JP3591666B2 - ディスク用クランプ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光ディスクや光磁気ディスク、磁気ディスクなどのディスクを狭持し回転させるためのディスク用クランプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のディスク用クランプ装置として、図4に示すものがあった。図4において401はコンパクトディスクで、401aはその情報記録面、401bはセンターホールである。402はコンパクトディスク401を載置するディスクテーブルであり、金属または合成樹脂またはこれらを組み合わせた材質で形成されている。またディスクテーブル402の外径は、情報記録面401aの情報記録部内周より若干小さい径に設定してあり、その中央にはセンターホール401bに嵌合してコンパクトディスク401を位置決めする円錐台部402aが突設されている。そしてこのディスクテーブル402は図示しないモータの回転軸403に固定されている。また、ディスクテーブル402と載置したコンパクトディスク401とが当接する部分には被膜402bが固着されている。
【0003】
被膜402bは粘弾性を有する軟質の合成樹脂からなり、60μm程度の一定の膜厚を有している。
【0004】
404はコンパクトディスク401をディスクテーブル402に圧着するためのクランパであり、金属または合成樹脂またはこれらを組み合わせた材質で形成されている。またクランパ404の上面中央には剛性を有したボール405が回転自在に配置されており、その下面には上記円錐台部402aの中央に形成された逆円錐凹部に嵌合自在な逆円錐突起部404aが突設され、クランパ404の外周にはフランジ部404bが形成されている。
【0005】
406はクランパホルダで、その一端はピン407により回転自在に枢着されている。また、クランパホルダ406の他端にはフランジ部404bと係合自在なフック406aが形成されている。なおクランパホルダ406は図示しないディスクプレーヤの他の機構により回動して、クランパ404を開閉するように構成されている。
【0006】
ここで、コンパクトディスク401を演奏する場合は、クランパホルダ406が図示しないディスクプレーヤの他の機構により、ボール405を介して所定の応力でクランパ404を付勢するため、クランパ404はディスクテーブル402と協働してコンパクトディスク401を圧着挟持している。
【0007】
このためディスクテーブル402が回転すると、被膜402bの摩擦によりコンパクトディスク401のスリップを防止し、ディスクテーブル402、コンパクトディスク401、クランパ404は一体となって回転する。また被膜402bが粘弾性を有する軟質の合成樹脂からなるため、回転軸403やクランパホルダ406を介して伝達される外乱による機械振動を制振している。
【0008】
このように、ディスクテーブル402に粘弾性を有する被膜402bが固着されていることから、ディスクプレーヤの演奏時において、コンパクトディスク401の回転制御を安定させている。
【0009】
また、コンパクトディスク401の演奏を終了または中断、中止してクランプ解除する場合には、図示しないディスクプレーヤの他の機構により、クランパ404のフランジ部404bをフック406aに引っ掛けてクランパ404をコンパクトディスク401から離反させて、コンパクトディスク401の圧着挟持を解いている。
【0010】
図5は、図4に示すB部を拡大した詳細図である。図中501(太線の部分)は、コンパクトディスク401がディスクテーブル402に載置されてクランプされた場合に、被膜402bがその外表面全体にわたって、コンパクトディスク401と接している当接面である。
【0011】
従来は上記のように構成されており、被膜402bは、その粘弾性でコンパクトディスク401の演奏時においてはコンパクトディスク401とディスクテーブル402がスリップするのを防止し、かつコンパクトディスク401に加わる外乱による機械振動を制振する役割を有するとともに、クランプ解除した場合には、コンパクトディスク401をディスクテーブル402から外すことができるようにしていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コンパクトディスク401の演奏が長時間に及んだり、コンパクトディスク401を載置またはクランプしたまま放置したりすると、コンパクトディスク401の自重やクランパ404の圧着力により、被膜402bがコンパクトディスク401に貼りついてしまって、コンパクトディスク401がディスクテーブル402から容易にはがれなくなる場合がある。
【0013】
とくに高温の環境下では、被膜402bが温度上昇とともに軟化してコンパクトディスク401への粘着度を増し、高湿度の環境下では、水分が被膜402bとコンパクトディスク401が接触している境界部分の隙間を充当して、実質的に接触する面積を増やして密着度を増してしまう。
【0014】
このため、コンパクトディスク401を取り出したり、交換したりする際に、コンパクトディスク401、クランパ404、ディスクテーブル402を破損したり、クランパ404、ディスクテーブル402から被膜がはがれる、あるいはディスクプレーヤが誤動作してしまうという欠点があった。
