JP3605185B2 - 沸騰水形原子炉燃料集合体の異物フィルタ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は原子炉燃料の異物フィルタに関し、特に沸騰水形原子炉の燃料集合体用の異物フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料集合体の長期運転によりおよび多数回の再装填により、単位燃料当たりのエネルギー出力を減少させこのために運転費用および効率を悪くするような運転状態が起きることが判明している。
【0003】
原子炉の運転に関連した問題の一つに種々の寸法の異物が堆積することがあげられる。異物は建設中、運転中および修理中に発生するもので、例えば小さな締め具、金属クリップ、溶接スラグおよび小さなワイヤ片などである。原子炉の運転中、原子炉内に存在する異物は冷却水によって運ばれ、燃料集合体構成要素に衝突するおそれがある。この種の異物と燃料集合体の構成要素との反復的な相互作用により燃料集合体の構成要素には摩損が生じることがある。或る種の寸法の異物は、冷却水によって容易に燃料棒の底近くまで運ばれるので特に問題である。幾つかの異物は燃料棒と他の燃料集合体構成要素との間に引っ掛かる。このような異物は流動する冷却材の中で振動し、主に燃料棒の下端に衝突し、その個所で燃料被覆管を摩耗し損傷を生じさせる。この種の摩損は、燃料および核分裂生成物を冷却材中に漏出させ、燃料集合体の使用を早期に取り止めるか経費をかけて燃料棒を置換しなければならないような燃料破損の重大な原因になるものと認識されている。
【0004】
このような異物の燃料棒への悪影響を防止するために、未照射核燃料を含んでいる新しい燃料集合体の製造中に一体形フィルタ機構を組み込むことが過去において既に試みられている。しかし最近では燃料集合体における使用済み核燃料の保護の問題が一層大きくなり、経費を大きくしている。新しい燃料集合体の製造中にこの集合体に異物防止体を組込むことは知られているが、異物防止体を備えていない使用済み燃料集合体に対してもこのような異物防止体を後から装備させることが望まれている。しかしながら典型的な沸騰水形原子炉の燃料集合体の物理的形状は、極めて高い経費をかけなければ使用済み燃料集合体に異物防止体を装備させることはできない。この理由は特に、(a)異物防止体を燃料集合体に組込む個所である下側タイプレートの形状と、(b)燃料集合体を例えば水面下数フィートにおいて僅かに変更する必要があることにある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、新しい燃料集合体並びに使用済み燃料集合体に対して、その燃料集合体あるいはそのデザインの改変あるいは変更を必要とせずに、燃料集合体の外側でその底の下に燃料集合体が載せられる燃料集合体サポートの内部に配置されるような異物フィルタを提供することにある。
【0006】
更に本発明の課題は、取り外し、再利用および交換ができるような異物フィルタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によればこれらの課題は、冷却材によって運ばれる異物をそれが燃料集合体の中に入り燃料棒被覆管を破損する前に捕獲するための燃料集合体サポートの中に挿入される異物フィルタであって、その燃料集合体サポートが燃料集合体を支える固定座および冷却材を燃料集合体サポートを貫流して燃料集合体まで通過させる流路を有しているものにおいて、異物フィルタがアダプタ、冷却材によって運ばれる異物を捕獲するフィルタ格子および一端がアダプタに取り付けられ他端でフィルタ格子を支える中空シェルを有し、アダプタが上側面に燃料集合体をフィルタの上に位置させる燃料集合体固定座を有し、下側面に燃料集合体サポートの流路の中にフィルタを配置させる下側座面を有し、アダプタに冷却材をフィルタから出して燃料集合体の中に入れる開口が形成されることによって解決される。
【0008】
【実施例】
以下図面に示した実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
【0009】
