JP3599568B2 - 回転型トランスを用いた回転角度検出方法及び回転角度検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転型トランスを用いた回転角度検出方法及び回転角度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
分離型トランスは、コイルを有するコアを、前記コイルを互いに対向させて配置したもので、対向するコイル間の電磁気的結合により両コイル間で電力や電気信号を非接触で伝送する。このような分離型トランスは、各コアが相対回転する回転型トランスとしても使用され、例えば、自動車のステアリング装置に搭載し、車体に固定されたステアリングコラム側から回転するステアリング側に設けたエアバッグの起爆装置に作動電力等を伝送する伝送手段として利用することができる。
【0003】
一方、近年、自動車には操舵時のロール制御を行うため、ステアリング舵角を検出する検出機構として、例えば、光学式のロータリーエンコーダがステアリング装置に組み込まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車のステアリング装置は、前記エアバッグ起爆用の回転型トランスやホーンスイッチ等、各種の機器類や部品類が密集して配置されている。従って、自動車のステアリング装置の設計においては、前記舵角検出機構の取付スペースを確保するのに苦慮している。
【0005】
このため、例えば、回転型トランスを回転軸方向に薄くしたり、直径を小さくする等の対策により、前記エンコーダの搭載スペースを確保している。
【0006】
しかし、前記舵角検出機構や回転型トランス等の機器類や部品類を個々に製作し、ステアリング装置に個々に搭載すると、製造コストや実装コスト、更には検査コストが嵩むという問題があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、回転角度検出機構や回転型トランスが占めるスペースを小さくし、製造コストや実装コスト、更には機器類等の検査コストを低減することができる回転型トランスを用いた回転角度検出方法及び回転角度検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては上記目的を達成するため、それぞれがコイルと磁性材料のコアとを有した回転部材及び固定部材を備え、固定部材のステータ側コアと回転部材のロテータ側コアを対向配置させて前記ステータ側コアとロテータ側コアとの間で電力あるいは電気信号を非接触で電送する回転型トランスを用いた回転角度検出方法であって、前記回転部材の外周部に回転角度検出用の検出部を複数設けるとともに、前記固定部材における前記ステータ側コアとは異なる位置に前記検出部を電磁気的あるいは光学的に検出可能な検出手段を設け、この検出手段により、前記回転部材の回転角度を検出する回転角度検出方法を提供する。
【0009】
好ましくは、前記検出部を、凹凸、孔あるいはスリットのいずれかとする。
更に、本発明は、前述した回転型トランスに前記検出部及び前記検出手段をそれぞれ備えた回転角度検出装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の種々の実施形態を図1乃至図7に基づいて詳細に説明する。
【0011】
先ず、本発明の回転角度検出方法及び回転角度検出装置が適用される回転型トランスについて以下に説明する。
【0012】
回転型トランス1は、例えば、ステアリング装置に取り付けて使用され、図1に示すように、1次側コア2と2次側コア3とが所定のギャップG(=約2〜0.2mm)を介して対向配置され、2次側コア3の外周には、周方向に位置をずらせて検出手段5が2次側コア3に対向させて2個配置されている。このとき、1次側コア2は車体側へ、2次側コア3はステアリングハンドル側へ取り付ける。
【0013】
1次側コア2及び2次側コア3は、それぞれ軟磁性材料を含む合成樹脂からなり、中央に開口を有する円板状のコア2a,3aの互いに対向する面に周方向にそれぞれ2つの溝2b,2cと溝3b,3cが形成され、各溝に平角線等を巻回したコイル2d,2eとコイル3d,3eが配置されている。2次側コア3は、図2に示すように、外周に等間隔の凹凸に成形した複数の検出部3fが設けられている。
【0014】
