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JP3596097B2 - 充電式リチウム電池の微小短絡検出法、充電方法および充電器 - Google Patents
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充電式リチウム電池の微小短絡検出法、充電方法および充電器 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は充電式リチウム電池の短絡による危険性を回避するために、短絡の前に起こる微小短絡を検出する方法、充電式リチウム電池の充電法および充電器に関する。
【0002】
【従来の技術】
充電式リチウム電池の最大の課題は、充電時に負極で金属リチウムがデンドライト状に析出して起こる短絡をいかに防止するかである。短絡による電池内部での発熱で、電解液が気化し電池が破裂を起こしたり、さらに発火点以上の温度になっていたりして、時として発火を起こしたりする。
【0003】
この対策として負極に金属リチウムを用いずに炭素や合金を用いて、充電時にリチウムを負極中に吸蔵させる方式のイオン電池が知られている。これにより、金属リチウムの析出が起こりにくくなり電池の寿命が大幅に伸びた。
【0004】
しかしながら、リチウムデンドライトの問題が基本的に解決したわけではない。充放電をくり返した後の寿命末期においては、負極のリチウムを吸蔵する能力が低下しているため、金属リチウムがデンドライト状に発生するからである。このため、短絡が起こった後の対策として次のような方法で破裂、発火を防ぐ工夫がなされている。
【0005】
充電式リチウム電池の安全性確保のため、電池の正極中に炭酸リチウムを添加して、電池が短絡し発熱しても炭酸リチウムの分解で発生するガスにより弁を開き、破裂を避ける方式である。この方法では、最終的には電池の内容物が噴出することになる。さらに、この方法では正極中に炭酸リチウムを加えるため、電池中の発電物質である活物質の量が炭酸リチウムの量だけ減ることになり、電池の容量が低下する。つまり、安全性確保のため電池の性能を減少させることになる。
【0006】
また、ポリプロピレン製セパレ−タに換えてポリエチレン製セパレ−タを用いて、短絡時に発生する熱によりメルトさせてセパレ−タの孔を閉じるようにして短絡電流を小さくする方法がある。この方法では、ポリエチレン製セパレ−タの機械的強度がポリプロピレン製に比べて小さいため、安定して電池を製造するためにはより厚さの大きいセパレ−タを使わなくてはならない。この方法でも電池中に占めるセパレ−タ体積が大きくなり、活物質の量がその分減ることになり電池容量が低下することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の内部短絡が起こった後の対策と異なり、破裂、発火につながる電池の内部短絡を事前に検出し、事故を未然に防止することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、充電式リチウム電池において、電流を制御した充電時には、時間とともに端子電圧の上昇、低下の繰り返しによる乱れにより微小短絡を検出するものである。また、あらかじめ設定しておいた時間での端子電圧が、あらかじめ設定しておいた電圧より小さくなることにより微小短絡を検出するものである。さらに、充電中の端子電圧がこれまでの充電挙動より学習して決定した電圧より小さくなることにより微小短絡を検出することを特徴としている。
【0009】
また、本発明は電圧を制御した充電時には、時間とともに充電電流が上昇、低下を繰り返して乱れにより微小短絡を検出するものである。また、あらかじめ設定しておいた時間での充電電流が、あらかじめ設定しておいた電流より大きくなることにより微小短絡を検出するものである。さらに、充電電流がこれまでの充電挙動より学習して決定した電流より大きくなることにより微小短絡を検出することを特徴としている。
加えて、上記微小短絡の検出手段を有する充電器とすること、および短絡による危険性を検出した後は、充電を停止するとともに電池交換が行われるまで充電か行われないようにロックする機能を充電器に持たせることを特徴としている。
【0010】
【作用】
本発明は、充電式リチウム電池において、破裂や発火につながる電池の内部短絡が起こる前に、電池を充電中に電池内部で微小な短絡が起こることに着目し、この微小短絡を検出して、電池が短絡しやすい状態になっていることを検知するものであり、また、その検知により電池交換を行うまで充電できないようにロックするものである。
