JP3591582B2 - ビニールハウスにおける結露回収装置 - Google Patents
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Description
本発明は、アーチパイプ等の骨組上に展張した透明又は半透明な合成樹脂シートの内面に付着した結露水又は破断個所等から侵入した雨水等を回収するビニールハウスにおける結露回収装置に関する。
【0001】
【従来の技術】
一般にアーチパイプ等の骨組上に透明なビニールシートを展張した温室たるビニールハウスではハウス内の室温や湿度がハウス外の大気より高く、又作物に水を与えてこの水が蒸発することから、ビニールシートの室内側内面に多数の結露が付着する。この結露は放置しておくとビニールシートの内面を流下してある重みになると土壌上に落下し、室内で作業する作業者が不快になるばかりでなく、作物の根腐れ、病気を起し、植物の育成に多大な悪影響を及ぼす。
【0002】
そこで、この不具合を解消するため、例えば実公平2−12863号に開示されたような結露回収装置が開発され、ビニールハウス業界に多くの貢献をしている。
【0003】
このビニールハウスの結露回収装置は、例えば図9に示す構造を備えているものである。即ち、この結露回収装置は、継手50と、継手50の左右両側に嵌合させるシート止め材2,2とからなるものである。
【0004】
この場合、シート止め材2は長手方向に沿う蟻溝状のシート止め溝3と、板状の結露受け部4とを有し、中間には上方に向けて屈曲させながら起立する溝フレーム7が形成されている。他方、継手50は、本体51と、本体51の上面側に設けたシート止め溝用の第1の差込溝55と、同じく結露受け部用の第2の差込溝56と、これらの第1,第2の差込溝55,56を規制するガイドフレーム52,53と、第1,第2の差込溝55,56の途中に前後方向に横断し且つ下方に向けて設けた溝状の集水口57と、本体51の下面に下方に向けて垂設されて上記集水口に接続した排水ノズル58とを備えている。
【0005】
これにより、継手50の両側からシート止め材2を嵌合させ、これらのシート止め材2と継手50はアーチ状パイプ上に結合され、次いでシート止め溝3には他の弾性な係止線条を介してビニールシートを定着し、これによりビニールシートがアーチ状パイプ上に展張される。このようにしたビニールハウスでは使用中にビニールシートの室内側内面に結露が付着してもこの結露がビニールシートの内面を流下し結露受け溝4に当ってここに集合し、次いでこの結露受け溝4を介して集水口57内に流出し、排水ノズル58とこれに連結したホースよりハウス外部又はハウス上の樋に回収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の結露回収装置では、機能上特に欠陥がある分けではないが、次のような不具合の改善が望まれている。
【0007】
第1に結露受け部4から流下した結露水は大部分集水口57に回収されるが、一部は第1,第2の差込溝55,56上を通して継手50の一側又は両側から漏れてハウス内に落下する場合がある。そこで、これを防止するため継手50の本体51上面にシール材60,60をあらかじめ塗布し、継手50とシート止め材2との間を密封し、結露水が漏れ出るのを防止しているが、このシール材60の塗布が面倒であり、材料費が嵩み、組付性,経済性が悪い。又解体時や部品の変換時にはこのシール材60からシート止め材2を剥離させなければならず、その作業も面倒である。
【0008】
第2に結露現象はシートの内面のみならず、シート止め材2自体の背面にも発生し、シート止め材2の背面に付着した結露がこのシート止め材2の背面を伝わって継手50に当るとこの位置でハウス内に落下してしまうおそれがあり、これを回収する手段が無い不具合がある。
【0009】
第3にシート止め材2の端部は集水口57の入口で止められて結露受け溝4の結露水が集水口57に収容されるようにしているため、又ガイドレール52,53の集水口57側端部Pが切断されているため、集水口57の上方に段差が発生し、これがエッジとなってシートを損傷させるおそれがある。
【0010】
第4に集水口57内には長時間使用中にごみが溜まり、青かびが発生し、場合によっては虫が侵入している場合があり、結露水の流れを悪くしている場合があるが、これらのごみ等を回収する方法が無く、これを除去するには全体を分解しなければならない。
【0011】
