JP3595641B2 - インクジェット記録ヘッドの製造方法及びインクジェット記録ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に装着し、記録液の小滴を記録媒体に向けて吐出するインクジェット記録ヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
計算機、ワードプロセッサ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンター等、各種機器において、用紙等の記録媒体に記録を行う手段として、騒音を発生することがなく、高速の記録が可能で、しかもカラー画像の記録も容易なことから、インクジェット記録ヘッドを装着したインクジェット記録装置が広く利用されつつある。
【0003】
従来、インクジェット記録ヘッドの製造方法として、例えば特開昭62−253457号公報には、基体上に液路となる固体層を形成し、しかる後、活性エネルギー線硬化性材料層及び第2の基体を積層し、その後、液室予定部位以外の領域に活性エネルギー線を照射した後、前記液室予定部位の未硬化の活性エネルギー線硬化性材料層を除去して液室を形成し、その後、液室部位に形成された固体層を除去する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、以上のような従来の製造方法によれば、下記のような問題点があった。すなわち、
1.液路の壁を構成する材料は、液室部におけるパターニングが必要なため、活性エネルギー線硬化材料に限定され、上記材料を選定する上で大きな制約があった。
【0005】
2.インクジェット記録ヘッドのインク滴の吐出性能上、共通液室の高さを大きく形成したい場合、前記活性エネルギー線硬化材料層が厚くなるため、液室部をパターニングする際のパターニング精度が低下することによる歩留まりの低下や、十分な露光量を確保するために高価な露光装置を長時間占有してしまうことになるため、コストアップの要因となっていた。
【0006】
そこで、これらの問題点に鑑みて、以下に記載される製造方法が提案されている。
【0007】
図5,6は、このようなインクジェット記録ヘッドの製造方法を説明するための説明用斜視図である。図5には、基体1の上に複数本のヘッドを形成し、右部に示すように分離することで、このヘッドを得る方法が示されており、図6は、図5のA−A断面部分における各工程を説明する工程説明図である。
【0008】
図6(1)
まず、吐出圧発生素子14が設けられた基体1上の液路形成予定部位及び液室形成予定部位に、液路及び液室の一部を形成するための第1の固体層2が、パターニング等により選択的に形成される。
【0009】
図6(2)
ついで、液室の容積を十分確保すべく、第1の固体層2上の少なくとも液室予定部位に、印刷方等の方法により第2の固体層3が形成される。
【0010】
図6(3)
ついで、後にインク供給口となる穴4を有する第2の基体5が、前記第2の固体層3上に載置される。このとき、第2の基体に設けられている穴4は、第2の固体層3によって塞がれる。
【0011】
図6(4)
前記第2の固体層3上に第2の基体5を載置する際に、第1の基体1及び第2の基体5に反りやうねりがあったり、第2の固体層3の平坦性や平面内の厚さが不均一であると、第2の固体層3と第2の基体5との接触部位にわずかに隙間6が発生し、後の工程の液路や液室の壁となる硬化性樹脂8を注入する工程で、毛管現象により隙間6に硬化性樹脂8が侵入することになる。
【0012】
このように硬化性樹脂8が隙間6に侵入した場合、隙間6に侵入した硬化性樹脂8は極めて薄いため、硬化した後に、第1の固体層2及び第2の固体層3を除去する際の除去液、あるいはインクにより膨潤した際に、第2の基体5より剥離し、ノズルを詰まらせるごみとなったり、剥離しない場合でも、インク供給口4の周囲にバリ状に残ってしまうと、インクのリフィル特性を大幅に低下させるといった問題点があった。また、さらに甚だしい場合、前記の硬化性樹脂8が第2の固体層3の上面にはみ出して、後に、この第2の固体層3を除去する際に妨げとなる虞れもあった。
【0013】
そこで、これらの現象を防止するため、前記液路の壁となる硬化性樹脂8を注入するに、前記第2の基体5と前記第2の固体層3との間隙6とを、流動性のある物質7で予め充填する。
【0014】
図6(5)
ついで、第1の基体1と第2の基体5との間に不図示の注入口より液路や液室の壁となる硬化性樹脂8を注入する。
【0015】
図6(6)
ついで、硬化性樹脂8を硬化した後に充填剤7を除去し、対向ヘッド中央を切断し、個々のヘッドに分離する。
【0016】
図6(7)
最後に、第1の固体層2、第2の固体層3を除去し、吐出口9、液路、液室10を有する記録ヘッドを得る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の製造方法にも、以下のような各問題点がある。すなわち、
