JP3604455B2 - 一溝スロット用サイジング装置および同スロットの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一溝スロット用サイジング装置および同スロットの製造方法に関し、特に、スロットの溝部の寸法精度や表面粗さを高精度に保ちつつ、高速での製造が可能になるサイジング装置および一溝スロットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
押出し成形品のうち、例えば、超高密度光ファイバケーブルに使用されるスロットや窓枠などのように、内方に陥入する溝部を有する異形断面の押出し成形品では、凹状の溝部の内側寸法精度が高く、その表面が滑らかなことが要求されている。
【0003】
特に、最近新聞紙上などで脚光を浴びている光ハイウェー構想で用いられる超高密度光ファイバーケーブルの部品であるスロットにおいては、このような要求がより一層大きくなっている。すなわち、この種の光ファイバケーブルでは、より一層の高密度化を図るため、スロットの溝部内に収納される光ファイバテープ芯線も高密度化が進められ、光ファイバを保護するバッファ層を非常に薄くして、収納する芯線数の増加を図っている。
【0004】
この結果、溝の内周に寸法変化や表面に凹凸があると、従来のものよりもより一層マイクロベンディングロスが発生し易くなっており、溝側の寸法精度と表面粗さのより一層の向上が求められている。
ところで、この種のスロットは、従来より以下に示す製造工程により製造されていた。
▲1▼テンションメンバーの外周に、溶融状態の熱可塑性樹脂を、所定の断面形状、例えば、円形の断面に中心を指向する凹状の溝部を設けた異形断面に近似した状態で押出す。
▲2▼サイジングダイ(所定の断面形状の空隙を有する型であって、一溝スロットを冷却しながら整形する装置)に導き、熱可塑性樹脂を冷却しながら整形する。
▲3▼得られた一溝スロットをボビンに巻き取る。
【0005】
なお、スロットの溝部に撚りを加えたい場合には、以上の工程に連続するか、あるいは、分離された状態で以下の処理工程が行なわれる。
▲4▼得られた一溝スロットを軟化点以上融点未満の温度に加熱する。
▲5▼撚りを加えながら冷却する。この場合、再度サイジンクを行なうことも行なわれている。
▲6▼ボビンに巻き取る。
【0006】
このような製造工程におけるサイジングの方法としては、先端部だけが水槽の外側に出ている2分割のサイジングダイにスロットを導き、整形しながら冷却する方法(特開平5−261844号公報)や、冷却ジッヤケットに納めた2分割できるサイジングダイに導く方法などが提案されている。
しかしながら、このようなサイジング方法には、いずれも以下に説明する技術的課題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、まず、前者の方法では、低速での製造では比較的問題がないが、生産速度を上げると、溝部での冷却が不十分になり、溝部の寸法精度が悪化するという問題があった。また、後者の方法では、前者の方法よりも寸法精度がよく、高い寸法精度を確保しながら生産速度を上げるためには、サイジングダイとジャケットの長さを長くするとよいが、このようにすると、スロットの引抜き抵抗が非常に大きくなり、スロットが破断するおそれがある。
【0008】
さらに、後者の方法では、サイジングダイの両端部をシールし、ジャケット内に供給する冷却水を加圧し、サイジングダイの合わせ目から冷却水を侵入させて、スロットを直接冷却することも考えられるが、特に、横引き構造の場合などには、冷却水が逆流し、逆流した冷却水がサイジングダイの入口付近に滞留すると、これが沸騰して、一溝スロットの表面にアバタが発生するという問題がある。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、生産速度を上げても、寸法精度がよく、かつ、表面も滑らかな一溝スロットが得られるサイジング装置および同装置を用いる一溝スロットの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、サイジングダイと、冷却水が満たされる給水ジャケットと、減圧チャンバーとを備え、光ファイバを担持する一溝スロット用のサイジング装置であって、前記サイジングダイは、前記給水ジャケット内に配置される入口側に、前記一溝スロットとの接触面に冷却水を供給する給水孔が設けられ、前記減圧チャンバー内に配置される中間部に冷却水を排出する排水孔を設けたことを特徴とする。
