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JP3595128B2 - 回路基板検査装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板やICパッケージ、ハイブリッド用基板およびMCM(Multi Chip Module )などの回路基板における回路部品の端子浮きや良否を検査する回路基板検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の回路基板検査装置として、出願人は、集積回路の端子浮きを検査するための回路基板検査装置を既に提案している(特願平9−215792号)。この回路基板検査装置50は、図6に示すように、検査対象回路部品としての集積回路2における入出力用端子3,3・・、グランド端子3gおよび電源端子3p(以下、総称して、「端子3」ともいう)にそれぞれ接続されている回路パターン4,4・・,4g,4p(以下、総称して、「回路パターン4」ともいう)にそれぞれ接触可能な複数の検査用プローブ5,5・・5g,5p(以下、総称して検査用プローブ5」ともいう)と、集積回路2の内部温度を所定温度に加熱する温度制御手段としてのヒータ部51とを備えている。この場合、ヒータ部51は、円筒状のエアシリンダ52のピストンロッド53の先端部に取り付けられており、エアシリンダ52にエアが供給されると、ピストンロッド53が下動させられることにより、集積回路2の上面2aに接触して加熱する。
【0003】
これらの具体的な構成としては、図7に示すように、回路基板検査装置50は、大径エアシリンダ54のピストンロッド55の移動に応じて上下動するメインボード11と、メーンボード11に連結されたピンボード12およびシリンダ固定用ボード13とを備え、検査用プローブ5は、最下段のピンボード12に固定され、ヒータ部51を上下動させるエアシリンダ52は、L型金具56,56を用いてシリンダ固定用ボード13にネジ止めによって固定されている。この場合、ピンボード12の所定部位には所定径の孔部16が形成されており、エアシリンダ52のピストンロッド53は、孔部16を挿通することにより上下動が可能になっている。また、ヒータ部51は、ピストンロッド53に形成されたおねじに嵌合可能なめねじが形成された耐熱樹脂製の保持部57と、保持部57に接着剤によって連結され中央部に切欠部58を有する直方体状の金属ベース板59と、切欠部58にはめ込まれた発熱体60とを備えている。ここで、発熱体60には、電源を供給するための2本の電源線61,61が接続されており、電源線61は、孔部16、およびシリンダ固定用ボード13に形成された孔部62を挿通して、メインボード11およびシリンダ固定用ボード13間の間隙内においてコネクタ63に接続されている。さらに、コネクタ63は、図外の電源部に接続された他のコネクタ64に接続されている。
【0004】
この回路基板検査装置50では、集積回路2内に存在する寄生ダイオードの順方向電圧が温度変化に応じて変化することを利用して端子浮きを検査する。具体的には、大径エアシリンダ54にエアを供給してメインボード11を下動させることにより、検査対象の集積回路2における各端子3に接続されるべき各回路パターン4,4・・に検査用プローブ5,5・・をそれぞれ接触させる。次いで、この状態において、図外の電圧供給部が、集積回路2の信号入出力端子3とグランド端子3gとの間に介在する集積回路2内の寄生ダイオードを導通させるための電圧を一対の検査用プローブ5,5を介して供給し、図外の電流測定部が、その際に寄生ダイオードの導通状態を示す導通電流の電流値を測定する。次に、エアシリンダ52にエアを供給することにより、ヒータ部51を下動させて検査対象の集積回路2の上面2aに接触させると共に、電源線61,61を介してヒータ電流をヒータ部51に供給することにより発熱体60発熱させ、これにより、集積回路2の内部温度を所定温度まで加熱する。次いで、電流測定部が、先に測定した寄生ダイオードの導通電流を同様にして測定する。この後、測定した両電流値に基づいて回路パターン4に対する信号入出力用端子3の端子浮きの有無を検査する。この場合、信号入出力用端子3が回路パターン4に半田付けされていないときには、内部温度が変化したとしても、測定した導通電流の電流値は、温度変化前の導通電流の電流値とほぼ同じ値になる。一方、信号入出力用端子3が半田付けされているときには、温度変化後に測定した導通電流の電流値は、温度変化前の導通電流の電流値とは明らかに相違する。したがって、温度変化後における導通電流の電流値に基づいて、信号入出力用端子3の端子浮きを確実に検査することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この出願人が開発した回路基板検査装置50には、以下の改善すべき点がある。
