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JP3601697B2 - プローブ構造及びその製造方法、並びにウエハ一括コンタクトボード及びその製造方法 - Google Patents
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JP3601697B2 - プローブ構造及びその製造方法、並びにウエハ一括コンタクトボード及びその製造方法 - Google Patents

プローブ構造及びその製造方法、並びにウエハ一括コンタクトボード及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検査物上に形成された接触対象部に対して電気的な接触を行なうためのプローブ構造及びその製造方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプローブ構造では、被検査物上に形成された接触対象部(例えば電極パッドや回路パターンなど)への接触用の接点として半球状に突起したバンプ接点が形成されている。
従来のプローブ構造におけるバンプ接点においては、接触対象部に対する接触信頼性を向上させるため、バンプ接点の表面に微小な突起を設けたものが知られている(特開平6−27141号公報)。このようにバンプ接点の表面に微小な突起を設けることによって、接触面積は増大し、より確実な接触が得られる。また、接触対象部の表面に酸化膜が形成されている場合でも、微小突起によって酸化膜を破ることができ、安定した接触抵抗が得られる。
【0003】
また、特開平9−133711号公報には、図9に示すように、絶縁性基板1の一方の面に設けられたバンプ接点2と、絶縁性基板1の他方の面に設けられた導電性回路の一部を構成する電極3とが導電部4を介して導通されてなる構造を有するプローブ構造が開示されている。バンプ接点2は、ニッケルからなる基本形状部分2a(深層)の表面に、金をメッキし中層とし、この中層の表面にロジウムからなる表層2c及び微小突起2dが形成されている。ここで、表層2cと微小突起2dとは、同じ材料(ロジウム)をメッキで析出させて形成されており、微小突起2dは表層2cから局所的に突起するようにメッキ電流を制御されて形成され、表層2cと微小突起2dとは互いに境界のない一体的な材料組織からなっている。これにより、同公報では、微小突起が欠落しにくく、バラツキの少ない微小突起が得られるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のバンプ接点の表面に形成された微小突起は、表面粗さ(Rmax、Raなど)や、表面粗さのバラツキ(Rmax/Raなど)、さらには、突起のピッチ、突起太さなどの突起形状、突起密度、など突起の形態について、適切な範囲が明らかとなっておらず、このため突起の形成条件等によって突起の形態が適切な範囲外となったり、あるいは突起の形成方法自体が突起の形態のバラツキを抑えることが困難な方法であるため突起の形態が適切な範囲外となることがあった。このように突起の形態が適切な範囲外となると、例えば、突起が欠落したり、安定した接触抵抗が得られないなどの不具合が生じる。
【0005】
また、特開平9−133711号公報記載の方法で実際に作製したバンプ接点は、表層2c及び突起2dの密着力が低く、突起の形態のバラツキがあるという問題があった。このことは、金メッキからなる中層2bを設けず、ニッケルからなる基本形状部分(深層)2aの表面に、ロジウムからなる表層2c及び突起2dを直接形成してなるバンプ接点の場合も同様である。
具体的には、同公報記載の方法で作製したバンプ接点におけるロジウムからなる表層2c及び突起2dは、テープ剥離試験によって容易に剥離してしまい、突起部分の密着力が低い。
また、同公報記載の方法で作製したバンプ接点は、突起高さが高い場合に突起自体が細くなる場合があったことからバンプ接点と接触対象部との接触繰り返しによって、バンプ表面から容易に欠落し、接触抵抗が変化することがあった。さらに微小突起の高さ(表面粗さ)、粗さのバラツキ、突起密度などを常に一定にして形成することが困難であったため、バンプ毎に接触抵抗がばらつくことがあった。バンプ毎に接触抵抗がばらついた場合、測定対象物との電気的信号の伝送に不具合が生じ、個々のバンプによって測定データのバラツキが発生し、測定データの信頼性が得られない。また、接触抵抗が著しく高い場合には測定対象物との電気的信号のやりとり自体が出来ない。
これらの原因を追求した結果、突起部分の下に不活性層が介在するため、突起部分の密着力が低いこと、及び、不活性層が介在すると突起の形態にバラツキがでることを突き止めた。また、メッキの際に電流密度を変化させると電流密度が安定せず、突起の形態にバラツキがでることを突き止めた。
さらに、突起部分の下に金などの中間層を介在させると、突起部分の密着が悪くなることを突き止めた。また、このような中間層を設けると、製造工程が複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明の第一の目的は、突起の形態が適切な範囲内にあり、優れた特性を有するプローブ構造及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、突起の密着力が強く、突起が強度的に優れ、接触の繰り返しに対して劣化が少なく、各バンプ接点毎に接触抵抗がばらつくことがないバンプ接点を有し、製造が容易であるプローブ構造及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のプローブ構造及びその製造方法、並びにウエハ一括コンタクトボード及びその製造方法は以下の構成を有するものである。
【0008】
(構成1)絶縁性基板の一方の面に設けられたバンプ接点と、該絶縁性基板の他方の面及び/又は内部に設けられた導電性回路の一部を構成する電極とが導通されてなる構造を有し、前記バンプ接点の表面粗さがRmax=0.01〜0.8μm、Ra=0.001〜0.4μm、Rmax/Ra=2〜10、であることを特徴とするプローブ構造。
【0009】
(構成2)前記バンプ接点の表面は、前記表面粗さに基づく突起のピッチが0.1〜0.8μmであって、突起太さが突起ピッチの1/3以上である突起形状を有することを特徴とする構成1に記載のプローブ構造。
【0010】
(構成3)絶縁性基板の一方の面に設けられたバンプ接点と、該絶縁性基板の他方の面及び/又は内部に設けられた導電性回路の一部を構成する電極とが導通されてなる構造を有し、少なくとも前記バンプ接点の表面には、微小なグレインが集合して形成された凹凸層が形成されていることを特徴とするプローブ構造。
【0011】
