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JP3595790B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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JP3595790B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のインストルメントパネル内に配設される空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平9−123748号公報に開示されるように、この種の空調装置を自動車の車室に設ける場合に、熱交換器を収容した空調ユニットと、該空調ユニットへ空調用空気を送風する送風ユニットとに分割して、それぞれインストルメントパネル内において車幅方向略中央部とその助手席側とに配設したものが知られている。
【0003】
また、前記の如き構成の空調装置では、一般的に、送風ユニットに空調用空気を濾過するためのフィルタを設けており、該フィルタが使用限度に達すると、インストルメントパネルの助手席側に設けられているグローブボックスを取り外して、送風ユニットのケーシングの車体後側に開口するフィルタ挿入孔から交換するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インストルメントパネルの物品の収納利便性を向上させるために、該インストルメントパネルのグローブボックス配設用の開口を比較的、車幅方向に長く大きいものとして、複数のグローブボックスを並設する場合がある。このような大きい開口を形成するとインストルメントパネルの剛性が低下するので、複数のグローブボックスの間において、開口の上縁と下縁とを連結するような補強部材を設けなければならない。
【0005】
ところが、前記従来技術のようにフィルタの交換を車体後方から行うようにすると、前記補強部材によって交換作業が阻害され、また、グローブボックスを複数、取り外さなければならず、交換作業が極めて煩雑となる。さらに、通常、インストルメントパネル内には、エアバッグ装置等の多くの機器が配設されているので、フィルタの交換作業性を考慮した送風ユニットのレイアウトは困難である。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インストルメントパネル内の助手席側に配設された送風ユニットに空調用空気のフィルタを設ける場合に、グローブボックスの構造によらずフィルタの交換作業性を良好なものとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、送風ユニットをインストルメントパネル内の助手席側に配設したものにおいて、該送風ユニットのケーシングの車幅方向一側にフィルタ挿入孔を設けるようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、車両のインストルメントパネル内の車幅方向略中央部に配設された空調ユニットと、該空調ユニットの助手席側に配設され、空調用空気を濾過するフィルタが設けられた送風ユニットとを備える車両用空調装置を前提とする。そして、前記送風ユニットのケーシングには、空調用空気を濾過するフィルタを収容するフィルタ収容部と、前記空調用空気を前記空調ユニットに送風する送風ファンを収容するファンハウジングとを空気流れ方向上流側から下流側へ向かって順に並設するとともに、このケーシングの車幅方向一側の側壁部には、前記フィルタ収容部内へフィルタを挿入するためのフィルタ挿入孔を形成し、前記ファンハウジングには、前記送風ユニットのケーシング内をファンハウジングの内方とフィルタ収容部の内方とに区画する隔壁部を設け、該隔壁部には、前記フィルタ収容部内の空調用空気をファンハウジング内に流入させる空気流入孔を形成し、前記フィルタ収容部には、フィルタを支持するフィルタ支持部を前記空気流入孔から空気流れ方向上流側へ離れて設け、前記隔壁部の空気流入孔から離れた部位には、挿入時のフィルタにおける空気流れ下流側の面を支持して該フィルタを前記フィルタ支持部へ導くガイド部を、空気流れ方向上流側へ延びるように形成する構成とする。
