JP3601876B2 - ウォーキングビーム制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ウォーキングビームを用いて被搬送物を搬送するウォーキングビーム装置に利用される分割ウォーキングビーム制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のウォーキングビーム装置は、例えば加熱炉内の鋼片を搬送する場合に使用され、模式的には図9および図10に示すように固定ビーム51と移動ビーム(以下、ウォーキングビームと指称する)52とが設置され、ウォーキングビーム52側には昇降用駆動源と横行用駆動源が取り付けられ、これら駆動源によってウォーキングビーム52を図示矢印イ方向に示すごとく、上昇→前進→下降・復旧を繰り返しながら、固定ビーム51上の鋼片を加熱炉入口側から加熱炉出口側に搬送する構成となっている。
【0003】
ところで、このようなウォーキングビーム装置は、ウォーキングビーム52が2つに分割され、そのうち加熱炉装入側の方を前面ウォーキングビームと称し、加熱炉抽出側の方を後面ウォーキングビームと称し、鋼片の位置に従ってこれら2つのウォーキングビーム52を同時に駆動する連結動作から何れか1つのウォーキングビーム52を駆動する単独動作、或いは逆に単独動作から連結動作に切替て鋼片を加熱炉抽出側に搬送することが行われている。具体的には、加熱炉装入側の前面ウォーキングビームと加熱炉抽出側の後面ウォーキングビームとを同時に連結動作させながら鋼片を搬送するが、ある鋼片が2つのウォーキングビームの中間位置を通過して完全に後面ウォーキングビームの搬送可能領域に移ったとき、連結動作から単独動作,つまり後面ウォーキングビームの単独動作に切替えることにより、前記ある鋼片と当該ある鋼片の次の鋼片とを距離的に切り離しながら搬送することが行われている。
【0004】
従来、このような連結動作から単独動作、或いは単独動作から連結動作への切替時、オペレータが鋼片の位置を確認しながら切替タイミングを判断するが、特に2つのウォーキングビームが干渉する部分,すなわち加熱炉の中間部分では鋼片位置の精度に確信をもてないことから、動作モード(連結動作,単独動作)の切替対象となる鋼片については十分な距離をとり、トラッキング精度を十分な距離により吸収することが行われている。
【0005】
一方、トラッキング精度を上げるための炉内鋼片位置の補正手段は、炉内抽出側に抽出端センサーを設置し、ウォーキングビームの動作中に抽出端センサーが鋼片を検出したときにウォーキングビームを下降動作に移すことにより、後面ウォーキングビームの当該単独動作が完了するまでのストローク量および抽出端センサー位置に基づいて炉内抽出端側の鋼片位置を補正し、この補正に従ってそれに続く鋼片の位置を補正することが実行されている。これは、抽出端センサーが加熱炉の最抽出口側に設置されているので、この抽出端センサーにより加熱炉の最抽出口にある鋼片であると確定できることから実現可能になるものである。
【0006】
また、加熱炉内の中間位置に中間センサーを設置し、鋼片の中間位置通過を検出することが行われているが、もともと中間センサーは鋼片の通過状態を見ているだけであり、加熱炉内のどの鋼片をとらえたのか、鋼片の位置が少しずつずれてくると、何れの鋼片であるかを特定できない。従って、この中間センサーによる鋼片の検出は、抽出端センサーによる鋼片の検出による補正の場合と比べると確信度が低く、何れの鋼片であるかの判定を誤ると、鋼片1本分のずれが生じてしまう。ゆえに、ウォーキングビーム52の連結動作中には、加熱炉の中間部分を通過する鋼片に対する鋼片位置の補正は行われていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年,熱間圧延における接合圧延技術の登場に伴い、連結動作と単独動作とを積極的に使い分けるニーズが生じてきた。この接合圧延技術は、複数の鋼片からなるグループ単位ごとに接合圧延することから、鋼片のグループごとに前面ウォーキングビームと後面ウォーキングビームとに分けて加熱炉内を搬送させる必要がある。この場合には、鋼片をグループごとに搬送することから、圧延ラインの接合制約からくる加熱炉からの抽出間隔と、上流工程の制約からくる加熱炉への装入間隔を独立に設定できる。
【0008】
