JP3602225B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に溶剤等の所定の処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶表示器等の製造工程において、フォトレジスト液等が塗布されて表面に薄膜が形成されたガラス基板等の角形基板に対し、その端縁に形成された不要薄膜を溶剤で溶解して除去するという除去処理が施されている。このような不要薄膜を溶解除去する基板処理装置として、例えば、図7に示すような構成の溶剤を供給する液吐出ヘッドを備えたものが知られている(特開平6−97067号公報)。
【0003】
この基板処理装置は、複数の管状のノズル200が長手方向に沿って接続された液吐出ヘッド201と、この液吐出ヘッド201に接続された溶剤を給送するための配管202とから構成されているものである。この基板処理装置は、液吐出ヘッド201を基板Bの端縁に沿わせて水平方向に相対移動させながらノズル200から溶剤を吐出し、基板Bの端縁の不要薄膜を溶解除去する。すなわち、上記液吐出ヘッド201は内部に液溜め部が形成されており、溶剤は加圧された状態で図略の加圧容器から配管202を介して液溜め部に給送され、この液溜め部の溶剤がノズル200から基板Bの表面に吐出されて端縁の不要薄膜を溶解除去する。配管202は不要薄膜を溶解除去した後に閉じられ、液吐出ヘッド201に対する加圧容器からの溶剤の給送が停止される。
【0004】
なお、このように基板端縁の不要薄膜を除去することで、基板を搬送する搬送機構が基板端縁を把持してもその基板端縁からの発塵を防ぐことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の基板処理装置においては、配管202が閉じられて加圧容器からの溶剤の給送が停止されても、液吐出ヘッド201内の液溜め部には溶剤が残留しており、しかも、その液溜め部は残圧による加圧状態にあるため、液溜め部が外気圧と同じ圧力に減圧されるまでノズル200から不要な溶剤が吐出されることになり、その結果、溶剤が不要な箇所に付着したり、その後の乾燥工程において乾燥不足が生じたりするという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、溶剤等の所定の処理液の加圧給送が停止された後の液吐出ヘッドからの処理液の不要な吐出を抑制することのできる基板処理装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、処理液を溜める液溜め部及びこの液溜め部に連通する液吐出口を有する液吐出ヘッドと、この液吐出ヘッドの液溜め部に処理液を加圧給送する液給送手段とを備えてなる基板処理装置において、液吐出ヘッドの液溜め部を外部に連通する開閉可能な連通手段と、上記液給送手段により処理液を給送するときに上記連通手段を閉状態にし、上記液給送手段による処理液の給送を停止したときに上記連通手段を開状態にして上記液溜め部を外部に連通する減圧制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0008】
この発明によれば、液給送手段の作動が停止したとき、閉状態にあった連通手段が作動して開状態とされることにより液吐出ヘッドの液溜め部が外部に連通され、その結果、液溜め部内の圧力が減圧されて液吐出ヘッドからの処理液の不要な吐出が抑制される。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の基板処理装置において、上記液吐出ヘッドは処理液を供給する基板を挟むように上下に一対配置され、上記連通手段はそれぞれの液吐出ヘッドに設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、基板の両面に同時に所定の処理液が供給され、液給送手段の作動が停止したとき、それぞれの連通手段が作動して液吐出ヘッドの液溜め部が外部に連通され、液溜め部内の圧力が減圧される。その結果、それぞれの液吐出ヘッドからの処理液の不要な吐出が抑制され、短時間で基板の両面への処理液の供給が終了する。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の基板処理装置において、上記液吐出ヘッドは表面に塗布液が供給された基板の端縁を挟むように上下に一対配置され、上記処理液として上記基板の塗布液を溶解する溶剤を吐出するものであって、上記基板の端縁における溶解物を含んだ溶剤廃液を上記一対の液吐出ヘッドに跨って配置された溶剤排出流路部材を介して系外に排出する溶剤排出手段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
この発明によれば、表面に塗布液が供給された基板の端縁両面にその塗布液を溶解する溶剤が供給され、この基板の端縁に供給された溶剤は溶解物を含んだ溶剤廃液として一対の液吐出ヘッドに跨って配置された溶剤排出流路部材を介して系外に排出される。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置において、上記液吐出ヘッドは長尺で、長手方向に沿って複数の液吐出口が形成されたものであり、一端に上記液供給手段と連通する供給口を有し、他端に上記連通手段と連通する減圧口を有することを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、上記液給送手段が作動しているときには液吐出ヘッドの一端の供給口から処理液が供給され、上記液給送手段の作動が停止したときには他端の減圧口から減圧される。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置において、上記液吐出ヘッドは長尺で、長手方向に沿ってスリット状の液吐出口が形成されたものであり、一端に上記液供給手段と連通する供給口を有し、他端に上記連通手段と連通する減圧口を有することを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、上記液給送手段が作動しているときには液吐出ヘッドの一端の供給口から処理液が供給され、上記液給送手段の作動が停止したときには他端の減圧口から減圧される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る基板処理装置の平面図、図2はその要部縦断面図、図3は図1の左方から見た溶剤吐出手段の構成図である。この実施形態における基板処理装置1は、フォトレジスト液等の塗布液を塗布して基板の表面に薄膜を形成したのち、その基板端縁に溶剤を吐出して基板端縁の不要薄膜を溶解除去するようにしたもので、薄膜形成手段と不要薄膜除去手段とを一体に備えたものである。