(構成4)前記バンプ接点は、単層からなる基本形状部分と、該基本形状部分の表面上に直接形成された凹凸層と、を有することを特徴とする構成3記載のプローブ構造。
【0012】
(構成5)前記バンプ接点の表面粗さが、Rmax=0.01〜0.8μm、Ra=0.001〜0.4μm、Rmax/Ra=2〜10、であることを特徴とする構成3又は4記載のプローブ構造。
【0013】
(構成6)前記微小なグレインのグレインサイズが、5〜200nmであることを特徴とする構成3乃至5いずれか一に記載のプローブ構造。
【0014】
(構成7)前記表層の凹凸層の硬度が、800Hk〜1000Hkであることを特徴とする構成3乃至6のいずれか一に記載のプローブ構造。
【0015】
(構成8)前記基本形状部分が滑らかな半球状に突起した形状であって、その硬度が100Hk以上800Hk以下であることを特徴とする構成3乃至7のいずれか一に記載のプローブ構造。
【0016】
(構成9) ニッケル単体又はニッケル合金からなる基本形状部分の表面に、不活性層を介在することなく、無光沢ロジウムメッキを施したバンプを有し、バーンイン試験の用途に使用されることを特徴とする構成1乃至8のいずれか一に記載のプローブ構造。
【0017】
(構成10) ニッケル単体又はニッケル合金からなる基本形状部分の表面に、金のストライクメッキと無光沢ロジウムメッキを施したバンプを有し、バーンイン試験の用途に使用されることを特徴とする構成1乃至8のいずれか一に記載のプローブ構造。
【0018】
(構成11) ウエハ上に多数形成された半導体デバイスの試験を一括して行うために使用されるウエハ一括コンタクトボードであって、
構成1乃至10のいずれか一に記載のプローブ構造と、
絶縁層を介して配線を積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して上下の配線を接続した構造を有する多層配線基盤と、
前記多層配線基盤と前記プローブ構造とを電気的に接続する導電性部材と、を有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。
【0019】
(構成12) 絶縁性基板の一方の面にバンプ接点の基本形状部分を設ける工程と、該絶縁性基板の他方の面及び/又は内部に少なくとも導電性回路の一部を構成する電極を設ける工程と、前記バンプ接点の基本形状部分と前記導電性回路の一部を構成する電極とを導通させる工程とを有し、
前記基本形状部分の表面を実質的に大気中に露出させることなく、無光沢メッキを行う工程を有することを特徴とするプローブ構造の製造方法。
【0020】
(構成13) 前記基本形状部分の表面に無光沢メッキを行う前に、基本形状部分の酸化を防止する酸化防止層を形成することを特徴とする構成12記載のプローブ構造の製造方法。
【0021】
(構成14) 前記酸化防止層の膜厚が、0.001〜0.05μmであることを特徴とする構成13記載のプローブ構造の製造方法。
【0022】
(構成15) 前記無光沢メッキの電流密度が、0.1A/dm〜1.0A/dmで、かつ電流密度が常に一定であることを特徴とする構成12乃至14のいずれか一に記載のプローブ構造の製造方法。
【0023】
(構成16) 前記無光沢メッキ材料が、ロジウムであることを特徴とする構成12乃至15のいずれか一に記載のプローブ構造の製造方法。
【0024】
(構成17) 構成12乃至16のいずれか一に記載のプローブ構造の製造方法によって得られたプローブ構造を用意する工程と、
絶縁層を介して配線を積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して上下の配線を接続した構造を有する多層配線基盤を用意する工程と、
前記多層配線基盤と前記プローブ構造とを電気的に接続する導電性部材を用意する工程と、
前記プローブ構造、前記導電性部材、及び前記多層配線基盤を組み立て、ウエハ一括コンタクトボードを製造する工程と、を有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボードの製造方法。
【0025】
【作用】
構成1によれば、バンプ接点の表面粗さを、Rmax=0.01〜0.8μm、Ra=0.001〜0.4μm、Rmax/Ra=2〜10とすることにより、測定対象物との接触繰返しに対して、優れた耐久性を有し、安定した接触抵抗を維持することができる。
表面粗化状態の実質的な粗さとしては、例えば接触対象部がアルミニウムからなる電極である場合、酸化膜は通常0.01μm〜0.1μmの厚さで形成されるので、Rmax=0.01〜0.8μm程度、Ra=0.001〜0.4μm程度が、酸化膜を破り、かつ電極全体にダメージを与えないので好ましい。表面粗さがRmax=0.01μm未満、Ra=0.001μm未満では、接触させても接触対象部である金属の酸化膜を突き破る効果が少なく、逆にRmax=0.8μm、Ra=0.4μmを越えるとパッドのアルミニウム膜を貫通させ、電極にダメージを与えてしまう。さらに、表面粗さが大きいほど、バンプ接点を接触対象部に押し当てた際、接触対象部の金属がその表面の溝に付着し残存するという問題が発生する。好ましい表面粗さは、Rmax=0.1〜0.5μm、Ra=0.05〜0.25μmである。
また、上記RmaxとRaの比(Rmax/Ra)が10を超えると、表面粗さのバラツキが大きくなる傾向となり、突出した突起が形成される可能性があり、突起強度が弱く、耐久性の低い突起ができるため、好ましくない。また、Rmax/Raが2未満の場合、表面粗さのバラツキは小さくなるが、製造上困難であるので、2以上が好ましい。
なお、表面酸化膜が問題とならない場合においても、Rmax、Ra、Rmax/Raが上記範囲内であると、接触面積が大きく、接触抵抗が低くなり、安定した接触が得られるので好ましい。
【0026】
構成2によれば、突起のピッチ(接触にかかわりのある突起間の距離)が0.1〜0.8μmであって、Rmaxを超えないピッチを持つ突起形状であり、突起太さ(1/2の高さにおける太さ)が突起ピッチの1/3以上である突起形状にすることよって、より一層、測定対象物との繰り返しに対して、優れた耐久性を有し、さらに安定した接触抵抗を維持することができる。なお、ここでいう突起のピッチとは、接触にかかわりのある突起の中心間の距離とする。突起の中心は、突起の頂点や突起の大きさ(突起底部の輪郭)の中心とすることができる。また、突起太さとは、図6に示すように、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)でバンプ接点の表面状態を観察したとき、接触にかかわりのある突起の頂点から突起底部の輪郭までの距離の半分の距離の相似図形を描いたときの大きさ(直径)を、(1/2の高さにおける太さとみなして)突起太さとする。構成3のように、バンプ接点の表面が微小なグレインが集合して形成された凹凸層(突起)の場合は、微小なグレインの最大高さに相当するグレインの頂点を接触に関わりのある突起の頂点とし、微小なグレインの集合体で形成された突起の底部を、突起底部として突起太さを測定する。また、1μm当たり1個以上の突起を持つことにより、高い突起密度を得ることができる。高い突起密度を得ることで測定対象物に接触した際により多くの接触面積が得られ、それによって安定した接触抵抗を得ることができる。好ましい突起密度は、1μm当たり1個以上50個以下、さらに好ましくは1μm当たり1個以上30個以下、より好ましくは1μm当たり1個以上10個以下が望ましい。ここでいう突起とは、接触にかかわりのある突起をいい、構成3のように微小なグレインが集合して形成された凹凸層(突起)の場合は、微小なグレイン集合体を1個の突起とみなす。突起密度が大きくなりすぎると、突起太さが小さくなり、突起の耐久性が悪くなるので好ましくない。