前記一溝スロットは、略円形断面の本体と、この本体の外周に一端が開口した凹状の溝部とを有し、前記サンジングダイは、前記本体の外周と接触する第1の型と、前記溝部の内周と接触する第2の型とを有する分割型であり、前記給水孔を、前記本体の外周と前記溝部の内周とに冷却水を供給するように前記第1および第2の型に設けるとともに、前記排水孔を、前記溝部内周から冷却水を排出するように前記第2の型に設けることができる。
前記給水ジャケットには、給水変動緩和タンクと、流量センサーと、定量ポンプとを有する注水制御装置が接続され、前記流量センサーの検出値に基づいて前記定量ポンプをフィードバック制御することができる。
また、別の発明として、略円形断面の本体と、この本体の外周に一端が開口する光ファイバ収納用の溝部とを有する一溝スロットを、押出した後にサイジンク装置で冷却,整形する一溝スロットの製造方法において、前記サイジング装置は、サイジングダイと、冷却水が満たされる給水ジャケットと、減圧チャンバーとを備え、前記給水ジャケット内に配置される入口側で、前記一溝スロットと前記サイジングダイとの接触面に冷却水を供給し、前記減圧チャンバー内に配置される中間部で、前記冷却水を排出することを特徴とする。
上記製造方法では、前記冷却水は、前記給水ジャケット内に配置される前記サイジングダイの入口側で、前記本体の外周と前記溝部の内周とに供給され、前記冷却水の排出は、前記減圧チャンバー内に配置される前記サイジングダイの中間部で、前記溝部内周から行なうことかできる。
【0011】
【作用】
上記構成の一溝スロット用サイジング装置および同スロットの製造方法によれば、まず、給水ジャケット内に配置される入口側で、一溝スロットとサイジングダイとの接触面に冷却水を供給するので、一溝スロットがサイジングダイと接触する面との間に水膜が形成され、この水膜により、一溝スロットが、冷却水により直接冷却され、一溝スロットを短時間に熱変形温度未満まで冷却することができる。
また、この水膜は、一溝スロットの冷却だけでなく、サイジングダイと一溝スロットとの間に介在して、潤滑剤として機能するため、一溝スロットの引抜き抵抗が大幅に低下し、これにより生産速度を上げることができる。
一方、給水ジャケット内には、冷却水が満たされているので、その水圧により、サイジングダイと一溝スロットとの間への冷却水の供給は、確実かつ大量に行なえる。この場合、請求項3のように流量センサーの検出値に基づいて定量ポンプをフィードバック制御する注水制御装置を用いると、安定した一溝スロットの製造が可能になる。
また、冷却水の排出は、減圧チャンバー内に配置されるサイジングダイの中間部から行なうので、減圧による強制的な排水により、冷却水の流れ方向が一定になり、逆流が発生しない。
このとき、冷却水を排出すると、減圧作用により一溝スロットがサイジングダイに吸い付けられるので、一溝スロットの寸法精度や表面精度が向上する。
【0012】
【実施例】
以下本発明の好適な実施例について添附図面を参照して詳細に説明する。図1〜図12は、本発明にかかる一溝スロット用サイジング装置および同スロットの製造方法の一実施例を示している。図1には、製造するスロットAの断面形状が示されている。
【0013】
同図に示すスロットAは、略円形断面を有する熱可塑性樹脂製の本体A1 と、本体A1 に埋設された3本のテンションメンバーA2 と、本体A1 の内方を指向するようにして陥設された凹状の溝部A3 とから構成されていて、溝部A3 は、本体A1 の長手方向に沿ってその全長に形成されている。なお、図1に示した数値は、得ようとするスロットAの設計寸法である。
【0014】
図2は、スロットAの製造方法の一例を示している。同図に示す製造方法では、テンションメンバーA2 として、芳香族ポリアミド繊維(デュポン社製:商品名ケブラー49 1140de)を、また、スロットAの本体A1 形成用の樹脂として、ポリブチレンテレフタレート(帝人株式会社製:商品名C−7000N)を使用した。