【0009】
この構成によれば、まず、フィルタは送風ユニットのフィルタ挿入孔からフィルタ収容部に挿入されることで送風ユニットに装着され、このフィルタによって濾過された空調用空気が空調ユニットに供給されるようになる。一方、使用限度に達したフィルタはフィルタ挿入孔から引き出して交換するが、この際、フィルタ挿入孔が送風ユニットのケーシングの車幅方向一側に形成されているので、フィルタの引き出し及び挿入を車幅方向から行うことができる。従って、インストルメントパネルの助手席側に比較的、大きい開口を形成して、複数のグローブボックスを設けた場合でも、交換作業を容易に行うことができる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記送風ユニットのケーシングを、その車幅方向の中間部分で複数の部材に分割し、該複数の部材をそれぞれ成形型によって成形してなるものとする。
【0011】
すなわち、一般に、空調装置のケーシングを成形型によって成形するときには、その成形型の移動方向に延びる壁部等に抜き勾配を設定しなくてはならない。従って、そのような壁部にフィルタ挿入孔を設けると、その挿入孔の蓋部材は抜き勾配を考慮した形状に設定しなければならず極めて煩雑である。
【0012】
これに対し、この発明では、ケーシングを車幅方向に複数の部材に分割するようにしたので、該ケーシングの車幅方向一側の面、即ち前記のような抜き勾配の設定が不要な面にフィルタ挿入孔が開口することになり、もって、蓋部材の形状設定を容易にしながら、フィルタ挿入孔を確実に密閉することができる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項1または2のいずれかの発明において、前記フィルタは濾過材のみを板状に成形してなるものとし、前記フィルタの空気流下流側の面における外周側を略全周に亘ってフィルタ支持部により支持するものとする。
【0014】
すなわち、フィルタを濾過材のみからなるものとすることで、フィルタを変形させて交換作業を容易に行うことができる。一方、そのようなフィルタは空調用空気が通過する際、風圧により空気流下流側へ変形し易くなるが、この発明では、ケーシングのフィルタ収容部にフィルタの空気流下流側の面を外周側で略全周に亘って支持するフィルタ支持部を設けたので、フィルタを安定的に支持できる。つまり、フィルタ挿入孔からの交換作業性を向上させつつ、濾過性能を所期のものとすることができる。
【0015】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、前記ケーシングのフィルタ収容部の側壁部内面には、前記フィルタの空気流上流側の面に当接するように突出部を形成するものとする。
【0016】
この構成では、フィルタがフィルタ収容部内に収容されると、フィルタの空気流下流側の面に当接するように側壁部内面に形成された突出部によって、該フィルタが空気流上流側からも支持されるので、フィルタの位置ずれや振動をより効果的に防止できる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項3または4のいずれかの発明において、前記フィルタ収容部は、ファンハウジングの上方に設けられ、前記フィルタをケーシングのフィルタ収容部内に略水平に収容し、前記ガイド部を、前記フィルタ収容部のフィルタよりも下方に設け、挿入時のフィルタの下面を支持るものとする。
【0018】
すなわち、濾過材のみからなるフィルタは変形し易く、挿入時にフィルタ支持部から落ちることが考えられるが、フィルタ収容部にフィルタの下面を支持してフィルタ支持部へ導くガイド部が設けられているので、容易にかつ確実にフィルタの挿入を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、空調装置1の配設状態を示す図であり、該空調装置1は自動車の車室に設けられているインストルメントパネル2内方に収容されている。この自動車は、運転席及び助手席がそれぞれ車体右側及び左側に設けられている、いわゆる右ハンドル車であり、図示しないが車体前部のエンジンルームと車室とはダッシュパネルによって仕切られている。
【0021】