【0018】
これらの図において、基板処理装置1は、基板Bの表面にフォトレジスト液等の塗布液を塗布する塗布処理空間を囲繞する環状フード2、この環状フード2内に設けられるとともに、基板Bを保持した状態で回転可能とされた昇降自在の基板支持手段3、基板Bの昇降を許容する退避位置と基板Bにおける塗布液供給位置との間で移動可能に構成されるとともに、その塗布液供給位置で基板Bの表面に塗布液を供給する塗布液供給手段4及び基板Bの上昇位置における水平面内で進退移動可能に構成されるとともに、基板Bの端縁に溶剤を吐出して不要薄膜を溶解除去する溶剤吐出手段5から構成されている。
【0019】
上記環状フード2は、上方が開放した偏平形状を有するものであり、円形の底板21と、この底板21の外周縁部に沿って延設された環状溝部22と、この環状溝部22の外周縁部から内側斜め上方に突設された環状堰部23とを備えている。上記環状溝部22の底部は底板21よりも低い位置に設定されるとともに、上記環状堰部23の上縁部は底板21よりも高い位置に設定されている。この結果、底板21の上部には環状堰部23に囲まれた基板収納空間24が形成され、この基板収納空間24内で基板Bに塗布及び不要薄膜の除去が施されるようになっている。
【0020】
上記環状溝部22の適所にはドレンパイプ221が接続されており、塗布液供給手段4から基板Bの表面に供給され、基板Bの回転による遠心力により飛ばされた余剰の塗布液が環状堰部23に捕捉されて環状溝部22に捕集されたのち、ドレンパイプ221を通って系外に排出されるようになっている。
【0021】
上記基板支持手段3は、環状フード2の底板21の中心部分を上下方向に貫通した支持軸31と、この支持軸31の上端部に固定された水平姿勢の回転支持板32と、支持軸31の下端部に設けられた回転昇降機構33とを備えている。この回転昇降機構33は、図略のモータやギア等からなる駆動手段が内装され、この駆動手段の駆動により支持軸31が回転し、かつ、昇降するようになっている。回転支持板32は、上面に載置された基板Bの位置ずれを防止して基板Bを確実に保持するべく吸着手段等を備え、載置された基板Bの下面から基板Bを吸引している。そして、基板Bを回転支持板32に対して給排するときには図2の実線で示すように回転昇降機構33の駆動により上方位置に上昇され、塗布液供給手段4により塗布液を供給して基板Bを回転させるときには図2の鎖線で示すように回転昇降機構33の駆動により下方位置に降下されるようになっている。
【0022】
上記塗布液供給手段4は、フォトレジスト液等の塗布液を吐出するノズル411を備えた回動アーム41、塗布液の蓄えられた塗布液タンク42及び塗布液タンク42内の塗布液を回動アーム41に給送する給送ポンプ43を備えている。回動アーム41は、基端の支持軸412を中心にして図1の実線で示した基板B外方の退避位置と、鎖線で示した基板B上の塗布液供給位置との間で回動するようになっており、塗布液供給位置において給送ポンプ43が駆動されて回動アーム41に塗布液が給送されることにより、ノズル411から基板B上に塗布液を吐出するようになっている。
【0023】
上記溶剤吐出手段5は、環状フード2の上方位置に配置され、上方位置に上昇された回転支持板32上に保持されている基板Bの相対向する端縁に対応する位置にそれぞれ配設されている。それぞれの溶剤吐出手段5は、図3に示すように、本体フレームF上に固定された一対の支持体51、52、この一対の支持体51、52間に配設された一対のガイドシャフト53、54(なお、図3ではガイドシャフト53は見えていない。図1参照)、このガイドシャフト53、54に摺動自在に装着された可動枠体55、この可動枠体55上に搭載されたモータ56により駆動される一対のリンク機構57、58、及びこのリンク機構57、58の先端にピン結合によって支持された液吐出ヘッド59とを備えている。モータ56の回転軸561にはギア562が連結され、このギア562には同形のギア563が噛合されている。上記リンク機構57、58は、その基端がギア562、563に連結した軸にそれぞれ連結されており、モータ56の正逆転によりギア562、563が回転駆動されることによって伸縮し、液吐出ヘッド59を基板Bに対して進退移動するようになっている。すなわち、液吐出ヘッド59は、リンク機構57、58により、基板Bの端縁における溶剤吐出位置と、回転支持板32上において基板Bの給排を可能とする基板B外方に離間した退避位置との間で進退移動する。
【0024】
また、上記溶剤吐出手段5は、次のような揺動機構を備えている。すなわち、図1に示すように、一方の支持体51内にモータ511が配設されており、その回転軸がベベルギア機構512を介して円板513に連結されている。円板513にはリンク514の一端が偏心してピン結合され、このリンク514の他端はロッド515の一端にピン結合されている。このロッド515の他端は可動枠体55の一端に連結されている。この構成において、モータ511により円板513が回転駆動されると、これに伴ってリンク514が直線上を往復駆動される。これにより、可動枠体55がガイドシャフト53、54に沿って往復移動し、液吐出ヘッド59が基板Bの端縁に沿って揺動する。その結果、液吐出ヘッド59の吐出口から吐出された溶剤が基板Bの端縁に均等に供給される。
【0025】
上記液吐出ヘッド59は、基板Bの長辺よりも若干長めに形成されており、図4及び図5を参照してその構造を説明する。図4は液吐出ヘッド59の断面図と配管系を示した図であり、図5は図4に示す上部液吐出ヘッド59aの内部の正面図である。これらの図において、液吐出ヘッド59は、基板Bの端縁上方から下方に向けて溶剤を吐出する上部液吐出ヘッド59aと、基板Bの端縁下方から上方に向けて溶剤を吐出する下部液吐出ヘッド59bを備え、両液吐出ヘッド59a、59bが基板Bを挟むように上下に配置されている。各液吐出ヘッド59a、59bは、長尺形状の厚みの異なる2枚の板部材591、592を面接合することによって構成されている。一方の板部材591の一面側には、周囲を残して長手方向に沿って凹溝591aが形成されており、その幅方向の一方側の縁には凹溝591aと外部空間とを連通する小径の溝591bが長手方向に所定のピッチを有して多数形成されている。この一方の板部材591に他方の板部材592を面接合することにより、凹溝591aは液溜め部593を構成し、多数の溝591bは液溜め部593と外部空間とを連通する多数の液吐出口594を構成する。