第5に排水ノズル58は継手本体51から下方に垂直に設けられており、これにビニールハウスの屋根面に沿って設けた斜め又は水平なホースを接続すると、ホースの接続部が折れ曲がり、使用中にホースが破損し、切断するおそれがある。又排水ノズル58が下方に向けて垂直であるからホースが重量,振動等で抜けてしまうおそれがある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、シール材を塗布しなくてもシート側又はシート止め材側から流れた結露水を必ず回収でき、段差を発生させてシートの破損が発生するのを防止でき、集水口に溜ったごみ等を外部から簡単に回収でき、ホースのはずれや破損の発生を防止できるビニールハウスにおける結露回収装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、継手と、継手の両側に嵌合させたシート止め材とからなり、シート止め材はシート止め溝と結露受け部とを有し、継手は本体と、本体の上側に設けたシート止め溝用の第1の差込溝と、同じく結露受け部用の第2の差込溝と、第1,第2の差込溝の途中に下方に向けて設けた集水口と、集水口に接続した排水ノズルとを備えているビニールハウスにおける結露回収装置において、本体の両側と前側とに互いに連通する左右一対の樋溝と前側の樋溝とを設け、両側の樋溝にそれぞれ第1,第2の差込溝を連通させると共に前側の樋溝に集水口を連通させたことを特徴とするものである。
【0014】
この場合、左右一対の樋溝と前側の樋溝とは本体の両側と前側とに一体に連設した断面L字状のフレームとで構成され、両側のフレームの上端は第1,第2の差込溝の底面より低く成形されているのが好ましい。
【0015】
同じく、前側のフレームに前側の樋溝に連通する排水ノズルを水平方向に向けて設け、本体の後側上部に集水口に開口する孔を設けているのが好ましい。
【0016】
同じく、本体の上面には第1,第2の差込溝を規制するガイドフレームを長手方向に沿って起立し、シート止め材にはガイドフレームに嵌合する溝フレームを形成し、上記ガイドフレームには集水口に対応する位置にストッパを起立させ、このストッパで両側から差込んだシート止め材の嵌合ストロークを規制させているのが好ましい。
【0017】
同じく、排水ノズルの外周に円周方向に沿うリブを複数形成し、ノズルに差込むホースを環状溝19を連続して設けた硬質材で成形し、環状溝をリブに嵌合することによりワンタッチでホースをノズルに連結するのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図にもとづいて説明する。
【0019】
本発明に係るビニールシートの結露回収装置Aは図2に示すように継手1と、継手1の左右両側に嵌合させたシート止め材2,2とからなっている。
【0020】
シート止め材2,2はシート止め溝3と結露受け部4とを有し、これはジョイント21を介してビニールハウスのアーチパイプ22に固定され、シート止め材2のシート止め溝3に定着されたビニール等からなるシートSがアーチパイプ22上に展張され、あるいは換気用の巻き取りシートとして使用されている。このようにシートSを展設した時シートSのハウス内側内面に多数の結露Kが付着し、この結露Kがある重さになるとシートSの内側に沿って流下してシート止め材22に当り、この時各結露Kは結露受け部4内に落ち込み、この結露受け部4を介して矢印で示すように継手1内に流れ込み、更に継手1に接続されたホース20より樋23に回収される。
【0021】
シートSは換気用に使用する場合、上記したようにシート止め材2に定着され、図2に示すようにシートSの一端が巻き取り軸24に巻き付けられて換気用シートとして使用される。尚、シートSは一般の開口部巾狭の蟻溝フレームに定着され、この蟻溝フレームを継手1に結合し、蟻溝フレームを流れる水を継手1で回転するようにしても良い。
【0022】
次に、結露回収装置Aの構成を詳細に説明する。
【0023】
これは図1に示すように、継手1と、継手1の両側に嵌合させたシート止め材2,2とからなり、シート止め材2はシート止め溝3と結露受け部4とを有している。継手1は本体10と、本体10の上側に設けたシート止め溝用の第1の差込溝5と、同じく結露受け部用の第2の差込溝6と、第1,第2の差込溝5,6の途中に前後方向に横断し且つ下方に向けて設けた集水口7と、集水口7に接続した排水ノズル8とを備えている。
【0024】
更に継手1は図1及び図3乃至図6に示すように、本体10の左右両側と前側とに互いに連通する左右一対の樋溝9a,9bと前側の樋溝9cとを設け、両側の樋溝9a,9bにそれぞれ第1,第2の差込溝5,6の両側開口部を直接連通させると共に前側の樋溝9cに集水口7を連通させている。
【0025】
この場合、左右一対の樋溝9a,9bと前側の樋溝9cとは本体10の両側と前側とに一体に連設した断面L字状のフレーム11,12,13とで構成され、両側のフレーム11,12の上端a,bは第1,第2の差込溝5,6の底面5a,6aより低く成形されている。
【0026】
