JP3594509B2 - 採痰ブース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は病院などに設置する採痰ブースに関し、詳しくは、ブース内を負圧に保って換気する換気手段を備え、この負圧換気下のブース内で被検査者から検査用の痰を採取する採痰ブースに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の採痰ブースでは、ブース内を負圧に保つことにより、痰の採取の際に飛散する菌がブース外に漏出するのを防止し、また、外部空気の導入を伴うブース内換気によりブース内を良好な雰囲気に保つようにするが、従来、この種の採痰ブースとしては、図3に示すように、循環ファン10によりブース内採痰室2から室内空気RAを吸入し、この吸入空気を循環路9及びブース内採痰室2の天井部全面にわたる高性能フィルタ13を通じ換気用空気SAとしてブース内採痰室2に吹き出し供給し、これに併行して、排気ファン14によりブース内採痰室2の室内空気を排気路15を通じ排気EAとして外部へ排出するとともに、この空気排出により負圧化するブース内採痰室2へ空気取入路7を通じて外部の新鮮空気OAを導入するようにしたものがある。
【0003】
また、図4に示すように、排気ファン14によりブース内採痰室2の室内空気RAを排気路15を通じ排気EAとして外部へ排出するとともに、この排出空気を高性能フィルタ16により浄化し、そして、この空気排出により負圧化するブース内採痰室2へ空気取入路7及び天井部全面にわたる天井吹出口5を通じて外部空気OAを導入するようにしたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図3に示す前者の採痰ブースでは、循環路9を通じての空気循環において高性能フィルタ13により浄化した空気SAをブース内採痰室2の天井部全面から室内に吹き出し供給することから、ブース内採痰室2を負圧にしながらも、その室内清浄度を高く維持することができて、採取した検査用の痰がブース外部からの侵入菌により汚染されることを効果的に防止でき、この点、痰検査の正確性を高く維持できる利点があるが、循環ファン10と排気ファン14との二台のファンを要するため、装置コスト及びランニングコストが高く付く問題があり、また、室内の負圧化により外部への菌漏出を防止するものの、排気路15を通じて外部へ排出する空気EAに痰採取の際の飛散菌が含まれて周囲汚染を招く危険性があった。
【0005】
一方、図4に示す後者の採痰ブースでは、ブース内採痰室2の負圧化及び高性能フィルタ16による排気浄化により外部への菌漏出をほぼ確実に防止でき、また、ファンも排気ファン14の一台だけですむ利点があるが、ブース内採痰室2において十分な室内気流を形成するに足りる大量の外部空気OA(すなわち、図3に示す採痰ブースでの循環路風量に相当する量の外部空気)を空気取入路7を通じ導入して、その導入外部空気OAをブース内採痰室2の天井部全面から室内に供給するため、その大量の導入外部空気OAとともにブース外部から侵入する菌により、採取した検査用の痰が汚染されて痰検査の検査結果に誤りを招く危険性が高い問題があった。
【0006】
そしてまた、前者のものでは、改良として排気路15にも高性能フィルタを介装することで外部への菌漏出を確実に防止することが考えられるが、この場合、採痰室天井部と排気路との二箇所に高性能フィルタが必要になって、高性能フィルタの配備箇所数が多くなることで、フィルタ交換のメンテナンス作業が煩雑になる問題が生じる。
【0007】
また、後者のものでは、改良として空気取入路7ないし天井吹出口5にも高性能フィルタを配備することで外部からの菌侵入を防止することが考えられるが、この場合、単に高性能フィルタの配備箇所数が多くなるだけでなく、前記の如き大量の導入外部空気を浄化する高性能フィルタと、それと同量の大量排気を浄化する高性能フィルタとが、ブース内採痰室2に対する通気経路上で直列に並ぶ形態となって、ブース内採痰室2に対する全体としての通気抵抗が極めて大きくなり、この為、排気ファン14に極めて強力なファンが必要になる、ないしは、空気取入路7にもファンの介装が必要になって二台のファンが必要になり、このことで装置コスト及びランニングコストが高く付く問題が生じる。
