JP3596909B2 - 液体供給システムの隔膜検査方法およびそのための装置 - Google Patents
液体供給システムの隔膜検査方法およびそのための装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、給水システムの圧力タンク等に設けられている隔膜の劣化状態を診断するために用いて好適な、液体供給システムの隔膜検査方法と、そのための装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
液体供給システムの代表例である給水システムには、一般に、受水槽内の水を給水管を介して各家庭に送り込むための液体ポンプと、この液体ポンプの吐出側直後の位置で給水管から分岐して接続されている圧力タンクと、この圧力タンク内の圧力を検知して所定の信号を出力する圧力スイッチと、この圧力スイッチの信号によって液体ポンプを制御する制御装置とが備えられている。ここで、上記圧力スイッチは、圧力タンク内の圧力がポンプ停止圧力Poff以上に上昇したときに液体ポンプを停止させる信号を出力し、該圧力がポンプ起動圧力Pon以下に低下したときに液体ポンプを停止させる信号を出力するというものである。また、上記圧力タンクの内部には、ダイヤフラムと称されるゴム製の隔膜が設けられていて、この伸縮性の隔膜で空気を密閉することにより、圧力タンク内には給排水される水から隔てられた状態で高圧の空気が封入されている。
【0003】
そして、液体ポンプからの給水が停止しているときに各家庭で水道水が使用されると、それに伴い圧力タンク内の水が減って封入空気の圧力が徐々に低下していき、該圧力がポンプ起動圧力Ponに達した時点で、上記圧力スイッチが作動して液体ポンプが起動し、給水が再開されるようになっている。
【0004】
ところで、このような給水システムにおいては、液体ポンプの起動・停止や水道水の使用に伴い、圧力タンク内の隔膜が伸縮を繰り返し、且つ該隔膜を圧力タンクの内壁に固定している部位が屈曲を繰り返すので、長年使用すると隔膜自体が劣化したり、あるいは隔膜の上記固定部位が劣化して、圧力タンク内の封入空気が洩れだす危険性があり、その場合、正常な給水が行えなくなるばかりか、液体ポンプが頻繁に起動と停止を繰り返して焼損する等の重大事故を引き起こしかねない。そこで従来は、予め設定されている所定期間経過したなら、隔膜が許容範囲を越えて劣化したものとみなし、圧力タンクごと交換していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
だが、実際には、圧力タンク内の隔膜の劣化は使用状況等により異なり、交換サイクルである所定期間経過しても隔膜がさほど劣化していない場合や、急速に劣化した隔膜が所定期間経過する前に機能低下を起こす場合がある。それゆえ、上述したように予め定められた期間を経過した時点で圧力タンクごと交換するという従来の手法は、まだ十分に使用できる圧力タンクを無駄に交換する可能性があり、また、予想外に早い隔膜の機能低下によって招来される液体ポンプの焼損や圧力タンクからの水洩れ事故が回避できないという難点があった。
【0006】
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、圧力タンク等の容器内の隔膜の劣化状態が簡単且つ的確に診断できて該容器の適切な交換時期が把握できる、液体供給システムの隔膜検査方法を提供することにあり、また、本発明の第2の目的は、そのような検査に用いられる隔膜検査装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記第1の目的は、液体ポンプ手段の吐出側に連結されて内部に伸縮性の隔膜を有する容器を備えた液体供給システムにおいて、上記液体ポンプ手段から吐出された液体を上記容器内に注入した後、該液体ポンプ手段と該容器内とを遮断した状態で、該容器内に連通せしめた測定用の排出経路を介して一定の条件で液体を排出し、この排出に伴う該容器内の液体の圧力の時間的変化を測定して、その測定結果を、上記隔膜が劣化していない時期に同様の手順で測定して得た基準値と比較して、該隔膜の劣化状態の診断を行うことによって達成される。また、上記第1の目的を、液体供給システムを稼動させたまま達成するためには、上記液体ポンプ手段から吐出された液体を上記容器内に注入し、該液体ポンプ手段からの液体の供給を停止させた後、該容器内に連通せしめた測定用の排出経路を介して一定の条件で液体を排出したときの該容器内の液体の圧力の時間的変化と、該排出経路からの液体の排出を停止させたときの該容器内の液体の圧力の時間的変化とを測定し、これらの測定結果に基づいて、上記排出経路からの排出による上記容器内の液体の圧力の時間的変化を演算し、その演算結果を、上記隔膜が劣化していない時期に測定して得た基準値と比較して、該隔膜の劣化状態の診断を行えば良い。
【0008】
また、本発明の上記第2の目的は、上記容器内に連通せしめた測定用の排出経路を有し該容器内の液体を一定の条件で排出可能な排出経路手段と、この排出経路手段を液体の排出が可能な状態と不能な状態とに切り替える切替手段と、上記排出経路内を流れる液体の圧力値を測定する測定手段と、この測定手段の測定結果に基づく上記容器内の液体の圧力の時間的変化を基準値と比較して上記隔膜の劣化状態の診断を行う診断手段とを備えることによって達成される。
【0009】
【作用】
液体ポンプ手段と圧力タンク等の容器内とを遮断した状態で、該容器内に連通せしめた測定用の排出経路を介して一定の条件で液体を排出していくと、該容器内に封入されて隔膜により液体と隔てられた気体の圧力が時間の経過と共に次第に低下していくが、隔膜の劣化が進行して封入気体が漏洩している場合、隔膜が劣化していない場合に比べて、上記排出経路からの液体の排出に伴う該封入気体の圧力変化(低下のしかた)は速くなる。そのため、容器内の封入気体の圧力とほぼ等価な液体の圧力の時間的変化を測定し、その測定結果を、隔膜が劣化していない時期に測定して得た基準値と比較してやれば、該隔膜の劣化状態を簡単且つ的確に診断することができる。
