JP3595210B2 - 高められたアベルメメクチン生成のためのストレプトミセス・アベルミチリス調節遺伝子 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アベルメクチン(avermectin)を生成するための組成物及び方法に向けられ、そして主に、動物の健康の分野に関する。より具体的には、本発明は、ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)におけるアベルメクチンポリケチドシンターゼ(PKS)発現及びアベルメクチン生合成の調節に関与する、aveR1及びaveR2遺伝子として本明細書において言及される2種の新規遺伝子の同定及び特徴づけに関する。本発明は、それらの遺伝子の不活性化がS.アベルミチリスにより生成されるアベルメクチンの量の上昇をもたらすという発見に基づかれる。
【0002】
【従来の技術】
ストレプトミセス(Streptomyces)属の種は、効果的な駆虫及び殺昆虫活性を有する8種の関連する16−員の大環状ラクトンを含んで成る広範囲の二次代謝物、たとえばアベルメクチンを生成する。8種の異なっているが、しかし密接に関連している化合物は、A1a,A1b,A2a,A2b,B1a,B1b,B2a、及びB2bとして言及される。“a”シリーズの化合物は、天然のアベルメクチンを意味し、ここでC25位置での置換基が(S)−sec−ブチルであり、そして“b”シリーズは、C25位置での置換基がイソプロピルである化合物を意味する。
【0003】
名称“A”及び“B”は、C5での置換基がそれぞれ、メトキシ及びヒドロキシであるアベルメクチンを意味する。数字“1”は、二重結合がC22,23位置で存在するアベルメクチンを意味し、そして数字“2”は、C22位置で水素及びC23位置でヒドロキシを有するアベルメクチンを意味する。関連するアベルメクチンの中で、B1タイプのアベルメクチンは、最とも効果的な駆虫及び殺虫活性を有するものとして認識され、そして従って、最とも商業的に所望するアベルメクチンである。
【0004】
アベルメクチン類、及びS.アベルミチリスの株の好気性発酵によるそれらの生成が、特に、アメリカ特許第4,310,519号及び第4,429,042号に記載されている。
二次代謝物及び他のストレプトミセス抗生物質の生成に関与する多くの遺伝子のようにアベルメクチン(ave)遺伝子は、細菌染色体上に一緒に群がって見出される。アベルメクチン生合成のためのave遺伝子クラスターは、アベルメクチンポリケチドシンターゼ(avermectin polyketide symthase)(PKS)をコードするDNAを包含する95kbのDNAゲノムに及ぶ(MacNeil など., 1992, Gene 115: 119−125)。
【0005】
ストレプトミセスにおける抗生物質生合成の調節は、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptmyces coelicolor)において、おそらく最もよく特徴づけられている。S.コリエカラーにより生成される4種の抗生物質は、アクチノルボシン(Act)、ウンデシルプロジギオシン(Red)、カルシウム−依存性抗生物質(CDA)及びメチルノマイシン(Mmy)を包含する。それらの抗生物質の個々は、遺伝的に異なった遺伝子の異なったクラスターによりコードされる。それぞれ、Act生合成遺伝子クラスター又はRed生合成遺伝子クラスターの発現を特異的に調節する生成物をコードする、Act遺伝子クラスター又はRed遺伝子クラスターのいづれかに連結される遺伝子が同定されている。
【0006】
1つよりも多くの抗生物質生合成遺伝子クラスターを全体的に調節する遺伝子を含む多くの遺伝子座がまた、同定されている。たとえば、2種の独立した遺伝子座、absA及びabsBにおける突然変異は、S.コエリカラーにおけるすべての4種の抗生物質の合成をブロックすることが示されている(Brian など., 1996, J.Bact. 178: 3221−3231 )。absA遺伝子座はクローン化され、そして特徴づけられており、そしてその遺伝子生成物は、S.コエリカラーにおける抗生物質合成の全体的な負のレギュレーターとして通常、作用するシグナルトランスダクション経路に関与することが示されている(Brian など., 1996 、上記)。
【0007】
アメリカ特許第5,707,839号(Denoya)及びアメリカ特許第5,728,561号(Denoyaなど.)は、ストレプトミセスの枝分れ鎖のα−ケト酸デヒドロゲナーゼ複合体をコードするDNA配列に関する。タイプIポリケチドシンターゼ発現がS.アベルミチリスにおいて調節される機構の理解は、アベルメクチンの生成を高めるためにave遺伝子の遺伝的操作を可能にするであろう。
【0008】
【発明の要約】
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR1遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、aveR1遺伝子生成物は、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。
【0009】
本発明はさらに、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。
本発明はさらに、配列番号2のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0010】
本発明はさらに、本発明の前記aveR1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。好ましい態様において、aveR1−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、本発明のS.アベルミチリスaveR1遺伝子生成物又はaveR1−関連の相同ポリペプチドのペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成る。非制限的であるが、特定の態様において、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列の副配列から成るペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を提供する。
【0011】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接する(フランキング)1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt1111、及び約nt2318〜約nt5045の配列番号1のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接する(フランキング)ヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0012】
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子における個々のフランキング配列、及びその相同体は、好ましくは、少なくとも約200ntの長さでである。非制限的態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR1のORFを天然において端に有し、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、そしてさらに、本発明の1つの前記aveR1−関連ヌクレオチド配列、たとえば約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列又はその実質的な部分を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0013】
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR2遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、aveR2遺伝子生成物は、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様おいては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt2314〜約nt3021の配列番号3(注:配列番号3は配列番号1と同一である)に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成る。
【0014】
本発明はさらに、約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
本発明はさらに、配列番号4のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0015】
本発明はさらに、本発明の前記aveR2−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様において、aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、本発明のS.アベルミチリスaveR2遺伝子生成物又はaveR2−関連の相同ポリペプチドのペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成る。非制限的であるが、特定の態様において、本発明は、配列番号4のアミノ酸配列のサブ配列(sub−sequence)から成るペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を提供する。
【0016】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接する(flanking)1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt2313、及び約nt3022〜約nt5045の配列番号3のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接する(flanking)ヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0017】
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子中の個々のフランキング配列は、好ましくは、少なくとも約200ntの長さである。非制限的態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接し(flanking)、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、そしてさらに、本発明の1つの前記aveR2−関連ヌクレオチド配列、たとえば約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列又はその実質的な部分を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0018】
本発明はさらに、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物の両者をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様において、前記aveR1及びaveR2遺伝子生成物は、それぞれ配列番号2及び配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様においては、単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORF、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt3021の配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。
【0019】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFの両者のヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。非制限的態様においては、本発明は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORF、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0020】
本発明はさらに、配列番号2のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有する第1ポリペプチド、及び配列番号4のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有する第2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0021】
本発明はさらに、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物の両者をコードするヌクレオチド配列を含んで成る前記ポリヌクレオチド分子のいづれか、又はそれに対して相同である前記ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る。非制限的であるが特定の態様においては、ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなaveR1のORFのヌクレオチド配列から成る。非制限的であるが特定のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなaveR2のORFのヌクレオチド配列から成る。
【0022】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFに天然において接する(flanking)1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt1111、及び約nt3022〜約nt5045の配列番号1のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFに天然において接する(flanking)ヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明の単離されたポリヌクレオチド分子における個々のフランキング配列、又はその相同体は好ましくは、少なくとも約200ntの長さでである。
【0023】
非制限的態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFに天然において接する1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同であり、そしてさらに、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子のいづれか又は両者をコードする本発明の1つの前記ヌクレオチド配列、たとえば約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子及びその実質的な部分を提供する。
【0024】
本発明はさらに、本発明の前記ポリヌクレオチド分子又はその一部のいづれかを増幅するためにプライマーとして有用であり、又はave遺伝子発現及びアベルメクチン生成の調節において有用なアンチセンス分子をコードし、又はその分子として作用するために使用され得るオリゴヌクレオチド分子を提供する。
【0025】
本発明はさらに、クローニングベクター、発現ベクター、前記ベクターのいづれかを含んで成る形質転換された宿主細胞、及びそれに由来する新規株又は細胞系を包含する、本発明のポリヌクレオチド分子又はオリゴヌクレオチド分子のいづれかをクローニングし、そして発現するための組成物及び方法を提供する。非制限的な態様においては、本発明は、本発明のポリヌクレオチド分子の発現のために必要な1又は複数の調節要素と作用可能に関連して前記ポリヌクレオチド分子を含んで成る組換え発現ベクターを提供する。非制限的ではあるが、特定の態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2遺伝子の両者の完全なORFを含んで成るプラスミドpSE201(ATCC 203182)を提供する。
【0026】
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子によりコードされる実質的に精製された、又は単離されたポリペプチドを提供する。非制限的であるが特定の態様においては、前記ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るaveR1遺伝子生成物である。非制限的であるが特定のもう1つの態様において、前記ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成るaveR2遺伝子生成物である。本発明はさらに、本発明のaveR1又はaveR2遺伝子生成物のいづれかに対して相同である実質的に精製され又は単離されたポリペプチドを提供する。本発明はさらに、本発明のaveR1又はaveR2遺伝子生成物又は相同ポリペプチドの実質的に精製され又は単離されたペプチドフラグメントを提供する。
【0027】
本発明はさらに、特定のコードされた遺伝子生成物、ポリペプチド、又はペプチドフラグメントの発現の助けとなる条件下で、本発明の組換え発現ベクターにより形質転換され又はトランスフェクトされた宿主細胞を培養し、そして細胞培養物から発現された遺伝子生成物、ポリペプチド又はペプチドフラグメントを回収することを含んで成る、本発明の実質的に精製され、又は単離されたaveR1遺伝子生成物、aveR2遺伝子生成物、相同ポリペプチド又はペプチドフラグメントの調製方法を提供する。
【0028】
本発明はさらに、遺伝子構造体、たとえば遺伝子置換ベクターを包含する、ストレプトミセスの種又は株の細胞を遺伝子的に修飾するための組成物及び方法を提供する。本発明により提供される場合、ストレプトミセスの種又は株の細胞は、遺伝子的に修飾され、そのように修飾されていない同じ種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量とは検出できるほど異なっている多量のアベルメクチンが生成される。好ましい態様においては、ストレプトミセスの種又は株の細胞は遺伝子的に修飾され、そのように修飾されていない同じ種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンが生成される。
【0029】
さらなる好ましい態様において、ストレプトミセスの種はS.アベルミチリスである。本発明によれば、そのような遺伝子修飾は好ましくは、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者を突然変異誘発することを含んで成り、ここでそのような突然変異は、遺伝子突然変異を担持しない株の細胞に比較して、aveR1又はaveR2遺伝子、又はaveR1もしくはaveR2遺伝子の両者において突然変異を担持するS.アベルミチリスの株の細胞により生成されるアベルメクチンの量の検出できる上昇をもたらす。
【0030】
aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の突然変異は、標準の突然変異誘発技法、たとえば化学的突然誘発物質又は放射線への暴露により、又はaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者を突然変異誘発するために、本発明により提供される遺伝子構造体、たとえば遺伝子置換ベクターを用いることによって、ヌクレオチドを付加し、欠失し、又は置換することによって、又はフレームシフトを導入することによって、又はaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子中に異なった又は異種のヌクレオチド配列を挿入することによって、又はaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の一部又はすべてを欠失することによって、又はaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の一部又はすべてを、異なった又は異種のヌクレオチド配列により置換することによって、又はそのような突然変異の組合せによって実施され得る。
【0031】
本発明はさらに、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めることができる、ストレプトミセスの種又は株におけるaveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の突然変異を同定するための方法を提供し、ここで前記方法は、(a)ストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を測定し;(b)前記種又は株の細胞の、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子中に、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に突然変異を導入し;そして(c)遺伝子突然変異を担持しない段階(a)の細胞により生成されるアベルメクチンの量に、段階(b)において生成されるような遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量を比較することを含んで成り;段階(b)において生成されるような遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量が遺伝子突然変異を担持しない段階(a)の細胞により生成されるアベルメクチンの量よりも検出できるほど高い場合、アベルメクチンの量を検出できるほど高めることができる、aveR1もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の突然変異が同定されることを特徴とする。好ましい態様において、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。
【0032】
本発明はさらに、ストレプトミセスの種又は株の修飾されていない細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成する、ストレプトミセスの特定の種又は株からの遺伝子的に修飾された細胞を調製するための方法を提供し、ここで前記方法は、ストレプトミセスの種又は株の細胞におけるaveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者を突然変異誘発し、そして遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの種又は株の細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成する突然変異誘発された細胞を選択することを含んで成る。
【0033】
好ましい態様においては、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。下記実施例(9−1)に記載される、非限定的であるが特定の態様においては、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2遺伝子の両者は、異種遺伝子により個々の遺伝子のORFの一部を置換することによって突然変異誘発され、aveR1及びaveR2遺伝子がそのように突然変異誘発されていないS.アベルミチリスの株の細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成するS.アベルミチリス細胞がもたらされる。
【0034】
実施例(9−2)に記載される、非制限的であるが特定のもう1つの態様においては、S.アベルミチリスのaveR2遺伝子が、異種遺伝子をaveR2のORF中に挿入することによって突然変異誘発され、aveR2遺伝子がそのように突然変異誘発されていないS.アベルミチリスの株の細胞に比較して、検出できるほどに高められた量のアベルメクチンを生成するS.アベルミチリスがもたらされる。
【0035】
本発明はさらに、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの株の細胞に比較して、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者への1又は複数の突然変異の結果として、検出できるほどに高められた量のアベルメクチンを生成するストレプトミセスの新規株の細胞を供給する。好ましい態様においては、ストレプトミセスの株は、種S.アベルミチリスからである。本発明の新規株は、アベルメクチン、たとえば商業的に所望されるドラメクチンの大規模生成において有用である。
【0036】
本発明はさらに、ストレプトミセスの培養により生成されるアベルメクチンの量を高めるための方法を提供し、ここで前記方法は、遺伝子突然変異を担持しない種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めるよう作用する、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者における突然変異を含んで成る、ストレプトミセスの種又は株の細胞を、それからアベルメクチンの生成を可能にし又は誘発する条件下で、培養培地において培養し、そしてその培養物からアベルメクチンを回収することを含んで成る。好ましい態様において、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。この方法は、アベルメクチンの生成効率を高めるために有用である。
【0037】
本発明はさらに、本発明のaveR1遺伝子生成物、aveR2遺伝子生成物、相同ポリペプチド、又はペプチドフラグメントに対して向けられる抗体を提供する。
図1.A.S.コエリカラー(S.coelicolor)ヒスチジンキナーゼ相同体(absA1)及びS.アベルミチリスaveR1遺伝子によりコードされる推定されるアミノ酸配列の比較は、約32%の配列同一性を示す。B.S.コエリカラー応答レギュレーター相同体(absA2)及びS.アベルミチリスaveR2遺伝子によりコードされる推定されるアミノ酸配列の比較は、約45%の配列同一性を示す。高度に保存されたアミノ酸は肉太活字型で存在する。
【0038】
図2.A.aveR1及びaveR2のORFを含むプラスミドベクターpSE201(ATCC 203182)。B.aveR1及びaveR2のORFを含むプラスミドベクターpSE210。
図3.A.aveR1及びaveR2のORFの一部を置換しているermE遺伝子を含む遺伝子置換ベクターpSE214。B.aveR2のORF中に挿入されるermE遺伝子を含む遺伝子置換ベクターpSE216。
図4.同定される5種のオーバーラップするコスミドクローン(すなわち、pSE65,pSE66,pSE67,pSE68,pSE69)と共に、S.アベルミチリスからのアベルメクチン ポリケチドシンターゼ遺伝子クラスターのBamHI制限地図。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の同定及び特徴化、及びそれらの遺伝子の突然変異が生成されるアベルメクチンの量を調節できる発見に関する。例によれば、本発明は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるような又はプラスミドpSE201(ATCC 203182)に存在するようなaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号3(注:配列番号3は配列番号1と同一である)に示されるような又はプラスミドpSE201(ATCC 203182)に存在するようなaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子、及びそれらに由来する突然変異誘発されたヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子について、下記セクションにおいて記載される。
【0040】
配列番号1及び3に示されるヌクレオチド配列、及びその実質的な部分に関する、本明細書における言及は、特にことわらない限り、プラスミドpSE201(ATCC 203182)に存在するような、それぞれの対応するヌクレオチド配列及びその実質的な部分を意味するためにも意図される。さらに、配列番号2及び4に示されるアミノ酸配列、及びそのペプチドフラグメントに関する、本明細書における言及はまた、特にことわらない限り、プラスミドpSE201(ATCC 203182)に存在する、対応するaveR1−及びaveR2−コードのヌクレオチド配列によりコードされる、それぞれの対応するアミノ酸配列及びそのペプチドフラグメントを言及するためにも意図される。
【0041】
ポリヌクレオチド分子
本明細書において使用される場合、用語“ポリヌクレオチド分子”、“ポリヌクレオチド配列”、“コード配列”、“リーディングフレーム(ORF)”及び同様のものは、一本鎖又は二本鎖のいづれかであり得る、DNA及びRNAの両分子を言及する。コード配列又はORFは、原核配列、cDNA配列、ゲノムDNA配列、及び化学的に合成されたDNA及びRNA配列を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0042】
本明細書に開示される、ポリヌクレオチド分子及びオリゴヌクレオチド分子の生成及び操作は、当業者の範囲内であり、そして中でも、次の文献に記載される組換え技法に従って実施され得る:Maniatisなど. 1989, Molecular Cloning A Laboratory Manual , Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; Ausubelなど., 1989, Greene Publishing Associates & Wiley Interscience, NY; Sambrookなど., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; Innisなど.(eds), 1995, PCR Strategies, Academic Press, Inc., San Diego; Erlich(ed), 1992, PCR Technology, Oxford University Press, New York; and Hopwoodなど., 1985, Genetic Manipulation of Streptomyces, A Laboratory Manual , John Innes Foundation, Norwich, U.K.; それらのすべては引用により、本明細書中に組込まれる。
【0043】
aveR1−関連ポリヌクレオチド分子
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR1遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、aveR1遺伝子生成物は、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるような、S.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。
【0044】
本発明はさらに、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。用語“相同”とは、これに関して使用される場合、(a)約nt1112〜約nt2317の配列番号1と同じポリペプチドをコードするが、しかし遺伝子コードの縮重に従って、ヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含し;又は(b)配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の相補体に対して、適度な緊縮条件、すなわち0.5NのNaHPO4 、7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されたDNAへのハイブリダイゼーション及び0.2×SSC/0.1% SDSにおける42℃での洗浄下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を意味し(Ausubel など. (eds.), 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Vol.I, Green Publishing Associates, Inc., 及びJohn Wiley & Sons, Inc., New York, p 2.10.3 を参照のこと)、そして本発明の実施において有用である。
【0045】
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の相補体に対して、高い緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTA下でフィルター結合されたDNAに対する65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC/0.1%のSDSにおける68℃での洗浄下でハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記)、そして本発明の実施において有用である。さらなる好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下で、約nt1112〜約nt2317の配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズし、そして本発明の実施において有用である。
【0046】
本明細書において使用される場合、aveR1−関連ポリヌクレオチド分子は、“本発明の実施において有用であり”、ここでポリヌクレオチド分子が、特定部位の突然変異誘発、たとえば相同組換えによりS.アベルミチリスのaveR1のORF中に突然変異を導入するために、又は標準の増幅技法を用いて、S.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を増幅するために、使用され得る。そのような相同ポリヌクレオチド分子は、S.コエリカラーを除く、ストレプトミセスの他の種、又はS.アベルミチリスの他の株に存在する天然に存在するaveR1遺伝子、及び天然に存在するか、化学的に合成されるか、又は遺伝的に構築されるかにかかわらず、突然変異誘発されたaveR1対立遺伝子を包含することができる。
【0047】
本発明はさらに、配列番号2のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。S.アベルミチリスからのaveR1遺伝子生成物のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを言及するために本明細書において使用される場合、用語“相同”とは、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドを意味するが、しかしその1又は複数のアミノ酸残基が異なったアミノ酸残基により保存的に置換されており、そしてその得られるポリペプチドは、本発明の実施において有用である。
【0048】
保存性アミノ酸置換は、当業界において良く知られている。そのような置換を製造するための規則は、中でも、Dayhof, M.D., 1978, Nat.Biomed.Res.Found., Washington, D.S., Vol.5, Sup.3 により記載されるものを包含する。より具体的には、保存性アミノ酸置換は、側鎖の酸度、極性度又は嵩密度に関連するアミノ酸ファミリー内で一般的に生じるものである。
【0049】
遺伝子的にコードされたアミノ酸は、一般的に、4種のグループに分けられる:(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リシン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;及び(4)荷電されていない極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンはまた、共同で、芳香族アミノ酸として分類される。いづれかの特定の基内の1又は複数の置換、たとえばイソロイシン又はバリンによるロイシンの、又はグルタミン酸によるアスパラギン酸の、又はセリンによるトレオニンの、又は構造的に関連するアミノ酸残基、たとえば類似する酸度、極性度又は嵩密度、又はそれらのいくらかの組合せでの類似性を有するアミノ酸残基によるいづれか他のアミノ酸残基の置換が一般的に、ポリペプチドの機能に対して微々たる効果を有するであろう。
【0050】
本明細書において使用される場合、aveR1−関連ポリペプチドは、“本発明の実施において有用”であり、ここで前記ポリペプチドは、S.アベルミチリスからのaveR1遺伝子生成物に対して抗体を生ぜしめ、又はストレプトミセスにおけるaveR1活性又はアベルメクチン生成を調節する化合物についてスクリーンするために使用され得る。
【0051】
本発明はさらに、本発明の前記aveR1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書において使用される場合、aveR1−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”は、本発明のS.アベルミチリスaveR1遺伝子生成物又はaveR1−関連相同ポリペプチドの完全なコード配列よりも少ない配列から成るが、しかし前記ヌクレオチド配列の少なくとも約20%及びより好ましくは、少なくとも約30%を含んで成り、そして有用性がaveR1−関連ポリヌクレオチド分子について上記のように定義される場合、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
【0052】
非制限的態様においては、aveR1−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、本発明のS.アベルミチリスaveR1遺伝子生成物又はaveR1−関連相同ポリペプチドのペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成る。aveR1−関連ポリペプチドの“ペプチドフラグメント”は、十分な長さのaveR1遺伝子生成物又は相同ポリペプチドのアミノ酸配列の副配列から成るポリペプチドを意味し、ここで前記副配列は、十分な長さのaveR1遺伝子生成物又は相同ポリペプチドよりも長さが短かく、そして有用性がaveR1−関連ポリペプチドについて上記に定義されるように、本発明の実施において有用である。好ましい態様において、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列の副配列から成るペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を供給する。本発明のペプチドフラグメントは、好ましくは少なくとも約15個のアミノ酸残基の長さである。
【0053】
