JP3598407B2 - 熱交換部品の製造方法並びに製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の目的】
【産業上の利用分野】
本発明はマイクロプロセッサやインバータ等の放熱を促す金属製の熱交換部品の製造方法並びに製造装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
集積回路など電子部品用の熱交換部品としては、金属製の基板部上に多数の放熱突起を形成したものがあり、これら突起物によって放熱作用面積の増大を図るようにしている。
ところでこのような熱交換部品の製造手法としては、精密性や生産効率において塑性加工によるものが優れる。
【0003】
塑性加工による製造手法としては、例えば本発明者がすでに提案している特願平7−21212号に示されるものがある。このものは図12に示すように、放熱突起成形型3′によって掴持型4により保持された出発素材(金属素材W′)を押圧し、成形孔21′内に出発素材(金属素材W′)の一部を絞り込み、基板部H1′の表面に放熱突起H2′を多数成形するものであって、このような熱交換部品の製造手段を採ると、例えば細く長い放熱突起H2′を形成できる。
【0004】
しかし、図示されるように出発素材(金属素材W′)を横からサポートする掴持型4等と放熱突起成形型3′との型の合わせ目があると、加圧時の高圧力によって、その合わせ目が瞬間的に幾分か広がって隙間が生じ、ここに出発素材(金属素材W′)が成形時に流れ込み、基板部H1′の放熱突起H2′が形成される面側にバリを生じさせ、これに伴い種々の問題点を派生する。
すなわち、このような状態となると出発素材(金属素材W′)の表面に塗布した潤滑材(例えばテフロン膜)がバリ状となった部分に奪われ放熱突起H2′のスムーズな成形が阻害されるということがあった。また、当然ながらバリが生じるとこれを除去する工程を必要とするし、また前記潤滑材が途切れることと相まって、特に外周側に形成される放熱突起H2′に充分に材料が流れず、その寸法が充分高く形成されないという問題も派生する。
【0005】
【開発を試みた技術的事項】
本発明はこのような背景からなされたものであって、放熱突起成形型と掴持型等との間であって、放熱突起H2′が成形される側に出発素材または出発素材と共にその表面に塗布した潤滑材が入り込むことなく、スムーズな成形が可能な熱交換部品の製造方法並びに製造装置の開発を試みたものである。
【0006】
【発明の構成】
【目的達成の手段】
すなわち請求項1記載の熱交換部品の製造方法は、金属製のブロック状の出発素材を塑性変形させ、基盤部と、この基盤部から立ち上がるように成形された多数の放熱突起とを具えた部材を製造する方法であり、前記出発素材を塑性変形させるにあたっては、連続面で形成された受入凹部とこの受入凹部の底部に穿孔された多数の成形孔を具える放熱突起成形型と、この受入凹部に進入可能でかつ押出接触面に内広がり状の保持凹部を有する押出型とを用い、前記出発素材に受入凹部内で押出型の押圧を加えて、成形孔により放熱突起を基盤から突出するように形成させると共に、押出接触面側では出発素材の一部を保持凹部に押出させてチャッキング状態とし、離型を図るようにしたことを特徴として成るものである。
【0007】
また請求項2記載の熱交換部品の製造装置は、金属製のブロック状の出発素材を塑性変形させ、基盤部と、この基盤部から立ち上がるように成形された多数の放熱突起とを具えた部材を製造する装置であり、この装置は、連続面で形成された受入凹部とこの受入凹部の底部に穿孔された多数の成形孔とを具える放熱突起成形型と、この受入凹部に進入可能でかつ押出接触面に内広がり状の保持凹部を有する押出型とを具えて成り、前記出発素材に対して、受入凹部内で押出型の押圧を加えて、成形孔により放熱突起を基盤から突出するように形成させると共に、押出接触面側では出発素材の一部を保持凹部に押出させてチャッキング状態とし、離型を図るようにしたものであることを特徴として成るものである。