【0010】
また、液体ポンプ手段と容器内とを遮断せず、測定用の排出経路以外からも液体が排出可能な場合には、該排出経路を介して一定の条件で液体を排出したときの該容器内の液体の圧力変化を、該排出経路からの排水を停止させたときの圧力変化データを参照して補正し、これを基準値と比較することにより、液体供給システムを稼動させたまま、隔膜の劣化状態を簡単且つ的確に診断することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明に係るダイヤフラム式給水システムとそこに用いた隔膜検査装置とを示す概略構成図、図2は該隔膜検査装置の要部を示すブロック図である。
【0013】
これらの図において、符号1は受水槽、2はこの受水槽1に接続された液体ポンプ、3はこの液体ポンプ2の吐出側から各家庭の水道コック7まで延設されている給水管、4は液体ポンプ2の吐出側直後の位置で給水管3から分岐して接続され、大気圧よりも高圧な空気を封入した空気室4Aと液体ポンプ2から供給される水を貯めておく水室4Bとを有する圧力タンク、5はこの圧力タンク4内に設けられ、空気室4A内の封入空気と水室4B内の水とを隔てるダイヤフラムとも称される伸縮ゴム製の隔膜、6は圧力タンク4内の圧力を検出して所定の信号を出力する圧力スイッチであり、この圧力スイッチ6は、水室4B内の水圧がポンプ停止圧力Poff以上に上昇したときに液体ポンプ2を停止させる信号を出力し、該水圧がポンプ起動圧力Pon以下に低下したときに液体ポンプ2を起動させる信号を出力する。また、符号8Aは通常は開栓されていて必要時に給水管3と圧力タンク4との連通を遮断するための仕切弁、8Bは通常は閉栓されていて必要時に圧力タンク4と後述する隔膜検査装置とを連通させるための仕切弁である。なお、図1中の符号Qcは、給水管3を介して各家庭の水道コック7へ供給される水道水を示している。
【0014】
符号9〜14は隔膜検査装置の構成要素であって、9は圧力センサ、10は処理装置、11はボールバルブ、12は制御用コック、13は排水口、14は排水管を示している。ここで、圧力センサ9は、仕切弁8Bの吐出側から排水口13まで延びている排水管14内の水圧を測定するためのもので、この排水管14の途中に設けたボールバルブ11の開閉動作によって、排水管14内を流れる測定用水Qtを排水口13から排出させるか否かの切り替えが行われる。また、処理装置10は、図2に示すように、ボールバルブ11が開栓した後の経過時間を計測するタイマ101と、このタイマ101からの信号に応じてボールバルブ11の開閉の切り替えを制御する開閉制御手段103と、タイマ101や圧力センサ9から送られてくる測定値を演算する演算部104と、その演算結果を記憶するメモリ102と、必要な演算結果を出力する出力手段105とを備えており、演算部104において、メモリ102に記憶されているデータどうしの比較が行えるようになっている。
【0015】
なお、図2に示す隔膜検査装置では、タイマ101からの信号に応じてボールバルブ11の開閉動作が自動的に行われるように設定してあるが、タイマ101との同期を確認しながら手動でボールバルブ11を開閉しても良い。また、図3に示すように、液体ポンプ2を停止させるための信号が圧力スイッチ6から出力されたとき、タイマ101に対して計時動作の開始を指令するとともに、同図では省略してある仕切弁8Aに対して閉栓を指令するような制御部106を、処理装置10に付設しておけば、自動的に測定を開始させることができる。
【0016】
このような給水システムの動作原理は、概略次のとおりである。
【0017】
いま、給水が完了して液体ポンプ2が停止しているとき、水道コック7が開かれると、隔膜5を介して空気室4A内の封入空気から圧力を受けている水室4B内の水は、圧力タンク4内から給水管3内へと押し出されるので、該水道コック7から水道水Qcが排出されていき、それに伴い圧力タンク4内の水圧が徐々に低下していく。そして、圧力タンク4内の水圧がポンプ起動圧力Ponまで低下すると、圧力スイッチ6が作動して液体ポンプ2が起動し、該ポンプ2から水が圧力タンク4の水室4B内へ送られてくるので、圧力タンク4内の水圧が徐々に上昇し、この水圧がポンプ停止圧力Poffに達した時点で、圧力スイッチ6が作動して液体ポンプ2が停止する。
【0018】
次に、上述した隔膜検査装置を用いて隔膜5の劣化状態を診断する検査方法について説明する。なお、本発明による隔膜検査方法は、隔膜5が劣化していない時期に予め基準となるデータを求めておき、その後の任意時期に測定して得たデータを基準データと比較して、隔膜5の劣化状態を診断するというものである。
【0019】
まず、図4,5を参照しつつ、本発明方法の第1実施例について説明する。
【0020】
この実施例におけるデータの取り方は、図4のフローチャートに示すように、まず初期設定として、ボールバルブ11を閉じたまま、通常は閉じている仕切弁8Bを開き、開状態の仕切弁8Aを介して行われる圧力タンク4内への給水を完了させて、液体ポンプ2を停止状態にする(S1)。この後、仕切弁8Aを閉じて(S2)、圧力タンク4内の封入空気の圧力とほぼ等価な排水管14内の水圧を圧力センサ9にて読み込み、その値をPoffとする(S3)。さらに、制御用コック12の開度を一定にしたままボールバルブ11を開くことによって、排水管14内を流れる測定用水Qtを排水口13から一定の条件で排出させるとともに、該ボールバルブ11の開栓時にタイマ101の計時動作を開始させる(S4)。こうして排水口13からの一定条件での排水が継続されると、それに伴い圧力タンク4内の水が減少し、よって排水管14内の水圧が徐々に低下していくので、タイマ101がスタートしてから所定時間t1が経過したときに、圧力センサ9にて圧力値を読み込み、その値をP1とする(S5)。測定開始時の圧力値Poffや時間t1経過後の圧力値P1は、演算部104において演算処理された後、その演算結果がメモリ102に記憶されるようになっているので、隔膜5が劣化していない時期の測定結果は基準値として記憶される(S6)。