【0015】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ディスクプレーヤが様々な環境下におかれても、演奏時には、コンパクトディスクとディスクテーブルがスリップするのを防止し、かつクランプ解除した場合には、コンパクトディスクをディスクテーブルから容易に遊離させることのできる被膜を備えたディスク用クランプ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は上記目的を達成するために、ディスクを載置して回転させるディスクテーブルと、前記ディスクテーブルと協働して前記ディスクを圧着挟持するクランパとを備えたディスク用クランプ装置において、前記ディスクテーブルまたは前記クランパは、前記ディスクを挟持する面に固着された被膜を備え、前記被膜は、粘弾性を有する複数個の微小粒および合成樹脂の混合体で構成され、前記微小粒の少なくとも一部は、前記被膜の外表面の前記合成樹脂から露出して、該被膜の外表面に複数の凸部を形成し、前記クランパにより圧着挟持する際に該凸部がつぶれることによって前記ディスクをクランプすることを特徴とするディスク用クランプ装置。
【0017】
【作用】
本発明は、以上のように構成したので、ディスクプレーヤが様々な環境下におかれ、コンパクトディスクを長時間ディスクテーブルに載置したり、コンパクトディスクの演奏が長時間に及んだり、コンパクトディスクをクランプしたまま放置したりしても、コンパクトディスクがクランプ解除される場合は、圧着され、つぶされてコンパクトディスクと接触していた複数の凸部はクランプされる前の凸部形状に復帰するため、被膜がコンパクトディスクに貼りつくことがなく、コンパクトディスク401をディスクテーブル402から容易に遊離させることができるため、コンパクトディスク、クランパの破損や被膜のはがれを防止することができる。また、ディスクプレーヤの誤動作を防ぐことができる。
【0018】
【実施例】
つぎに、本発明の一実施例を図1乃至図3に基づいて以下に説明するが図4について上述した従来のものと同等の部分には同一の符号を付してある。
【0019】
図1は本発明における被膜がディスクテーブルに固着された状態を示す断面図である。図中101は被膜である。被膜101は、ディスクテーブル402にコンパクトディスク401が載置される面に合成樹脂塗料を吹き付けまたは塗布または電着塗装し乾燥または焼き付けした合成樹脂の被膜である。
【0020】
また図2は、図1に示すA部を拡大した詳細図である。図中201は微小粒であり、10μm〜50μm程度の粒径範囲で分散し、粘弾性を有するウレタン樹脂である。また、202は粘弾性を有するウレタン樹脂からなる合成樹脂である。
【0021】
被膜101は、合成樹脂に相当量の微小粒201を混入させて、均一に混合されるように十分撹拌し、ディスクテーブル402のコンパクトディスク401が載置される面に吹付け塗装し、乾燥させて固着させたものである。
【0022】
被膜101の合成樹脂202の膜厚は20〜60μm程度の膜厚から選択され、具体的には微小粒201の粒径によって決定される。例えば微小粒201が約10μmの粒径であった場合はおよそ20μm程度にすることが好ましく、ディスクプレーヤのディスククランプ装置が通常の開閉動作をした場合に、微小粒201がその粘着力でコンパクトディスク401に付着しない程度となっている。したがって、合成樹脂202は微小粒201を保持するバインダの役割も有している。なお、微小粒の大きさは均一でなくても良く、その場合膜厚は微小粒径の最大値によって決定される。
【0023】
以上のことから、被膜101の下層の微小粒201は合成樹脂202に埋もれているが、表面の微小粒201はその一部が外表面の合成樹脂202から露出して、被膜101の外表面に複数の凸部を形成している。
【0024】
次に、被膜101が固着されたディスクテーブル402とクランパ404が協働してコンパクトディスク401を圧着狭持して、被膜101の外表面に形成された複数の凸部に作用する場合について述べる。
【0025】
まず、被膜101が固着されたディスクテーブル402にコンパクトディスク401を載置すると、コンパクトディスク401は被膜101の外表面に形成された複数の凸部の一部と当接する。
【0026】
当接する複数の凸部は、コンパクトディスク401の自重が加わって若干つぶされることによって、コンパクトディスク401と平行で微小の面積を有する複数のスポット面を形成する。
【0027】
次に、コンパクトディスク401がクランパ404によって圧着されると、当接する複数の凸部はさらにつぶされて、スポット面はその面積を増して複数の当接面を形成する。
【0028】
図3は、本発明における被膜101がコンパクトディスク401のクランプ時において、コンパクトディスク面に圧着される様子を示した断面図である。
【0029】
図中301(太線の部分)は、コンパクトディスク401がディスクテーブル402に載置されてクランプされた場合に、図2における被膜101の外表面の複数の凸部が圧着され、つぶされて、コンパクトディスク401と接触する当接面である。
【0030】
当接面301はコンパクトディスク401のクランプ時には、被膜101の外表面全体にわたって複数存在するが、その面積は従来の被膜402bがコンパクトディスク401と当接する面積に比べて極めて小さいものとなり、密着度を大幅に減少させることができる。
【0031】
なお、被膜101は粘弾性を有しているため、コンパクトディスク401がクランプ解除されて被膜101から遊離した場合は、圧着され、つぶされてコンパクトディスク401と接触していた複数の凸部は、コンパクトディスク401がクランプされる前の凸部形状に復帰する。
【0032】