検出部3fは、2次側コア3がステアリングハンドルの回転と同期して回転するので、凹凸の円周方向の間隔が検出される回転角度の分解能に依存する。例えば、回転角度として4度ごとの情報が必要な場合には、円周方向に90等分して凹凸を形成する。
【0015】
ここで、軟磁性材料とは、残留磁気が極めて少ない性質を有する材料をいう。
【0016】
また、コア2a,3aは、例えば、Ni−Zn系フェライトやMn−Zn系フェライト等の軟磁性フェライト粉末がナイロンやポリフェニレンスルフィド(PPS)等の合成樹脂中に所定量混入したものをリング状に成形したものである。コア2a,3aは、リング状に成形された軟磁性フェライト焼結体(例えば、Ni−Zn系フェライトあるいはMn−Zn系フェライト等にバインダー剤を混ぜて焼結したもの)を用いてもよい。
【0017】
コイル2d,2eやコイル3d,3eは、例えば、ポリウレタン系絶縁被膜の上にポリアミド系融着被膜をオーバーコートした巻線等の電線をそれぞれ使用目的に応じて所定回数巻回してリング状に成形したもので、一方の巻回端面がコア2a,3aの対向面に面一に露出している。コイル2d,2eやコイル3d,3eは、リング状に成形できれば、前記電線の導体の断面形状は円形でも矩形でも何でもよい。このとき、例えば、エアバッグ起動用の比較的大きな電力を瞬時に電送するときは大型のコイル2d,3dを、オートクルーズシステムの電気信号のように小さな電流を電送する場合等にはコイル2e,3eを使用する。
【0018】
検出手段5は、永久磁石5aに取り付けたヨーク5bの周囲をコイル5cで覆ったもので、2次側コア3の回転に伴い、検出部3fによって永久磁石5a内に生ずる磁束密度の変化に対応した電圧がコイル5cに励起される。即ち、検出手段5は、2次側コア3の回転により、磁性材料であるコア3aの検出部3fと永久磁石5aとの間のギャップの変化によって磁束の変化が生ずることを利用している。
【0019】
このとき、舵角の検出にはステアリングハンドルの回転方向(左右方向)を識別する必要がある。このため、検出手段5は、コイル5cに励起される電圧の位相差が90度となるように2個配置する。
【0020】
従って、コイル5cに励起される起電力eは、コイル5cの巻数をN、磁束密度をФとすると、巻数Nと磁束密度Фの時間微分(dФ/dt)との積である次式(1)で与えられる。
Δe=−N・dφ/dt……………………(1)
【0021】
以上により、ステアリングハンドルの回転に伴って2次側コア3が回転すると、2つの検出手段5においては、図3に示すように、90度位相が異なる2種類の電圧A,Bが励起される。これらの電圧A,Bを取り出してコンパレータ等の電気的信号処理手段によって波形整形し、2種類の位相差を持つパルスとすることで、2次側コア3、即ち、ステアリングハンドルの回転方向と回転角度を高精度に検出することができる。
【0022】
このような検出方法とすることで、2つの検出手段5や回転型トランス1が占めるスペースを小さくでき、製造コストや実装コスト、更には機器類等の検査コストを低減することができる。
【0023】
ここで、2次側コア3は、外周に等間隔の凹凸に成形した検出部3fを設けた構成としたが、配置上の自由度があれば、図4に示す2次側コア7のように、上面に多数の突起7aを等間隔に設けてもよい。このとき、検出手段5は、2次側コア7の上方に多数の突起7aと対向させて配置する。
【0024】
一方、本発明の方法及び装置は、図5に示す検出手段8を用いて回転型トランス1の回転角度を検出してもよい。
【0025】
即ち、検出手段8は、高比透磁率の焼結センダストやパーマロイ等からなるコア8aとピックアップコイル8bを有している。このとき、ピックアップコイル8bに電流Iを流し、2次側コア3の回転に伴って検出部3fの凹に対応したときの磁気抵抗をR0、検出部3fの凸に対応したときの磁気抵抗をRとすると、式(1)に基づいて次式で表される起電力が検出部3fの凸の有無による磁気抵抗変化に応じて発生する。
Δe=−N・Δφ/Δt=−N・(N・I/R−N・I/R0)/Δt………(2)
【0026】
従って、前記実施形態と同様の処理を行うことにより、所定の角度信号、即ち、2次側コア3(ステアリングハンドル)の回転角度を検出することができる。
【0027】
次に、本発明の方法及び装置は、図6に示す回転型トランス10に適用することも可能である。
【0028】