【0021】
こうして予め基準値が記憶されている給水システムにおいて、一定期間後(例えば半年後)に隔膜5の劣化状態を診断する際には、まず上記と同様の手順で、測定開始時の圧力値Poffや時間t1経過後の圧力値P1を測定して演算処理し、その測定結果をメモリ102に記憶させる(S7)とともに、この新たに記憶された測定結果と既に記憶されている基準値との比較が、演算部104において行われ(S8)、比較演算した結果に基づいて隔膜5の劣化状態が診断される(S9)。そして、診断の結果、隔膜5に有意な劣化が認められなければ異常なしと判定されるが、隔膜5に有意な劣化が認められたときには、劣化状態の内容が出力手段105から出力され(S10)、劣化の程度に応じて次回の診断時期や圧力タンク4の交換時期等についての再検討が行われる。
【0022】
図5は、かかる第1実施例による測定結果の一例を示す特性図で、ボールバルブ11を開栓してからの経過時間を横軸に示し、圧力センサ9にて測定した圧力値を縦軸に示している。すなわち、隔膜5の劣化が進行して封入空気の漏洩が発生していると、隔膜5が劣化していない場合に比べて、圧力タンク4内の水の減少に伴う該封入空気の圧力の低下のしかた(圧力変化)が速くなるので、上述したように圧力タンク4への給水が完了した状態で仕切弁8Aを閉じてボールバルブ11を開き、このボールバルブ11の開栓時における排水管14内の水圧と、所定時間t1経過後に排水口13からの排水に伴って低下する該水圧とを測定すれば、その間の圧力変化に隔膜5の劣化状態が反映されることとなる。したがって、図5に示すように、隔膜5の劣化がある程度進行している場合には、劣化していない場合(基準値)に比べて、圧力タンク4内の水圧を示す排水管14内の水圧が時間の経過に伴って急速に低下し、また、隔膜5がさらに劣化している場合には該水圧の時間的変化はより急激なものとなるので、かかる圧力変化から隔膜5の劣化状態を把握することが可能となる。
【0023】
なお、上記第1実施例において、圧力センサ9は排水管14内の水圧を絶えず測定しており、これら測定値が送られてくる演算部104が、タイマ101から特定の計時信号が出力されたときに該圧力センサ9の信号(測定値)を読み込むので、測定開始時の圧力値Poffと所定時間t1経過後の圧力値P1だけでなく、その間の圧力値も読み込んで、排水管14内の水圧の時間的変化をより正確に求めても良い。
【0024】
次に、図6ないし図8を参照しつつ、本発明方法の第2実施例について説明する。すなわち、前記第1実施例は仕切弁8Aを閉じた状態で行う隔膜検査方法であったが、以下に説明する第2実施例は、仕切弁8Aを開いて水道コック12への通常の給水を確保しながら行う隔膜検査方法である。
【0025】
この第2実施例は、まず、前記第1実施例と同様の手順で、予め基準値を設定しておく。したがって、排出口13からの排水のみに依拠する圧力タンク4内の水圧の時間的変化を示す基準値を測定するときには、仕切弁8Aを閉じておく。こうして基準値の設定が完了している給水システムに対し、一定期間後(例えば半年後)に隔膜5の劣化状態を診断する際には、まず初期設定として、ボールバルブ11を閉じたまま、通常は閉じている仕切弁8Bを開き、開状態の仕切弁8Aを介して行われる圧力タンク4内への給水を完了させて、液体ポンプ2を停止状態にする(U1)。この後、仕切弁8Aを開いたまま、排水管14内の水圧を圧力センサ9にて読み込み、その値をPoffとする(U2)。さらに、タイマ101の計時動作を開始させるとともに、このタイマ101から出力される信号により自動的に、開閉制御手段103を介してボールバルブ11を開栓し、制御用コック12の開度を一定にしたまま排水口13から測定用水Qtを一定の条件で排出させる(U3)。その結果、排水口13からは一定の条件でQtの排水が継続されるが、仕切弁8Aが開いているので水道コック12からQcの排水もあり、これらQtおよびQcの排水に伴って圧力タンク4内の水は減少していく。そして、タイマ101から所定時間t1が経過したことを知らせる信号が出力されたときに、開閉制御手段103を介してボールバルブ11を閉じるとともに、圧力センサ9の圧力値P1を読み込む(U4)。こうしてボールバルブ11が閉栓状態に保たれているとき、圧力タンク4内の水圧はQcの排水のみによって低下していくが、タイマ101から所定時間t2が経過したことを知らせる信号が出力されたなら、再びボールバルブ11を開栓し、そのときの圧力値P2を読み込む(U5)。以後、所定の時間が経過する毎にボールバルブ11の閉栓と開栓を繰り返し、そのつど圧力センサ9にて圧力値を読み込でいくことにより、図7およびその部分拡大図である図8に実線で示すように、圧力タンク4内の水圧の時間的変化がわかる。
【0026】
そこで、ボールバルブ11が開栓状態のときの圧力値(図8のX部分)から、ボールバルブ11が閉栓状態のときの圧力値(図8のY部分)を差し引くという演算、つまりQtおよびQcの排水に依拠する圧力変化からQcの排水のみに依拠する圧力変化を除くという演算を、演算部104に行わせることにより、一定の条件でQtだけが排水された場合の圧力値(図7の破線部分および図8のZ部分)を近似的に求めることができる。
【0027】
こうして、排出口13からの排水のみに依拠する圧力タンク4内の水圧の時間的変化を演算して求めたなら、以後の手順は前期第1実施例と同様である。すなわち、まず該演算結果を測定値としてメモリ102に記憶させる(U6)とともに、演算部104において、この新たに記憶された演算結果を既に記憶されている基準値と比較し(U7)、次いで比較演算した結果に基づいて隔膜5の劣化状態を診断し(U8)、診断の結果、隔膜5に有意な劣化が認められたときには、劣化状態の内容を出力手段105から出力する(U9)。