ところで、このような接合圧延技術をとりいれた鋼片グループ単位の搬送は、連結動作によって先のグループの最後の鋼片が後面ウォーキングビームで搬送可能な位置に到達したとき、連結動作から後面ウォーキングビームによる単独動作に切り替えることにより、先のグループの最後の鋼片と後続グループの最初の鋼片とを分離することが必要になるが、この場合には先のグループの最後の鋼片が確実に中間センサーを通過したという情報が必要になってくる。
【0009】
しかしながら、従来における鋼片のトラッキング方法は、中間センサーによる鋼片の検出位置精度に確信度がもてない状態であるので、中間センサーによる鋼片位置情報に従って連結動作から単独動作への切り替えを行った場合、接合圧延に必要な鋼片を前面ウォーキングビームに残した状態で後面ウォーキングビームの単独動作を切り替えて鋼片を搬送することになり、円滑な搬送および均質な接合圧延を行えない問題がある。
【0010】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、炉の空状態から炉内装入による被搬送材の初期位置の検出精度を高め、適切な切り替えタイミングを得るウォーキングビーム制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明の他の目的は、被搬送材のトラッキング精度の向上を図るウォーキングビーム制御装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、連結動作と単独動作との切り替えを適切に行うウォーキングビーム制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に対応する発明は、炉内に前面ウォーキングビームと後面ウォーキングビームとが干渉部分をもって配置され、これら両ウォーキングビームを連結動作または単独動作を行ないながら炉内の被搬送材を搬送制御するウォーキングビーム制御装置において、前記前面ウォーキングビームの単独動作または両ウォーキングビームの連結動作によって前記干渉部分を通過する被搬送材を検出するセンサーと、前記ウォーキングビームの単独動作または前記両ウォーキングビームの連結動作の1サイクル完了毎に当該ウォーキングビーム搬送のストローク量を用いて各被搬送材の位置を順次更新するとともに、前記センサーが炉の空状態から当該炉内に装入される最初の被搬送材の通過を検出したとき前記単独動作または前記連結動作を停止制御する制御手段と、この制御手段による前記ウォーキングビーム搬送の停止制御後に当該ウォーキングビームが完全に停止するまでに移動する流れ量と前記センサーの位置とを用いて前記最初の被搬送材の位置補正を行うとともに、この位置補正量を後続の各被搬送材の更新位置(距離)に応じて割り振りを行う初期位置補正手段とを設けたウォーキングビーム制御装置である。
【0013】
請求項2に対応する発明は、炉内に前面ウォーキングビームと後面ウォーキングビームとが干渉部分をもって配置され、これら両ウォーキングビームを連結動作または単独動作を行いながら炉内の被搬送材を搬送制御するウォーキングビーム制御装置において、前記前面ウォーキングビームの単独動作または両ウォーキングビームの連結動作によって前記干渉部分を通過する被搬送材を検出するセンサーと、前記ウォーキングビームの単独動作または前記両ウォーキングビームの連結動作の1サイクル完了毎に当該ウォーキングビーム搬送のストローク量を用いて各被搬送材の位置を順次更新するとともに、前記センサーが炉の空状態から当該炉内に装入される最初の被搬送材の通過を検出したとき前記単独動作または前記連結動作を停止制御する制御手段と、この制御手段による前記ウォーキングビーム搬送の停止制御後に当該ウォーキングビームが完全に停止するまでに移動する流れ量と前記センサーの位置とを用いて前記最初の被搬送材の位置補正を行うとともに、この位置補正量を後続の各被搬送材の更新位置(距離)に応じて割り振りを行う初期位置補正手段と、この初期位置補正手段による初期位置決定後、両ウォーキングビームの連結動作または後面ウォーキングビームの単独動作によるウォーキングビーム搬送時、前記センサーの出力から被搬送材の検出回数をカウントし、前記後面ウォーキングビームに乗り移った被搬送材を特定する被搬送材特定手段と、前記センサーによる被搬送材検出オンから検出オフまでのストローク量が予め定めた被搬送材の幅または長さを越えたとき、前記カウント値に+1インクリメントするカウントバックアップ手段とを設けたウォーキングビーム制御装置である。