【0027】
構成3によれば、前記バンプ接点部の表面に、微小なグレインが集合して形成されていることによって、緻密な膜が形成されるので、基本形状部分との付着が増し、なおかつ、突起密度の高く安定した凹凸層が形成される。突起自体の頂点部のサイズが大きい場合でも、微小なグレインが表面に露出していることで容易に接触対象物の酸化膜にダメージを与えることができる。
また、前記バンプ接点の表面に、微小なグレイン(粒:grain)が集合して形成された凹凸層が、不活性層を介在することなく形成されていることによって、不活性層の介在に起因する突起の密着力の低下や突起の形態のバラツキを回避できるので好ましい。
また、凹凸層の材料がロジウム等であって、強酸性のメッキ液によって形成する場合、基本形状部分の表面が酸化され、不活性層が形成されるため密着性が悪くなったり、膜の成長が不均一になったりし(突起の形態のバラツキが発生し)たりするので、好ましくないことがある。この場合、構成10に示すように基本形状部分の酸化を防止する酸化防止層を介在することによって、不具合を回避することができる。
なお、絶縁性基板の他方の面に設けられた導電性回路の一部を構成する電極等の表面に、微小なグレインが集合して形成された凹凸層を形成することもできる。また、バンプ接点部の表面に形成される微小なグレインは、ランダムに形成されていても、又は、ある規則性をもたせて形成させても、どちらでも良い。
【0028】
構成4によれば、前記バンプ接点は、単層からなる基本形状部分と、該基本形状部分の表面上に直接形成された凹凸層と、を有することによって、突起部分の下に金などの中間層を介在させる場合に生じる突起部分の密着の悪化を回避できる。また、中間層を介在させないので、製造が容易である。
本発明のプローブ構造における好ましいバンプの形態としては、バンプ接点が、基本形状部分と後述する無光沢メッキによる表面粗さを持つ凹凸層とに分けられた構造とすることが好ましい。
無光沢メッキ表面の硬度は、披検査物上の接触対象部との接触の繰り返しに耐える硬度を持つことが必要であるため、800Hk以上1000Hk以下であることが好ましい。
【0029】
構成5によれば、バンプ接点の表面粗さがRmax=0.01〜0.8μm、Ra=0.001〜0.4μm、Rmax/Ra=2〜10、であることによって、構成3及び4の効果に加え構成1と同様の効果が得られる。なお、パンプ接点の表面粗さのさらに好ましい範囲は、前記構成1と同じである。
なお、構成5の要件に加え構成2の要件を満たすことで、構成2と同様の効果がさらに得られる。
【0030】
構成6によれば、微小なグレインのグレインサイズが、5〜200nmであることによって、構成3の効果が確実に得られる。
好ましいグレインサイズは5〜100nm、より好ましくは10〜50nmである。
微小なグレインが集合して形成されたグレイン集合体(突起)のサイズは、0.02〜1μm、さらに好ましくは0.1〜0.4μmであることが好ましい。
【0031】
構成7に示すように、表層の凹凸層の硬度は、800Hk〜1000Hkであることが好ましい。
硬度800Hkを下回ると被検査体の接触対象部との接触の際に表層の凹凸層がダメージを受けやすく、1000Hkを上回るとクラックが発生しやすくなる。 表層の凹凸層は、表面粗さを持つ層であり、繰り返し行われる接触対象部との接触に対してもダメージを受け難く、接触対象部よりも硬度が高いことが要求される。また、耐食性を有し、接触対象部からの他金属の転写・拡散を制御しうる性質を付与することによって、接触抵抗を低い状態に維持できる。
表層の凹凸層に貴金属を用いる場合、この貴金属は、単一金属、合金のいずれでも良いが、卑金属が表面に拡散して酸化されることによる接触抵抗の増大や、有機不純物による内部応力の増大、クラックの発生などを抑制するためにも、99%以上が貴金属であることが好ましい。なお、合金の場合、耐食性を有し拡散しにくい貴金属の組合せが好ましく、ロジウムとルテニウムなどの組み合わせが例示される。
【0032】
構成8によれば、基本形状部分の硬度は、100Hk未満ではバンプ接点部が接触対象部に当接し圧力がかけられた際に変形しやすく、また、硬度800Hkを上回るとクラックが発生しやすくなる。
基本形状部分を形成する材料は、導電性回路の一部を構成する電極(バンプ接点と導通される電極)を形成する材料に対して結晶学的に整合性を有し、密着が良く、拡散しにくいものであることが好ましい。例えば導電性回路の一部を構成する電極の材料が銅である場合、これに対する基本形状部分の材料は、ニッケルやニッケル合金が好ましい組み合わせである。
基本形状部分の形状は、滑らかな半球状に突起した形状とすることが好ましい。
【0033】
構成9によれば、ニッケル単体又はニッケル合金からなる基本形状部分の表面に、不活性層を介在することなく、無光沢ロジウムメッキを施したバンプを有することによって、構成1乃至8の効果に加え、接触当初から接触抵抗が低く、熱をかけた状態で時間が経過しても接触抵抗が低いまま維持されるため、バーンイン試験の用途に適する。
また、同様に構成10のように、ニッケル単体又はニッケル合金からなる基本形状部分の表面に、金のストライクメッキと無光沢ロジウムメッキを施したバンプを有することによって、構成1乃至8の効果に加え、接触当初から接触抵抗が低く、熱をかけた状態で時間が経過しても接触抵抗が低いまま維持されるため、バーンイン試験の用途に適する。製造工程の簡略化においては、構成9の方が良いが、無光沢ロジウムメッキのような強酸性のメッキ液を使用しで形成する場合、確実にニッケル単体又はニッケル合金表面の酸化を防ぎ、突起の密着力の低下や突起の形態のバラツキが確実に抑えられ、信頼性が向上する。
【0034】
構成11によれば、構成1〜10のような優れた特性を有するプローブ構造を有するウエハ一括コンタクトボードであるので、接触抵抗のばらつきがなく、バーンイン試験において信頼性が高く、エラーのない試験を行うことができる。