空調装置1は、助手席側に偏在した送風ユニット3と、車幅方向略中央部に配置され、送風ユニット3からの空調用空気を冷却した後、温度調節して車室に供給する空調ユニット4とからなる。送風ユニット3は、図2に示すように、その車幅方向略中央部において2つに分割されたケーシング5を備えており、それらはファスナ等を用いて一体化されている。その左右のケーシング部材6、7は樹脂材料を射出成形してなり、それらは、自動車への搭載状態で車幅方向に延びる面に沿って移動する成形型を用いて成形したものである。該ケーシング5の上側には空気取入部8が設けられる一方、下側には空気取入部8からの空気を前記空調ユニット4に送風するための送風部9が設けられていて、さらに、両者の間には取り入れた空気を濾過するためのフィルタ10を収容するフィルタ収容部11が設けられている。
【0022】
前記空気取入部8の上部の車体前側には、車外の空気を導入するための外気取入口12が形成されていて、図2にのみ示すダクト13によってカウルパネル(図示せず)の開口に接続されている。一方、空気取入部8の車体後側には、車室内の空気を導入するための内気取入口14が形成されていて、グリル15がケーシング5と一体に設けられている。この空気取入部8の内方には、図示しないが、外気取入口12と内気取入口14とのいずれか一方を閉状態とするとともに、他方を開状態とするように作動する内外気切替ダンパが設けられている。すなわち、内外気切替ダンパは、図示しないアクチュエータによって駆動され、外気取入口12を全開とする位置にされると内気取入口14が全閉とされて、外気のみを取り入れる外気取入モードとなる。一方、外気取入口12を全閉とする位置にされると、内気取入口13が全開とされて、内気循環モードとなる。
【0023】
前記フィルタ収容部11内に収容されるフィルタ10は、図3に示すように、全体として厚肉な矩形板状に形成されていて、例えば濾紙等の濾過材を所定の形状に裁断して、それを波状に連続的に折り曲げて成形されている。すなわち、フィルタ10の厚さは、波状部の高さ方向の寸法とされており、また、フィルタ10の空気通過面は波状部が連続する方向に延びている。このフィルタ10は空気通過面が略水平になり、かつ、波状部が連続する方向を車体前後方向に向けて配置されていて、空気取入部8からの空気はその流れの方向(図6に矢印で示す)が空気通過面に略直交して通過するようになる。
【0024】
前記フィルタ収容部11は、送風ユニットケーシング5においてフィルタ10の周囲を囲むように成形された側壁部20を有し、図4に示すように、車体左側の側壁部20aには、フィルタ10を挿入するための略矩形のフィルタ挿入孔21が形成されている。さらに、この左側壁部20aには、フィルタ挿入孔21の開口の下縁全体に沿って、かつ該開口と連なる孔部22が形成されている。すなわち、フィルタ挿入孔21と孔部22との境界には、その車体前後方向両端に亘って細長く延びるとともに、その両端がそれぞれ前側壁部20b及び後側壁部20cに連繋した水平壁部23が形成されており、この水平壁部23は左側壁部20aから所定距離だけフィルタ収容部11の内方に位置している。さらに、この水平壁部23は、互いに車体前後方向に離間した複数の支持部25,25,…によって支持されており、各支持部25は水平壁部23の下面から孔部22の下縁まで延びる板状に形成されている。
【0025】
また、ケーシング5のフィルタ収容部11の車体前側の壁部20b及び後側の壁部20cには、それぞれ前記水平壁部23の両端部から車体右側へ略水平に細長く延びる前側リブ27及び後側リブ28が形成されている。さらに、図5及び図6に示すように、車体右側の壁部20dには、前記前側リブ27及び後側リブ28の右端部同士を連繋するように略水平に延びる右側リブ29が形成されている。すなわち、前記水平壁部23と、前側及び後側リブ27、28と、右側リブ29とは、それぞれの上面が略同一面に位置する矩形枠状のフィルタ支持部30とされており、該フィルタ支持部30の上面にフィルタ10の下面における外周側が全周に亘って接合することで、フィルタ10は安定的に支持されて空調用空気が通過する際の風圧による変形が防止される。
【0026】