【0014】
次に、請求項3に対応する発明は、炉内に前面ウォーキングビームと後面ウォーキングビームとが干渉部分をもって配置され、前記前面ウォーキングビームに載置される複数の被搬送材のグルーブ単位ごとに前記後面ウォーキングビームに移し変えて搬送するウォーキングビーム制御装置において、前記干渉部分を通過する被搬送材を検出するセンサーと、先頭グループの最後尾の被搬送材と次の後続グループの先頭の被搬送材との間隔を、少なくとも前記ウォーキングビームの最大ストローク量以上に設定する間隔設定手段と、前記センサーが先頭グループの最後尾の被搬送材を検出した後、前記設定間隔に基づいて当該センサーによる被搬送材の非検出状態をみながら前記先頭グループと次の後続グループとの区分を認識し、前記先頭グループが前記後面ウォーキングビームに移し終えたことを判断し、少くとも後面ウォーキングビームの動作を実行するウォーキングビーム駆動制御手段とを設けたウォーキングビーム制御装置である。
【0016】
【作用】
従って、請求項1に対応する発明は、以上のような手段を講じたことにより、最初に被搬送材を装入して初期位置を設定する際、チャージャーによる炉装入時の位置を初期位置とし、以後、制御手段にて前記初期位置に前面ウォーキングビームの単独動作または両ウォーキングビームの連結動作の1サイクル完了毎にウォーキングビームのストローク量を加算して各被搬送材の位置を更新する。
【0017】
しかる後、制御手段は、最初の被搬送材がセンサーで検出すると、ウォーキングビームの動作を停止制御するが、ウォーキングビームの上昇−前進−下降・復旧の途中段階の場合には完全に停止するまでに抽出端側に流れ量が生じる。そこで、初期位置補正手段では、ウォーキングビーム搬送の停止制御後に当該ウォーキングビームが完全に停止するまでに移動する流れ量と前記センサーの位置とを用いて最初の被搬送材の位置補正を行い、さらにこの位置補正量を後続の各被搬送材の更新位置(距離)に応じて割り振りするので、被搬送材の初期位置を正確に把握できる。
【0018】
次に、請求項2に対応する発明は、被搬送材の初期位置決定後、被搬送材特定手段では、ウォーキングビーム搬送時、センサーの出力から被搬送材の検出回数をカウントすることにより、後面ウォーキングビームに乗り移った被搬送材を特定する。しかし、前後の被搬送材間隔が小さい状態で搬送されたときには1つの被搬送材と認識することがあるので、この場合にはカウントバックアップ手段にて、センサーによる被搬送材検出オンから検出オフまでのストローク量と予め知り得る被搬送材の幅または長さとを比較し、検出オンから検出オフまでのストローク量が被搬送材の幅または長さを越えたとき、カウントアップを行うことにより、被搬送材の特定精度の向上を図ることができる。また、センサーの被搬送材検出から1ストローク完了までの移動量から前記カウントバックアップ手段にて特定した被搬送材の炉内位置を補正し、後続の被搬送材の位置もこれに従って行うことにより、炉内位置情報の精度の向上を図ることができる。
【0019】
さらに、請求項3に対応する発明は、先頭グループの最後尾の被搬送材と次の後続グループの先頭の被搬送材との間隔を、少なくとも前記ウォーキングビームの最大ストローク量以上に設定し、センサーが先頭グループの最後尾の被搬送材を検出した後、前記設定間隔に基づいて当該センサーによる被搬送材の非検出状態をみながら先頭グループと次の後続グループとの区分を認識し、先頭グループが後面ウォーキングビームに移し終えたことを判断するので、連結動作と単独動作との切り替えを適切に行うことができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は例えば加熱炉に適用した分割ウォーキング制御装置の一実施例を示す概略構成図である。同図において1は適用対象としての加熱炉等であって、この加熱炉1の鋼片装入口側には鋼片2を装入するチャージャ3、鋼片抽出口側には炉1から鋼片2を抽出するエキストラクタ4が配置され、さらに加熱炉1内には固定ビーム5の他、上昇→前進→下降・復旧の移動軌跡で動作する前面ウォーキングビーム6と同じく上昇→前進→下降・復旧の移動軌跡で動作する後面ウォーキングビーム7とが配置されている。この前面ウォーキングビーム6は炉内部の装入側に配置され、後面ウォーキングビーム7は炉内部の抽出側に配置されている。
