 粒状肥料用施肥機における作溝器によってほ場に溝を形成し,前記作溝器の通過に伴って前記作溝器を迂回して前記溝を埋めるように前記溝に流れ込んだ土壌上に播種用ガイド部材を使用して種籾を落下させて播種し,次いで前記種籾上に土壌が流れ込んでほ場表面から1〜2cmの深さに種籾が位置されることから成る施肥機を利用した水稲湛水直播き方法。
  2. 湛水されている前記ほ場に前記種籾を播種することから成る請求項1に記載の施肥機を利用した水稲湛水直播き方法。
  3. 湛水されていない前記ほ場に前記種籾を播種し,次いで所定量の水を前記ほ場に引き込んで湛水することから成る請求項1に記載の施肥機を利用した水稲湛水直播き方法。
  4. 代掻き後の前記ほ場に前記種籾が播種されることから成る請求項1に記載の施肥機を利用した水稲湛水直播き方法。
  5. 粒状肥料用施肥機における導肥管に連通して設けられた作溝器の背面側に隣接して配置された播種用ガイド部材を有し,前記播種用ガイド部材の上部が前記作溝器と前記導肥管との隙間に脱着可能に取り付けられ,前記播種用ガイド部材の下部が前記作溝器の前記背面から離れる後方へ屈曲状に傾斜し,前記播種用ガイド部材の下端が種籾を播種するほ場の表面から1〜2cmの深さに設定されていることから成る施肥機を利用した水稲湛水直播き播種機。
  6. 前記播種用ガイド部材は,口部を有し且つ口部への屈曲傾斜面を有するプラスチック製容器の前記口部への屈曲傾斜面の部分を切断して作製されることから成る請求項5に記載の施肥機を利用した水稲湛水直播き播種機。
  7. 前記播種用ガイド部材は,前記種籾や前記土壌が付着せずに壁面に沿ってスムースに落下できる撥水性プラスチック材料で作製されていることから成る請求項5に記載の施肥機を利用した水稲湛水直播き播種機。
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