JP3603534B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造時、溶融亜鉛めっき鋼板の表面に発生する黒点疵を防止する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続溶融亜鉛めっきラインにおいては、溶融亜鉛めっき浴中でめっきされた鋼板は、▲1▼付着量制御装置で亜鉛付着量を調整された後、加熱帯,保持帯,冷却帯で構成される合金化処理炉でのガルバニール処理により、鋼素地と亜鉛層との間に相互拡散させた合金化溶融亜鉛めっき(GA)鋼板となしたり、▲2▼付着量制御装置で亜鉛付着量を調整された後、鋼板をそのままの状態で冷却し、美麗な華模様を生じるレギュラー(ノーマル)スパングル鋼板(GI鋼板)となしたり、▲3▼めっき後の鋼板を、亜鉛結晶の成長速度より速い速度で多数の核を生成させ、肉眼では判別できない微細な華模様を生じさせるミニマイズド(ゼロ)スパングル鋼板となしたりしている。
【0003】
なかでも、GA鋼板は、塗膜の密着性、塗装後の耐食性及びスポット溶接性等の特性を有するため、自動車用材料や家電製品に多く用いられている。このGA鋼板は、めっきの付着量を調整された後、加熱帯において500〜600℃程度まで加熱され、その後、保持帯で、ある一定温度に保持された後、保持帯の下流側に設けられた冷却帯でガスジェット冷却やミスト冷却され、GA鋼板となされた後、冷却帯の下流側に配置したトップロールにより進行方向を垂直方向から水平方向に変更されて次工程に送られ、製品となされる。
【0004】
この一連の工程において問題となるのが、鋼板を冷却する際に吹き付けるガスやミストに含まれる微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等である。すなわち、鋼板を冷却するために、ブロワーでガスを吸引し、吹き付ける場合、これらの微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等も同時に吸引され、鋼板に吹き付けられる。その結果、鋼板表面に付着した微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等は、トップロール等で鋼板の表面に押し込まれ、製品疵(以下、これを「黒点疵」という)となる。
【0005】
また、反対に鋼板に吹き付けられた微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等がロール側に押し込められた場合、ロール自体に疵が付くことによって、鋼板自体に付着物がなくても、以後、ロールの回転周期毎に鋼板の表面に疵が発生することになる。このようにしてできた黒点疵は、鋼板をプレスする際、プレスブツ発生の要因となってしまう。その結果、需要家の品質上の要求を満足できないことになる。
【0006】
ところで、従来の合金化処理装置において、例えば特開昭64−28353号公報では、合金化処理装置の保持帯と冷却帯の間に保熱箱及び冷却箱を交換使用可能に配置し、保持帯と保熱箱、保熱箱と冷却箱、または冷却箱と冷却帯の結合を、上下に伸縮できる蛇腹等を用いて外気の侵入を防止するものが提案されている。
【0007】
また、特開平5−179415号公報では、合金化処理装置を構成する加熱帯の下流側に冷却帯と保持帯を並列に設け、加熱帯で加熱された溶融亜鉛めっき鋼板を直ちに冷却するか、一定時間保熱してから冷却するかの選択を可能にした合金化処理装置が提案され、加熱炉をガス加熱方式とした場合、発生した高温ガスにより後続の冷却帯や保熱帯が熱影響を受けないように炉をシール構造とし、発生した高温ガスはダクトを介して排出するものが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した発明は、いずれも良好なGA鋼板の製造が可能な装置を提供することを目的としており、合金化処理時、鋼板を冷却するガスやミスト内に含まれる微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等に起因する黒点疵を防止することについては何らの対策をも講じていない。
【0009】
すなわち、特開昭64−28353号公報では、保持帯,保熱箱,冷却箱,冷却帯については蛇腹を用いて外気の侵入を防ぐ構造となっているが、逆にガスやミストを吹き付ける冷却帯側にはいかなる対策をも講じていない。従って、微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等が直接鋼板に吹き付けられてしまうことになる。このことは、特開平5−179415号公報についても、同様である。
【0010】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、連続溶融亜鉛めっきラインにおいて合金化溶融亜鉛めっき鋼板や、これ以外の溶融亜鉛めっき鋼板(GI鋼板やミニマイズド(ゼロ)スパングル鋼板)を製造する際、鋼板表面に微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等を直接吹き付けることがなく、その結果、製造された合金化溶融亜鉛めっき鋼板に黒点疵を発生させることのない装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置は、鋼板を冷却する冷却帯のガス吸引部から鋼板への吹付けノズルに至る接ガス部分をステンレス鋼板で製作すると共に、ブロワーの入り側における冷却ガスの流速を1.0〜3.0m/sとなすべく、ブロワーにおける入り側部分のダクト径を大きくし、かつ、この大きくしたダクト部分に15μm以上の粉塵を除去するフィルターを配置している。そして、このようにすることで、接ガス部分に錆が発生せず、錆が鋼板の表面に付着することがない。また、15μm以上の微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等はフィルターで除去され、鋼板の表面に付着することがない。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置は、鋼板に溶融亜鉛めっきを施した後、付着量制御装置で亜鉛付着量を調整し、合金化炉で加熱・保持・冷却、あるいは、加熱・冷却して製造する合金化溶融亜鉛めっき鋼板や、鋼板に溶融亜鉛めっきを施した後、付着量制御装置で亜鉛付着量を調整し、冷却して製造する溶融亜鉛めっき鋼板の表面に発生する黒点疵を防止する装置であって、鋼板を冷却する冷却帯のガス吸引部から鋼板への吹付けノズルに至る接ガス部分をステンレス鋼板で製作すると共に、ブロワーの入り側における冷却ガスの流速を1.0〜3.0m/sとなすべく、ブロワーにおける入り側部分のダクト径を大きくし、かつ、この大きくしたダクト部分に15μm以上の粉塵を除去するフィルターを配置したものである。