第1に、この回路基板検査装置50では、エアシリンダ52のピストンロッド53が、シリンダ本体に対しての回動が規制されない構造となっている。このため、ピストンロッド53が上下動を繰り返しているうちに、ヒータ部51が不必要に回動してしまい、最悪の場合には、集積回路2の端子配列方向と直角な方向にまで位置ずれしてしまうことがある。このような場合には、集積回路2を十分に加熱することができないために端子浮き検査の確実性が損なわれることがある。
第2に、ヒータ部51が回動すると、2本の電源線61,61がピストンロッド53に絡まってしまうことがあり、かかる場合には、ヒータ部51を上下動させることが困難になることがある。
第3に、ピストンロッド53のロッド長は、所定の工業規格などに従って製造されている。このため、高さが互いに異なる各種の集積回路2にヒータ部51,51・・をそれぞれ接触させるためには、エアシリンダ52をシリンダ固定用ボード13に取り付ける際に、集積回路2の高さに応じて調整しなければならず、調整不足の場合には、集積回路2の上面2aにヒータ部51を確実に接触させることが困難になることがある。
第4に、ヒータ部51をピストンロッド53の先端部に取り付ける際には、ピストンロッド53をエアシリンダ52の本体から引き出し、指でピストンロッド53を摘んだ状態で回転させることにより、ピストンロッド53に形成されたおねじを保持部57に形成されためねじに嵌合させてピストンロッド53と保持部57とを互いに固定する必要がある。このため、保持部57のピストンロッド53への取付作業が繁雑であると共に装置コスト上昇の要因となっている。
以上のように、出願人の提案した回路基板検査装置50には、検査対象回路部品に対する温度制御の確実化など種々の改善すべき点がある。
【0006】
本発明は、かかる改善点に鑑みてなされたものであり、検査対象回路部品に対する温度制御の確実化を図ることが可能な回路基板検査装置を提供することを主目的とする。また、装置コストの低減が可能な回路基板検査装置を提供することを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1記載の回路基板検査装置は、固定用ボードに固定されたエアシリンダと、エアシリンダにおけるピストンロッドの先端部に取り付けられた移動体内に配設された温度制御手段とを備え、検査時に、エアシリンダにエアを供給してピストンロッドを下動させ、検査対象である回路部品に移動体を接触させることにより回路部品の内部温度を変化させ、少なくとも温度変化後において測定した回路部品の構成要素についての所定の電気的パラメータに基づいて回路部品の端子浮きまたは良否を検査する回路基板検査装置であって、移動体には、ガイドロッドが立設され、固定用ボードには、ガイドロッドをガイドするためのガイド孔が設けられ、ガイドロッドは、導体で形成されると共に温度制御手段に電源を供給するための電源線を兼用することを特徴とする。
【0008】
この回路基板検査装置では、エアシリンダにエアを供給すると、移動体に立設されたガイドロッドが、固定用ボードに設けられたガイド孔を挿通する。この際、ガイドロッドは、ガイド孔によってガイドされるため、エアシリンダに対しての移動体の回動を阻止する。これにより、移動体内は、検査対象の回路部品に対して、常に、予め設定された向きに規制された状態で接触する。これにより、温度制御手段は、確実に検査対象回路部品を所定温度に制御することが可能となる。この場合、移動体の回動が阻止されれば、温度制御手段に電源を供給するための電源線のシリンダへの絡みつきが阻止される。したがって、ガイドロッドは、金属製に限らず、種々の不導体で形成してもよい。一方、この回路基板検査装置では、ガイドロッド自体が電源線を構成するため、装置の製造コストを上昇させることなくエアシリンダ本体に絡みつく要素をなくすことができる結果、移動体の上下動を確実化することが可能となる。
【0009】
請求項記載の回路基板検査装置は、請求項記載の回路基板検査装置において、移動体は、温度制御手段に熱的結合可能に構成されると共に熱伝導体で形成され回路部品の表面に面的接触が可能なベース板と、一端がピストンロッドに連結され他端がベース板に固定可能な棒状連結部材とを備えていることを特徴とする。
【0010】
