JP3594892B2 - ステッピングモータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータに関するもので、特に固定子巻線の相数が2相に適用可能なステッピングモータの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のハイブリッド形ステッピングモータ及び永久磁石形ステッピングモータは2相形のものが主流を占めており、その構造は、例えばハイブリッド形ステッピングモータで示すと、特開平2−1642号公報に記載するように構成されているが、これを図4又は図5に示す。
【0003】
図4は上記従来のハイブリッド形ステッピングモータ10の構成を示す縦断側面図で、図5は図4のA−A′断面図である。
図4、5において、1は固定子ハウジング、2は固定子鉄心、3−1〜3−8は固定子巻線、4、4′は前後夫々のブラケットであり、固定子鉄心2は、主極2−1〜2−8を構成して、2−10は各主極2−1〜2−8の内周に形成された極歯である。
前記各主極2−1〜2−8に固定子巻線3−1〜3−8が巻装されている。これら固定子ハウジング1、固定子鉄心2及び固定子巻線3−1〜3−8により固定子Sが構成される。
【0004】
更に、図4において、5及び5′は軸受、6は回転子軸、7及び8は回転子磁極、図5の7−10及び8−10は上記回転子磁極7、8の外周に形成された極歯であって、極歯7−10及び極歯8−10は互いに夫々の極歯ピッチの1/2ピッチずれて配置されている。また、2つの回転子磁極7、8の間に挟持されている9は永久磁石であり、これら回転子軸6、回転子磁極7、8、永久磁石9により回転子Rが構成される。
このように、極歯7−10、8−10の配列が1/2ピッチずれた2個の回転子磁極7、8で永久磁石9を挟んだ構成の回転子Rはハイブリッド形回転子と呼ばれ、上記した固定子Sと回転子Rとにより、従来の2相のハイブリッド形ステッピングモータ10が構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ステッピングモータの性能を示す指数の中で重要なものとしてステップ角θsがある。通常ステップ角θs(単位は度。以下省略)は、固定子巻線の相数あるいは回転子磁極の相数Pと回転子磁極の1個の磁極に設けた極歯数Ztにより決定され、
θs=180/(P・Zt) ・・・・・・・・・・ (1)
と表される。
【0006】
(1)式で示されたステップ角θsは、1相の巻線を順次通電した場合の1相励磁の場合に得られる角度で、そのステッピングモータ固有のものである。そして(1)式は分母の回転子磁極の相数P及び極歯数Ztを大きくするとθsが小さくなることを示している。
【0007】
従来の回転子磁極の相数が2相で、極歯数がZtである場合の永久磁石形ステッピングモータのステップ角は、(1)式により、θs=180/(2・Zt)となり、当該ステップ角を微少角とするには極歯数Ztを大きく、即ちロータ歯幅を小さくしなければならないが、これには工作技術上の制約があった。
【0008】
また、2相ハイブリッド形ステッピングモータは振動・騒音が大きく、固定子主極数を増やして磁気的バランスを向上させることでこれらを低減することは可能であるが、2相ステッピングモータでは従来は主極数が8もしくはその倍数のものしかなかった。
【0009】
例えば、図4、図5に示すハイブリッド形回転子を有する従来の構成のものでは、固定子主極数が6の場合、回転子の歯数が6n+5又は6n+1(nは1以上の整数)であるから歯数は奇数となる。従って、1相励磁すると1相分が180゜離れた2つの主極で構成されるため、例えばハイブリッド形回転子の永久磁石を挟持する2つの回転子磁極は互いに異極に磁化され、一方の回転子磁極は上に吸引されると共に他方の回転子磁極は下に吸引されるため、1相励磁での駆動では回転子軸が軸方向の偶力を受けつつ回転することになり、振動・騒音の要因となっていた。
【0010】