【0026】
上記液溜め部593には、加圧容器61等を含む液給送手段60から溶剤が加圧給送される。すなわち、加圧容器61から導出された配管62はフィルタ63を介して配管64に接続されている。配管64は2方向に分岐され、一方の分岐管641は制御弁V1を介して配管65の一端に接続されている。配管65には流量計M1と流量調整用の制御弁V2が設けられている。配管65の他端は上部液吐出ヘッド59aの液溜め部593の長手方向の一端に連通接続されている。上記配管64の他方の分岐管642は制御弁V3を介して配管67の一端に接続されている。配管67には流量計M2と流量調整用の制御弁V4が設けられている。配管67の他端は下部液吐出ヘッド59bの液溜め部593の長手方向の一端に連通接続されている。すなわち、上下の液吐出ヘッド59a、59bは、その一端に液給送手段60と連通する供給口を有している。
【0027】
また、上部液吐出ヘッド59aと下部液吐出ヘッド59bには、液溜め部593を外部空間に連通する開閉可能な連通手段70がそれぞれ配設されている。この連通手段70は、液溜め部593の長手方向の他端に一端が連通接続された配管71と、この配管71の他端に接続された制御弁V5とを備えている。すなわち、上下の液吐出ヘッド59a、59bは、その他端に連通手段70と連通する減圧口を有している。また、液吐出ヘッド59の背面側である板部材591側には溶剤排出手段80が配設されている。この溶剤排出手段80は、上部液吐出ヘッド59aと下部液吐出ヘッド59bの両方に跨って配設された溶剤排出流路部材81と、この溶剤排出流路部材81内のエアーを吸引することにより基板端縁の洗浄後の溶解物を含んだ溶剤廃液を系外に排出する排気ブロア82とを備えている。溶剤排出流路部材81は配管83の一端に接続されている。配管83の他端は制御弁V6を介して配管84の一端に接続され、配管84の他端は廃液と排気を分離するドレンボックス85に接続されている。ドレンボックス85には配管86の一端が接続され、配管86の他端は排気ブロア82に接続されている。
【0028】
上記制御弁V1、V3、V5及びV6は、制御部90により開閉制御される。なお、上記制御弁V2及びV4は、手動で開閉調整が行なわれる。上記制御部90は、CPUやROM等により構成されており、ROMには基板処理装置1の全体の動作を制御するプログラムが格納されている。CPUはそのプログラムに従って配管系の各制御弁や各手段のモータ等の動作を駆動回路を介して制御するようになっている。
【0029】
なお、上記溶剤は、例えば、塗布液がフォトレジスト液である場合は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類や、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類や、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素や、四塩化炭素、トリクロルエチレン等のハロゲン化炭化水素等が用いられる。また、塗布液が染色剤である場合は、30〜60゜Cの温湯や、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールや、アセトン等が用いられる。
【0030】
上記のように構成された基板処理装置1は、次のように動作する。まず、回転昇降機構33を動作させて回転支持板32を上方位置に上昇させ、回転支持板32上に基板Bを載置する。その後、回転支持板32を下方位置に下降させ、次いで退避位置にある回動アーム41を基板Bの塗布液供給位置に移動させて塗布液供給手段4の回動アーム41のノズル411から基板Bの表面中心部分に所定量の塗布液を吐出する。その後、回動アーム41を退避位置に移動させ、環状フード2内で回転支持板32を回転させて遠心力で塗布液を基板Bの外周方向に拡散移動させ、基板Bの外面全域に均一な塗布液の薄膜を形成する。このとき、基板Bの表面端縁と裏面端縁にも不可避的に薄膜が形成されてしまう。裏面端縁に薄膜が形成されるのは、表面側で拡散移動した塗布液が基板裏面側に回り込むからである。余剰の塗布液は、遠心力で基板Bから飛ばされて環状フード2の環状堰部23に捕捉され、ドレンパイプ221から系外に排出される。基板Bの外面に薄膜が形成されると、回転支持板32は回転を停止し、上方位置に上昇する。
【0031】
回転支持板32が上方位置に上昇すると、溶剤吐出手段5の退避位置にあった液吐出ヘッド59が基板B側に前進移動し、基板Bの端縁を上部液吐出ヘッド59aと下部液吐出ヘッド59bとで挟む位置にまで達すると、その位置で前進移動を停止する。この状態で、溶剤排出手段80の制御弁V6を開状態にし、排気ブロア82を作動させて溶剤排出流路部材81内のエアーを配管83、84、ドレンボックス85及び配管86を介して吸引する。同時に制御弁V1、V3を開状態にし、各制御弁V5を閉状態にする。加圧容器61は、予め窒素ガス等の加圧気体が導入されて加圧状態とされている。そのため、加圧容器61内の溶剤が配管62等を介して各分岐された最終位置の配管65、67に給送され、上部液吐出ヘッド59aと下部液吐出ヘッド59bの各液溜め部593に加圧された状態で供給される。それによって、各液溜め部593の内部も加圧された状態となり、各液吐出口594から溶剤が吐出される。吐出された溶剤は基板Bの両面端縁の不要薄膜を溶解する。不要薄膜を溶解した溶剤は、溶剤排出流路部材81内に吸引されて配管83、84を介してドレンボックス85に廃液として排出される。
【0032】
基板Bの端縁の不要薄膜が溶解除去されると、加圧容器61への窒素ガス等の加圧気体の導入が停止されるとともに、制御弁V1、V3が閉じられて液溜め部593への溶剤の供給が停止される。同時に今まで閉状態となっていた各連通手段70の制御弁V5が開状態にされ、各液溜め部593が外部と連通された状態となる。それにより各液溜め部593内部の圧力が減圧され、溶剤の供給が停止された後の残圧による吐出口594からの不要な吐出が抑制される。配管71の径は、液吐出口594の径や個数等に対応して、各液溜め部593内部の圧力が減圧され液吐出口594からの不要な吐出が抑制されるような値に適宜設定される。なお、連通手段70の制御弁V5を開状態にする時間は、例えば、2秒乃至5秒程度で十分であり、その後は閉状態にしてもよい。
【0033】