この回路基板検査装置では、まず、各棒状連結部材について、対応する回路部品の高さに応じた長さに規定する。次いで、ピストンロッドに棒状連結部材を固定する。次に、固定用ボードにおける各固定位置に高さ方向の位置を一定にしてエアシリンダを取り付ける。この後、棒状連結部材の先端部に温度制御手段を取り付けることにより、高さが互いに異なる各種の回路部品に対して温度制御手段を確実に接触させることができる。したがって、回路部品毎にエアシリンダの取付高さを調整する手間が省け、エアシリンダの取付作業を容易にすることができる。この場合、所定の工業規格などに従って同一のシリンダ長に製造されたエアシリンダを共通的に使用することができ、これにより、装置全体としての製造コストを低減することが可能となる。
【0011】
請求項記載の回路基板検査装置は、請求項記載の回路基板検査装置において、棒状連結部材は、不導体で形成されていることを特徴とする。
【0012】
棒状連結部材は、金属製であってもよい。一方、この回路基板検査装置では、棒状連結部材が不導体で形成されているため、例えば、温度制御手段を発熱体で構成した場合には、棒状連結部材を伝導しての放熱が防止できるため、温度制御手段の熱利用効率を向上させることが可能となる。
【0013】
請求項記載の回路基板検査装置は、請求項2または3記載の回路基板検査装置において、ベース板および棒状連結部材は、ベース板における回路部品との接触面側からネジ止めによって互いに固定可能に構成されていることを特徴とする。
【0014】
この回路基板検査装置では、移動体をエアシリンダに固定する際には、まず、棒状連結部材をエアシリンダのピストンロッドに予め固定する。次いで、エアシリンダを固定用ボードに固定した後、ベース板における回路部品との接触面側からネジ止めすることにより、棒状連結部材と移動体とを互いに固定する。この際には、出願人が既に提案した回路基板検査装置50における固定作業とは異なり、棒状連結部材を指で摘んだ状態で、ドライバなどによってネジ止めすればよいため、移動体の固定作業が容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る回路基板検査装置の好適な実施の形態について説明する。なお、出願人が既に提案している回路基板検査装置50と同一の構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0016】
図4は、本発明に係る回路基板検査装置に相当するピンボード方式のインサーキットテスタ1における主要部の斜視図である。同図に示すように、インサーキットテスタ1は、検査対象のプリント基板Pに搭載された集積回路(以下、「IC」ともいう)2における信号入力端子または信号出力端子(以下、総称して、「信号入出力用端子」という)3,3・・、グランド端子3g、および電源端子3pに接続されるべき回路パターン4,4・・,4g,4pにそれぞれ接触可能な検査用プローブ5,5・・,5g,5pと、本発明における移動体に相当し各IC2に対して上下動可能に構成された接触式のヒータ部6とを備えている。
【0017】
なお、このインサーキットテスタ1では、独立した各回路パターン4には1つの検査用プローブ5が接触するように対応配置させられており、検査時にピンボード11が図4の矢印A方向に下動させられると、各検査用プローブ5,5・・は、一点鎖線で示すように、対応する各回路パターン4,4・・にそれぞれ接触させられる。なお、同図では、1つの信号入出力用端子3および電源端子3pのみを一点鎖線で示している。また、各IC2には1つヒータ部6が接触可能に対応配置させられており、ヒータ部6は、ピンボード11が下動させられた際には、ピンボード11の下面と回路基板Pの上面2aとの中間位置に位置させられ、その状態において後述するエアシリンダ14にエアが供給されると下動させられ、一点鎖線で示すように、IC2のパッケージの上面2aに接触する。
【0018】
また、インサーキットテスタ1は、図1に示すように、エアシリンダ54(図示せず)によって上下動させられるメインボード11と、所定距離分離間させられてメインボード11に固定されると共にメインボード11と一体的にそれぞれ上下動するピンボード12およびシリンダ固定用ボード13とを備えている。ここで、ピンボード12には、検査用プローブ5,5・・のすべてがそれぞれ固定され、シリンダ固定用ボード13には、ピストンロッド15に連結されたヒータ部6を上下動させるためのエアシリンダ14が固定されている。
【0019】