【0008】
これらの実情に鑑み、本発明の主たる課題は、ブース内を負圧に保った状態で換気することにおいて、合理的な風路構成を採用することにより上記の如き問題を効果的に解消する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明では、採痰ブース内を負圧に保って換気する換気手段として、
ブース内採痰室へその天井部のほぼ全面から換気用空気を吹き出す天井吹出口と、
前記ブース内採痰室へ外部空気を取り入れる空気取入路と、
循環ファンにより前記ブース内採痰室から室内空気を吸入して、その吸入空気を換気用空気として前記天井吹出口に送る循環路と、
この循環路を通じて前記天井吹出口に送る空気を浄化する高性能フィルタと、
前記循環ファン及び前記高性能フィルタ夫々の介装箇所よりも下流側で前記循環路から分岐されて、前記ブース内採痰室からの吸入空気の一部を外部へ排出する分岐排気路とを設ける構成にする。
【0010】
つまり、この構成では、上記循環路を通じての循環ファンによる空気循環において、ブース内採痰室からの吸入空気を高性能フィルタにより浄化し、この浄化空気を換気用空気として天井吹出口を通じブース内採痰室の天井部のほぼ全面からブース内採痰室の室内へ吹き出し供給する。
【0011】
また、これに併行して、循環ファン及び高性能フィルタ夫々の介装箇所よりも下流側で循環路から分岐した分岐排気路を通じ、高性能フィルタにより浄化したブース内採痰室からの吸入空気の一部を、循環ファンの送風機能を利用して外部へ排出し、この空気排出により負圧化するブース内採痰室へ空気取入路を通じて外部の新鮮空気を導入する。
【0012】
すなわち、請求項1に係る発明によれば、上記の如く、高性能フィルタにより浄化した空気をブース内採痰室の天井部のほぼ全面から室内へ吹き出し供給するから、先述の図3に示す採痰ブースと同様、ブース内採痰室を負圧にしながらも、その室内清浄度を高く維持することができて、採取した検査用の痰がブース外部からの侵入菌により汚染されることを効果的に防止でき、痰検査の正確性を高く維持することができる。
【0013】
また、ブース内採痰室からの吸入空気を高性能フィルタにより浄化して、その浄化した吸入空気の一部を外部へ排出するから、ブース内採痰室の負圧化と相俟って、痰採取の際の飛散菌がブース外に漏出することをほぼ確実に防止でき、周囲汚染に対する安全性も高く確保することができる。
【0014】
しかも、循環路に介装の循環ファンを外部への空気排出のための排気ファンに兼用する形態を採ることから、ファンの必要台数を少なくすることができ、また、循環路に循環ファンと高性能フィルタとを介装することから、先述の図4に示す採痰ブースにおいて空気取入路や天井吹出口にも高性能フィルタを配備する場合のように、ブース内採痰室に対する通気経路上で高性能フィルタが直列に並ぶ形態になってファンに強力なものが必要になるといったこともなく、これらの点で装置コスト及びランニングコストを安価にすることができる。
【0015】
そしてまた、循環路に介装する高性能フィルタを、天井吹出口に対する送り空気用のフィルタと外部排出空気用のフィルタとに兼ねる形態を採ることから、高性能フィルタの配備箇所数を少なくすることができて、フィルタ交換のメンテナンス作業も容易にすることができ、これらのことから、先述の図3や図4に示す従来ブースに比べ、全体として一層優れた採痰ブースにすることができる。
【0016】
なお、空気取入路は、外部空気をブース内採痰室へ直接に導入する風路、あるいは、循環路を通じて循環空気との合流状態で外部空気をブース内採痰室へ導入する風路のいずれであってもよく、特に、循環ファン及び高性能フィルタ夫々の介装箇所よりも上流側で循環路に空気取入路を接続する構成を採れば、空気取入路への高性能フィルタの付加配備を不要にしながら、導入外部空気の浄化も併せ行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は採痰ブースを示し、1はブース躯体、2はブース内に形成した採痰室であり、このブース内採痰室2で被検査者から検査用の痰を採取する。
【0018】