本明細書に開示されるaveR1−関連ポリヌクレオチド分子は、aveR1遺伝子生成物を発現するために、aveR1遺伝子が突然変異誘発されているストレプトミセスの新規株を調製するために、又は既知の技法を用いて、他の細菌種又は株におけるaveR1相同体遺伝子を同定するために使用され得る。従って、本発明はさらに、aveR1相同体遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。
【0054】
本明細書において使用される場合、“aveR1相同体遺伝子生成物”とは、ストレプトミセスの異なった種又は密接に関連するサッカロポリスポラ(Saccharopolyspora )属からの遺伝子として定義され、そして約80%以上のヌクレオチド配列同一性の程度に基づいて、S.アベルミチリスのaveR1遺伝子の相同体として当業者により、又は2−成分シグナリングシステムのヒスチジンキナーゼ成分に典型的には見出される保存された活性部位残基を含むことによって認識されるaveR1相同体遺伝子によりコードされる遺伝子生成物として定義される。たとえば、Nar/Degサブグループからの真正細胞2−成分システムとのaveR1相同性の比較は、自己−リン酸化の部位であるヒスチジン残基(H)、及び自己キナーゼ活性のために必要とされるアスパラギン酸残基(N)の100%保存性を示す。
【0055】
aveR1相同体遺伝子を含むポリヌクレオチドクローンを同定するための方法は、当業界において知られている。たとえば、S.アベルミチリスaveR1のORFの一部を含んで成るポリヌクレオチド分子は、検出できるようにラベルされ得、そして興味ある生物に由来するDNAから構成されるゲノムライブラリーをスクリーンするために使用され得る。ハイブリダイゼーション条件の緊縮性は、興味ある生物に対する対照生物(この例においては、S.アベルミチリス)の関係に基づいて選択され得る。異なった緊縮性条件についての必要性は、当業者によく知られており、そしてそのような条件は、ライブラリー及びラベルされた配列が由来する特定の生物に依存して変化するであろう。
【0056】
ゲノムDNAライブラリーは、中でも、バクテリオファージに関しては、Benton and Davis, 1977, Science 196: 180、及びプラスミドライブラリーに関しては、Grunstein and Hogness, 1975, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 72: 3961−3965 に示される技法を用いて、aveR1相同体遺伝子コード配列についてスクリーンされ得る。配列番号1で示されるようなaveR1のORF、又はその一部を表わすオリゴヌクレオチド分子を含むことが知られているヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子は、それらのスクリーニング実験においてプローブとして使用され得る。他方では、精製されたaveR1遺伝子生成物のアミノ酸配列から推定されるヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドプローブが合成され得る。
【0057】
aveR1相同体遺伝子コード配列を含むものとして同定されるクローンが、適切な生物学的機能について試験され得る。たとえば、クローンは、適切なリーディングフレーム、及び開始及び終結シグナルを同定するために配列分析にゆだねられ得る。次に、クローン化されたDNA配列が、aveR1の相補性についての試験を可能にされた、S.アベルミチリスの株の細胞を形質転換する適切な発現ベクター中に挿入され得る。次に、形質転換されたS.アベルミチリス宿主細胞が、たとえば下記セクション6.6.に記載されるように、発酵生成物のHPLC分析のような方法を用いて、アベルメクチン生成について分析され得る。
【0058】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接する(flanking)1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt1111、及び約nt2318〜約nt5045の配列番号1のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接する(flanking)ヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0059】
本明細書において使用される場合、ヌクレオチド配列は、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接するヌクレオチド配列に対して相同であり、ここでその相同ヌクレオチド配列は、適度な緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されるDNAへのハイブリダイゼーション、及び0.2×SSC/0.1% SDSにおける42℃での洗浄下で、S.アベルミチリスのaveR1のORFを天然において端に有するヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記を参照のこと)、そしてaveR1−関連ポリヌクレオチド分子について有用性が上記に定義されるように、本発明の実施において有用である。
【0060】
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子における個々のフランキング配列、又はその相同体は、好ましくは、少なくとも約200ntの長さのものである。非制限的な態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接する1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同であり、そしてさらに、本発明の1つの前記aveR1−関連ヌクレオチド配列、たとえば約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子、又はその実質的な部分を供給する。
【0061】
aveR2−関連ポリヌクレオチド分子
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR2遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、aveR2遺伝子生成物は、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるような、S.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成る。
【0062】
本発明はさらに、約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。用語“相同”とは、これに関して使用される場合、(a)約nt2314〜約nt3021の配列番号3と同じポリペプチドをコードするが、しかし遺伝子コードの縮重に従って、ヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含し;又は(b)配列番号4のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の相補体に対して、適度な緊縮条件、すなわち0.5NのNaHPO4 、7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されたDNAへのハイブリダイゼーション及び0.2×SSC/0.1% SDSにおける42℃での洗浄下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を意味し(Ausubel など. (eds.), 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Vol.I, Green Publishing Associates, Inc., 及びJohn Wiley & Sons, Inc., New York, p 2.10.3 を参照のこと)、そして本発明の実施において有用である。
【0063】
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の補体に対して、高い緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTA下でフィルター結合されたDNAに対する65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC/0.1%のSDSにおける68℃での洗浄下でハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記)、そして本発明の実施において有用である。さらなる好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下で、約nt2314〜約nt3021の配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の補体にハイブリダイズし、そして本発明の実施において有用である。
【0064】
本明細書において使用される場合、aveR2−関連ポリヌクレオチド分子は、“本発明の実施において有用であり”、ここでポリヌクレオチド分子が、特定部位の突然変異誘発、たとえば相同組換えによりaveR2のORF中に突然変異を導入するために、又は標準の増幅技法を用いて、S.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を増幅するために、使用され得る。そのような相同ポリヌクレオチド分子は、S.コエリカラーを除く、ストレプトミセスの他の種、又はS.アベルミチリスの他の株に存在する天然に存在するaveR2遺伝子、及び天然に存在するか、化学的に合成されるか、又は遺伝的に構築されるかにかかわらず、突然変異誘発されたaveR2対立遺伝子を包含することができる。
【0065】
本発明はさらに、配列番号4のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。S.アベルミチリスからのaveR2遺伝子生成物のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを言及するために本明細書において使用される場合、用語“相同”とは、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドを意味するが、しかしその1又は複数のアミノ酸残基が異なったアミノ酸残基により保存的に置換されており、そしてその得られるポリペプチドは、本発明の実施において有用である。
【0066】
本明細書において使用される場合、aveR2−関連ポリペプチドは、“本発明の実施において有用”であり、ここで前記ポリペプチドは、S.アベルミチリスからのaveR2遺伝子生成物に対して抗体を生ぜしめ、又はストレプトミセスにおけるaveR2活性又はアベルメクチン生成を調節する化合物についてスクリーンするために使用され得る。
【0067】
本発明はさらに、本発明の前記aveR2−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。本明細書において使用される場合、aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”は、本発明のS.アベルミチリスaveR2遺伝子生成物又はaveR2−関連相同ポリペプチドの完全なコード配列よりも少ない配列から成るが、しかし前記ヌクレオチド配列の少なくとも約25%及びより好ましくは、少なくとも約30%を含んで成り、そして有用性がaveR2−関連ポリヌクレオチド分子について上記のように定義される場合、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
【0068】
非制限的態様においては、aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、本発明のS.アベルミチリスaveR2遺伝子生成物又はaveR2−関連相同ポリペプチドのペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成る。aveR2−関連ポリペプチドの“ペプチドフラグメント”は、十分な長さのaveR2遺伝子生成物又は相同ポリペプチドのアミノ酸配列の副配列から成るポリペプチドを意味し、ここで前記サブ−配列は、十分な長さのaveR2遺伝子生成物又は相同ポリペプチドよりも長さが短かく、そして有用性がaveR2−関連ポリペプチドについて上記に定義されるように、本発明の実施において有用である。好ましい態様において、本発明は、配列番号4のアミノ酸配列の副配列から成るペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を供給する。本発明のペプチドフラグメントは、好ましくは少なくとも約15個のアミノ酸残基の長さである。
【0069】
本明細書に開示されるaveR2−関連ポリヌクレオチド分子は、aveR2遺伝子生成物を発現するために、aveR2遺伝子が突然変異誘発されているストレプトミセスの新規株を調製するために、又は既知の技法を用いて、他の細菌種又は株におけるaveR2相同体遺伝子を同定するために使用され得る。従って、本発明はさらに、aveR2相同体遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0070】
本明細書において使用される場合、“aveR2相同体遺伝子生成物”とは、ストレプトミセスの異なった種又は密接に関連するサッカロポリスポラ(Saccharopolyspora )属からの遺伝子として定義され、そして約80%以上のヌクレオチド配列同一性の程度に基づいて、S.アベルミチリスのaveR2遺伝子の相同体として当業者により、又は2−成分シグナリングシステムの応答レギュレーター成分に典型的には見出される保存された活性部位残基を含むことによって認識されるaveR2相同体遺伝子によりコードされる遺伝子生成物として定義される。たとえば、Nar/Degサブグループからの真正細胞2−成分システムとのaveR2相同性の比較は、2つのアスパラギン酸残基(D)(この1つは、リン酸化の部位である)、及び保存されたリシン残基(R)の100%保存性を示す。
【0071】
aveR2相同体遺伝子を含むポリヌクレオチドクローンを同定するための方法は、当業界において知られている。たとえば、S.アベルミチリスaveR2のORFの一部を含んで成るポリヌクレオチド分子は、検出できるようにラベルされ得、そして興味ある生物に由来するDNAから構成されるゲノムライブラリーをスクリーンするために使用され得る。ハイブリダイゼーション条件の緊縮性は、興味ある生物に対する対照生物(この例においては、S.アベルミチリス)の関係に基づいて選択され得る。
【0072】
ゲノムDNAライブラリーは、セクション5.1.1において引用される技法を用いて、aveR2相同体遺伝子コード配列についてスクリーンされ得る。配列番号3で示されるようなaveR2のORF、又はその一部を表わすオリゴヌクレオチド分子を含むことが知られているヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子は、それらのスクリーニング実験においてプローブとして使用され得る。他方では、精製されたaveR2遺伝子生成物のアミノ酸配列から推定されるヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドプローブが合成され得る。
【0073】
aveR2相同体遺伝子コード配列を含むものとして同定されるクローンが、適切な生物学的機能について試験され得る。たとえば、クローンは、適切なリーディングフレーム、及び開始及び終結シグナルを同定するために配列分析にゆだねられ得る。次に、クローン化されたDNA配列が、aveR2の相補性についての試験を可能にされた、S.アベルミチリスの株の細胞を形質転換する適切な発現ベクター中に挿入され得る。次に、形質転換されたS.アベルミチリス宿主細胞が、たとえば下記セクション6.6.に記載されるように、発酵生成物のHPLC分析のような方法を用いて、アベルメクチン生成について分析され得る。
【0074】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR2のORFを天然において端に有する1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt2313、及び約nt3022〜約nt5045の配列番号3のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接するヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0075】
本明細書において使用される場合、ヌクレオチド配列は、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接する(flanking)ヌクレオチド配列に対して相同であり、ここでその相同ヌクレオチド配列は、適度な緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されるDNAへのハイブリダイゼーション、及び0.2×SSC/0.1%のSDSにおける42℃での洗浄下で、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接するヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記を参照のこと)、そしてaveR2−関連ポリヌクレオチド分子について有用性が上記に定義されるように、本発明の実施において有用である。
【0076】
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子における個々のフランキング配列、又はその相同体は、好ましくは、少なくとも約200ntの長さのものである。非制限的な態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接する1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同であり、そしてさらに、本発明の1つの前記aveR2−関連ヌクレオチド配列、たとえば約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子、又はその実質的な部分を供給する。
【0077】
aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物(“aveR1/aveR2”として下記で言及される)の両者をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子をさらに提供する。好ましい態様においては、aveR1及びaveR2遺伝子生成物は、それぞれ、配列番号2及び配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様においては、単離されたaveR1/aveR2ポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORF、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。
【0078】
さらなる非制限的態様においては、単離されたaveR1/aveR2ポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt3021の配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。配列番号1のヌクレオチド配列は、aveR1のORFとaveR2のORFとの間での部分的オーバーラップを示すが、しかしながら、本発明はまた、aveR1及びaveR2についてのORFがオーバーラップしないaveR1/aveR2ポリヌクレオチド分子も包含する。
【0079】
本発明はさらに、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORF、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0080】
用語“相同”とは、これに関して使用される場合、(a)それぞれ、約nt1112〜約nt2317及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなaveR1及びaveR2と同じポリペプチドをコードするが、しかし遺伝子コード縮重に従って、ヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含し;又は(b)配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る第1ポリペプチド、及び配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る第2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の補体に対して、適度な緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されたDNAへのハイブリダイゼーション及び0.2×SSC/0.1% SDSにおける42℃での洗浄下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を意味し(Ausubel など., 1989 、前記)、そして本発明の実施において有用である。
【0081】
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る第1ポリペプチド及び配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る第2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の相補体に対して、高い緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTA下でフィルター結合されたDNAに対する65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC/0.1% SDSにおける68℃での洗浄下でハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記)、そして本発明の実施において有用である。さらなる好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下で、それぞれ約nt1112〜約nt2317及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1で示されるようなS.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の補体にハイブリダイズし、そして本発明の実施において有用である。
【0082】
本明細書において使用される場合、aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子は、“本発明の実施において有用であり”、ここでポリヌクレオチド分子が、特定部位の突然変異誘発、たとえば相同組換えによりS.アベルミチリスのaveR1のORFもしくはaveR2のORFのいづれか、又はaveR1及びaveR2のORFの両者中に突然変異を導入するために、又は標準の増幅技法を用いて、S.アベルミチリスのaveR1のORFもしくはaveR2のORFのいづれか、又はaveR1及びaveR2のORFの両者のヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を増幅するために、使用され得る。
【0083】
そのような相同ポリヌクレオチド分子は、S.コエリカラーを除く、ストレプトミセスの他の種、又はS.アベルミチリスの他の株に存在する天然に存在するaveR1/aveR2遺伝子、及び天然に存在するか、化学的に合成されるか、又は遺伝的に構築されるかにかかわらず、突然変異誘発されたaveR1又はaveR2対立遺伝子を包含することができる。
【0084】
本発明はさらに、それぞれ配列番号2及び4のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有する第1及び第2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを言及するために本明細書において使用される場合、用語“相同”とは、それぞれ配列番号2及び4のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドを意味するが、しかしその1又は複数のアミノ酸残基が、上記で定義される保存性アミノ酸置換のように、異なったアミノ酸残基により保存的に置換されており、そしてその得られるポリペプチドは、本発明の実施において有用である。
【0085】
本発明はさらに、本発明の前記aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書において使用される場合、aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”は、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物の両者、又は本発明のaveR1及びaveR2−関連相同ポリペプチドの両者をコードするために必要とされる完全なコード配列よりも少ない配列から成るが、しかし前記ヌクレオチド配列の少なくとも約10%及びより好ましくは、少なくとも約20%を含んで成り、そして有用性がaveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子について上記のように定義されるように、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
【0086】
好ましい態様においては、aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、本発明のS.アベルミチリスaveR1遺伝子生成物又はS.アベルミチリスaveR2遺伝子生成物のいづれか、又はその相同ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列から成る。非限定的であるが、特定の態様においては、aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなaveR1のORFのヌクレオチド配列から成る。非限定的であるが、特定のもの1つの態様においては、aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなaveR2のORFのヌクレオチド配列から成る。
【0087】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1/aveR2のORFを天然において端に有する1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt1111、及び約nt3022〜約nt5045の配列番号1のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1/aveR2のORFに天然において接するヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0088】
本明細書において使用される場合、ヌクレオチド配列は、S.アベルミチリスのaveR1/aveR2のORFに天然において接するヌクレオチド配列に対して相同であり、ここでその相同ヌクレオチド配列は、適度な緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されるDNAへのハイブリダイゼーション、及び0.2×SSC/0.1% SDSにおける42℃での洗浄下で、S.アベルミチリスのaveR1/aveR2のORFに天然において接するヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記を参照のこと)、そしてaveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子について有用性が上記に定義されるように、本発明の実施において有用である。
【0089】
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子における個々のフランキング配列、又はその相同体は、好ましくは、少なくとも約200ntの長さのものである。非制限的な態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR1/aveR2のORFに天然において接する1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同であり、そしてさらに、本発明の1つの前記aveR1/aveR2−関連ヌクレオチド配列、たとえば約nt1112〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFのいづれか又は両者をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0090】
オリゴヌクレオチド分子
本発明は、本発明の前記ポリヌクレオチド分子のいづれかにハイブリダイズし、又は本発明の前記ポリヌクレオチド分子のいづれかの相補体であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド分子を提供する。そのようなオリゴヌクレオチド分子は好ましくは、少なくとも約10個の長さのヌクレオチドであるが、しかし本発明の前記ポリヌクレオチド分子のいづれかのサブ−配列の長さで延長することができ、そして適度な又は高い緊縮条件下で、1又は複数の前記ポリヌクレオチド分子にハイブリダイズすることができる。
【0091】
より短いオリゴヌクレオチド分子に関しては、高い緊縮条件の例は、約14−塩基オリゴヌクレオチドに関しては、約37℃、約17−塩基オリゴヌクレオチドに関しては、約48℃、約20−塩基オリゴヌクレオチドに関しては、約55℃、及び約23−塩基オリゴヌクレオチドに関しては、約60℃での6×SSC/0.5%ピロリン酸ナトリウムにおける洗浄を包含する。より長いオリゴヌクレオチド分子(すなわち、約100nt以上)に関しては、適度な及び高い緊縮条件の例は、相同ポリヌクレオチド分子に関して上記セクション5.1に記載される。ハイブリダイゼーション条件は、使用される特定のオリゴヌクレオチド分子に依存して、当業界において知られているようにして適切に調節され得る。
【0092】
好ましい態様において、本発明のオリゴヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子、又は配列番号1のヌクレオチド配列の補体であるヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子にハイブリダイズする。
本発明のオリゴヌクレオチド分子は、種々の目的のために、たとえばaveR1もしくはaveR2遺伝子生成物コードのポリヌクレオチド分子の増幅におけるプライマーとして、又はストレプトミセスにおけるave遺伝子の調節及びアベルメクチン生合成の調節において有用なアンチセンス分子として有用である。
【0093】
増幅は、標準の技法、たとえばポリメラーゼ鎖反応(PCR)(但し、当業界において知られている他の増幅技法も可能である)、たとえばリガーゼ鎖反応と共に、適切に企画されたオリゴヌクレオチド分子を用いて実施され得る。たとえば、PCRに関しては、適切に企画されたプライマー、増幅されるべきヌクレオチド配列を含んで成る鋳型、及び適切なPCR酵素及び緩衝液を含んで成る混合物が、鋳型の特定のaveR1−又はaveR2−関連ポリペプチド分子を増幅するために、標準のプロトコールに従って、調製され、そして処理される。
【0094】
組換え発現システム
発現ベクター
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子を含んで成る組換えクローニングベクター及び組換え発現ベクターを供給し、ここで前記ベクターは、前記ポリヌクレオチド分子、たとえばS.アベルミチリスのaveR1のORFもしくはaveR2のORFのいづれか、又はaveR1及びaveR2のORFの両者を含んで成るポリヌクレオチド分子のクローニング、又は発現において有用である。非限定的態様においては、本発明は、S.アベルミチリスの完全なaveR1のORF及び完全なaveR2のORFを含んで成るプラスミドpSE201(ATCC 203182)を提供する。
【0095】
次の記載は、特にことわらない限り、上記で定義されたように、本発明の前記ポリヌクレオチド分子及びポリペプチドのすべてに適用するために意図される:たとえば、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2のORFのいづれか又は両者を含んで成るポリヌクレオチド分子及びそれらの遺伝子生成物、及びすべての相同ポリヌクレオチド分子、相同ポリペプチド、そのようなポリヌクレオチド分子の実質的な部分、及びそのような遺伝子生成物及びポリペプチドのペプチドフラグメント。
【0096】
次の種々の異なったベクターが、ストレプトミセスへの特定の使用のために開発されて来た:たとえば、中でも、ファージ、高コピー数のプラスミド、低コピー数のプラスミド、自殺プラスミド、感温性プラスミド、及びE.コリ−ストレプトミセス シャトルベクター、そしてそれらのいづれかが本発明の実施に使用され得る。多くの耐薬物性遺伝子がまた、ストレプトミセスからクローン化されており、そしてそれらの遺伝子のいくつかが選択マーカーとしてベクター中に組込まれている。ストレプトミセスへの使用のための現在のベクターの例は、中でも、Hutchinson, 1980, Applied Biochem.Biotech. 16: 169−190に示されている。
【0097】
本発明の組換えベクター、特に発現ベクターは好ましくは、本発明のポリヌクレオチド分子のためのコード配列が、ポリペプチドを生成するためにコード配列の転写及び翻訳のために必要な1又は複数の調節要素と操作的に関連して存在するよう構成される。本明細書において使用される場合、用語“調節要素”とは、誘発性及び非誘発性プロモーター、エンハンサー、オペレーター、及びポリヌクレオチドコード配列の発現を駆動し、そして/又は調節するよう作用する当業界において知られている他の要素をコードするヌクレオチド配列を包含するが、但しそれだけには限定されない。また、本明細書において使用される場合、コード配列は、そのコード配列の転写、又はそのmRNAの翻訳、又は両者を効果的に調節し、そして可能にする1又は複数の調節要素と“作用可能に関連して”存在する。
【0098】
本発明のポリヌクレオチド分子を含むよう構築され得る典型的なプラスミドベクターは、中でも、pCR−Blunt, pCR2.1 (Invitrogen), pGEM3Zf (Promega) 、及びシャトルベクターpWHM3 (Varaなど., 1989, J.Bact. 171: 5872−5881 )を包含する。
それらのベクターの調節要素は、それらの強さ及び特異性において異なることができる。使用される宿主/ベクターシステムに依存して、多くの適切な転写及び翻訳要素のいづれかが使用され得る。細菌のための転写調節領域又はプロモーターの非制限的な例は、β−galプロモーター、T7プロモーター、TACプロモーター、λ左及び右プロモーター、trp及びlacプロモーター、trp−lac融合プロモーター、及びより特定には、ストレプトミセスのためのプロモーターermE,melC及びtipA、等を包含する。
【0099】
適切な調節要素と作用可能に関連する特定のコード配列を含む組換えベクターを構成するための方法は、当業界においてよく知られており、そしてそれらのいづれかが本発明の実施に使用され得る。それらの方法は、インビトロ組換え技法、合成技法及びインビボ遺伝子組換えを包含する。たとえば、Maniatisなど., 1989 、上記;Ausubel など., 1989 、上記;Sambrookなど., 1989 、上記;Innis など., 1995 、上記;Erlich, 1992、上記;及びHopwood など., 1985 、上記に記載される技法を参照のこと。
【0100】
融合タンパク質発現ベクターが、aveR1又はaveR2遺伝子生成物−融合タンパク質を発現するために使用され得る。精製された融合タンパク質は、aveR1又はaveR2遺伝子生成物に対する抗血清を生ぜしめるために、aveR1又はaveR2遺伝子生成物の生化学性質を研究するために、異なった生化学活性を有するaveR1又はaveR2融合タンパク質を構築するために、又は組換え発現システムにおける発現されたaveR1又はaveR2遺伝子生成物の同定又は精製を助けるために使用され得る。可能な融合タンパク質発現ベクターは、β−ガラクトシダーゼ及びtrpE融合体、マルトース結合融合体、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合体及びポリヒスチジン融合体(キャリヤー領域)をコードする配列を組込むベクターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0101】
AveR1及びAveR2融合タンパク質は、精製のために有用な領域を含むよう構築され得る。たとえば、AveR1−又はAveR2−マルトース−結合タンパク質融合はアミロース樹脂を用いて精製され得;そしてAveR1−又はAveR2−グルタチオン−S−トランスファーゼ融合タンパク質は、グルタチオン−アガロースビーズを用いて精製される。そしてAveR1−又はAveR2−ポリヒスチジン融合は二価のニッケル樹脂を用いて精製され得る。他方では、キャリヤータンパク質又はペプチドに対する抗体が融合タンパク質のアフィニティークロマトグラフィー精製のために使用され得る。
【0102】
たとえば、モノクローナル抗体の標的エピトープをコードするヌクレオチド配列が、調節要素と操作的に関連して発現ベクター中に構築され、そして発現されるエピトープがAveR1又はAveR2ポリペプチドに融合されるよう、位置決定され得る。たとえば、親水性マーカーペプチドである、FLAGTMエピトープ標識(International Biotechnologies, Inc. )をコードするヌクレオチド配列は、標準技法により、AveR1又はAveR2ポリペプチドのアミノ又はカルボキシル末端に対応する点で発現ベクター中に挿入され得る。次に、発現されたAveR1又はAveR2ポリペプチド−FLAGTMエピトープ融合生成物が検出され、そして市販の抗−FLAGTM抗体を用いて、アフィニティー精製され得る。
【0103】
AveR1又はAveR2融合タンパク質をコードする発現ベクターはまた、特定のプロテアーゼ切断部位をコードするポリリンカー配列を含むよう構築され得、その結果、発現されたAveR1又はAveR2ポリペプチドが特定のプロテアーゼによる処理によりキャリヤー領域又は融合パートナーから開放され得る。たとえば、融合タンパク質ベクターは、中でも、トロンビン又は第Xa因子切断部位をコードするDNA配列を含むことができる。
【0104】
aveR1又はaveR2のORFの上流に存在し、そしてそれと読取り枠を整合して存在するシグナル配列が、発現される遺伝子生成物のトラフィキング及び分泌を指図するために、既知の方法により発現ベクター中に構築され得る。シグナル配列の非制限的例は、中でも、α−因子、免疫グロブリン、外層膜タンパク質、ペニシリナーゼ、及びT−細胞受容体からのものを包含する。