【0013】
すなわち、本発明では、GA鋼板やこれ以外の溶融亜鉛めっき鋼板を製造する工程で、鋼板に溶融亜鉛めっきを施した後、付着量制御装置で亜鉛付着量を調整し、合金化炉で加熱・保持・冷却、または、加熱・冷却する時、あるいは、亜鉛付着量の調整後、冷却する時に、鋼板を冷却するために吹き付けるガス中に含まれ、黒点疵発生の原因となる微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等を除去するために、冷却帯のブロワーの入り側に、フィルターを設置するのである。
【0014】
そして、本発明者が冷却ガス中に含まれる微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等を採取し、検査した結果、冷却ガス中に含まれる砂、酸化鉄、海塩粒子、砥粒の平均粒子径は下記表1に示す如くであった。
【0015】
【表1】
【0016】
また、本発明者の実験によれば、15μm未満の微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等であれば、鋼板の表面に付着して、トップロール等で鋼板の表面に押し込まれても、製品の品質に影響を及ぼさない。
従って、本発明では、フィルターは粒径が15μm以上の塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等を除去できるものを採用することとした。
【0017】
また、フィルターを通過する冷却ガスの流速は3.0m/sより大きくなると、圧力損失が大きくなりすぎてブロワーやファンを必要以上に大きくしなければならなくなるので、本発明では、ブロワーにおける入り側部分のダクト径を大きくして、ブロワーの入り側、特に、フィルターボックス部では、1.0〜3.0m/sの流速で冷却ガスが流れるようにした。
【0018】
また、本発明において、鋼板を冷却する冷却帯のガス吸引部から鋼板への吹付けノズルに至る接ガス部分をステンレス鋼板で製作するのは、以下の理由によるものである。すなわち、前記接ガス部分に、防錆処理剤を塗布した鋼板を使用した場合には、防錆処理剤が剥がれた後は錆が発生する。また、めっき鋼板を使用したとしても、1〜2年も経過すると、めっき鋼板の表面に白錆等が発生する。そして、これらの錆が冷却ガス中に含まれ、鋼板を冷却する時に同時に鋼板に吹き付けられると、黒点疵の発生要因となる。これに対して、ステンレス鋼板を採用した場合には、防錆処理剤を塗布した鋼板は勿論、めっき鋼板よりも耐食性に優れていて、錆や白錆等が発生せず、また、めっき鋼板よりも溶接性が良好であるからである。なお、ステンレス鋼板であれば、特に限定しないが、SUS316ステンレス鋼のほうが一般的に用いられるSUS304ステンレス鋼よりも耐孔性及び耐食性が良好で、溶接性がすぐれているので、SUS316ステンレス鋼を採用することが望ましい。
【0019】
【実施例】
以下、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置を図1及び図2に示す一実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置を適用した合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインの概略説明図、図2は本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置を構成するフィルターボックスの正面図である。
【0020】
図面において、1は連続焼鈍炉で前処理された鋼板であり、溶融亜鉛めっき槽2に浸漬された後、シンクロール3を経てガスワイピング装置4でめっき付着量を調整されて、公知の機能であるオフライン退避機能を有する合金化処理装置の加熱帯5で加熱される。
【0021】
6は加熱帯5の出口に設置されたエアーカーテンであり、加熱帯5で使用された燃焼排ガスがライン外に排出されるのを防止するものである。
加熱帯5で加熱処理された鋼板1は、保持帯の機能と、屋外の大気を吸引し、鋼板1に吹付けて冷却する冷却帯の機能を有する保持帯兼用冷却帯7で冷却保持、または保持された後、No1空冷帯8、No2空冷帯9で冷却され、その後、トップロール10に至り次工程に移る。なお、11はシンクロール3からトップロール10に至るまでに鋼板1がばたつくのを防止するタッチロールである。
【0022】
ところで、前記保持帯兼用冷却帯7は、冷却帯本体7aと、保持帯部7bと、屋外の大気を吸引するブロワー7cと、冷却ガスの風量を調整するサクションダンパー7dと、ブロワー7cの吸い込み音を消音するサイレンサー7eと、ブロワー7cに吸引される大気中に含まれる塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等を除去するフィルターボックス7f、及びこれらをつなぐダクト7gとで構成されている。
【0023】
また、No1空冷帯8,No2空冷帯9は、屋外の大気を吸引して鋼板1に吹付けて冷却するもので、それぞれ、冷却帯本体8a,9aと、屋外の大気を吸引するブロワー8b,9bと、冷却ガスの風量を調整するサクションダンパー8c,9cと、ブロワー8b,9bの吸い込み音を消音するサイレンサー8d,9dと、ブロワー8b,9bに吸引される大気中に含まれる塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等を除去するフィルターボックス8e,9e、及びこれらをつなぐダクト8f,9fとで構成されている。
【0024】
本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置は、例えば上記したような合金化処理装置に適用して、製造される合金化溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵を防止する装置であり、次のような構成である。
【0025】
