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JP3605324B2 - 生分解性袋 - Google Patents
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JP3605324B2 - 生分解性袋 - Google Patents

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生分解性袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラスチック製品の多く、特にプラスチック包装材は、使用後すぐに棄却されることが多く、その処理問題が指摘されている。一般包装用プラスチックとして代表的なものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられるが、これら材料は燃焼時の発熱量が多く、燃焼処理中に燃焼炉を傷める恐れがある。さらに現在でも使用量の多いポリ塩化ビニルは、その自己消化性のため燃焼することができない。また、このような焼却できない材料も含めプラスチック製品は埋め立て処理されることが多いが、その化学的、生物的安定性のため、ほとんど分解せず残留し、埋立地の寿命を短くする等の問題を起こしている。
【0003】
また、プラスチック包装材の中には、プラスチックフィルムにアルミニウム層を積層したアルミニウム積層体が知られている。この積層体は、ガスバリア性が高く、プレススルーパック、容器本体の蓋、インナーシール材或いは容器本体素材等の包装材として、広く使用されている。
【0004】
これらのアルミニウム積層体に使用されるプラスチックフィルムも上記の材質が使用されており、上記と同様の処理問題を有している。
【0005】
これらに対し、燃焼熱量が低く、土壌中で分解し、かつ安全であるものが望まれ、多くの研究がなされている。
【0006】
その一例として、ポリ乳酸がある。ポリ乳酸は、燃焼熱量はポリエチレンの半分以下、土中・水中で自然に加水分解が進行し、次いで微生物により無害な分解物となる。現在、ポリ乳酸を用いて成型物、具体的にはフィルム・シートやボトルなどの容器等を得る研究がなされている。
【0007】
ポリ乳酸をアルミニウム積層体を構成するプラスチックフィルムとして使用することは、特開平8−290526号公報や特開平11−35058号公報に開示されている。特開平8−290526号公報においては、ポリ乳酸を使用したアルミニウム積層体の生分解性の良好さが開示されている。また、特開平11−35058号公報においては、ポリ乳酸を用いてもヒートシール性が良好であることが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の2つの公報に記載のアルミニウム積層体を用いた場合、十分なヒートシール性を示さないことがある。
【0009】
そこで、この発明は、安定して十分なヒートシール性を示す、自然環境中で分解性をもつアルミニウム積層体から製造される袋を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、下記化学式(1)の構造を有する脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系重合体とを主成分とするフィルムに、アルミニウム層を積層した積層体をヒートシールしてなり、上記フィルム中の脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系重合体との割合が、重量比で100:0〜70:30であり、上記ヒートシール部分の引張強度が0.5kgf/15mm以上であると共に、上記ヒートシール部分の引張伸びが50%以上としたのである。
【0011】
【化3】
Figure 0003605324
【0012】
(式中、RおよびRは、炭素数2〜10のアルキレン基又はシクロアルキレン基である。nは、重量平均分子量が2万〜30万となるのに必要な重合度である。n個のR又はRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、式中には、エステル結合残基に代えて、ウレタン結合残基及び/又はカーボネート結合残基を重量平均分子量の5%まで含有することができる。)
本発明の好ましい実施態様としては、アルミ層の、脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系重合体とを主成分とするフィルムが積層されていない側に、ポリ乳酸系重合体を主成分とする2軸延伸フィルムが積層されていることを特徴とする上記の生分解性袋、前記脂肪族ポリエステルのガラス転移点が0℃以下であることを特徴とする上記の生分解性袋、前記脂肪族ポリエステルの重量平均分子量が2万〜30万であることを特徴とする上記の生分解性袋、前記脂肪族ポリエステルが、1,4−ブタンジオール、コハク酸、アジピン酸を主成分とする共重合体であることを特徴とする上記の生分解性袋、前記ポリ乳酸系重合体の重量平均分子量が6万〜70万であることを特徴とする上記の生分解性袋が挙げられる。
