JP3603384B2 - インクジェット記録シート収納体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェット記録シート収納体に関する。特に、表面にインク受容層を有するインクジェット記録シート(以下単に記録シートとも言う)の収納体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、記録シート上にインク滴を吐出し、そのドットで画像(文字を含む)を形成して記録を行なう記録方式である。
【0003】
このようなインクジェット記録方式に用いられる記録シートとしては、普通紙の他、コート紙等(コート紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用シート、光沢紙、光沢フィルム等、以下同じ)が知られている。
【0004】
コート紙等は、一般に、シート状基材の表面に多孔性のインク受容層を有している。インク受容層は、顔料、バインダー、および助剤で構成されている。顔料としては、高いインク吸収性と発色濃度とを得るために、多孔性で屈折率の低いものが用いられており、無定型シリカが最も多く用いられている。バインダーとしては、定着強度、インク吸収性を得るために、成膜性の良い水溶性樹脂が用いられており、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリマーラテックスが良く用いられている。助剤としては、耐水性向上のためのカチオン性樹脂、耐光性向上のための光安定剤、白色度向上のための蛍光増白剤、等が用いられている。
【0005】
このようなコート紙等によれば、普通紙に比べて高い発色濃度、鮮明な色相を持つ記録状態、すなわち色再現性の大きな記録状態が得られる。また、パルプ繊維に沿ってヒゲ状ににじむフェザリング現象が抑えられドットの真円性が向上する。更に、インク受容層中の成分の選択によりドット径を制御できることから高解像度化を図ることも可能である。
【0006】
したがって、このようなコート紙等は、高解像度のカラー画像を得るのに適している。
【0007】
従来このようなコート紙等は、ポリプロピレン製の袋に複数枚収納されて販売等されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェット記録装置としては、図4に示すようなものが知られている。
【0009】
同図において、11は給紙トレイ、12はフィードローラ、13は搬送ローラ、14はピンチローラ、15はインクジェットヘッド、16は排出ローラ、17は排出ギザローラである。
【0010】
給紙トレイ11には、記録シートSが複数枚積層状態でセットされる。給紙トレイ11は、記録シートの給送時にフィードローラ12に向けて記録シートSを所定の力F1で押圧する。
【0011】
フィードローラ12はゴムローラ(少なくともその表面にゴム層を有しているローラをいう。以下同じ)であり、給送時に回転して、最上位にある記録シートS1を給送する。
【0012】
搬送ローラ13はゴムローラであり、これにピンチローラ14が所定の力F2で押圧されている。少なくとも搬送ローラ13は駆動ローラとして構成されている。したがって、給送された記録シートSは搬送ローラ13とピンチローラ14とで挟圧されながら搬送される。
【0013】
インクジェットヘッド15は、記録シートSの表面にインク滴を吐出し画像を形成する。
【0014】
排出ローラ16はゴムローラであり、これに排出ギザローラ17が所定の力F3で押圧されている。排出ローラ16は駆動ローラとして構成されており、通常排出ギザローラ17は従動ローラとして構成されている。したがって、記録済の記録シートは、排出ローラ16と排出ギザローラ17とで挟圧されながら搬送され、そして排出される。
【0015】
排出ローラ16の周速は、搬送ローラ13の周速に対して多少増速されており、記録中の記録シートSは、搬送ローラ13と排出ローラ16との間で張られるような状態で搬送される。したがって、排出ローラ16による搬送力は、記録中の記録媒体の搬送精度に影響を与える。
【0016】
このような装置においては、給紙トレイ11から給送された記録シートSは搬送ローラ13に巻き回されることにより反転し、給紙トレイ11側に排出される。
【0017】
したがって、記録シートSは、その裏面(非記録面)が上側に位置する状態で給紙トレイ11にセットされる。
【0018】
例えば以上のような装置において記録を行なう場合、記録シートSは、フィードローラ12によって確実に1枚ずつ給送される必要がある。
【0019】
しかしながら、従来、上述したポリプロピレン製の袋から複数枚の記録シートを全て取り出し、これをそのまま給紙トレイ11にセットして装置を作動させた際、最上位にある記録シートS1が給送されないことがあるという問題があった。
【0020】
その原因を究明したところ、ポリプロピレン製の袋には、その取扱い性を向上させるために、スリップ剤が比較的多量に含有されており、このスリップ剤が最上位にある記録シートS1の裏面に付着するため、フィードローラ12がスリップしてしまうためであるということが分かった。
【0021】
また、最上位にある記録シートS1が給送された場合でも、その裏面にポリプロピレン製の袋からのスリップ剤が付着しているために、搬送ローラ13、排出ローラ16による搬送精度が低下し、インク受容層の作用で得られるべき高解像度画像の品質が損なわれることがあるという問題もあった。
【0022】