【0035】
構成12によれば、基本形状部分の表面を実質的に大気中に露出させることなく、無光沢メッキを行う(例えば、連続して行う)ことによって、基本形状部分との密着が強固な無光沢メッキによる表面粗さ(凹凸層)を有するバンプ接点を得ることができる。
基本形状部分を実質的に大気中に露出させることなく表層の無光沢メッキを行うプロセスとは、例えば、基本形状部分をメッキ法で形成した後から、表層の無光沢メッキを行うまでの間、バンプ接点を大気中に触れさせないプロセスである。具体的には、絶縁性基板を治具にセットしメッキ槽に入れて基本形状部分をメッキ法で形成した後、次の表層メッキを行うために治具をメッキ槽から取り出す際、メッキ治具に付着した基本形状部分の形成に使用されたメッキ液のリンス、及び表層の無光沢メッキを行う前、処理の前後においても、純水をバンプ接点に対して当て続け、常に水の膜がバンプ接点を覆う状態し、基本形状部分の形成終了から無光沢メッキ用のメッキ液の中に入る段階までバンプ接点を大気中に触れさせないプロセスである。水の膜に限らず、硫酸処理による基本形状部分の表面活性化を行う工程においても、バンプ接点を大気中に触れさせない。メッキ方法として、同槽内にて2種類のメッキを連続で行う場合でも同様に、メッキ液のリンス、メッキ前処理及びリンス時にはバンプ接点に常に純水を当て続け、バンプ接点を大気中に触れさせない。
なお、無光沢メッキとは、鏡面反射よりも乱反射の強い表面の性質をもち、「つや」がなく平滑でない表面状態となるメッキをいう。
基本形状部分のバンプ接点を表層メッキ形成前に大気中に露出させた場合には、接点表面が不活性状態になっており、次に行う表層メッキとの間で付着が悪くなる。この接点表面の不活性状態は特にニッケル、ニッケル合金を使用した場合に顕著に現れ、また前処理による活性化が困難である。
基本形状部分の表面を大気中に露出させることなく、無光沢メッキを行うことによって、各材質間で強固な密着が得られ、接触対象部との繰り返しの接触に対しても欠落し難いものとなる。
【0036】
また、構成13のように、基本形状部分の表面が大気中に露出しないようにするために、無光沢メッキを形成する前に、基本形状部分の酸化を防止する酸化防止層を形成しても良い。酸化防止層の膜厚が大きい場合、突起の密着力の低下や突起の形態のバラツキが発生することになるので、小さい方が好ましい。
構成14のように、酸化防止層の膜厚は、0.001〜0.05μmが好ましい。この程度の膜厚の酸化防止層を形成する方法としては、例えば、ストライクメッキなどが挙げられる。酸化防止膜の材料は、例えば、金、銀、パラジウムなどが挙げられる。
特に、凹凸層の材料が、強酸牲のメッキ液で形成するロジウム等の場合、実質特に大気中に露出されなくても、基本形状部分の表面が酸化され、不活性層が形成されるため密着性が悪くなったり、膜の成長が不均一になったりし(突起の形態のバラツキが発生し)たりするので、特に効果がある。
【0037】
構成15によれば、表層の凹凸層を形成する際のメッキ電流密度を、比較的低電流密度(具体的には、0.1A/dm〜1.0A/dm)として表層の凹凸層を形成することによって、表面粗さ状態の制御が容易となる。従って、基板上に多数のバンプ接点を設ける場合であっても、各バンプ接点の表面状態は、いずれも一定した態様に近づけることができ、接触対象部と各バンプ接点との接触状態のバラツキはより少なくなる。
また、無光沢メッキにおける電流密度を常に一定に保つことで、電流密度が安定し、突起の形態にバラツキがでることがない。
さらに、メッキ工程における電流密度、光沢剤の量、メッキ材料を変化させることによって、表面粗さ状態及び突起密度を制御することができ、電極部分の酸化膜を突き破るのに適した表面粗さを形成することができる。
【0038】
構成16によれば、無光沢メッキ材料が、ロジウムであることによって、強固な密着が得られ、接触対象部との繰り返しの接触に対しても欠落し難いものとなる。また、メッキ工程における電流密度、光沢剤の量、メッキ材料を変化させることによって、表面粗さ状態及び突起密度を精度良く制御することができる。
【0039】
構成17によれば、構成12〜16のような優れた特性を有するプローブ構造を有するウエハ一括コンタクトボードが得られるので、接触抵抗のばらつきがなく、バーンイン試験において信頼性が高く、エラーのない試験を行うことができる。
【0040】
なお、本発明によれば、300回繰り返し接触を行った際の接触抵抗の変化を1Ω以下に抑えることが可能である。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプローブ構造をその製造方法と共に詳細に説明する。
図1は本発明によるプローブ構造の一例を模式的に示す断面図である。同図に示すプローブ構造では、絶縁性基板1の一方の面にバンプ接点2が設けられ、絶縁性基板1の他方の面に導電性回路の一部を構成する電極3が設けられている。絶縁性基板1にはスルーホール5が形成されており、バンプ接点2と導電性回路の一部を構成する電極3とは、絶縁性基板を挟んで互いに表裏に位置するもの同士が、スルーホール5内部の導電性物質からなる導通部4によって導通されている。バンプ接点2は、半球状を呈する基本形状部分2aと、その表面に表面粗さを持つ表層2eとからなる。同図の例では、基本形状部分2aは単層構造であり、基本形状部分2aの表面上に無光択メッキによる表面粗さを持つ表層2eが形成されている。また、図7の例では、基本形状部分2aの表面に酸化防止層を形成した複数層構造であり、酸化防止層の表面上に無光沢メッキによる表面粗さを持つ表層2eが形成されている。無光択メッキによる表面粗さを持つ表層2eは、ランダムに形成された微小なグレインが集合して形成されている。
【0042】
絶縁性基板は、電気絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、絶縁性とともに可撓性を有するものが好ましく、具体的には、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂など、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を問わず目的に応じて選択できる。これらの樹脂のうち、優れた耐熱性や耐薬品性、さらに機械的強度を発揮するポリイミド系樹脂を用いることが好ましい。絶縁性基板の厚さは任意に選択できるが、十分な機械的強度や可撓性を有するようにするため、通常、2μm〜500μm、好ましくは10μm〜150μmである。さらに、バーインボードやプローブカードなどの用途で使用されるプローブ構造では、10μm〜50μm程度の絶縁性樹脂フィルムが良い。
【0043】