【0105】
本発明のクローニング又は発現ベクターにより形質転換され、又はトランスフェクトされた宿主細胞の選択を助けるために、ベクターは、レポーター遺伝子生成物又は他の選択マーカーのためのコード配列をさらに含むよう構築され得る。そのようなコード配列は好ましくは、上記のように、調節要素コード配列と操作的に関連して存在する。本発明において有用であるレポーター遺伝子は、当業界において良く知られており、そして中でも、緑色螢光タンパク質、ルシフェリン、xylE、及びチロシナーゼをコードするそれらのものを包含する。
【0106】
選択マーカーをコードするヌクレオチド配列は、当業界において良く知られており、そして抗生物質又は抗−代謝物に対する耐性を付与する遺伝子生成物をコードし、又は栄養要求性必要条件を供給するそれらのものを包含する。そのような配列の例は、中でもエリスロマイシン、チオストレプトン又はカナマイシンに対する耐性をコードするそれらのものを包含する。
【0107】
宿主細胞
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子又は組換えベクターを含んで成る形質転換された宿主細胞、及びそれらに由来する新規株又は細胞系を供給する。本発明の実施において有用な宿主細胞は、好ましくは、ストレプトミセス細胞であるが、但し、他の原核細胞又は真核細胞もまた使用され得る。そのような形質転換された宿主細胞は典型的には、微生物、たとえば組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコスミドDNAベクターにより形質転換された細菌、又は組換えベクターにより形質転換された酵母を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0108】
細菌細胞が一般的に、宿主細胞として好ましい。本発明のポリヌクレオチド分子はストレプトミセス細胞において機能するよう意図されるが、しかしまた、たとえばクローニング又は発現目的のために、他の細菌又は真核細胞を形質転換することができることが理解されるべきである。E.コリの株、たとえばAmerican Type Culture Collection (ATCC), Rockville, MD, USA (受託番号31343)又は市販源(Stratagene)から入手できるDH5α株が典型的には使用され得る。好ましい真核宿主細胞は、酵母細胞を包含するが、但し哺乳類細胞又は昆虫細胞もまた、効果的に使用され得る。
【0109】
本発明の組換え発現ベクターは好ましくは、実質的に均質の細胞培養物の1又は複数の宿主細胞を形質転換し又はトランスフェクトする。発現ベクターは一般的に、次の既知技法に従って、宿主細胞中に導入される:たとえばプロトプラスト形質転換、リン酸カルシウム沈殿、塩化カルシウム処理、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、組換えされたウィルスとの接触によるトランスフェクション、リポソーム仲介トランスフェクション、DEAE−デキストラントランスフェクション、トランスダクション、接合、又はマイクロプロジェクティル衝撃。形質転換体の選択は、標準の方法、たとえば選択マーカー、たとえば上記のように、組換えベクターと関連する耐抗生物質性を発現する細胞についての選択により実施され得る。
【0110】
発現ベクターが宿主細胞中に導入されるとすぐに、宿主細胞染色体における又はエピソームにおける、aveR1−,aveR2−、又はaveR1/aveR2−関連コード配列の組込み及び維持が、標準技法、たとえばサザンハイブリダイゼーション分析、制限酵素分析、PCR分析、たとえば逆転写酵素PCR(rt−PCR)、又は予測される遺伝子生成物を検出するための免疫学的アッセイにより確かめられ得る。
【0111】
組換えaveR1−,aveR2−又はaveR1/aveR2−関連コード配列を含み、そして/又は発現する宿主細胞が、当業界において良く知られている次の少なくとも4種の一般的アプローチのいづれかにより同定され得る:(i)DNA−DNA,DNA−RNA、又はRNA−アンチセンスRNAハイブリダイゼーション;(ii)“マーカー”遺伝子機能の存在の検出;(iii) 宿主細胞におけるaveR1−又はaveR2−特異的mRNA転写体の発現により測定されるような転写のレベルの評価;及び(iv)たとえばイムノアッセイにより、又はAveR1又はAveR2生物学的活性の存在により測定されるような成熟ポリペプチド生成物の存在の検出。
【0112】
組換えaveR1又はaveR2遺伝子生成物の発現及び特徴化
aveR1−,aveR2−、又はaveR1/aveR2−関連コード配列が適切な宿主細胞中に安定して導入されると、形質転換された細胞宿主がクローン的に増殖され、そしてその得られる細胞が、aveR1−、及び/又はaveR2−関連遺伝子生成物の最大生成の助けとなる条件下で増殖せしめられる。そのような条件は典型的には、細胞の高密度への増殖を包含する。発現ベクターが誘発性プロモーターを含んで成る場合、適切な誘発条件、たとえば温度シフト、栄養物の消耗、必要のない誘発物質(たとえば、炭水化物の類似体、たとえばイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG))の添加、過剰の副生成物の蓄積、又は同様のことが、発現を誘発する必要がある場合に使用される。
【0113】
発現されたaveR1−及び/又はaveR2−関連遺伝子生成物が宿主細胞内に保持される場合、細胞は収穫され、そして溶解され、そして生成物が、タンパク質分解を最少にするために当業界において知られている抽出条件、たとえば4℃で、又はプロテアーゼインヒビターの存在下で、又は両者において、前記溶解物から単離され、そして精製される。発現されたaveR1及び/又はaveR2遺伝子生成物が宿主細胞から分泌される場合、消耗された栄養培地が単純に集められ、そして生成物がそれから単離される。
【0114】
発現されたaveR1−及び/又はaveR2−関連遺伝子生成物は、次の標準方法を用いて、細胞溶解物又は培養培地から適切なように、単離され、又は実質的に精製され得る:たとえば次の方法のいづれかの組合せ(但し、それらだけには限定されない):硫酸アンモニウム沈殿、サイズ分別、イオン交換クロマトグラフィー、HPLC、密度遠心分離、及びアフィニティークロマトグラフィー。発現されたaveR1−及び/又はaveR2−関連遺伝子生成物が生物学的活性を示す場合、調製物の上昇する純度が、適切なアッセイの使用により精製工程の個々の段階でモニターされ得る。発現されたaveR1−及び/又はaveR2−関連遺伝子生成物が生物学的活性を示すか、又は示さないにかかわらず、個々は、たとえばサイズ、又はAveR1又はAveR2に対して特異的な抗体との反応性に基づいて、又は融合標識の存在により検出され得る。
【0115】
従って、本発明は、本発明のポリヌクレオチド分子によりコードされる、実質的に精製され、又は単離されたポリペプチドを供給する。非限定的であるが、特定の態様においては、ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るS.アベルミチリスからのaveR1遺伝子生成物である。非限定的であるが、特定のもう1つの態様においては、ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成るS.アベルミチリスからのaveR2遺伝子生成物である。本発明はさらに、本発明のaveR1又はaveR2遺伝子生成物のいづれかに対して相同である、実質的に精製され、又は単離されたポリペプチドを供給する。
【0116】
本発明はさらに、本発明のaveR1又はaveR2遺伝子生成物又は相同ポリペプチドのペプチドフラグメントを供給する。本発明の実質的に精製され、又は単離されたポリペプチドは、種々の目的、たとえばaveR1又はaveR2遺伝子生成物機能を変更する化合物についてスクリーンし、それにより、アベルメクチン生合成を調節するために、及びaveR1又はaveR2遺伝子生成物に対して向けられた抗体を生ぜしめるために有用である。
【0117】
本明細書において使用される場合、ポリペプチドは、そのポリペプチドが特定の調製物において材料の重量の大部分を構成する場合、“実質的に精製されている”。また、本明細書において使用される場合、ポリペプチドは、そのポリペプチドが特定の調製物において少なくとも約90重量%の材料を構成する場合、“単離されている”。
【0118】
本発明はさらに、実質的に精製され又は単離されたaveR1遺伝子生成物、aveR2遺伝子生成物、相同ポリペプチド又はペプチドフラグメントの調製方法を提供し、ここで前記方法は、それぞれ、aveR1遺伝子生成物、aveR2遺伝子生成物、相同ポリペプチド、又はペプチドフラグメントをコードする、1又は複数の調節要素と操作的に関連して存在するヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を含んで成る組換え発現ベクターにより、特定の遺伝子生成物、ポリペプチド、又はペプチドフラグメントの発現の助けとなる条件下で、形質転換され、又はトランスフェクトされた宿主細胞を培養し、そして実質的に精製され、又は単離された形で、細胞培養物から、発現された遺伝子生成物、ポリペプチド、又はペプチドフラグメントを回収することを含んで成る。
【0119】
十分な純度のaveR1又はaveR2遺伝子生成物が得られると、それは、標準の方法、たとえばSDS−PAGE、サイズ排除クロマトグラフィー、アミノ酸配列分析、アベルメクチン生合成路における適切な生成物の生成における生物学的活性、等により特徴づけられ得る。たとえば、aveR1又はaveR2遺伝子生成物のアミノ酸配列は、標準のペプチド配列決定技法を用いて決定され得る。aveR1又はaveR2遺伝子生成物はさらに、aveR1又はaveR2遺伝子生成物の疎水性及び親水性領域を同定するために、親水性分析(たとえば、Hopp and Woods, 1981, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 78: 3824を参照のこと)、又は類似ソフトウェアアルゴリズムを用いて特徴づけられ得る。
【0120】
構造分析は、特定の二次構造体を想定する、aveR1又はaveR2遺伝子生成物の領域を同定するために実施され得る。生物理学的方法、たとえばX線結晶学(Engstrom, 1974, Biochem.Exp.Biol. 11: 7 〜13)、コンピューターモデリング(Fletterick and Zoller (eds), 1986, Current Communications in Molecular Biology , Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY )、及び核磁気共鳴(NMR)が、aveR1又はaveR2遺伝子生成物とそれらの基質との間の相互作用の部位をマッピングし、そして研究するために使用され得る。それらの研究から得られる情報は、より所望するアベルメクチン生成特徴を有するストレプトミセスの新規株の開発を助けるために、aveR1又はaveR2のORFにおける突然変異のための新規部位を選択するために使用され得る。
【0121】
aveR1及びaveR2変異体の構成
本発明はさらに、遺伝子構造体、たとえば遺伝子置換ベクターを包含する、ストレプトミセスの種又は株の細胞を遺伝子的に修飾するための組成物及び方法を提供する。好ましい態様においては、ストレプトミセスの種又は株の細胞は、修飾されていない種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量とは検出できるほど異なっている多量のアベルメクチンを生成するために遺伝子的に修飾される。
【0122】
より好ましい態様においては、S.アベルミチリスの株の細胞が、修飾されていない同じ株の細胞により生成されるアベルメクチンの量に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成するよう遺伝子的に修飾される。本発明によれば、そのような遺伝子修飾は好ましくは、aveR1遺伝子、aveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両方を突然変異誘発することを含んで成り、ここでそのような突然変異は、遺伝子突然変異を担持しない同じ株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するS.アベルミチリスの株の細胞により生成されるアベルメクチンの量の検出できる上昇をもたらす。
【0123】
本発明によれば、突然変異は、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に、現在知られているか、又は未来において開発されるいづれかの技法を用いて導入され得る。たとえば、ランダム突然変異誘発は、標準の突然変異誘発技法、たとえば紫外線又はX−線、又は化学的突然変異誘発物質、たとえばN−メチル−N′−ニトロソグアニジン、エチルメタンスルホネート、亜硝酸、又は窒素マスタードにストレプトミセス細胞を暴露し、そして次にaveR1及び/又はaveR2遺伝子における1又は複数の突然変異の結果として、検出できるほど高められたアベルメクチン生成を示す細胞を選択する技法を用いて実施され得る。たとえば、突然変異誘発技法の総説としては、Ausubel, 1989 、上記を参照のこと。
【0124】
他方では、aveR1もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者に対する突然変異は、種々の既知の組換え方法のいづれか、たとえばエラー傾向PCR又はカセット突然変異誘発を用いて、特定部位態様で実施され得る。たとえば、相同組換えを利用する特定部位の突然変異誘発は、1又は複数の突然変異をそれらの遺伝子中に特異的に導入するために、aveR1もしくはaveR2のORFのいづれか、又はフランキング配列、又はaveR1及びaveR2のORFの両者、又はフランキング配列を特異的に変更するために利用され得る。さらに、ランダム断片化、突然変異誘発の反復されたサイクル、及びヌクレオチドシャフリング(nucleotide shuffling)を包含する、アメリカ特許第5,605,793号に記載される方法は、aveR1及び/又はaveR2突然変異をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の大きなライブラリーを生成するために使用され得る。
【0125】
本発明の実施において有用である、aveR1もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者に対する突然変異は、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者、又はフランキング領域における1又は複数のヌクレオチドの付加、欠失、又は置換、又はそれらのいくつかの組合せを包含し、そしてそれは、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの同じ種又は株の細胞に比較して、所望する結果、すなわち遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの株の細胞により生成されるアベルメクチンの量の検出できる上昇性をもたらす。
【0126】
そのような突然変異は、1又は複数の新規制限部位、終結コドン又はフレームシフトを、ORF配列のいづれか又は両者中に、又は遺伝子転写に関与するフランキング調節領域中に導入するよう作用することができる。他の有用な突然変異は、aveR1及びaveR2遺伝子のいづれか又は両者中に異なった又は異種ヌクレオチド配列を挿入し;又はaveR1及びaveR2遺伝子のいづれか又は両者のすべて又は一部を欠失し;又はaveR1及びaveR2遺伝子のいづれか又は両者のすべて又は一部を、異なった又は異種ヌクレオチド配列により置換し;そして所望する結果、すなわち遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの同じ種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量の検出できる上昇性をもたらす突然変異を包含する。
【0127】
部位特定突然変異は、特に、それらが、aveR1又はaveR2遺伝子生成物のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子生成物の両者における1又は複数の保存されたアミノ酸残基を変更するよう作用する場合に有用である。たとえば、図1A及び1Bに示されるように、S.コエリカラーからの類似する遺伝子生成物と、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物との推定されるアミノ酸配列の比較は、それらの種間のアミノ酸残基の有意な保存性の部位を示す。1又は複数のそれらの保存されたアミノ酸残基を欠失するか又は非保存的に置換する特定部位の突然変異誘発は、アベルメクチン生成において所望する変更を示す新規変異体株の生成において特に効果的である。
【0128】
好ましい態様においては、1又は複数の突然変異は、本発明により供給される遺伝子構造体、たとえば遺伝子置換ベクターを用いて、aveR1又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に、相同組換えにより導入される。
【0129】
前記遺伝子構造体は、完全なaveR1のORF又はその相同ポリヌクレオチド分子、又はその実質的な部分;又は完全なaveR2のORF又はその相同ポリヌクレオチド分子、又はその実質的な部分;又は完全なaveR1及びaveR2のORFの両者又はその相同ポリヌクレオチド分子、又はその実質的な部分;又はS.アベルミチリスのaveR1のORF又はaveR2のORFのいづれか、又はaveR1及びaveR2のORFの両者を天然において端に有するヌクレオチド配列;又はそれらの組合せを含んで成り;そして前記遺伝子構造体は、遺伝子突然変異を担持しない同じ種又は株の細胞に比較して、前記遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量の検出できる上昇性をもたらす突然変異を、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に導入するために使用され得る。
【0130】
非制限的であるが特定の態様において、本発明の実施に使用するための遺伝子構造体は、S.アベルミチリスからのaveR1のORFもしくはaveR2のORFのいづれか、又はaveR1及びaveR2のORFの両者、又はそれらの実質的な部分のヌクレオチド配列と同じであるヌクレオチド配列を含んで成り、そしてさらに、1又は複数の突然変異、すなわち1又は複数のヌクレオチド欠失、挿入、置換又はそれらの組合せを含んで成るプラスミドであり、ここで前記プラスミドは、前記突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量が、前記遺伝子突然変異を担持しない同じ種又は株の細胞に比較して、検出できるほど高められるよう、それぞれ、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の活性又は生物学的機能を破壊し又は変更するために、又はそれぞれ、aveR1遺伝子生成物又はaveR2遺伝子生成物のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子生成物の両者の活性又は生物学的機能を破壊し、又は変更するために、ストレプトミセスの細胞を形質転換し、そしてそれにより、突然変異を、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に導入するために使用され得る。そのようなプラスミドは、好ましくは、さらに、選択マーカーを含んで成る。
【0131】
ストレプトミセスの宿主細胞の形質転換に続いてすぐに、遺伝子構造体のポリヌクレオチド分子は、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者に相同組換えにより特異的に標的化され、そしてaveR1遺伝子又はその一部、又はaveR2遺伝子又はその一部、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者又はそれらの一部を置換し、又はaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子中に挿入する。
【0132】
この組換え現象の結果として、宿主細胞のaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者、又はそれによりコードされる遺伝子生成物が、部分的に又は完全に無能される。形質転換された細胞は、好ましくは、遺伝子構造体における選択マーカーの存在を利用することによって選択され、そして形質転換されていない株の細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成するそれらの細胞について、標準の技法、たとえば下記の実施例の(6)に記載されるそれらの技法によりスクリーンされる。
【0133】
下記実施例の(9−1)に例示される、非制限的であるが特定の態様においては、遺伝子置換ベクターが、異種ヌクレオチド配列(ermE)により個々の遺伝子のORFの一部を選択することによって、aveR1及びaveR2遺伝子の両者を破壊するために使用された。下記実施例の(9−2)に例示される、非限定的であるが特定のもう1つの態様においては、遺伝子置換ベクターが、aveR2のORF中に異種ヌクレオチド配列(ermE)を挿入することによって、aveR2遺伝子を破壊するために使用された。
【0134】
それらの遺伝子置換ベクターの個々は、S.アベルミチリスの種の細胞を別々に形質転換し、そして相同組換えにより染色体中に組込まれた。それらの新規ストレプトミセス形質転換体の個々の発酵分析は、それらの遺伝子突然変異のいづれも担持しない株の細胞に比較して、それらの遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量の有意な上昇性を示す。
【0135】
本発明はさらに、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めることができる、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の突然変異を同定するための方法を提供し、ここで前記方法は、(a)ストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を測定し;(b)段階(a)のストレプトミセスの種又は株の細胞の、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子中に、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に突然変異を導入し;そして(c)遺伝子突然変異を担持しない段階(a)の細胞により生成されるアベルメクチンの量に、段階(b)において生成されるような遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量を比較することを含んで成り;段階(b)において生成されるような遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量が遺伝子突然変異を担持しない段階(a)の細胞により生成されるアベルメクチンの量よりも検出できるほど高い場合、生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めることができる、aveR1又はaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の突然変異が同定されることを特徴とする。好ましい態様では、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。
【0136】
本発明はさらに、ストレプトミセスの種又は株の修飾されていない細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成する、同じ種又は株からの遺伝子的に修飾された細胞の調製方法を提供し、ここで前記方法は、ストレプトミセスの種又は株の細胞におけるストレプトミセスのaveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者を突然変異誘発し、そして遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの種又は株の細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成する突然変異誘発された細胞を選択することを含んで成る。好ましい態様において、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。
【0137】
本発明はさらに、ストレプトミセスの新規株を提供し、その細胞は、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの種又は株の細胞に比較して、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子への、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者への1又は複数の突然変異の結果として、検出できるほどに高められた量のアベルメクチンを生成する。好ましい態様において、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。本発明の新規株は、アベルメクチン、たとえば商業的に所望のドラメクチンの大規模生成において有用である。
【0138】
本発明はさらに、ストレプトミセスの培養により生成される高められた量のアベルメクチンを生成するための方法に関し、ここで遺伝子突然変異を担持しない種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めるよう作用する、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者における突然変異を含んで成る、ストレプトミセスの種又は株の細胞を、それからアベルメクチンの生成を可能にし又は誘発する条件下で、培養培地において培養し、そしてその培養物からアベルメクチンを回収することを含んで成る。好ましい態様においては、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。この方法は、アベルメクチンの生成効率を高めるために有用である。
【0139】
アンチセンスオリゴヌクレオチド及びリポザイム
また、本発明の範囲内に、aveR1又はaveR2 mRNAの翻訳を退化せしめ、そして/又は阻害するために結合機能する、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ホスホロチオエート及びリボザイムを包含するオリゴヌクレオチド配列が存在する。
【0140】
アンチセンスオリゴヌクレオチド、たとえばアンチセンスRNA分子及びアンチセンスDNA分子は、標的化されたmRNAに結合し、そしてタンパク質翻訳を妨げることによって、mRNAの翻訳を直接的に阻害するよう作用する。たとえば、AveR1又はAveR2ポリペプチドをコードするDNA配列のユニーク領域に対して相補的な、少なくとも約15個の塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、たとえば従来のホスホジエステル技法により合成され得る。
【0141】
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒することができる酵素性RNA分子である。リボザイム作用の機構は、相補的標的RNAへのリボザイム分子の配列特異的ハイブリダイゼーション、続くエンドヌクレオライティク分解を包含する。aveR1又はaveR2 mRNA配列のエンドヌクレオライティク分解を特異的に且つ効率良く触媒する構築されたハンマーヘッドモチーフリボゾーム分子もまた、本発明の範囲内である。
【0142】
いづれかの可能性あるRNA標的物内の特定のリボザイム切断部位は、次の配列、GUA,GUU及びGUCを包含するリボザイム切断部位について標的分子を走査することによって最初同定される。同定されるとすぐに、切断部位を含む標的遺伝子の領域に対応する約15〜20個のリボヌクレオチドの短いRNA配列が、予測される構造特徴、たとえばオリゴヌクレオチド配列を不適切にする二次構造について評価され得る。候補体標的物の適合性がまた、たとえばリボヌクレアーゼ保護アッセイを用いて、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションへのそれらの接近性を試験することによって評価され得る。
【0143】
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド及びリボザイムの両者は、既知方法により調製され得る。それらは、たとえば固相ホスホアミット化学合成による化学合成のための技法を包含する。他方では、アンチセンスRNA分子は、そのRNA分子をコードするDNA配列のインビトロ又はインビボ転写により生成され得る。そのようなDNA配列は、適切なRNAポリメラーゼプロモーター、たとえばT7又はSP6ポリメラーゼプロモーターを組込む広範囲の種類のベクター中に組込まれ得る。
【0144】
本発明のオリゴヌクレオチドの種々の修飾が、高まる細胞内安定性及び半減期の手段として導入され得る。可能な修飾は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:分子の5′及び/又は3′端へのリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドのフランキング配列の付加、又はオリゴヌクレオチド主鎖内のホスホジエステラーゼ連鎖よりもむしろホスホロチオエート又は2′−O−メチルの使用。
【0145】
抗体
本発明はさらに、aveR1遺伝子生成物、aveR2遺伝子生成物、又は相同ポリペプチド、又はペプチドフラグメントに結合するポリクローナル及びモノクローナル抗体を提供する。そのような抗体は、生来のaveR1又はaveR2遺伝子生成物を精製し、又はaveR1又はaveR2遺伝子生成物の活性又は生物学的機能を分析するために親和性試薬として使用され得る。
【0146】
抗体は、本発明のaveR1−又はaveR2−関連ポリペプチドのいづれかに対して生ぜしめられ得る。種々の宿主動物、たとえば牛、馬、ウサギ、ヤギ、羊及びマウス(但し、それらだけには限定されない)が、抗−AveR1又は抗−AveR2−特異的抗体を生成するために既知の方法に従って使用され得る。当業界において知られている種々のアジュバントが抗体生成を増強するために使用され得る。
【0147】
ポリクローナル抗体は、免疫化された動物から得られ、そして標準の技法を用いて、抗−AveR1又は抗−AveR2特異性について試験され得る。他方で、AveR1又はAveR2ポリペプチドに対するモノクローナル抗体は、培養における連続細胞系による抗体的の生成を提供するいづれかの技法を用いて調製され得る。
【0148】
それらは、Kohler and Milstein (Nature, 1975, 256: 495−497 )により最初に記載されるハイブリドーマ技法;ヒトβ−細胞ハイブリドーマ技法(Kosbor、など., 1983, Immunology Today 4: 72; Cote,など., 1983, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 80: 2026−2030);及びEBV−ハイブリドーマ技法(Cole、など., 1985, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R.Liss, Inc., pp.77−96 )を包含するが、但し、それらだけには限定されない。他方では、一本鎖抗体の生成のために記載される技法(例えば、アメリカ特許第4,946,778号を参照のこと)は、AveR1−又はAveR2−特異的一本鎖抗体を生成するために適合され得る。それらの出版物は、引用により本明細書中に組込まれる。
【0149】
AveR1又はAveR2ポリペプチドのための特異的結合部位を含む抗体フラグメントもまた、本発明内に包含され、そして既知の技法により生成され得る。そのようなフラグメントは、損なわれていない抗体分子のペプシン消化により生成され得るF(ab′)2 、及びF(ab′)2 フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって生成され得るFabフラグメントを包含するが、但し、それらだけには限定されない。他方では、Fab発現ライブラリーが、AveR1又はAveR2ポリペプチドに対する所望する特異性を有するFabフラグメントの急速な同定を可能にするために構成され得る(Huseなど., 1989, Science 246: 1275〜1281)。
【0150】
モノクローナル抗体及び抗体フラグメントの生成のための技法は、当業界において良く知られており、そしてさらに、中でも次の文献に記載されている:Harlow and Lane, 1988, Antibodies: A Laboratorg Manual , Cold Spring Harbor Laboratory ;及びJ.W.Goding, 1986, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press, London. 上記すべての出版物は、引用により本明細書中に組込まれる。
【0151】
アベルメクチンの使用
アベルメクチンは、駆虫剤、外部駆虫剤、殺昆虫剤及びダニ駆虫剤としての特別な利用性を有する高い活性の抗寄生虫剤であり、そして本発明の組成物及び方法を用いて調製されるアベルメクチンはそれらの目的のいづれかのために有用である。
本発明に従って調製されるアベルメクチンは、ヒトにおける種々の疾病又は病状を処理するために、特に、それらの疾病又は病状が当業界において知られているような、寄生体感染により引き起こされる場合に有用である。たとえば、Ikeda and Omura, 1997, Chem.Rev. 97 (7): 2591−2609を参照のこと。
【0152】
本発明に従って調製されるアベルメクチンは、内部寄生体により引き起こされる種々の病状、たとえば寄生線虫のグループにより最とも頻繁に引き起こされ、そしてヒトにおいて疾病を引き起こし、そしてブタ、羊、家禽類、馬及び牛において重度の経済的損失を引き起こし、そして家畜の健康に影響を及ぼす蠕虫病の処理において効果的である。
【0153】
従って、本発明に従って調製されたアベルメクチンは、ヒトに影響を及ぼす線虫、及び種々の動物種に影響を及ぼす線虫、たとえば犬におけるジロフィラリア(Dirofilaria )、ヒトに感染する種々の寄生体、たとえば胃腸寄生体、たとえばアンシロストマ(Ancylostoma )、ネカトル(Necator )、アスカリス(Ascaris )、ストロンギロイデス(Strongyloides )、トリンキネラ(Trinchinella)、カピラリア(Capillaria)、トリクリス(Trichuris )、エンテロビウス(Enterobius)、及び血液又は他の組織又は器官に見出される寄生体、たとえばフィラリア、及びストロンギロイデス及びトリンキネラの腸寄生状態に対して効果的である。
【0154】
本発明に従って調製されたアベルメクチンはまた、外部寄生体感染、たとえばマダニ、ダニ、シラミ、ノミ、ハエ、昆虫、又は牛及び馬に影響を及ぼす移動性双翅類幼虫により引き起こされる、哺乳類及び鳥類の節足動物侵入の処理においても有用である。
本発明に従って調製されたアベルメクチンはまた、日常の害虫、たとえばゴキブリ、蛾、甲虫類及びハエ、並びにクモ、ダニ、アリマキ、イモムシ、及び直翅類、たとえば中でも、バッタに対する殺昆虫剤としても有用である。
本発明のアベルメクチンにより処理され得る動物は、羊、牛、馬、シカ、ヤギ、ブタ、鳥、たとえば家禽、及び犬及びネコを包含する。
【0155】
本発明に従って調製されたアベルメクチンは、特定の意図された使用に適切な配合物に投入され、特定種の宿主動物及び関与する寄生体又は昆虫が処理される。駆虫剤としての使用のためには、本発明のアベルメクチンは、カプセル、ボーラス、錠剤又は液体飲薬の形で経口投与され得、又は他方では、注入物として、注射により、又は移植物として投与され得る。そのような配合物は、標準の獣医学的実施に従って、従来の態様で調製される。
【0156】
従って、カプセル、ボーラス又は錠剤は、活性成物を、適切な細かく分割された希釈剤又はキャリヤー、さらに、砕解剤及び/又は結合剤、たとえばスターチ、ラクトース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、等と共に混合することによって調製され得る。飲薬配合物は、分散又は湿潤剤、等と共に水溶液において活性成分を分散することによって調製され得る。注射用配合物は、血液と等張の溶液を製造するために、他の物質、たとえば十分な塩及び/又はグルコースを含むことができる無菌溶液の形で調製され得る。
【0157】
そのような配合物は、患者、又は処理されるべき宿主動物の種類、感染の重症度及び型、及び宿主の体重に依存して、活性化合物の重量に関して変化するであろう。一般的に、経口投与のためには、1〜5日間、一回の用量として又は分割された用量で与えられる、患者又は動物体重1kg当たり約0.001〜10mgの活性化合物の用量が満足のいくものであろう。しかしながら、より高いか又はより低い投与量範囲が、たとえば医者又は獣医により決定されるように、臨床学的徴候に基づいて示される場合が存在する。
【0158】
他の選択として、本発明に従って調製されたアベルメクチンは、動物飼料と組合して投与され得、そしてこの目的のためには、濃縮された飼料添加剤又はプレミックスが、通常の動物用飼料と共に混合するために調製され得る。
殺昆虫剤としての使用のためには、及び、農業用害虫を処理するためには、本発明の化合物は、標準の農業実施に従って、噴霧、微粉、エマルジョン、及び同様のものとして適用され得る。
次の例は単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0159】
【実施例】
実施例:aveR1及びaveR2遺伝子の単離
この例は、aveR1及びaveR2遺伝子生成物をコードし、そしてアベルメクチン生合成の調節に関与する2種の新規S.アベルミチリス遺伝子の単離及び特徴化を記載する。
【0160】
(1)DNA単離のためにS.アベルミチリスの増殖
S.アベルミチリスATCC 31272の単一コロニー(単一コロニー単離物#2)を、次のものを含む1/2強さのYPD−6培地上で単離した:Difco酵母抽出物−5g;Difco Bacto−ペプトン−5g;デキストロース−2,5g;MOPS−5g;Difco Bacto寒天−15g。最終体積をdH2 Oにより1lに調整し、pHを7.0に調節し、そして培地を121℃で25分間、オートクレーブ処理した。上記培地において増殖される菌糸体を用いて、28℃で48〜72時間、振盪しながら(3000rpm )、維持される25mm×150mmの管における10mlのTSB培地(121℃で25分間、オートクレーブ処理された、1lのdH2 O中、Difco Tryptic Soy Broth )を接種した。