【0015】
3本のテンションメンバーA2 は、クリールスタンド1に支持されたボビン2に捲回し、このボビン2から繰り出しながらダンサーローラ3により、450g/本のテンションを付与して、予熱装置4を通して、押出機5のクロスヘッドダイに供給する。押出機5の樹脂押出し温度は、245℃に設定した。押出機5に装着されている吐出ダイスは、図3に示すような断面形状とした。
【0016】
すなわち、吐出ダイスの孔部形状は、押出機5から押し出された熱可塑性樹脂が固化する際の寸法収縮を考慮して、溝部A3 に相当する部分の幅と長さとを設計寸法(図1参照)よりも大きくし、本体A1 の最も肉厚となる部分の外周を切欠した形状とした。このような吐出ダイスからテンションメンバーA2 の外周に樹脂を溶融状態で押出し被覆し、押出機5から横方向に押し出された中間品をサイジング装置6に導入した。
【0017】
なお、この時の成形品の引取速度は、8m/分、サイジング装置6への冷却水の給水量は、900ml/分、水圧は、0.2kg/cm2 になるように後述する注水制御装置30でコントロールした。また、後述する減圧チャンバー内の圧力は、40mmHgに設定した。図4〜図11に、このとき使用したサイジンク装置6の詳細を示している。図4は、サイジング装置6の全体図であって、サイジング装置6は、サイジングダイ10と、冷却水が満たされる給水ジャケット12と、減圧チャンバー14とを有している。
【0018】
サイジングダイ10は、給水ジャケット12と減圧チャンバー14の中心を貫通するようにして配置され、図5〜図11にその詳細を示すように、スロットA(成形品)の本体A1 の外周と接触する第1の型10aと、この型10aと組み合わされ、スロットA(成形品)の溝部A3 の内周と接触する第2の型10bとからなる分割型であって、細長い円筒状に形成されている。
【0019】
第1の型10aは、図8にその一部を示すように、中空リング状部材の一部を切欠した形状に形成され、第2の型10bは、図9にその一部を示すように、第1の型10aの切欠部に嵌合する円弧状部と、この円弧状部から上方に突出する突起部とを有し、略凸状に形成されている。
図7には、第1および第2の型10a,10bを組み合わせたときに、これらの型10a,10b間に形成される空間、すなわち、スロットAが挿通される空間部の寸法形状を示している。また、サイジングダイ10には、その長手方向に沿って、3個のフランジ部10c〜10eが所定の間隔を置いて配置されている。
【0020】
フランジ部10cは、図4に示すように、減圧チャンバー14を画成する隔壁14aにオーリングを介装して当接され、給水ジャケット12と減圧チャンバー14との間を液密的にシールする。また、残りの2個のフランジ部10d,10eは、減圧チャンバー14内に設けられた支持体16上に当接して、サイジングダイ10の位置決め用に使用される。
【0021】
また、サイジングダイ10には、給水ジャケット12内に配置される入口側に、外周からスロットAの本体A1 の外周と、溝A3 の内周とに冷却水を供給する給水孔10f,10gが設けられている(図5にこの給水孔10f,10gが設けられている箇所をA,A’で示している)。第1の型10aに設けられた給水孔10fは、図8に示すように、中心を指向するようにして放射状に型10aを貫通している。
【0022】
第2の型10bに設けられた給水孔10gは、図9に示すように、角溝10hを形成し、この角溝10hと凹状の溝部A3 の底部と両端部とに対応して連通するように3箇所設けられている。中心の給水孔10gは、角溝10hの上端と両側端とに開口するように略十字状に形成されている。さらに、サイジングダイ10には、減圧チャンバー14内に配置される中間部に、溝部A3 内周からのみ冷却水を排出する排水孔10iが、サイジングダイ10の長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数設けられている。
【0023】
図5において、B1 〜B4 ’で示した箇所が、この排水孔10iが設けられている部分であって、排水孔10iは、図11に示すように、角溝10jを形成し、この角溝10jと凹状の溝部A3 の底部に対応する角溝10jの上端と、凹状の溝部A3 の両側面に対応する角溝10jの両側端にそれぞれ開口する略十字状に形成されている。