【0008】
更にまた請求項3記載の熱交換部品の製造装置は、前記請求項2記載の要件に加え、前記成形孔には、絞り部と、この絞り部の奥方に在りこの絞り部よりは大きな孔径の拡開部とから成り、成形終了時に放熱突起の先端が当接しない余剰スペースを有していることを特徴として成るものである。
【0009】
更にまた請求項4記載の熱交換部品の製造装置は、前記請求項2または3記載の要件に加え、前記押出型には、前記保持凹部内に出没自在なノックピンが設けられていることを特徴として成るものである。
【0010】
更にまた請求項5記載の熱交換部品の製造装置は、前記請求項2、3または4記載の要件に加え、前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る仕切リブが形成されていることを特徴として成るものである。
【0011】
更にまた請求項6記載の熱交換部品の製造装置は、前記請求項2、3または4記載の要件に加え、前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る案内溝が形成されていることを特徴として成るものである。
【0012】
【発明の作用】
請求項1、2記載の熱交換部品の製造方法並びに製造装置によれば、放熱突起成形型の受入凹部に型の合わせ目がないため、出発素材の放熱突起が成形される側の一部が型の合わせ目に流れ込み、基板部の放熱突起が成形される面側にはバリが生じることがない。従ってこの部位のバリを後に除去する工程を必要としないし、放熱突起H2が成形される側の出発素材表面の潤滑材(潤滑膜)を破断して途切れさすことなく、変形される出発素材表面に常に留まらせておくことができる。その結果、出発素材は確実に放熱突起を形成すべく案内されるように流れて変形し、外周側の放熱突起が低く形成されるなどの問題点が生じない。なお基板部の放熱突起が成形されない面側にはバリが生じることもあるが、こちら側に生じるバリは、潤滑材を途切れさすこともなく成形される放熱突起にはほとんど影響を及ばさない。更にまた、押出型の押出接触面には、保持凹部が形成されているため、成形時に出発素材の一部が保持凹部内に充填されて、成形された製品素材が把持される。従って、成形された製品素材を放熱突起成形型から離型するのに、製品素材を把持するためのチャッキング装置等を別途必要としない。
【0013】
請求項3記載の熱交換部品の製造装置によれば、成形孔における絞り部のみが出発素材、製品素材、そして出発素材から製品素材に至るまでの中間素材(以下これらを特に区別して指さない場合には、総称して金属素材と呼称する)に接触し、拡開部は接触しないため、放熱突起の成形時に金属素材から受ける抵抗が従来の塑性加工に比べて非常に少ない。従って、基板部に対し細くて断面が複雑なものなど精巧な放熱突起を単位面積当たりに多数本塑性成形することもできる。また放熱突起成形型の成形孔は成形終了時に放熱突起の先端が当接しない余剰スペースを有しているため、従来の密閉型の手法のように遅く成形される放熱突起のために大きな成形加圧を必要とせず、遅く成形される放熱突起以外の放熱突起にとっては不必要に充満密着されることもなく、型部材の負荷が小さい。また出発素材の体積誤差や素材硬度、また放熱突起成形型等の作製誤差や成形のための潤滑膜の不均一などが従来ほど問題とならない。
【0014】
請求項4記載の熱交換部品の製造装置によれば、押出型には、保持凹部内に出没自在なノックピンが設けられているため、ノックピンを保持凹部内に出没させることにより製品素材を簡単に押出型から離型することができる。
【0015】
請求項5記載の熱交換部品の製造装置によれば、放熱突起成形型の押圧面における各成形孔の周縁には、これらを個別に仕切る仕切リブが形成されているため、出発素材が抵抗の少ない成形孔の方へ不規則に流れ込むことがない。従って放熱突起の長さが不揃いとならない。
【0016】