【0011】
充電式リチウム電池は従来のニカド蓄電池やニッケル水素蓄電池などと異なり、過充電による酸素サイクルは効かない。したがって、定電流充電では電圧は単調に増加することになり、また定電圧充電では充電電流は単調に時間とともに減少することになる。本発明はこの従来の充電式電池とは異なった充電挙動に着目したものである。
【0012】
短絡や微小短絡が起こっていないときには、電池内部の正極、負極の間には電解質を通してイオン伝導性だけが存在することになる。微小短絡が起こるときには、電池内部で正極、負極の間に電子伝導性が存在することになる。この電子伝導性が小さい微小短絡の状態では、電子伝導性により電池は自己放電を起こしていることになるが、電池の放熱能力に比べて発熱が小さいため事故にはつながらない。短絡の程度が大きくなり、放熱能力以上の発熱が起こると電池温度が上昇し破裂、発火に至る。
【0013】
そこで、内部短絡による電子伝導性が小さい微小短絡のうちに充電を停止し、安全を図る方法が重要になる。
【0014】
微小短絡を起こしたときの電池等価回路は、図1のように電池1の正極と負極の間に抵抗2が並列に接続された場合と同じである。微小短絡がない状態はこの抵抗値が無限大である場合に相当する。従って微小短絡を起こした電池の定電流での充電時には充電電流Iは、微小短絡部の抵抗に流れるIrと電池の充電に使われる電流Icとに分かれることになり、実質的な充電電流はIからIcに低下する。この充電電流の低下により充電中の電池の端子電圧は低下する。つまり、定充電電流Iに対して、短絡が起こっていないときの端子電圧に比べ、微小短絡が起こったときには端子電圧が低くなる。
【0015】
定電圧での充電には、微小短絡により充電電流がIcからIに増加することになる。つまり定電圧充電時には、短絡が起こっていないときの充電電流に比べ、微小短絡が起った時には充電電流が増加する。
【0016】
微小短絡がさらに軽微なときには、定電流充電時には端子電圧が下がったり、上がったりする変動が見られる。これは、電池内部で短絡した部分が外れたり、くっついたりして、微小短絡が起こったり、起こらなかったりしている状態である。
【0017】
定電圧充電時には充電電流の増加、減少と変動が起こる。このように、充電時の端子電圧の低下や変動、充電電流の変動や増加を検出することにより、電池の寿命末期で起こりやすくなっている微小短絡を検出することができ、この段階で電池を交換することにより破裂、発火に至る電池の内部短絡を未然に防止することができる。
【0018】
上記の機能を充電器に持たせる他に、微小短絡を検出した電池の交換を確実に行うために、微小短絡を検出した後は充電を停止する一方、電池交換が完了するまで充電できないようにロックする機能を充電器に持たせる方法が確実である。
【0019】
【実施例】
代表的な充電式リチウム電池として、正極活物質にLiCoO、負極活物質に黒鉛を用いた同じコイン型電池を6セル試作した。正極中のLiCoO量は0.5g、負極中の黒鉛量は0.9gであり、各々は直径18mmにプレス成型して電極を形成した。電池の理論容量は75mAhで正極容量規制になっている。正極、負極を隔てるセパレ−タには、厚さ0.1mmのポリプロピレン製不織布を用い、電解質には1モル/lのLiPFを溶解した体積比で1:1のエチレンカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−トの混合溶液を用いた。試作した同じ電池を各々A、B、C、D、E、Fとする。この電池の縦断面図を図2に示す。図において、正極3と負極4はセパレ−タ5を介して対向した状態で、封口板7およびケ−ス8内にガスケット6で封口されている。
【0020】
これら電池を電流を制御した充電としての定電流充電や、電圧を制御した充電としての定電圧充電でサイクル挙動や短絡の様子を調べた。
【0021】