更に前側のフレーム13にはフローガイド26を下方に向けて一体に設け、このフローガイド26の外端には集水口7と前側の樋溝9cに連通する排水ノズル8を水平方向に向けて設け、又本体10の後側上部に集水口7に開口する孔14を設けている。
【0027】
更に本体10の上面には第1,第2の差込溝5,6を区画するように規制するガイドフレーム15,16を長手方向に沿って起立している。他方シート止め材2,2にはこのガイドフレーム15,16に嵌合するやや逆U字状の溝フレーム17,17を形成している。又上記ガイドフレーム15,16には集水口7に対応する位置にストッパ27を起立させ、このストッパ27に両側から差込んだシート止め材2,2の端部を当接して当該シート止め材2,2の嵌合ストロークを規制させている。
【0028】
排水ノズル8にはホース20を差し込み、このホース20はアーチパイプ22に沿って樋23側又はハウス外に延びている。ホース20は排出ノズル8に図6,図7に示すように差し込んでも良いが、図8に示すような方法で両者を結合するのが好ましい。即ち、排水ノズル8の外周に円周方向に沿うリブ18を複数形成し、排水ノズル8に差込むホース20を環状溝19を連続して設けた硬質材で成形し、環状溝19をリブ18に嵌合することによりワンタッチでホース20を排水ノズル8に連結するものである。
【0029】
図6,図7に示すホース20は先端20aが円筒状に形成されており、この先端20aを排水ノズル8に差し込んだ時、排水ノズル8の外周リブ8aのフリクションで抜けなくなり、必要に応じて両者を楔部材を介して締結する。もちろんこのような使用も可能であるが、ホース20の先端20aが破損した場合は再使用が困難となり、新しいホースを交換する必要があるが、この場合は必ず先端が円筒状になったものを交換する必要がある。
【0030】
ところが、図8に示すようなホース20の構造であると、先端の構造が規制されていないので、ホース20自体を任意の位置で切断し、そのまま排水ノズル8側に嵌合すれば良いので、あらかじめ長いホースさえ用意しておけば、新しいホースと交換する場合であってもそのホースを任意に切断して使用できるものである。
【0031】
次に結露を回収する場合の作用について説明する。
【0032】
図2で説明したように、シートSの内面に付着した結露Kは結露受け部4を介して継手1方向に水となって流れ、継手1ではこの水は集水口7に流れ込み、更に排水ノズル8とホース20を介して外部に排出される。この際集水口7に流れずに、一部の水がシート止め材2,2の下面と継手1の本体10の上面との間の隙間を介して漏れ出ることがあるが、この漏れた水は左右の樋溝9a,9bに回収され、更に前側の樋溝9cを介してホース20側に排出されるので、継手1の両サイドから水がハウス内に落下するのが防止できる。
【0033】
更に結露はシートSの内面のみならずシート止め材2自体の底面にも付着し、これが継手1側に結露水として流れる場合がある。しかしこの場合であっても、図4に示すように、左右の樋溝9a.9bを規制する両側のフレーム11,12の上面a,bは本体10の上面より底いので、このフレーム11,12とシート止め材2,2との間には隙間ができ、シート止め材2の下面を流下する結露水はフレーム11,12に干渉されず、隙間を介して本体10まで流れ、本体10に当った時落下して樋溝9a,9b内に回収される。この為、シート止め材2から結露水がぽたぽたとハウス内に落下するのが防止される。
【0034】
集水口7に連通する孔14は本体の上方に位置するから、この孔14より水が流出することは無い。この孔14は集水口7にごみ,かびが溜ったり,虫が侵入したような場合に外部から棒や治具を差し込んで、これらのごみ等を除去するものである。
【0035】
ストッパ27はシート止め材2の嵌合ストロークを規制するものであるが、これが集水口7の上方に位置し、両側のシート止め材2,2における溝フレーム17,17の高さレベルを均一にして水平にするから、シートSがガイドフレーム15,16のエッジに引掛けられて破損するのが防止できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果がある。
【0037】
(1) 各請求項の発明によれば、継手は本体の両側と前側互いに連通する左右一対の樋溝と前側の樋溝を設け、これらの樋溝を第1,第2の差込溝に連通させているから、集水口に回収されない一部の結露水が漏れてもこれらの結露水は左右の樋溝に回収され、外部に排出できる。この為、従来のように結露水の漏れを防止するシールを設ける必要が無く、継手に対するシート止め材の組付性が向上し、部分の交換も容易となる。
【0038】