その後、液吐出ヘッド59は退避位置に後退移動し、回転支持板32が90゜回転して不要薄膜の除去されていない端縁が液吐出ヘッド59側に向けられ、続いて液吐出ヘッド59が再度前進移動して上記と同様に溶剤が吐出され、その端縁の不要薄膜を溶解除去する。不要薄膜が溶解除去されると、上記と同様にして溶剤の供給が停止される。基板Bのすべての端縁の不要薄膜が溶解除去されると、液吐出ヘッド59は退避位置に後退移動し、基板Bは不図示の基板搬出ロボット等によって回転支持板32から搬出され、以後、上述の動作が繰り返し実行される。
【0034】
なお、本発明の基板処理装置は、上記の実施形態のものに限定されるものではなく、以下の種々の実施形態のものも採用し得るものである。
【0035】
すなわち、上記の実施形態においては、液吐出ヘッド59は、基板Bの長辺よりも若干長めに形成されているが、かかる液吐出ヘッドを用いる代わりに基板Bの各辺よりも短いものを採用し、この液吐出ヘッドを基板Bの端縁に沿って一方の端部から他方の端部へ移動させながら不要薄膜の溶解除去を行なうようにしてもよい。
【0036】
また、上記の実施形態においては、各液吐出ヘッド59a、59bの液吐出口594は、2枚の板部材591、592を面接合することにより形成されているが、従来のような管状のノズルを用いて構成してもよい。また、各液吐出ヘッド59a、59bの液吐出口594は、スリット状に形成するようにすることもできる。
【0037】
また、上記の実施形態においては、薄膜形成手段と不要薄膜除去手段とを一体に備えたものであるが、薄膜形成手段は別の装置に構成し、本発明の基板処理装置としては不要薄膜除去手段のみで構成するようにすることもできる。
【0038】
また、本発明の基板処理装置は、不要薄膜を除去するようにしたものに限らず、基板の表面に所定の処理液を供給して所定の処理を行なう基板処理装置であれば種々の用途に適用できるものである。すなわち、図6に示すように、配管100からフォトレジスト液101を加圧した状態で液吐出ヘッド102の液溜め部103に給送し、そのスリット状の液吐出口104から基板Bの表面にフォトレジスト液101を供給して液吐出ヘッド102を相対移動させ、基板B表面の所定領域にフォトレジスト液101を塗布して薄膜を形成するようにした装置にも適用できる。
【0039】
この装置は、液吐出ヘッド102が多数の液吐出口を備えたものではなく、幅広の1個のスリット状の液吐出口を備えたものであり、このような場合でもフォトレジスト液101の給送を停止すると液溜め部103内の残圧により不要なフォトレジスト液101が液吐出口104から吐出される。しかし、この液吐出ヘッド102に、上記の実施形態におけるのと同様の構成である、液溜め部103を外部に連通する開閉可能な連通手段を設けておき、液溜め部103へのフォトレジスト液101の給送を停止すると同時に液溜め部103を外部に連通させるとフォトレジスト液101の不要な吐出が抑制される。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の基板処理装置は、液吐出ヘッドの液溜め部を外部に連通する開閉可能な連通手段を設け、処理液を給送するときに連通手段を閉状態にし、処理液の給送を停止したときに連通手段を開状態にするようにしたので、処理液の加圧給送が停止されたときに液溜め部内の圧力が減圧され、処理液の加圧給送が停止された後の液吐出ヘッドからの処理液の不要な吐出が抑制される。
【0041】
請求項2記載の基板処理装置は、液吐出ヘッドが基板を挟むように上下に一対配置され、連通手段がそれぞれの液吐出ヘッドに設けられているので、各液吐出ヘッドからの処理液の不要な吐出が抑制されるとともに、短時間で基板の両面へ処理液を供給することができる。
【0042】
請求項3記載の基板処理装置は、液吐出ヘッドが表面に塗布液の供給された基板の端縁を挟むように上下に一対配置され、処理液として基板の塗布液を溶解する溶剤を吐出するものであって、基板の端縁における溶解物を含んだ溶剤廃液を溶剤排出流路部材を介して系外に排出する溶剤排出手段を設けているので、溶解物を含んだ溶剤廃液を溶剤排出手段により系外に排出することができる。
【0043】
請求項4及び5記載の基板処理装置は、液吐出ヘッドの一端に液給送手段と連通する供給口を有し、他端に連通手段と連通する減圧口を有しているので、液給送手段が作動しているときには液吐出ヘッドの一端の供給口から液溜め部に処理液を供給することができ、上記液給送手段の作動が停止したときには他端の減圧口から液溜め部内の圧力を減圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置の平面図である。
【図2】図1の基板処置装置の要部縦断面図である。
【図3】図1の基板処置装置の溶剤吐出手段を構成図である。
【図4】図1の基板処置装置の溶剤吐出手段を構成する液吐出ヘッドの断面図と配管系を示す図である。
【図5】図4の液吐出ヘッドを構成する上部液吐出ヘッド内部の正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る基板処理装置の液吐出ヘッド部分の断面図である。
【図7】従来の基板処理装置の液吐出ヘッド部分の斜視図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置
2 環状フード
3 基板支持手段
4 塗布液供給手段
5 溶剤吐出手段
59、102 液吐出ヘッド
593、103 液溜め部
594、104 吐出口
60 液給送手段
70 連通手段
80 溶剤排出手段
90 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に溶剤等の所定の処理液を供給して所定の処理を施す基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶表示器等の製造工程において、フォトレジスト液等が塗布されて表面に薄膜が形成されたガラス基板等の角形基板に対し、その端縁に形成された不要薄膜を溶剤で溶解して除去するという除去処理が施されている。このような不要薄膜を溶解除去する基板処理装置として、例えば、図7に示すような構成の溶剤を供給する液吐出ヘッドを備えたものが知られている(特開平6−97067号公報)。
【0003】