(1) 定電流充電:A、B、Cの電池を2.5mAで端子電圧が4.2Vになるまで充電し、次に2.5mAで3Vになるまで放電した。なお充電では上記電圧に達するまでに40時間を越えるような場合は40時間で停止することにした。この充放電条件でサイクル試験を繰り返した。500サイクルまではA、B、Cの電池はすべて同じ充放電挙動を示し、短絡は見られなかった。そこで500サイクル後に電池Aを分解して中を調べた。金属リチウムの析出は全く見られなく、短絡を起こす状況でないことを確認した。図3にAの電池の各々2サイクル目、200サイクル目、500サイクル目の充電曲線を示す。図中の数字はサイクル数である。サイクルが経過するにつれて充電電圧が上昇している様子がわかる。これは充放電を繰り返すにつれて、充電で負極の膨脹が起こり、放電で収縮するため負極の活物質の接触が悪くなったため利用率の低下とともに過電圧が発生しているためである。
【0022】
したがって、この状態のまま充放電サイクル繰り返すと、さらに負極の利用率が低下して活物質である黒鉛が充電ですべてのリチウムを吸蔵できなくなり、ついにはリチウムが析出し始め、デンドライトを作って、微小短絡の後に短絡を起こすようになる。
【0023】
電池B、Cについては、さらに同じ条件で充放電を繰り返した。電池Bは534サイクル目の充電で充電曲線に端子電圧が低下したり上昇したりする乱れを発生した。図4に良好であった533サイクル目と534サイクル目の充電曲線を示す。充電途中で電圧が低下するのは微小短絡が発生したためであり、上昇するのは微小短絡した部分がはずれたためと思う。
【0024】
すなわち、このような定電流で充電している状態のときには、端子電圧の低下、上昇による乱れにより微小短絡を検出することができる。
【0025】
電池Bをさらに充放電を繰り返した結果、539サイクル目に完全に短絡してしまい電池の封口板が開く事故が起こった。
【0026】
電池Cでは551サイクル目に、端子電圧の低下上昇などの乱れは起こらなかったが、充電開始後40時間たっても端子電圧が4.2Vに達しなくなった。図5に550サイクル目と551サイクル目の充電曲線を示す。551サイクル目では、充電開始後直ちに微小短絡を起こし微小短絡部分が外れなかったためである。微小短絡の起こっていなかった550サイクル目以前では、充電開始後3時間目には端子電圧は4Vを越えている。このことより、ある規定時間経過後(この例では3時間後)の端子電圧が、あらかじめ設定した電圧(この場合例えば4V)を越えないような場合には短絡を起こしていることをがわかる。
【0027】
すなわち、あらかじめ設定した時間経過後の測定した端子電圧と予め設定した電圧を比較して、設定した電圧より低いときには微小短絡を起こしていることを検出することができる。時間や、電圧の設定は予め決めておくほかに、これまでの各サイクルの充電での挙動より学習して設定時間や電圧をよりきめ細かく決めることもできる。本例では、サイクルが進むにつれて、図3に示したように過電圧により充電時の端子電圧が大になる。例えば充電開始後3時間目の端子電圧は、2サイクル目では4.04V、500サイクル目で4.07V、550サイクル目で4.11Vと徐々に高くなっている。したがってサイクル経過とともに比較するべき電圧も徐々に大きく設定するほうが微小短絡の検出には有効である。Cの電池の充放電をさらに継続した。552サイクル目には完全に短絡し、電池の封口板が開いた。
【0028】
(2) 定電圧充電:電池D、E、Fを4.2Vの定電圧で充電した。充電電流が0.25mAに低下した時点で充電終了とした。放電は2.5mAで端子電圧が3Vになるまで行った。なお、充電は上記電流に達するまでに20時間を越えるような場合は20時間で停止することにした。この充放電条件でサイクル試験を繰り返した。
【0029】
100サイクルまでは電池D、E、Fはすべて同じ充放電挙動を示し、短絡は見られなかった。そこで100サイクル後に電池Dを分解して中を調べた。金属リチウムの析出は全く見られなく、短絡を起こす状況でないことを確認した。図6に電池Dの各々2サイクル目、50サイクル目、100サイクル目の充電曲線を示す。図中の数字はサイクル数である。サイクルが経過するにつれて充電開始直後の充電電流は小さくなり、それとともに充電時間が増加している様子がわかる。これは充放電を繰り返すにつれて、負極の膨脹、収縮で活物質の接触が悪くなったため利用率の低下とともに過電圧が発生しているためである。
【0030】
したがって、この状態のまま充放電サイクル繰り返すと、さらに負極の利用率が低下して活物質である黒鉛が充電ですべてのリチウムを吸蔵できなくなり、ついにはリチウムが析出し始め、デンドライトを作って、微小短絡の後に短絡を起こすようになる。
【0031】
電池E、Fについては、さらに同じ条件で充放電を繰り返した。電池Eは124サイクル目の充電で充電曲線に充電電流が増加したり、低下したりする乱れを発生した。図7に良好であった123サイクル目と124サイクル目の充電曲線を示す。充電途中で電流が増加するのは微小短絡が発生したためであり、低下するのは微小短絡した部分がはずれたためと思う。