本発明の目的は、以上のような問題を解決し、記録シートを収納袋から取り出してそのまま装置にセットしても記録シートが確実に給送され、高解像度画像が確実に得られるインクジェット記録シート収納体を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載のインクジェット記録シート収納体は、表面にインク受容層を有するインクジェット記録シートをポリプロピレン製の袋に収納した収納体であって、その袋の内面と対向する前記インクジェット記録シートの裏面と前記袋の内面との間に保護シートを介在させたことを特徴とする。
【0024】
請求項2記載のインクジェット記録シート収納体は、請求項1記載のインクジェット記録シート収納体において、前記インクジェット記録シートの基材が、透明あるいは白色のポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする。
【0025】
請求項3記載のインクジェット記録シート収納体は、請求項1または2記載のインクジェット記録シート収納体において、前記保護シートの厚さが50μm〜2mmであることを特徴とする。
【0026】
【作用】
請求項1記載のインクジェット記録シート収納体によれば、表面にインク受容層を有するインクジェット記録シートをポリプロピレン製の袋に収納してあるから、袋の取扱い性、例えば自動包装機等における取扱い性が損なわれない。
【0027】
そして、その袋の内面と対向する前記インクジェット記録シートの裏面と、前記袋の内面との間には保護シートが介在しているので、インクジェット記録シートの裏面には袋からのスリップ剤が付着しない。
【0028】
したがって、記録シートを収納袋から取り出してそのまま記録装置にセットしても記録シートが確実に給送されることとなる。
【0029】
また、記録シートの裏面にはスリップ剤が付着しないので、搬送ローラ等による搬送精度が低下せず、インク受容層の作用で得られるべき高解像度画像が確実に得られる。
【0030】
記録シートの基材がポリエチレンテレフタレートフィルムである場合、これをポリプロピレン製の袋に収納したとすると、スリップ剤がより付着し易いという問題が生じる。
【0031】
したがって、この発明は、記録シートの基材がポリエチレンテレフタレートフィルムである場合に特に有効である。
【0032】
請求項3記載のインクジェット記録シート収納体によれば、請求項1または2記載のインクジェット記録シート収納体において、前記保護シートの厚さが50μm〜2mmであるので、次のような作用が得られる。
【0033】
すなわち、記録シートとともにポリプロピレン製の袋に収納される保護シートの厚さが50μm以下であると、袋に収納される記録シートの枚数が少ない場合に収納体が曲がり易くなり、したがって、記録シートが曲がり易くなってしまうという問題が生じる。
【0034】
逆に、保護シートの厚さが2mm以上であると、収納体の輸送時等における振動で、袋が破け易くなるという問題が生じる。また、コストアップの原因ともなる。
【0035】
これに対し、請求項3記載のインクジェット記録シート収納体によれば、保護シートの厚さが50μm〜2mmであるから、袋に収納される記録シートの枚数が少ない場合にでも記録シートが曲がり難く、また、収納体の輸送時等における振動で袋が破け難くなり、しかも、コストダウンを図ることもできる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0037】
図1は本発明に係るインクジェット記録シート収納体の一実施例を示す概略図である。
【0038】
同図に示すように、本実施例のインクジェット記録シート収納体10は、複数枚のインクジェット記録シートSをポリプロピレン製の袋3に収納した収納体であって、その袋3の内面3aと対向する記録シートSnの裏面Snaと、前記袋の内面3aとの間に保護シートPSを介在させた構成となっている。
【0039】
記録シートSは、図2に示すように、シート状基材1の表面に、多孔性のインク受容層2を有している。
【0040】
シート状基材1は紙、透明あるいは白色の合成樹脂フィルム(例えばポリエチレンテレフタレートフィルム)等で構成されている。
【0041】
インク受容層2としては、公知のものを用いることができる。例えば、顔料、バインダー、および助剤で構成し、顔料としては無定型シリカを用い、バインダーとしては、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリマーラテックス等、成膜性の良い水溶性樹脂を用いる。また、助剤としては、耐水性向上のためのカチオン性樹脂、耐光性向上のための光安定剤、白色度向上のための蛍光増白剤、等を用いる。
【0042】
インク受容層2は、塗工によって形成することができ、その塗工方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター等の公知の塗工機を用いた塗工方法の中から適宣選択して使用することができる。
【0043】
保護シートPSは、袋3からのスリップ剤が記録シートSnに付着するのを防止することができるシート材であれば良く、例えば、紙を用いることができる。
【0044】
保護シートPSの厚さは、50μm〜2mmとすることが望ましい。
【0045】
保護シートPSの厚さが50μm以下であると、袋3に収納される記録シートSの枚数が少ない場合に収納体が曲がり易くなり、したがって、記録シートSが曲がり易くなってしまう。逆に、保護シートPSの厚さが2mm以上であると、収納体の輸送時等における振動で、袋3が破け易くなり、また、コストアップの原因ともなる。