この基板処理装置は、複数の管状のノズル200が長手方向に沿って接続された液吐出ヘッド201と、この液吐出ヘッド201に接続された溶剤を給送するための配管202とから構成されているものである。この基板処理装置は、液吐出ヘッド201を基板Bの端縁に沿わせて水平方向に相対移動させながらノズル200から溶剤を吐出し、基板Bの端縁の不要薄膜を溶解除去する。すなわち、上記液吐出ヘッド201は内部に液溜め部が形成されており、溶剤は加圧された状態で図略の加圧容器から配管202を介して液溜め部に給送され、この液溜め部の溶剤がノズル200から基板Bの表面に吐出されて端縁の不要薄膜を溶解除去する。配管202は不要薄膜を溶解除去した後に閉じられ、液吐出ヘッド201に対する加圧容器からの溶剤の給送が停止される。
【0004】
なお、このように基板端縁の不要薄膜を除去することで、基板を搬送する搬送機構が基板端縁を把持してもその基板端縁からの発塵を防ぐことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の基板処理装置においては、配管202が閉じられて加圧容器からの溶剤の給送が停止されても、液吐出ヘッド201内の液溜め部には溶剤が残留しており、しかも、その液溜め部は残圧による加圧状態にあるため、液溜め部が外気圧と同じ圧力に減圧されるまでノズル200から不要な溶剤が吐出されることになり、その結果、溶剤が不要な箇所に付着したり、その後の乾燥工程において乾燥不足が生じたりするという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、溶剤等の所定の処理液の加圧給送が停止された後の液吐出ヘッドからの処理液の不要な吐出を抑制することのできる基板処理装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、処理液を溜める液溜め部及びこの液溜め部に連通する液吐出口を有する液吐出ヘッドと、この液吐出ヘッドの液溜め部に処理液を加圧給送する液給送手段とを備えてなる基板処理装置において、液吐出ヘッドの液溜め部を外部に連通する開閉可能な連通手段と、上記液給送手段により処理液を給送するときに上記連通手段を閉状態にし、上記液給送手段による処理液の給送を停止したときに上記連通手段を開状態にして上記液溜め部を外部に連通する減圧制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0008】
この発明によれば、液給送手段の作動が停止したとき、閉状態にあった連通手段が作動して開状態とされることにより液吐出ヘッドの液溜め部が外部に連通され、その結果、液溜め部内の圧力が減圧されて液吐出ヘッドからの処理液の不要な吐出が抑制される。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の基板処理装置において、上記液吐出ヘッドは処理液を供給する基板を挟むように上下に一対配置され、上記連通手段はそれぞれの液吐出ヘッドに設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、基板の両面に同時に所定の処理液が供給され、液給送手段の作動が停止したとき、それぞれの連通手段が作動して液吐出ヘッドの液溜め部が外部に連通され、液溜め部内の圧力が減圧される。その結果、それぞれの液吐出ヘッドからの処理液の不要な吐出が抑制され、短時間で基板の両面への処理液の供給が終了する。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の基板処理装置において、上記液吐出ヘッドは表面に塗布液が供給された基板の端縁を挟むように上下に一対配置され、上記処理液として上記基板の塗布液を溶解する溶剤を吐出するものであって、上記基板の端縁における溶解物を含んだ溶剤廃液を上記一対の液吐出ヘッドに跨って配置された溶剤排出流路部材を介して系外に排出する溶剤排出手段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
この発明によれば、表面に塗布液が供給された基板の端縁両面にその塗布液を溶解する溶剤が供給され、この基板の端縁に供給された溶剤は溶解物を含んだ溶剤廃液として一対の液吐出ヘッドに跨って配置された溶剤排出流路部材を介して系外に排出される。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置において、上記液吐出ヘッドは長尺で、長手方向に沿って複数の液吐出口が形成されたものであり、一端に上記液供給手段と連通する供給口を有し、他端に上記連通手段と連通する減圧口を有することを特徴とするものである。
【0014】
この発明によれば、上記液給送手段が作動しているときには液吐出ヘッドの一端の供給口から処理液が供給され、上記液給送手段の作動が停止したときには他端の減圧口から減圧される。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置において、上記液吐出ヘッドは長尺で、長手方向に沿ってスリット状の液吐出口が形成されたものであり、一端に上記液供給手段と連通する供給口を有し、他端に上記連通手段と連通する減圧口を有することを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、上記液給送手段が作動しているときには液吐出ヘッドの一端の供給口から処理液が供給され、上記液給送手段の作動が停止したときには他端の減圧口から減圧される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る基板処理装置の平面図、図2はその要部縦断面図、図3は図1の左方から見た溶剤吐出手段の構成図である。この実施形態における基板処理装置1は、フォトレジスト液等の塗布液を塗布して基板の表面に薄膜を形成したのち、その基板端縁に溶剤を吐出して基板端縁の不要薄膜を溶解除去するようにしたもので、薄膜形成手段と不要薄膜除去手段とを一体に備えたものである。
【0018】
これらの図において、基板処理装置1は、基板Bの表面にフォトレジスト液等の塗布液を塗布する塗布処理空間を囲繞する環状フード2、この環状フード2内に設けられるとともに、基板Bを保持した状態で回転可能とされた昇降自在の基板支持手段3、基板Bの昇降を許容する退避位置と基板Bにおける塗布液供給位置との間で移動可能に構成されるとともに、その塗布液供給位置で基板Bの表面に塗布液を供給する塗布液供給手段4及び基板Bの上昇位置における水平面内で進退移動可能に構成されるとともに、基板Bの端縁に溶剤を吐出して不要薄膜を溶解除去する溶剤吐出手段5から構成されている。
【0019】