更に、従来の永久磁石形ステッピングモータは、特開平6−14514号公報に示すように、1相分の主極の極性が同極性となるように巻線が巻装されており、1相分が同極性に励磁される場合には、1相励磁駆動では1相内に異極が存在しないので、磁路が充分に形成されず、次の2相分を逆極性に励磁して異極性を形成して2つの相間で磁路を形成することが必要で、2相励磁もしくはそれ以上の多相励磁しか実用にならないという欠点があった。
【0011】
一方、4相、5相というように固定子巻線の相数Pを増加させることも考えられるが、この場合には駆動回路のスイッチ数が増加し、回路が複雑且つ高価になるという問題があった。
【0012】
本発明は、上記従来のこの種ステッピングモータ(永久磁石形及びハイブリッド形のステッピングモータ)の課題(問題点)を解決するため、固定子主極を12個で構成する2相機として低振動・低騒音を実現する2相のハイブリッド形のステッピングモータを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のステッピングモータは、上記従来のステッピングモータの課題を解決するため、次の構成とする。
2相のハイブリッド形ステッピングモータとしては、次の特徴を有する固定子と回転子を備えた構成とする。
(1)固定子巻線の相数は2相であって、固定子主極数は12個であり、その内の1相分は1つおきに6個で構成され、1相分を直流励磁するとN極が3個、S極が3個となるように巻線されている固定子。
(2)複数のZt個の極歯数の歯車状突極を有する2個の磁性体より成る回転子磁極と、該2個の回転子磁極に挟持され回転軸と同方向に磁化された永久磁石とを有するハイブリッド形である回転子。
この場合、上記極歯数Ztは、Zt=12n±3に設定するのが望ましい。
但し、nは1以上の整数とし、nが2以上の場合には上記各12個の各固定子主極は複数の極歯を有するものとする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のハイブリッド形ステッピングモータの一実施の形態を説明するために、その説明の便を図るために、同様の固定子を有する永久磁石形ステッピングモータを用いて第1、第2の予備的な説明を行う。
第1の予備的な実施の形態
先ず、第1の予備的な実施の形態として、6極の3相の永久磁石形ステッピングモータ20の構成を図1を用いて説明する。
図1は、上記第1の予備的な実施の形態を示すが、回転子磁極の相数が3相で、固定子主極が主極数6m、回転子極数Z=m・(12n±2)で表されるが、同図はこの場合においてm=1とし、主極数を6個、n=4とし、Z=50とした場合の簡略化して示した具体例を示す。
【0015】
本形態の永久磁石形ステッピングモータ20の回転子R2は、図4に示す従来例の2相のステッピングモータ10の回転子Rと異なり、図1に示すように円筒状永久磁石23を備え、またバックヨーク24を有することが望ましく、回転子軸26を中心に回転自在に軸支されている。円筒状永久磁石23の外周面には極歯27−10、28−10が回転方向にN極とS極が交互となるように合計50個形成されるように磁化されている。
【0016】
この円筒状永久磁石23の外側には小空隙を介して6個の固定子主極22−1〜22−6の内周面が対向し、当該固定子主極22−1〜22−6先端内周面には夫々の主極に3個の極歯22−10が形成されている。そして6個の固定子主極22−1〜22−6は、互いに60゜の等ピッチに配置されて、夫々に固定子巻線21−1〜21−6が巻装されている。上述巻線は3相巻線であり、固定子巻線21−1と21−4が1相分を形成し、この1相分を直流励磁した場合固定子主極22−1と22−4とは互いに異極性となるように巻装されている。
【0017】
図4、図5に示す従来のハイブリッド形ステッピングモータ10では、1相励磁駆動ができなかったが、本形態の永久磁石形ステッピングモータ20では、1相内に同数の異極が常に存在するので、1相励磁駆動が可能となる。
即ち、図1において、円筒状永久磁石23のN極から出た磁束は異極性の主極22−1に入り、巻線21−1と鎖交し、固定子S2の環状ヨーク部25を通って主極22−4に入って巻線21−4と鎖交し、該主極22−4の極歯に対向する円筒状永久磁石23のS極に入り、バックヨーク24を通って元のN極に戻り磁路を閉じる。このようにして1相励磁駆動が可能となる。
【0018】