【0024】
一方、給水ジャケット12は、減圧チャンバー14の隔壁14aに固設される両端が開口した筒部12aと、中心にサイジングダイ10の挿通孔12bが設けられた蓋部12cとから構成され、挿通孔12bとサイジングダイ10との間には、オーリングが介装され、また、筒部12aと隔壁14aとの間にもオーリングを介装して、液密的に密閉されている。
【0025】
筒部12aには、冷却水の注水口12eが設けられている。減圧チャンバー14は、中空な密閉空間を隔成する隔壁14aと、隔壁14aに設けられた出口パッキン14bと、押さえ板14cとを有している。出口パッキン14bは、整形、冷却されたスロットAに対応した断面形状を有していて、スロットAの外周及び内周に密着して、減圧チャンバー14内の気密性を保持するものであり、中心に透孔が設けられた押さえ板14cにより隔壁14aに固設されている。
【0026】
また、隔壁14aには、排気および排水孔14dが貫通形成され、この孔14dには、図2に示すように、開閉バルブ18を介して、減圧タンク20が連通接続されている。そして、減圧タンク20には、排気および排水を行なう真空ポンプ22が接続されている。なお、図4に符号21で示した部材は、サイジングダイ10の外周に冷却水を噴射して、これを冷却するシャワーノズルである。
【0027】
給水ジャケット12の注水口12eには、図13に示す注水制御装置30が接続されている。注水制御装置30は、給水ジャケット12内の水圧ないしは水量を調整するものである。
同図に示す注水制御装置30は、給水ジャケット12内に開口する注水口12eに接続された給水変動緩和タンク30aと、緩和タンク30aの入口側に接続された流量センサー30aと、流量センサー30bの上流側に設置された調圧弁30c,流量表示計30d、圧力ゲージ30e,減圧弁30f,定量ポンプ30g,給水タンク30h,圧力ゲージ30i,減圧弁30j,圧力ゲージ30kとを有している。
【0028】
圧力ゲージ30kの一端側に給水源が設置され、流量センサー30bには、流量表示器30lが接続されている。また、給水ジャケット12には、ジャケット12内の圧力を検出する水圧センサー30mが設置され、この水圧センサー30mには、水圧表示器30nが接続されている。給水タンク30hには、オーバーフロー通路30oが設けられ、給水タンク30hの上流側には、減圧チャンバー14内に設置されたノズル21に冷却水を供給する供給路30qが設置されている。
【0029】
このように構成された注水制御装置30では、給水タンク30hでその上流側の水圧変動が絶縁され、給水タンク30hの下流側に設置されている減圧弁30fで注水口12eに供給する冷却水の圧力を設定するとともに、流量センサー30bにより供給する冷却水の流量を検出して、この検出値に基づいて定量ポンプ30gの駆動をフィードバック制御している。このような構成および制御が行なわれる注水制御装置30を設置すると、冷却水の水圧変動が、例えば、単に水道水を直接供給した場合には、2〜4kg/cm2 と非常に大きくなり、以下のような不具合が発生していたが、このような問題がなくなる。
【0030】
すなわち、給水圧が低くなり、冷却ジャケット12内の圧力が低くなると、水量が不足し、冷却不足となり、溝部A3 の平滑性が損なわれ、給水圧が高くなると、冷却水がサンジングダイ10の入口から逆流し、スロットAの形状が大きく乱れてしまい、場合によっては、押出機5のノズルまで到達することもあった。そこで、本実施例では、上述したような注水制御装置30を設置し、給水ジャケット12への給水圧の変動がどの程度まで許容されるかを実験してみた。この実験結果では、給水圧の変動を±2.5%以内に調整すれば、安定した品質の一溝スロットAが生産できることが確認された。上記注水制御装置30では、給水圧の変動をこの範囲内に押さえることができる。なお、この注水制御装置30では、水圧センサー30mの検出信号に基づいて調圧弁30cをフィードバック制御してもよい。
【0031】