なお、ピストンロッド15には、本発明における棒状連結部材に相当する樹脂製のスペーサ17の一端が連結され、スペーサ17の他端にヒータ部6が固定されている。ここで、これらの組立について説明すると、まず、各スペーサ17について、対応するIC2の高さに応じた長さに規定する。次いで、ピストンロッド15の先端部に形成されたおねじをスペーサ17の先端部に形成されためねじに嵌合させて両者を固定する。次に、シリンダ固定用ボード13に形成されているめねじ29に、エアシリンダ14の上部に形成されているおねじ28を嵌合させることによって、シリンダ固定用ボード13における各固定位置に高さ方向の位置を一定にしてエアシリンダ14を取り付ける。この後、スペーサ17の先端部(下端部)に後述するようにしてヒータ部6を取り付けることにより、高さが互いに異なる各種のIC2に対してヒータ部6を確実に接触させることができる。この結果、IC2の種類毎にエアシリンダ14の取付高さを調整する手間が省け、エアシリンダ14の取付作業を容易にすることができる。この場合、所定の工業規格などに従って同一のシリンダ長に製造されたエアシリンダ14を共通的に使用することができ、これにより、装置全体としての製造コストを低減することができる。また、スペーサ17を不導体である樹脂で形成したことにより、ヒータ部6における後述するベース板21からスペーサ17を伝導しての放熱を防止することができ、これにより、ヒータ部6の熱利用効率を向上させることができる。
【0020】
ヒータ部6は、具体的には、図2,3に示すように、金属製のベース板21と、ベース板21上に形成されたアルミナ22のさらに上部に形成されたプリントパターン23,24に半田付けされた発熱体としてのサーミスタ(本発明における温度制御手段に相当する)25,25と、プリントパターン23,24上に半田付けによって立設され本発明におけるガイドロッドに相当する棒状の電源供給用ロッド26,26とを備えている。ここで、電源供給用ロッド26は、一方が電源のプラス極性側に接続されると共に他方がマイナス極性側に接続され、シリンダ固定用ボード13とメインボード11との間隙において、電源供給用のコネクタ63に接続される。なお、ベース板21は、加熱対象のIC2を効率よく加熱するものであって、下面は平坦に形成されると共に、サーミスタ25の熱容量よりも十分に大熱容量となるように構成されている。これにより、小発熱量のサーミスタ25を用いたとしても、大容量の熱をIC2に一時的に加えることができ、また加熱時間の短縮化およびインサーキットテスタ1の小型化を図ることができる。また、ヒータ部6は、スペーサ17をピストンロッド15に固定した状態において、ベース板21の下面側からネジ30によってネジ止めすることにより、ピストンロッド15に容易に固定することができる。
【0021】
このインサーキットテスタ1では、エアシリンダ54にエアが供給されると、メインボード11が下動して各検査用プローブ5を各回路パターン4に接触させる。次いで、エアシリンダ14にエアが供給されると、ヒータ部6が下動してIC2の上面2aに接触して加熱する。この場合、ヒータ部6に立設された電源供給用ロッド26,26が、シリンダ固定用ボード13に設けられたガイド孔27,27をそれぞれ挿通する。この際、電源供給用ロッド26は、ガイド孔27によってガイドされるため、エアシリンダ14に対してのヒータ部6の回動を阻止する。これにより、ヒータ部6のベース板21は、検査対象のIC2に対して、常に、予め設定された向きに規制された状態で接触する結果、ヒータ部6は、確実にIC2を所定温度に制御することができる。
【0022】
次に、インサーキットテスタ1の電気的な構成について、図5を参照して説明する。
【0023】
同図に示すように、インサーキットテスタ1は、各種検査処理を実行するCPU31と、CPU31の制御に従い複数の検査用プローブ5,5・・から一対の検査用プローブ5,5を選択するスキャナ部32と、選択された一対の検査用プローブ5,5を介して所定の一対の回路パターン4,4に定電圧を供給する定電圧源33およびその際に検査用プローブ5,5間を導通する導通電流の電流値を測定する電流測定回路34を有する計測部35と、IC2の端子浮きを判別する際の基準データおよび測定値に基づく演算結果などを一時的に記憶するRAM36と、各種部品の良否を判別する際のデータやCPU31の動作プログラムなどを記憶するROM37と、電源供給用ロッド26,26を介してヒータ部6に電力を供給する電力供給部38と、エアを供給するエア供給部39とを備えている。また、インサーキットテスタ1には、複数の電磁弁40,40・・,41が配設されている。各電磁弁40は、各エアシリンダ14とエア供給部39との間にそれぞれ接続されており、CPU31の開閉信号に従って開閉することにより、エア供給用パイプ42を介してのエアの各エアシリンダ14への供給および供給停止を制御する。この場合、電磁弁40が作動してエアを供給することにより、エアシリンダ14は、ヒータ部6をIC2の上面2aに接触させる。一方、電磁弁41は、エア供給部39とエアシリンダ54との間に接続されており、CPU31の開閉信号に従って開閉することにより、エア供給パイプ43を介してのエアのエアシリンダへ54の供給および供給停止を制御する。この場合、電磁弁41が作動してエアを供給することにより、エアシリンダ54は、メインボード11を下動させる。