【0022】
これらチャージャ3、エキストラクタ4、前面ウォーキングビーム6、後面ウォーキングビーム7にはそれぞれ駆動部8,9,10,11が設けられている。これら駆動部8,9,10,11は、制御部12からの動作指令に従って対応するチャージャ3、エキストラクタ4、前面ウォーキングビーム6、後面ウォーキングビーム7を動作制御するが、そのうち前面ウォーキングビーム6と後面ウォーキングビーム7に対しては上昇→前進→下降・復旧の繰り返しを行う連結動作と単独動作とを適宜選択的に行いながら鋼片2,…を抽出端側に搬送する構成となっている。
【0023】
前記前面ウォーキングビーム6と後面ウォーキングビーム7との間には予め所要とする干渉部分13が設定され、前面ウォーキングビーム6が図示点線の範囲,つまり図示ロ矢印に従って上昇→前進→下降・復旧動作を繰り返す過程において干渉部分13の後位置15まで移動するとともに、その前進時に固定ビーム5上の鋼片2を抽出側に搬送し、一方、後面ウォーキングビーム7が図示点線の範囲,つまり図示ハ矢印に従って上昇→前進→下降・復旧動作を繰り返す過程において干渉部分13の前位置14まで移動するとともに、その前進時に固定ビーム5上の鋼片2を抽出側に搬送する。
【0024】
また、干渉部分13の前位置14とほぼ等しいライン近傍,つまり連結動作から単独動作に移行する中間ポイントには鋼片2を検出する中間センサー16が設置され、鋼片12の通過時には鋼片検出信号17を制御部12に送出する。
【0025】
この制御部12は、チャージャ3での鋼片装入位置信号18、ウォーキングビーム6,7の連結・単独動作時のストローク量に関係する信号19,20および中間センサー16からの鋼片検出信号17等を用いて、チャージャ3、エキストラクタ4、前面ウォーキングビーム6、後面ウォーキングビーム7の動作制御を実行し、鋼片位置のトラッキングを行っている。21はデータ記憶部である。
【0026】
次に、以上のように構成された装置の動作について説明する。
(1) 中間位置における鋼片のトラッキング精度の向上について
a.初期時の鋼片装入による実位置の補正
今、図2に示すごとく、空炉の状態から両ウォーキングビーム6,7の連結動作または前面ウォーキングビーム6の単独動作を行って固定ビーム5上の鋼片2,…を順次装入し前進させていくと、中間センサー16が中間部分に進んでくる過程で最初の鋼片2(2a)を検出する。ここで、制御部12は、中間センサー16からの鋼片検出信号17を受けると、ウォーキングビーム6,7または6のみに停止指令を送出するが、上昇→前進→下降・復旧の繰り返し動作の途中段階であれば、この一連の動作が終了するまで連結または単独動作が続けられる。つまり、制御部12が停止指令を行ったにも拘らず、鋼片2aが少し抽出側に流れる。
【0027】
そこで、この鋼片流れを考慮し、各鋼片の初期位置は次のようにして求められる。先ず、チャージャー3からの鋼片装入位置信号18を初期値とし、データ記憶部21に格納する。以後、毎回繰り返えされる上昇→前進→下降・復旧の動作ごとに前面ウォーキングビーム6のストローク量信号(パルス信号)19,20を受けて順次位置更新する。そして、中間センサー16が鋼片2aを検出すると、その後の各鋼片2の流れ量22を求めた後、前回更新された鋼片位置(図示点線ニ)に補正量△Ls を加算し、各鋼片2(2a)の今回の更新位置とする。この補正量△Ls は、鋼片2aについてみれば、(中間センサー16の絶対位置+流れ量22)からなる。ここで、流れ量22とは、中間センサー16が鋼片2aを検出した後ウォーキングビーム6が下降動作に入って鋼片2aを固定ビーム5に載せるまでのストローク量である。後続の鋼片2,…は、この補正量に従って順次位置補正演算を実行し、データ記憶部21に記憶される各鋼片の位置を補正する。
【0028】
例えば鋼片2aの補正量ΔLsとすると、各後続鋼片2(i)の位置補正量ΔLiは、下記(1)式に示すように補正量ΔLsを装入端からの距離に比例させて割り振りする。
【0029】
ΔLi=ΔLs・(Li/Lc)