以上のように構成されたサイジンク装置10に中間成形物が導入されると、給水ジャケット12内に配置される入口側で、一溝スロットA(成形品)の本体A1 の外周と、溝部A3 の内周とに、給水孔10f,10gを介して冷却水を供給するので、サイジングダイ10の第1の型10aおよび第2の型10との内周面と一溝スロットA(成形品)の全外周面との間に水膜が形成され、この水膜により、一溝スロットA(成形品)の外周と溝部の内周とが、冷却水により直接冷却され、一溝スロットA(成形品)は、短時間に熱変形温度未満まで冷却することができる。
【0032】
また、この水膜は、一溝スロットA(成形品)の冷却だけでなく、サイジングダイ10とスロットA(成形品)との間に介在して、潤滑剤として機能するため、スロットA(成形品)の引抜き抵抗が大幅に低下し、これにより生産速度を上げることができる。
一方、給水ジャケット12内には、冷却水が満たされているので、その水圧により、サイジングダイ10と一溝スロットA(成形品)との間への冷却水の供給は、確実かつ大量に行なえる。
【0033】
また、冷却水の排出は、減圧チャンバー14内に配置される出口では、外周および内周から、また、中間部では、溝部A3 内周からのみ冷却水を排出するように行なうので、減圧による強制的な排水により、冷却水の流れ方向は、常に給水ジャケット12から減圧チャンバー14の方向となり、逆流が発生しない。
このとき、溝部A3 内周からのみ冷却水を排出すると、溝部A3 内周が減圧作用によりサイジングダイ10に吸い付けられるので、溝部A3 内周の寸法精度や表面精度が向上する。
【0034】
以上のようにして整形,冷却された一溝スロットAは、引取機24によって引取、その後、図外の巻取りによりボビンに巻き取った。図12は、以上の製造工程で得られた一溝スロットAの断面形状を示したものであり、以下に示す表1は、その時の製造条件および各部の寸法を示したものである。
得られた一溝スロットAの寸法は、溝幅内が3.9mm、溝幅中が3.9mm、溝幅外が4.1mm、溝深さ4.6mmでほぼ設計寸法を満たすものであった。一溝スロットAの断面を光学顕微鏡で観察したところ、スロットAの表面層は、非常に透明で、内層部は、少し白濁しており、二重構造が認められた。このことは、サイジングダイ10の給水孔10f,10gから侵入した冷却水のために、スロットAの本体A1 を形成する樹脂の表面部分が急冷され、非晶状態になっているためと思われる。
【0035】
そして、以上のようにして得られた一溝直線スロットAが巻き取られたボビンを回転供給機に取付、一溝直線スロットAに撚りが掛かるように(ピッチ500mm)回転させながら巻き戻しつつ、熱処理炉に供給し、スロットAを約160℃に加熱して、冷却後引取機を介してボビンに巻き取った。撚りの加えられた後のスロットの溝形状は、撚りを加える前と全く変化していなかった。
比較例1〜3
実施例に対して、減圧チャンバー14と減圧タンク20との間を接続する配管に設けられた開閉バルブ18を閉じて、減圧チャンバー14内の排水および排気を全く行なわない条件で、実施例と同様にして一溝直線スロットを作製した。このとき、引取速度を3.0m/分、給水ジャケット12への給水量を100ml/分としたところ(比較例1)、このような条件下までの製造では、寸法精度のよいものが得られた。
【0036】
また、引取速度を5m/分に上げると、給水ジャケット12への給水量が100ml/分では、不足し、溝部の寸法精度がかなり悪化し,スロットの溝表面には、冷却斑からくる歪みによる細かな凹凸が発生した(比較例2)。比較例2の冷却不足を補うため、給水量を200ml/分に増加させたところ、サイジングダイ10からクロスヘッドダイ側に冷却水が逆流し、冷却ポイントが変動し、形状が悪化するとともに、スロットの溝表面に滞留した冷却水の沸騰による痘痕状の欠陥が発生した。また、場合によっては、クロスヘッドダイに冷却水がかかり、吐出量が変動するトラブルも発生した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