請求項6記載の熱交換部品の製造装置によれば、放熱突起成形型の押圧面における各成形孔の周縁には、これらを個別に仕切る案内溝が形成されているため、押圧面が平坦なものと比べて出発素材の表面に設けられる潤滑材の流動が全体的に規制される。また案内溝の案内傾斜面を徐々に潤滑材が移動して成形孔内に送り出されるため、特に長い放熱突起を形成する場合に成形初期時に成形孔内に流れ過ぎ、成形完了前に潤滑不足となるようなことがない。従って放熱突起の成形が成形初期時から成形完了時まで常にスムーズに行われ、放熱突起の長さも不揃いとならない。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の熱交換部品の製造方法並びに製造装置について図面に基づいて具体的に説明する。なお以下の説明にあたっては、まず本発明によって製造される熱交換部品Hについて説明し、次いでこのような熱交換部品Hを成形するのに使用される本発明の熱交換部品の製造装置1について説明する。そしてその後、このような熱交換部品の製造装置1の使用状態を説明しながら併せて本発明の熱交換部品の製造方法について説明する。
なお本発明においては、前記熱交換部品の製造装置1で成形を全く施していない状態の金属製の材料を出発素材W0 、加工途中のものを中間素材W1 、成形が終了した時点のものを製品素材W2 と定義し、そしてこれらすべてを特に区別して説明しない場合には金属素材Wと総称する。また前記製品素材W2 の放熱突起H2の上端を適宜切り揃え、全体にアルマイトまたはメッキ等の表面処理を施したもの、及び前記製品素材W2 のままのものを本発明の熱交換部品Hと定義する。
【0018】
まず図1に示すものは、熱交換部品Hの使用状態を示すもので、発熱が著しい電子部品Eを基板部H1にて支持して配線用基板B上に取り付けられている。このように熱交換部品Hは電子部品Eを支持することにより電子部品Eから発生する熱を放熱して電子部品Eの冷却を図っている。
【0019】
熱交換部品Hについて詳細に述べると、図2、3に示すように矩形状の基板部H1上に多数の円柱形の放熱突起H2がほぼ垂直に立ち上がるように塑性成形されている。因みにこの熱交換部品Hは主成分をアルミニウムとした金属材料から成り、基板部H1の放熱突起H2の形成された面は縦が60mm、横が60mmで、面積が3600mm2 である。また放熱突起H2の直径は0.8mmで、長さが25mm、そして基板部H1上に縦25×横25本で625本形成されており、625本の合計表面積は約40000mm2 である。従ってこの前記放熱突起H2の表面積は、放熱突起H2が形成された基板部H1の面の面積の約11倍となっている。
熱交換部品Hは以上のように放熱突起H2の単位面積当たりの本数が多くて表面積が大きいため、放熱作用面積が大きい。従って支持した電子部品Eの放熱作用に非常に優れる。
【0020】
次に本発明の熱交換部品の製造装置1について説明する。熱交換部品の製造装置1は、図4(a)に示すように出発素材W0 を押し出す押出型2と、放熱突起H2を成形するための放熱突起成形型3とを具備して成る。
まず放熱突起成形型3について説明する。放熱突起成形型3は、出発素材W0 を内部に受け入れる受入凹部3aを有し、この受入凹部3aの底部に多数の成形孔21が穿孔されている。そして本発明の特徴としてこの受入凹部3aは型のつなぎ目等の無い連続した面で形成されている。なお受入凹部3aを連続した面で形成するにあたっては、放熱突起成形型3を一体形成してもよいし、複数個の別体のブロックを隙間無く固定して接続して形成するようにしてもよい。
【0021】
上記成形孔21について説明する。成形孔21は図4(c)の拡大図に示すように出発素材W0 に最初に当接する側(図4(a)において上方)が、放熱突起H2の径を設定するための円形状の絞り部21Aとなっている。そしてこの絞り部21Aの奥方(図4(a)において下方)は、絞り部21Aより孔径の大きい拡開部21Bとなっている。なおこの絞り部21Aの形状は、本実施例では図1〜3で示される熱交換部品Hの放熱突起H2の形状に合わせて円形としたが、四角形や三角形など成形したい放熱突起H2の形状に応じて、種々改変されるものである。
