JP3600191B2 - ブロー成形用型内インサート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロー成形の際にブロー成形型内に配置され、ブロー成形体に一部が埋め込まれるブロー成形用型内インサートに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のスポイラー等のブロー成形体を車体などに取り付ける場合、例えば特開平10−235721号公報にみられるように、ブロー成形の際にブロー成形体に固定具の一部を固着し、この固定具を利用してブロー成形体を車体などに取り付ける方法が一般に行われている。
このような固定具(以下、インサートという)の一例として、図4に示すタイプのインサート1が知られている。このインサート1は、軸部2の一端側にプラスチックに埋め込まれる第1フランジ部3と、軸部2の前記第1フランジ部3から所定間隔離れた位置にそれより面積の大きい第2フランジ部4を備え、さらに軸部2の第2フランジ部4より他端側が固定部(先割れタイプのクリップピン)5とされている。
【0003】
このインサート1をブロー成形体のプラスチックに埋め込む際は、常法に従い、インサート1をブロー成形金型の内部に挿入し、その第2フランジ部4をキャビティに面するようにブロー成形金型の内壁面に沿わせ、かつ第1フランジ部2をキャビティ内に突出させる。続いて、溶融したパリソンを一対の開いたブロー成形金型の間に押し出し、両金型を閉じて挟み、パリソン内部に高圧エアを吹き込んでブロー成形を行う。これにより、パリソンはキャビティ内を広がり金型内壁面に沿った形状にブロー成形され、所要のプラスチック成形体(ブロー成形体)となり、かつインサート1はブロー成形体に埋め込まれる。
図5に、ブロー成形金型6の内部に挿入され、かつブロー成形体7のプラスチックに埋め込まれたインサート1を示す。
【0004】
ブロー成形の過程で、プラスチックはインサート1の第1フランジ部3及び第2フランジ部4の上面に接触して密着し、続いて第1フランジ部3と第2フランジ部4の隙間を軸部2に向けて膨出し、第1フランジ部3を巻き込む。ブロー成形のプラスチックとインサート1が互いに溶着性があるプラスチックであれば、密着部分では溶着が生ずる。そして、ブロー成形が終了してブロー成形体7をブロー成形金型6から取り出すと、インサート1が固着したブロー成形体7を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プラスチックが第1フランジ部3と第2フランジ部4の間を軸部2に向けて膨出する際、第1フランジ部3、第2フランジ部4、軸部2及びそこに膨出してくるプラスチックに囲まれたリング状の密閉空間ができ、その密閉空間はプラスチックが膨出するにつれて狭くなり、そのためその密閉空間に閉じ込められた空気は圧縮され高圧となる。従って、プラスチックは十分に膨出することができず、第1フランジ部3、第2フランジ部4及び軸部2との間を十分に埋めずに隙間8ができ、プラスチックの巻き込みが不十分となり、その分、インサート1を固着する力が弱くなる。
【0006】
さらに、プラスチックが十分固化しないうちにブロー成形体内部のブロー圧を抜いて大気に開放した場合、隙間8に残留する高圧空気がこの隙間8を押し広げたり、図5に仮想線で示すように、プラスチックの一部をコブ状に内側に膨出させることがある。従って、溶着していたプラスチックはインサート1から引き剥され、インサート1を固着する力が低下する。なお、隙間8では空気がほぼ断熱圧縮に近い状態で高温となり、その部分でのプラスチックの温度の低下が遅れがちになっていることも、このようなことが起こりやすい原因である。
【0007】
本発明は、従来技術の上記問題点に鑑みてなされたもので、プラスチックによるインサートの固着力を高めることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軸部の一端側にプラスチックに埋め込まれる第1フランジ部と、軸部の前記第1フランジ部から所定間隔離れた位置に第2フランジ部を備えるブロー成形用型内インサートにおいて、前記第2フランジ部の前記第1フランジ部に面する側に軸部近傍から外周に達する凸条又は凹溝が形成されていることを特徴とする。凸条又は凹溝は、軸部に達していることが望ましい。
上記ブロー成形用型内インサートは、例えばブロー成形体を他の部材に固定するための固定具であり、軸部の第2フランジより他端側に固定部が形成されていることを特徴とする。この固定部は例えばクリップピンであるが、他の形態の固定部も考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照して本発明にかかるブロー成形用型内インサートについて具体的に説明する。