さらに、前記ケーシング5のフィルタ収容部11の前側壁部20b及び後側壁部20cには、それぞれ前記フィルタ挿入孔21の上縁部における車体前端及び車体後端から略水平に車体右側へ細長く延びる一対の上側リブ31、32が形成されている。また、フィルタ挿入孔21の上縁部における車体前後方向の中間部には、前後に離れた2つの上側リブ(図示せず)がフィルタ収容部11内方へ略水平に突設されている。ケーシング5の右側壁部20dの上端側は、フィルタ10の右端部の上部が嵌合するように形成されている。すなわち、上側リブ31、32の下面に前記フィルタ10の上面における外周側の対応する部分が接合し、さらに、右側壁部20dの嵌合部34にフィルタ10の右端部が嵌合して、フィルタ10の上方への移動が規制される。加えて、前記右側壁部20dの嵌合部34には、その内面からフィルタ収容部11の内方へ突出してフィルタ10上面の右端部に当接する突起35(突出部)が設けられている。該突起35は、車体前後方向に3つ略等間隔に並設されていて、嵌合部34の内面における上面と右側面とに連繋されており、車体前後方向に沿って見て、略三角形状とされている。
【0027】
また、ケーシング5の左側壁部20aには、フィルタ挿入孔21を塞ぐ矩形の蓋部材40が取り付けられている。この蓋部材40の固定構造について説明すると、左側壁部20aには、フィルタ挿入孔21の上端に連なって車体前後方向に離間した2つの切欠部41,41が設けられ、また、孔部22の下端にも同様に2つの切欠部42,42が設けられている。一方、蓋部材40の上端及び下端には、図示しないが、それぞれ前記左側壁部20aの上側切欠部41,41及び下側切欠部42,42と係合する上側爪部及び下側爪部が設けられている。そして、各爪部と切欠部41、42とを係合させて蓋部材40を固定すると、該蓋部材40のフィルタ挿入孔21周縁部との接合部分に設けられている発泡樹脂製のシール材45によってシールされる。このとき、フィルタ10は蓋部材40のフィルタ収容部11側の面によって押されて、突起35,35,…により保持されるので、がたつくことはない。
【0028】
前記フィルタ10によって濾過された空気は、その下方に設けられた送風部9に導入される。この送風部9には、送風ファンである遠心式多翼ファン50がその回転軸を上下方向に向けて配設され、さらにその下方にファン駆動モータ51が配設されている。この送風ファン50は、送風部9の外形状を構成するファンハウジング52内に収容されており、該ファンハウジング52には、送風ファン50の外周を囲んで該送風ファン50からの空気を空調ユニット4へ送る空気流出通路53が形成され、さらに、該ファンハウジング52には、ケーシング5内をフィルタ収容部11の内方と送風部9の内方とに区画する隔壁部54が設けられている。前記空気流出通路53は、その上流端が送風ファン50の車体右側における前後方向の略中央に対応する部分に位置付けられ、ここから送風ファン50の車体後、左側へと順に廻り込んで、該送風ファン50の前側で空調ユニット4側へ略直線的に延びていて、その上流側から下流側へ向かって徐々に断面積が大きくなる渦巻き状の通路である。この空気流出通路53の下流端は、ファンハウジング52の右側面の前側に開口していて、その開口が空調ユニット4の空気導入口55(後述する)と接続されている。
【0029】
前記ファンハウジング52の隔壁部54は、フィルタ支持部30よりも所定距離下方に位置付けられており、全体が略水平に延びるとともに、前記送風ファン50と同心に位置するベルマウス状の空気流入孔56が形成されている。さらに、隔壁部54には、挿入時のフィルタ10を所定位置に導くガイド部57が設けられており、このガイド部57は、図5に示すように、全体として車幅方向に長く延びるリブ状のものであって、隔壁部54上面における空気流入孔56とケーシング5の前側壁部20bとの略中央部から上方へ略鉛直に延びている。該ガイド部57の車体右側の端部は、ケーシング5の右側壁部20dに連繋するとともに該右側壁部20dの右側リブ29と略同一高さまで延びている。そこから車体左側は、所定長さだけ前記右側リブ29と略同一高さとされ、その後、左側ほど隔壁部54に近接するように緩やかに傾斜して、左端部は隔壁部54の上面と略同じ高さとされている。すなわち、通常、挿入時のフィルタ10はフィルタ支持部30に支持された状態であるが、変形等によってフィルタ支持部30から外れた場合にも、フィルタ10の下面がガイド部57の上端に支持されてフィルタ支持部30に導かれるようになる。