【0046】
これに対し、保護シートPSの厚さを50μm〜2mmとすることにより、袋3に収納される記録シートSの枚数が少ない場合にでも記録シートSが曲がり難くなり、また、収納体の輸送時等における振動で袋3が破け難くなり、しかも、コストダウンを図ることもできる。
【0047】
本実施例のインクジェット記録シート収納体10によれば、表面にインク受容層2を有するインクジェット記録シートSをポリプロピレン製の袋3に収納してあるから、袋3の取扱い性、例えば自動包装機等における取扱い性が損なわれない。
【0048】
そして、その袋3の内面3aと対向する記録シートSnの裏面と前記袋の内面3aとの間には保護シートPSが介在しているので、記録シートSnの裏面Snaには袋3からのスリップ剤が付着しない。なお、記録シートSn以外の記録シートについてはこれに隣接する記録シート自体が保護シートの役割をなすので、やはりその裏面には袋3からのスリップ剤が付着しない。
【0049】
したがって、記録シートSを収納袋3から取り出してそのまま記録装置にセットしても記録シートSが確実に給送されることとなる。
【0050】
また、記録シートSの裏面にはスリップ剤が付着しないので、搬送ローラ等による搬送精度が低下せず、インク受容層2の作用で得られるべき高解像度画像が確実に得られる。
【0051】
なお、記録シートSの裏面(すなわち非記録面)1aには、必要に応じて滑剤を塗布することができる。
【0052】
前述したコート紙等のように、インク受容層2を有する記録シートSは、その表面が普通紙に比べて平滑であるため、これを積層すると互いに密着し易い。したがって、記録装置の給紙トレイに記録シートSを積層状態でセットすると、相互の密着性によって重送される(2枚以上の記録媒体が共送りされる)おそれがある。例えば、図4において給紙トレイ11の最上位にあって給送されるべき記録シートS1がその下位にある記録シートS2に対して滑り難くなり、記録シートS1とともに記録シートS2もが給送されてしまい易くなる。
【0053】
そこで、このような重送を防止するために、記録シートSの裏面1aには、必要に応じて滑剤を塗布することができる。
【0054】
したがって、この場合の滑剤は、記録シートSの重送が防止される程度の材質および塗布量で形成されるが、裏面に滑剤が塗布された記録シートSが、仮に従来技術として説明したようなポリプロピレン製の袋に直接収納されたとすると、ポリプロピレン製袋のスリップ剤が滑剤の塗布層に付着し、フィードローラ等のゴムローラに対して一層滑り易くなる。
【0055】
これに対して、本実施例のように、袋3の内面3aと対向する記録シートSnの裏面と、前記袋の内面3aとの間に保護シートPSを介在させる構成によれば、記録シートSの裏面に滑剤を塗布したとしても、フィードローラ等のゴムローラと記録シートSの裏面1aとの摩擦係数は充分に確保される。
【0056】
なお、袋3に収納された記録シートSの記録面と、袋の内面3aとの間にも保護シート(図示せず)を介在させてもかまわない。
【0057】
図3は、記録装置としてのインクジェットプリンタの一例の内部構造を示す側面図である。
【0058】
このプリンタは、図4に示した装置と同様の形式を有しており、したがって、図3において、図4に示した装置の部分と対応する部分には同一の符号が付してある。
【0059】
このようなプリンタを用い、その給紙トレイ11に、記録シートSを収納袋3から取り出してそのままセットして画像を記録したところ、給送不良(重送も含む)は生じず、搬送ローラ13および排出ローラ16におけるスリップも生じず、高品質のカラー画像を得ることができた。
【0060】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0061】
例えば、袋3に収納する記録シートSの枚数は、複数枚ではなく1枚でもかまわない。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、記録シートを収納袋から取り出してそのまま装置にセットしても記録シートが確実に給送され、高解像度画像が確実に得られる。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録シート収納体の一実施例を示す概略図。
【図2】記録シートの一例を示す模式的な部分断面図。
【図3】インクジェットプリンタの一例の内部構造を示す側面図。
【図4】インクジェットプリンタの一例を示す概略図。
【符号の説明】
S インクジェット記録シート
PS 保護シート
2 インク受容層
3 ポリプロピレン製の袋
10 インクジェット記録シート収納体
Claims (3)
- 表面にインク受容層を有するインクジェット記録シートをポリプロピレン製の袋に収納した収納体であって、その袋の内面と対向する前記インクジェット記録シートの裏面と、前記袋の内面との間に保護シートを介在させたことを特徴とするインクジェット記録シート収納体。
- 前記インクジェット記録シートの基材が、透明あるいは白色のポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シート収納体。
- 前記保護シートの厚さが50μm〜2mmであることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録シート収納体。
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