JP3596582B2 - 放電ランプおよび処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、希ガスが封入された放電ランプおよび処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の放電ランプとしては、たとえば特公平8−21369号公報に記載の構成が知られている。
【0003】
この特公平8−21369号公報には、紫外光を透過する電気絶縁体である石英製のガラス容器内にキセノン(Xe)などの紫外線を発光する物質を封入し、ガラス容器の外部にメッシュ状の電極を配設し、ガラス容器自体を誘電体として、電極に高電圧を印加して放電させたいわゆる誘電体バリア放電である。
【0004】
また、放電はガラス容器を介しての放電のため、いわゆる無声放電となり、パルス状の電流が流れる。
【0005】
そして、このパルス状の電流は、高速の電子流を持ち、休止区間が多いため、キセノンなどの紫外線を出す物質を多量に励起し、励起された物質が一時的にエキシマ状態の分子状態に結合し、基底状態に戻るときに再吸収の少ない紫外光を効率良く放出する。
【0006】
また、メッシュ状の電極を用いるため、大面積に安定的に放電を生ぜしめ、安定放電時には、電極の各メッシュの交点付近で発光が観測される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公平8−21369号公報に記載の構成では、誘電体となるガラス容器を介して放電するため、数kVの電圧を印加する必要があるとともに、発光量を増加させるには高電圧を印加しなければならない問題を有している。
【0008】
特に、放電ランプの光量を増加させたり、放電ランプを長尺とするときは、ガラス容器を介しての放電のため、絶縁破壊電圧を越す高電圧を印加しなければならず、また、電子付着性のハロゲンガスを封入したときには、電子がハロゲンガスに付着してしまい、全路破壊に至りにくく、高電圧が必要になる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、高電圧を印加することなく高効率で出力する放電ランプおよび処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の放電ランプは、気密に構成され希ガスが封入された放電空間を形成する少なくとも一部に紫外光を透過する電気絶縁体を有する容器と;一対の電極とを備え、一方の電極は容器内の放電空間に収納され電圧が印加されて加熱される電極で、他方の電極はこの加熱される電極と対をなし容器外に設けられた電極であるもので、放電空間内に収納され加熱される電極は、容器外に設けられた電極と容器を介して電極間で放電し、この放電の際に加熱される電極に電圧を印加して加熱することにより熱電子放出し、放電空間内に十分な電子を与えることにより、放電を容易にすることにより全路破壊を容易にして始動電圧などの印加電圧を低下させる。
【0011】
請求項2記載の放電ランプは、請求項1記載の放電ランプにおいて、ハロゲン族のガスと、希ガスの少なくともいずれかを具備しているもので、これらの電子付着性が比較的高いガスを用いても、十分に熱電子が放出されることにより、放電を容易にして全路破壊を容易にし始動電圧などの印加電圧を低下させ、ハロゲン族のガスからもしくはハロゲン族のガスと希ガスから形成されるエキシマガスからの発光を容易に得られる。
【0012】
請求項3記載の放電ランプは、請求項1または2記載の放電ランプにおいて、紫外光を可視光に変換する蛍光体を具備しているもので、可視光を生ずる。
【0013】
請求項4記載の処理装置は、請求項1ないし3いずれか記載の放電ランプと;この放電ランプを収容する処理装置本体とを具備しているもので、それぞれの作用を奏する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の処理装置を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は処理装置の縦断面を示す説明図で、図1に示すように、放電ランプ1は、電気絶縁体である石英ガラスのガラス容器2を有している。そして、このガラス容器2は全長200mm、外径30mm、内径27mm、肉厚1.5mmの円筒状で両端は封着されている。この閉塞されたガラス容器2内には気密に放電空間3が形成され、この放電空間3には紫外光を発光する希ガスのキセノンガス(Xe)が53000PaとCH2 Br2 の形の臭素ガスが1000ppmとが封入されている。
【0016】
また、ガラス容器2の外面に円筒状でメッシュ状の電極4が形成され、ランプ内には線径0.15mmのタングステンのフィラメント電極5が収納されている。
【0017】
さらに、電極4およびフィラメント電極5間には、周波数40kHzの電源6が接続され、フィラメント電極5の両端間には商用交流電源などの加熱電源7が接続されている。