但し、Li:加熱炉装入端から後続鋼片2(i)までの距離、Lc:加熱炉装入端から最初の鋼片2aまでの距離である。なお、(1)式については、チャージァ3から加熱炉1に入れた最初の鋼片2は正確な位置を把握できるが、その後装入端からの距離が長くなると、前面ウォーキングビーム6の前進運動を繰り返すたびに徐々に位置誤差が累積されて大きくなってくる。このことは、装入端から短い距離にある後続鋼片2(i)であるほど、各後続鋼片2(i)の位置誤差が小さく、装入端から最も離れた距離にある最初の鋼片2aの場合には最も位置誤差が大きい。そこで、最初の鋼片2aの距離はストローク量に見合う補正量ΔLsを用いてそのまま位置補正するが、それ以外の後続鋼片2(i)については前記(1)式に基づき、つまり装入端からの距離に応じた補正量ΔLiを用いて位置補正を行う。
【0030】
これにより、初期時の鋼片位置を実位置に合わせることができる。そして、空炉状態から最初の鋼片のセンサー検出までの間、前面ウォーキングビーム6による単独動作を行って鋼片を搬送している場合、ここで連結動作に切り替えて前面ウォーキングビーム6から後面ウォーキングビームに移ってくる鋼片を抽出端側に搬送する。
【0031】
b.中間センサーの通過鋼片の数について
以上のようにして鋼片の初期位置決定後、両ウォーキングビーム6,7の連結動作によって鋼片2,…が移動するが、この鋼片の移動の度に中間センサー16からの鋼片検出信号17をカウントし、図3に示すように鋼片検出回数をデータ記憶部21内の鋼片検出カウンタ21aに記憶し、トラッキング上の中間センサー16を通過した鋼片の数と通過前の炉内の鋼片の数とを実態に合わせる。つまり、チャージャー3からの鋼片装入位置信号18または別センサーによる鋼片装入位置信号と中間センサー16による鋼片通過数とから中間センサー16下の鋼片を特定可能とし、ひいては後面ウォーキングビーム7に乗り移った鋼片を特定できる。
【0032】
しかし、図3の最下段に示すごとく、鋼片間隔が狭く、鋼片の置き方等の問題で中間センサー16が鋼片の切れ目を検出できないことがある。この場合、図3の中段に示すように、中間センサー16による鋼片検出オンから鋼片検出オフまでのウォーキングビームストローク量を積算し、この積算値と予めデータ記憶部21に格納される鋼片幅(図12参照)または長さとを比較し、ストローク量積算値が鋼片幅または長さを越えたとき、鋼片検出カウンタ21aのカウント値に+1インクリメントし、中間センサー16を通過した鋼片数のカウンタのバックアップ処理を行う。つまり、鋼片検出カウンタ21aは、鋼片a,b,cの「3」の他、鋼片d分の補正値が+1インクリメントされ、「4」カウント値となる。これによって鋼片のトラッキング精度を大幅に向上できる。
【0033】
c.カウンタ21aのバックアップ処理の停止
次に、以上のようなカウンタのバックアップ処理と同時に、図4に示すようにウォーキングビーム6の上昇→前進→下降・復旧の動作が完了するごとに、中間センサー16が最後に鋼片を検出した時点から当該動作の完了までのストローク量23を求め、このストローク量23と中間センサー16の絶対位置とから中間センサー16下の鋼片の位置を補正する。この補正原理は前記(a)項で記述したものと同じである。この場合には、中間センサー16下の鋼片は前記(b)項で記述した通過鋼片数のカウント処理により一意に特定できる。
【0034】
しかし、鋼片検出から上昇→前進→下降・復旧の動作完了までのストローク量があまりにも対象鋼片の幅値と異なっていれば、前記(b)に記述したように中間センサー16が前後の鋼片の切れ目を検出できなかったものとみなし、この回の補正量を止める。鋼片の位置補正を行った場合には後続の鋼片の位置もかかる位置補正量に従って前述した△Li=△LS・(Li/LC)に基づいて補正する。
【0035】
従って、以上述べたような(a)〜(c)の処理を実行することにより、加熱炉中央部で鋼片の位置を正確に追跡可能となり、ウォーキングビーム6,7の連結動作から単独動作への切り替えタイミングを確実につかむことができる。
【0036】
以上の説明は、連結動作から単独動作の切り替えを前提としたが、単独動作から連結動作に切り替えるタイミングが鋼片の位置に依存する場合にも、以上のような中間位置での鋼片のトラッキング精度向上の技術をそのまま利用することができ、円滑、かつ、精度の高い切り替えを行うことができる。
(2) 中間部分における2つのグループの区分の認識について
a.鋼片間隔の設定による切替タイミングの判断について