【0022】
また図4(b)に示すように、放熱突起成形型3の成形孔21の周縁の押圧面22にはこれら成形孔21を個別に仕切る仕切リブ23が形成されている。この仕切リブ23は、各成形孔21内へ出発素材W0 及び中間素材W1 の一部が均等に流れ込むようにするものである。このような仕切リブ23を設けることによって、出発素材W0 及び中間素材W1 の抵抗の少ない方へ流れ込むという性質が規制され、放熱突起H2の長さが揃う。
【0023】
また長さの長い放熱突起H2を成形する場合に、出発素材W0 の表面に塗布した潤滑材が成形初期時に成形孔21へ多量に流れ込み、成形完了前に潤滑不足となって成形後半にスムーズな成形が行われないということがあった。そこでこのような場合には、図5に示すように放熱突起成形型3の成形孔21の周縁の押圧面22に、これら成形孔21を個別に仕切る案内溝25を形成しておいてもよい。なおこの案内溝25の案内傾斜面25aは、傾斜角度が1〜5°の範囲内に設定することが好ましい。
このように案内溝25を形成しておくと、まず押圧面22が平坦なものと比べて潤滑材、出発素材W0 及び中間素材W1 の成形孔21への不均等な流れ込みが規制される。そして加圧とともに案内溝25の案内傾斜面25aを徐々に潤滑材が登って成形孔21内に送り出されるため、特に長い放熱突起H2を形成する場合に成形初期時に成形孔21内に流れ過ぎて、成形完了前に潤滑不足となるようなことがない。従って放熱突起H2の成形が成形初期時から成形完了時まで常にスムーズに行われ、放熱突起H2の長さも不揃いとならない。
【0024】
次に押出型2について説明する。押出型2は、前記放熱突起成形型3の受入凹部3aに嵌挿されて出発素材W0 の一部を成形孔21内へ絞り込む。この押出型2の押出接触面10には図4(a)に示すようにアリ溝形状の保持凹部10aが形成されている。この保持凹部10aへ出発素材W0 の一部が成形時に充填されることにより、成形後に製品素材W2 が把持される。このため放熱突起成形型3からの製品素材W2 の離型を行うのに別途チャッキング装置等を必要としない。
またそして把持された製品素材W2 を押出型2から離型するために、シリンダ等により保持凹部10a内に出没自在なノックピン11が設けられている。
なお上記保持凹部10aとしては、図4(a)のアリ溝形状のもののほか、製品素材W2 が把持されるように内広がり状となる形状のものを種々適用できるものであって、例えば図6(a)に示すような逆円錐台形状ものでも構わない。また図6(b)に示すようにこのような保持凹部10aを複数個所設けるようにしても構わない。
【0025】
本発明の熱交換部品の製造装置1は以上のような構成を有し、以下この使用状態を説明しながら、併せて本発明の熱交換部品の製造方法について説明する。
(i)成形開始前(出発素材W0 )
まず図7(a)に示すように、アルミニウムから成るブロック状の出発素材W0 を放熱突起成形型3の受入凹部3a内に載置する。
【0026】
(ii)成形途中(出発素材W0 →中間素材W1 )
そして押出型2を放熱突起成形型3の受入凹部3a内に嵌挿させながら出発素材W0 に押し当てて、出発素材W0 を圧縮する。すると出発素材W0 は、一部が放熱突起成形型3の成形孔21内に絞り込まれるようにして変形し、図7(b)に示すような中間素材W1 に成形されていく。なお放熱突起成形型3の受入凹部3aが連続した面となっており、型の合わせ目がないため、そこに潤滑材や出発素材W0 の一部が流れ込むということがなく、成形が非常にスムーズであり、基板部H1の放熱突起H2が形成される面側にはバリが生じるようなこともない。従ってバリに放熱突起H2を形成するべき金属素材Wの一部や潤滑材が取られて、放熱突起H2の高さが著しく不揃いとなるようなこともない。また成形孔21の周縁の仕切リブ23により、各成形孔21へ均等な量の金属素材Wが流れ込む。なお基板部H1の放熱突起H2が成形されない面側にはバリが生じることもあるが、こちら側に生じるバリは、潤滑材を途切れさすこともなく成形される放熱突起H2には影響をほとんど及ばさない。