【0013】
所定の脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系重合体とを所定割合有するフィルムを用いたので、良好なヒートシール性を有する積層体を得ることができる。この積層体は、アルミニウム層を有する積層体であり、ガスバリア性を有する。このため、この積層体の一部を熱融着することにより袋を製造すると、ガスバリア性の高い袋を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を説明する。
【0015】
この発明にかかる生分解性袋は、所定の脂肪族(脂環族も含む。以下同じ。)ポリエステルを主成分とするフィルムに、アルミニウム層を積層した積層体をヒートシールして形成される。
【0016】
上記所定の脂肪族ポリエステルは、下記化学式(1)の構造を有する脂肪族ジカルボン酸単位と脂肪族ジオール単位を主成分とする重合体である。
【0017】
【化4】
Figure 0003605324
【0018】
式中、RおよびRは、炭素数2〜10のアルキレン基又はシクロアルキレン基である。nは、重量平均分子量が2万〜30万となるのに必要な重合度である。n個のR又はRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0019】
また、上記化学式(1)中には、エステル結合残基に代えて、ウレタン結合残基及び/又はカーボネート結合残基を重量平均分子量の5%まで含有することができる。このウレタン結合残基やカーボネート結合残基は、鎖延長剤による残基である。
【0020】
さらに、脂肪族ジカルボン酸単位と脂肪族ジオール単位以外に、少量共重合体モノマーとして、乳酸/及び/又は乳酸以外のヒドロキシカンルボン酸単位、非脂肪族ジカルボン酸単位及び/又は非脂肪族ジオール単位等を含んでもよい。
【0021】
上記脂肪族カルボン酸成分としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、またはこれらの無水物や誘導体が挙げられる。一方、脂肪族アルコール成分としては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオール、またはこれらの誘導体が挙げられる。いずれも、炭素数2〜10のアルキレン基またはシクロアルキレン基を持つ、2官能性化合物を主成分とするものが好ましい。もちろん、これらカルボン酸成分あるいはアルコール成分のいずれにおいても、2種類以上用いても構わない。
【0022】
また、溶融粘度の向上のためポリマー中に分岐を設ける目的で、3官能以上のカルボン酸、アルコールあるいはヒドロキシカルボン酸を用いることができる。具体的には、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸あるいはペンタエリスリットやトリメチロールプロパン等の多官能性成分を用いることができる。これらの成分は多量に用いると、得られるポリマーが架橋構造を持ち、熱可塑性でなくなったり、熱可塑性であっても部分的に高度に架橋構造を持ったミクロゲルが生じ、フィルムにしたときフィッシュアイとなる恐れがある。従って、これら多官能性成分が、ポリマー中に含まれる割合は、ごくわずかで、ポリマーの化学的性質、物理的性質を大きく左右しない程度に制限される。
【0023】
上記所定の脂肪族ポリエステルの重量平均分子量は、2万〜30万がよく、10万〜25万が好ましい。2万より小さいとポリマーとしての性質が劣り、特にヒートシール性の向上につながらないばかりか、経時的にフィルム表面にブリードするなどの不具合を生じさせる場合がある。また、30万より大きいと溶融粘度が高くなりすぎて、後述するポリ乳酸系重合体との混合性の低下や、フィルムにするときの押出成形性の低下を招く。このような観点から、上記脂肪族ポリエステルの重量平均分子量は、特に15万〜25万が好ましい。
【0024】
また、上記所定の脂肪族ポリエステルは、耐衝撃性の改良効果、耐寒性の点から、ガラス転移点(Tg)が0℃以下であることが好ましい。
【0025】
特に好適な脂肪族ポリエステルとしては、例えばポリエチレンスベレート、ポリエチレンセバケート、ポリエチレンデカンジカルボキシレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケートやこれらの共重合体、例えば、1,4−ブタンジオールと、コハク酸及びアジピン酸を主成分とする共重合体等があげられる。
【0026】