次に、固定子巻線21−1と21−4の電流を遮断すると同時に、2相分の巻線21−2及び21−5に通電すると、回転子永久磁石の磁極が2相分の主極22−2及び22−5の極歯22−10に対し所定の角度でずれるように構成されているので、このずれの分だけ回転子R2は転回移動する。このずれ角がステップ角θsである。
【0019】
同様に、3相分の主極22−3、22−6に巻装された巻線21−3及び21−6を励磁すると、上述と同様に1ステップ角θsだけ転回移動し、このようにして最も簡単な1相励磁での駆動が可能となる。
【0020】
また、上述の第1の予備的な実施の形態の前記の長所とは別の優れた点は、図4、図5の従来例のものと対比すると明白である。即ち、図1の固定子主極22−1及び22−4が励磁されている状態において、一方の主極22−1の極歯22−10が回転子R2を構成する円筒状永久磁石23を吸引する径方向の力と、他方の主極22−4の極歯22−10が同じ円筒状永久磁石23を吸引する径方向の力とは向きが逆で夫々の大きさが等しいため互いに相殺され、常に回転子軸26を軸支する軸受部材には径方向の力は作用せず、従って回転時の振動・騒音が少なくなる。
【0021】
このように、6極構造においても本形態では従来のハイブリッド形ステッピングモータでは得られなかった低振動・低騒音での駆動が可能となる。
【0022】
次に、第1の予備的な実施の形態の永久磁石形ステッピングモータにおける回転子極数ZのZ=m・(12n±2)の誘導について説明する。
ステッピングモータのステップ角θsは上記(1)式で与えられるが、本形態のステッピングモータでは固定子巻線の相数が3相であるので、(1)式でP=3とすると、本形態のステッピングモータ20ではN極S極を交互に配置したリングマグネット形回転子の場合、Zt=Z/2であるから、ステップ角θsは、
θs=180/{3・Z・(1/2)}=120/Z ・・・ (2)
となる。
【0023】
一方、固定子主極は360/6m等分され、その固定子主極の極歯に最も近い回転子磁極は{360/(Z/2)}・n等分されているから、その差がステップ角θsで、これは、
θs=±[360/6m−360n/{Z・(1/2)}] ・・(3)
で表される。
【0024】
(2)式と(3)式とを解くことにより、Z=m・(12n±2)が得られる。このとき、nが2以上の場合は、各6m個の主極の先端に複数の極歯を設けた方がステッピングモータのトルクを大きくできる。
更に、固定子巻線の相数が3相の場合は2相に対し、(1)式に示されるように回転子磁極に設けた極歯数Ztが同じでもステップ角θsを小さくでき、従ってステッピングモータの分解能を大きくできるので、本形態のステッピングモータが上記従来技術の欠点を改善できることが判る。
【0025】
第2の予備的な実施の形態:
次に、図2を用いて第2の予備的な実施の形態である12極の2相の永久磁石形ステッピングモータ30の構成について説明する。
回転子R3は図1の回転子R2と同じ構造で、円筒永久磁石33の外周にN極及びS極が交互に多極着磁されている。
固定子S3は12個の等ピッチに配置された主極32−1〜32−12を有し、また、2相の固定子巻線31−1〜31−12が設けられている。当該主極32−1〜32−12の12個の内1相分は1つおきに6個で、この1相分を直流励磁すると、6個の主極中に交互に、N極性が3個、S極性が3個となるように巻線31−1〜31−12が巻装されている。
【0026】
1相分の主極6個は、固定子主極32−1〜32−12の12個の1個おきに構成され、その主極6個は交互に異極性となるように構成されるのが望ましい。図2は、その一例の1相分巻線について極性表示したものである。このように構成すると図1の例と同じように、回転子R3に作用する径方向の力は常に相殺される。
【0027】
また、2相機であっても、固定子主極数が多いほど、駆動時の振動・騒音は小さくなることから、2相機の一般的構成である主極数8の固定子より、本形態のステッピングモータに係る固定子S3は主極数が12であるので、振動・騒音は小さくできる。
この場合も、上述で(1)式〜(3)式と同様の誘導により、回転子極数ZのZ=24n±6が得られる。ここでnは1以上の整数で、n≧2の場合は、12個の主極31−1〜31−12の先端に複数の極歯32−20を設けることが望ましい。