すなわち、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置は、鋼板1を冷却または保持する保持帯兼用冷却帯7,No1空冷帯8,No2空冷帯9のガス吸引部から鋼板1への吹付けノズルに至る接ガス部分、すなわち、保持帯兼用冷却帯7では、冷却帯本体7a,保持帯部7b,ブロワー7c,サクションダンパー7d,サイレンサー7e,フィルターボックス7f,及びダクト7gを、また、No1空冷帯8,No2空冷帯9では、冷却帯本体8a,9a,ブロワー8b,9b,サクションダンパー8c,9c,サイレンサー8d,9d,フィルターボックス8e,9e,及びダクト8f,9fを例えばSUS316ステンレス鋼板で製作するのである。
【0026】
加えて、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置では、ブロワー7c,8b,9bの入り側における冷却ガスの流速を1.0〜3.0m/sとなすべく、例えば図2に示すように、フィルターボックス7f,8e,9eのダクト径を大きくし、かつ、この大きくしたダクト部分に15μm以上の塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等を除去するフィルター7h,8g,9gを配置しているのである。
【0027】
ところで、フィルターボックス7f,8e,9eへのフィルター7h,8g,9gの配置手段については、特に限定されるものではないが、例えば枠内にフィルター7h,8g,9gを固定したものを、フィルターボックス7f,8e,9eの例えば幅方向に固定したレールに沿って摺動させることで配置するようにすれば、フィルター7h,8g,9gの取り替えが容易に行えることになる。この時、レールとフィルターボックス7f,8e,9eとはシール溶接しておくことは勿論であり、また、フィルター7h,8g,9gを固定した枠間、及び枠とフィルターボックス7f,8e,9e間は弾力性部材を介在させて、大気が全てフィルター7h,8g,9gを通るようにしておくことは言うまでもない。
【0028】
上記したような本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置を、合金化処理装置に適用した場合には、屋外の大気中に含まれる黒点疵発生の原因となりうる、粒子径が15μm以上の塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等を除去できると共に、接ガス部分も錆が発生しなくなるので、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵発生の割合が、従来は平均1.6件/月であったのが、0件/月になった。
【0029】
また、合金化処理を行わない溶融亜鉛めっき鋼板(GI鋼板)を製造する際に、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置を適用した場合にも、溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵発生の割合が、従来は平均0.7件/月であったのが、0件/月になった。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置によれば、従来、殆ど除去されずに次の工程に送られていた、黒点疵の原因となりうる微細な塵・埃・酸化鉄・海塩粒子等を除去できると共に、接ガス部分に錆が発生しなくなるので、黒点疵のない高品質な溶融亜鉛めっき鋼板を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置を適用した合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインの概略説明図である。
【図2】本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置を構成するフィルターボックスの正面図である。
【符号の説明】
1 鋼板
7 保持帯兼用冷却帯
7a 冷却帯本体
7b 保持帯部
7c ブロワー
7d サクションダンパー
7e サイレンサー
7f フィルターボックス
7g ダクト
7h フィルター
8 No1冷却帯
8a 冷却帯本体
8b ブロワー
8c サクションダンパー
8d サイレンサー
8e フィルターボックス
8f ダクト
8g フィルター
9 No2冷却帯
9a 冷却帯本体
9b ブロワー
9c サクションダンパー
9d サイレンサー
9e フィルターボックス
9f ダクト
9g フィルター
Claims (1)
- 鋼板に溶融亜鉛めっきを施した後、付着量制御装置で亜鉛付着量を調整し、合金化炉で加熱・保持・冷却、あるいは、加熱・冷却して製造する合金化溶融亜鉛めっき鋼板や、鋼板に溶融亜鉛めっきを施した後、付着量制御装置で亜鉛付着量を調整し、冷却して製造する溶融亜鉛めっき鋼板の表面に発生する黒点疵を防止する装置であって、鋼板を冷却する冷却帯のガス吸引部から鋼板への吹付けノズルに至る接ガス部分をステンレス鋼板で製作すると共に、ブロワーの入り側における冷却ガスの流速を1.0〜3.0m/sとなすべく、ブロワーにおける入り側部分のダクト径を大きくし、かつ、この大きくしたダクト部分に15μm以上の粉塵を除去するフィルターを配置したことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置。
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| JP10892197A JP3603534B2 (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置 |
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| JP10892197A JP3603534B2 (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 溶融亜鉛めっき鋼板の黒点疵防止装置 |
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| JPH10298730A JPH10298730A (ja) | 1998-11-10 |
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