【0028】
なお、上記第2実施例では仕切弁8Aを閉じて基準値を測定しているが、図6のフローチャートと同様の手順で、つまり仕切弁8Aを開いて水道コック12への通常の給水を確保しながら、基準値を設定しても良い。
【0029】
また、上記第2実施例において、ボールバルブ11の開閉時に僅かながらウォータハンマ現象が発生することが考えられるため、圧力センサ9にて測定した圧力値を演算部104が読み込むタイミングを、ボールバルブ11の開閉動作のタイミングと一致させるのではなく、該開閉動作の直前および直後の圧力値を読み込むように演算部104を制御しておけば、より正確な測定が行える。
【0030】
さらにまた、上記第1および第2実施例において、隔膜5として伸縮性のビニルや蛇腹状の金属を使用しても良く、処理装置10として通常のコンピュータを使用しても良く、タイマ101にボールバルブ11の開閉動作を制御する機能を持たせて単独の開閉制御手段103を省略しても良く、ボールバルブ11に絞り機能を持たせて制御用コック12を省略しても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、圧力タンク等の容器内の封入気体の圧力とほぼ等価な液体の圧力の時間的変化を測定し、その測定結果を、該容器内の隔膜が劣化していない時期に測定して得た基準値と比較することにより、該隔膜の劣化状態を簡単且つ的確に診断することができるので、該容器の適切な交換時期が把握できるという優れた効果を奏し、その結果、まだ十分に使用できる容器を無駄に交換する虞がなくなるとともに、予想外に早い隔膜の機能低下に起因する液体ポンプの焼損等の重大事故が回避できて、コストメリットが大きく信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイヤフラム式給水システムとそこに用いた隔膜検査装置とを示す概略構成図である。
【図2】該隔膜検査装置の要部を示すブロック図である。
【図3】該隔膜検査装置の応用例の要部を示すブロック図である。
【図4】本発明による隔膜検査方法の第1実施例を示すフローチャートである。
【図5】第1実施例における測定結果の一例を示す特性図である。
【図6】本発明による隔膜検査方法の第2実施例を示すフローチャートである。
【図7】第2実施例における測定結果の一例を示す特性図である。
【図8】図7の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 受水槽
2 液体ポンプ
3 給水管
4 圧力タンク
4A 空気室
4B 水室
5 隔膜(ダイヤフラム)
6 圧力スイッチ
7 水道コック
8A,8B 仕切弁
9 圧力センサ(測定手段)
10 処理装置(診断手段)
11 ボールバルブ(切替手段)
12 制御用コック
13 排水口
14 排水管(排水経路)
101 タイマ
102 メモリ
103 開閉制御手段
104 演算部
105 出力手段
【産業上の利用分野】
本発明は、給水システムの圧力タンク等に設けられている隔膜の劣化状態を診断するために用いて好適な、液体供給システムの隔膜検査方法と、そのための装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
液体供給システムの代表例である給水システムには、一般に、受水槽内の水を給水管を介して各家庭に送り込むための液体ポンプと、この液体ポンプの吐出側直後の位置で給水管から分岐して接続されている圧力タンクと、この圧力タンク内の圧力を検知して所定の信号を出力する圧力スイッチと、この圧力スイッチの信号によって液体ポンプを制御する制御装置とが備えられている。ここで、上記圧力スイッチは、圧力タンク内の圧力がポンプ停止圧力Poff以上に上昇したときに液体ポンプを停止させる信号を出力し、該圧力がポンプ起動圧力Pon以下に低下したときに液体ポンプを停止させる信号を出力するというものである。また、上記圧力タンクの内部には、ダイヤフラムと称されるゴム製の隔膜が設けられていて、この伸縮性の隔膜で空気を密閉することにより、圧力タンク内には給排水される水から隔てられた状態で高圧の空気が封入されている。
【0003】
そして、液体ポンプからの給水が停止しているときに各家庭で水道水が使用されると、それに伴い圧力タンク内の水が減って封入空気の圧力が徐々に低下していき、該圧力がポンプ起動圧力Ponに達した時点で、上記圧力スイッチが作動して液体ポンプが起動し、給水が再開されるようになっている。
【0004】
ところで、このような給水システムにおいては、液体ポンプの起動・停止や水道水の使用に伴い、圧力タンク内の隔膜が伸縮を繰り返し、且つ該隔膜を圧力タンクの内壁に固定している部位が屈曲を繰り返すので、長年使用すると隔膜自体が劣化したり、あるいは隔膜の上記固定部位が劣化して、圧力タンク内の封入空気が洩れだす危険性があり、その場合、正常な給水が行えなくなるばかりか、液体ポンプが頻繁に起動と停止を繰り返して焼損する等の重大事故を引き起こしかねない。そこで従来は、予め設定されている所定期間経過したなら、隔膜が許容範囲を越えて劣化したものとみなし、圧力タンクごと交換していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
だが、実際には、圧力タンク内の隔膜の劣化は使用状況等により異なり、交換サイクルである所定期間経過しても隔膜がさほど劣化していない場合や、急速に劣化した隔膜が所定期間経過する前に機能低下を起こす場合がある。それゆえ、上述したように予め定められた期間を経過した時点で圧力タンクごと交換するという従来の手法は、まだ十分に使用できる圧力タンクを無駄に交換する可能性があり、また、予想外に早い隔膜の機能低下によって招来される液体ポンプの焼損や圧力タンクからの水洩れ事故が回避できないという難点があった。