3はブース内採痰室2の天井を形成する多孔板であり、この多孔板3の裏面側におけるブース内空間(天井裏空間)を給気チャンバ4として、ブース内採痰室2の天井部全面を上記多孔板3からなる天井吹出口5にし、給気チャンバ4に供給される換気用空気SAを、この天井吹出口5からブース内採痰室2の室内全体に対し均一に吹き出し供給するようにしてある。
【0019】
6はブース内採痰室2の室内下部に配置した空気取入口であり、この空気取入口6に接続の空気取入路7を通じて外部の新鮮空気OAを空気取入口6からブース内採痰室2に導入する。
【0020】
また、8は同じくブース内採痰室2の室内下部に配置した吸込口であり、この吸込口8と天井裏の給気チャンバ4とを接続する循環路9を設け、この循環路9に循環ファン10及び高性能フィルタ11(例えばHEPAフィルタ)を介装してある。
【0021】
つまり、循環ファン10により、ブース内採痰室2の室内空気RAを吸込口8から吸入して、その吸入空気RAを循環路9を通じ給気チャンバ4に送る空気循環を行い、この空気循環において、高性能フィルタ11により浄化した空気RA′を換気用空気SAとして天井吹出口5からブース内採痰室2に吹き出し供給することで、ブース内採痰室2の室内清浄度を高く保ち、これにより、ブース内採痰室2において被検査者からの採取痰が外部からの侵入菌により汚染されることを防止する。
【0022】
12は循環ファン10及び高性能フィルタ11夫々の介装箇所よりも下流側で循環路9から分岐した分岐排気路であり、循環路9において高性能フィルタ11により浄化した空気RA′の一部を、循環ファン10の送風機能を利用した状態で、この分岐排気路12から排気EAとして外部へ排出する。
【0023】
すなわち、この空気排出によりブース内採痰室2を負圧状態に保つことで、また、高性能フィルタ11による浄化済み空気EAを外部へ排出することで、採痰の際にブース内採痰室2で飛散する菌が外部へ漏出することを防止し、そしてまた、この負圧化に伴い前記の空気取入路7を通じて外部の新鮮空気OAをブース内採痰室2に取り入れる。
【0024】
図中Vは風量調整ダンパであり、これらダンパVによる各部の風量調整をもって、ブース内採痰室2の負圧化程度の調整や換気回数の調整を行う。
【0025】
図2は、上記の図1に示す採痰ブースをパッケージ化(換言すればユニット化)して病院等への設置を容易にしたものを示し、ブース躯体としての箱体1の内部を、給気チャンバ4とする上層域aと、その下部で採痰室2とする室域bと、上層域aの下部で箱体1の一側壁寄りに配置した風路域cとの三域に区画し、上層域aと室域bとの間は、天井吹出口5とする多孔板3により仕切ってある。
【0026】
室域bと風路域cとを仕切る内壁dの下部には、室域bと風路域cとを連通させる下部連通口eを形成し、また、風路域cとその上部の上層域aとは上部連通口fを通じて連通させ、これにより、下部連通口eを採痰室2に対する吸込口8にして、風路域cの内部を吸込口8と給気チャンバ4とを結ぶ循環路9にしてある。
【0027】
風路域cの内部は隔壁gにより上下に仕切り、この隔壁gに形成の開口hにファン吐出口を上向きにして接続する形態で、循環ファン10を風路域cに内蔵し、また、上記の上部連通口fをフィルタ取付用開口とする形態で、高性能フィルタ11も風路域cに内蔵し、これにより、採痰室2とする室域bの域内空気RAを風路域内蔵の循環ファン10により吸込口8としての下部連通口eから風路域cに吸入し、その吸入空気を循環路9としての風路域c及びフィルタ取付用開口としての上部連通口fを通じ給気チャンバ4としての上層域aに送る空気循環を行い、この空気循環において風路域cから上層域aに送る空気RA′(すなわち、天井吹出口5から採痰室2に吹き出す換気用空気SA)を風路域内蔵の高性能フィルタ11により浄化する。
【0028】
箱体1の側壁のうち風路域形成側の側壁の上部には、上層域aを箱体1の外部に連通させる排気口iを形成し、また、箱体1の側壁のうち室域aを形成する側壁の下部には、室域aを箱体1の外部に連通させる空気取入口6を形成し、これにより、内蔵の高性能フィルタ11を通過させて上層域aに送った浄化空気RA′の一部を、内蔵循環ファン10の送風機能を利用した状態で、また、排気口iを外部への分岐排気路12とする形態で、排気口iから箱体1の外部に排出し、この空気排出により採痰室2としての室域aを負圧状態に保つとともに、この負圧化に伴い、空気取入口6を外部空気に対する空気取入路7として、箱体外部の新鮮空気OAを空気取入口6から採痰室2としての室域aに導入する。