(2) 請求項2の発明によれば、左右の樋溝を構成する両側のフレームの上端が第1,第2の差込溝の底面より低く成形されているので、シート止め材を継手に装着した時このシート止め材の下面と上記フレームの上面との間には左右の樋溝に開口する隙間が形成される。その結果シート止め材の下面に付着した結露水が流下した時この結露水は左右の樋溝に回収され、シート止め材の下面からハウス内に結露水がぽたぽたと落下するのを防止できる。
【0039】
(3) 請求項3の発明によれば、排水ノズルが水平方向に向けて設けられているので、このノズルに接続されるホースがアーチパイプや屋根面に沿って水平に配置された時、ノズルとホースが同一直線上に延び、ノズルに対するホースの端部が屈曲せず、ホースの破損を防止できる。
【0040】
(4) 請求項4の発明によれば、ガイドフレームにストッパを起立しているので両側のシート止め材における溝フレームの端部をこのストッパに当接することでシート止め材の嵌合ストロークを規制し、且つストッパとシート止め材側の溝フレームとの高さレベルを同一にして水平に出来る。この為、ガイドフレームや溝フレームの端部が集水口上に露出せず、シートが引掛けられず、このシートの損傷,破損を防止できる。
【0041】
(5) 請求項5の発明によれば、排水ノズルのリブにホース側の環状溝が嵌合するため、ノズルに対してホースをワンタッチで結合できる。しかも、ホースは任意の位置で切断してもその端部近傍には必ず環状溝が形成されており、常にホースを排水ノズルに接続でき、ホースが破損して交換する場合があっても、例えば円筒状の接続口を備えた単一ホースを使用する必要が無く、長いホースをあらかじめ用意しておくだけで交換に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結露回収装置の一部切欠き分解斜視図である。
【図2】図1の結露回収装置をビニールハウスに取付けた状態の斜視図である。
【図3】図1の継手の拡大斜視図である。
【図4】図1のX−X線縦断拡大正面図である。
【図5】図1のY−Y線縦断拡大正面図である。
【図6】図1の中央縦断拡大側面図である。
【図7】図1の排水ノズル部の縦断拡大側面図である。
【図8】他の実施の形態に係る排水ノズルとホースの接続構造の縦断拡大側面図である。
【図9】従来の結露回収装置の一部切欠き分解斜視図である。
【符号の説明】
1 継手
2,2 シート止め材
3 シート止め溝
4 結露受け部
5 第1の差込溝
5a,6a 底面
6 第2の差込溝
7 集水口
8 排水ノズル
9a,9b,9c 樋溝
10 本体
11,12,13 フレーム
14 孔
15,16 ガイドフレーム
17,17 溝フレーム
18 リブ
19 環状溝
20 ホース
27 ストッパ
Claims (5)
- 継手1と、継手の両側に嵌合させたシート止め材2,2とからなり、シート止め材はシート止め溝3と結露受け部4とを有し、継手は本体10と、本体10の上側に設けたシート止め溝用の第1の差込溝5と、同じく結露受け部用の第2の差込溝6と、第1,第2の差込溝5,6の途中に下方に向けて設けた集水口7と、集水口に接続した排水ノズル8とを備えているビニールハウスにおける結露回収装置において、本体10の両側と前側とに互いに連通する左右一対の樋溝9a,9bと前側の樋溝9cとを設け、両側の樋溝にそれぞれ第1,第2の差込溝5,6を連通させると共に前側の樋溝に集水口7を連通させたことを特徴とするビニールハウスにおける結露回収装置。
- 左右一対の樋溝9a,9bと前側の樋溝9cとは本体10の両側と前側とに一体に連設した断面L字状のフレーム11,12,13とで構成され、両側のフレーム11,12の上端は第1,第2の差込溝5,6の底面5a,6aより低く成形されている請求項1のビニールハウスにおける結露回収装置。
- 前側のフレーム13に前側の樋溝9cに連通する排水ノズル8を水平方向に向けて設け、本体10の後側上部に集水口7に開口する孔14を設けている請求項1又は2のビニールハウスにおける結露回収装置。
- 本体10の上面には第1,第2の差込溝5,6を規制するガイドフレーム15,16を長手方向に沿って起立し、シート止め材2,2にはガイドフレーム15,16に嵌合する溝フレーム17,17を形成し、上記ガイドフレーム15,16には集水口7に対応する位置にストッパ27を起立させ、このストッパ27で両側から差込んだシート止め材2,2の嵌合ストロークを規制させている請求項1,2又は3のビニールハウスにおける結露回収装置。
- 排水ノズル8の外周に円周方向に沿うリブ18を複数形成し、ノズルに差込むホース20を環状溝19を連続して設けた硬質材で成形し、環状溝19をリブ18に嵌合することによりワンタッチでホース20をノズル8に連結した請求項1,2,3又は4ののビニールハウスにおける結露回収装置。
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