【0006】
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、圧力タンク等の容器内の隔膜の劣化状態が簡単且つ的確に診断できて該容器の適切な交換時期が把握できる、液体供給システムの隔膜検査方法を提供することにあり、また、本発明の第2の目的は、そのような検査に用いられる隔膜検査装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記第1の目的は、液体ポンプ手段の吐出側に連結されて内部に伸縮性の隔膜を有する容器を備えた液体供給システムにおいて、上記液体ポンプ手段から吐出された液体を上記容器内に注入した後、該液体ポンプ手段と該容器内とを遮断した状態で、該容器内に連通せしめた測定用の排出経路を介して一定の条件で液体を排出し、この排出に伴う該容器内の液体の圧力の時間的変化を測定して、その測定結果を、上記隔膜が劣化していない時期に同様の手順で測定して得た基準値と比較して、該隔膜の劣化状態の診断を行うことによって達成される。また、上記第1の目的を、液体供給システムを稼動させたまま達成するためには、上記液体ポンプ手段から吐出された液体を上記容器内に注入し、該液体ポンプ手段からの液体の供給を停止させた後、該容器内に連通せしめた測定用の排出経路を介して一定の条件で液体を排出したときの該容器内の液体の圧力の時間的変化と、該排出経路からの液体の排出を停止させたときの該容器内の液体の圧力の時間的変化とを測定し、これらの測定結果に基づいて、上記排出経路からの排出による上記容器内の液体の圧力の時間的変化を演算し、その演算結果を、上記隔膜が劣化していない時期に測定して得た基準値と比較して、該隔膜の劣化状態の診断を行えば良い。
【0008】
また、本発明の上記第2の目的は、上記容器内に連通せしめた測定用の排出経路を有し該容器内の液体を一定の条件で排出可能な排出経路手段と、この排出経路手段を液体の排出が可能な状態と不能な状態とに切り替える切替手段と、上記排出経路内を流れる液体の圧力値を測定する測定手段と、この測定手段の測定結果に基づく上記容器内の液体の圧力の時間的変化を基準値と比較して上記隔膜の劣化状態の診断を行う診断手段とを備えることによって達成される。
【0009】
【作用】
液体ポンプ手段と圧力タンク等の容器内とを遮断した状態で、該容器内に連通せしめた測定用の排出経路を介して一定の条件で液体を排出していくと、該容器内に封入されて隔膜により液体と隔てられた気体の圧力が時間の経過と共に次第に低下していくが、隔膜の劣化が進行して封入気体が漏洩している場合、隔膜が劣化していない場合に比べて、上記排出経路からの液体の排出に伴う該封入気体の圧力変化(低下のしかた)は速くなる。そのため、容器内の封入気体の圧力とほぼ等価な液体の圧力の時間的変化を測定し、その測定結果を、隔膜が劣化していない時期に測定して得た基準値と比較してやれば、該隔膜の劣化状態を簡単且つ的確に診断することができる。
【0010】
また、液体ポンプ手段と容器内とを遮断せず、測定用の排出経路以外からも液体が排出可能な場合には、該排出経路を介して一定の条件で液体を排出したときの該容器内の液体の圧力変化を、該排出経路からの排水を停止させたときの圧力変化データを参照して補正し、これを基準値と比較することにより、液体供給システムを稼動させたまま、隔膜の劣化状態を簡単且つ的確に診断することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明に係るダイヤフラム式給水システムとそこに用いた隔膜検査装置とを示す概略構成図、図2は該隔膜検査装置の要部を示すブロック図である。
【0013】
これらの図において、符号1は受水槽、2はこの受水槽1に接続された液体ポンプ、3はこの液体ポンプ2の吐出側から各家庭の水道コック7まで延設されている給水管、4は液体ポンプ2の吐出側直後の位置で給水管3から分岐して接続され、大気圧よりも高圧な空気を封入した空気室4Aと液体ポンプ2から供給される水を貯めておく水室4Bとを有する圧力タンク、5はこの圧力タンク4内に設けられ、空気室4A内の封入空気と水室4B内の水とを隔てるダイヤフラムとも称される伸縮ゴム製の隔膜、6は圧力タンク4内の圧力を検出して所定の信号を出力する圧力スイッチであり、この圧力スイッチ6は、水室4B内の水圧がポンプ停止圧力Poff以上に上昇したときに液体ポンプ2を停止させる信号を出力し、該水圧がポンプ起動圧力Pon以下に低下したときに液体ポンプ2を起動させる信号を出力する。また、符号8Aは通常は開栓されていて必要時に給水管3と圧力タンク4との連通を遮断するための仕切弁、8Bは通常は閉栓されていて必要時に圧力タンク4と後述する隔膜検査装置とを連通させるための仕切弁である。なお、図1中の符号Qcは、給水管3を介して各家庭の水道コック7へ供給される水道水を示している。
【0014】
符号9〜14は隔膜検査装置の構成要素であって、9は圧力センサ、10は処理装置、11はボールバルブ、12は制御用コック、13は排水口、14は排水管を示している。ここで、圧力センサ9は、仕切弁8Bの吐出側から排水口13まで延びている排水管14内の水圧を測定するためのもので、この排水管14の途中に設けたボールバルブ11の開閉動作によって、排水管14内を流れる測定用水Qtを排水口13から排出させるか否かの切り替えが行われる。また、処理装置10は、図2に示すように、ボールバルブ11が開栓した後の経過時間を計測するタイマ101と、このタイマ101からの信号に応じてボールバルブ11の開閉の切り替えを制御する開閉制御手段103と、タイマ101や圧力センサ9から送られてくる測定値を演算する演算部104と、その演算結果を記憶するメモリ102と、必要な演算結果を出力する出力手段105とを備えており、演算部104において、メモリ102に記憶されているデータどうしの比較が行えるようになっている。