【0029】
なお、jは通過風量の調整が可能な開口部装着器具である。
【0030】
s1は自動モードと連続モードとの切り替えを行う運転切替スイッチであり、自動モードの場合、被検査者は採痰室2への入室前に先ず運転スイッチs2をON操作する。運転スイッチs2がON操作されると循環ファン10の運転が開始され、この開始から所定時間(例えば30秒)が経過すると、採痰室2の室内が十分な清浄度に達したとして、入室可能ランプが点灯する。
【0031】
被検査者は入室可能ランプの点灯を確認して採痰室2に入室し痰採取を行う。そして、痰採取が完了すると、被検査者は採痰室2内の終了スイッチs3をON操作する。
【0032】
終了スイッチs3がON操作された後、所定時間(例えば60秒)が経過すると、採痰の際の飛散菌は採痰室2からの空気排出により室内から十分に除去されたとして、退室可能ランプが点灯するとともに循環ファン10の運転が停止され、被検査者は退室可能ランプの点灯を確認して採痰室2から退室する。
【0033】
一方、連続モードの場合、運転スイッチs1をON操作すると、循環ファン10の運転が開始されるとともに運転ランプが点灯する。
【0034】
被検査者は運転ランプの点灯を確認して採痰室2に入室し痰採取を行う。そして、痰採取が完了すると、被検査者は採痰室2内の終了スイッチs3をON操作する。
【0035】
終了スイッチs3がON操作された後、所定時間(例えば60秒)が経過すると、採痰の際の飛散菌は採痰室2からの空気排出により室内から十分に除去されたとして、退室可能ランプが点灯し、被検査者は退室可能ランプの点灯を確認して採痰室2から退室する。なお、循環ファン10の運転は運転切替スイッチs1を切操作するまで継続される。
【0036】
つまり、自動モードは間欠使用において電力の消費及びフィルタの消耗を抑えるのに適した運転モードであり、連続モードは多人数が連続的に使用する場合において各者の待ち時間を短くするのに適した運転モードである。
【0037】
〔別実施形態〕
空気取入路7に高性能フィルタを介装して、空気取入路7からブース内採痰室2へ導入する外部空気OAを浄化するようにしてもよく、また場合によっては、空気取入路7に補助ファンを介装して、ブース内採痰室2の負圧状態を維持する範囲で、その補助ファンにより外部空気導入を補助するようにしてもよい。
【0038】
上述の実施形態では、空気取入路7をブース内採痰室2に対する直接の接続風路にする例を示したが、これに代え、図1において破線で示す如く、循環ファン10及び高性能フィルタ11夫々の介装箇所よりも上流側で循環路9に空気取入路7′を接続するようにしてもよい。
【0039】
また、分岐排気路12の空気排出箇所までの施設長さが長くなる場合には、その分岐排気路12に補助排気ファンを介装して空気排出を補助するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示す採痰ブースの構成図
【図2】パッケージタイプの採痰ブースの構成図
【図3】採痰ブースの従来例を示す図
【図4】採痰ブースの他の従来例を示す図
【符号の説明】
2 ブース内採痰室
5 天井吹出口
7 空気取入路
9 循環路
10 循環ファン
11 高性能フィルタ
12 分岐排気路
OA 外部空気
RA 室内空気
SA 換気用空気
Claims (1)
- ブース内を負圧に保って換気する換気手段を備え、この負圧換気下のブース内で被検査者から検査用の痰を採取する採痰ブースであって、
前記換気手段として、
ブース内採痰室へその天井部のほぼ全面から換気用空気を吹き出す天井吹出口と、
前記ブース内採痰室へ外部空気を取り入れる空気取入路と、
循環ファンにより前記ブース内採痰室から室内空気を吸入して、その吸入空気を換気用空気として前記天井吹出口に送る循環路と、
この循環路を通じて前記天井吹出口に送る空気を浄化する高性能フィルタと、
前記循環ファン及び前記高性能フィルタ夫々の介装箇所よりも下流側で前記循環路から分岐されて、前記ブース内採痰室からの吸入空気の一部を外部へ排出する分岐排気路とを設けてある採痰ブース。
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