図1における沸騰水形原子炉の燃料集合体10は、核燃料ペレットが詰められている細長い燃料棒12を9本×9本の配列で有している。燃料棒12は下側タイプレート14と上側タイプレート16との間に支持され、燃料集合体10の全長にわたって燃料棒12を中間で支持するスペーサ格子18を貫通している。燃料棒12の配列の中央における3本×3本の燃料棒に置き換えて内側ウォータチャネル19が設けられている。これに対し外側ウォータチャネル11は燃料棒12およびスペーサ格子18を取り巻いている。本発明は当業者において自明のように異なった形式の沸騰水形原子炉用燃料集合体あるいは図1に示されているものとは異なった燃料棒配列に対しても利用できる。入口ノズル15は多重案内腕形の燃料集合体挿入ガイド13によって包囲されている冷却材入口開口17を有している。各燃料集合体は燃料集合体サポート30の上に載置される。このサポート30は下側炉心プレート20によって横方向に支持され、制御棒案内管21によって垂直方向に支持されている。
【0010】
図2には図1の下側部分が拡大して示されている。燃料集合体サポート30は流路35を形成している外側壁31、内側壁32、冷却材入口オリフィス33および燃料集合体サポート開口34から成っている。原子炉の冷却材は冷却材入口オリフィス33から入り、流路35を通過し、図2に流れ矢印Fで示すように、燃料集合体10の開口17に入り込んで燃料集合体サポート30から出る。燃料集合体10は固定座36に密接しており、これにより燃料集合体10の冷却材入口開口17を迂回する流れの発生が防止される。
【0011】
以下本発明に基づく異物フィルタおよびその燃料集合体サポート内の配置について説明する。
【0012】
図3には、燃料集合体10の下側で燃料集合体サポート30の中に挿入される異物フィルタ50が示されている。この異物フィルタ50は中空シェル52の上側に取り付けられているアダプタ51を有している。中空シェル52はその下端を除いて横断面が半円形をしている。中空シェル52は下端に延長部53を有し、これはフィルタ格子54の外周を取り囲んでいる。横断面が半円形の中空シェル52の下端は斜めに形成されている。フィルタ格子54は図3および図5に示すように横断面半円形の中空シェル52の傾斜下端および延長部53に取り付けられている。シェル52には板ばね55が形成されている。
【0013】
図5は図3におけるV−V線に沿った断面図で、ここには横断面半円形の中空シェル52の内側壁が板ばね55と共に示されている。フィルタ格子54は構造的にリブ56で補強されている。リブ56はフィルタ格子54の個々の部品の間隔を隔てる働きもしている。フィルタ格子54およびリブ56はシェル52および延長部53に取り付けられている。アダプタ51は、燃料集合体サポート開口34および固定座36の形状および機能にそれぞれ対応する異物フィルタ開口57および燃料集合体固定座58を備える。下側座面59は固定座36に接触する下側タイプレート14の部分の形状に対応して形成されている。
【0014】
図7には、燃料集合体10の下側の燃料集合体サポート30の流路35の中に置かれた異物フィルタ50が示されている。下側座面59は燃料集合体サポート30の固定座36に密着している。燃料集合体10の入口ノズル15は異物フィルタ開口57の中に置かれ、アダプタ51の燃料集合体固定座58に接触している。このようにして冷却材は入口オリフィス33の中に入り込み、流路35を通過し、フィルタ格子54を通って流れ、そこで異物が濾過して除去され、その後で燃料集合体10の入口開口17の中に流入する。
【0015】
燃料集合体サポート30の中に異物フィルタ50を組み込むことにより、炉心内における燃料集合体10の反応部分の位置が上昇する。その上昇の大きさはアダプタ51の高さによって決定される。図3〜図8に示されている実施例の場合、燃料集合体の高さは約3/4インチより小さく上昇するだけであり、これは所望によって炉心の設計および燃料集合体の中に完全に挿入されたときの制御棒の位置に関係して変更できる。制御棒の反応部分はそれが完全に挿入されたときに、システム構成要素の通常の公差および燃料の熱と放射に基づいて生ずる成長を考慮に入れて、反応燃料領域のほぼ頂点まで延びなければならない。
【0016】
原子炉の運転中において異物フィルタ50は燃料集合体10の重量によって流路35の中に保たれる。板ばね55は流路35の中における内側壁32の裏側の上端にある凹所37(図7参照)に係合し、燃料交換中あるいは他の燃料取扱作業中に燃料集合体が持ち上げられるとき、流路35の中に異物フィルタ50を保持する働きをする。異物フィルタ50は取り外されるか、あるいは所望に応じてもし一体形異物フィルタが組み込まれている新しい燃料集合体が設置される場合にはそのまま残される。