【0030】
また、前記フィルタ10は、空気流入孔56から所定距離上方に離れて配置されているため、フィルタ10の略全体を用いて空気を濾過することができる。さらに、前記の如く空気流出通路53の車体前側の部分の断面積を最も大きくするために、隔壁部54は、車幅方向に沿って見て、空気流入孔56の車体前方側が相対的に長くなっており、この部分にガイド部57を設けることで、該空気流入孔56とガイド部57とを相対的に大きく離間させることができ、送風をスムーズに行えるようになっている。
【0031】
前記空調ユニット4は、全体として上下方向に長く、かつ前記送風ユニット3のケーシング5よりも大型の矩形箱状に形成されたケーシング60を備えており、該ケーシング60も送風ユニット3と同様に左右に分割されている。そして、空調ユニット4のケーシング60の車体左側面には、前記送風ユニット3の空気流出通路53の下流端部が接続される空気導入口55が開口している。空調ユニット4の内部には、図7に示すように、空気導入口55よりも車体後側に、冷凍サイクルの一要素であるエバポレータ61がその空気通過面を略鉛直にして収容され、さらにその車体後方にはエバポレータ61を通過した空気を加熱するヒータコア62がその上側ほど車体後方に位置するように傾斜して収容されている。そして、前記空気導入口55からの空調用空気は、エバポレータ61を通過した後、エアミックスダンパ63によってヒータコア62を通過する空気量が調節されて調和空気とされ、空調ユニットケーシング60の上端部及び下端部に形成された吹出口64,64,…からそれぞれ車室に供給される。
【0032】
前記送風ユニット3及び空調ユニット4は、所定個所がダッシュパネル及びインストルメントパネル2に固定されて車体に取り付けられ、この状態で、車体前後方向に沿って見て、送風ユニット3のフィルタ収容部11はインストルメントパネル2の助手席側の下部と重複している。該インストルメントパネル2の助手席側の下部には、図1に示すように、車幅方向の略全体に亘ってグローブボックス配設口65が形成されており、そこに2つのグローブボックス66、67が車幅方向に並設されていて、それらの間には、前記グローブボックス配設口65の上端近傍と下端近傍とを連結する補強部材68が設けられている。車体左側のグローブボックス66は、図8に示すように、相対的に車幅方向に長く形成されており、さらに、両グローブボックス66、67は、それぞれ、グローブボックス配設口65を塞ぐパネル部69、70と、このパネル部69、70の裏側に取り付けられた箱状の物品収納部71、72とからなる。
【0033】
次に、前記フィルタ10の交換作業について説明すると、まず、作業者は、インストルメントパネル2の助手席側の下縁と車体のフロアパネル(図示せず)との間からインストルメントパネル2内に手を差し込んで、前記フィルタ挿入孔21の蓋部材40を取り外し、その後、フィルタ10の車体左側端部を掴んで引き出す。この際、該フィルタ10の車体左側端部は、フィルタ挿入孔21と連なった孔部22に臨んでいるので、容易に引き出すことができる。一方、新しいフィルタ10を収容する際には、まず、フィルタ10の右端部の下面を前記フィルタ挿入孔21と孔部22との間の水平壁部23に支持させてから挿入を開始する。こうすると、フィルタ収容部11の前側リブ27及び後側リブ28によってフィルタ10下面の前端側及び後端側が支持された状態で案内され、挿入が完了し、しかる後、蓋部材40を取り付ける。
【0034】
前記フィルタ10の挿入時、フィルタ挿入孔21がインストルメントパネル2の奥側でしかも左側壁部20aに開口しているので、作業者が直接、確認しながら作業できない。このことに対して、この実施形態では、フィルタ10を濾過材のみからなるものとして柔軟性を持たせているので、形状を変形させて挿入を容易に行える。一方、このように変形し易いフィルタ10は、挿入途中に前側リブ27及び後側リブ28から右端部が脱落してすることも考えられるが、この場合でもフィルタ10の右端部がガイド部57によって各リブ27、28、29の高さまで導かれる。
【0035】