【0015】
なお、図2に示す隔膜検査装置では、タイマ101からの信号に応じてボールバルブ11の開閉動作が自動的に行われるように設定してあるが、タイマ101との同期を確認しながら手動でボールバルブ11を開閉しても良い。また、図3に示すように、液体ポンプ2を停止させるための信号が圧力スイッチ6から出力されたとき、タイマ101に対して計時動作の開始を指令するとともに、同図では省略してある仕切弁8Aに対して閉栓を指令するような制御部106を、処理装置10に付設しておけば、自動的に測定を開始させることができる。
【0016】
このような給水システムの動作原理は、概略次のとおりである。
【0017】
いま、給水が完了して液体ポンプ2が停止しているとき、水道コック7が開かれると、隔膜5を介して空気室4A内の封入空気から圧力を受けている水室4B内の水は、圧力タンク4内から給水管3内へと押し出されるので、該水道コック7から水道水Qcが排出されていき、それに伴い圧力タンク4内の水圧が徐々に低下していく。そして、圧力タンク4内の水圧がポンプ起動圧力Ponまで低下すると、圧力スイッチ6が作動して液体ポンプ2が起動し、該ポンプ2から水が圧力タンク4の水室4B内へ送られてくるので、圧力タンク4内の水圧が徐々に上昇し、この水圧がポンプ停止圧力Poffに達した時点で、圧力スイッチ6が作動して液体ポンプ2が停止する。
【0018】
次に、上述した隔膜検査装置を用いて隔膜5の劣化状態を診断する検査方法について説明する。なお、本発明による隔膜検査方法は、隔膜5が劣化していない時期に予め基準となるデータを求めておき、その後の任意時期に測定して得たデータを基準データと比較して、隔膜5の劣化状態を診断するというものである。
【0019】
まず、図4,5を参照しつつ、本発明方法の第1実施例について説明する。
【0020】
この実施例におけるデータの取り方は、図4のフローチャートに示すように、まず初期設定として、ボールバルブ11を閉じたまま、通常は閉じている仕切弁8Bを開き、開状態の仕切弁8Aを介して行われる圧力タンク4内への給水を完了させて、液体ポンプ2を停止状態にする(S1)。この後、仕切弁8Aを閉じて(S2)、圧力タンク4内の封入空気の圧力とほぼ等価な排水管14内の水圧を圧力センサ9にて読み込み、その値をPoffとする(S3)。さらに、制御用コック12の開度を一定にしたままボールバルブ11を開くことによって、排水管14内を流れる測定用水Qtを排水口13から一定の条件で排出させるとともに、該ボールバルブ11の開栓時にタイマ101の計時動作を開始させる(S4)。こうして排水口13からの一定条件での排水が継続されると、それに伴い圧力タンク4内の水が減少し、よって排水管14内の水圧が徐々に低下していくので、タイマ101がスタートしてから所定時間t1が経過したときに、圧力センサ9にて圧力値を読み込み、その値をP1とする(S5)。測定開始時の圧力値Poffや時間t1経過後の圧力値P1は、演算部104において演算処理された後、その演算結果がメモリ102に記憶されるようになっているので、隔膜5が劣化していない時期の測定結果は基準値として記憶される(S6)。
【0021】
こうして予め基準値が記憶されている給水システムにおいて、一定期間後(例えば半年後)に隔膜5の劣化状態を診断する際には、まず上記と同様の手順で、測定開始時の圧力値Poffや時間t1経過後の圧力値P1を測定して演算処理し、その測定結果をメモリ102に記憶させる(S7)とともに、この新たに記憶された測定結果と既に記憶されている基準値との比較が、演算部104において行われ(S8)、比較演算した結果に基づいて隔膜5の劣化状態が診断される(S9)。そして、診断の結果、隔膜5に有意な劣化が認められなければ異常なしと判定されるが、隔膜5に有意な劣化が認められたときには、劣化状態の内容が出力手段105から出力され(S10)、劣化の程度に応じて次回の診断時期や圧力タンク4の交換時期等についての再検討が行われる。
【0022】
図5は、かかる第1実施例による測定結果の一例を示す特性図で、ボールバルブ11を開栓してからの経過時間を横軸に示し、圧力センサ9にて測定した圧力値を縦軸に示している。すなわち、隔膜5の劣化が進行して封入空気の漏洩が発生していると、隔膜5が劣化していない場合に比べて、圧力タンク4内の水の減少に伴う該封入空気の圧力の低下のしかた(圧力変化)が速くなるので、上述したように圧力タンク4への給水が完了した状態で仕切弁8Aを閉じてボールバルブ11を開き、このボールバルブ11の開栓時における排水管14内の水圧と、所定時間t1経過後に排水口13からの排水に伴って低下する該水圧とを測定すれば、その間の圧力変化に隔膜5の劣化状態が反映されることとなる。したがって、図5に示すように、隔膜5の劣化がある程度進行している場合には、劣化していない場合(基準値)に比べて、圧力タンク4内の水圧を示す排水管14内の水圧が時間の経過に伴って急速に低下し、また、隔膜5がさらに劣化している場合には該水圧の時間的変化はより急激なものとなるので、かかる圧力変化から隔膜5の劣化状態を把握することが可能となる。
【0023】
なお、上記第1実施例において、圧力センサ9は排水管14内の水圧を絶えず測定しており、これら測定値が送られてくる演算部104が、タイマ101から特定の計時信号が出力されたときに該圧力センサ9の信号(測定値)を読み込むので、測定開始時の圧力値Poffと所定時間t1経過後の圧力値P1だけでなく、その間の圧力値も読み込んで、排水管14内の水圧の時間的変化をより正確に求めても良い。
【0024】