【0017】
図3〜図8に示されているフィルタ格子54は米国特許第5030412号明細書に記載されている形式となっているが、フィルタ格子54は孔明き金属板、金網、粗目スクリーンなどから作ることもでき、他の種々のデザインを施すこともできる。
【0018】
以上本発明の有利な実施例について図示し説明したが、本発明は勿論当業者において、本発明の技術思想から逸脱することなしに種々変更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に基づいて燃料集合体サポートの上に配置され横方向に支持されている沸騰水形原子炉燃料集合体の断面図。
【図2】図1における燃料集合体の下部、サポートおよび炉心支持プレートの拡大断面図。
【図3】図1および図2の燃料集合体サポートの中に挿入するための本発明に基づく異物フィルタの一部破断側面図。
【図4】図3におけるIV−IV線に沿った異物フィルタの平面図。
【図5】図3におけるV−V線に沿った断面図。
【図6】図5におけるVI−VI線に沿った断面図。
【図7】本発明に基づいて燃料集合体の直下にある燃料集合体サポートの中に異物フィルタが配置されている燃料集合体の下部の断面図。
【図8】図7におけるVIII−VIII線に沿った断面図。
【符号の説明】
10 燃料集合体
12 燃料棒
30 燃料集合体サポート
50 異物フィルタ
51 アダプタ
52 中空シェル
54 フィルタ格子
55 板ばね
Claims (10)
- 冷却材によって運ばれる異物をそれが燃料集合体(10)の中に入り燃料棒被覆管を破損する前に捕獲するための燃料集合体サポート(30)の中に挿入される異物フィルタ(50)であって、
前記燃料集合体サポート(30)が燃料集合体(10)を支える固定座(36)および冷却材を燃料集合体サポート(30)を貫流して燃料集合体(10)まで通過させる流路(35)を有するものにおいて、
この異物フィルタ(50)がアダプタ(51)、冷却材によって運ばれる異物を捕獲するフィルタ格子(54)および一端がアダプタに取り付けられ他端でフィルタ格子を支える中空シェル(52)を有し、
前記アダプタ(51)が、上側面に燃料集合体(10)をフィルタの上に配置させる燃料集合体固定座(58)、下側面に燃料集合体サポート(30)の流路(35)の中にフィルタを配置させる下側座面(59)をそれぞれ有し、
前記アダプタに冷却材をフィルタ(50)から出して燃料集合体(10)の中に入れる開口(57)が形成されており、しかも前記フィルタ格子(54)が原子炉の冷却材の流路(35)に対し傾斜して配置されたことを特徴とする沸騰水形原子炉燃料集合体の異物フィルタ。 - フィルタ格子(54)を備えていることを特徴とする請求項1記載の異物フィルタ。
- 中空シェル(52)がほぼ半円形の横断面を有する壁であることを特徴とする請求項2記載の異物フィルタ。
- フィルタ格子(54)が燃料集合体サポート(30)の流路(35)を横切って延びることを特徴とする請求項3記載の異物フィルタ。
- 横断面半円形の中空シェル(52)の下端が傾斜していることを特徴とする請求項4記載の異物フィルタ。
- 横断面半円形の中空シェル(52)の下端がフィルタ格子(54)の周りを延びる延長部(53)を有していることを特徴とする請求項5記載の異物フィルタ。
- フィルタ格子(54)が板金、金網あるいは粗目スクリーンの材料で作られていることを特徴とする請求項6記載の異物フィルタ。
- 燃料集合体(10)が燃料集合体サポート(30)から持ち上げられるとき燃料集合体サポートの流路(35)の中に異物フィルタ(50)を保持するために、横断面半円形の中空シェル(52)にばね(55)が形成されていることを特徴とする請求項6記載の異物フィルタ。
- 燃料集合体(10)が燃料集合体サポート(30)から持ち上げられるとき燃料集合体サポートの流路(35)の中に異物フィルタ(50)を保持するために、アダプタ(51)にばねが形成されていることを特徴とする請求項6記載の異物フィルタ。
- アダプタの高さが1.9cmより小さいことを特徴とする請求項6記載の異物フィルタ。
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