【0161】
(2)S.アベルミチリスからの染色体DNA単離
上記の増殖された菌糸体のアリコート(0.25ml又は0.5ml)を、1.5mlの微小遠心分離管に配置し、そして細胞を、12,000×gでの60秒間の遠心分離により濃縮した。上清液を捨て、そして細胞を、2mg/mlのリゾチームを含む0.25mlのTSE緩衝液(1.5mMのスクロース20ml、1MのトリスHCl 2.5ml、pH8.0、1MのEDTA 2.5ml、pH8.0及びdH2 O 75ml)。サンプルを、37℃で20分間、振盪しながら、インキュベートし、AutoGen 540TM自動核酸単離装置(Integrated Separation Systems, Natick, MA )中に負荷し、そしてゲノムDNAを、製造業者の説明に従って、Cycle159(装備ソフトウェア)を用いて単離した。
【0162】
他方では、菌糸体5mlを、17mm×100mmの管に配置し、細胞を3,000rpm での5分間の遠心分離により濃縮し、そして上清液を除いた。細胞を1mlのTSE緩衝液に再懸濁し、3,000rpm での5分間の遠心分離により濃縮し、そして上清液を除いた。細胞を、2mg/mlのリゾチームを含む1mlのTSE緩衝液に再懸濁し、そして振盪しながら、37℃で30〜60分間インキュベートした。インキュベーションの後、10%のSDS 0.5mlを添加し、そして細胞を;溶解が完結するまで、37℃でインキュベートした。
【0163】
溶解物を65℃で10分間インキュベートし、室温に冷却し、2つの1.5mlのEppendorf管に分け、そして0.5mlのフェノール/クロロホルム(0.5Mのトリス(pH8.0)により前もって平衡化された50%フェノール;50%クロロホルム)により1度抽出した。水性相を除き、そして2〜5回、クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)により抽出した。
【0164】
DNAを、1/10体積の3Mの酢酸ナトリウム(pH4.8)を添加し、その混合物を氷上で10分間インキュベートし、前記混合物を15,000rpm で10分間5℃で遠心分離し、そして1体積のイソプロパノールが添加されている清浄した管に前記上清液を移すことによって沈殿せしめた。次に、前記混合物を氷上で20分間インキュベートし、15,000rpm で20分間、5℃で遠心分離し、上清液を除き、そしてDNAペレットを70%エタノールにより1度洗浄した。ペレットを乾燥した後、DNAをTE緩衝液(10mMのトリス、1mMのEDTA、pH8.0)に再懸濁した。
【0165】
(3)S.アベルミチリスからのプラスミドDNAの単離
菌糸体のアリコート(1.0ml)を、1.5mlの微小遠心分離管に配置し、そして細胞を、12,000×gでの60秒間の遠心分離により濃縮した。上清液を捨て、細胞を10.3%のスクロース1.0mlに再懸濁し、そして12,000×gでの60秒間の遠心分離により濃縮し、そして上清液を捨てた。次に、細胞を、2mg/mlのリゾチームを含む0.25mlのTSE緩衝液に再懸濁し、37℃で20分間、振盪しながらインキュベートし、そしてAutoGen 540TM自動核酸単離装置中に負荷した。プラスミドDNAを、製造業者の説明に従って、Cycle106(装備ソフトウェア)を用いて単離した。
【0166】
他方では、菌糸体1.5mlを、1.5mlの微小遠心分離管に配置し、そして細胞を12,000×gでの60秒間の遠心分離により濃縮した。上清液を捨て、細胞を10.3%のスクロース1.0mlに再懸濁し、そして12,000×gでの60秒間の遠心分離により濃縮した。細胞を、2mg/mlのリゾチームを含む0.5mlのTSE緩衝液に再懸濁し、そして37℃で15〜30分間インキュベートした。インキュベーションの後、0.25mlのアルカリ性SDS(0.3NのNaOH、2%のSDS)を添加し、そして細胞を55℃で15〜30分間、又は溶液が透明になるまで、インキュベートした。次に、酢酸ナトリウム(0.1ml、3M、pH4.8)を、DNA溶液に添加し、それを氷上で10分間インキュベートした。
【0167】
DNAサンプルを、14,000rpm で10分間5℃で遠心分離した。上清液を清浄した管に移し、そして0.2mlのフェノール:クロロホルム(50%フェノール:50%クロロホルム)を添加し、そして軽く混合した。DNA溶液を14,000rpm で10分間5℃で遠心分離し、そして上方の層を、清浄したEppendorf管に移した。イソプロパノール(0.75ml)を添加し、そしてその溶液を軽く混合し、そして次に、室温で20分間インキュベートした。DNA溶液を14,000rpm で15分間5℃で遠心分離し、上清液を除き、DNAペレットを70%エタノールにより洗浄し、乾燥せしめ、そしてDNAをTE緩衝液に再懸濁した。
【0168】
(4)E.コリからのプラスミドDNA単離
単一の形質転換されたE.コリコロニーを、100μg/mlのアンピシリンにより補充された5mlのLuria−Bertani (LB)培地(Bacto−トリプトン−10g;Bacto−酵母−5g;及び1lのdH2 O中、NaCl−10g、pH7.0、121℃で25分間オートクレーブ処理されている)中に接種した。その培養物を一晩インキュベートし、そして1mlのアリコートを1.5mlの微小遠心分離管に配置した。培養物サンプルを、AutoGen 540TM自動核酸単離装置中に負荷し、そしてプラスミドDNAを、製造業者の説明に従って、Cycle3(装備ソフトウェア)を用いて単離した。
【0169】
(5)S.アベルミチリスプロトプラストの調製及び形質転換
S.アベルミチリスの単一コロニーを、1/2強度のYPD−6上で単離した。菌糸体を用いて、25mm×150mmの管中の10mlのTSB培地を接種し、次に、28℃で48時間、振盪しながら(300rpm )インキュベートした。1mlの菌糸体を用いて、50mlのYEME培地を接種した。YEME培地は1l当たり次の成分を含む:Difco酵母抽出物−3g;Difco Bacto−ペプトン−5g;Difco麦芽抽出物−3g;及びスクロース−300g。121℃で25分間オートクレーブ処理した後、次のものを添加した:2.5MのMgCl2 ・6H2 O(121℃で25分間、別々にオートクレーブ処理された)−2ml;及びグリシン(20%)(フィルター殺菌された)−25ml。
【0170】
菌糸体を30℃で48〜72時間、増殖せしめ、そして50mlの遠心分離管(Falcon)においての3,000rpmでの20分間の遠心分離により収穫した。上清液を捨て、そして菌糸体を、次のものを含むP緩衝液に再懸濁した:スクロース−205g;K2 SO4 −0.25g;MgCl2 ・6H2 O−2.02g;H2 O−600ml;K2 PO4 (0.5%)−10ml;微量元素溶液* −20ml;CaCl2 ・2H2 O(3.68%)−100ml;MES緩衝液(1.0M、pH6.5)−10ml。(* 微量元素溶液は1l当たり次の成分を含む:ZnCl2 −40mg;FeCl3 ・6H2 O−200mg;CuCl2 ・2H2 O−10mg;MnCl2 ・4H2 O−10mg;Na2 B4 O7 ・10H2 O−10mg;(NH4 )6 Mo7 O24・4H2 O−10mg)。pHを6.5に調整し、最終体積を1lに調整し、そして培地を0.45ミクロンのフィルターを通して濾過した。
【0171】
菌糸体を3,000rpm で20分間の遠心分離によりペレット化し、上清液を捨て、そして菌糸体を、2mg/mlのリゾチームを含む20mlのP緩衝液に再懸濁した。菌糸体を35℃で15分間、振盪しながらインキュベートし、そして顕微鏡で調べ、プロトプラスト形成の程度を決定した。プロトプラスト形成が完結した場合、そのプロトプラストを8,000rpm で10分間、遠心分離した。上清液を除き、そしてプロトプラストを10mlのP緩衝液に再懸濁した。プロトプラストを8,000rpm で10分間、遠心分離し、上清液を除き、プロトプラストを2mlのP緩衝液に再懸濁し、そして約1×109 個のプロトプラストを、2.0mlの極低温バイアル(Nalgene)に分配した。
【0172】
1×109 個のプロトプラストを含むバイアルを、8,000rpm で10分間、遠心分離、上清液を除き、そしてプロトプラストを0.1mlのP緩衝液に再懸濁した。2〜5μgの形質転換DNAを、プロトプラストに添加し、続いてすぐに、0.5mlの作用T緩衝液を添加した。T緩衝液基材は次のものを含む:PEG1000(Sigma)−25g;スクロース−2.5g;及びH2 O−83ml。pHを1NのNaOH(フィルター殺菌された)により8.8に調整し、そしてT緩衝液基材をフィルター殺菌し、そして4℃で貯蔵した。使用される同じ日に製造された作用T緩衝液は、次のものを含む:T緩衝液基材−8.3ml;K2 PO4 (4mM)−1.0ml;CaCl2 ・2H2 O(5M)−0.2ml;及びTES(1M,pH8)−0.5ml。作用T緩衝液中の個々の成分をフィルター殺菌し、そして4℃で貯蔵した。
【0173】
プロトプラストへのT緩衝液の添加の20秒以内に、1.0mlのP緩衝液をまた添加し、そしてプロトプラストを8,000rpm で10分間、遠心分離した。上清液を捨て、そしてプロトプラストを0.1mlのP緩衝液に再懸濁した。次に、プロトプラストを、次の成分を含むRM14培地上にプレートした:スクロース−205g;K2 SO4 −0.25g;MgCl2 ・6H2 O−10.12g;グルコース−10g;Difcoカサミノ酸−0.1g;Difco酵母抽出物−5g;Difcoオートミール寒天−3g;Difco麦芽寒天−22g;及びH2 O−800ml。
【0174】
その溶液を121℃で25分間オートクレーブ処理した。オートクレーブの後、次のものの無菌ストックを添加した:K2 PO4 (0.5%)−10ml;CaCl2 ・2H2 O(5M)−5ml;L−プロリン(20%)−15ml;MES緩衝液(1.0M、pH6.5)−10ml;微量元素溶液(上記と同じ)−2ml;シクロヘキシミドストック(25mg/ml)−40ml;及び1NのNaOH−2ml。25mlのRM14培地をプレート当たり等分し、そしてプレートを、使用の前、24時間、乾燥せしめた。
【0175】
プロトプラストを、30℃で20〜24時間、95%湿度下でインキュベートした。エリトロマイシン耐性形質転換体を選択するために、1mlのオーバーレイ緩衝液及び125μgのエリトロマイシン(5μg/mlの最終濃度のエリトロマイシンにされている)を、RM14再生プレート上に均等に広げた。オーバーレイ緩衝液は100ml当たり次の成分を含む:スクロース−10.3g;微量元素溶液(上記と同じ)−0.2ml;及びMES(1M、pH6.5)−1ml。プロトプラストを、エリトロマイシン耐性(Ermr )コロニーが見られるまで、30℃で7〜14日間、95%湿度下でインキュベートした。
【0176】
(6)S.アベルミチリス株の発酵分析
1/2強度YPD−6上で4〜7日間、増殖されたS.アベルミチリス菌糸体を、8mlの予備培地及び2種の5mmのガラスビーズを含む1×6インチの管中に接種した。予備培地は次のものを含む:可溶性スターチ(薄煮沸スターチ又はKOSO、Japan Corn Starch Co., Nagoya )−20g/l;Pharmamedia (Trader’s Protein, Memphis TN)−15g/l;Ardomine pH (Champlain, Inc. Clifton, NJ )−5g/l;CaCO3 −2g/l;2×bcfa(“bcfa”は、枝分れ鎖の脂肪酸を言及する)(培地に次の最終濃度の成分を含む:50ppm の2−(±)−メチル酪酸、60ppm のイソ酪酸、及び20ppm のイソ吉草酸)。pHを7.2に調整し、そして培地を121℃で25分間オートクレーブ処理した。
【0177】
管を17度の角度で、215rpm で3日間、29℃で振盪した。種子培養物の2mlアリコートを用いて、次の成分を含む25mlの生成培地を含む300mlの三角フラスコを接種した:スターチ(薄煮沸スターチ又はKOSOのいづれか)−160g/l;Nutrisoy(Archer Daniels Midland, Decatur, IL )−10g/l;Ardamine pH −10g/l;K2 HPO4 −2g/l;MgSO4 ・4H2 O−2g/l;FeSO4 ・7H2 O−0.02g/l;MgCl2 −0.002g/l;ZnSO4 ・7H2 O−0.002g/l;CaCO3 −14g/l;及び2×bcfa(上記のような)。pHを6.9に調整し、そして培地を121℃で25分間オートクレーブ処理した。
【0178】
接種の後、フラスコを29℃で12日間、200rpm で振盪しながらインキュベートした。インキュベーションの後、2mlのサンプルをフラスコから採取し、8mlのメタノールにより希釈し、混合し、そしてその混合物を1250×gで10分間、遠心分離し、残骸をペレット化した。次に、上清液を、0.75ml/分の流速及び240nmでの吸光度測定による検出を伴って、Beckman Ultrasphere ODS カラム(25cm×4.6mmID)を用いての高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によりアッセイした。移動相は、メタノール/水/アセトニトリル(86/8.9/5.1)であった。
【0179】
(7)S.アベルミチリスPKS遺伝子の同定及び単離
S.アベルミチリス(ATCC 31272)染色体DNAのコスミドライブラリーを調製し、そしてサッカロポリスポラ エリスラエア(Saccharopolyspora erythraea )ポリケチドシンターゼ(PKS)遺伝子のフラグメントから製造されたケトシンターゼ(KS)プローブによりハイブリダイズせしめた。コスミドライブラリーの調製についての詳細な説明は、Sambrookなど., 1989 、前記に見出され得る。ストレプトミセス染色体DNAライブラリーの調製についての詳細な説明は、Hopwood など., 1985 、前記に存在する。
【0180】
ケトシンターゼ−ハイブリダイジング領域を含むコスミドクローンを、pEX26(Dr. P.Leadley, Cambridge, UKから供給された)からの2.7kbのNdeI/Eco47III フラグメントへのハイブリダイゼーションにより同定した。約5μgのpEX26を、制限エンドヌクレアーゼNdeI及びEco47III を用いて消化した。反応混合物を、0.8% SeaPlaqueTM GTGアガロースゲル(FMC BioProducts, Rockland, ME )上に負荷した。2.7kbのNdeI/Eco47III フラグメントを、電気泳動の後、ゲルから切除し、DNAを、Fast Protcolと共にGELaseTM(Epicentre Technologios)を用いてのゲルから回収した。
【0181】
2.7kbのNdeI/Eco47III フラグメントを、供給者の説明書に従って、BRL Nick Translation System (BRL Life Technologies, Ins., Gaithersburg, MD )を用いて、〔α−32P〕dCTP(デオキシシチジン5′−三リン酸、四(トリエチルアンモニウム)塩、〔α32−P〕−)(NEN−Dupont, Boston, MA)によりラベルした。5μlの停止緩衝液の添加の後、ラベルされたDNAを、供給者の説明書に従って、G−25 Sephadex Quick SpinTMカラム(Boehringer Mannheim )を用いて、組込まれていないヌクレオチドから分離した。
【0182】
約1800のコスミドクローンを、コロニーハイブリダイゼーションによりスクリーンした。S.エリスラエアKSプローブに対して強くハイブリダイズした10個のクローンを同定した。コスミドDNAを含むE.コリコロニーを、LB溶液培地において増殖せしめ、そしてコスミドDNAを、製造業者の説明書に従って、Cycle3(装備ソフトウェア)を用いて、AutoGen 540TM自動核酸単離装置において個々の培養物から単離した。制限エンドヌクレアーゼマッピング及びサザンブロットハイブリダイゼーション分析は、5つのクローンがオーバーラップする染色体領域を含むことを示した。5種のコスミド(すなわち、pSE65,pSE66,pSE67,pSE68,pSE69)のS.アベルミチリスゲノムBamHI制限地図を、オーバーラップするコスミド及びハイブリダイゼーションの分析により構成した(図7)。
【0183】
(8)調節遺伝子ORFの同定
次の方法を用いて、pSE68クローンに由来するフラグメントをサブクローン化した。pSE68(5μg)を、XbaI及びEcoRIにより消化した。その反応混合物を0.8% SeaPlaqueTM GTGアガロースゲル(FMC BioProducts )上に負荷し、約19kbのXbaI/EcoRIフラグメントを、電気泳動の後、ゲルから切除し、そして:DNAをFast Protocol と共にGELaseTM(Epicentre Technologies)を用いてゲルから回収した。約5μgのpGEM7Zf(+)(Promega)をXbaI及びEcoRIにより消化した。
【0184】
約0.5μgの19kbのEcoRI/XbaIフラグメント及び0.5μgの消化されたpGEM7Zf(+)を一緒に混合し、そして1単位のリガーゼ(New England Biolabs, Inc., Beverly, MA)と共に、15℃で、20μlの合計体積において一晩インキュベートした(供給者の説明書に従って)。インキュベーションの後、5mlの連結混合物を70℃で10分間インキュベートし、室温に冷却し、そしてコンピテントE.コリDH5α細胞(BRL)を製造業者の説明書に従って形質転換するために使用した。プラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離し、そして約19kbのXbaI/EcoRI挿入体の存在を制限分析により確かめた。このプラスミドをpSE200として命名した。
【0185】
pSE200をさらに、Erase−a−Base System (Promega)を用いて、製造業者の説明書に従って、エキソヌクレアーゼIII 消化により修飾した。5μgのpSE200をCleIにより消化した。ClaIは、製造業者の説明書に従ってα−ホスホロチオエートデオキシリボヌクレオチドによりフィルインされることによって、エキソヌクレアーゼ消化から保護された5′突出物を生成する。次に、pSE200をEcoRIにより消化し、そしてアリコートを30秒〜12分の範囲の種々の時間、S1ヌクレアーゼにより消化した。
【0186】
pSE200のS1ヌクレアーゼ−処理サンプルを一晩、連結し、そして製造業者の説明書に従って、E.コリHB101(BRL)コンピテント細胞を形質転換した。プラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離し、そして挿入体DNAのサイズを制限酵素分析により決定した。約5.9kbの挿入体を含む1つの単離物を同定し、これをpSE201(図3)と命名し、そしてATCC(受託番号203182)に寄託した。約8.8kbの挿入体を含む第2単離物を同定し、そしてこれをpSE210(図4)と命名した。
【0187】
約10μgのpSE201を、プラスミドDNA単離キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、製造業者の説明書に従って単離した。このDNAを、ABI373A自動DNA配列決定機(Perkin Elmer, Foster City, CA )を用いて配列決定した。配列データを集め、そしてGenetic Computer Groupプログラム(GCG, Madison, WI)を用いて編集した。調節遺伝子aveR1及びaveR2のORFのDNA配列を、配列番号1及び配列番号3の両者において同等に表わす。aveR1のORFは、配列番号1のnt1112〜nt2317からである。aveR2のORFは、配列番号1のnt2314〜nt3021からである。
【0188】
S.アベルミチリスのaveR1のORFから推定されるアミノ酸配列の比較は、S.コエリカラーの推定されるabsA1遺伝子生成物に対して32%の同一性を示す(図1)(Brian など., 1996, J.Bacteridogy 178: 3221−3231 )。S.アベルミチリスのaveR2のORFから推定されるアミノ酸の比較は、S.コエリカラーの推定されるabsA2遺伝子生成物に対して45%の同一性を示す(図2)。
【0189】
(9)遺伝子置換ベクターの構成及び使用
ストレプトミセス遺伝子中への突然変異の導入のための技術の一般的な説明は、Kieser and Hopwood, 1991, Meth.Enzym. 204: 430−458により提供される。より詳細な説明は、Anzai など. 1998, J.Antibiot. XL1 (2): 226−233; Stutzman−Engwallなど., 1992, J.Bacteriol. 174 (1): 144−145; 及びOhand Chater, 1997, J.Bact. 179: 122−127により提供される。それらの出版物は、引用により本明細書に組込まれる。
【0190】
(9−1)aveR1及びaveR2遺伝子の不活性化
aveR1及びaveR2遺伝子の両者を、pSE210における988bpのBglII/StuIフラグメント(図4)を、サッカロポリスポラ エリスラエアからのエリトロマイシン耐性遺伝子により次の通りに置換することによって不活性化した。約5μgのpSE210をBglII及びStuIにより消化し、約10.8kbのフラグメントを開放した。BglII末端を、1×クレノウ緩衝液及び1Uのクレノウ酵素(Boehringer Mannheim )において、前記DNAを100μMの最終濃度のdNTPと共に37℃で30分間インキュベートすることによってフィルインした。
【0191】
約10.8kbのフラグメントを、アガロースゲルから精製し、そして1×アルカリホスファターゼ緩衝液及び1Uのアルカリホスファターゼにおいて50℃で1時間インキュベートし、末端を脱リン酸化した。インキュベーションの後、脱リン酸化されたフラグメントを、セクション6.3に記載のようにして、フェノール/クロロホルム抽出により精製し、そしてTE緩衝液に再懸した。ermE遺伝子を、BglIIによる消化により、pIJ4026(John Imnes Institute, Norwich, U.K. により提供される;また、Bibbなど., 1985, Gene 41: 357−368 も参照のこと)から単離し、そしてBglII末端を、1×クレノウ緩衝液及び1Uのクレノウ酵素において、ermEフラグメントを、100μMの最終濃度のdNTPと共に37℃で30分間インキュベートすることによってフィルインした。
【0192】
約1.7kbのermEフラグメントをアガロースゲルから精製し、そしてその0.5μgを、0.5μgの約10.8kbのフラグメントと共に混合し、そして連結した。その連結混合物を用いて、コンピテントE.コリHB101細胞(BRL)を、製造業者の説明書に従って形質転換した。プラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離し、そしてermE挿入体の存在を制限分析により確かめた。pSE214(図5)として命名されたこのプラスミドを用いて、E.コリDM1(BRL)を形質転換し、そしてプラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離した。988bpのBglII/StuIフラグメントの代わりにermE遺伝子の挿入は、aveR1遺伝子から752bp及びaveR2遺伝子から232bpを除去する。
【0193】
S.アベルミチリスにおいて自主的に複製しないであろうpSE214を、次の通りに、組込み遺伝子置換のための遺伝子置換ベクターとして使用した。8μlのpSE214 DNA(1μg)を、2μlの1MのNaOHを添加し、37℃で10分間インキュベートし、次に、氷上で急速に冷却し、続いて、1MのHCl 2μlを添加することによって、Oh and Chater, 1997 、前記の方法に従って変性した。S.アベルミチリスのプロトプラストを、その変性されたpSE214により形質転換した。形質転換体を、宿主細胞染色体中へのプラスミドの組込み遺伝子組換えを誘発するために、エリトロマイシン遺伝子の発現を必要とする選択条件下で再生した。
【0194】
前記プラスミドは自主的に複製しないので、エリトロマイシン−耐性−形質転換体は、erm遺伝子を端に有する2つのDNAセグメントの1つと、完全なpSE214ベクターの組込みをもたらすであろう、染色体におけるその相同相対物との間での単一の相同組換え、又は突然変異を端に有する第2DNAセグメントと、染色体中へのプラスミドからのaveR1/aveR2(不活性化された)配列の交換及び染色体からの野生型対立遺伝子及びベクター配列の同時損失をもたらすであろう、染色体におけるその相同相対物との間で、第2の組換え現象が生じる、二重クロス−オーバーのいづれかにより、染色体中に組込まれたプラスミド配列を有するべきである。
【0195】
エリトロマイシン−耐性形質転換体を単離し、そしてベクター主鎖の存在についてPCRによりスクリーンした。すべての形質転換体は、ベクター主鎖をミッシングしており、このことは、二重クロス−オーバー現象が起こり、そして染色体aveR1/aveR2配列がaveR1/aveR2欠失配列により置換されたことを示唆する。エリトロマイシン−耐性形質転換体を、発酵生成物のHPLC分析により分析した。aveR1/aveR2欠失を含むS.アベルミチリス株は、対照株よりも平均3.4倍、アベルメクチンを生成した(表1)。
【0196】
(9−2)aveR2遺伝子の不活性化
aveR2遺伝子を、pSE210(図4)におけるBglII部位中にermE遺伝子を挿入し、そしてS.アベルミチリスにおいて遺伝子置換ベクターとしてその得られるプラスミドを用いることによって不活性化した。約5μgのpSE210を、BglIIにより消化した。線状化されたpSE210を、1×アルカリホスファターゼ緩衝液及び1Uのアルカリホスファターゼにおいて50℃で1時間インキュベートし、末端を脱リン酸化した。
【0197】
ermE遺伝子を、BglIIによる消化によりpIJ4026から単離し、続いて電気泳動し、そして約1.7kbのermE遺伝子をゲルから精製した。約0.5μgの線状化されたpSE210及び0.5μgのermEフラグメントを一緒に混合し、そして連結した。その連結混合物を用いて、コンピテントE.コリHB101細胞(BRL)を、製造業者の説明書に従って形質転換した。プラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離し、そしてermE挿入体の存在を制限分析により確かめた。pSE216(図6)として命名されたこのプラスミドを用いて、E.コリDM1(BRL)を形質転換し、そしてプラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離した。
【0198】
S.アベルミチリスにおいて自主的に複製しないであろうpSE216を、次の通りに、組込み遺伝子置換のための遺伝子置換ベクターとして使用した。8μlのpSE216 DNA(1μg)を、2μlの1MのNaOHを添加し、37℃で10分間インキュベートし、次に、氷上で急速に冷却し、続いて、1MのHCl 2μlを添加することによって、Oh and Chater, 1997 、前記の方法に従って変性した。次にS.アベルミチリスのプロトプラストを、その変性されたpSE216により形質転換した。
【0199】
形質転換体を、宿主細胞染色体中へのプラスミドの組込み遺伝子組換えを誘発するために、エリトロマイシン遺伝子の発現を必要とする選択条件下で再生した。前記プラスミドは自主的に複製しないので、エリトロマイシン−耐性−形質転換体は、erm遺伝子を端に有する2つのDNAセグメントの1つと、完全なpSE216ベクターの組込みをもたらすであろう、染色体におけるその相同相対物との間での単一の相同組換え、又は突然変異を端に有する第2DNAセグメントと、染色体中へのプラスミドからのaveR2(不活性化された)配列の交換及び染色体からの野生型対立遺伝子及びベクター配列の同時損失をもたらすであろう、染色体におけるその相同相対物との間で、第2の組換え現象が生じる、二重クロス−オーバーのいづれかにより、染色体中に組込まれたプラスミド配列を有するべきである。
【0200】
エリトロマイシン−耐性形質転換体を単離し、そしてベクター主鎖の存在についてPCRによりスクリーンした。すべての形質転換体は、ベクター主鎖をミッシングしており、このことは、二重クロス−オーバー現象が起こり、そして染色体aveR2配列がaveR2欠失配列により置換されたことを示唆する。エリトロマイシン−耐性形質転換体を、発酵生成物のHPLC分析により分析した。aveR2欠失を含むS.アベルミチリス株は、対照株よりも平均3.1倍、アベルメクチンを生成した(表1)。
【0201】
【表1】
【0202】
生物学的材料の寄託物
次の生物学的材料は、1998年9月9日、American Type Culture Collection (ATCC), 12301 Parklawn Drive, Rockville, MD. 20852, USAに寄託され、そして次の受託番号が割り当てられた。
【0203】
引用される、すべての特許、特許出願、及び出版物は、引用により本明細書中に組込まれる。本発明は、本明細書に記載される特定の態様により限定されるものではなく、前記態様は、発明の個々の観点の単なる例示であって、そして機能的に同等の方法及び成分は、本発明の範囲内である。実際、本発明の種々の修飾は、前述の記載及び添付図面から当業者に明らかになるであろう。そのような修飾は、本発明の範囲内である。
【0204】
【配列表】
【0205】
【0206】
【0207】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、absA1及びaveR1遺伝子によりコードされる推定上のアミノ酸配列の比較(A)を示す。
【図2】図2は、abA2及びaveR2遺伝子によりコードされる推定上のアミノ酸の比較(B)を示す。
【図3】図3は、aveR1及びaveR2のORFを含むプラスミドベクターpSE201(A)を示す。
【図4】図4は、aveR1及びaveR2のORFを含むプラスミドベクターpSE210(B)を示す。
【図5】図5は、ermE遺伝子を含む遺伝子置換ベクターpSE214(A)を示す。
【図6】図6は、ermE遺伝子を含む遺伝子置換ベクターpSE216(B)を示す。
【図7】図7は、5種のコスミドクローンと共に、アベルメクチンポリケチドシンターゼ遺伝子クラスターの制限地図を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アベルメクチン(avermectin)を生成するための組成物及び方法に向けられ、そして主に、動物の健康の分野に関する。より具体的には、本発明は、ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)におけるアベルメクチンポリケチドシンターゼ(PKS)発現及びアベルメクチン生合成の調節に関与する、aveR1及びaveR2遺伝子として本明細書において言及される2種の新規遺伝子の同定及び特徴づけに関する。本発明は、それらの遺伝子の不活性化がS.アベルミチリスにより生成されるアベルメクチンの量の上昇をもたらすという発見に基づかれる。
【0002】
【従来の技術】
ストレプトミセス(Streptomyces)属の種は、効果的な駆虫及び殺昆虫活性を有する8種の関連する16−員の大環状ラクトンを含んで成る広範囲の二次代謝物、たとえばアベルメクチンを生成する。8種の異なっているが、しかし密接に関連している化合物は、A1a,A1b,A2a,A2b,B1a,B1b,B2a、及びB2bとして言及される。“a”シリーズの化合物は、天然のアベルメクチンを意味し、ここでC25位置での置換基が(S)−sec−ブチルであり、そして“b”シリーズは、C25位置での置換基がイソプロピルである化合物を意味する。
【0003】
名称“A”及び“B”は、C5での置換基がそれぞれ、メトキシ及びヒドロキシであるアベルメクチンを意味する。数字“1”は、二重結合がC22,23位置で存在するアベルメクチンを意味し、そして数字“2”は、C22位置で水素及びC23位置でヒドロキシを有するアベルメクチンを意味する。関連するアベルメクチンの中で、B1タイプのアベルメクチンは、最とも効果的な駆虫及び殺虫活性を有するものとして認識され、そして従って、最とも商業的に所望するアベルメクチンである。
【0004】
アベルメクチン類、及びS.アベルミチリスの株の好気性発酵によるそれらの生成が、特に、アメリカ特許第4,310,519号及び第4,429,042号に記載されている。
二次代謝物及び他のストレプトミセス抗生物質の生成に関与する多くの遺伝子のようにアベルメクチン(ave)遺伝子は、細菌染色体上に一緒に群がって見出される。アベルメクチン生合成のためのave遺伝子クラスターは、アベルメクチンポリケチドシンターゼ(avermectin polyketide symthase)(PKS)をコードするDNAを包含する95kbのDNAゲノムに及ぶ(MacNeil など., 1992, Gene 115: 119−125)。
【0005】
ストレプトミセスにおける抗生物質生合成の調節は、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptmyces coelicolor)において、おそらく最もよく特徴づけられている。S.コリエカラーにより生成される4種の抗生物質は、アクチノルボシン(Act)、ウンデシルプロジギオシン(Red)、カルシウム−依存性抗生物質(CDA)及びメチルノマイシン(Mmy)を包含する。それらの抗生物質の個々は、遺伝的に異なった遺伝子の異なったクラスターによりコードされる。それぞれ、Act生合成遺伝子クラスター又はRed生合成遺伝子クラスターの発現を特異的に調節する生成物をコードする、Act遺伝子クラスター又はRed遺伝子クラスターのいづれかに連結される遺伝子が同定されている。
【0006】
1つよりも多くの抗生物質生合成遺伝子クラスターを全体的に調節する遺伝子を含む多くの遺伝子座がまた、同定されている。たとえば、2種の独立した遺伝子座、absA及びabsBにおける突然変異は、S.コエリカラーにおけるすべての4種の抗生物質の合成をブロックすることが示されている(Brian など., 1996, J.Bact. 178: 3221−3231 )。absA遺伝子座はクローン化され、そして特徴づけられており、そしてその遺伝子生成物は、S.コエリカラーにおける抗生物質合成の全体的な負のレギュレーターとして通常、作用するシグナルトランスダクション経路に関与することが示されている(Brian など., 1996 、上記)。
【0007】
アメリカ特許第5,707,839号(Denoya)及びアメリカ特許第5,728,561号(Denoyaなど.)は、ストレプトミセスの枝分れ鎖のα−ケト酸デヒドロゲナーゼ複合体をコードするDNA配列に関する。タイプIポリケチドシンターゼ発現がS.アベルミチリスにおいて調節される機構の理解は、アベルメクチンの生成を高めるためにave遺伝子の遺伝的操作を可能にするであろう。
【0008】
【発明の要約】
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR1遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、aveR1遺伝子生成物は、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。
【0009】
本発明はさらに、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。
本発明はさらに、配列番号2のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0010】
本発明はさらに、本発明の前記aveR1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。好ましい態様において、aveR1−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、本発明のS.アベルミチリスaveR1遺伝子生成物又はaveR1−関連の相同ポリペプチドのペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成る。非制限的であるが、特定の態様において、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列の副配列から成るペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を提供する。
【0011】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接する(フランキング)1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt1111、及び約nt2318〜約nt5045の配列番号1のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接する(フランキング)ヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0012】
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子における個々のフランキング配列、及びその相同体は、好ましくは、少なくとも約200ntの長さでである。非制限的態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR1のORFを天然において端に有し、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、そしてさらに、本発明の1つの前記aveR1−関連ヌクレオチド配列、たとえば約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列又はその実質的な部分を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0013】
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR2遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、aveR2遺伝子生成物は、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様おいては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt2314〜約nt3021の配列番号3(注:配列番号3は配列番号1と同一である)に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成る。
【0014】
本発明はさらに、約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
本発明はさらに、配列番号4のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0015】