次に、図6ないし図8を参照しつつ、本発明方法の第2実施例について説明する。すなわち、前記第1実施例は仕切弁8Aを閉じた状態で行う隔膜検査方法であったが、以下に説明する第2実施例は、仕切弁8Aを開いて水道コック12への通常の給水を確保しながら行う隔膜検査方法である。
【0025】
この第2実施例は、まず、前記第1実施例と同様の手順で、予め基準値を設定しておく。したがって、排出口13からの排水のみに依拠する圧力タンク4内の水圧の時間的変化を示す基準値を測定するときには、仕切弁8Aを閉じておく。こうして基準値の設定が完了している給水システムに対し、一定期間後(例えば半年後)に隔膜5の劣化状態を診断する際には、まず初期設定として、ボールバルブ11を閉じたまま、通常は閉じている仕切弁8Bを開き、開状態の仕切弁8Aを介して行われる圧力タンク4内への給水を完了させて、液体ポンプ2を停止状態にする(U1)。この後、仕切弁8Aを開いたまま、排水管14内の水圧を圧力センサ9にて読み込み、その値をPoffとする(U2)。さらに、タイマ101の計時動作を開始させるとともに、このタイマ101から出力される信号により自動的に、開閉制御手段103を介してボールバルブ11を開栓し、制御用コック12の開度を一定にしたまま排水口13から測定用水Qtを一定の条件で排出させる(U3)。その結果、排水口13からは一定の条件でQtの排水が継続されるが、仕切弁8Aが開いているので水道コック12からQcの排水もあり、これらQtおよびQcの排水に伴って圧力タンク4内の水は減少していく。そして、タイマ101から所定時間t1が経過したことを知らせる信号が出力されたときに、開閉制御手段103を介してボールバルブ11を閉じるとともに、圧力センサ9の圧力値P1を読み込む(U4)。こうしてボールバルブ11が閉栓状態に保たれているとき、圧力タンク4内の水圧はQcの排水のみによって低下していくが、タイマ101から所定時間t2が経過したことを知らせる信号が出力されたなら、再びボールバルブ11を開栓し、そのときの圧力値P2を読み込む(U5)。以後、所定の時間が経過する毎にボールバルブ11の閉栓と開栓を繰り返し、そのつど圧力センサ9にて圧力値を読み込でいくことにより、図7およびその部分拡大図である図8に実線で示すように、圧力タンク4内の水圧の時間的変化がわかる。
【0026】
そこで、ボールバルブ11が開栓状態のときの圧力値(図8のX部分)から、ボールバルブ11が閉栓状態のときの圧力値(図8のY部分)を差し引くという演算、つまりQtおよびQcの排水に依拠する圧力変化からQcの排水のみに依拠する圧力変化を除くという演算を、演算部104に行わせることにより、一定の条件でQtだけが排水された場合の圧力値(図7の破線部分および図8のZ部分)を近似的に求めることができる。
【0027】
こうして、排出口13からの排水のみに依拠する圧力タンク4内の水圧の時間的変化を演算して求めたなら、以後の手順は前期第1実施例と同様である。すなわち、まず該演算結果を測定値としてメモリ102に記憶させる(U6)とともに、演算部104において、この新たに記憶された演算結果を既に記憶されている基準値と比較し(U7)、次いで比較演算した結果に基づいて隔膜5の劣化状態を診断し(U8)、診断の結果、隔膜5に有意な劣化が認められたときには、劣化状態の内容を出力手段105から出力する(U9)。
【0028】
なお、上記第2実施例では仕切弁8Aを閉じて基準値を測定しているが、図6のフローチャートと同様の手順で、つまり仕切弁8Aを開いて水道コック12への通常の給水を確保しながら、基準値を設定しても良い。
【0029】
また、上記第2実施例において、ボールバルブ11の開閉時に僅かながらウォータハンマ現象が発生することが考えられるため、圧力センサ9にて測定した圧力値を演算部104が読み込むタイミングを、ボールバルブ11の開閉動作のタイミングと一致させるのではなく、該開閉動作の直前および直後の圧力値を読み込むように演算部104を制御しておけば、より正確な測定が行える。
【0030】
さらにまた、上記第1および第2実施例において、隔膜5として伸縮性のビニルや蛇腹状の金属を使用しても良く、処理装置10として通常のコンピュータを使用しても良く、タイマ101にボールバルブ11の開閉動作を制御する機能を持たせて単独の開閉制御手段103を省略しても良く、ボールバルブ11に絞り機能を持たせて制御用コック12を省略しても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、圧力タンク等の容器内の封入気体の圧力とほぼ等価な液体の圧力の時間的変化を測定し、その測定結果を、該容器内の隔膜が劣化していない時期に測定して得た基準値と比較することにより、該隔膜の劣化状態を簡単且つ的確に診断することができるので、該容器の適切な交換時期が把握できるという優れた効果を奏し、その結果、まだ十分に使用できる容器を無駄に交換する虞がなくなるとともに、予想外に早い隔膜の機能低下に起因する液体ポンプの焼損等の重大事故が回避できて、コストメリットが大きく信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイヤフラム式給水システムとそこに用いた隔膜検査装置とを示す概略構成図である。
【図2】該隔膜検査装置の要部を示すブロック図である。
【図3】該隔膜検査装置の応用例の要部を示すブロック図である。
【図4】本発明による隔膜検査方法の第1実施例を示すフローチャートである。
【図5】第1実施例における測定結果の一例を示す特性図である。
【図6】本発明による隔膜検査方法の第2実施例を示すフローチャートである。
【図7】第2実施例における測定結果の一例を示す特性図である。
【図8】図7の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 受水槽
2 液体ポンプ
3 給水管
4 圧力タンク
4A 空気室
4B 水室
5 隔膜(ダイヤフラム)
6 圧力スイッチ
7 水道コック
8A,8B 仕切弁