【0027】
(iii)成形終了(中間素材W1 →製品素材W2 )
そして更に中間素材W1 は、絞り部21Aにより横断面がほぼ円形に形成されながら下方に移動して放熱突起H2が形成されていき、図7(c)に示すような製品素材W2 に成形される。なお絞り部21Aの奥方は拡開部21Bとなっていて、放熱突起H2が上方に形成されていくとき接触しないため、加工時の抵抗が少ない。
一方、押出型2に押圧されることにより、中間素材W1 の上部の一部も押出型2の保持凹部10aに押し出されるようにして移動し、製品素材W2 と押出型2とのチャッキング状態が得られるようになる。なお押圧型の押圧は多数の放熱突起H2のいずれかの先端が、放熱突起成形型3の拡開部21Bの最奥部に当接しない範囲とする。
【0028】
(iv) 放熱突起成形型の離型(製品素材W2 )
そして以上のようにして放熱突起H2が形成されたら、図8(a)に示すように押出型2を上方に持ち上げる。すると製品素材W2 は保持凹部10aで把持されているため、同時に持ち上げられ放熱突起成形型3から離型される。
なお放熱突起成形型3が放熱突起H2と接触している部位は、絞り部21Aだけであるため、抵抗が少なく非常にスムーズに離型することができ、放熱突起H2を折ってしまうようなこともない。
【0029】
(v)押出型の離型(製品素材W2 →熱交換部品H)
そして図8(b)に示すように、ノックピン11を下方へ押し出すことにより製品素材W2 を押出型2から離型する。
そしてこのように取り出された製品素材W2 を適宜放熱突起H2の上端を切り揃え、全体にアルマイトやメッキ等の表面処理を施すことにより熱交換部品Hを得る。
【0030】
【他の実施例】
本発明は以上のものを基本とするもので、以下のような改変が行える。
<熱交換部品の他の参考形態>
まず熱交換部品Hの他の参考形態を説明する。すなわち、基板部H1の平面形状としては、矩形状のほか、円形、多角形、その他種々の形状に形成しても構わず、また平板状のほか、折れ曲がったような形状や、その他適宜の立体形状でも構わない。
また放熱突起H2の形状も円柱形のほか、図9(a)(b)(c)に示すように角柱状、翼板状、波板状など適宜の形状で形成しても構わない。また更に図10に示すような円筒状の本体部の周縁に放射状にフィンH2aが形成され、中心に芯孔H2bが貫通されるような放熱突起H2でもよい。このように放熱突起H2を形成した場合、放熱突起H2の外面積に加え、芯孔H2b内の内面積が加わるため、非常に放熱作用面積が大きい。そしてこの芯孔H2b内に例えば流体を流すことにより、熱交換率を自然放熱よりも更に増大することもできる。また図9(d)に示すものは、内部方向へ空気を受け入れやすいように、外周端の放熱突起H2を横断面が砲弾状に形成した熱交換部品Hである。
【0031】
<熱交換部品の製造方法並びに製造装置の他の実施例>
次に熱交換部品の製造方法並びに製造装置の他の実施例を説明する。図11(a)に示すものは図10の熱交換部品Hを形成するための熱交換部品の製造装置1である。このものは、前記基本実施例と同様に押出型2と放熱突起成形型3とから成っている。そして本実施例の特徴として、放熱突起成形型3に芯孔成形用ピン24が複数本成形孔21内に立っている。また押出型2には保持凹部10aが芯孔成形用ピン24の間に複数個所設けられており、この保持凹部10a内に出没可能なノックピン11が設けられている。なお放熱突起成形型3の成形孔21の形状は、図11(b)(c)に示す通り放熱突起H2の形状に対応したものである。