1)第2の固体層3を形成する工程が必要である。
【0018】
2)第2の固体層3には、第1の固体層2と不要物を形成しないこと、硬化性樹脂8と相溶しないこと、比較的厚く(数十μm以上)形成でき、成型性がよいこと、第1の固体層2と同一の除去液で除去可能であることが望ましい等、材料の限定条件が多い。
【0019】
3)隙間を埋める固体も必要であり、充填剤7の材料についても、
1.流動性があり、隙間6を埋められ、かつ、第2の固体層3からはみ出さない、
2.樹脂注入硬化後に除去できる、
3.注入樹脂と交じり合って樹脂の硬化を妨げることがない、
4.作業性が良いこと、
などの限定条件が多い。
【0020】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解消するためになされたもので、第2の固体層を必要としない簡略な工程より成るインクジェット記録ヘッドの製造方法及びインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、インクジェット記録ヘッドの製造方法を次の(1)ないし(8)のとおりに構成し、インクジェット記録ヘッドを次の(9)のとおりに構成する。
(1)インクを吐出するための圧力を発生させる素子を備えた第1の基体と、インク供給口が形成された第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に介在するように形成された液路及び前記液路に連通する液室の壁となる樹脂と、を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
前記第1の基体上の前記液路及び液室を形成する部位に固体層を形成する工程と、
前記第1の基体上に間隙ができるように前記第2の基体をスペーサを介して載置する工程と、
前記第2の基体のインク供給口が形成される開口部と前記間隙とに前記樹脂を充填する工程と、
前記樹脂を硬化させる工程と、
前記開口部の端面に前記樹脂が残るように、前記開口部幅より狭い幅で、前記樹脂を前記開口部の上方から前記固体層に至るまで切削加工して除去することで前記インク供給口と前記液室の一部とを形成する工程と、
前記固体層を除去することで、前記液路と前記液室の一部以外の部分の液室とを形成する工程と、
を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(2)前記液路及び液室の壁となる樹脂は、硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(3)前記第2の基体は金属であることを特徴とする前記(1)または前記(2)に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(4)前記開口部は、前記第2の基体を前記第1の基体に載置する前に設けられることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(5)前記開口部は、前記第2の基体を前記第1の基体に載置した後に設けられることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(6)前記樹脂は、前記間隙に前記開口部より注入されることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(7)前記樹脂の注入は、毛細管現象により行われることを特徴とする前記(6)に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(8)前記樹脂の注入は、減圧注入により行われることを特徴とする前記(6)に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(9)前記(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
【0022】
【作用】
以上のような本発明方法によれば、従来の第2の固体層を必要としない、簡略な工程より成るインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供できる。そして、共通液室の形成に、型材を使用しないため、型材使用に伴う隙間の充填作業も必要とせず、また、液路及び液室の壁を形成する硬化性樹脂の材料選択性に富み、簡単な工程で信頼性の高いインクジェト記録ヘッドが得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を複数の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0024】
【実施例】