本発明はさらに、本発明の前記aveR2−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様において、aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、本発明のS.アベルミチリスaveR2遺伝子生成物又はaveR2−関連の相同ポリペプチドのペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成る。非制限的であるが、特定の態様において、本発明は、配列番号4のアミノ酸配列のサブ配列(sub−sequence)から成るペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を提供する。
【0016】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接する(flanking)1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt2313、及び約nt3022〜約nt5045の配列番号3のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接する(flanking)ヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0017】
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子中の個々のフランキング配列は、好ましくは、少なくとも約200ntの長さである。非制限的態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接し(flanking)、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、そしてさらに、本発明の1つの前記aveR2−関連ヌクレオチド配列、たとえば約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列又はその実質的な部分を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0018】
本発明はさらに、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物の両者をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様において、前記aveR1及びaveR2遺伝子生成物は、それぞれ配列番号2及び配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様においては、単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORF、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt3021の配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。
【0019】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFの両者のヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。非制限的態様においては、本発明は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORF、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0020】
本発明はさらに、配列番号2のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有する第1ポリペプチド、及び配列番号4のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有する第2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0021】
本発明はさらに、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物の両者をコードするヌクレオチド配列を含んで成る前記ポリヌクレオチド分子のいづれか、又はそれに対して相同である前記ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る。非制限的であるが特定の態様においては、ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなaveR1のORFのヌクレオチド配列から成る。非制限的であるが特定のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなaveR2のORFのヌクレオチド配列から成る。
【0022】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFに天然において接する(flanking)1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt1111、及び約nt3022〜約nt5045の配列番号1のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFに天然において接する(flanking)ヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本発明の単離されたポリヌクレオチド分子における個々のフランキング配列、又はその相同体は好ましくは、少なくとも約200ntの長さでである。
【0023】
非制限的態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFに天然において接する1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同であり、そしてさらに、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子のいづれか又は両者をコードする本発明の1つの前記ヌクレオチド配列、たとえば約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子及びその実質的な部分を提供する。
【0024】
本発明はさらに、本発明の前記ポリヌクレオチド分子又はその一部のいづれかを増幅するためにプライマーとして有用であり、又はave遺伝子発現及びアベルメクチン生成の調節において有用なアンチセンス分子をコードし、又はその分子として作用するために使用され得るオリゴヌクレオチド分子を提供する。
【0025】
本発明はさらに、クローニングベクター、発現ベクター、前記ベクターのいづれかを含んで成る形質転換された宿主細胞、及びそれに由来する新規株又は細胞系を包含する、本発明のポリヌクレオチド分子又はオリゴヌクレオチド分子のいづれかをクローニングし、そして発現するための組成物及び方法を提供する。非制限的な態様においては、本発明は、本発明のポリヌクレオチド分子の発現のために必要な1又は複数の調節要素と作用可能に関連して前記ポリヌクレオチド分子を含んで成る組換え発現ベクターを提供する。非制限的ではあるが、特定の態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2遺伝子の両者の完全なORFを含んで成るプラスミドpSE201(ATCC 203182)を提供する。
【0026】
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子によりコードされる実質的に精製された、又は単離されたポリペプチドを提供する。非制限的であるが特定の態様においては、前記ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るaveR1遺伝子生成物である。非制限的であるが特定のもう1つの態様において、前記ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成るaveR2遺伝子生成物である。本発明はさらに、本発明のaveR1又はaveR2遺伝子生成物のいづれかに対して相同である実質的に精製され又は単離されたポリペプチドを提供する。本発明はさらに、本発明のaveR1又はaveR2遺伝子生成物又は相同ポリペプチドの実質的に精製され又は単離されたペプチドフラグメントを提供する。
【0027】
本発明はさらに、特定のコードされた遺伝子生成物、ポリペプチド、又はペプチドフラグメントの発現の助けとなる条件下で、本発明の組換え発現ベクターにより形質転換され又はトランスフェクトされた宿主細胞を培養し、そして細胞培養物から発現された遺伝子生成物、ポリペプチド又はペプチドフラグメントを回収することを含んで成る、本発明の実質的に精製され、又は単離されたaveR1遺伝子生成物、aveR2遺伝子生成物、相同ポリペプチド又はペプチドフラグメントの調製方法を提供する。
【0028】
本発明はさらに、遺伝子構造体、たとえば遺伝子置換ベクターを包含する、ストレプトミセスの種又は株の細胞を遺伝子的に修飾するための組成物及び方法を提供する。本発明により提供される場合、ストレプトミセスの種又は株の細胞は、遺伝子的に修飾され、そのように修飾されていない同じ種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量とは検出できるほど異なっている多量のアベルメクチンが生成される。好ましい態様においては、ストレプトミセスの種又は株の細胞は遺伝子的に修飾され、そのように修飾されていない同じ種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンが生成される。
【0029】
さらなる好ましい態様において、ストレプトミセスの種はS.アベルミチリスである。本発明によれば、そのような遺伝子修飾は好ましくは、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者を突然変異誘発することを含んで成り、ここでそのような突然変異は、遺伝子突然変異を担持しない株の細胞に比較して、aveR1又はaveR2遺伝子、又はaveR1もしくはaveR2遺伝子の両者において突然変異を担持するS.アベルミチリスの株の細胞により生成されるアベルメクチンの量の検出できる上昇をもたらす。
【0030】
aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の突然変異は、標準の突然変異誘発技法、たとえば化学的突然誘発物質又は放射線への暴露により、又はaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者を突然変異誘発するために、本発明により提供される遺伝子構造体、たとえば遺伝子置換ベクターを用いることによって、ヌクレオチドを付加し、欠失し、又は置換することによって、又はフレームシフトを導入することによって、又はaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子中に異なった又は異種のヌクレオチド配列を挿入することによって、又はaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の一部又はすべてを欠失することによって、又はaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の一部又はすべてを、異なった又は異種のヌクレオチド配列により置換することによって、又はそのような突然変異の組合せによって実施され得る。
【0031】
本発明はさらに、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めることができる、ストレプトミセスの種又は株におけるaveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の突然変異を同定するための方法を提供し、ここで前記方法は、(a)ストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を測定し;(b)前記種又は株の細胞の、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子中に、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に突然変異を導入し;そして(c)遺伝子突然変異を担持しない段階(a)の細胞により生成されるアベルメクチンの量に、段階(b)において生成されるような遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量を比較することを含んで成り;段階(b)において生成されるような遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量が遺伝子突然変異を担持しない段階(a)の細胞により生成されるアベルメクチンの量よりも検出できるほど高い場合、アベルメクチンの量を検出できるほど高めることができる、aveR1もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の突然変異が同定されることを特徴とする。好ましい態様において、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。
【0032】
本発明はさらに、ストレプトミセスの種又は株の修飾されていない細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成する、ストレプトミセスの特定の種又は株からの遺伝子的に修飾された細胞を調製するための方法を提供し、ここで前記方法は、ストレプトミセスの種又は株の細胞におけるaveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者を突然変異誘発し、そして遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの種又は株の細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成する突然変異誘発された細胞を選択することを含んで成る。
【0033】
好ましい態様においては、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。下記実施例(9−1)に記載される、非限定的であるが特定の態様においては、S.アベルミチリスのaveR1及びaveR2遺伝子の両者は、異種遺伝子により個々の遺伝子のORFの一部を置換することによって突然変異誘発され、aveR1及びaveR2遺伝子がそのように突然変異誘発されていないS.アベルミチリスの株の細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成するS.アベルミチリス細胞がもたらされる。
【0034】
実施例(9−2)に記載される、非制限的であるが特定のもう1つの態様においては、S.アベルミチリスのaveR2遺伝子が、異種遺伝子をaveR2のORF中に挿入することによって突然変異誘発され、aveR2遺伝子がそのように突然変異誘発されていないS.アベルミチリスの株の細胞に比較して、検出できるほどに高められた量のアベルメクチンを生成するS.アベルミチリスがもたらされる。
【0035】
本発明はさらに、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの株の細胞に比較して、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者への1又は複数の突然変異の結果として、検出できるほどに高められた量のアベルメクチンを生成するストレプトミセスの新規株の細胞を供給する。好ましい態様においては、ストレプトミセスの株は、種S.アベルミチリスからである。本発明の新規株は、アベルメクチン、たとえば商業的に所望されるドラメクチンの大規模生成において有用である。
【0036】
本発明はさらに、ストレプトミセスの培養により生成されるアベルメクチンの量を高めるための方法を提供し、ここで前記方法は、遺伝子突然変異を担持しない種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めるよう作用する、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者における突然変異を含んで成る、ストレプトミセスの種又は株の細胞を、それからアベルメクチンの生成を可能にし又は誘発する条件下で、培養培地において培養し、そしてその培養物からアベルメクチンを回収することを含んで成る。好ましい態様において、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。この方法は、アベルメクチンの生成効率を高めるために有用である。
【0037】
本発明はさらに、本発明のaveR1遺伝子生成物、aveR2遺伝子生成物、相同ポリペプチド、又はペプチドフラグメントに対して向けられる抗体を提供する。
図1.A.S.コエリカラー(S.coelicolor)ヒスチジンキナーゼ相同体(absA1)及びS.アベルミチリスaveR1遺伝子によりコードされる推定されるアミノ酸配列の比較は、約32%の配列同一性を示す。B.S.コエリカラー応答レギュレーター相同体(absA2)及びS.アベルミチリスaveR2遺伝子によりコードされる推定されるアミノ酸配列の比較は、約45%の配列同一性を示す。高度に保存されたアミノ酸は肉太活字型で存在する。
【0038】
図2.A.aveR1及びaveR2のORFを含むプラスミドベクターpSE201(ATCC 203182)。B.aveR1及びaveR2のORFを含むプラスミドベクターpSE210。
図3.A.aveR1及びaveR2のORFの一部を置換しているermE遺伝子を含む遺伝子置換ベクターpSE214。B.aveR2のORF中に挿入されるermE遺伝子を含む遺伝子置換ベクターpSE216。
図4.同定される5種のオーバーラップするコスミドクローン(すなわち、pSE65,pSE66,pSE67,pSE68,pSE69)と共に、S.アベルミチリスからのアベルメクチン ポリケチドシンターゼ遺伝子クラスターのBamHI制限地図。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の同定及び特徴化、及びそれらの遺伝子の突然変異が生成されるアベルメクチンの量を調節できる発見に関する。例によれば、本発明は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるような又はプラスミドpSE201(ATCC 203182)に存在するようなaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号3(注:配列番号3は配列番号1と同一である)に示されるような又はプラスミドpSE201(ATCC 203182)に存在するようなaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子、及びそれらに由来する突然変異誘発されたヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子について、下記セクションにおいて記載される。
【0040】
配列番号1及び3に示されるヌクレオチド配列、及びその実質的な部分に関する、本明細書における言及は、特にことわらない限り、プラスミドpSE201(ATCC 203182)に存在するような、それぞれの対応するヌクレオチド配列及びその実質的な部分を意味するためにも意図される。さらに、配列番号2及び4に示されるアミノ酸配列、及びそのペプチドフラグメントに関する、本明細書における言及はまた、特にことわらない限り、プラスミドpSE201(ATCC 203182)に存在する、対応するaveR1−及びaveR2−コードのヌクレオチド配列によりコードされる、それぞれの対応するアミノ酸配列及びそのペプチドフラグメントを言及するためにも意図される。
【0041】
ポリヌクレオチド分子
本明細書において使用される場合、用語“ポリヌクレオチド分子”、“ポリヌクレオチド配列”、“コード配列”、“リーディングフレーム(ORF)”及び同様のものは、一本鎖又は二本鎖のいづれかであり得る、DNA及びRNAの両分子を言及する。コード配列又はORFは、原核配列、cDNA配列、ゲノムDNA配列、及び化学的に合成されたDNA及びRNA配列を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0042】
本明細書に開示される、ポリヌクレオチド分子及びオリゴヌクレオチド分子の生成及び操作は、当業者の範囲内であり、そして中でも、次の文献に記載される組換え技法に従って実施され得る:Maniatisなど. 1989, Molecular Cloning A Laboratory Manual , Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; Ausubelなど., 1989, Greene Publishing Associates & Wiley Interscience, NY; Sambrookなど., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; Innisなど.(eds), 1995, PCR Strategies, Academic Press, Inc., San Diego; Erlich(ed), 1992, PCR Technology, Oxford University Press, New York; and Hopwoodなど., 1985, Genetic Manipulation of Streptomyces, A Laboratory Manual , John Innes Foundation, Norwich, U.K.; それらのすべては引用により、本明細書中に組込まれる。
【0043】
aveR1−関連ポリヌクレオチド分子
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR1遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、aveR1遺伝子生成物は、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるような、S.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。
【0044】
本発明はさらに、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。用語“相同”とは、これに関して使用される場合、(a)約nt1112〜約nt2317の配列番号1と同じポリペプチドをコードするが、しかし遺伝子コードの縮重に従って、ヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含し;又は(b)配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の相補体に対して、適度な緊縮条件、すなわち0.5NのNaHPO4 、7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されたDNAへのハイブリダイゼーション及び0.2×SSC/0.1% SDSにおける42℃での洗浄下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を意味し(Ausubel など. (eds.), 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Vol.I, Green Publishing Associates, Inc., 及びJohn Wiley & Sons, Inc., New York, p 2.10.3 を参照のこと)、そして本発明の実施において有用である。
【0045】
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の相補体に対して、高い緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTA下でフィルター結合されたDNAに対する65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC/0.1%のSDSにおける68℃での洗浄下でハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記)、そして本発明の実施において有用である。さらなる好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下で、約nt1112〜約nt2317の配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の相補体にハイブリダイズし、そして本発明の実施において有用である。
【0046】
本明細書において使用される場合、aveR1−関連ポリヌクレオチド分子は、“本発明の実施において有用であり”、ここでポリヌクレオチド分子が、特定部位の突然変異誘発、たとえば相同組換えによりS.アベルミチリスのaveR1のORF中に突然変異を導入するために、又は標準の増幅技法を用いて、S.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を増幅するために、使用され得る。そのような相同ポリヌクレオチド分子は、S.コエリカラーを除く、ストレプトミセスの他の種、又はS.アベルミチリスの他の株に存在する天然に存在するaveR1遺伝子、及び天然に存在するか、化学的に合成されるか、又は遺伝的に構築されるかにかかわらず、突然変異誘発されたaveR1対立遺伝子を包含することができる。
【0047】
本発明はさらに、配列番号2のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。S.アベルミチリスからのaveR1遺伝子生成物のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを言及するために本明細書において使用される場合、用語“相同”とは、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドを意味するが、しかしその1又は複数のアミノ酸残基が異なったアミノ酸残基により保存的に置換されており、そしてその得られるポリペプチドは、本発明の実施において有用である。
【0048】
保存性アミノ酸置換は、当業界において良く知られている。そのような置換を製造するための規則は、中でも、Dayhof, M.D., 1978, Nat.Biomed.Res.Found., Washington, D.S., Vol.5, Sup.3 により記載されるものを包含する。より具体的には、保存性アミノ酸置換は、側鎖の酸度、極性度又は嵩密度に関連するアミノ酸ファミリー内で一般的に生じるものである。
【0049】
遺伝子的にコードされたアミノ酸は、一般的に、4種のグループに分けられる:(1)酸性=アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性=リシン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;及び(4)荷電されていない極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンはまた、共同で、芳香族アミノ酸として分類される。いづれかの特定の基内の1又は複数の置換、たとえばイソロイシン又はバリンによるロイシンの、又はグルタミン酸によるアスパラギン酸の、又はセリンによるトレオニンの、又は構造的に関連するアミノ酸残基、たとえば類似する酸度、極性度又は嵩密度、又はそれらのいくらかの組合せでの類似性を有するアミノ酸残基によるいづれか他のアミノ酸残基の置換が一般的に、ポリペプチドの機能に対して微々たる効果を有するであろう。
【0050】
本明細書において使用される場合、aveR1−関連ポリペプチドは、“本発明の実施において有用”であり、ここで前記ポリペプチドは、S.アベルミチリスからのaveR1遺伝子生成物に対して抗体を生ぜしめ、又はストレプトミセスにおけるaveR1活性又はアベルメクチン生成を調節する化合物についてスクリーンするために使用され得る。
【0051】
本発明はさらに、本発明の前記aveR1−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書において使用される場合、aveR1−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”は、本発明のS.アベルミチリスaveR1遺伝子生成物又はaveR1−関連相同ポリペプチドの完全なコード配列よりも少ない配列から成るが、しかし前記ヌクレオチド配列の少なくとも約20%及びより好ましくは、少なくとも約30%を含んで成り、そして有用性がaveR1−関連ポリヌクレオチド分子について上記のように定義される場合、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
【0052】
非制限的態様においては、aveR1−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、本発明のS.アベルミチリスaveR1遺伝子生成物又はaveR1−関連相同ポリペプチドのペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成る。aveR1−関連ポリペプチドの“ペプチドフラグメント”は、十分な長さのaveR1遺伝子生成物又は相同ポリペプチドのアミノ酸配列の副配列から成るポリペプチドを意味し、ここで前記副配列は、十分な長さのaveR1遺伝子生成物又は相同ポリペプチドよりも長さが短かく、そして有用性がaveR1−関連ポリペプチドについて上記に定義されるように、本発明の実施において有用である。好ましい態様において、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列の副配列から成るペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を供給する。本発明のペプチドフラグメントは、好ましくは少なくとも約15個のアミノ酸残基の長さである。
【0053】
本明細書に開示されるaveR1−関連ポリヌクレオチド分子は、aveR1遺伝子生成物を発現するために、aveR1遺伝子が突然変異誘発されているストレプトミセスの新規株を調製するために、又は既知の技法を用いて、他の細菌種又は株におけるaveR1相同体遺伝子を同定するために使用され得る。従って、本発明はさらに、aveR1相同体遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。
【0054】
本明細書において使用される場合、“aveR1相同体遺伝子生成物”とは、ストレプトミセスの異なった種又は密接に関連するサッカロポリスポラ(Saccharopolyspora )属からの遺伝子として定義され、そして約80%以上のヌクレオチド配列同一性の程度に基づいて、S.アベルミチリスのaveR1遺伝子の相同体として当業者により、又は2−成分シグナリングシステムのヒスチジンキナーゼ成分に典型的には見出される保存された活性部位残基を含むことによって認識されるaveR1相同体遺伝子によりコードされる遺伝子生成物として定義される。たとえば、Nar/Degサブグループからの真正細胞2−成分システムとのaveR1相同性の比較は、自己−リン酸化の部位であるヒスチジン残基(H)、及び自己キナーゼ活性のために必要とされるアスパラギン酸残基(N)の100%保存性を示す。
【0055】
aveR1相同体遺伝子を含むポリヌクレオチドクローンを同定するための方法は、当業界において知られている。たとえば、S.アベルミチリスaveR1のORFの一部を含んで成るポリヌクレオチド分子は、検出できるようにラベルされ得、そして興味ある生物に由来するDNAから構成されるゲノムライブラリーをスクリーンするために使用され得る。ハイブリダイゼーション条件の緊縮性は、興味ある生物に対する対照生物(この例においては、S.アベルミチリス)の関係に基づいて選択され得る。異なった緊縮性条件についての必要性は、当業者によく知られており、そしてそのような条件は、ライブラリー及びラベルされた配列が由来する特定の生物に依存して変化するであろう。
【0056】
ゲノムDNAライブラリーは、中でも、バクテリオファージに関しては、Benton and Davis, 1977, Science 196: 180、及びプラスミドライブラリーに関しては、Grunstein and Hogness, 1975, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 72: 3961−3965 に示される技法を用いて、aveR1相同体遺伝子コード配列についてスクリーンされ得る。配列番号1で示されるようなaveR1のORF、又はその一部を表わすオリゴヌクレオチド分子を含むことが知られているヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子は、それらのスクリーニング実験においてプローブとして使用され得る。他方では、精製されたaveR1遺伝子生成物のアミノ酸配列から推定されるヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドプローブが合成され得る。
【0057】
aveR1相同体遺伝子コード配列を含むものとして同定されるクローンが、適切な生物学的機能について試験され得る。たとえば、クローンは、適切なリーディングフレーム、及び開始及び終結シグナルを同定するために配列分析にゆだねられ得る。次に、クローン化されたDNA配列が、aveR1の相補性についての試験を可能にされた、S.アベルミチリスの株の細胞を形質転換する適切な発現ベクター中に挿入され得る。次に、形質転換されたS.アベルミチリス宿主細胞が、たとえば下記セクション6.6.に記載されるように、発酵生成物のHPLC分析のような方法を用いて、アベルメクチン生成について分析され得る。
【0058】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接する(flanking)1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt1111、及び約nt2318〜約nt5045の配列番号1のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接する(flanking)ヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0059】
本明細書において使用される場合、ヌクレオチド配列は、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接するヌクレオチド配列に対して相同であり、ここでその相同ヌクレオチド配列は、適度な緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されるDNAへのハイブリダイゼーション、及び0.2×SSC/0.1% SDSにおける42℃での洗浄下で、S.アベルミチリスのaveR1のORFを天然において端に有するヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記を参照のこと)、そしてaveR1−関連ポリヌクレオチド分子について有用性が上記に定義されるように、本発明の実施において有用である。
【0060】
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子における個々のフランキング配列、又はその相同体は、好ましくは、少なくとも約200ntの長さのものである。非制限的な態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR1のORFに天然において接する1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同であり、そしてさらに、本発明の1つの前記aveR1−関連ヌクレオチド配列、たとえば約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORFのヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子、又はその実質的な部分を供給する。
【0061】
aveR2−関連ポリヌクレオチド分子
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR2遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。好ましい態様においては、aveR2遺伝子生成物は、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるような、S.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、本発明の単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成る。
【0062】
本発明はさらに、約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。用語“相同”とは、これに関して使用される場合、(a)約nt2314〜約nt3021の配列番号3と同じポリペプチドをコードするが、しかし遺伝子コードの縮重に従って、ヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含し;又は(b)配列番号4のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の相補体に対して、適度な緊縮条件、すなわち0.5NのNaHPO4 、7%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されたDNAへのハイブリダイゼーション及び0.2×SSC/0.1% SDSにおける42℃での洗浄下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を意味し(Ausubel など. (eds.), 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Vol.I, Green Publishing Associates, Inc., 及びJohn Wiley & Sons, Inc., New York, p 2.10.3 を参照のこと)、そして本発明の実施において有用である。
【0063】
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の補体に対して、高い緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTA下でフィルター結合されたDNAに対する65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC/0.1%のSDSにおける68℃での洗浄下でハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記)、そして本発明の実施において有用である。さらなる好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下で、約nt2314〜約nt3021の配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の補体にハイブリダイズし、そして本発明の実施において有用である。