図5および図6は鋼片間隔を任意に設定したときの切替タイミングの判断例を説明する図である。図5に示すように、複数の鋼片からなる接合圧延グループ(先頭グループ)31の最後尾の鋼片2Aが中央センサー16を通過したとき、ウォーキングビーム6,7の連結動作から後面ウォーキングビーム7の単独動作に切り替えたい場合が多い。そのためには、先頭グループ31の最後の鋼片2Aと次の後続グループ32の先頭鋼片2Bとの間隔をウォーキングビーム6,7の最大ストローク量の2倍より広く開けるように設定する。この設定は、予め設計段階でウォーキングビーム6,7の最大ストローク量が分かっているので、チャージャー3から炉への鋼片装入時、鋼片2Aと鋼片2Bとの間隔を最大ストローク量の2倍以上開けるように設定する。
【0037】
そして、制御部12においては、鋼片2Aが中間センサー16近辺にトラッキング情報上到達し中間センサー16からの鋼片検出信号17を監視し、次の条件が成立したとき、鋼片2Aが後面ウォーキングビーム7の搬送可能位置に乗り移ったと判断し、連結動作から単独動作に切り替える。その条件とは、図6に示すように、
* (N−1)回目のウォーキングビーム搬送完了時(同図a上段)、中間センサー16が鋼片2A,2Bを検出していないこと。
【0038】
* N回目のウォーキングビーム搬送完了時(同図a下段)、中間センサー16が鋼片2A,2Bを検出していないこと。
* (N−1)回目からN回目までの搬送中に一度も中間センサー16が鋼片2A,2Bを検出していないこと。
【0039】
すなわち、制御部12では、以上の条件(図6a)を満たすとき、具体的には鋼片2Aが中間センサー16を通過した直後から1回のウォーキングビーム搬送(N回目)で鋼片2Bを検出しないとき、ウォーキングビームの切替タイミングであると判断し、連結動作から単独動作に切り替える例である。
【0040】
一方、図6(b)の例は、中間センサー16が鋼片2Aの装入側端部の通過を検出した後(上段)、N−1回目のウォーキングビーム搬送(中段)、N回目のウォーキングビーム搬送(下段)にも拘らず鋼片2Bを検出しないとき、ウォーキングビームの切替タイミングであると判断し、連結動作から単独動作に切り替える例である。図6(b)の例は、1回のウォーキングビーム搬送により各々最大ストローク量だけ動くことを考慮し、鋼片2Aと鋼片2Bとの間隔を最大ストローク量の2倍以上とした例である。
【0041】
なお、図6においてLABは鋼片2Aと鋼片2Bとの間隔(≧LsMAX ×2)、LN はN回目の搬送ストローク量(<LsMAX )、LsMAX はMAXストローク量である。
【0042】
また、上記実施例の応用としては、装入時に鋼片2Aが中間センサー16を通過する頃の抽出端側の鋼片を予測することにより、その鋼片の位置と幅とから前記N−1回目とN回目とのウォーキングビーム6,7のストローク量を予測し、鋼片間隔を決めることも可能である。
【0043】
b.図5に示すごとく鋼片グループ31がバッチ圧延対象材の場合、図7に示すように(N−1)回目のウォーキングビーム搬送完了にて中間センサー16が鋼片2Aを検出していないとき、次のウォーキングビーム搬送タイミングで目的のストローク量LNmmを搬送せず、先ず、通常の鋼片間隔以上の△Lcmmだけ搬送し、前記(2)a項で記述した条件が成立するか否かを判断する。バッチ搬送のときは、抽出の時間間隔が比較的長いため、前記のように鋼片2Aの通過を確認する目的のために、△Lc(mm)ウォーキングビームにより搬送させることができる。
【0044】
因みに、図7(a)は鋼片2Aが中間センサー16を通過した直後から1回目の△Lcmmのウォーキングビーム搬送(N回目)したにも拘らず鋼片を検出しないとき、切替タイミングであると判断する例であり、図7(b)は鋼片2Aの装入側端部を検出した後、2回のウォーキングビーム搬送,つまりN−1回目とN回目のウォーキングビーム搬送にも拘らず、後続の鋼片を検出しないとき、切替タイミングであると判断する例である。
【0045】
この図7(b)の例は、(N−1)回目のウォーキングビーム搬送で最大ストローク量分だけ動き、つぎのN回目でLcmm搬送されることを考慮すると、鋼片2Aと鋼片2Bとの間隔は最大ストローク量+△Lcmm以上としなければならないが、前記(2)a項と比べて間隔を少なくすることができる。
【0046】
図7においては、LAB≧LsMAX +△Lc、LN =△Lc、LN−1 <LsMAX の関係にある。