尚、インストルメントパネル2内の送風ユニット3近傍に車体部品が配設されていて、前記のような大きさのフィルタ10の挿入が難しい場合では、該フィルタ10を車体前後方向で略2等分して、一方を挿入した後、他方を挿入するようにしてもよい。この場合では、先に挿入する方は、車体前後方向の寸法が短いため前側リブ27及び後側リブ28から外れ易いが、車体前側に位置付けるようにして挿入することで、前記ガイド部57によって右側リブ29の高さまで導かれ、確実に挿入できる。その後、先に挿入したフィルタを車体後側にスライドさせてから残りのフィルタを挿入するようにすると、そのフィルタは挿入開始から前側リブ27及びガイド部57に支持された状態となるので、容易に挿入できる。
【0036】
したがって、この実施形態に係る車両用空調装置1によると、インストルメントパネル2内の助手席側に配設される送風ユニット3のフィルタ挿入孔21をケーシング5のフィルタ収容部11の左側壁部20aに設けたので、グローブボックス66、67の数や形状及び補強部材68の位置によって送風ユニット3のレイアウトを変更することなく、フィルタ10の交換作業性を良好なものとすることができる。
【0037】
また、濾過材のみからなるフィルタ10は変形し易いので、インストルメントパネル2内の奥側に位置していて作業の確認が困難なフィルタ挿入孔21に対しても、挿入を容易に行える。この際、フィルタ10が隔壁部54側へ落ちても、ガイド部57によってフィルタ10の下面がフィルタ支持部30の高さまで導かれるので、フィルタ10の装着をより確実なものとすることができる。そして、挿入後、フィルタ10は、上面の外周側との下面の外周側とが支持されて安定的に所定位置に保持される。さらに、フィルタ10は蓋部材40の装着によって各突起35に押しつけられるので、該フィルタ10の振動による異音の発生を防止できる。
【0038】
また、この実施形態では、送風ユニットケーシング5を車幅方向の中間部で2つのケーシング部材6、7に分割して、それぞれを成形型によって成形しているが、この部材6、7の成形時に型の移動する方向と直交する面、即ち、抜き勾配の設定されない車体左側壁部20aの外面にフィルタ挿入孔21を開口させているので、蓋部材40のフィルタ挿入孔21周縁との接合面の形状は、抜き勾配を考慮しない形状としながら、挿入孔21を密閉することができる。
【0039】
(他の実施形態)
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、2つのグローブボックス66、67を取り付けた状態でフィルタ10の交換作業を行うようにしたが、これに限らず、例えば車体左側のグローブボックス66のみを取り外してグローブボックス配設用の開口65から交換作業を行うようにしてもよい。
【0040】
また、前記実施形態では、挿入時のフィルタ10のガイド部57をリブ状のものとしているが、これに限らず、例えばフィルタ10の下面の支持部30の支持面積を拡大するようにしてもよい。すなわち、フィルタ支持部30を隔壁部54と略平行に延びる板状のものとして、隔壁部54の空気流入孔56に対応する貫通孔を形成してもよい。
【0041】
また、ガイド部57としては、例えば隔壁部54の空気流入孔56周縁からフィルタ支持部30まで連続するような傾斜壁部を形成するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る車両用空調装置によると、インストルメントパネル内の助手席側に配設された送風ユニットのケーシングの車幅方向一側にフィルタ挿入孔を形成したので、フィルタが使用限度に達すると、車幅方向一側から引き出し及び挿入を行うことができ、このことにより、インストルメントパネルのグローブボックスの形状や数に関わらず、フィルタの交換作業性を良好なものとすることができる。
【0043】
請求項2記載の発明によると、送風ユニットケーシングを車幅方向の中間部分で分割し、それぞれを成形型によって成形したので、抜勾配の設定が不要な面にフィルタ挿入孔が開口することになり、もって、フィルタ挿入孔を容易にかつ確実に密閉することができる。
【0044】
請求項3記載の発明によると、フィルタを変形させて交換作業を容易に行うことができ、かつ、そのようなフィルタをフィルタ支持部によって安定的に支持できる。