【0064】
本明細書において使用される場合、aveR2−関連ポリヌクレオチド分子は、“本発明の実施において有用であり”、ここでポリヌクレオチド分子が、特定部位の突然変異誘発、たとえば相同組換えによりaveR2のORF中に突然変異を導入するために、又は標準の増幅技法を用いて、S.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を増幅するために、使用され得る。そのような相同ポリヌクレオチド分子は、S.コエリカラーを除く、ストレプトミセスの他の種、又はS.アベルミチリスの他の株に存在する天然に存在するaveR2遺伝子、及び天然に存在するか、化学的に合成されるか、又は遺伝的に構築されるかにかかわらず、突然変異誘発されたaveR2対立遺伝子を包含することができる。
【0065】
本発明はさらに、配列番号4のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。S.アベルミチリスからのaveR2遺伝子生成物のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを言及するために本明細書において使用される場合、用語“相同”とは、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドを意味するが、しかしその1又は複数のアミノ酸残基が異なったアミノ酸残基により保存的に置換されており、そしてその得られるポリペプチドは、本発明の実施において有用である。
【0066】
本明細書において使用される場合、aveR2−関連ポリペプチドは、“本発明の実施において有用”であり、ここで前記ポリペプチドは、S.アベルミチリスからのaveR2遺伝子生成物に対して抗体を生ぜしめ、又はストレプトミセスにおけるaveR2活性又はアベルメクチン生成を調節する化合物についてスクリーンするために使用され得る。
【0067】
本発明はさらに、本発明の前記aveR2−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子を供給する。本明細書において使用される場合、aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”は、本発明のS.アベルミチリスaveR2遺伝子生成物又はaveR2−関連相同ポリペプチドの完全なコード配列よりも少ない配列から成るが、しかし前記ヌクレオチド配列の少なくとも約25%及びより好ましくは、少なくとも約30%を含んで成り、そして有用性がaveR2−関連ポリヌクレオチド分子について上記のように定義される場合、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
【0068】
非制限的態様においては、aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、本発明のS.アベルミチリスaveR2遺伝子生成物又はaveR2−関連相同ポリペプチドのペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成る。aveR2−関連ポリペプチドの“ペプチドフラグメント”は、十分な長さのaveR2遺伝子生成物又は相同ポリペプチドのアミノ酸配列の副配列から成るポリペプチドを意味し、ここで前記サブ−配列は、十分な長さのaveR2遺伝子生成物又は相同ポリペプチドよりも長さが短かく、そして有用性がaveR2−関連ポリペプチドについて上記に定義されるように、本発明の実施において有用である。好ましい態様において、本発明は、配列番号4のアミノ酸配列の副配列から成るペプチドフラグメントをコードするヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子を供給する。本発明のペプチドフラグメントは、好ましくは少なくとも約15個のアミノ酸残基の長さである。
【0069】
本明細書に開示されるaveR2−関連ポリヌクレオチド分子は、aveR2遺伝子生成物を発現するために、aveR2遺伝子が突然変異誘発されているストレプトミセスの新規株を調製するために、又は既知の技法を用いて、他の細菌種又は株におけるaveR2相同体遺伝子を同定するために使用され得る。従って、本発明はさらに、aveR2相同体遺伝子生成物をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0070】
本明細書において使用される場合、“aveR2相同体遺伝子生成物”とは、ストレプトミセスの異なった種又は密接に関連するサッカロポリスポラ(Saccharopolyspora )属からの遺伝子として定義され、そして約80%以上のヌクレオチド配列同一性の程度に基づいて、S.アベルミチリスのaveR2遺伝子の相同体として当業者により、又は2−成分シグナリングシステムの応答レギュレーター成分に典型的には見出される保存された活性部位残基を含むことによって認識されるaveR2相同体遺伝子によりコードされる遺伝子生成物として定義される。たとえば、Nar/Degサブグループからの真正細胞2−成分システムとのaveR2相同性の比較は、2つのアスパラギン酸残基(D)(この1つは、リン酸化の部位である)、及び保存されたリシン残基(R)の100%保存性を示す。
【0071】
aveR2相同体遺伝子を含むポリヌクレオチドクローンを同定するための方法は、当業界において知られている。たとえば、S.アベルミチリスaveR2のORFの一部を含んで成るポリヌクレオチド分子は、検出できるようにラベルされ得、そして興味ある生物に由来するDNAから構成されるゲノムライブラリーをスクリーンするために使用され得る。ハイブリダイゼーション条件の緊縮性は、興味ある生物に対する対照生物(この例においては、S.アベルミチリス)の関係に基づいて選択され得る。
【0072】
ゲノムDNAライブラリーは、セクション5.1.1において引用される技法を用いて、aveR2相同体遺伝子コード配列についてスクリーンされ得る。配列番号3で示されるようなaveR2のORF、又はその一部を表わすオリゴヌクレオチド分子を含むことが知られているヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子は、それらのスクリーニング実験においてプローブとして使用され得る。他方では、精製されたaveR2遺伝子生成物のアミノ酸配列から推定されるヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドプローブが合成され得る。
【0073】
aveR2相同体遺伝子コード配列を含むものとして同定されるクローンが、適切な生物学的機能について試験され得る。たとえば、クローンは、適切なリーディングフレーム、及び開始及び終結シグナルを同定するために配列分析にゆだねられ得る。次に、クローン化されたDNA配列が、aveR2の相補性についての試験を可能にされた、S.アベルミチリスの株の細胞を形質転換する適切な発現ベクター中に挿入され得る。次に、形質転換されたS.アベルミチリス宿主細胞が、たとえば下記セクション6.6.に記載されるように、発酵生成物のHPLC分析のような方法を用いて、アベルメクチン生成について分析され得る。
【0074】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR2のORFを天然において端に有する1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt2313、及び約nt3022〜約nt5045の配列番号3のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接するヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0075】
本明細書において使用される場合、ヌクレオチド配列は、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接する(flanking)ヌクレオチド配列に対して相同であり、ここでその相同ヌクレオチド配列は、適度な緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されるDNAへのハイブリダイゼーション、及び0.2×SSC/0.1%のSDSにおける42℃での洗浄下で、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接するヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記を参照のこと)、そしてaveR2−関連ポリヌクレオチド分子について有用性が上記に定義されるように、本発明の実施において有用である。
【0076】
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子における個々のフランキング配列、又はその相同体は、好ましくは、少なくとも約200ntの長さのものである。非制限的な態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR2のORFに天然において接する1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同であり、そしてさらに、本発明の1つの前記aveR2−関連ヌクレオチド配列、たとえば約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子、又はその実質的な部分を供給する。
【0077】
aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子
本発明は、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物(“aveR1/aveR2”として下記で言及される)の両者をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子をさらに提供する。好ましい態様においては、aveR1及びaveR2遺伝子生成物は、それぞれ、配列番号2及び配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る。非制限的態様においては、単離されたaveR1/aveR2ポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORF、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成る。
【0078】
さらなる非制限的態様においては、単離されたaveR1/aveR2ポリヌクレオチド分子は、約nt1112〜約nt3021の配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。さらなる非制限的態様においては、単離されたポリヌクレオチド分子は、配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る。配列番号1のヌクレオチド配列は、aveR1のORFとaveR2のORFとの間での部分的オーバーラップを示すが、しかしながら、本発明はまた、aveR1及びaveR2についてのORFがオーバーラップしないaveR1/aveR2ポリヌクレオチド分子も包含する。
【0079】
本発明はさらに、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1のORF、及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子に対して相同である単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0080】
用語“相同”とは、これに関して使用される場合、(a)それぞれ、約nt1112〜約nt2317及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1に示されるようなaveR1及びaveR2と同じポリペプチドをコードするが、しかし遺伝子コード縮重に従って、ヌクレオチド配列に対する1又は複数のサイレント変化を包含し;又は(b)配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る第1ポリペプチド、及び配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る第2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の補体に対して、適度な緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されたDNAへのハイブリダイゼーション及び0.2×SSC/0.1% SDSにおける42℃での洗浄下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を意味し(Ausubel など., 1989 、前記)、そして本発明の実施において有用である。
【0081】
好ましい態様において、相同ポリヌクレオチド分子は、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る第1ポリペプチド及び配列番号4のアミノ酸配列を含んで成る第2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の相補体に対して、高い緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTA下でフィルター結合されたDNAに対する65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC/0.1% SDSにおける68℃での洗浄下でハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記)、そして本発明の実施において有用である。さらなる好ましい態様においては、相同ポリヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下で、それぞれ約nt1112〜約nt2317及び約nt2314〜約nt3021の配列番号1で示されるようなS.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFのヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子の補体にハイブリダイズし、そして本発明の実施において有用である。
【0082】
本明細書において使用される場合、aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子は、“本発明の実施において有用であり”、ここでポリヌクレオチド分子が、特定部位の突然変異誘発、たとえば相同組換えによりS.アベルミチリスのaveR1のORFもしくはaveR2のORFのいづれか、又はaveR1及びaveR2のORFの両者中に突然変異を導入するために、又は標準の増幅技法を用いて、S.アベルミチリスのaveR1のORFもしくはaveR2のORFのいづれか、又はaveR1及びaveR2のORFの両者のヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を増幅するために、使用され得る。
【0083】
そのような相同ポリヌクレオチド分子は、S.コエリカラーを除く、ストレプトミセスの他の種、又はS.アベルミチリスの他の株に存在する天然に存在するaveR1/aveR2遺伝子、及び天然に存在するか、化学的に合成されるか、又は遺伝的に構築されるかにかかわらず、突然変異誘発されたaveR1又はaveR2対立遺伝子を包含することができる。
【0084】
本発明はさらに、それぞれ配列番号2及び4のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有する第1及び第2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物のアミノ酸配列に対して相同であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを言及するために本明細書において使用される場合、用語“相同”とは、それぞれ配列番号2及び4のアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドを意味するが、しかしその1又は複数のアミノ酸残基が、上記で定義される保存性アミノ酸置換のように、異なったアミノ酸残基により保存的に置換されており、そしてその得られるポリペプチドは、本発明の実施において有用である。
【0085】
本発明はさらに、本発明の前記aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子のいづれかの実質的な部分であるヌクレオチド配列から成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書において使用される場合、aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の“実質的な部分”は、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物の両者、又は本発明のaveR1及びaveR2−関連相同ポリペプチドの両者をコードするために必要とされる完全なコード配列よりも少ない配列から成るが、しかし前記ヌクレオチド配列の少なくとも約10%及びより好ましくは、少なくとも約20%を含んで成り、そして有用性がaveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子について上記のように定義されるように、本発明の実施において有用であるポリヌクレオチド分子を意味する。
【0086】
好ましい態様においては、aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、本発明のS.アベルミチリスaveR1遺伝子生成物又はS.アベルミチリスaveR2遺伝子生成物のいづれか、又はその相同ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列から成る。非限定的であるが、特定の態様においては、aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、約nt1112〜約nt2317の配列番号1に示されるようなaveR1のORFのヌクレオチド配列から成る。非限定的であるが、特定のもの1つの態様においては、aveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子の実質的な部分は、約nt2314〜約nt3021の配列番号3に示されるようなaveR2のORFのヌクレオチド配列から成る。
【0087】
本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1/aveR2のORFを天然において端に有する1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。そのようなフランキング配列は、約nt1〜約nt1111、及び約nt3022〜約nt5045の配列番号1のヌクレオチド配列から選択され得る。本発明はさらに、S.アベルミチリスのaveR1/aveR2のORFに天然において接するヌクレオチド配列に対して相同である1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0088】
本明細書において使用される場合、ヌクレオチド配列は、S.アベルミチリスのaveR1/aveR2のORFに天然において接するヌクレオチド配列に対して相同であり、ここでその相同ヌクレオチド配列は、適度な緊縮条件、すなわち0.5MのNaHPO4 、7%のSDS、1mMのEDTAにおける65℃でのフィルター結合されるDNAへのハイブリダイゼーション、及び0.2×SSC/0.1% SDSにおける42℃での洗浄下で、S.アベルミチリスのaveR1/aveR2のORFに天然において接するヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズし(Ausubel など., 1989 、上記を参照のこと)、そしてaveR1/aveR2−関連ポリヌクレオチド分子について有用性が上記に定義されるように、本発明の実施において有用である。
【0089】
本発明の単離されたポリヌクレオチド分子における個々のフランキング配列、又はその相同体は、好ましくは、少なくとも約200ntの長さのものである。非制限的な態様において、本発明は、S.アベルミチリスのaveR1/aveR2のORFに天然において接する1又は複数の前記ヌクレオチド配列を含んで成り、又はそのようなヌクレオチド配列に対して相同であり、そしてさらに、本発明の1つの前記aveR1/aveR2−関連ヌクレオチド配列、たとえば約nt1112〜約nt3021の配列番号1に示されるようなS.アベルミチリスのaveR1及びaveR2のORFのいづれか又は両者をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0090】
オリゴヌクレオチド分子
本発明は、本発明の前記ポリヌクレオチド分子のいづれかにハイブリダイズし、又は本発明の前記ポリヌクレオチド分子のいづれかの相補体であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド分子を提供する。そのようなオリゴヌクレオチド分子は好ましくは、少なくとも約10個の長さのヌクレオチドであるが、しかし本発明の前記ポリヌクレオチド分子のいづれかのサブ−配列の長さで延長することができ、そして適度な又は高い緊縮条件下で、1又は複数の前記ポリヌクレオチド分子にハイブリダイズすることができる。
【0091】
より短いオリゴヌクレオチド分子に関しては、高い緊縮条件の例は、約14−塩基オリゴヌクレオチドに関しては、約37℃、約17−塩基オリゴヌクレオチドに関しては、約48℃、約20−塩基オリゴヌクレオチドに関しては、約55℃、及び約23−塩基オリゴヌクレオチドに関しては、約60℃での6×SSC/0.5%ピロリン酸ナトリウムにおける洗浄を包含する。より長いオリゴヌクレオチド分子(すなわち、約100nt以上)に関しては、適度な及び高い緊縮条件の例は、相同ポリヌクレオチド分子に関して上記セクション5.1に記載される。ハイブリダイゼーション条件は、使用される特定のオリゴヌクレオチド分子に依存して、当業界において知られているようにして適切に調節され得る。
【0092】
好ましい態様において、本発明のオリゴヌクレオチド分子は、高い緊縮条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子、又は配列番号1のヌクレオチド配列の補体であるヌクレオチド配列から成るポリヌクレオチド分子にハイブリダイズする。
本発明のオリゴヌクレオチド分子は、種々の目的のために、たとえばaveR1もしくはaveR2遺伝子生成物コードのポリヌクレオチド分子の増幅におけるプライマーとして、又はストレプトミセスにおけるave遺伝子の調節及びアベルメクチン生合成の調節において有用なアンチセンス分子として有用である。
【0093】
増幅は、標準の技法、たとえばポリメラーゼ鎖反応(PCR)(但し、当業界において知られている他の増幅技法も可能である)、たとえばリガーゼ鎖反応と共に、適切に企画されたオリゴヌクレオチド分子を用いて実施され得る。たとえば、PCRに関しては、適切に企画されたプライマー、増幅されるべきヌクレオチド配列を含んで成る鋳型、及び適切なPCR酵素及び緩衝液を含んで成る混合物が、鋳型の特定のaveR1−又はaveR2−関連ポリペプチド分子を増幅するために、標準のプロトコールに従って、調製され、そして処理される。
【0094】
組換え発現システム
発現ベクター
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子を含んで成る組換えクローニングベクター及び組換え発現ベクターを供給し、ここで前記ベクターは、前記ポリヌクレオチド分子、たとえばS.アベルミチリスのaveR1のORFもしくはaveR2のORFのいづれか、又はaveR1及びaveR2のORFの両者を含んで成るポリヌクレオチド分子のクローニング、又は発現において有用である。非限定的態様においては、本発明は、S.アベルミチリスの完全なaveR1のORF及び完全なaveR2のORFを含んで成るプラスミドpSE201(ATCC 203182)を提供する。
【0095】
次の記載は、特にことわらない限り、上記で定義されたように、本発明の前記ポリヌクレオチド分子及びポリペプチドのすべてに適用するために意図される:たとえば、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2のORFのいづれか又は両者を含んで成るポリヌクレオチド分子及びそれらの遺伝子生成物、及びすべての相同ポリヌクレオチド分子、相同ポリペプチド、そのようなポリヌクレオチド分子の実質的な部分、及びそのような遺伝子生成物及びポリペプチドのペプチドフラグメント。
【0096】
次の種々の異なったベクターが、ストレプトミセスへの特定の使用のために開発されて来た:たとえば、中でも、ファージ、高コピー数のプラスミド、低コピー数のプラスミド、自殺プラスミド、感温性プラスミド、及びE.コリ−ストレプトミセス シャトルベクター、そしてそれらのいづれかが本発明の実施に使用され得る。多くの耐薬物性遺伝子がまた、ストレプトミセスからクローン化されており、そしてそれらの遺伝子のいくつかが選択マーカーとしてベクター中に組込まれている。ストレプトミセスへの使用のための現在のベクターの例は、中でも、Hutchinson, 1980, Applied Biochem.Biotech. 16: 169−190に示されている。
【0097】
本発明の組換えベクター、特に発現ベクターは好ましくは、本発明のポリヌクレオチド分子のためのコード配列が、ポリペプチドを生成するためにコード配列の転写及び翻訳のために必要な1又は複数の調節要素と操作的に関連して存在するよう構成される。本明細書において使用される場合、用語“調節要素”とは、誘発性及び非誘発性プロモーター、エンハンサー、オペレーター、及びポリヌクレオチドコード配列の発現を駆動し、そして/又は調節するよう作用する当業界において知られている他の要素をコードするヌクレオチド配列を包含するが、但しそれだけには限定されない。また、本明細書において使用される場合、コード配列は、そのコード配列の転写、又はそのmRNAの翻訳、又は両者を効果的に調節し、そして可能にする1又は複数の調節要素と“作用可能に関連して”存在する。
【0098】
本発明のポリヌクレオチド分子を含むよう構築され得る典型的なプラスミドベクターは、中でも、pCR−Blunt, pCR2.1 (Invitrogen), pGEM3Zf (Promega) 、及びシャトルベクターpWHM3 (Varaなど., 1989, J.Bact. 171: 5872−5881 )を包含する。
それらのベクターの調節要素は、それらの強さ及び特異性において異なることができる。使用される宿主/ベクターシステムに依存して、多くの適切な転写及び翻訳要素のいづれかが使用され得る。細菌のための転写調節領域又はプロモーターの非制限的な例は、β−galプロモーター、T7プロモーター、TACプロモーター、λ左及び右プロモーター、trp及びlacプロモーター、trp−lac融合プロモーター、及びより特定には、ストレプトミセスのためのプロモーターermE,melC及びtipA、等を包含する。
【0099】
適切な調節要素と作用可能に関連する特定のコード配列を含む組換えベクターを構成するための方法は、当業界においてよく知られており、そしてそれらのいづれかが本発明の実施に使用され得る。それらの方法は、インビトロ組換え技法、合成技法及びインビボ遺伝子組換えを包含する。たとえば、Maniatisなど., 1989 、上記;Ausubel など., 1989 、上記;Sambrookなど., 1989 、上記;Innis など., 1995 、上記;Erlich, 1992、上記;及びHopwood など., 1985 、上記に記載される技法を参照のこと。
【0100】
融合タンパク質発現ベクターが、aveR1又はaveR2遺伝子生成物−融合タンパク質を発現するために使用され得る。精製された融合タンパク質は、aveR1又はaveR2遺伝子生成物に対する抗血清を生ぜしめるために、aveR1又はaveR2遺伝子生成物の生化学性質を研究するために、異なった生化学活性を有するaveR1又はaveR2融合タンパク質を構築するために、又は組換え発現システムにおける発現されたaveR1又はaveR2遺伝子生成物の同定又は精製を助けるために使用され得る。可能な融合タンパク質発現ベクターは、β−ガラクトシダーゼ及びtrpE融合体、マルトース結合融合体、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合体及びポリヒスチジン融合体(キャリヤー領域)をコードする配列を組込むベクターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0101】
AveR1及びAveR2融合タンパク質は、精製のために有用な領域を含むよう構築され得る。たとえば、AveR1−又はAveR2−マルトース−結合タンパク質融合はアミロース樹脂を用いて精製され得;そしてAveR1−又はAveR2−グルタチオン−S−トランスファーゼ融合タンパク質は、グルタチオン−アガロースビーズを用いて精製される。そしてAveR1−又はAveR2−ポリヒスチジン融合は二価のニッケル樹脂を用いて精製され得る。他方では、キャリヤータンパク質又はペプチドに対する抗体が融合タンパク質のアフィニティークロマトグラフィー精製のために使用され得る。
【0102】
たとえば、モノクローナル抗体の標的エピトープをコードするヌクレオチド配列が、調節要素と操作的に関連して発現ベクター中に構築され、そして発現されるエピトープがAveR1又はAveR2ポリペプチドに融合されるよう、位置決定され得る。たとえば、親水性マーカーペプチドである、FLAGTMエピトープ標識(International Biotechnologies, Inc. )をコードするヌクレオチド配列は、標準技法により、AveR1又はAveR2ポリペプチドのアミノ又はカルボキシル末端に対応する点で発現ベクター中に挿入され得る。次に、発現されたAveR1又はAveR2ポリペプチド−FLAGTMエピトープ融合生成物が検出され、そして市販の抗−FLAGTM抗体を用いて、アフィニティー精製され得る。
【0103】
AveR1又はAveR2融合タンパク質をコードする発現ベクターはまた、特定のプロテアーゼ切断部位をコードするポリリンカー配列を含むよう構築され得、その結果、発現されたAveR1又はAveR2ポリペプチドが特定のプロテアーゼによる処理によりキャリヤー領域又は融合パートナーから開放され得る。たとえば、融合タンパク質ベクターは、中でも、トロンビン又は第Xa因子切断部位をコードするDNA配列を含むことができる。
【0104】
aveR1又はaveR2のORFの上流に存在し、そしてそれと読取り枠を整合して存在するシグナル配列が、発現される遺伝子生成物のトラフィキング及び分泌を指図するために、既知の方法により発現ベクター中に構築され得る。シグナル配列の非制限的例は、中でも、α−因子、免疫グロブリン、外層膜タンパク質、ペニシリナーゼ、及びT−細胞受容体からのものを包含する。
【0105】
本発明のクローニング又は発現ベクターにより形質転換され、又はトランスフェクトされた宿主細胞の選択を助けるために、ベクターは、レポーター遺伝子生成物又は他の選択マーカーのためのコード配列をさらに含むよう構築され得る。そのようなコード配列は好ましくは、上記のように、調節要素コード配列と操作的に関連して存在する。本発明において有用であるレポーター遺伝子は、当業界において良く知られており、そして中でも、緑色螢光タンパク質、ルシフェリン、xylE、及びチロシナーゼをコードするそれらのものを包含する。
【0106】
選択マーカーをコードするヌクレオチド配列は、当業界において良く知られており、そして抗生物質又は抗−代謝物に対する耐性を付与する遺伝子生成物をコードし、又は栄養要求性必要条件を供給するそれらのものを包含する。そのような配列の例は、中でもエリスロマイシン、チオストレプトン又はカナマイシンに対する耐性をコードするそれらのものを包含する。
【0107】
宿主細胞
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド分子又は組換えベクターを含んで成る形質転換された宿主細胞、及びそれらに由来する新規株又は細胞系を供給する。本発明の実施において有用な宿主細胞は、好ましくは、ストレプトミセス細胞であるが、但し、他の原核細胞又は真核細胞もまた使用され得る。そのような形質転換された宿主細胞は典型的には、微生物、たとえば組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコスミドDNAベクターにより形質転換された細菌、又は組換えベクターにより形質転換された酵母を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0108】
細菌細胞が一般的に、宿主細胞として好ましい。本発明のポリヌクレオチド分子はストレプトミセス細胞において機能するよう意図されるが、しかしまた、たとえばクローニング又は発現目的のために、他の細菌又は真核細胞を形質転換することができることが理解されるべきである。E.コリの株、たとえばAmerican Type Culture Collection (ATCC), Rockville, MD, USA (受託番号31343)又は市販源(Stratagene)から入手できるDH5α株が典型的には使用され得る。好ましい真核宿主細胞は、酵母細胞を包含するが、但し哺乳類細胞又は昆虫細胞もまた、効果的に使用され得る。
【0109】
本発明の組換え発現ベクターは好ましくは、実質的に均質の細胞培養物の1又は複数の宿主細胞を形質転換し又はトランスフェクトする。発現ベクターは一般的に、次の既知技法に従って、宿主細胞中に導入される:たとえばプロトプラスト形質転換、リン酸カルシウム沈殿、塩化カルシウム処理、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、組換えされたウィルスとの接触によるトランスフェクション、リポソーム仲介トランスフェクション、DEAE−デキストラントランスフェクション、トランスダクション、接合、又はマイクロプロジェクティル衝撃。形質転換体の選択は、標準の方法、たとえば選択マーカー、たとえば上記のように、組換えベクターと関連する耐抗生物質性を発現する細胞についての選択により実施され得る。
【0110】
発現ベクターが宿主細胞中に導入されるとすぐに、宿主細胞染色体における又はエピソームにおける、aveR1−,aveR2−、又はaveR1/aveR2−関連コード配列の組込み及び維持が、標準技法、たとえばサザンハイブリダイゼーション分析、制限酵素分析、PCR分析、たとえば逆転写酵素PCR(rt−PCR)、又は予測される遺伝子生成物を検出するための免疫学的アッセイにより確かめられ得る。
【0111】
組換えaveR1−,aveR2−又はaveR1/aveR2−関連コード配列を含み、そして/又は発現する宿主細胞が、当業界において良く知られている次の少なくとも4種の一般的アプローチのいづれかにより同定され得る:(i)DNA−DNA,DNA−RNA、又はRNA−アンチセンスRNAハイブリダイゼーション;(ii)“マーカー”遺伝子機能の存在の検出;(iii) 宿主細胞におけるaveR1−又はaveR2−特異的mRNA転写体の発現により測定されるような転写のレベルの評価;及び(iv)たとえばイムノアッセイにより、又はAveR1又はAveR2生物学的活性の存在により測定されるような成熟ポリペプチド生成物の存在の検出。
【0112】
組換えaveR1又はaveR2遺伝子生成物の発現及び特徴化
aveR1−,aveR2−、又はaveR1/aveR2−関連コード配列が適切な宿主細胞中に安定して導入されると、形質転換された細胞宿主がクローン的に増殖され、そしてその得られる細胞が、aveR1−、及び/又はaveR2−関連遺伝子生成物の最大生成の助けとなる条件下で増殖せしめられる。そのような条件は典型的には、細胞の高密度への増殖を包含する。発現ベクターが誘発性プロモーターを含んで成る場合、適切な誘発条件、たとえば温度シフト、栄養物の消耗、必要のない誘発物質(たとえば、炭水化物の類似体、たとえばイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG))の添加、過剰の副生成物の蓄積、又は同様のことが、発現を誘発する必要がある場合に使用される。
【0113】
発現されたaveR1−及び/又はaveR2−関連遺伝子生成物が宿主細胞内に保持される場合、細胞は収穫され、そして溶解され、そして生成物が、タンパク質分解を最少にするために当業界において知られている抽出条件、たとえば4℃で、又はプロテアーゼインヒビターの存在下で、又は両者において、前記溶解物から単離され、そして精製される。発現されたaveR1及び/又はaveR2遺伝子生成物が宿主細胞から分泌される場合、消耗された栄養培地が単純に集められ、そして生成物がそれから単離される。
【0114】
発現されたaveR1−及び/又はaveR2−関連遺伝子生成物は、次の標準方法を用いて、細胞溶解物又は培養培地から適切なように、単離され、又は実質的に精製され得る:たとえば次の方法のいづれかの組合せ(但し、それらだけには限定されない):硫酸アンモニウム沈殿、サイズ分別、イオン交換クロマトグラフィー、HPLC、密度遠心分離、及びアフィニティークロマトグラフィー。発現されたaveR1−及び/又はaveR2−関連遺伝子生成物が生物学的活性を示す場合、調製物の上昇する純度が、適切なアッセイの使用により精製工程の個々の段階でモニターされ得る。発現されたaveR1−及び/又はaveR2−関連遺伝子生成物が生物学的活性を示すか、又は示さないにかかわらず、個々は、たとえばサイズ、又はAveR1又はAveR2に対して特異的な抗体との反応性に基づいて、又は融合標識の存在により検出され得る。
【0115】
従って、本発明は、本発明のポリヌクレオチド分子によりコードされる、実質的に精製され、又は単離されたポリペプチドを供給する。非限定的であるが、特定の態様においては、ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含んで成るS.アベルミチリスからのaveR1遺伝子生成物である。非限定的であるが、特定のもう1つの態様においては、ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含んで成るS.アベルミチリスからのaveR2遺伝子生成物である。本発明はさらに、本発明のaveR1又はaveR2遺伝子生成物のいづれかに対して相同である、実質的に精製され、又は単離されたポリペプチドを供給する。
【0116】
本発明はさらに、本発明のaveR1又はaveR2遺伝子生成物又は相同ポリペプチドのペプチドフラグメントを供給する。本発明の実質的に精製され、又は単離されたポリペプチドは、種々の目的、たとえばaveR1又はaveR2遺伝子生成物機能を変更する化合物についてスクリーンし、それにより、アベルメクチン生合成を調節するために、及びaveR1又はaveR2遺伝子生成物に対して向けられた抗体を生ぜしめるために有用である。