このような熱交換部品の製造装置1を用いて図10に示すような熱交換部品Hを形成するには、まず出発素材W0 として貫通孔W0 aを多数有するものを使用する。そしてこのような出発素材W0 を、前記芯孔成形用ピン24に貫通孔W0 aにおいて嵌挿して受入凹部3a上に載置する。そして後は前述した基本実施例のように押出型2を出発素材W0 に押し当てて放熱突起H2を形成する。
【0032】
【発明の効果】
請求項1、2記載の熱交換部品の製造方法並びに製造装置によれば、放熱突起成形型3の受入凹部3aに型の合わせ目がないため、出発素材W0 の一部が型の合わせ目に流れ込み、成形された製品素材W2 の周縁部にバリが生じるようなことがない。従ってこの部位のバリを後に除去する工程を必要としないし、放熱突起H2が成形される側の出発素材W0 表面の潤滑材(潤滑膜)を破断して途切れさすことなく、変形される出発素材W0 表面に常に留まらせておくことができる。その結果、出発素材W0 は確実に放熱突起H2を形成すべく案内されるように流れて変形し、外周側の放熱突起H2が低く形成されるなどの問題点が生じない。更にまた、押出型2の押出接触面10には、製品素材W2 の取出方向に逆テーパ状の保持凹部10aが形成されているため、成形時に出発素材W0 の一部が保持凹部10a内に充填されて、成形された製品素材W2 が把持される。従って、成形された製品素材W2 を放熱突起成形型3から離型するのに、製品素材W2 を把持するためのチャッキング装置等を別途必要としない。
【0033】
請求項3記載の熱交換部品の製造装置によれば、成形孔21における絞り部21Aのみが金属素材Wに接触し、拡開部21Bは接触しないため、放熱突起H2の成形時に金属素材Wから受ける抵抗が従来の塑性加工に比べて非常に少ない。従って、基板部H1に対し細くて断面が複雑なものなど精巧な放熱突起H2を単位面積当たりに多数本塑性成形することもできる。
また放熱突起成形型3の成形孔21は成形終了時に放熱突起H2の先端が当接しない余剰スペースを有している。このため従来の密閉型の手法のように遅く成形される放熱突起H2のために大きな成形加圧を必要とせず、遅く成形される放熱突起H2以外の放熱突起H2にとっては不必要に充満密着されることもなく、型部材の負荷が小さい。また出発素材W0 の体積誤差や素材硬度、また放熱突起成形型3等の作製誤差や成形のための潤滑膜の不均一などが従来ほど問題とならない。
【0034】
請求項4記載の熱交換部品の製造装置によれば、押出型2には、保持凹部10a内に出没自在なノックピン11が設けられているため、ノックピン11を保持凹部10a内に出没させることにより製品素材W2 を簡単に押出型2から離型することができる。
【0035】
請求項5記載の熱交換部品の製造装置によれば、放熱突起成形型3の押圧面22における各成形孔21の周縁には、これらを個別に仕切る仕切リブ23が形成されているため、出発素材W0 が抵抗の少ない成形孔21の方へ不規則に流れ込むことがない。従って放熱突起H2の長さが不揃いとならない。
【0036】
請求項6記載の熱交換部品の製造装置によれば、放熱突起成形型3の押圧面22における各成形孔21の周縁には、これらを個別に仕切る案内溝25が形成されているため、押圧面が平坦なものと比べて出発素材W0 の表面に設けられる潤滑材の流動が全体的に規制される。また案内溝25の案内傾斜面25aを徐々に潤滑材が移動して成形孔21内に送り出されるため、特に長い放熱突起H2を形成する場合に成形初期時に成形孔21内に流れ過ぎて、成形完了前に潤滑不足となるようなことがない。従って放熱突起H2の成形が成形初期時から成形完了時まで常にスムーズに行われ、放熱突起H2の長さも不揃いとならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって製造される熱交換部品の使用状態を示す斜視図である。
【図2】本発明によって製造される熱交換部品を示す斜視図である。
【図3】同上平面図である。