上記所定の脂肪族ポリエステルを調整するには、直接法、間接法等公知の方法を採用することができる。例えば、直接法は、脂肪族カルボン酸成分と脂肪族アルコール成分とを、これらの成分中に含まれる、あるいは重合中に発生する水分を除去しながら直接重合して高分子量物を得る方法である。間接法は、オリゴマー程度に重合した後、上記ポリ乳酸系重合体の場合と同様、少量の鎖延長剤を使用して高分子量化する間接的な製造方法である。
【0027】
この発明で使用される所定の脂肪族ポリエステルとしては、上述した所定の脂肪族ポリエステル(以下、「第1脂肪族ポリエステル」と称する。)以外に、第1脂肪族ポリエステルと後述するポリ乳酸系重合体とのブロック共重合体(その一部エステル交換生成物、少量の鎖延長剤残基を含んだ生成物も含む)を含む。
【0028】
このブロック共重合体は、任意の方法で調整することができる。例えば、第1脂肪族ポリエステルまたはポリ乳酸系重合体のいずれか一方を別途重合体として準備しておき、この重合体の存在下に他方の構成モノマーを重合させる。通常は、予め準備した第1脂肪族ポリエステルの存在下でラクチドの重合を行うことにより、ポリ乳酸系重合体と第1脂肪族ポリエステルのブロック共重合体を得ることができる。基本的には、第1脂肪族ポリエステルを共存させる点が相違するだけで、ラクチド法でポリ乳酸系重合体を調整する場合と同様に重合を行うことができる。この時、ラクチドの重合が進行すると同時に、ポリ乳酸系重合体と第1脂肪族ポリエステルの間で適度なエステル交換反応が起こり、比較的ランダム性が高い共重合体が得られる。出発物質として、ウレタン結合を有する脂肪族ポリエステルウレタンを用いた場合には、エステル−アミド交換も生成する。
【0029】
また、諸物性を調整する目的で、熱安定剤、光安定剤、光吸収剤、滑剤、可塑剤、無機充填材、着色剤、顔料等を添加することもできる。
【0030】
この発明にかかる生分解性袋は、上記の化学式(1)の構造を有する所定の脂肪族ポリエステルを主成分とするフィルム以外に、上記の化学式(1)の構造を有する所定の脂肪族ポリエステルと、ポリ乳酸系重合体とを主成分とするフィルムに、アルミニウム層を積層した積層体をヒートシールして形成したものでもよい。上記の化学式(1)の構造を有する所定の脂肪族ポリエステルとしては、上記と同様のものを使用することができる。
【0031】
上記ポリ乳酸系重合体は、L−、D−またはDL−乳酸単位を主成分とする重合体であって、少量共重合成分として他のヒドロキシカルボン酸単位を含んでもよく、また少量の鎖延長剤残基を含んでもよい。上記所定の脂肪族ポリエステルにこのポリ乳酸系重合体を混合することにより、得られるフィルムの強度、および弾性率の向上を図ることができる。また、安定的なヒートシール性を得ることができる。
【0032】
重合法としては、縮重合法、開環重合法等公知の方法を採用することができる。例えば、縮重合法では、L−乳酸またはD−乳酸あるいはこれらの混合物を直接脱水縮重合して、任意の組成を持ったポリ乳酸を得ることができる。
【0033】
また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調節剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸を得ることができる。
【0034】
ポリ乳酸に共重合されるモノマーとしては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対しては、D−乳酸が、D−乳酸に対しては、L−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
【0035】
本発明において使用されるポリ乳酸系重合体の重量平均分子量の好ましい範囲としては6万〜70万であり、より好ましくは8万〜40万、特に好ましくは10万〜30万である。分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、大きすぎると溶融粘度が高すぎ成形加工性に劣る。
【0036】
上記の化学式(1)の構造を有する所定の脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系重合体とを主成分とするフィルム中の脂肪族ポリエステルの含有量は、脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系重合体との合計量に対して、70重量%以上がよい。ポリ乳酸系重合体が多すぎると、フィルムのヒートシール強さ試験での伸びが失われ、袋の実用性を低下させる。
【0037】