9 圧力センサ(測定手段)
10 処理装置(診断手段)
11 ボールバルブ(切替手段)
12 制御用コック
13 排水口
14 排水管(排水経路)
101 タイマ
102 メモリ
103 開閉制御手段
104 演算部
105 出力手段
Claims (7)
- 液体ポンプ手段の吐出側に連結されて内部に伸縮性の隔膜を有する容器を備え、上記液体ポンプ手段からの液体の供給が停止しているときに外部へ液体が排出されると、上記容器内に封入されて上記隔膜により液体と隔てられた気体の圧力が低下していく液体供給システムにおいて、
上記液体ポンプ手段から吐出された液体を上記容器内に注入した後、該液体ポンプ手段と該容器内とを遮断した状態で、該容器内に連通せしめた測定用の排出経路を介して一定の条件で液体を排出し、この排出に伴う該容器内の液体の圧力の時間的変化を測定して、その測定結果を、上記隔膜が劣化していない時期に同様の手順で測定して得た基準値と比較して、該隔膜の劣化状態の診断を行うことを特徴とする液体供給システムの隔膜検査方法。 - 液体ポンプ手段の吐出側に連結されて内部に伸縮性の隔膜を有する容器を備え、上記液体ポンプ手段からの液体の供給が停止しているときに外部へ液体が排出されると、上記容器内に封入されて上記隔膜により液体と隔てられた気体の圧力が低下していく液体供給システムにおいて、
上記液体ポンプ手段から吐出された液体を上記容器内に注入し、該液体ポンプ手段からの液体の供給を停止させた後、該容器内に連通せしめた測定用の排出経路を介して一定の条件で液体を排出したときの該容器内の液体の圧力の時間的変化と、該排出経路からの液体の排出を停止させたときの該容器内の液体の圧力の時間的変化とを測定し、これらの測定結果に基づいて、上記排出経路からの排出による上記容器内の液体の圧力の時間的変化を演算し、その演算結果を、上記隔膜が劣化していない時期に測定して得た基準値と比較して、該隔膜の劣化状態の診断を行うことを特徴とする液体供給システムの隔膜検査方法。 - 請求項2の記載において、
上記基準値を求める際に、上記液体ポンプ手段と上記容器内とを遮断した状態にして、上記排出経路からの排出による該容器内の液体の圧力の時間的変化を測定することを特徴とする液体供給システムの隔膜検査方法。 - 請求項2の記載において、
上記基準値を求める際に、上記液体ポンプ手段と上記容器内とを遮断せず、上記排出経路を介して一定の条件で液体を排出したときの該容器内の液体の圧力の時間的変化と、該排出経路からの液体の排出を停止させたときの該容器内の液体の圧力の時間的変化とを測定し、これらの測定結果に基づいて、上記排出経路からの排出による上記容器内の液体の圧力の時間的変化を演算することを特徴とする液体供給システムの隔膜検査方法。 - 液体ポンプ手段の吐出側に連結されて内部に伸縮性の隔膜を有する容器を備え、上記液体ポンプ手段からの液体の供給が停止しているときに外部へ液体が排出されると、上記容器内に封入されて上記隔膜により液体と隔てられた気体の圧力が低下していく液体供給システムにおいて、
上記容器内に連通せしめた測定用の排出経路を有し該容器内の液体を一定の条件で排出可能な排出経路手段と、この排出経路手段を液体の排出が可能な状態と不能な状態とに切り替える切替手段と、上記排出経路内を流れる液体の圧力値を測定する測定手段と、この測定手段の測定結果に基づく上記容器内の液体の圧力の時間的変化を基準値と比較して上記隔膜の劣化状態の診断を行う診断手段とを備えていることを特徴とする液体供給システムの隔膜検査装置。 - 請求項5の記載において、
上記切替手段による切替動作が行われる前後に上記測定手段にて測定される圧力値に基づいて、上記診断手段による診断が行われるように設定したことを特徴とする液体供給システムの隔膜検査装置。 - 請求項5または6の記載において、
上記切替手段の動作タイミングを指定する計時手段を備えていることを特徴とする液体供給システムの隔膜検査装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13053094A JP3596909B2 (ja) | 1994-06-13 | 1994-06-13 | 液体供給システムの隔膜検査方法およびそのための装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13053094A JP3596909B2 (ja) | 1994-06-13 | 1994-06-13 | 液体供給システムの隔膜検査方法およびそのための装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07332233A JPH07332233A (ja) | 1995-12-22 |
| JP3596909B2 true JP3596909B2 (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=15036508
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13053094A Expired - Fee Related JP3596909B2 (ja) | 1994-06-13 | 1994-06-13 | 液体供給システムの隔膜検査方法およびそのための装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3596909B2 (ja) |
-
1994
- 1994-06-13 JP JP13053094A patent/JP3596909B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07332233A (ja) | 1995-12-22 |
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