図1に示すインサート11は、基本構造は図4に示すインサート1と同じであり、軸部12の一端側にプラスチックに埋め込まれる第1フランジ部13と、軸部12の前記第1フランジ部13から所定間隔離れた位置にそれより面積の大きい第2フランジ部14を備え、さらに軸部12の第2フランジ部14より他端側が固定部(先割れタイプのクリップピン)15とされている。第1、第2フランジ部13、14は軸部12に対し実質的に垂直に形成されている。
しかし、インサート11は、その第2フランジ部14の第1フランジ部13に面する側(キャビティ側に向く面)には、軸部12から第2フランジ部14の外周に達する凸条16が放射方向に形成されている点で、図1に示すインサート1と異なっている。この凸条16には、図1の拡大図(d)に示すように、両側にアンダーカット部16aが形成されている。
【0010】
このインサート11を用いて図5と同様のブロー成形を行うと、図2に示すように、プラスチックは第1フランジ部13と第2フランジ部14の隙間を軸部12に向けて膨出するが、このあいだ第1フランジ部13、第2フランジ部14、軸部12及びそこに膨出してくるプラスチックに囲まれたリング状の空間から、凸条16とプラスチックの隙間を通って空気が抜け出し、そのため、プラスチックは十分に膨出して前記空間を埋める。その結果、プラスチックの巻き込みが十分行われ、インサート11を固着する力が強くなる。また、従来のインサート1で起こった隙間8の押し広げやコブ状の膨出も防止できる。
【0011】
図3(a)はこの空気の抜け出しの様子を説明するもので、膨出の過程で第2フランジ部14の上面14a及び凸条16の上面16bに密着したプラスチックと凸条16の間には隙間17が形成され、そこを通って前記空間から空気が抜け出す。前記アンダーカット部16aは膨出の過程での空気通路を十分に確保するためのものであるが、これは必須ではない。また、最終的に又はブロー成形の途中で、仮に隙間17がプラスチックで完全に埋め尽くされることがあるとしても、それまでは隙間17から空気が抜け出す。第2フランジ14の外周に抜け出した空気はブロー成形金型6を通って外部に放出される。
なお、凸条16の代わりに、図3(b)に示すように凹溝18にしても同様の効果が得られる。この場合も、アンダーカット部18aは必須ではない。
【0012】
上記の例では、軸部12の第2フランジ14より他端側に固定部15が形成されていたが、本発明に係るブロー成形用型内インサートはこのような固定具に限られない。例えば中空のノズルのようなものに適用してもよいし、むろん他の用途にも適用できる。
【0013】
【発明の効果】
本発明に係るブロー成形用型内インサートを用いることにより、ブロー成形体のプラスチックとインサートの固着力を高めることができ、また、ブロー圧を抜いたときプラスチックがインサートから引き剥されるようなことも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブロー成形用インサートの正面図(a)、側面図(b)、平面図(c)及び一部拡大図(d)である。
【図2】そのブロー成形時の状態を説明する断面図である。
【図3】本発明に係るブロー成形用インサートの第2フランジ部に形成した凸条及び凹溝の作用を説明する断面図である。
【図4】従来のブロー成形用インサートの正面図(a)、側面図(b)及び平面図(c)である。
【図5】そのブロー成形時の状態を説明する断面図である。
【符号の説明】
11 インサート
12 軸部
13 第1フランジ部
14 第2フランジ部
15 固定部
16 凸条
17 隙間
18 凹溝
Claims (3)
- 軸部の一端側にプラスチックに埋め込まれる第1フランジ部と、軸部の前記第1フランジ部から所定間隔離れた位置に第2フランジ部を備えるブロー成形用型内インサートにおいて、前記第2フランジ部の前記第1フランジ部に面する側に軸部近傍から外周に達する凸条又は凹溝が形成されていることを特徴とするブロー成形用型内インサート。
- 前記凸条又は凹溝が軸部に達していることを特徴とする請求項1に記載されたブロー成形用型内インサート。
- ブロー成形体を他の部材に固定するための固定具であり、軸部の第2フランジより他端側に固定部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載されたブロー成形用型内インサート。
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