以上、実施例で詳細に説明したように、本発明にかかる一溝スロット用サイジング装置および同スロットの製造方法によれば、生産速度を上げても、寸法精度がよく、かつ、表面も滑らかな一溝スロットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるサイジング装置および製造方法が適用される一溝スロットの一例を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる製造方法の一実施例を示す工程説明図である。
【図3】図3に示した押出機の吐出ダイスの孔部形状を示す説明図である。
【図4】本発明にかかるサイジング装置の一実施例を示す断面図断面図である。
【図5】図4に示したサイジング装置のサイジングダイの正面図である。
【図6】図4に示したサイジング装置のサイジングダイの側面図である。
【図7】図6に示したサイジングダイの空隙寸法を示す説明図である。
【図8】図5に示したサイジングダイの一方の型の一端側の斜視図である。
【図9】図5に示したサイジングダイの他方の型の一端側の斜視図である。
【図10】図8,9に示した型の組み合わせ状態の断面図である。
【図11】図5に示したサイジングダイの他方の型の他端側の斜視図である。
【図12】本発明の製造方法で得られた一溝スロットの断面説明図である。
【図13 】本発明のサイジング装置の給水ジャケット内の水圧を制御する注水制御装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 一溝スロット(成形品)
A1 本体
A2 テンションメンバー
A3 溝部
10 サイジングダイ
10a 第1の型
10b 第2の型
10f,10g 給水孔
10i 排水孔
12 給水ジャケット
14 減圧チャンバー
Claims (5)
- サイジングダイと、冷却水が満たされる給水ジャケットと、減圧チャンバーとを備え、光ファイバを担持する一溝スロット用のサイジング装置であって、
前記サイジングダイは、前記給水ジャケット内に配置される入口側に、前記一溝スロットとの接触面に冷却水を供給する給水孔が設けられ、
前記減圧チャンバー内に配置される中間部に冷却水を排出する排水孔を設けたことを特徴とする一溝スロット用サイジング装置。 - 前記一溝スロットは、略円形断面の本体と、この本体の外周に一端が開口した凹状の溝部とを有し、
前記サンジングダイは、前記本体の外周と接触する第1の型と、前記溝部の内周と接触する第2の型とを有する分割型であり、
前記給水孔を、前記本体の外周と前記溝部の内周とに冷却水を供給するように前記第1および第2の型に設けるとともに、
前記排水孔を、前記溝部内周から冷却水を排出するように前記第2の型に設けたことを特徴とする請求項1記載の一溝スロット用サイジング装置。 - 前記給水ジャケットには、給水変動緩和タンクと、流量センサーと、定量ポンプとを有する注水制御装置が接続され、前記流量センサーの検出値に基づいて前記定量ポンプをフィードバック制御することを特徴とする請求項1または2記載の一溝スロット用サンジング装置。
- 略円形断面の本体と、この本体の外周に一端が開口する光ファイバ収納用の溝部とを有する一溝スロットを、押出した後にサイジンク装置で冷却,整形する一溝スロットの製造方法において、
前記サイジング装置は、サイジングダイと、冷却水が満たされる給水ジャケットと、減圧チャンバーとを備え、
前記給水ジャケット内に配置される入口側で、前記一溝スロットと前記サイジングダイとの接触面に冷却水を供給し、
前記減圧チャンバー内に配置される中間部で、前記冷却水を排出することを特徴とする一溝スロットの製造方法。 - 前記冷却水は、前記給水ジャケット内に配置される前記サイジングダイの入口側で、前記本体の外周と前記溝部の内周とに供給され、
前記冷却水の排出は、前記減圧チャンバー内に配置される前記サイジングダイの中間部で、前記溝部内周から行なわれることを特徴とする請求項4記載の一溝スロットの製造方法。
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1995
- 1995-06-19 JP JP15132995A patent/JP3604455B2/ja not_active Expired - Fee Related
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