【0018】
また、これらはインク硬化、半導体の付着物のアッシング用の灰化装置、浄水装置あるいは殺菌用の紫外線などを照射する処理装置本体8に収容されている。
【0019】
次に、上記実施の形態の動作について説明する。
【0020】
まず、電源6から放電ランプ1の電極4およびフィラメント電極5間に、40kHzの高周波電圧を印加するとともに、フィラメント電極5の両端間に加熱電源7から電圧を印加し、フィラメント電極5を色温度約1700Kに加熱する。
【0021】
すると、これら電極4およびフィラメント電極5間に、ガラス容器2を介して、放電空間3内で放電が生じる。この放電は、高周波の無声放電であるいわゆるバリアー放電であり、糸状の放電が多数本生じて、この放電から紫外線が誘起され、紫外光を照射する。
【0022】
また、実験によれば、放電空間3内に、キセノンガスとCH2 Br2 の形の臭素ガスとが封入されている場合、電源6で5kV印加しても放電は開始しないものの、加熱電源7でフィラメント電極5を色温度1700Kに加熱することにより、電源6からの印加電圧が3.5kVでも安定的に放電する。
【0023】
同様に、放電空間3内に、キセノンガスが封入されている場合、電源6で1.7kV印加することにより放電が開始するものの、加熱電源7でフィラメント電極5を色温度1700Kに加熱することにより、電源6からの印加電圧が0.8kVでも安定的に放電する。
【0024】
すなわち、加熱電源7でフィラメント電極5を加熱することにより、初期電子が少なくてもフィラメント電極5から熱電子が放出され、放電空間3内に電子を供給することにより、ハロゲンガスなどの電子付着性の高いガスが含まれても、ガラス容器2を介しても電圧を高くすることなく、放電を得ることができる。
【0025】
一方、放電空間3内に、キセノンガスと臭素(Br)ガスとが封入されている場合、キセノンの波長172nmと、臭素の波長282nmの光が観測され、近傍に3波長型蛍光ランプを配置することにより、白色発光が得られた。
【0026】
したがって、たとえば放電ランプ1の内面または外部に、紫外光を可視光に変換する赤色にピーク波長を有する蛍光体(Y,Gd)BO3:Eu、緑色にピーク波長を有する蛍光体LaPO4:Ce,Teと、青色にピーク波長を有する蛍光体(Ba,Eu)MgAl10O17との混合蛍光体を位置せしめれば、放電ランプ1からの紫外光が蛍光体に到達し、この蛍光体を励起して一様な白色光を生じる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1記載の放電ランプによれば、容器を介して電極間で放電する際に、放電空間内の加熱される電極に電圧を印加して加熱することにより熱電子放出し、放電空間内に十分な電子を与えることにより、放電を容易にすることにより全路破壊を容易にして始動電圧などの印加電圧を低下できる。
【0028】
請求項2記載の放電ランプによれば、請求項1記載の放電ランプに加え、ハロゲン族のガスのように電子付着性が比較的高いガスを用いても、十分に熱電子が放出されることにより、放電を容易にして全路破壊を容易にし始動電圧などの印加電圧を低下でき、ハロゲン族のガスからもしくはハロゲン族のガスと希ガスから形成されるエキシマガスからの発光を容易に得られることができる。
【0029】
請求項3記載の放電ランプによれば、請求項1または2記載の放電ランプに加え、紫外光を可視光に変換する蛍光体を具備したので、可視光を生ずることができる。
【0030】
請求項4記載の処理装置によれば、請求項1ないし3いずれか記載の放電ランプを収容する処理装置本体とを具備したので、それぞれの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理装置の一実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 放電ランプ
2 ガラス容器
3 放電空間
4 電極
5 フィラメント電極
8 処理装置本体
Claims (4)
- 気密に構成され希ガスが封入された放電空間を形成する少なくとも一部に紫外光を透過する電気絶縁体を有する容器と;
一対の電極とを備え、
一方の電極は容器内の放電空間に収納され電圧が印加されて加熱される電極で、他方の電極はこの加熱される電極と対をなし容器外に設けられた電極であることを特徴とする放電ランプ。 - ハロゲン族のガスと、希ガスの少なくともいずれかを具備している
ことを特徴とする請求項1記載の放電ランプ。 - 紫外光を可視光に変換する蛍光体
を具備していることを特徴とする請求項1または2記載の放電ランプ。 - 請求項1ないし3いずれか記載の放電ランプと;
この放電ランプを収容する処理装置本体と;
を具備していることを特徴とする処理装置。
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