【0028】
本発明の実施の形態:
次に、以上の第1、第2の予備的な実施の形態の説明を踏まえて、本発明の実施の形態である12極の2相のハイブリッド形ステッピングモータ40の構成を図3を用いて説明する。
固定子S4は第2の予備的な実施の形態の固定子S3と同じ構成であるが、回転子R4をハイブリッド形としたものである。ハイブリッド形であるので、図2に示したものより振動・騒音で不利になるが、従来技術である上述図4での主極数が8の構成より主極数が多くなるので回転子R4に働く電磁力も平衡するようになる。
【0029】
径方向に働く力は、120゜ピッチで配置される3つの主極42−1、42−5、42−9が同極性になり、異極性を吸引するため、そのベクトル和は、
cos(0゜)−2・cos(30゜)=0
となり相殺される。
【0030】
ハイブリッド形の長所としては、図2に示した円筒状永久磁石23の外周面に着磁するものよりも一般的にステップ角θsを小さくできることが挙げられる。これは円筒状永久磁石23の外周面に所望の磁化力での多極を形成し難いためである。この場合も、回転子の歯車状突極数(回転子の極歯数)Ztは上述と同様な手法で、Zt=12n±3として与えられる。
ここでnは1以上の整数で、n≧2の場合では12個の各主極42−1〜42−12には複数の極歯42−20を設けることが望ましい。
【0031】
上記の第1、第2の予備的な実施の形態及び本発明の実施の形態では、固定子主極を円周方向に等分間隔となるように対称型に配置した最も望ましい実施の形態を示し、その場合、第1の予備的な実施の形態では、固定子磁極数Zが、Z=m・(12n±2)である場合、また、第2の予備的な実施の形態では、Z=24n±6)である場合、さらに、本発明の実施の形態では、回転子の極歯数ZtがZt=12n±3である場合を説明した。
このように固定子主極を対称型に形成した方がステップ角精度は優れ、特性面でも有利となるが、固定子を非対称型に形成しても、特性面では若干落ちるが本発明の作用効果を備えているので、用途によっては、実用可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明の請求項1、2のように構成されるハイブリッドのステッピングモータでは、2相機でありながら固定子主極が12極構成であるので、従来の2相機8極構成に対し、低振動・低騒音を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の予備的な実施の形態である3相永久磁石形ステッピングモータの構成を示す縦断正面図である。
【図2】第2の予備的な実施の形態である2相12極構造の永久磁石形ステッピングモータの構成を示す縦断正面図である。
【図3】本発明の実施の形態である2相12極構造のハイブリッド形ステッピングモータの一実施の形態を示す縦断正面図である。
【図4】従来の2相ハイブリッド形ステッピングモータの構成を示す縦断側面図である。
【図5】図4のA−A′断面図である。
【符号の説明】
40:ハイブリッド形ステッピングモータ
41−1〜41−12:固定子巻線
42−1〜42−12:固定子主極
42−20:固定子主極の極歯
Claims (2)
- 次の構成を有する固定子と回転子を備えたことを特徴とするハイブリッド形ステッピングモータ。
(1)固定子巻線の相数は2相であって、固定子主極数は12個であり、その内の1相分は1つおきに6個で構成され、1相分を直流励磁すると交互にN極が3個、S極が3個となるように巻線されている固定子。
(2)複数のZt個の極歯数の歯車状突極を有する2個の磁性体より成る回転子磁極と、該2個の回転子磁極に挟持され回転軸と同方向に磁化された永久磁石とを有するハイブリッド形である回転子。 - 回転子の極歯数Ztは、Zt=12n±3であるようにした請求項1記載のハイブリッド形ステッピングモータ。
但し、nは1以上の整数とし、nが2以上の場合には上記各12個の各固定子主極は複数の極歯を有するものとする。
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