一般に、ステアリング装置に回転型トランスを搭載する場合、使用する伝送周波数や伝送電力によっては、電磁誘導ノイズに対する誤作動や電磁誘導ノイズの放出を抑制するため、回転型トランスに磁気シールドを施す必要がある。
【0029】
回転型トランス10は、このような磁気シールド対策を考慮したもので、所定のギャップG(=約2〜0.2mm)を介して対向配置される1次側コア11と2次側コア12及び遮蔽板13を有し、1次側コア11は車体側へ、2次側コア12はステアリングハンドル側へ取り付けられる。
【0030】
1次側コア11及び2次側コア12は、それぞれ軟磁性材料を含む合成樹脂からなり、中央に開口を有する円板状のコア11a,12aの互いに対向する面に周方向にそれぞれ2つの溝11b,11cと溝12b,12cが形成され、各溝に平角線を巻回したコイル11d,11eとコイル12d,12eが配置されている。
【0031】
遮蔽板13は、2次側コア12の上に配置され、アルミニウム,銅等からなる円板状の金属板で、中央に開口13aを有し、外周には回転角度の検出精度に応じた多数のスリット13bが周方向に等間隔に設けられている。
【0032】
そして、遮蔽板13は、車体側に設けた取付治具15に取り付けられたLED光源16とフォトセンサ17とによりスリット13bを検出することにより、磁気センサと同様にして、2次側コア12の回転角度を高精度に検出することができるうえ、回転型トランス10への電磁誘導ノイズを遮蔽して外乱の影響を軽減すると共に、回転角度検出に要するスペースの省スペース化を図ることができる。
【0033】
更に、本発明の方法及び装置は、図7に示す回転型トランス20に適用することも可能である。
【0034】
回転型トランス20は、1次側コア21と2次側コア22とが所定のギャップG(=約2〜0.2mm)を介して対向配置され、1次側コア21は車体側へ、2次側コア22はステアリングハンドル側へ取り付けられる。
【0035】
1次側コア21及び2次側コア22は、それぞれ軟磁性材料を含む合成樹脂からなり、中央に開口を有する円板状のコア21a,22aの互いに対向する面に周方向にそれぞれ2つの溝21b,21cと溝22b,22cが形成され、各溝に平角線を巻回したコイル21d,21eとコイル22d,22eが配置されている。1次側コア21は、コア21aの外周に多数の検出孔21fが設けられている。また、2次側コア22は、一側に縁部22fが突出形成され、縁部22fに支持具25が設けられている。支持具25には、LED光源26とフォトセンサ27が取り付けられ、これらにより検出孔21fを検出することにより、磁気センサと同様にして回転角度を高精度に検出することができる。
【0036】
尚、上記実施形態は、回転型トランスを用いた回転角度検出方法及び回転角度検出装置として自動車のステアリング装置のステアリング舵角を検出する場合について説明した。
【0037】
しかし、本発明の回転型トランスを用いた回転角度検出方法及び回転角度検出装置は、電力あるいは電気信号を非接触で電送する互いに相対回転する2つの部材間における回転角度を検出するのであれば、検出対象はステアリング舵角に限定されるものでないことは言うまでもなく、例えば、自動車のドアのヒンジ部やロボットアームの回転角度等、回転の自由度を持つ部材相互間における回転角度を検出する方法及び装置としても使用可能である。また、1次側コア及び2次側コアは、各コアにそれぞれ2つのコイルを設けたが、コイルの数はこれに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
請求項1〜3の発明によれば、回転角度検出機構や回転型トランスが占めるスペースを小さくし、製造コストや実装コスト、更には機器類等の検査コストを低減することができる回転型トランスを用いた回転角度検出方法及び回転角度検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を説明するもので、回転型トランスと検出手段の断面正面図である。
【図2】図1の回転型トランスで使用する2次側コアの凹凸からなる検出部を示す斜視図である。
【図3】図1の回転型トランスに設けた2つの検出手段によって励起された90度位相が異なる2種類の電圧の波形図である。
【図4】本発明方法を適用する回転型トランスにおける2次側コアの変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明方法の他の例を示す回転型トランスと検出手段の断面正面図である。