導電性回路の一部を構成する電極は、絶縁性基板に対してバンプ接点を形成すべき位置の内部または裏面に相当する位置に形成され、バンプ接点と導通されるものである。導電性回路は、導体・半導体によって形成された回路パターンの他に、接点部、コイル、抵抗体、コンデンサなどの回路を構成する要素を包含する。
導電性回路は絶縁性基板外(例えば配線基板など)に形成することもできる。導電性回路やその一部を構成する電極の材料としては、導体・半導体を問わず導電性を有するものであれば特に限定されないが、公知の良導体金属が好ましい。例えば、銅、金、銀、白金、鉛、錫、ニッケル、鉄、コバルト、インジウム、ロジウム、クロム、タングステン、ルテニウムなどの単独金属、またはこれらを成分とする各種合金、例えば半田、ニッケル−錫、金−コバルトなどが挙げられる。また、上記金属、合金などから複数種類を用いて積層構造としてもよい。また、導電性回路やその一部を構成する電極の厚みは限定されない。
導電性回路やその一部を構成する電極を形成する方法としては、絶縁性基板の全面に導電性材料層を形成し、目的の回路パターンを残すように他の部分をエッチング等によって除去する方法等が挙げられる。
【0044】
導電性回路の一部を構成する電極とバンプ接点とを連通させるためのスルーホールの孔径は限定されないが、隣合ったスルーホール同士がつながらない程度にまで大きくすることによって、導通部の電気抵抗を小さくできるので好ましい。スルーホールの実用的な孔径は、5μm〜200μm、特に10μm〜80μm程度が好ましい。スルーホールの形成方法としては、レーザー加工法、フォトリソグラフィー加工法、絶縁性基板と耐薬品性の異なるレジストなどを用いた化学エッチング法、プラズマ加工法、パンチングなどの機械的加工法、などの方法が挙げられる。これらの方法のなかでも、エキシマレーザー、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーなどによるレーザー加工は、スルーホールを任意の孔径や孔間ピッチにて微細加工が可能であり、バンプ接点のファインピッチ化に対応でき、好ましい方法である。なお、スルーホールは、絶縁性基板面に対して垂直に形成するだけでなく、絶縁性基板面に対して所定の角度を成すように形成し、互いに真裏の位置から少しずれた関係にある電極とバンプ接点とを導通させることもできる。
【0045】
導通部はスルーホール内に形成されて接点部と導電性回路の一部を構成する電極とを電気的に接続しうるものであれば良く、スルーホール内に導電性物質を充填してなるもの、スルーホールメッキのように貫通孔の壁面に導通性物質の層を形成してなるものなどが例示される。導通部の形成方法としては、電解メッキ法や無電解メッキ法、CVD法などの成膜方法、機械的に導電性物質をスルーホール内にはめ込む方法、などが挙げられる。これらの方法のなかでも、スルーホール内に導電性回路の一部を構成する電極を露出させ、この電極を負極として電解メッキによってスルーホール内に導電性物質を充填する方法が、確実な導通が得られ、かつ簡便であるので好ましい。
【0046】
バンプ接点の基本形状部分は、絶縁性基板面からの突出の有無を問わず、接触対象部の形状に応じて、凸状、凹状、どのような形状であっても良いが、公知のバンプ接点と同様、滑らかな半球状に突起したものが最も有用である。ここでいう半球状とは完全な半球だけではなく、滑らかで単調な曲面をもって突起した形状をも含む。
【0047】
基本形状部分の製造方法は限定されないが、好ましいものとして次の工程からなる製造方法が挙げられる。
以下に基本形状部分が単層構造の場合の製造方法を説明する。
絶縁性基板の面上にバンプ接点を形成すべき位置を決定し、その位置に対応する基板内部または裏面の位置に導電性回路の一部を構成する電極を形成する。上記バンプ接点を形成すべき位置に穴(スルーホール)加工を施し、このスルーホールの底部に導電性回路の一部を構成する電極を露出させる。ここでいうスルーホールは、絶縁性基板の一方の面から導電性回路の一部を構成する電極に到達するまで連通する穴である。無電解メッキによって、導電性回路の一部を構成する電極を負極としてスルーホール内に導電性物質を析出させて充填し、導通部とする。さらにこの導電性物質と同一物質をバンプ接点材料として、析出を継続させて、絶縁性基板の表面から滑らかな半球状に突起するよう成長させてバンプ接点の基本形状部分とする。ただし、上記工程において、スルーホール内に導電性物質が充填される前に析出を停止し、絶縁性基板の表面に対して凹状とした部分を基本形状部分としてもよい。基本形状部分は材料間の密着や製造容易の観点からは同一の材料だけを析出させ単一構造(単層構造)とすることが好ましい。
【0048】
次に、図1に示したように、基本形状部分が単層の構造である態様について説明する。図1におけるバンプ接点2は基本形状部分2a、表層2eの2層構造からなる。
基本形状部分は、公知のバンプ接点と同様、導通部を介して電極と接続され、かつバンプ接点部の表層内部のコアとなって接点部の強度を支える。基本形状部分の硬度は100Hk以上、800Hk以下が良く、好ましくは200Hk〜600Hkであり、さらに好ましい範囲は、300Hk〜600Hkである。硬度100Hk未満ではバンプ接点部が接触対象部に当接し圧力がかけられた際に変形しやすく、また、硬度800Hkを上回るとクラックが発生しやすくなる。このような基本形状部分の形成材料としては、特に限定されないが、公知のバンプに用いられる安価な良導体金属が好ましいものであり、ニッケル、ニッケル・錫合金、ニッケル・パラジウム合金、銅などが例示される。
【0049】
基本形状部分を形成する材料は、導電性回路を形成する材料に対して、結晶学的に整合性を有し、密着が良く、拡散しにくいものであることが好ましい。例えば、導電性回路の材料が銅である場合、これに対する基本形状部分の材料は、ニッケルやニッケル合金が好ましい組合せとなる。
【0050】
表層の凹凸層は、表面粗さを持つ層であり、繰り返し行われる接触対象部との接触に対してもダメ−ジを受け難く、接触対象部よりも硬度が高いことが要求される。また、耐食性を有し、接触対象部からの他金属の転写・拡散を制御しうる性質を有することによって、接触抵抗を低い状態に維持できる。表層の硬度は800Hk以上、1000Hk以下がよく、好ましい範囲は850Hk〜1000Hkであり、特に好ましくは900Hk〜1000Hkである。硬度800Hkを下回ると被検査体の導体との接触の際に表層の凹凸層はダメージを受けやすく、1000Hkを上回るとクラックが発生しやすくなる。このような表層の凹凸層の材料としては、耐食性を有し、接触対象部から転移する金属の拡散を防止するバリアとしての性質を有する金属が好ましく、ロジウム、ルテニウム、コバルト、クロム、タングステンなどの貴金属が例示される。
【0051】