上記環状フード2は、上方が開放した偏平形状を有するものであり、円形の底板21と、この底板21の外周縁部に沿って延設された環状溝部22と、この環状溝部22の外周縁部から内側斜め上方に突設された環状堰部23とを備えている。上記環状溝部22の底部は底板21よりも低い位置に設定されるとともに、上記環状堰部23の上縁部は底板21よりも高い位置に設定されている。この結果、底板21の上部には環状堰部23に囲まれた基板収納空間24が形成され、この基板収納空間24内で基板Bに塗布及び不要薄膜の除去が施されるようになっている。
【0020】
上記環状溝部22の適所にはドレンパイプ221が接続されており、塗布液供給手段4から基板Bの表面に供給され、基板Bの回転による遠心力により飛ばされた余剰の塗布液が環状堰部23に捕捉されて環状溝部22に捕集されたのち、ドレンパイプ221を通って系外に排出されるようになっている。
【0021】
上記基板支持手段3は、環状フード2の底板21の中心部分を上下方向に貫通した支持軸31と、この支持軸31の上端部に固定された水平姿勢の回転支持板32と、支持軸31の下端部に設けられた回転昇降機構33とを備えている。この回転昇降機構33は、図略のモータやギア等からなる駆動手段が内装され、この駆動手段の駆動により支持軸31が回転し、かつ、昇降するようになっている。回転支持板32は、上面に載置された基板Bの位置ずれを防止して基板Bを確実に保持するべく吸着手段等を備え、載置された基板Bの下面から基板Bを吸引している。そして、基板Bを回転支持板32に対して給排するときには図2の実線で示すように回転昇降機構33の駆動により上方位置に上昇され、塗布液供給手段4により塗布液を供給して基板Bを回転させるときには図2の鎖線で示すように回転昇降機構33の駆動により下方位置に降下されるようになっている。
【0022】
上記塗布液供給手段4は、フォトレジスト液等の塗布液を吐出するノズル411を備えた回動アーム41、塗布液の蓄えられた塗布液タンク42及び塗布液タンク42内の塗布液を回動アーム41に給送する給送ポンプ43を備えている。回動アーム41は、基端の支持軸412を中心にして図1の実線で示した基板B外方の退避位置と、鎖線で示した基板B上の塗布液供給位置との間で回動するようになっており、塗布液供給位置において給送ポンプ43が駆動されて回動アーム41に塗布液が給送されることにより、ノズル411から基板B上に塗布液を吐出するようになっている。
【0023】
上記溶剤吐出手段5は、環状フード2の上方位置に配置され、上方位置に上昇された回転支持板32上に保持されている基板Bの相対向する端縁に対応する位置にそれぞれ配設されている。それぞれの溶剤吐出手段5は、図3に示すように、本体フレームF上に固定された一対の支持体51、52、この一対の支持体51、52間に配設された一対のガイドシャフト53、54(なお、図3ではガイドシャフト53は見えていない。図1参照)、このガイドシャフト53、54に摺動自在に装着された可動枠体55、この可動枠体55上に搭載されたモータ56により駆動される一対のリンク機構57、58、及びこのリンク機構57、58の先端にピン結合によって支持された液吐出ヘッド59とを備えている。モータ56の回転軸561にはギア562が連結され、このギア562には同形のギア563が噛合されている。上記リンク機構57、58は、その基端がギア562、563に連結した軸にそれぞれ連結されており、モータ56の正逆転によりギア562、563が回転駆動されることによって伸縮し、液吐出ヘッド59を基板Bに対して進退移動するようになっている。すなわち、液吐出ヘッド59は、リンク機構57、58により、基板Bの端縁における溶剤吐出位置と、回転支持板32上において基板Bの給排を可能とする基板B外方に離間した退避位置との間で進退移動する。
【0024】
また、上記溶剤吐出手段5は、次のような揺動機構を備えている。すなわち、図1に示すように、一方の支持体51内にモータ511が配設されており、その回転軸がベベルギア機構512を介して円板513に連結されている。円板513にはリンク514の一端が偏心してピン結合され、このリンク514の他端はロッド515の一端にピン結合されている。このロッド515の他端は可動枠体55の一端に連結されている。この構成において、モータ511により円板513が回転駆動されると、これに伴ってリンク514が直線上を往復駆動される。これにより、可動枠体55がガイドシャフト53、54に沿って往復移動し、液吐出ヘッド59が基板Bの端縁に沿って揺動する。その結果、液吐出ヘッド59の吐出口から吐出された溶剤が基板Bの端縁に均等に供給される。
【0025】
上記液吐出ヘッド59は、基板Bの長辺よりも若干長めに形成されており、図4及び図5を参照してその構造を説明する。図4は液吐出ヘッド59の断面図と配管系を示した図であり、図5は図4に示す上部液吐出ヘッド59aの内部の正面図である。これらの図において、液吐出ヘッド59は、基板Bの端縁上方から下方に向けて溶剤を吐出する上部液吐出ヘッド59aと、基板Bの端縁下方から上方に向けて溶剤を吐出する下部液吐出ヘッド59bを備え、両液吐出ヘッド59a、59bが基板Bを挟むように上下に配置されている。各液吐出ヘッド59a、59bは、長尺形状の厚みの異なる2枚の板部材591、592を面接合することによって構成されている。一方の板部材591の一面側には、周囲を残して長手方向に沿って凹溝591aが形成されており、その幅方向の一方側の縁には凹溝591aと外部空間とを連通する小径の溝591bが長手方向に所定のピッチを有して多数形成されている。この一方の板部材591に他方の板部材592を面接合することにより、凹溝591aは液溜め部593を構成し、多数の溝591bは液溜め部593と外部空間とを連通する多数の液吐出口594を構成する。
【0026】
上記液溜め部593には、加圧容器61等を含む液給送手段60から溶剤が加圧給送される。すなわち、加圧容器61から導出された配管62はフィルタ63を介して配管64に接続されている。配管64は2方向に分岐され、一方の分岐管641は制御弁V1を介して配管65の一端に接続されている。配管65には流量計M1と流量調整用の制御弁V2が設けられている。配管65の他端は上部液吐出ヘッド59aの液溜め部593の長手方向の一端に連通接続されている。上記配管64の他方の分岐管642は制御弁V3を介して配管67の一端に接続されている。配管67には流量計M2と流量調整用の制御弁V4が設けられている。配管67の他端は下部液吐出ヘッド59bの液溜め部593の長手方向の一端に連通接続されている。すなわち、上下の液吐出ヘッド59a、59bは、その一端に液給送手段60と連通する供給口を有している。