【0024】
次いで、IC2における信号入出力用端子3の端子浮き検査の基本的な検査原理について説明する、
【0025】
IC2の信号入出力用端子3とグランド端子3gとの間、および信号入出力用端子3と電源端子3pとの間には、寄生ダイオードが存在する。このインサーキットテスタ1では、信号入出力用端子3の端子浮きを検査する際には、まず、信号入出力用端子3に接続されるべき回路パターン4と、グランド端子3gに接続されるべき回路パターン4gに検査用プローブ5,5gをそれぞれ接触させ、信号入出力用端子3とグランド端子3gとの間に介在する寄生ダイオードが導通可能な電流を検査用プローブ5,5gを介して定電圧源33から供給する。次いで、その状態において、電流測定回路34が、寄生ダイオードを導通する導通電流の電流値を測定する。次に、ヒータ部6を下動させてベース板21をIC2の上面2aに接触させることにより、IC2の内部温度を所定温度まで上昇させる。内部温度が所定温度に達した際には、電流測定回路34が、寄生ダイオードを導通する導通電流を再度測定する。この温度変化させた前後における導通電流の差異は、周囲温度の温度差に応じて変化する。したがって、所定温度に温度変化させた前後の導通電流の電流差異値と、良品の回路基板Pから予め吸収した温度変化前後の導通電流の電流差異値である基準データとを比較すれば、検査対象信号入出力用端子3の端子浮きを検出することができる。これは、信号入出力用端子3が回路パターン4に半田付けされていないときには、IC2の内部温度が所定温度に変化したとしても、温度変化前後における導通電流の電流差異値は殆ど変化しないのに対し、信号入出力用端子3が半田付けされているときには、明らかに相違するからである。
【0026】
次に、実際の端子浮き検査方法の具体的な手順について説明する。
【0027】
最初に、CPU31は、電磁弁41を制御することにより、メインボード11を下動させて検査用プローブ5,5・・を回路パターン4,4・・に接触させる。次いで、CPU31は、ROM37に記憶されている動作プログラムに従い、スキャナ部32の設定を実行する。次いで、CPU31は、選択した検査用プローブ5,5gを介して定電圧を供給した状態で、寄生ダイオードを導通する導通電流の電流値を電流測定回路34に対して測定させる。その後、CPU31は、電磁弁40を制御することにより、ヒータ部6を下動させて検査対象のIC2に接触させる。これにより、検査対象のIC2は所定温度まで加熱される。所定時間が経過して所定温度まで達したと判別したときに、CPU31は、電流測定回路34に対して、定電圧を供給した状態で、導通電流の電流値を再度測定させる。次いで、CPU31は、加熱後に測定した電流値から加熱前において測定した電流値を減算することにより、温度上昇の前後における導通電流の差異値を演算する。次いで、その検査対象の信号入出力用端子3が端子浮きしているか否かを、予めROM37またはRAM37に記憶されている基準データと比較して判別する。次いで、すべてのIC2の各信号入出力用端子3について端子浮きを検査したか否かを判別し、検査していないときには、上記したステップを繰り返し実行し、すべてを検査したと判別したときには、この処理を終了する。
【0028】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されない。例えば、本実施形態では、温度制御手段としてのヒータ部6によって検査対象IC2を所定温度まで加熱することにより端子浮きを検査しているが、温度制御手段として冷却装置を用いることもできる。例えば、接触式の冷却装置としては、ペルチェ素子などを用いることができる。また、加熱する場合にも、サーミスタ25に限らず、ペルチェ素子や、電力をジュール熱に変換する抵抗発熱体などを用いることが可能である。
【0029】