なお、このような判断の後は、最抽出側鋼片を抽出端に搬送するために残りの量分(目的のストローク量LNmm−△Lcmm)ウォーキングビームを引き続いて動かす。鋼片2Bを装入する際、鋼片2Aが中間センサー16近辺にあるときの抽出端近くにある鋼片を予測し、それらが接合圧延グループに属する場合には抽出ピッチが短く、抽出優先としなければならないので、前記(2)a項に係わる技術を採用する。そうでない場合、つまりバッチ圧延対象材で抽出ピッチにウォーキングビームの2サイクル分の時間的余裕があるときには、この(2)b項に係わる技術を採用する。
(3) 鋼片検出センサーの設置について
上記実施例においては、加熱炉1の中間部分に中間センサー16を設置した例であるが、例えば図8に示すように中間センサー16の前後に鋼片検出センサー41,42を設置するとともに、中間センサー16と各鋼片検出センサー41,42との間隔LDを最小鋼片幅よりも短く設定する。一方、鋼片2Aと鋼片2Bとの間隔は鋼片2Bの装入時に最大ストローク量より広く開けておく。そして、「隣り合う2つまたは3つのセンサーが鋼片を検出しない」という条件のとき、グループ31の最後の鋼片2Aが中間センサー16を通過したとみなし、ウォーキングビームの切替タイミングであると判断する。
【0047】
図8において(b)〜(e)はかかる条件を満たしている状態を示している。なお、鋼片2Aと鋼片2Bとの間隔を最大ストローク量以上としたので、1回のウォーキングビーム搬送によって同図(a)の状態から同図(f)の状態に遷移しないようにするためである。また、センサー間隔は鋼片最小幅未満としたので、同図(g)の状態となって上記条件を満たさないことを避けるためである。
なお、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような種々の効果を奏する。
請求項1の発明においては、炉に最初に被搬送材を装入する際、ウォーキングビーム搬送の停止制御後に当該ウォーキングビームが完全に停止するまでに移動する流れ量と前記センサーの位置とを用いて最初の被搬送材の位置補正を行い、さらにこの位置補正量を後続の各被搬送材の更新位置(距離)に応じて割り振りを行うので、被搬送材の初期位置を正確に把握でき、適切な切り替えタイミングを得ることができる。
【0049】
請求項2の発明は、被搬送材の初期位置決定後のウォーキングビーム搬送時、干渉部分のセンサーの出力から被搬送材の検出回数をカウントし、後面ウォーキングビームに乗り移った被搬送材を特定するとともに、前後の被搬送材が連結された状態のとき、所定のストローク量と被搬送材の幅または長さとから判断し、カウントのバックアップを行うので、被搬送材のトラッキングの精度向上を図ることができる
さらに、請求項3の発明は、干渉部分のセンサーが先頭グループの最後尾の被搬送材を検出後、当該センサーによる被搬送材の非検出状態をみながら先頭グループと次の後続グループとの区分を認識し、先頭グループが後面ウォーキングビームに移し終えたことを判断するので、連結動作と単独動作との切り替えを適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるウォーキングビーム制御装置の一実施例を示す構成図。
【図2】初期時における鋼片の位置合わせを説明する図、
【図3】中間センサーを通過した鋼片のカウント処理を説明する図。
【図4】加熱炉中央部の鋼片の位置補正を説明する図。
【図5】中間センサーを挟んで先頭グループと後続グループとの関係を示す図。
【図6】先頭グループと後続グループとの間隔を広げて中間センサーでグループ単位の通過を判断する説明図。
【図7】同じく先頭グループと後続グループとの間隔を広げて中間センサーでグループ単位の通過を判断する説明図。
【図8】複数のセンサーの設置により先頭グループの最後尾鋼片の通過を判断する説明図。
【図9】従来の一般的なウォーキングビームの動作を説明する図。
【図10】ウォーキングビームと鋼片との関係を示す図。
【符号の説明】
1…炉、2…鋼片、2A…先頭グールプの最後尾鋼片、2B…後続グループの先頭鋼片、5…固定ビーム、6…前面ウォーキングビーム、7…後面ウォーキングビーム、12…制御部、13…干渉部分、16…中間センサー、21…データ記憶部、21a…鋼片検出カウンタ。
Claims (3)
- 炉内に前面ウォーキングビームと後面ウォーキングビームとが干渉部分をもって配置され、これら両ウォーキングビームを連結動作または単独動作を行いながら炉内の被搬送材を搬送制御するウォーキングビーム制御装置において、