次に、本発明における被膜101が固着されたディスクテーブル402を用いて種々の環境下においてコンパクトディスクを所定時間クランプした後に、クランプ解除してコンパクトディスクが被膜101に張り付くか否かを従来の被膜402bが固着されたディスクテーブル402を用いた場合と比較実験した結果を下記の表1に示す。なお表1では被膜402bはサンコートGR#305RF(サンエス潤滑(株)製)を、被膜101はデフリックコートFCS−5((株)川邑研究所製)を用いている。
【0033】
【表1】
【0034】
上記表1よりわかるように本発明における被膜101は高温、高湿、サーマルいずれの環境下においてもコンパクトディスクへの張り付きはなく、従来の被膜402bとの優位差は明白である。
【0035】
なお本実施例では、水平に設けられたディスクテーブルにコンパクトディスクを載置して、狭持するディスククランプ装置として説明したが、コンパクトディスクを垂直に狭持するディスククランプ装置に用いてもよい。
【0036】
また、被膜は、ディスクテーブルに固着されたものとして説明したが、クランパのコンパクトディスクを狭持する面に固着された場合も同様の効果を得ることができる。
【0037】
また、被膜は、ディスクテーブルがコンパクトディスクを狭持する面に合成樹脂塗料を吹き付けたものとして説明したが、合成樹脂塗料を塗布または電着塗装して得られたものであってもよいし、さらには、ディスクテーブルを合成樹脂塗料に浸して得られたものであってもよい。
【0038】
また、合成樹脂塗料はウレタン樹脂の塗料として説明したが、被膜として用いた場合、粘弾性を有する軟質の材料であれば揮発性の溶剤を混合させたものであってもよいし、熱硬化性のものであってもよい。
【0039】
また、微小粒はウレタン樹脂として説明したが、粘弾性を有する材料であればすべて適用される。
【0040】
さらに、微小粒は中空で構成されていてもよいし、その輪郭形状は球形に限らず、本発明における複数の凸部が形成されれば不均一であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したため、ディスクプレーヤが様々な環境下において、コンパクトディスクを長時間ディスクテーブルに載置したり、コンパクトディスクの演奏が長時間に及んだり、コンパクトディスクをクランプしたまま放置したりしても被膜がコンパクトディスクに貼りつくことがないため、コンパクトディスクをディスクテーブルまたはクランパから容易に遊離させることができるので、コンパクトディスクを取り出したり、交換したりする際に、コンパクトディスク、クランパ、ディスクテーブルを破損したり、クランパ、ディスクテーブルの被膜がはがれたり、ディスクプレーヤが誤動作することのないディスク用クランプ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における被膜がディスクテーブルに固着された状態を示す断面図である。
【図2】図1に示すA部を拡大した詳細図である。
【図3】本発明における被膜がコンパクトディスクのクランプ時において、コンパクトディスク面に圧着される様子を示した断面図である。
【図4】従来におけるディスク用クランプ装置を示した図である。
【図5】図4に示すA部を拡大した詳細図である。
【符号の説明】
101・・・・被膜
201・・・・微小粒
202・・・・合成樹脂
301・・・・当接面
401・・・・コンパクトディスク
401a・・・情報記録面
401b・・・センターホール
402・・・・ディスクテーブル
402a・・・円錐台部
402b・・・被膜
403・・・・回転軸
404・・・・クランパ
404a・・・逆円錐突起部
404b・・・フランジ部
405・・・・ボール
406・・・・クランパホルダ
407・・・・ピン
501・・・・当接面
Claims (1)
- ディスクを載置して回転させるディスクテーブルと、
前記ディスクテーブルと協働して前記ディスクを圧着挟持するクランパとを備えたディスク用クランプ装置において、
前記ディスクテーブルまたは前記クランパは、前記ディスクを挟持する面に固着された被膜を備え、
前記被膜は、粘弾性を有する複数個の微小粒および合成樹脂の混合体で構成され、前記微小粒の少なくとも一部は、前記被膜の外表面の前記合成樹脂から露出して、該被膜の外表面に複数の凸部を形成し、前記クランパにより圧着挟持する際に該凸部がつぶれることによって前記ディスクをクランプすることを特徴とするディスク用クランプ装置。
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| JP09794095A JP3591666B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | ディスク用クランプ装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09794095A JP3591666B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | ディスク用クランプ装置 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09794095A Expired - Fee Related JP3591666B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | ディスク用クランプ装置 |
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