表層の凹凸層に上記貴金属を用いる場合、該貴金属は、単一金属、合金のいずれでも良いが、卑金属が表面に拡散して酸化されることによる接触抵抗の増大や、有機不純物による内部応力の増大、クラックの発生などを抑制するためにも、99%以上が貴金属であることが好ましい。なお、合金の場合、耐食性を有し拡散しにくい貴金属の組合せが好ましく、ロジウムとルテニウムなどの組み合わせが例示される。表層の凹凸層の厚さは、被換査物の接触対象部に対する耐摩耗性を発現できる厚さが好ましい。
基本形状部分2aの表面に酸化防止層を形成した複数層構造のものは、基本形状部分2aの形成と、表層の凹凸層の形成との間に酸化防止層の形成工程を付加するだけで、それ以外は上記製造方法と変わらない。酸化防止層は、基本形状部分が酸化することによる表層の凹凸層(突起)の密着力の低下や突起の形態のバラツキを、抑える働きをする。酸化防止層の材料は、強酸性のメッキ液によって形成される材料以外であれば良い。強酸性のメッキ液だと、基本形状部分表面への形成過程で基本形状部分が酸化されるからである。例えば、弱酸性、中性、アルカリ性のメッキ液で形成可能な、金、銀、パラジウムなどが挙げられる。また、酸化防止層の膜厚が大きい場合、突起の密着力の低下や突起の形態のバラツキが発生することになるので、膜厚は、0.001〜0.05μmが好ましく、形成方法としては、ストライクメッキなどが挙げられる。
【0052】
【実施例】
実施例1
基本形状部分が単層構造のプローブ構造
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示す。本実施例では、図1に模式的に示すバンプ接点の構造、即ち、基本形状部分が単層横造であって、表面に連続無光沢メッキにて表面粗さを持つ表層(凹凸層)を形成したバンプ接点を有するプローブ構造(ウエハ一括バーンイン試験の用途に使用されるもの)を実際に製造した。
具体的には、図2(a)に示すように、市販のポリイミドフィルム11と銅箔13とを貼り合わせた構造の2層フィルム(例えば、住友金属鉱山(株)社製:エスパーフレックス;ポリイミド膜厚25μm、銅箔厚16μm)を用い、図2(b)に示すように、ポリイミドフィルム11におけるバンプ接点を形成する位置にKrFエキシマレーザ(波長248nm)を照射し、内径30μmのスルーホール15を形成し、このスルーホールの底面に銅箔13を露出させた。
次いで、エキシマレーザによるスルーホール加工を行った際にポリイミド表面に付着したカーボンの除去及びポリイミド面のメッキ液に対する濡れ性改善のために、プラズマアッシング処理を行った。
【0053】
次に、表面側の銅箔面がメッキされないように保護した後、銅箔13の一部にメッキ用電極を接続しスルーホール15内に露出した銅箔を負極として、ニッケル合金の電気メッキを行った。詳しくは、図2(c)に示すように、 ニッケル合金をスルーホール15内に析出させて充填し、さらに析出を継続して、ポリイミド面から25μm突出した高さまで半球状に成長させ単層構造の基本形状部分12aとした。このニッケル合金による基本形状部分12aを大気に触れさせないように水洗工程に移し水洗後、5%硫酸処理による基本形状部分の表面活性化を行い、再度水洗後、メッキ電流密度を0.5A/dmに設定し、常に一定のメッキ電流密度を保って、無光沢ロジウムメッキを行った。なお、ニッケル合金のメッキ開始から無光沢ロジウムメッキ終了までの間は基本形状部分を大気に触れさせることなく、水洗、前処理の工程を行い、時間を開けず連続にて処理を行った(連続無光沢ロジウムメッキ)。
連続無光沢ロジウムメッキ(微小なグレインの集合の厚さ)は2μmの厚さに析出させ、表面粗さRmax=0.5μm、Ra=0.1μm、Rmax/Ra=5の表面状態を得た。なお、表面粗さの測定方法としては、実際のバンプ接点表面を表面形状測定装置(TENCOR INSTRUMENTS社製:テンコールP2)によって、触針式にて表面粗さの計測を行った。
最後に、銅箔13をエッチングによりパターニングして、導電性回路やその一部を構成する電極を形成し(図示せず)、図1に示すプローブ構造を得た。
【0054】
バンプ接点部の表面状態をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、図3、図4となり、バンプ接点部の表面は、ランダムに形成された微小なグレインが集合して表面に凹凸が形成されていた。そのグレインサイズを測定したところ、5nm〜200nmで、平均グレインサイズは、80nmであった。また、グレインが集合して形成された突起の大きさは、約0.3μm〜約0.6μmであり、突起密度は、1μm当たり1個〜7個であった。また、突起の太さは、約0.1μm〜約0.3μmで、突起のピッチは、約0.25μm〜約0.6μmであり、突起太さが突起ピッチの約2/5〜約1/2(1/3以上)であった。粘着テープ(例えば、ニチバン(株)社製:セロテープ)を用いたテープ剥離試験を行ったところ、連続無光沢ロジウムメッキ層は剥離しなかった。
また、ニッケル合金からなる基本形状部分及び連続無光沢ロジウムメッキ層の硬度をそれぞれマイクロビッカース硬度計によって測定したところ、それぞれ、600Hk、900Hkであった。
【0055】
比較例1
実施例1においてニッケル合金によるパンプ接点を形成させた後、大気中にて10分間放置した後、実施例1と同様に無光沢ロジウムメッキを行った(不連続無光沢メッキ)。その結果、バンプ接点の表面粗さは、Rmax=1.0μm、Ra=0.02μm、Rmax/Ra=50であった。また、不連続無光沢メッキによって得られたバンプを分析したところ、ニッケル合金とロジウム層との間に酸化ニッケルからなる不活性状態が存在していることが確認された。これによってニッケル合金の表面に対するロジウム粒子の付着にバラツキが起こり、Rmax/Raが10を大きく超えた。そして、ロジウム層全体の付着強度が弱くなり、接触対象物との接触繰り返しによって表面ロジウム層の割れ、欠けが発生し著しく耐久性が落ちた。また、突起高さが高く突起自体が細くなる場合があり、バンプ接点と接触対象部との接触繰り返しによって、バンプ表面から容易に欠落し、接触抵抗が変化することがあった。さらに微小突起の高さ(表面粗さ)、粗さのバラツキ、突起密度などを常に一定にして形成することが困難であり、バンプ毎に接触抵抗がばらつくことがあった。
さらに、粘着テープ(例えば、ニチバン(株)社製:セロテープ)を用いたテープ剥離試験によって、ロジウム層は容易に剥離した。
【0056】
実施例2〜5、8〜10及び比較例2〜5
連続無光沢ロジウムメッキ工程におけるメッキ電流密度、光沢剤の量を適宜調節したこと以外は実施例1と同様にして、バンプ接点表面の表面粗さの異なるプローブ構造を作製した。得られたバンプの表面粗さ、Rmax/Ra及びグレインサイズを測定したところ、表1のようになった。
【0057】
【表1】
Figure 0003601697
【0058】
実施例6〜7及び比較例6〜7