以下、本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法の複数の実施例を、図面を参照して説明する。
【0025】
(実施例1)
図1は、本実施例1に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法を説明するための工程説明断面図である。
【0026】
図1(1)
まず、吐出圧発生素子14が設けられた第1の基板1上の液路形成部位及びそれと連通する液室形成予定部位に第1の固体層2を形成する。ここで、本実施例1においては第1の基体1として耐蝕コートを施したアルミ基板を用いた。なお、本実施例1では、第2固体層はないので、以下、第1の固体層2を単に固体層2と記すこととする。
【0027】
上記固体層2は、後述する各工程を経て後に除去され、残された空間部分が少なくとも液路となる。ここでは、固体層2としてポジ型のフォトレジスタである東京応化(株)製MF−58(商品名)を用いた。
【0028】
図1(2)
ついで、第1の基体1上に、第2の基体5を載置するためのスペーサを、切断分離後不要部となる部位に約100μm厚で設けた(不図示)のち、固体層2を被覆するように、硬化性樹脂8を第1の基体上に塗布した。この時硬化性樹脂の塗布厚を、スペーサの厚みと同様に約100μmとした。なお、スペーサとしては、ダイシングテープを用いた。
【0029】
図1(3)
ついで、インク供給口4を有する第2の基体5を、スペーサ及び硬化性樹脂8を介して第1の基体1上に載置した。なお、第2の基体5としては、表面に耐蝕処理を施したアルミ天板を用いた。
【0030】
図1(4)
ダイヤモンドソーによって、インク供給口下部の硬化製樹脂8を固体層2に至るまで切削する。硬化製樹脂8の切削された部分が液室10となる。
【0031】
また、B部に他の機器との接続パッドがある場合には、この上部も切削により除去する。
【0032】
図1(5)
ダイヤモンドソーで対向するヘッドを分離する。
【0033】
図1(6)
固体層2を、除去液エチルセロソルブで除去し、吐出口及びインク液路を得る。
【0034】
このようにして本実施例1に係るインクジェット記録ヘッドを得た。
【0035】
なお、本発明で切削加工によってインク供給口及び液室の一部を形成するものであるが、液路形成部分に固体層が設けられているため、固体層に到るまで切削加工を行えば良く、切削加工によって第1の基体を損傷することがない。
【0036】
(実施例2)
第2の実施例2の製造固定説明断面図を図2に示す。前記図1との違いは、第2のインク供給口となる開口4に、予め硬化性樹脂8を充填しておくことである。
【0037】
まず、実施例1と同様に、吐出圧発生素子14が設けられた第1の基板1上の液路形成部位及びそれと連通する液室形成予定部位に、第1の固定層2を形成し(図2(1))、この第1の基体上に、第2の基体を載置するためのスペーサを設置する(図2(2))。なお、図2(2)では、スペーサ13をヘッド近傍に配置したが、第1の基体端部に設けてもよい。その他、第1の基体または第2の基体5に凸部を設け、スペーサとしてもよい。
【0038】
そして、図2(3)に示すように、本実施例では、インク供給口となる開口4に予め硬化性樹脂8を充填しておいている。そして、実施例1と同様に、第1の基体と第2の基体との間の間隙に硬化性樹脂を注入し(図2(4))、この樹脂を硬化させた後、第2の基体の開口部端面に触れないように、開口部幅より狭い幅でダイヤモンドソーによって固体層に到るまで切削することにより、インク供給口部及び液室部を形成する(図2(5))。ついで、実施例1と同様に、基板を切断分離し(図2(6))、固体層2とスペーサ13とを、エチロセルソブルで同時に除去する(図2(7))。これにより、B部の接続パッドが表面に出る。
【0039】
このようにすることにより、第2の基板にアルミニウムのような腐食し易い金属基板を用いた場合にも、第2基板のインク供給口部分が露出することがないため、耐蝕コートのような特別な処理を施さなくても、この端面のインクによる腐食を防止することもできるものである。
【0040】
なお、除去可能なスペーサを基体に設けることにより、B部上に第2の基体が及ばないようにできるため、B部を露出するために第2の基体を切削する必要もない。
【0041】
また、本実施例2では、インク供給口となる開口部4を、第1の基体に載置する前に予め形成していたが、図3に示すように、第1の基体と第2の基体との間隙に硬化性樹脂8を注入後に、第2の基体のインク供給口となる部分を切削加工して開口部を形成してもよい。このときも、開口部に硬化性樹脂を充填した後にインク供給口部及び液室部の切削加工を行うのはもちろんのことである。
【0042】
(実施例3)
図4(1)から(7)は、本発明の実施例3の製造工程を説明する断面図であり、これを基に本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方法の本実施例3を工程順に説明する。