【0027】
また、上部液吐出ヘッド59aと下部液吐出ヘッド59bには、液溜め部593を外部空間に連通する開閉可能な連通手段70がそれぞれ配設されている。この連通手段70は、液溜め部593の長手方向の他端に一端が連通接続された配管71と、この配管71の他端に接続された制御弁V5とを備えている。すなわち、上下の液吐出ヘッド59a、59bは、その他端に連通手段70と連通する減圧口を有している。また、液吐出ヘッド59の背面側である板部材591側には溶剤排出手段80が配設されている。この溶剤排出手段80は、上部液吐出ヘッド59aと下部液吐出ヘッド59bの両方に跨って配設された溶剤排出流路部材81と、この溶剤排出流路部材81内のエアーを吸引することにより基板端縁の洗浄後の溶解物を含んだ溶剤廃液を系外に排出する排気ブロア82とを備えている。溶剤排出流路部材81は配管83の一端に接続されている。配管83の他端は制御弁V6を介して配管84の一端に接続され、配管84の他端は廃液と排気を分離するドレンボックス85に接続されている。ドレンボックス85には配管86の一端が接続され、配管86の他端は排気ブロア82に接続されている。
【0028】
上記制御弁V1、V3、V5及びV6は、制御部90により開閉制御される。なお、上記制御弁V2及びV4は、手動で開閉調整が行なわれる。上記制御部90は、CPUやROM等により構成されており、ROMには基板処理装置1の全体の動作を制御するプログラムが格納されている。CPUはそのプログラムに従って配管系の各制御弁や各手段のモータ等の動作を駆動回路を介して制御するようになっている。
【0029】
なお、上記溶剤は、例えば、塗布液がフォトレジスト液である場合は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類や、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類や、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素や、四塩化炭素、トリクロルエチレン等のハロゲン化炭化水素等が用いられる。また、塗布液が染色剤である場合は、30〜60゜Cの温湯や、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールや、アセトン等が用いられる。
【0030】
上記のように構成された基板処理装置1は、次のように動作する。まず、回転昇降機構33を動作させて回転支持板32を上方位置に上昇させ、回転支持板32上に基板Bを載置する。その後、回転支持板32を下方位置に下降させ、次いで退避位置にある回動アーム41を基板Bの塗布液供給位置に移動させて塗布液供給手段4の回動アーム41のノズル411から基板Bの表面中心部分に所定量の塗布液を吐出する。その後、回動アーム41を退避位置に移動させ、環状フード2内で回転支持板32を回転させて遠心力で塗布液を基板Bの外周方向に拡散移動させ、基板Bの外面全域に均一な塗布液の薄膜を形成する。このとき、基板Bの表面端縁と裏面端縁にも不可避的に薄膜が形成されてしまう。裏面端縁に薄膜が形成されるのは、表面側で拡散移動した塗布液が基板裏面側に回り込むからである。余剰の塗布液は、遠心力で基板Bから飛ばされて環状フード2の環状堰部23に捕捉され、ドレンパイプ221から系外に排出される。基板Bの外面に薄膜が形成されると、回転支持板32は回転を停止し、上方位置に上昇する。
【0031】
回転支持板32が上方位置に上昇すると、溶剤吐出手段5の退避位置にあった液吐出ヘッド59が基板B側に前進移動し、基板Bの端縁を上部液吐出ヘッド59aと下部液吐出ヘッド59bとで挟む位置にまで達すると、その位置で前進移動を停止する。この状態で、溶剤排出手段80の制御弁V6を開状態にし、排気ブロア82を作動させて溶剤排出流路部材81内のエアーを配管83、84、ドレンボックス85及び配管86を介して吸引する。同時に制御弁V1、V3を開状態にし、各制御弁V5を閉状態にする。加圧容器61は、予め窒素ガス等の加圧気体が導入されて加圧状態とされている。そのため、加圧容器61内の溶剤が配管62等を介して各分岐された最終位置の配管65、67に給送され、上部液吐出ヘッド59aと下部液吐出ヘッド59bの各液溜め部593に加圧された状態で供給される。それによって、各液溜め部593の内部も加圧された状態となり、各液吐出口594から溶剤が吐出される。吐出された溶剤は基板Bの両面端縁の不要薄膜を溶解する。不要薄膜を溶解した溶剤は、溶剤排出流路部材81内に吸引されて配管83、84を介してドレンボックス85に廃液として排出される。
【0032】
基板Bの端縁の不要薄膜が溶解除去されると、加圧容器61への窒素ガス等の加圧気体の導入が停止されるとともに、制御弁V1、V3が閉じられて液溜め部593への溶剤の供給が停止される。同時に今まで閉状態となっていた各連通手段70の制御弁V5が開状態にされ、各液溜め部593が外部と連通された状態となる。それにより各液溜め部593内部の圧力が減圧され、溶剤の供給が停止された後の残圧による吐出口594からの不要な吐出が抑制される。配管71の径は、液吐出口594の径や個数等に対応して、各液溜め部593内部の圧力が減圧され液吐出口594からの不要な吐出が抑制されるような値に適宜設定される。なお、連通手段70の制御弁V5を開状態にする時間は、例えば、2秒乃至5秒程度で十分であり、その後は閉状態にしてもよい。
【0033】
その後、液吐出ヘッド59は退避位置に後退移動し、回転支持板32が90゜回転して不要薄膜の除去されていない端縁が液吐出ヘッド59側に向けられ、続いて液吐出ヘッド59が再度前進移動して上記と同様に溶剤が吐出され、その端縁の不要薄膜を溶解除去する。不要薄膜が溶解除去されると、上記と同様にして溶剤の供給が停止される。基板Bのすべての端縁の不要薄膜が溶解除去されると、液吐出ヘッド59は退避位置に後退移動し、基板Bは不図示の基板搬出ロボット等によって回転支持板32から搬出され、以後、上述の動作が繰り返し実行される。
【0034】
なお、本発明の基板処理装置は、上記の実施形態のものに限定されるものではなく、以下の種々の実施形態のものも採用し得るものである。
【0035】
すなわち、上記の実施形態においては、液吐出ヘッド59は、基板Bの長辺よりも若干長めに形成されているが、かかる液吐出ヘッドを用いる代わりに基板Bの各辺よりも短いものを採用し、この液吐出ヘッドを基板Bの端縁に沿って一方の端部から他方の端部へ移動させながら不要薄膜の溶解除去を行なうようにしてもよい。