実施例におけるメッキ電流密度を0.1A/dm(実施例6)、1.0A/dm(実施例7)、0.05A/dm(比較例6)、1.5A/dm(比較例7)とした以外は、実施例1と同様にプローブ構造を作製した。得られたバンプの表面粗さ、Rmax/Ra及びグレインサイズを測定したところ、表2のようになった。
【0059】
【表2】
Figure 0003601697
【0060】
接触状態の評価
接触対象部として、ガラス基板上に1μmの厚みでアルミニウムを蒸着させたアルミニウムチップを用い、上記で得られた表面粗さの異なるプローブ構造の接触状態を評価したところ、連続無光沢ロジウムメッキによって形成された表層の表面粗さがRmax=0.01μm〜0.8μm、Ra=0.001μm〜0.4μm、Rmax/Ra=2〜10の場合(上記実施例1〜10)にアルミニウムの酸化膜が好ましく破られ、1バンプ当たりの荷重が1.0gの際、1Ω以下という低い接触抵抗が得られ、接触抵抗の安定化に寄与することが確かめられた。 接触対象物に対して荷重10gにて300回の繰り返し評価を行った結果、不連続無光沢メッキにてロジウム層を形成したバンプ接点は、1〜2回の接触にてロジウム層の割れ、欠けが発生した。連続無光沢メッキにてロジウム層を形成したものはロジウム層の割れ、欠けは発生ぜず、接触抵抗の低下もみられなかった(図5)。接触繰り返しによって割れ、欠けが発生していなかったバンプ接点の表面状態を顕微鏡にて観察、評価したところ、連続無光沢メッキによって形成された表層の表面粗さがRmax=0.01μm〜0.8μm、Ra=0.00μm〜0.4μm、Rmax/Ra=2〜10の場合(上記実施例1〜10)では表層の突起に劣化は見られなかった。
また、上記実施例1〜10で得られたプローブ構造を用いて上記アルミニウムチップに対する接触繰り返し試験を行ったところ、表面の摩耗や欠落が従来のものに比べて非常に少なく、信頼性の高い接触状態をより長く維持し得るものであった。
【0061】
一方、上記比較例3、5、7は、表面粗さが大きいために、被検査対象部であるアルミニウム膜を貫通させ、電極にダメージを与えてしまった。また、比較例2、3、4、7では、表面粗さのバラツキ(Rmax/Ra)が大きく、突起の高い部分で接触繰り返しに対して突起が欠落するなどの劣化が見られた。特に、比較例3、7では、突起が欠落するのが多く見られた。
上記比較例2、4、6は、表面粗さが小さいために、バンプを検査対象部に対して接触させても金属の酸化膜を突き破る効果が少なく、バンプ接点毎の接触抵抗のバラツキが発生した。
上記比較例6、7はロジウムメッキの適性電流密度から大きく外れた電流密度によってメッキを行ったため、ロジウムの析出が安定せず、表面粗さを測定したポイント以外の箇所でグレインサイズが大きくなり(200nm超)、表面粗さが著しく大きくなる等、メッキが異常析出するバンプが発生した。
【0062】
比較例8
連続無光沢ロジウムメッキを行う際に、電流密度を変化させ、図9に示すバンプ接点を有するプローブ構造を得た。
その結果、メッキの際に電流密度を変化させると電流密度が安定せず、突起の形態にバラツキがでることを確認した。
【0063】
比較例9
ニッケル合金からなる基本形状部分の表面に、金メッキからなる中間層を設け、その表面に連続又は不連続無光沢ロジウムメッキを行ったこと以外は実施例1又は比較例1と同様にして、プローブ構造を得た。
その結果、いずれの場合も、ロジウムメッキの付着強度が弱く、剥離してしまった。
【0064】
実施例11
基本形状部分の表面に酸化防止層を形成した複数層構造のプローブ構造
実施例1において基本形状部分12aを形成した後、酸化防止層として弱酸性Au(金)ストライクメッキ浴によるAu(金)のストライクメッキを行った他は、実施例1と同様にしてプローブ構造(バーンイン試験の用途に使用されるもの)を製造した。なお、Auのストライクメッキの条件は、膜厚が0.05μm以下になるように条件設淀した。
その結果、バンプ接点部の表面は、ランダムに形成された微小なグレインが集合して表面に凹凸が形成され、その表面粗さは、Rmax=0.4μm、Ra=0.1μm、Rmax/Ra=4となり、そのグレインサイズは、10〜150nmで、平均グレインサイズは、約100nmであった。また、粘着テープ(例えば、ニチバン(株)社製:セロテープ)を用いたテープ剥離試験を行ったところ、連続無光沢ロジウムメッキ層は剥離しなかった。また、上述と同様の接触状態の評価試験(接接触対象物に対して荷重10gにて300回の繰り返し評価)を行ったところ、抵抗は0.45Ω付近で一定であった。
【0065】
実施例12
図8に示すように、上記実施例に記載したプローブ構造を有し、ポリイミドフィルム11を窒化珪素製リング16に展開した状態で支持したメンブレンリング10を作製し、バキュームチャック(図示せず)上に載せたSiウェハー40(アルミニウムからなる電極パッドを有する)上に、メンブレンリング10、プローブ構造とガラス多層配線基盤とを電気的に接続する異方性導電ゴムシート20、ガラス多層配線基盤30の順に載せ、全体を吸着固定してウェハー40上の各デバイスをガラス多層配線基盤30にプリントボードを介して接続したテスターにてバーンイン試験(特開平7−231019号公報)を行った。バーンイン試験は、常温から設定温度80〜150℃まで温度を上昇させて行った。
その結果、実施例の製造方法によって作製された連続無光沢ロジウムメッキを施したニッケル合金からなるバンプは、接触当初(常温)から接触抵抗が低く、また、熱をかけた状態で時間が経過しても接触抵抗が低いまま維持された。また、連続無光沢ロジウムメッキによる突起の密着力が強く、突起が強度的に優れ、接触の繰り返しに対して劣化が少なく、各バンプ接点毎に接触抵抗がばらつくことがなかった。
これに対し、ニッケル合金からなるバンプは、熱をかけた状態で時間が経過すると接触抵抗が下がる傾向があった。
また、金メッキ(膜厚:1μm)(比較例9)を施したニッケル合金からなるバンプは、接触当初は接触抵抗が低いが、熱をかけた状態で時間が経過すると接触抵抗が上がる傾向があった。
さらに、ニッケル合金からなるバンプの表面に、金メッキからなる中間層(膜厚:1μm)を設け、その表面に連続又は不連続無光沢ロジウムメッキを施したバンプは、ロジウムメッキの付着強度が弱く、剥離してしまった。
これらのことから、バーンイン試験の用途で使用されるバンプとしては、ニッケル合金からなるバンプの表面に、連続無光沢ロジウムメッキを施したバンプが好適であることがわかる。
【0066】
なお、本発明は上記実施例に限定されない。
例えば、基本形状部分と表面粗さを有する表層との間に、検査時に表層に加えられた接触圧によって接点部内に生じる応力を吸収し緩和する働きを有する緩衝層を介在させても良い。緩衝層の材料としては、金、バラジウム、銀、インジウム、白金などが上げられる。但し、剥離や表面凹凸のバラツキなどに注意する必要がある。