【0043】
図4(1)に示す如く、吐出圧発生素子が設けられたアルミ基板(第1の基板1)上に、液路形成部位及びそれと連通する液室形成予定部位に第1の固体層2を形成する。
【0044】
上記固体層2は、後述する各工程を経た後に除去され、残された空間部分が、少なくとも液路となる。ここでは、固体層2として東京応化(株)製PMER−900(商品名)を用いた。
【0045】
図4(2)に示す如く、前記第1の基板の不要部分(インクジェットヘッドの有効部分の外部)に、例えば50μm〜200μm程度の所望の厚さのスペーサ13を配設する。
【0046】
例えば本実施例においては、基板厚200μmのテープを基板の端分の不要部分に設けた。
【0047】
図4(3)に示す如く、予めインク供給口及び共通液室形成予定部位に、前記インク供給口及び共通液室より0.1mm〜0.5mm程度大きい開口部4を有するアルミよりなる第2の基板5を載置する。
【0048】
図4(4)に示す如く、前記第2の基板5に設けられた開口部4の一方より、エポキシ系常温硬化型樹脂8がディスペンサー等の周知の手段により滴下され、毛細管力によって、前記第1の基板1と第2の基板5とによって構成される空隙に注入される。前記ディスペンサーは、滴下を継続しながらノズル配列方向に走査され、前記硬化性樹脂8を滴下した開口部4に対向するもう一方の第2の開口部4′の少なくとも一部が充填されるまで、前記硬化性樹脂8の滴下及びディスペンサーの走査が継続される。しかる後、前記第2の開口部4′が完全に前記硬化性樹脂8で充填されるよう、前記第2の開口部4′側にも前記硬化性樹脂8を滴下する。しかる後、常温放置あるいは加熱により、前記樹脂8を硬化させる。
【0049】
図4(5)に示す如く、ダイヤモンドソーによって、インク供給口下部の硬化性樹脂を固体層2に到るまで切削する。これにより、インク供給口及び共通液室10を形成する。
【0050】
また、B部に他の機器との接続パッドがある場合には、この上部も切削により除去する。
【0051】
図4(6)に示す如く、ダイヤモンドソーで対向ヘッドを分離する。
【0052】
図4(7)に示す如く、固体層2を除去液エチルセロソルブで除去し、吐出口及び液路を得る。
【0053】
以上の工程により、本発明によるインクジェット記録ヘッドが完成する。
【0054】
(実施例4)
前記実施例3においては、前記常温硬化型樹脂8を、毛細管現象を利用して前記空隙部に注入したが、前記第2の開口部より吸引する方法も、好ましい注入方法である。
【0055】
例えば、前記第1の開口部4に前記常温硬化型樹脂8を充分滴下後、前記第2の開口部4′よりゴムキャップ等の簡単な密閉手段を有した治具の後方に、ダイヤフラム式等の簡便な真空ポンプを接続し、リーク弁等で吸引力を調整しながら、この常温硬化型樹脂8を吸引する。
【0056】
しかる後、前記吸引により前記第1の開口部4内の前記常温硬化型樹脂8の液面が低下した分を、前記第1の開口部4より補充する。
【0057】
上記の方法によれば、極めて粘度の高い硬化性樹脂でも前記空隙部に注入が可能であり、硬化性樹脂が外部へ漏出することもない。
【0058】
また、前記硬化性樹脂8として常温硬化型樹脂を用いたが、該樹脂に特に限定されるものではなく、後に硬化するものであれば、いかなるものでも使用可能であり、例えば熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等も好適に使用できる。
【0059】
なお、本発明の各実施例の説明においては、硬化性樹脂として常温硬化型樹脂を用いたが、前記第2の基板材料を例えばガラス、アクリル樹脂等の紫外線透過材料で構成し、前記硬化性樹脂として、例えばエポキシ系の紫外線硬化性樹脂を注入後、紫外光を前記第2の基板の上面より照射して硬化させる方法も、短時間で硬化でき、樹脂のポットライフ等の制約がない好ましいインクジェット記録ヘッドの製造方法である。
【0060】
また、前記インク供給口及びインク共通液室を形成するための切削手段として、ダイヤモンドソーを用いたが、エンドミル等の切削ツールも好適に使用できるものである。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来の第2の固体層を必要としない簡略な工程より成るインクジェット記録ヘッドの製造方法及びこの製造方法で製造されたインクジェット記録ヘッドを提供できる。
【0062】
詳しくは、
1.共通液室に、型材を使用しないこと、そして型材使用に伴う隙間の充填作業も必要とせず、簡単な工程で信頼性の高いインクジェット記録ヘッドが得られる。
【0063】
2.硬化性樹脂の露光、現像等の工程が不要なため、安価で高精度のインクジェット記録ヘッドが得られる。
【0064】