【0117】
本明細書において使用される場合、ポリペプチドは、そのポリペプチドが特定の調製物において材料の重量の大部分を構成する場合、“実質的に精製されている”。また、本明細書において使用される場合、ポリペプチドは、そのポリペプチドが特定の調製物において少なくとも約90重量%の材料を構成する場合、“単離されている”。
【0118】
本発明はさらに、実質的に精製され又は単離されたaveR1遺伝子生成物、aveR2遺伝子生成物、相同ポリペプチド又はペプチドフラグメントの調製方法を提供し、ここで前記方法は、それぞれ、aveR1遺伝子生成物、aveR2遺伝子生成物、相同ポリペプチド、又はペプチドフラグメントをコードする、1又は複数の調節要素と操作的に関連して存在するヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を含んで成る組換え発現ベクターにより、特定の遺伝子生成物、ポリペプチド、又はペプチドフラグメントの発現の助けとなる条件下で、形質転換され、又はトランスフェクトされた宿主細胞を培養し、そして実質的に精製され、又は単離された形で、細胞培養物から、発現された遺伝子生成物、ポリペプチド、又はペプチドフラグメントを回収することを含んで成る。
【0119】
十分な純度のaveR1又はaveR2遺伝子生成物が得られると、それは、標準の方法、たとえばSDS−PAGE、サイズ排除クロマトグラフィー、アミノ酸配列分析、アベルメクチン生合成路における適切な生成物の生成における生物学的活性、等により特徴づけられ得る。たとえば、aveR1又はaveR2遺伝子生成物のアミノ酸配列は、標準のペプチド配列決定技法を用いて決定され得る。aveR1又はaveR2遺伝子生成物はさらに、aveR1又はaveR2遺伝子生成物の疎水性及び親水性領域を同定するために、親水性分析(たとえば、Hopp and Woods, 1981, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 78: 3824を参照のこと)、又は類似ソフトウェアアルゴリズムを用いて特徴づけられ得る。
【0120】
構造分析は、特定の二次構造体を想定する、aveR1又はaveR2遺伝子生成物の領域を同定するために実施され得る。生物理学的方法、たとえばX線結晶学(Engstrom, 1974, Biochem.Exp.Biol. 11: 7 〜13)、コンピューターモデリング(Fletterick and Zoller (eds), 1986, Current Communications in Molecular Biology , Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY )、及び核磁気共鳴(NMR)が、aveR1又はaveR2遺伝子生成物とそれらの基質との間の相互作用の部位をマッピングし、そして研究するために使用され得る。それらの研究から得られる情報は、より所望するアベルメクチン生成特徴を有するストレプトミセスの新規株の開発を助けるために、aveR1又はaveR2のORFにおける突然変異のための新規部位を選択するために使用され得る。
【0121】
aveR1及びaveR2変異体の構成
本発明はさらに、遺伝子構造体、たとえば遺伝子置換ベクターを包含する、ストレプトミセスの種又は株の細胞を遺伝子的に修飾するための組成物及び方法を提供する。好ましい態様においては、ストレプトミセスの種又は株の細胞は、修飾されていない種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量とは検出できるほど異なっている多量のアベルメクチンを生成するために遺伝子的に修飾される。
【0122】
より好ましい態様においては、S.アベルミチリスの株の細胞が、修飾されていない同じ株の細胞により生成されるアベルメクチンの量に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成するよう遺伝子的に修飾される。本発明によれば、そのような遺伝子修飾は好ましくは、aveR1遺伝子、aveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両方を突然変異誘発することを含んで成り、ここでそのような突然変異は、遺伝子突然変異を担持しない同じ株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するS.アベルミチリスの株の細胞により生成されるアベルメクチンの量の検出できる上昇をもたらす。
【0123】
本発明によれば、突然変異は、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に、現在知られているか、又は未来において開発されるいづれかの技法を用いて導入され得る。たとえば、ランダム突然変異誘発は、標準の突然変異誘発技法、たとえば紫外線又はX−線、又は化学的突然変異誘発物質、たとえばN−メチル−N′−ニトロソグアニジン、エチルメタンスルホネート、亜硝酸、又は窒素マスタードにストレプトミセス細胞を暴露し、そして次にaveR1及び/又はaveR2遺伝子における1又は複数の突然変異の結果として、検出できるほど高められたアベルメクチン生成を示す細胞を選択する技法を用いて実施され得る。たとえば、突然変異誘発技法の総説としては、Ausubel, 1989 、上記を参照のこと。
【0124】
他方では、aveR1もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者に対する突然変異は、種々の既知の組換え方法のいづれか、たとえばエラー傾向PCR又はカセット突然変異誘発を用いて、特定部位態様で実施され得る。たとえば、相同組換えを利用する特定部位の突然変異誘発は、1又は複数の突然変異をそれらの遺伝子中に特異的に導入するために、aveR1もしくはaveR2のORFのいづれか、又はフランキング配列、又はaveR1及びaveR2のORFの両者、又はフランキング配列を特異的に変更するために利用され得る。さらに、ランダム断片化、突然変異誘発の反復されたサイクル、及びヌクレオチドシャフリング(nucleotide shuffling)を包含する、アメリカ特許第5,605,793号に記載される方法は、aveR1及び/又はaveR2突然変異をコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子の大きなライブラリーを生成するために使用され得る。
【0125】
本発明の実施において有用である、aveR1もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者に対する突然変異は、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者、又はフランキング領域における1又は複数のヌクレオチドの付加、欠失、又は置換、又はそれらのいくつかの組合せを包含し、そしてそれは、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの同じ種又は株の細胞に比較して、所望する結果、すなわち遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの株の細胞により生成されるアベルメクチンの量の検出できる上昇性をもたらす。
【0126】
そのような突然変異は、1又は複数の新規制限部位、終結コドン又はフレームシフトを、ORF配列のいづれか又は両者中に、又は遺伝子転写に関与するフランキング調節領域中に導入するよう作用することができる。他の有用な突然変異は、aveR1及びaveR2遺伝子のいづれか又は両者中に異なった又は異種ヌクレオチド配列を挿入し;又はaveR1及びaveR2遺伝子のいづれか又は両者のすべて又は一部を欠失し;又はaveR1及びaveR2遺伝子のいづれか又は両者のすべて又は一部を、異なった又は異種ヌクレオチド配列により置換し;そして所望する結果、すなわち遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの同じ種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量の検出できる上昇性をもたらす突然変異を包含する。
【0127】
部位特定突然変異は、特に、それらが、aveR1又はaveR2遺伝子生成物のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子生成物の両者における1又は複数の保存されたアミノ酸残基を変更するよう作用する場合に有用である。たとえば、図1A及び1Bに示されるように、S.コエリカラーからの類似する遺伝子生成物と、S.アベルミチリスからのaveR1及びaveR2遺伝子生成物との推定されるアミノ酸配列の比較は、それらの種間のアミノ酸残基の有意な保存性の部位を示す。1又は複数のそれらの保存されたアミノ酸残基を欠失するか又は非保存的に置換する特定部位の突然変異誘発は、アベルメクチン生成において所望する変更を示す新規変異体株の生成において特に効果的である。
【0128】
好ましい態様においては、1又は複数の突然変異は、本発明により供給される遺伝子構造体、たとえば遺伝子置換ベクターを用いて、aveR1又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に、相同組換えにより導入される。
【0129】
前記遺伝子構造体は、完全なaveR1のORF又はその相同ポリヌクレオチド分子、又はその実質的な部分;又は完全なaveR2のORF又はその相同ポリヌクレオチド分子、又はその実質的な部分;又は完全なaveR1及びaveR2のORFの両者又はその相同ポリヌクレオチド分子、又はその実質的な部分;又はS.アベルミチリスのaveR1のORF又はaveR2のORFのいづれか、又はaveR1及びaveR2のORFの両者を天然において端に有するヌクレオチド配列;又はそれらの組合せを含んで成り;そして前記遺伝子構造体は、遺伝子突然変異を担持しない同じ種又は株の細胞に比較して、前記遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量の検出できる上昇性をもたらす突然変異を、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に導入するために使用され得る。
【0130】
非制限的であるが特定の態様において、本発明の実施に使用するための遺伝子構造体は、S.アベルミチリスからのaveR1のORFもしくはaveR2のORFのいづれか、又はaveR1及びaveR2のORFの両者、又はそれらの実質的な部分のヌクレオチド配列と同じであるヌクレオチド配列を含んで成り、そしてさらに、1又は複数の突然変異、すなわち1又は複数のヌクレオチド欠失、挿入、置換又はそれらの組合せを含んで成るプラスミドであり、ここで前記プラスミドは、前記突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量が、前記遺伝子突然変異を担持しない同じ種又は株の細胞に比較して、検出できるほど高められるよう、それぞれ、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の活性又は生物学的機能を破壊し又は変更するために、又はそれぞれ、aveR1遺伝子生成物又はaveR2遺伝子生成物のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子生成物の両者の活性又は生物学的機能を破壊し、又は変更するために、ストレプトミセスの細胞を形質転換し、そしてそれにより、突然変異を、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に導入するために使用され得る。そのようなプラスミドは、好ましくは、さらに、選択マーカーを含んで成る。
【0131】
ストレプトミセスの宿主細胞の形質転換に続いてすぐに、遺伝子構造体のポリヌクレオチド分子は、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者に相同組換えにより特異的に標的化され、そしてaveR1遺伝子又はその一部、又はaveR2遺伝子又はその一部、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者又はそれらの一部を置換し、又はaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子中に挿入する。
【0132】
この組換え現象の結果として、宿主細胞のaveR1遺伝子又はaveR2遺伝子のいづれか、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者、又はそれによりコードされる遺伝子生成物が、部分的に又は完全に無能される。形質転換された細胞は、好ましくは、遺伝子構造体における選択マーカーの存在を利用することによって選択され、そして形質転換されていない株の細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成するそれらの細胞について、標準の技法、たとえば下記の実施例の(6)に記載されるそれらの技法によりスクリーンされる。
【0133】
下記実施例の(9−1)に例示される、非制限的であるが特定の態様においては、遺伝子置換ベクターが、異種ヌクレオチド配列(ermE)により個々の遺伝子のORFの一部を選択することによって、aveR1及びaveR2遺伝子の両者を破壊するために使用された。下記実施例の(9−2)に例示される、非限定的であるが特定のもう1つの態様においては、遺伝子置換ベクターが、aveR2のORF中に異種ヌクレオチド配列(ermE)を挿入することによって、aveR2遺伝子を破壊するために使用された。
【0134】
それらの遺伝子置換ベクターの個々は、S.アベルミチリスの種の細胞を別々に形質転換し、そして相同組換えにより染色体中に組込まれた。それらの新規ストレプトミセス形質転換体の個々の発酵分析は、それらの遺伝子突然変異のいづれも担持しない株の細胞に比較して、それらの遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量の有意な上昇性を示す。
【0135】
本発明はさらに、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めることができる、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の突然変異を同定するための方法を提供し、ここで前記方法は、(a)ストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を測定し;(b)段階(a)のストレプトミセスの種又は株の細胞の、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子中に、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に突然変異を導入し;そして(c)遺伝子突然変異を担持しない段階(a)の細胞により生成されるアベルメクチンの量に、段階(b)において生成されるような遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量を比較することを含んで成り;段階(b)において生成されるような遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量が遺伝子突然変異を担持しない段階(a)の細胞により生成されるアベルメクチンの量よりも検出できるほど高い場合、生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めることができる、aveR1又はaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の突然変異が同定されることを特徴とする。好ましい態様では、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。
【0136】
本発明はさらに、ストレプトミセスの種又は株の修飾されていない細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成する、同じ種又は株からの遺伝子的に修飾された細胞の調製方法を提供し、ここで前記方法は、ストレプトミセスの種又は株の細胞におけるストレプトミセスのaveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者を突然変異誘発し、そして遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの種又は株の細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成する突然変異誘発された細胞を選択することを含んで成る。好ましい態様において、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。
【0137】
本発明はさらに、ストレプトミセスの新規株を提供し、その細胞は、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセスの種又は株の細胞に比較して、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子への、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者への1又は複数の突然変異の結果として、検出できるほどに高められた量のアベルメクチンを生成する。好ましい態様において、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。本発明の新規株は、アベルメクチン、たとえば商業的に所望のドラメクチンの大規模生成において有用である。
【0138】
本発明はさらに、ストレプトミセスの培養により生成される高められた量のアベルメクチンを生成するための方法に関し、ここで遺伝子突然変異を担持しない種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセスの種又は株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めるよう作用する、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者における突然変異を含んで成る、ストレプトミセスの種又は株の細胞を、それからアベルメクチンの生成を可能にし又は誘発する条件下で、培養培地において培養し、そしてその培養物からアベルメクチンを回収することを含んで成る。好ましい態様においては、ストレプトミセスの種は、S.アベルミチリスである。この方法は、アベルメクチンの生成効率を高めるために有用である。
【0139】
アンチセンスオリゴヌクレオチド及びリポザイム
また、本発明の範囲内に、aveR1又はaveR2 mRNAの翻訳を退化せしめ、そして/又は阻害するために結合機能する、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ホスホロチオエート及びリボザイムを包含するオリゴヌクレオチド配列が存在する。
【0140】
アンチセンスオリゴヌクレオチド、たとえばアンチセンスRNA分子及びアンチセンスDNA分子は、標的化されたmRNAに結合し、そしてタンパク質翻訳を妨げることによって、mRNAの翻訳を直接的に阻害するよう作用する。たとえば、AveR1又はAveR2ポリペプチドをコードするDNA配列のユニーク領域に対して相補的な、少なくとも約15個の塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、たとえば従来のホスホジエステル技法により合成され得る。
【0141】
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒することができる酵素性RNA分子である。リボザイム作用の機構は、相補的標的RNAへのリボザイム分子の配列特異的ハイブリダイゼーション、続くエンドヌクレオライティク分解を包含する。aveR1又はaveR2 mRNA配列のエンドヌクレオライティク分解を特異的に且つ効率良く触媒する構築されたハンマーヘッドモチーフリボゾーム分子もまた、本発明の範囲内である。
【0142】
いづれかの可能性あるRNA標的物内の特定のリボザイム切断部位は、次の配列、GUA,GUU及びGUCを包含するリボザイム切断部位について標的分子を走査することによって最初同定される。同定されるとすぐに、切断部位を含む標的遺伝子の領域に対応する約15〜20個のリボヌクレオチドの短いRNA配列が、予測される構造特徴、たとえばオリゴヌクレオチド配列を不適切にする二次構造について評価され得る。候補体標的物の適合性がまた、たとえばリボヌクレアーゼ保護アッセイを用いて、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションへのそれらの接近性を試験することによって評価され得る。
【0143】
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド及びリボザイムの両者は、既知方法により調製され得る。それらは、たとえば固相ホスホアミット化学合成による化学合成のための技法を包含する。他方では、アンチセンスRNA分子は、そのRNA分子をコードするDNA配列のインビトロ又はインビボ転写により生成され得る。そのようなDNA配列は、適切なRNAポリメラーゼプロモーター、たとえばT7又はSP6ポリメラーゼプロモーターを組込む広範囲の種類のベクター中に組込まれ得る。
【0144】
本発明のオリゴヌクレオチドの種々の修飾が、高まる細胞内安定性及び半減期の手段として導入され得る。可能な修飾は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:分子の5′及び/又は3′端へのリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドのフランキング配列の付加、又はオリゴヌクレオチド主鎖内のホスホジエステラーゼ連鎖よりもむしろホスホロチオエート又は2′−O−メチルの使用。
【0145】
抗体
本発明はさらに、aveR1遺伝子生成物、aveR2遺伝子生成物、又は相同ポリペプチド、又はペプチドフラグメントに結合するポリクローナル及びモノクローナル抗体を提供する。そのような抗体は、生来のaveR1又はaveR2遺伝子生成物を精製し、又はaveR1又はaveR2遺伝子生成物の活性又は生物学的機能を分析するために親和性試薬として使用され得る。
【0146】
抗体は、本発明のaveR1−又はaveR2−関連ポリペプチドのいづれかに対して生ぜしめられ得る。種々の宿主動物、たとえば牛、馬、ウサギ、ヤギ、羊及びマウス(但し、それらだけには限定されない)が、抗−AveR1又は抗−AveR2−特異的抗体を生成するために既知の方法に従って使用され得る。当業界において知られている種々のアジュバントが抗体生成を増強するために使用され得る。
【0147】
ポリクローナル抗体は、免疫化された動物から得られ、そして標準の技法を用いて、抗−AveR1又は抗−AveR2特異性について試験され得る。他方で、AveR1又はAveR2ポリペプチドに対するモノクローナル抗体は、培養における連続細胞系による抗体的の生成を提供するいづれかの技法を用いて調製され得る。
【0148】
それらは、Kohler and Milstein (Nature, 1975, 256: 495−497 )により最初に記載されるハイブリドーマ技法;ヒトβ−細胞ハイブリドーマ技法(Kosbor、など., 1983, Immunology Today 4: 72; Cote,など., 1983, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 80: 2026−2030);及びEBV−ハイブリドーマ技法(Cole、など., 1985, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R.Liss, Inc., pp.77−96 )を包含するが、但し、それらだけには限定されない。他方では、一本鎖抗体の生成のために記載される技法(例えば、アメリカ特許第4,946,778号を参照のこと)は、AveR1−又はAveR2−特異的一本鎖抗体を生成するために適合され得る。それらの出版物は、引用により本明細書中に組込まれる。
【0149】
AveR1又はAveR2ポリペプチドのための特異的結合部位を含む抗体フラグメントもまた、本発明内に包含され、そして既知の技法により生成され得る。そのようなフラグメントは、損なわれていない抗体分子のペプシン消化により生成され得るF(ab′)2 、及びF(ab′)2 フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって生成され得るFabフラグメントを包含するが、但し、それらだけには限定されない。他方では、Fab発現ライブラリーが、AveR1又はAveR2ポリペプチドに対する所望する特異性を有するFabフラグメントの急速な同定を可能にするために構成され得る(Huseなど., 1989, Science 246: 1275〜1281)。
【0150】
モノクローナル抗体及び抗体フラグメントの生成のための技法は、当業界において良く知られており、そしてさらに、中でも次の文献に記載されている:Harlow and Lane, 1988, Antibodies: A Laboratorg Manual , Cold Spring Harbor Laboratory ;及びJ.W.Goding, 1986, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Academic Press, London. 上記すべての出版物は、引用により本明細書中に組込まれる。
【0151】
アベルメクチンの使用
アベルメクチンは、駆虫剤、外部駆虫剤、殺昆虫剤及びダニ駆虫剤としての特別な利用性を有する高い活性の抗寄生虫剤であり、そして本発明の組成物及び方法を用いて調製されるアベルメクチンはそれらの目的のいづれかのために有用である。
本発明に従って調製されるアベルメクチンは、ヒトにおける種々の疾病又は病状を処理するために、特に、それらの疾病又は病状が当業界において知られているような、寄生体感染により引き起こされる場合に有用である。たとえば、Ikeda and Omura, 1997, Chem.Rev. 97 (7): 2591−2609を参照のこと。
【0152】
本発明に従って調製されるアベルメクチンは、内部寄生体により引き起こされる種々の病状、たとえば寄生線虫のグループにより最とも頻繁に引き起こされ、そしてヒトにおいて疾病を引き起こし、そしてブタ、羊、家禽類、馬及び牛において重度の経済的損失を引き起こし、そして家畜の健康に影響を及ぼす蠕虫病の処理において効果的である。
【0153】
従って、本発明に従って調製されたアベルメクチンは、ヒトに影響を及ぼす線虫、及び種々の動物種に影響を及ぼす線虫、たとえば犬におけるジロフィラリア(Dirofilaria )、ヒトに感染する種々の寄生体、たとえば胃腸寄生体、たとえばアンシロストマ(Ancylostoma )、ネカトル(Necator )、アスカリス(Ascaris )、ストロンギロイデス(Strongyloides )、トリンキネラ(Trinchinella)、カピラリア(Capillaria)、トリクリス(Trichuris )、エンテロビウス(Enterobius)、及び血液又は他の組織又は器官に見出される寄生体、たとえばフィラリア、及びストロンギロイデス及びトリンキネラの腸寄生状態に対して効果的である。
【0154】
本発明に従って調製されたアベルメクチンはまた、外部寄生体感染、たとえばマダニ、ダニ、シラミ、ノミ、ハエ、昆虫、又は牛及び馬に影響を及ぼす移動性双翅類幼虫により引き起こされる、哺乳類及び鳥類の節足動物侵入の処理においても有用である。
本発明に従って調製されたアベルメクチンはまた、日常の害虫、たとえばゴキブリ、蛾、甲虫類及びハエ、並びにクモ、ダニ、アリマキ、イモムシ、及び直翅類、たとえば中でも、バッタに対する殺昆虫剤としても有用である。
本発明のアベルメクチンにより処理され得る動物は、羊、牛、馬、シカ、ヤギ、ブタ、鳥、たとえば家禽、及び犬及びネコを包含する。
【0155】
本発明に従って調製されたアベルメクチンは、特定の意図された使用に適切な配合物に投入され、特定種の宿主動物及び関与する寄生体又は昆虫が処理される。駆虫剤としての使用のためには、本発明のアベルメクチンは、カプセル、ボーラス、錠剤又は液体飲薬の形で経口投与され得、又は他方では、注入物として、注射により、又は移植物として投与され得る。そのような配合物は、標準の獣医学的実施に従って、従来の態様で調製される。
【0156】
従って、カプセル、ボーラス又は錠剤は、活性成物を、適切な細かく分割された希釈剤又はキャリヤー、さらに、砕解剤及び/又は結合剤、たとえばスターチ、ラクトース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、等と共に混合することによって調製され得る。飲薬配合物は、分散又は湿潤剤、等と共に水溶液において活性成分を分散することによって調製され得る。注射用配合物は、血液と等張の溶液を製造するために、他の物質、たとえば十分な塩及び/又はグルコースを含むことができる無菌溶液の形で調製され得る。
【0157】
そのような配合物は、患者、又は処理されるべき宿主動物の種類、感染の重症度及び型、及び宿主の体重に依存して、活性化合物の重量に関して変化するであろう。一般的に、経口投与のためには、1〜5日間、一回の用量として又は分割された用量で与えられる、患者又は動物体重1kg当たり約0.001〜10mgの活性化合物の用量が満足のいくものであろう。しかしながら、より高いか又はより低い投与量範囲が、たとえば医者又は獣医により決定されるように、臨床学的徴候に基づいて示される場合が存在する。
【0158】
他の選択として、本発明に従って調製されたアベルメクチンは、動物飼料と組合して投与され得、そしてこの目的のためには、濃縮された飼料添加剤又はプレミックスが、通常の動物用飼料と共に混合するために調製され得る。
殺昆虫剤としての使用のためには、及び、農業用害虫を処理するためには、本発明の化合物は、標準の農業実施に従って、噴霧、微粉、エマルジョン、及び同様のものとして適用され得る。
次の例は単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0159】
【実施例】
実施例:aveR1及びaveR2遺伝子の単離
この例は、aveR1及びaveR2遺伝子生成物をコードし、そしてアベルメクチン生合成の調節に関与する2種の新規S.アベルミチリス遺伝子の単離及び特徴化を記載する。
【0160】
(1)DNA単離のためにS.アベルミチリスの増殖
S.アベルミチリスATCC 31272の単一コロニー(単一コロニー単離物#2)を、次のものを含む1/2強さのYPD−6培地上で単離した:Difco酵母抽出物−5g;Difco Bacto−ペプトン−5g;デキストロース−2,5g;MOPS−5g;Difco Bacto寒天−15g。最終体積をdH2 Oにより1lに調整し、pHを7.0に調節し、そして培地を121℃で25分間、オートクレーブ処理した。上記培地において増殖される菌糸体を用いて、28℃で48〜72時間、振盪しながら(3000rpm )、維持される25mm×150mmの管における10mlのTSB培地(121℃で25分間、オートクレーブ処理された、1lのdH2 O中、Difco Tryptic Soy Broth )を接種した。
【0161】
(2)S.アベルミチリスからの染色体DNA単離
上記の増殖された菌糸体のアリコート(0.25ml又は0.5ml)を、1.5mlの微小遠心分離管に配置し、そして細胞を、12,000×gでの60秒間の遠心分離により濃縮した。上清液を捨て、そして細胞を、2mg/mlのリゾチームを含む0.25mlのTSE緩衝液(1.5mMのスクロース20ml、1MのトリスHCl 2.5ml、pH8.0、1MのEDTA 2.5ml、pH8.0及びdH2 O 75ml)。サンプルを、37℃で20分間、振盪しながら、インキュベートし、AutoGen 540TM自動核酸単離装置(Integrated Separation Systems, Natick, MA )中に負荷し、そしてゲノムDNAを、製造業者の説明に従って、Cycle159(装備ソフトウェア)を用いて単離した。
【0162】
他方では、菌糸体5mlを、17mm×100mmの管に配置し、細胞を3,000rpm での5分間の遠心分離により濃縮し、そして上清液を除いた。細胞を1mlのTSE緩衝液に再懸濁し、3,000rpm での5分間の遠心分離により濃縮し、そして上清液を除いた。細胞を、2mg/mlのリゾチームを含む1mlのTSE緩衝液に再懸濁し、そして振盪しながら、37℃で30〜60分間インキュベートした。インキュベーションの後、10%のSDS 0.5mlを添加し、そして細胞を;溶解が完結するまで、37℃でインキュベートした。
【0163】
溶解物を65℃で10分間インキュベートし、室温に冷却し、2つの1.5mlのEppendorf管に分け、そして0.5mlのフェノール/クロロホルム(0.5Mのトリス(pH8.0)により前もって平衡化された50%フェノール;50%クロロホルム)により1度抽出した。水性相を除き、そして2〜5回、クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)により抽出した。
【0164】
DNAを、1/10体積の3Mの酢酸ナトリウム(pH4.8)を添加し、その混合物を氷上で10分間インキュベートし、前記混合物を15,000rpm で10分間5℃で遠心分離し、そして1体積のイソプロパノールが添加されている清浄した管に前記上清液を移すことによって沈殿せしめた。次に、前記混合物を氷上で20分間インキュベートし、15,000rpm で20分間、5℃で遠心分離し、上清液を除き、そしてDNAペレットを70%エタノールにより1度洗浄した。ペレットを乾燥した後、DNAをTE緩衝液(10mMのトリス、1mMのEDTA、pH8.0)に再懸濁した。
【0165】
(3)S.アベルミチリスからのプラスミドDNAの単離
菌糸体のアリコート(1.0ml)を、1.5mlの微小遠心分離管に配置し、そして細胞を、12,000×gでの60秒間の遠心分離により濃縮した。上清液を捨て、細胞を10.3%のスクロース1.0mlに再懸濁し、そして12,000×gでの60秒間の遠心分離により濃縮し、そして上清液を捨てた。次に、細胞を、2mg/mlのリゾチームを含む0.25mlのTSE緩衝液に再懸濁し、37℃で20分間、振盪しながらインキュベートし、そしてAutoGen 540TM自動核酸単離装置中に負荷した。プラスミドDNAを、製造業者の説明に従って、Cycle106(装備ソフトウェア)を用いて単離した。
【0166】
他方では、菌糸体1.5mlを、1.5mlの微小遠心分離管に配置し、そして細胞を12,000×gでの60秒間の遠心分離により濃縮した。上清液を捨て、細胞を10.3%のスクロース1.0mlに再懸濁し、そして12,000×gでの60秒間の遠心分離により濃縮した。細胞を、2mg/mlのリゾチームを含む0.5mlのTSE緩衝液に再懸濁し、そして37℃で15〜30分間インキュベートした。インキュベーションの後、0.25mlのアルカリ性SDS(0.3NのNaOH、2%のSDS)を添加し、そして細胞を55℃で15〜30分間、又は溶液が透明になるまで、インキュベートした。次に、酢酸ナトリウム(0.1ml、3M、pH4.8)を、DNA溶液に添加し、それを氷上で10分間インキュベートした。
【0167】
DNAサンプルを、14,000rpm で10分間5℃で遠心分離した。上清液を清浄した管に移し、そして0.2mlのフェノール:クロロホルム(50%フェノール:50%クロロホルム)を添加し、そして軽く混合した。DNA溶液を14,000rpm で10分間5℃で遠心分離し、そして上方の層を、清浄したEppendorf管に移した。イソプロパノール(0.75ml)を添加し、そしてその溶液を軽く混合し、そして次に、室温で20分間インキュベートした。DNA溶液を14,000rpm で15分間5℃で遠心分離し、上清液を除き、DNAペレットを70%エタノールにより洗浄し、乾燥せしめ、そしてDNAをTE緩衝液に再懸濁した。
【0168】
(4)E.コリからのプラスミドDNA単離
単一の形質転換されたE.コリコロニーを、100μg/mlのアンピシリンにより補充された5mlのLuria−Bertani (LB)培地(Bacto−トリプトン−10g;Bacto−酵母−5g;及び1lのdH2 O中、NaCl−10g、pH7.0、121℃で25分間オートクレーブ処理されている)中に接種した。その培養物を一晩インキュベートし、そして1mlのアリコートを1.5mlの微小遠心分離管に配置した。培養物サンプルを、AutoGen 540TM自動核酸単離装置中に負荷し、そしてプラスミドDNAを、製造業者の説明に従って、Cycle3(装備ソフトウェア)を用いて単離した。
【0169】
(5)S.アベルミチリスプロトプラストの調製及び形質転換
S.アベルミチリスの単一コロニーを、1/2強度のYPD−6上で単離した。菌糸体を用いて、25mm×150mmの管中の10mlのTSB培地を接種し、次に、28℃で48時間、振盪しながら(300rpm )インキュベートした。1mlの菌糸体を用いて、50mlのYEME培地を接種した。YEME培地は1l当たり次の成分を含む:Difco酵母抽出物−3g;Difco Bacto−ペプトン−5g;Difco麦芽抽出物−3g;及びスクロース−300g。121℃で25分間オートクレーブ処理した後、次のものを添加した:2.5MのMgCl2 ・6H2 O(121℃で25分間、別々にオートクレーブ処理された)−2ml;及びグリシン(20%)(フィルター殺菌された)−25ml。
【0170】
菌糸体を30℃で48〜72時間、増殖せしめ、そして50mlの遠心分離管(Falcon)においての3,000rpmでの20分間の遠心分離により収穫した。上清液を捨て、そして菌糸体を、次のものを含むP緩衝液に再懸濁した:スクロース−205g;K2 SO4 −0.25g;MgCl2 ・6H2 O−2.02g;H2 O−600ml;K2 PO4 (0.5%)−10ml;微量元素溶液* −20ml;CaCl2 ・2H2 O(3.68%)−100ml;MES緩衝液(1.0M、pH6.5)−10ml。(* 微量元素溶液は1l当たり次の成分を含む:ZnCl2 −40mg;FeCl3 ・6H2 O−200mg;CuCl2 ・2H2 O−10mg;MnCl2 ・4H2 O−10mg;Na2 B4 O7 ・10H2 O−10mg;(NH4 )6 Mo7 O24・4H2 O−10mg)。pHを6.5に調整し、最終体積を1lに調整し、そして培地を0.45ミクロンのフィルターを通して濾過した。
【0171】
菌糸体を3,000rpm で20分間の遠心分離によりペレット化し、上清液を捨て、そして菌糸体を、2mg/mlのリゾチームを含む20mlのP緩衝液に再懸濁した。菌糸体を35℃で15分間、振盪しながらインキュベートし、そして顕微鏡で調べ、プロトプラスト形成の程度を決定した。プロトプラスト形成が完結した場合、そのプロトプラストを8,000rpm で10分間、遠心分離した。上清液を除き、そしてプロトプラストを10mlのP緩衝液に再懸濁した。プロトプラストを8,000rpm で10分間、遠心分離し、上清液を除き、プロトプラストを2mlのP緩衝液に再懸濁し、そして約1×109 個のプロトプラストを、2.0mlの極低温バイアル(Nalgene)に分配した。