また、バンプ表面の表面粗さは、電極パッドや回路パターンなど、被検査物上の接触対象部の厚さや導体表面の酸化膜の厚さ等によって、適宜設定することができる。
また、バンプ表面の表面粗さの調整方法は、上述の実施例のように、メッキ電流密度や光沢剤の量によって適宜調整する方法に限定されない。例えば、基本形状部分や表層を形成する際に、これらのメッキ液中にダイヤモンドなどの微粒子を分散させ、基本形状部分の表面や表層における被接触部分に微粒子を取り込みこの微粒子によって凹凸(突起)を形成する方法や、基本形状部分の表面や表層における被接触部分に取り込まれた前記微粒子を、エッチング等の処理を行ない除去して、凹凸(突起)を形成する方法、また、バンプ表面の被接触部分に、表面状態が荒れた材質を接触させたり、微小な粉体などを接触させることによって機械的に凹凸(突起)を形成する方法などが挙げらる。
また、本発明のプローブ構造は、実施例に記載したウエハ一括バーイン試験の用途に使用される以外に、CSP(Chip Size Package)検査用、1チップバーイン検査用のテープキャリア用、バーンインプローブカード用、メンブレンプローブカード用、などとして用いることができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、突起の形態が適切な範囲内にあり、優れた特性を有するプローブ構造及びその製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、突起の密着力が強く、突起が強度的に優れ、接触の繰り返しに対して劣化が少なく、各バンプ接点毎に接触抵抗がばらつくことがないバンプ接点を有し、製造が容易であるプローブ構造及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるプローブ構造を説明するための部分断面図である。
【図2】本発明の一実施例におけるプローブ構造の製造工程を説明するための部分断面図である。
【図3】本発明の一実施例で作製したプローブ構造におけるバンプ部分のSEM写真である。
【図4】本発明の一実施例で作製したプローブ構造におけるバンプ表面を拡大して見たSEM写真である。
【図5】本発明の一実施例で作製したプローブ構造において、抵抗とコンタクト(接触)回数との関係を示す図である。
【図6】突起太さを説明するための模式面である。
【図7】本発明の他の実施の形態である基本形状部分の表面に酸化防止層を形成した複数層構造のプローブ構造を説明するための部分断面図である。
【図8】本発明の一実施例におけるバーンイン試験を説明するための模式面である。
【図9】従来のプローブ構造を説明するための部分断面である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板
2 バンプ接点
2a 基本形状部分
2e 表面粗さを持つ表層
3 導電性回路の一部を構成する電極
4 導通部
5 スルーホール

Claims (9)

  1. 絶縁性基板の一方の面に設けられたバンプ接点と、該絶縁性基板の他方の面及び/又は内部に設けられた導電性回路の一部を構成する電極とが導通されてなる構造を有し、
    前記バンプ接点の表面粗さがRmax=0.01〜0.8μm、Ra=0.001〜0.4μm、Rmax/Ra=2〜10、であることを特徴とするプローブ構造。
  2. 前記バンプ接点の表面は、前記表面粗さに基づく突起のピッチが0.1〜0.8μmであって、突起太さが突起ピッチの1/3以上である突起形状を有することを特徴とする請求項1に記載のプローブ構造。
  3. 絶縁性基板の一方の面に設けられたバンプ接点と、該絶縁性基板の他方の面及び/又は内部に設けられた導電性回路の一部を構成する電極とが導通されてなる構造を有し、
    少なくとも前記バンプ接点の表面には、グレインサイズが5〜200nmである微小なグレインが集合して形成された表面粗さを持つ表層の凹凸層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブ構造。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一に記載のプローブ構造を有することを特徴とするプローブ構造体。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一に記載のプローブ構造を有するバーンイン試験用途に使用されるバーンインプローブカード。
  6. ウエハ上に多数形成された半導体デバイスの試験を一括して行うために使用されるウエハ一括コンタクトボードであって、
    請求項1乃至3のいずれか一に記載のプローブ構造と、
    絶縁層を介して配線を積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して上下の配線を接続した構造を有する多層配線基盤と、
    前記多層配線基盤と前記プローブ構造とを電気的に接続する導電性部材と、を有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。
  7. 絶縁性基板の一方の面にバンプ接点の基本形状部分と、表層をメッキ法により設ける工程と、該絶縁性基板の他方の面及び/又は内部に少なくとも導電性回路の一部を構成する電極を設ける工程と、前記バンプ接点の基本形状部分と前記導電性回路の一部を構成する電極とを導通させる工程とを有し、
    前記表層は無光沢メッキにより形成し、前記基板形状部分を形成した後から、前記表層の無光沢メッキを行うまでの間、前記基本形状部分の表面を大気中に触れさせないことを特徴とするプローブ構造の製造方法。
  8. 前記バンプ接点の表面粗さがRmax=0.01〜0.8μm、Ra=0.001〜0.4μm、Rmax/Ra=2〜10であることを特徴とする請求項7記載のプローブ構造の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載のプローブ構造の製造方法によって得られたプローブ構造を用意する工程と、
    絶縁層を介して配線を積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して上下の配線を接続した構造を有する多層配線基盤を用意する工程と、
    前記多層配線基盤と前記プローブ構造とを電気的に接続する導電性部材を用意する工程と、
    前記プローブ構造、前記導電性部材、及び前記多層配線基盤を組み立て、ウエハ一括コンタクトボードを製造する工程と、を有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボードの製造方法。
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