【0045】
請求項4記載の発明によると、フィルタがケーシングの側壁部内面に設けられた突出部によって空気流上流側からも支持されるので、該フィルタの位置ずれや振動を確実に防止できる。
【0046】
請求項5記載の発明によると、フィルタを略水平に収容して、ガイド部をフィルタ収容部のフィルタよりも下方に設け、挿入時のフィルタをフィルタ支持部へ導くようにしたので、フィルタの挿入を容易にかつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調装置の配設状態を示す車室前部の斜視図である。
【図2】空調装置の外観を示す上方からの斜視図である。
【図3】送風ユニットのフィルタ交換作業の説明図である。
【図4】送風ユニットの車体左側からの斜視図である。
【図5】送風ユニットの右側ケーシング部材の図4相当図である。
【図6】送風ユニットの右側ケーシング部材の側面図である。
【図7】空調ユニットの構造を示す側面図である。
【図8】空調装置の配設状態を示す車体上方からの斜視図である。
【符号の説明】
1 空調装置
2 インストルメントパネル
3 送風ユニット
4 空調ユニット
5 ケーシング
6 左側ケーシング部材
7 右側ケーシング部材
10 フィルタ
11 フィルタ収容部
20 側壁部
21 フィルタ挿入孔
30 フィルタ支持部
35 突起(突出部)
57 ガイド部

Claims (5)

  1. 車両のインストルメントパネル内の車幅方向略中央部に配設された空調ユニットと、該空調ユニットの助手席側に配設され、空調用空気を濾過するフィルタが設けられた送風ユニットとを備える車両用空調装置において、
    前記送風ユニットのケーシングには、空調用空気を濾過するフィルタを収容するフィルタ収容部と、前記空調用空気を前記空調ユニットに送風する送風ファンを収容するファンハウジングとが空気流れ方向上流側から下流側へ向かって順に並設されるとともに、このケーシングの車幅方向一側の側壁部には、前記フィルタ収容部内へフィルタを挿入するためのフィルタ挿入孔が形成され
    前記ファンハウジングには、前記送風ユニットのケーシング内をファンハウジングの内方とフィルタ収容部の内方とに区画する隔壁部が設けられ、該隔壁部には、前記フィルタ収容部内の空調用空気をファンハウジング内に流入させる空気流入孔が形成され、
    前記フィルタ収容部には、フィルタを支持するフィルタ支持部が前記空気流入孔から空気流れ方向上流側へ離れて設けられ、
    前記隔壁部の空気流入孔から離れた部位には、挿入時のフィルタにおける空気流れ下流側の面を支持して該フィルタを前記フィルタ支持部へ導くガイド部が、空気流れ方向上流側へ延びるように形成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1において、
    前記送風ユニットのケーシングは、その車幅方向の中間部分で複数の部材に分割され、
    前記複数の部材がそれぞれ成形型によって成形されてなることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または2のいずれかにおいて、
    前記フィルタは濾過材のみを板状に成形してなり、
    記フィルタの空気流下流側の面における外周側略全周に亘ってフィルタ支持部により支持されていることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項3において、
    前記ケーシングのフィルタ収容部の側壁部内面には、前記フィルタの空気流上流側の面に当接するように突出部が形成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項3または4のいずれかにおいて、
    前記フィルタ収容部は、ファンハウジングの上方に設けられ、
    前記フィルタはケーシングのフィルタ収容部内に略水平に収容され、
    前記ガイド部は、前記フィルタ収容部のフィルタよりも下方に設けられ、挿入時のフィルタの下面を支持ることを特徴とする車両用空調装置。
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