また、本実施形態では、導通電流の変化に基づいてIC2の端子浮きを検査する例について説明したが、本発明は、これに限定されず、集積回路や電子スイッチ回路などの回路部品の良否を検査するいわゆるファンクションテスタにも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の回路基板検査装置によれば、エアシリンダにエアが供給されて移動体が移動する際に、ガイドロッドがガイド孔によってガイドされるため、エアシリンダに対しての移動体の回動を阻止することができる。これにより、移動体内の温度制御手段が、検査対象の回路部品に対して、常に、予め設定された向きに規制された状態で接触することにより、温度制御手段は、確実に検査対象回路部品を所定温度に制御することができる。また、ガイドロッドが導体で形成されると共に温度制御手段に電源を供給するための電源線を兼用することにより、装置コストを上昇させることなくエアシリンダ本体に絡みつく要素をなくすことができ、これにより、移動体の上下動を確実化することができる。
【0031】
さらに、請求項記載の回路基板検査装置によれば、長さが互いに異なる棒状連結部材を用いることにより、高さが互いに異なる各種の回路部品に対して温度制御手段を確実に接触させることができる。これにより、回路部品毎にエアシリンダの取付高さを調整する手間が省け、エアシリンダの取付作業を容易にすることができる。また、所定の工業規格などに従って同一のシリンダ長に製造されたエアシリンダを共通的に使用することができ、これにより、装置全体としての製造コストを低減することができる。
【0032】
また、請求項記載の回路基板検査装置によれば、棒状連結部材を不導体で形成したことにより、棒状連結部材を伝導しての放熱などが防止することができ、これにより、温度制御手段の熱利用効率を向上させることができる。
【0033】
さらに、請求項記載の回路基板検査装置によれば、ベース板および棒状連結部材を、ベース板における回路部品との接触面側からネジ止めによって互いに固定することにより、容易に移動体の固定作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインサーキットテスタにおけるシリンダ固定用ボード近傍の一部を裁断した状態の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るヒータ部の側面断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るヒータ部の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るインサーキットテスタの主要部分の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るインサーキットテスタの電気的ブロック図である。
【図6】出願人が既に提案している回路基板検査装置の主要部分の斜視図である。
【図7】出願人が既に提案している回路基板検査装置におけるシリンダ固定用ボード近傍の一部を裁断した状態の側面図である。
【符号の説明】
1 インサーキットテスタ
2 IC
6 ヒータ部
13 シリンダ固定用ボード
14 エアシリンダ
15 ピストンロッド
17 スペーサ
21 ベース板
25 サーミスタ
26 電源供給用ロッド
27 ガイド孔
30 ネジ

Claims (4)

  1. 固定用ボードに固定されたエアシリンダと、当該エアシリンダにおけるピストンロッドの先端部に取り付けられた移動体内に配設された温度制御手段とを備え、検査時に、前記エアシリンダにエアを供給して前記ピストンロッドを下動させ、検査対象である回路部品に前記移動体を接触させることにより当該回路部品の内部温度を変化させ、少なくとも温度変化後において測定した前記回路部品の構成要素についての所定の電気的パラメータに基づいて前記回路部品の端子浮きまたは良否を検査する回路基板検査装置であって、
    前記移動体には、ガイドロッドが立設され、前記固定用ボードには、前記ガイドロッドをガイドするためのガイド孔が設けられ
    前記ガイドロッドは、導体で形成されると共に前記温度制御手段に電源を供給するための電源線を兼用することを特徴とする回路基板検査装置。
  2. 前記移動体は、前記温度制御手段に熱的結合可能に構成されると共に熱伝導体で形成され前記回路部品の表面に面的接触が可能なベース板と、一端が前記ピストンロッドに連結され他端が前記ベース板に固定可能な棒状連結部材とを備えていることを特徴とする請求項1記載の回路基板検査装置。
  3. 前記棒状連結部材は、不導体で形成されていることを特徴とする請求項記載の回路基板検査装置。
  4. 前記ベース板および前記棒状連結部材は、当該ベース板における前記回路部品との接触面側からネジ止めによって互いに固定可能に構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の回路基板検査装置。
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