【0172】
1×109 個のプロトプラストを含むバイアルを、8,000rpm で10分間、遠心分離、上清液を除き、そしてプロトプラストを0.1mlのP緩衝液に再懸濁した。2〜5μgの形質転換DNAを、プロトプラストに添加し、続いてすぐに、0.5mlの作用T緩衝液を添加した。T緩衝液基材は次のものを含む:PEG1000(Sigma)−25g;スクロース−2.5g;及びH2 O−83ml。pHを1NのNaOH(フィルター殺菌された)により8.8に調整し、そしてT緩衝液基材をフィルター殺菌し、そして4℃で貯蔵した。使用される同じ日に製造された作用T緩衝液は、次のものを含む:T緩衝液基材−8.3ml;K2 PO4 (4mM)−1.0ml;CaCl2 ・2H2 O(5M)−0.2ml;及びTES(1M,pH8)−0.5ml。作用T緩衝液中の個々の成分をフィルター殺菌し、そして4℃で貯蔵した。
【0173】
プロトプラストへのT緩衝液の添加の20秒以内に、1.0mlのP緩衝液をまた添加し、そしてプロトプラストを8,000rpm で10分間、遠心分離した。上清液を捨て、そしてプロトプラストを0.1mlのP緩衝液に再懸濁した。次に、プロトプラストを、次の成分を含むRM14培地上にプレートした:スクロース−205g;K2 SO4 −0.25g;MgCl2 ・6H2 O−10.12g;グルコース−10g;Difcoカサミノ酸−0.1g;Difco酵母抽出物−5g;Difcoオートミール寒天−3g;Difco麦芽寒天−22g;及びH2 O−800ml。
【0174】
その溶液を121℃で25分間オートクレーブ処理した。オートクレーブの後、次のものの無菌ストックを添加した:K2 PO4 (0.5%)−10ml;CaCl2 ・2H2 O(5M)−5ml;L−プロリン(20%)−15ml;MES緩衝液(1.0M、pH6.5)−10ml;微量元素溶液(上記と同じ)−2ml;シクロヘキシミドストック(25mg/ml)−40ml;及び1NのNaOH−2ml。25mlのRM14培地をプレート当たり等分し、そしてプレートを、使用の前、24時間、乾燥せしめた。
【0175】
プロトプラストを、30℃で20〜24時間、95%湿度下でインキュベートした。エリトロマイシン耐性形質転換体を選択するために、1mlのオーバーレイ緩衝液及び125μgのエリトロマイシン(5μg/mlの最終濃度のエリトロマイシンにされている)を、RM14再生プレート上に均等に広げた。オーバーレイ緩衝液は100ml当たり次の成分を含む:スクロース−10.3g;微量元素溶液(上記と同じ)−0.2ml;及びMES(1M、pH6.5)−1ml。プロトプラストを、エリトロマイシン耐性(Ermr )コロニーが見られるまで、30℃で7〜14日間、95%湿度下でインキュベートした。
【0176】
(6)S.アベルミチリス株の発酵分析
1/2強度YPD−6上で4〜7日間、増殖されたS.アベルミチリス菌糸体を、8mlの予備培地及び2種の5mmのガラスビーズを含む1×6インチの管中に接種した。予備培地は次のものを含む:可溶性スターチ(薄煮沸スターチ又はKOSO、Japan Corn Starch Co., Nagoya )−20g/l;Pharmamedia (Trader’s Protein, Memphis TN)−15g/l;Ardomine pH (Champlain, Inc. Clifton, NJ )−5g/l;CaCO3 −2g/l;2×bcfa(“bcfa”は、枝分れ鎖の脂肪酸を言及する)(培地に次の最終濃度の成分を含む:50ppm の2−(±)−メチル酪酸、60ppm のイソ酪酸、及び20ppm のイソ吉草酸)。pHを7.2に調整し、そして培地を121℃で25分間オートクレーブ処理した。
【0177】
管を17度の角度で、215rpm で3日間、29℃で振盪した。種子培養物の2mlアリコートを用いて、次の成分を含む25mlの生成培地を含む300mlの三角フラスコを接種した:スターチ(薄煮沸スターチ又はKOSOのいづれか)−160g/l;Nutrisoy(Archer Daniels Midland, Decatur, IL )−10g/l;Ardamine pH −10g/l;K2 HPO4 −2g/l;MgSO4 ・4H2 O−2g/l;FeSO4 ・7H2 O−0.02g/l;MgCl2 −0.002g/l;ZnSO4 ・7H2 O−0.002g/l;CaCO3 −14g/l;及び2×bcfa(上記のような)。pHを6.9に調整し、そして培地を121℃で25分間オートクレーブ処理した。
【0178】
接種の後、フラスコを29℃で12日間、200rpm で振盪しながらインキュベートした。インキュベーションの後、2mlのサンプルをフラスコから採取し、8mlのメタノールにより希釈し、混合し、そしてその混合物を1250×gで10分間、遠心分離し、残骸をペレット化した。次に、上清液を、0.75ml/分の流速及び240nmでの吸光度測定による検出を伴って、Beckman Ultrasphere ODS カラム(25cm×4.6mmID)を用いての高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によりアッセイした。移動相は、メタノール/水/アセトニトリル(86/8.9/5.1)であった。
【0179】
(7)S.アベルミチリスPKS遺伝子の同定及び単離
S.アベルミチリス(ATCC 31272)染色体DNAのコスミドライブラリーを調製し、そしてサッカロポリスポラ エリスラエア(Saccharopolyspora erythraea )ポリケチドシンターゼ(PKS)遺伝子のフラグメントから製造されたケトシンターゼ(KS)プローブによりハイブリダイズせしめた。コスミドライブラリーの調製についての詳細な説明は、Sambrookなど., 1989 、前記に見出され得る。ストレプトミセス染色体DNAライブラリーの調製についての詳細な説明は、Hopwood など., 1985 、前記に存在する。
【0180】
ケトシンターゼ−ハイブリダイジング領域を含むコスミドクローンを、pEX26(Dr. P.Leadley, Cambridge, UKから供給された)からの2.7kbのNdeI/Eco47III フラグメントへのハイブリダイゼーションにより同定した。約5μgのpEX26を、制限エンドヌクレアーゼNdeI及びEco47III を用いて消化した。反応混合物を、0.8% SeaPlaqueTM GTGアガロースゲル(FMC BioProducts, Rockland, ME )上に負荷した。2.7kbのNdeI/Eco47III フラグメントを、電気泳動の後、ゲルから切除し、DNAを、Fast Protcolと共にGELaseTM(Epicentre Technologios)を用いてのゲルから回収した。
【0181】
2.7kbのNdeI/Eco47III フラグメントを、供給者の説明書に従って、BRL Nick Translation System (BRL Life Technologies, Ins., Gaithersburg, MD )を用いて、〔α−32P〕dCTP(デオキシシチジン5′−三リン酸、四(トリエチルアンモニウム)塩、〔α32−P〕−)(NEN−Dupont, Boston, MA)によりラベルした。5μlの停止緩衝液の添加の後、ラベルされたDNAを、供給者の説明書に従って、G−25 Sephadex Quick SpinTMカラム(Boehringer Mannheim )を用いて、組込まれていないヌクレオチドから分離した。
【0182】
約1800のコスミドクローンを、コロニーハイブリダイゼーションによりスクリーンした。S.エリスラエアKSプローブに対して強くハイブリダイズした10個のクローンを同定した。コスミドDNAを含むE.コリコロニーを、LB溶液培地において増殖せしめ、そしてコスミドDNAを、製造業者の説明書に従って、Cycle3(装備ソフトウェア)を用いて、AutoGen 540TM自動核酸単離装置において個々の培養物から単離した。制限エンドヌクレアーゼマッピング及びサザンブロットハイブリダイゼーション分析は、5つのクローンがオーバーラップする染色体領域を含むことを示した。5種のコスミド(すなわち、pSE65,pSE66,pSE67,pSE68,pSE69)のS.アベルミチリスゲノムBamHI制限地図を、オーバーラップするコスミド及びハイブリダイゼーションの分析により構成した(図7)。
【0183】
(8)調節遺伝子ORFの同定
次の方法を用いて、pSE68クローンに由来するフラグメントをサブクローン化した。pSE68(5μg)を、XbaI及びEcoRIにより消化した。その反応混合物を0.8% SeaPlaqueTM GTGアガロースゲル(FMC BioProducts )上に負荷し、約19kbのXbaI/EcoRIフラグメントを、電気泳動の後、ゲルから切除し、そして:DNAをFast Protocol と共にGELaseTM(Epicentre Technologies)を用いてゲルから回収した。約5μgのpGEM7Zf(+)(Promega)をXbaI及びEcoRIにより消化した。
【0184】
約0.5μgの19kbのEcoRI/XbaIフラグメント及び0.5μgの消化されたpGEM7Zf(+)を一緒に混合し、そして1単位のリガーゼ(New England Biolabs, Inc., Beverly, MA)と共に、15℃で、20μlの合計体積において一晩インキュベートした(供給者の説明書に従って)。インキュベーションの後、5mlの連結混合物を70℃で10分間インキュベートし、室温に冷却し、そしてコンピテントE.コリDH5α細胞(BRL)を製造業者の説明書に従って形質転換するために使用した。プラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離し、そして約19kbのXbaI/EcoRI挿入体の存在を制限分析により確かめた。このプラスミドをpSE200として命名した。
【0185】
pSE200をさらに、Erase−a−Base System (Promega)を用いて、製造業者の説明書に従って、エキソヌクレアーゼIII 消化により修飾した。5μgのpSE200をCleIにより消化した。ClaIは、製造業者の説明書に従ってα−ホスホロチオエートデオキシリボヌクレオチドによりフィルインされることによって、エキソヌクレアーゼ消化から保護された5′突出物を生成する。次に、pSE200をEcoRIにより消化し、そしてアリコートを30秒〜12分の範囲の種々の時間、S1ヌクレアーゼにより消化した。
【0186】
pSE200のS1ヌクレアーゼ−処理サンプルを一晩、連結し、そして製造業者の説明書に従って、E.コリHB101(BRL)コンピテント細胞を形質転換した。プラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離し、そして挿入体DNAのサイズを制限酵素分析により決定した。約5.9kbの挿入体を含む1つの単離物を同定し、これをpSE201(図3)と命名し、そしてATCC(受託番号203182)に寄託した。約8.8kbの挿入体を含む第2単離物を同定し、そしてこれをpSE210(図4)と命名した。
【0187】
約10μgのpSE201を、プラスミドDNA単離キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、製造業者の説明書に従って単離した。このDNAを、ABI373A自動DNA配列決定機(Perkin Elmer, Foster City, CA )を用いて配列決定した。配列データを集め、そしてGenetic Computer Groupプログラム(GCG, Madison, WI)を用いて編集した。調節遺伝子aveR1及びaveR2のORFのDNA配列を、配列番号1及び配列番号3の両者において同等に表わす。aveR1のORFは、配列番号1のnt1112〜nt2317からである。aveR2のORFは、配列番号1のnt2314〜nt3021からである。
【0188】
S.アベルミチリスのaveR1のORFから推定されるアミノ酸配列の比較は、S.コエリカラーの推定されるabsA1遺伝子生成物に対して32%の同一性を示す(図1)(Brian など., 1996, J.Bacteridogy 178: 3221−3231 )。S.アベルミチリスのaveR2のORFから推定されるアミノ酸の比較は、S.コエリカラーの推定されるabsA2遺伝子生成物に対して45%の同一性を示す(図2)。
【0189】
(9)遺伝子置換ベクターの構成及び使用
ストレプトミセス遺伝子中への突然変異の導入のための技術の一般的な説明は、Kieser and Hopwood, 1991, Meth.Enzym. 204: 430−458により提供される。より詳細な説明は、Anzai など. 1998, J.Antibiot. XL1 (2): 226−233; Stutzman−Engwallなど., 1992, J.Bacteriol. 174 (1): 144−145; 及びOhand Chater, 1997, J.Bact. 179: 122−127により提供される。それらの出版物は、引用により本明細書に組込まれる。
【0190】
(9−1)aveR1及びaveR2遺伝子の不活性化
aveR1及びaveR2遺伝子の両者を、pSE210における988bpのBglII/StuIフラグメント(図4)を、サッカロポリスポラ エリスラエアからのエリトロマイシン耐性遺伝子により次の通りに置換することによって不活性化した。約5μgのpSE210をBglII及びStuIにより消化し、約10.8kbのフラグメントを開放した。BglII末端を、1×クレノウ緩衝液及び1Uのクレノウ酵素(Boehringer Mannheim )において、前記DNAを100μMの最終濃度のdNTPと共に37℃で30分間インキュベートすることによってフィルインした。
【0191】
約10.8kbのフラグメントを、アガロースゲルから精製し、そして1×アルカリホスファターゼ緩衝液及び1Uのアルカリホスファターゼにおいて50℃で1時間インキュベートし、末端を脱リン酸化した。インキュベーションの後、脱リン酸化されたフラグメントを、セクション6.3に記載のようにして、フェノール/クロロホルム抽出により精製し、そしてTE緩衝液に再懸した。ermE遺伝子を、BglIIによる消化により、pIJ4026(John Imnes Institute, Norwich, U.K. により提供される;また、Bibbなど., 1985, Gene 41: 357−368 も参照のこと)から単離し、そしてBglII末端を、1×クレノウ緩衝液及び1Uのクレノウ酵素において、ermEフラグメントを、100μMの最終濃度のdNTPと共に37℃で30分間インキュベートすることによってフィルインした。
【0192】
約1.7kbのermEフラグメントをアガロースゲルから精製し、そしてその0.5μgを、0.5μgの約10.8kbのフラグメントと共に混合し、そして連結した。その連結混合物を用いて、コンピテントE.コリHB101細胞(BRL)を、製造業者の説明書に従って形質転換した。プラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離し、そしてermE挿入体の存在を制限分析により確かめた。pSE214(図5)として命名されたこのプラスミドを用いて、E.コリDM1(BRL)を形質転換し、そしてプラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離した。988bpのBglII/StuIフラグメントの代わりにermE遺伝子の挿入は、aveR1遺伝子から752bp及びaveR2遺伝子から232bpを除去する。
【0193】
S.アベルミチリスにおいて自主的に複製しないであろうpSE214を、次の通りに、組込み遺伝子置換のための遺伝子置換ベクターとして使用した。8μlのpSE214 DNA(1μg)を、2μlの1MのNaOHを添加し、37℃で10分間インキュベートし、次に、氷上で急速に冷却し、続いて、1MのHCl 2μlを添加することによって、Oh and Chater, 1997 、前記の方法に従って変性した。S.アベルミチリスのプロトプラストを、その変性されたpSE214により形質転換した。形質転換体を、宿主細胞染色体中へのプラスミドの組込み遺伝子組換えを誘発するために、エリトロマイシン遺伝子の発現を必要とする選択条件下で再生した。
【0194】
前記プラスミドは自主的に複製しないので、エリトロマイシン−耐性−形質転換体は、erm遺伝子を端に有する2つのDNAセグメントの1つと、完全なpSE214ベクターの組込みをもたらすであろう、染色体におけるその相同相対物との間での単一の相同組換え、又は突然変異を端に有する第2DNAセグメントと、染色体中へのプラスミドからのaveR1/aveR2(不活性化された)配列の交換及び染色体からの野生型対立遺伝子及びベクター配列の同時損失をもたらすであろう、染色体におけるその相同相対物との間で、第2の組換え現象が生じる、二重クロス−オーバーのいづれかにより、染色体中に組込まれたプラスミド配列を有するべきである。
【0195】
エリトロマイシン−耐性形質転換体を単離し、そしてベクター主鎖の存在についてPCRによりスクリーンした。すべての形質転換体は、ベクター主鎖をミッシングしており、このことは、二重クロス−オーバー現象が起こり、そして染色体aveR1/aveR2配列がaveR1/aveR2欠失配列により置換されたことを示唆する。エリトロマイシン−耐性形質転換体を、発酵生成物のHPLC分析により分析した。aveR1/aveR2欠失を含むS.アベルミチリス株は、対照株よりも平均3.4倍、アベルメクチンを生成した(表1)。
【0196】
(9−2)aveR2遺伝子の不活性化
aveR2遺伝子を、pSE210(図4)におけるBglII部位中にermE遺伝子を挿入し、そしてS.アベルミチリスにおいて遺伝子置換ベクターとしてその得られるプラスミドを用いることによって不活性化した。約5μgのpSE210を、BglIIにより消化した。線状化されたpSE210を、1×アルカリホスファターゼ緩衝液及び1Uのアルカリホスファターゼにおいて50℃で1時間インキュベートし、末端を脱リン酸化した。
【0197】
ermE遺伝子を、BglIIによる消化によりpIJ4026から単離し、続いて電気泳動し、そして約1.7kbのermE遺伝子をゲルから精製した。約0.5μgの線状化されたpSE210及び0.5μgのermEフラグメントを一緒に混合し、そして連結した。その連結混合物を用いて、コンピテントE.コリHB101細胞(BRL)を、製造業者の説明書に従って形質転換した。プラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離し、そしてermE挿入体の存在を制限分析により確かめた。pSE216(図6)として命名されたこのプラスミドを用いて、E.コリDM1(BRL)を形質転換し、そしてプラスミドDNAをアンピシリン耐性形質転換体から単離した。
【0198】
S.アベルミチリスにおいて自主的に複製しないであろうpSE216を、次の通りに、組込み遺伝子置換のための遺伝子置換ベクターとして使用した。8μlのpSE216 DNA(1μg)を、2μlの1MのNaOHを添加し、37℃で10分間インキュベートし、次に、氷上で急速に冷却し、続いて、1MのHCl 2μlを添加することによって、Oh and Chater, 1997 、前記の方法に従って変性した。次にS.アベルミチリスのプロトプラストを、その変性されたpSE216により形質転換した。
【0199】
形質転換体を、宿主細胞染色体中へのプラスミドの組込み遺伝子組換えを誘発するために、エリトロマイシン遺伝子の発現を必要とする選択条件下で再生した。前記プラスミドは自主的に複製しないので、エリトロマイシン−耐性−形質転換体は、erm遺伝子を端に有する2つのDNAセグメントの1つと、完全なpSE216ベクターの組込みをもたらすであろう、染色体におけるその相同相対物との間での単一の相同組換え、又は突然変異を端に有する第2DNAセグメントと、染色体中へのプラスミドからのaveR2(不活性化された)配列の交換及び染色体からの野生型対立遺伝子及びベクター配列の同時損失をもたらすであろう、染色体におけるその相同相対物との間で、第2の組換え現象が生じる、二重クロス−オーバーのいづれかにより、染色体中に組込まれたプラスミド配列を有するべきである。
【0200】
エリトロマイシン−耐性形質転換体を単離し、そしてベクター主鎖の存在についてPCRによりスクリーンした。すべての形質転換体は、ベクター主鎖をミッシングしており、このことは、二重クロス−オーバー現象が起こり、そして染色体aveR2配列がaveR2欠失配列により置換されたことを示唆する。エリトロマイシン−耐性形質転換体を、発酵生成物のHPLC分析により分析した。aveR2欠失を含むS.アベルミチリス株は、対照株よりも平均3.1倍、アベルメクチンを生成した(表1)。
【0201】
【表1】
【0202】
生物学的材料の寄託物
次の生物学的材料は、1998年9月9日、American Type Culture Collection (ATCC), 12301 Parklawn Drive, Rockville, MD. 20852, USAに寄託され、そして次の受託番号が割り当てられた。
【0203】
引用される、すべての特許、特許出願、及び出版物は、引用により本明細書中に組込まれる。本発明は、本明細書に記載される特定の態様により限定されるものではなく、前記態様は、発明の個々の観点の単なる例示であって、そして機能的に同等の方法及び成分は、本発明の範囲内である。実際、本発明の種々の修飾は、前述の記載及び添付図面から当業者に明らかになるであろう。そのような修飾は、本発明の範囲内である。
【0204】
【配列表】
【0205】
【0206】
【0207】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、absA1及びaveR1遺伝子によりコードされる推定上のアミノ酸配列の比較(A)を示す。
【図2】図2は、abA2及びaveR2遺伝子によりコードされる推定上のアミノ酸の比較(B)を示す。
【図3】図3は、aveR1及びaveR2のORFを含むプラスミドベクターpSE201(A)を示す。
【図4】図4は、aveR1及びaveR2のORFを含むプラスミドベクターpSE210(B)を示す。
【図5】図5は、ermE遺伝子を含む遺伝子置換ベクターpSE214(A)を示す。
【図6】図6は、ermE遺伝子を含む遺伝子置換ベクターpSE216(B)を示す。
【図7】図7は、5種のコスミドクローンと共に、アベルメクチンポリケチドシンターゼ遺伝子クラスターの制限地図を示す。
Claims (40)
- 配列番号2のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号1のnt1112〜nt2317のヌクレオチド配列を含んで成る請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド分子( aveR1 遺伝子)。
- 配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る請求項2記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号1のnt1112〜nt2317のヌクレオチド配列に対して 80%より高い配列同一性を有し、上記ヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチドの相補体に高緊縮条件下でハイブリダイズし、そしてストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)においてアベルメクチンの生産を制御する遺伝子産物をコードする、単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号4のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号3のnt2314〜nt3021のヌクレオチド配列を含んで成る請求項5記載の単離されたポリヌクレオチド分子( aveR2 遺伝子)。
- 配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成る請求項6記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号3のnt2314〜nt3021のヌクレオチド配列に対して 80%より高い配列同一性を有し、上記ヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチドの相補体に高緊縮条件下でハイブリダイズし、そしてストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)においてアベルメクチンの生産を制御する遺伝子産物をコードする、単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号2のアミノ酸配列および配列番号4のアミノ酸配列の両方をコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号1のnt1112〜nt2317および配列番号3のnt2314〜nt3021を含んで成る、請求項9に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号1のnt1112〜nt3021のヌクレオチド配列を含んでなる、請求項10に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
- 請求項1のヌクレオチド配列を含んで成る、請求項11に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号1のnt1112〜nt3021のヌクレオチド配列に対して 80%より高い配列同一性を有し、上記ヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチドの相補体に高緊縮条件下でハイブリダイズし、そしてストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)においてアベルメクチンの生産を制御する1又は複数の遺伝子産物をコードする、単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号1のnt1〜nt1111およびnt3022〜5045のヌクレオチド配列から選択された 200ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含んで成る、単離されたポリヌクレオチド分子。
- 配列番号2もしくは配列番号4のアミノ酸配列をコードするかまたは配列番号2のアミノ酸配列と配列番号4のアミノ酸配列との両方をコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子であって、1または複数の制御因子に作用可能に関連しているもの、を含んで成る組換えベクター。
- 選択マーカーまたはレポーター遺伝子産物を更に含んで成る、請求項15に記載の組換えべクター。
- 配列番号2のアミノ酸配列が配列番号1のnt1112〜nt2317のヌクレオチド配列によりコードされており、そして配列番号4のアミノ酸配列が配列番号3のnt2314〜nt3021のヌクレオチド配列によりコードされている、請求項15に記載の組換えベクター。
- 請求項15の組換えベクターを含んで成る形質転換された宿主細胞。
- ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の細胞により生産されるアベルメクチンの量を増加せしめる方法において、
(a)ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の菌株の細胞を得;
(b)前記工程(a)の細胞に、配列番号1のnt1112〜nt2317のヌクレオチド配列の相補体に対して高緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を導入し;
(c)工程(a)の細胞に比べて検出可能に増加した量のアベルメクチンを生産する、工程(b)からのストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の細胞を選択する;
ことを含んで成り、ここで、前記ポリヌクレオチド分子の導入が内因性aveR1遺伝子の変異をもたらす、
ことを特徴とする方法。 - 前記ヌクレオチド配列が、配列番号1のnt1112〜nt2317のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%同一であり、そして配列番号1のnt1112〜nt2317のヌクレオチド配列の相補体に高緊縮条件下でハイブリダイズする、請求項19に記載の方法。
- 前記ヌクレオチド配列が、配列番号1のnt1112〜nt2317のヌクレオチド配列の少なくとも 20%を含んで成り、そして配列番号1のnt1112〜nt2317のヌクレオチド配列の相補体に高緊縮条件下でハイブリダイズする、請求項19に記載の方法。
- ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の細胞により生産されるアベルメクチンの量を増加せしめる方法において、
(a)ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の菌株の細胞を得;
(b)前記工程(a)の細胞に、配列番号3のnt2314〜nt3021のヌクレオチド配列の相補体に対して高緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を導入し;
(c)工程(a)の細胞に比べて検出可能に増加した量のアベルメクチンを生産する、工程(b)からのストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の細胞を選択する;
ことを含んで成り、ここで前記ポリヌクレオチド分子の導入が、内因性aveR2遺伝子の変異をもたらす、
ことを特徴とする方法。 - 前記ヌクレオチド配列が、配列番号3のnt2314〜nt3021のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%同一であり、そして配列番号3のnt2314〜nt3021のヌクレオチド配列の相補体に高緊縮条件下でハイブリダイズする、請求項22に記載の方法。
- 前記ヌクレオチド配列が、配列番号3のnt2314〜nt3021のヌクレオチド配列の少なくとも 25%を含んで成り、そして配列番号3のnt2314〜nt3021のヌクレオチド配列の相補体に高緊縮条件下でハイブリダイズする、請求項22に記載の方法。
- ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の細胞により生産されるアベルメクチンの量を増加せしめる方法において、
(a)ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の菌株の細胞を得;
(b)前記工程(a)の細胞に、配列番号1のnt1112〜nt3021のヌクレオチド配列の相補体に対して高緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を導入し;
(c)工程(a)の細胞に比べて検出可能に増加した量のアベルメクチンを生産する、工程(b)からのストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の細胞を選択する;
ことを含んで成り、ここで、前記ポリヌクレオチド分子の導入が、内因性aveR1および/またはaveR2遺伝子の変異をもたらす、
ことを特徴とする方法。 - 前記ヌクレオチド配列が、配列番号1のnt1112〜nt3021のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%同一であり、そして配列番号1のnt1112〜nt3021のヌクレオチド配列の相補体に高緊縮条件下でハイブリダイズする、請求項25に記載の方法。
- 前記ヌクレオチド配列が、配列番号1のnt1112〜nt3021のヌクレオチド配列の少なくとも 10%を含んで成り、そして配列番号1のnt1112〜nt3021のヌクレオチド配列の相補体に高緊縮条件下でハイブリダイズする、請求項25に記載の方法。
- ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の細胞により生産されるアベルメクチンの量を増加せしめる方法において、
(a)ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の菌株の細胞を得;
(b)前記工程(a)の細胞に、配列番号1のヌクレオチド配列の相補体に対して高緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド分子を導入し;
(c)工程(a)の細胞に比べて検出可能に増加した量のアベルメクチンを生産する、工程(b)からのストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の細胞を選択する;
ことを含んで成り、ここで、前記ポリヌクレオチド分子の導入が、内因性aveR1および/またはaveR2遺伝子の変異をもたらす、
ことを特徴とする方法。 - 前記ヌクレオチド配列が、配列番号1のヌクレオチド配列の少なくとも 10%を含んで成り、そして配列番号1のヌクレオチド配列の相補体に高緊縮条件下でハイブリダイズする、請求項28に記載の方法。
- 前記の変異がヌクレオチド置換である、請求項19〜29のいずれか1項に記載の方法。
- 前記の変異がヌクレオチドの欠失、または異なるもしくは異種性のヌクレオチド配列の挿入である、請求項19〜29のいずれか1項に記載の方法。
- 前記の変異が、aveR1および/またはaveR2遺伝子のコード配列のフレームシフトをもたらす欠失または挿入である、請求項19〜29のいずれか1項に記載の方法。
- 前記の変異が、aveR1および/またはaveR2遺伝子のコード配列内への終止コドンの挿入、あるいはaveR1および/またはaveR2遺伝子の終止コドンをもたらす置換である、請求項19〜29のいずれか1項に記載の方法。
- 遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めることができる、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の突然変異を同定するための方法であって、(a)ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を測定し;(b)段階(a)のストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の種又は株の細胞の、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子中に、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者中に突然変異を導入し;そして(c)遺伝子突然変異を担持しない段階(a)の細胞により生成されるアベルメクチンの量に、段階(b)において生成されるような遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量を比較することを含んで成り;段階(b)において生成されるような遺伝子突然変異を担持する細胞により生成されるアベルメクチンの量が遺伝子突然変異を担持しない段階(a)の細胞により生成されるアベルメクチンの量よりも検出できるほど高い場合、生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めることができる、aveR1もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の突然変異が同定されることを特徴とする方法。
- ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の株の修飾されていない細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成する、ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の株の遺伝子的に修飾された細胞の調製方法であって、ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の株の細胞におけるaveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者を突然変異誘発し、そして遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の株の細胞に比較して、検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成する突然変異誘発された細胞を選択することを含んで成る方法。
- 前記突然変異が、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子の一部を欠失することによって、又はaveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子の一部を、異なったもしくは異種ヌクレオチド配列により置換することによって実施される請求項35記載の方法。
- 前記突然変異が、aveR1及びaveR2遺伝子の両者の一部を欠失することによって、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者の一部を、異なった又は異種ヌクレオチド配列により置換することによって実施される請求項36記載の方法。
- 前記突然変異が、aveR1遺伝子又はaveR2遺伝子中に、異なった又は異種ヌクレオチド配列を挿入することによって実施される請求項36記載の方法。
- ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の株であって、その細胞が、遺伝子突然変異を担持しないストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の種又は株の細胞に比較して、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者への1又は複数の突然変異の結果として検出できるほど高められた量のアベルメクチンを生成することを特徴とする株。
- ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の培養により生成される高められた量のアベルメクチンを生成するための方法であって、遺伝子突然変異を担持しない種又は株の細胞に比較して、遺伝子突然変異を担持するストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の株の細胞により生成されるアベルメクチンの量を検出できるほど高めるよう作用する、aveR1遺伝子もしくはaveR2遺伝子、又はaveR1及びaveR2遺伝子の両者における突然変異を含んで成る、ストレプトミセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)の株の細胞を、それからアベルメクチンの生成を可能にし又は誘発する条件下で、培養培地において培養し、そしてその培養物からアベルメクチンを回収することを含んで成る方法。
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