【0032】
すなわち、このような定電圧で充電している状態のときには、充電電流の増加、低下による乱れにより微小短絡を検出することができる。
電池Eをさらに充放電を繰り返した結果、127サイクル目に完全に短絡してしまい電池の封口板が開いた。
【0033】
電池Fでは127サイクル目に、充電電流の増加、低下といった乱れは起こらなかったが、充電開始後20時間たっても充電電流が0.25mAに達しなくなった。図8に126サイクル目と127サイクル目の充電曲線を示す。127サイクル目では、充電開始後直ちに微小短絡を起こし微小短絡部分が外れなかったためである。微小短絡の起こっていなかった126サイクル目以前では、充電開始直後の充電電流は20mA以下になっていて、サイクルとともに低下傾向にあった。このことより、ある規定時間経過後(この例では直後)の充電電流が、あらかじめ設定した電流(この場合例えば20mA)を越えているような場合には短絡を起こしていることをがわかる。
【0034】
すなわち、あらかじめ設定した時間経過後の電流と測定した充電電流を比較して、設定した電流より大きいときには微小短絡を起こしていることを検出することができる。時間や、電流の設定は予め決めておきほかに、これまでの各サイクルの充電での挙動より学習して設定時間や電流をよりきめ細かく決めることもできる。本例では、サイクルが進むにつれて、図6に示したように過電圧により充電開始直後の充電電流は小になる。本例では2サイクル目で20mA、50サイクル目で16mA、100サイクル目で15mAとサイクルの経過とともに小さくなっている。したがってサイクル経過とともに比較するべき電流も徐々に小さく設定するほうが微小短絡の検出には有効である。さらに、電池Fの充放電をさらに継続した。128サイクル目には完全に短絡し、電池の封口板が開いた。
【0035】
以上のように、電池が短絡して破裂、発火を起こす前に充電時に充電曲線の乱れや、これまでの充電挙動と異なった挙動を示す微小短絡の状態が存在する。この状態を検出することにより未然に事故を防ぐことができる。また上記微小短絡検出機能は充電器に持たせるのがよい。
【0036】
さらに、微小短絡を起こした電池はそのまま使用することはできない。新しい電池との交換が必要である。したがって、電池が交換されるまで充電できないようにロック機能を充電器に持たせることが好ましい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、充電式リチウム電池において充電時での電圧や電流を測定し、あらかじめ設定した電圧や電流、または異常が起きていない状態での充電挙動を学習して決めた電圧や電流と比較して微小短絡を検出し、電池を交換することにより電池の破裂や発火を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微小短絡を起こした電池の等価回路図
【図2】コイン型電池の縦断面図
【図3】電池の微小短絡を起こしていないサイクルでの定電流充電での充電曲線図
【図4】電池の微小短絡を起こしていないサイクルと微小短絡を起こしたサイクルでの定電流での充電曲線図
【図5】電池の微小短絡を起こしていないサイクルと微小短絡を起こしたサイクルでの定電流での充電曲線図
【図6】電池の微小短絡を起こしていないサイクルでの定電圧充電での充電曲線図
【図7】電池の微小短絡を起こしていないサイクルと微小短絡を起こしたサイクルでの定電圧での充電曲線図
【図8】電池の微小短絡を起こしていないサイクルと微小短絡を起こしたサイクルでの定電圧での充電曲線図
【符号の説明】
3 正極
4 負極
5 セパレ−タ
6 ガスケット
7 封口板
8 ケ−ス

Claims (3)

  1. 電圧を制御した充電時に時間とともに充電電流が上昇、低下の繰り返しによる乱れにより微小短絡を検出することを特徴とする充電式リチウム電池の微小短絡検出法。
  2. 電圧を制御した充電時に、時間とともに充電電流が上昇、低下の繰り返しによる乱れにより微小短絡を検出した後、充電を停止することを特徴とする充電式リチウム電池の充電方法。
  3. 求項2の充電方法を用いることを特徴とする充電式リチウム電池の充電器。
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