前記前面ウォーキングビームの単独動作または両ウォーキングビームの連結動作によって前記干渉部分を通過する被搬送材を検出するセンサーと、
前記ウォーキングビームの単独動作または前記両ウォーキングビームの連結動作の1サイクル完了毎に当該ウォーキングビーム搬送のストローク量を用いて各被搬送材の位置を順次更新するとともに、前記センサーが炉の空状態から当該炉内に装入される最初の被搬送材の通過を検出したとき前記単独動作または前記連結動作を停止制御する制御手段と、
この制御手段による前記ウォーキングビーム搬送の停止制御後に当該ウォーキングビームが完全に停止するまでに移動する流れ量と前記センサーの位置とを用いて前記最初の被搬送材の位置補正を行うとともに、この位置補正量を後続の各被搬送材の更新位置(距離)に応じて割り振りを行う初期位置補正手段とを備え、
前記干渉部分に存在する被搬送材とその位置を把握することを特徴とするウォーキングビーム制御装置。 - 炉内に前面ウォーキングビームと後面ウォーキングビームとが干渉部分をもって配置され、これら両ウォーキングビームを連結動作または単独動作を行いながら炉内の被搬送材を搬送制御するウォーキングビーム制御装置において、
前記前面ウォーキングビームの単独動作または両ウォーキングビームの連結動作によって前記干渉部分を通過する被搬送材を検出するセンサーと、
前記ウォーキングビームの単独動作または前記両ウォーキングビームの連結動作の1サイクル完了毎に当該ウォーキングビーム搬送のストローク量を用いて各被搬送材の位置を順次更新するとともに、前記センサーが炉の空状態から当該炉内に装入される最初の被搬送材の通過を検出したとき前記単独動作または前記連結動作を停止制御する制御手段と、
この制御手段による前記ウォーキングビーム搬送の停止制御後に当該ウォーキングビームが完全に停止するまでに移動する流れ量と前記センサーの位置とを用いて前記最初の被搬送材の位置補正を行うとともに、この位置補正量を後続の各被搬送材の更新位置(距離)に応じて割り振りを行う初期位置補正手段と、
この初期位置補正手段による初期位置決定後、両ウォーキングビームの連結動作または後面ウォーキングビームの単独動作によるウォーキングビーム搬送時、前記センサーの出力から被搬送材の検出回数をカウントし、前記後面ウォーキングビームに乗り移った被搬送材を特定する被搬送材特定手段と、
前記センサーによる被搬送材検出オンから検出オフまでのストローク量が予め定めた被搬送材の幅または長さを越えたとき、前記カウント値に+1インクリメントするカウントバックアップ手段とを備え、
前記干渉部分に存在する搬送材を把握することを特徴とするウォーキングビーム制御装置。 - 炉内に前面ウォーキングビームと後面ウォーキングビームとが干渉部分をもって配置され、前記前面ウォーキングビームに載置される複数の被搬送材のグループ単位ごとに前記後面ウォーキングビームに移し変えて搬送するウォーキングビーム制御装置において、
前記干渉部分を通過する被搬送材を検出するセンサーと、
先頭グループの最後尾の被搬送材と次の後続グループの先頭の被搬送材との間隔を、少なくとも前記ウォーキングビームの最大ストローク量以上に設定する間隔設定手段と、
前記センサーが先頭グループの最後尾の被搬送材を検出した後、前記設定間隔に基づいて当該センサーによる被搬送材の非検出状態をみながら前記先頭グループと次の後続グループとの区分を認識し、前記先頭グループが前記後面ウォーキングビームに移し終えたことを判断し、少なくとも後面ウォーキングビームの動作を実行するウォーキングビーム駆動制御手段とを備えたことを特徴とするウォーキングビーム制御装置。
Priority Applications (1)
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| JP13676695A JP3601876B2 (ja) | 1995-06-02 | 1995-06-02 | ウォーキングビーム制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP13676695A JP3601876B2 (ja) | 1995-06-02 | 1995-06-02 | ウォーキングビーム制御装置 |
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