【図6】本発明方法の更に他の例を示す回転型トランスと検出手段の断面正面図である。
【図7】本発明方法の他の例を示す回転型トランスと検出手段の断面正面図である。
【符号の説明】
1 回転型トランス
2 1次側コア
2a コア
2d,2e コイル
3 2次側コア
3a コア
3d,3e コイル
3f 検出部(凹凸)
5 検出手段
5a 永久磁石
5b ヨーク
5c コイル
7 2次側コア
7a 突起
8 検出手段
8a コア
8b ピックアップコイル
10 回転型トランス
11 1次側コア
11a コア
11d,11e コイル
12 2次側コア
12a コア
12d,12e コイル
13 遮蔽板
13a 開口
13b スリット
16 LED光源
17 フォトセンサ
20 回転型トランス
21 1次側コア
21a コア
21d,21e コイル
21f 検出孔
22 2次側コア
22a コア
22d,22e コイル
26 LED光源
27 フォトセンサ
G ギャップ
Claims (3)
- コイルと磁性材料のロテータ側コアとを有する回転部材と、コイルと磁性材料のステータ側コアとを有する固定部材とを備え、前記ロテータ側コア及び前記ステータ側コアを対向配置させて前記ステータ側コアと前記ロテータ側コアとの間で電力あるいは電気信号を非接触で電送する回転型トランスを用いた回転角度検出方法であって、
前記回転部材の外周部に回転角度検出用の検出部を複数設けるとともに、前記固定部材における前記ステータ側コアとは異なる位置に前記検出部を電磁気的あるいは光学的に検出可能な検出手段を設け、この検出手段により、前記回転部材の回転角度を検出することを特徴とする回転型トランスを用いた回転角度検出方法。 - 前記検出部が、凹凸、孔あるいはスリットのいずれかである請求項1の回転型トランスを用いた回転角度検出方法。
- コイルと磁性材料のロテータ側コアとを有する回転部材と、コイルと磁性材料のステータ側コアとを有する固定部材とを備え、前記ロテータ側コア及び前記ステータ側コアを互いに対向配置させて前記ステータ側コアと前記ロテータ側コアとの間で電力あるいは電気信号を非接触で電送する回転型トランスと、
前記回転部材の外周部に設けられた回転角度検出用の複数の検出部と、
前記固定部材における前記ステータ側コアとは異なる位置に設けられ、前記検出部を電磁気的あるいは光学的に検出して、前記回転部材の回転角度を検出する検出手段と
を備えたことを特徴とする回転型トランスを用いた回転角度検出装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP21150498A JP3599568B2 (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 回転型トランスを用いた回転角度検出方法及び回転角度検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21150498A JP3599568B2 (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 回転型トランスを用いた回転角度検出方法及び回転角度検出装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000046512A JP2000046512A (ja) | 2000-02-18 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP21150498A Expired - Fee Related JP3599568B2 (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 回転型トランスを用いた回転角度検出方法及び回転角度検出装置 |
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1998
- 1998-07-27 JP JP21150498A patent/JP3599568B2/ja not_active Expired - Fee Related
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