【0036】
また、上記の実施形態においては、各液吐出ヘッド59a、59bの液吐出口594は、2枚の板部材591、592を面接合することにより形成されているが、従来のような管状のノズルを用いて構成してもよい。また、各液吐出ヘッド59a、59bの液吐出口594は、スリット状に形成するようにすることもできる。
【0037】
また、上記の実施形態においては、薄膜形成手段と不要薄膜除去手段とを一体に備えたものであるが、薄膜形成手段は別の装置に構成し、本発明の基板処理装置としては不要薄膜除去手段のみで構成するようにすることもできる。
【0038】
また、本発明の基板処理装置は、不要薄膜を除去するようにしたものに限らず、基板の表面に所定の処理液を供給して所定の処理を行なう基板処理装置であれば種々の用途に適用できるものである。すなわち、図6に示すように、配管100からフォトレジスト液101を加圧した状態で液吐出ヘッド102の液溜め部103に給送し、そのスリット状の液吐出口104から基板Bの表面にフォトレジスト液101を供給して液吐出ヘッド102を相対移動させ、基板B表面の所定領域にフォトレジスト液101を塗布して薄膜を形成するようにした装置にも適用できる。
【0039】
この装置は、液吐出ヘッド102が多数の液吐出口を備えたものではなく、幅広の1個のスリット状の液吐出口を備えたものであり、このような場合でもフォトレジスト液101の給送を停止すると液溜め部103内の残圧により不要なフォトレジスト液101が液吐出口104から吐出される。しかし、この液吐出ヘッド102に、上記の実施形態におけるのと同様の構成である、液溜め部103を外部に連通する開閉可能な連通手段を設けておき、液溜め部103へのフォトレジスト液101の給送を停止すると同時に液溜め部103を外部に連通させるとフォトレジスト液101の不要な吐出が抑制される。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の基板処理装置は、液吐出ヘッドの液溜め部を外部に連通する開閉可能な連通手段を設け、処理液を給送するときに連通手段を閉状態にし、処理液の給送を停止したときに連通手段を開状態にするようにしたので、処理液の加圧給送が停止されたときに液溜め部内の圧力が減圧され、処理液の加圧給送が停止された後の液吐出ヘッドからの処理液の不要な吐出が抑制される。
【0041】
請求項2記載の基板処理装置は、液吐出ヘッドが基板を挟むように上下に一対配置され、連通手段がそれぞれの液吐出ヘッドに設けられているので、各液吐出ヘッドからの処理液の不要な吐出が抑制されるとともに、短時間で基板の両面へ処理液を供給することができる。
【0042】
請求項3記載の基板処理装置は、液吐出ヘッドが表面に塗布液の供給された基板の端縁を挟むように上下に一対配置され、処理液として基板の塗布液を溶解する溶剤を吐出するものであって、基板の端縁における溶解物を含んだ溶剤廃液を溶剤排出流路部材を介して系外に排出する溶剤排出手段を設けているので、溶解物を含んだ溶剤廃液を溶剤排出手段により系外に排出することができる。
【0043】
請求項4及び5記載の基板処理装置は、液吐出ヘッドの一端に液給送手段と連通する供給口を有し、他端に連通手段と連通する減圧口を有しているので、液給送手段が作動しているときには液吐出ヘッドの一端の供給口から液溜め部に処理液を供給することができ、上記液給送手段の作動が停止したときには他端の減圧口から液溜め部内の圧力を減圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置の平面図である。
【図2】図1の基板処置装置の要部縦断面図である。
【図3】図1の基板処置装置の溶剤吐出手段を構成図である。
【図4】図1の基板処置装置の溶剤吐出手段を構成する液吐出ヘッドの断面図と配管系を示す図である。
【図5】図4の液吐出ヘッドを構成する上部液吐出ヘッド内部の正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る基板処理装置の液吐出ヘッド部分の断面図である。
【図7】従来の基板処理装置の液吐出ヘッド部分の斜視図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置
2 環状フード
3 基板支持手段
4 塗布液供給手段
5 溶剤吐出手段
59、102 液吐出ヘッド
593、103 液溜め部
594、104 吐出口
60 液給送手段
70 連通手段
80 溶剤排出手段
90 制御部
Claims (5)
- 処理液を溜める液溜め部及びこの液溜め部に連通する液吐出口を有する液吐出ヘッドと、この液吐出ヘッドの液溜め部に処理液を加圧給送する液給送手段とを備えてなる基板処理装置において、
上記液吐出ヘッドの液溜め部を外部に連通する開閉可能な連通手段と、上記液給送手段により処理液を給送するときに上記連通手段を閉状態にし、上記液給送手段による処理液の給送を停止したときに上記連通手段を開状態にして上記液溜め部を外部に連通する減圧制御手段とを設けたことを特徴とする基板処理装置。 - 上記液吐出ヘッドは処理液を供給する基板を挟むように上下に一対配置され、上記連通手段はそれぞれの液吐出ヘッドに設けられていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
- 上記液吐出ヘッドは表面に塗布液が供給された基板の端縁を挟むように上下に一対配置され、上記処理液として上記基板の塗布液を溶解する溶剤を吐出するものであって、上記基板の端縁における溶解物を含んだ溶剤廃液を上記一対の液吐出ヘッドに跨って配置された溶剤排出流路部材を介して系外に排出する溶剤排出手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
- 上記液吐出ヘッドは長尺で、長手方向に沿って複数の液吐出口が形成されたものであり、一端に上記液供給手段と連通する供給口を有し、他端に上記連通手段と連通する減圧口を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置。
- 上記液吐出ヘッドは長尺で、長手方向に沿ってスリット状の液吐出口が形成されたものであり、一端に上記液供給手段と連通する供給口を有し、他端に上記連通手段と連通する減圧口を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板処理装置。
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