【図4】本発明の熱交換部品の製造装置を示す縦断正面図並びに同図b部及びc部を拡大して示
す縦断正面図である。
【図5】同上押圧面に案内溝を形成した実施例を示す縦断正面図である。
【図6】保持凹部の形状及び配置を異ならせた二種の実施例を示す縦断斜視図並びに底面図であ
る。
【図7】本発明の熱交換部品の製造方法の成形開始から成形終了までの過程を段階的に示す縦断
正面図である。
【図8】同上放熱突起成形型からの離型の様子及び押出型からの離型の様子を合わせ示す縦断正
面図である。
【図9】放熱突起の横断面形状を異ならせた種々の参考形態を示す斜視図並びに平面図である。
【図10】同上更に他の参考形態を示す斜視図である。
【図11】本発明の熱交換部品の製造装置の他の実施例を示す縦断正面図並びに同図b部を拡大し
て示す縦断正面図並びにc−c線における横断平面図である。
【図12】従来の熱交換部品の製造装置を使用した場合の問題点を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 熱交換部品の製造装置
2 押出型
3 放熱突起成形型
3a 受入凹部
4 掴持型
10 押出接触面
10a 保持凹部
11 ノックピン
21 成形孔
21A 絞り部
21B 拡開部
22 押圧面
23 仕切リブ
24 芯孔成形用ピン
25 案内溝
25a 案内傾斜面
B 配線用基板
E 電子部品
H 熱交換部品
H1 基板部
H2 放熱突起
H2a フィン
H2b 芯孔
W 金属素材
W0 出発素材
W0 a 貫通孔
W1 中間素材
W2 製品素材
Claims (6)
- 金属製のブロック状の出発素材を塑性変形させ、基盤部と、この基盤部から立ち上がるように成形された多数の放熱突起とを具えた部材を製造する方法であり、前記出発素材を塑性変形させるにあたっては、連続面で形成された受入凹部とこの受入凹部の底部に穿孔された多数の成形孔を具える放熱突起成形型と、この受入凹部に進入可能でかつ押出接触面に内広がり状の保持凹部を有する押出型とを用い、前記出発素材に受入凹部内で押出型の押圧を加えて、成形孔により放熱突起を基盤から突出するように形成させると共に、押出接触面側では出発素材の一部を保持凹部に押出させてチャッキング状態とし、離型を図るようにしたことを特徴とする熱交換部品の製造方法。
- 金属製のブロック状の出発素材を塑性変形させ、基盤部と、この基盤部から立ち上がるように成形された多数の放熱突起とを具えた部材を製造する装置であり、この装置は、連続面で形成された受入凹部とこの受入凹部の底部に穿孔された多数の成形孔とを具える放熱突起成形型と、この受入凹部に進入可能でかつ押出接触面に内広がり状の保持凹部を有する押出型とを具えて成り、前記出発素材に対して、受入凹部内で押出型の押圧を加えて、成形孔により放熱突起を基盤から突出するように形成させると共に、押出接触面側では出発素材の一部を保持凹部に押出させてチャッキング状態とし、離型を図るようにしたものであることを特徴とする熱交換部品の製造装置。
- 前記成形孔は、絞り部と、この絞り部の奥方に在りこの絞り部よりは大きな孔径の拡開部とから成り、成形終了時に放熱突起の先端が当接しない余剰スペースを有していることを特徴とする請求項2記載の熱交換部品の製造装置。
- 前記押出型には、前記保持凹部内に出没自在なノックピンが設けられていることを特徴とする請求項2または3記載の熱交換部品の製造装置。
- 前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る仕切リブが形成されていることを特徴とする請求項2、3または4記載の熱交換部品の製造装置。
- 前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る案内溝が形成されていることを特徴とする請求項2、3または4記載の熱交換部品の製造装置。
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