3.硬化性樹脂の粘度、濡れ等に関わりなく、自由に硬化性樹脂を選択でき、耐インク性、耐熱製等に優れた高信頼性を有するインクジェット記録ヘッドが得られる。
【0065】
4.硬化性樹脂の極めて薄い部分が発生しないため剥離後に遊離して液路を塞ぐごみとなったり、インクのリフィル特性を悪化させたりすることなく、高速応答が可能なインクジェット記録ヘッドを高歩留まりで製造することができる。
【0066】
5.第2の基体の開口部端面を、硬化性樹脂で被覆することができるため、第2の基体としてアルミニウム等の腐食し易い金属基板を用いても、腐食性材料のインクの溶出による吐出圧発生素子の寿命の低下や、腐食によるインクジェットヘッドの故障のない高い信頼性を有するインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【0067】
6.また、開口部から樹脂を注入するようにすることにより、開口部を塞ぐための樹脂充填工程を新たに必要とせず、簡略な工程で安価なインクジェット記録ヘッドを作成することができる。さらに、硬化性樹脂の注入口(開口部)から出口間の距離が短いため、フルマルチアレイタイプのようなノイズ配列方向に長いいわゆる長尺ヘッドでも、容易に硬化性樹脂を注入でき、かつ気泡の混入等のない高品質なヘッドを高い歩留まりで得ることができる。
【0068】
そして、インクジェット記録ヘッドの有効部分外に、別途硬化樹脂の注入口を設ける必要がないため、基板サイズを小さくしたり、1基板内におけるインクジェット記録ヘッドの採り個数を増やすことができるため、大幅なコストダウンを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の工程説明断面図
【図2】実施例2の工程説明断面図
【図3】実施例2の別形態を示す工程説明断面図
【図4】実施例3の工程説明断面図
【図5】従来のエッジシューター型インクジェット記録ヘッドの製造方法を説明するための説明よう者図
【図6】従来のインクジェット記録ヘッド製造方法の工程説明断面図
【符号の説明】
1 第1の基体
2 第1の固体層
3 第2の固体層
4 インクの供給口
5 第2の基体
5′ アルミ天板
6 第2の固体層と第2の基体の隙間
7 流動性のある物質
8 硬化性樹脂
9 吐出口
10 液室
11 対向ヘッド
12 切断線
13 スペーサ
14 吐出圧発生素子
Claims (9)
- インクを吐出するための圧力を発生させる素子を備えた第1の基体と、インク供給口が形成された第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に介在するように形成された液路及び前記液路に連通する液室の壁となる樹脂と、を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
前記第1の基体上の前記液路及び液室を形成する部位に固体層を形成する工程と、
前記第1の基体上に間隙ができるように前記第2の基体をスペーサを介して載置する工程と、
前記第2の基体のインク供給口が形成される開口部と前記間隙とに前記樹脂を充填する工程と、
前記樹脂を硬化させる工程と、
前記開口部の端面に前記樹脂が残るように、前記開口部幅より狭い幅で、前記樹脂を前記開口部の上方から前記固体層に至るまで切削加工して除去することで前記インク供給口と前記液室の一部とを形成する工程と、
前記固体層を除去することで、前記液路と前記液室の一部以外の部分の液室とを形成する工程と、
を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 前記液路及び液室の壁となる樹脂は、硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記第2の基体は金属であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記開口部は、前記第2の基体を前記第1の基体に載置する前に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記開口部は、前記第2の基体を前記第1の基体に載置した後に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記樹脂は、前記間隙に前記開口部より注入されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記樹脂の注入は、毛細管現象により行われることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記樹脂の注入は、減圧注入により行われることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
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