上記の化学式(1)の構造を有する所定の脂肪族ポリエステルを主成分とするフィルム、又は、上記の化学式(1)の構造を有する所定の脂肪族ポリエステルと、ポリ乳酸系重合体とを主成分とするフィルム(以下、これらを併せて「生分解性フィルム」と称する。)の製造、特にキャスティングフィルムの製造は、同一の押出機にそれぞれの原料を投入して行う。そのまま金口より押出して直接フィルムを作製する方法、あるいはストランド形状に押し出してペレットを作製し、再度押出機にてフィルムを製造する方法がある。いずれも、分解による分子量の低下を考慮しなければならないが、均一に混合させるには後者を選択する方がよい。原料の上記所定の脂肪族ポリエステル及びポリ乳酸系重合体は、充分に乾燥し、水分を除去した後押出機で溶融する。上記ポリ乳酸系重合体がL−乳酸構造とD−乳酸構造の組成比によって融点が変化することや、上記所定の脂肪族ポリエステルの融点、及び両者の混合の割合を考慮して、適宜溶融押出温度を選択する。通常、100〜250℃の温度範囲が選ばれる。
【0038】
本発明における積層体は、上記生分解性フィルムの層とアルミニウム層からなる。さらに、デッドホールド性アップの観点から、上記生分解性フィルムが積層されていない上記アルミニウム層の面に、上記のポリ乳酸系重合体を主成分とする2軸延伸フィルムを積層することが好ましい。
【0039】
上記のデッドホールド性とは、フィルムあるいは積層フィルムを折り込んだ場合、折り込んだ部分のもどりが少ない、しっかりと折り込めるという性質をいう。特にポリエチレンやポリプロピレンといった比較的弾性率の低いプラスチックフィルムでつくられた袋、なかでもガゼット型にして内容物の形態に即した袋については、内容物を入れた後では全体に膨れ気味であったり、たるみ・しわが発生して見栄えの悪いものになる。アルミ箔を積層することでデッドホールド性は向上するが、アルミ箔が薄い場合、あるいは/また上記フィルムが厚い場合ではこの効果が小さい。
【0040】
一方、上記のポリ乳酸系2軸延伸フィルムは透明で、弾性率が高く、デッドホールド性に優れている。よって、上記ポリ乳酸系2軸延伸フィルムをアルミニウム層の一方の側に積層することで全体としてデッドホールド性を向上するばかりでなく、上記ポリ乳酸系2軸延伸フィルムに印刷し、その印刷面をアルミニウム層側と接着することで、印刷部分の保護が可能となる。
【0041】
上記ポリ乳酸系2軸延伸フィルムの製造方法としては、Tダイ、Iダイ、丸ダイ等から押し出ししたシート状物または円筒状物を冷却キャストロールや水、圧空等により急冷し非結晶に近い状態で固化させた後、ロール法、テンター法、チューブラー法等により2軸に延伸する方法が挙げられる。
【0042】
延伸条件としては、延伸温度55〜90℃、好ましくは65〜80℃、縦延伸倍率1.5〜5倍、好ましくは2〜4倍、横延伸倍率1.5〜5倍、好ましくは2〜4倍、延伸速度10〜100000%/分、好ましくは100〜10000%/ 分である。しかしながら、これらの適正範囲は重合体の組成や、未延伸シートの熱履歴によって異なってくるので、フィルムの面内配向指数、面配向指数を見ながら適時決めるのがよい。
【0043】
上記積層体の製造方法、すなわち、アルミニウム層と、上記生分解性フィルム及びポリ乳酸系2軸延伸フィルムとの積層方法としては、アルミ箔を接着剤を用いて上記生分解性フィルム及び2軸延伸フィルムに積層してもよいし、アルミニウムを蒸着により上記生分解性フィルム又は2軸延伸フィルムに積層してもよい。
【0044】
上記接着剤としては、既存の合成接着剤が使用でき、ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系やそれらのウレタン系接着剤を用いることができる。また、生分解性という点では、デンプンなどの炭水化物類、膠、ゼラチン、カゼインなどのタンパク質類、未加硫天然ゴムなどがあげられる。また、使用するアルミ箔の接着面にはあらかじめ火炎処理やAC剤などが塗工されているなどの易接着処理されていてもかまわない。
【0045】
積層後のアルミニウム層の厚みは100Å以上がよく、500Å以上100μm以下が好ましい。これ未満では、得られる積層体のガスバリア性、非透湿性の点で好ましくない。また、100μmの厚みを越えるアルミニウム層では、袋自体の重みと腰が高くなりすぎ、実用的でない。
【0046】
上記生分解性フィルム単独では、ガスバリア性、防湿性に劣る不具合を有する。したがって、アルミ箔を始め他の金属箔あるいはプラスチックフィルム類を積層又は蒸着してこの短所を補うことができる。さらにアルミニウム層を設けることで遮光性、断熱性についても優れたものになる。ここで上記生分解性フィルムの特徴はヒートシーラント材としての機能を有することである。ヒートシーラント材に求められる機能はヒートシール性であり、このヒートシール性とは、比較的低温でシールが可能であり、シール部分が容易に剥離せず、すなわち強度に優れていることである。ヒートシールとは、特に製袋工程ではフィルム同士を重ね合わせ、加熱された金属バーを押し付けてシーラント材を一旦溶融し、次いで加熱バーを剥がし、冷却固化してシールするものである。低温でシールできるならば加熱バーの接触時間を短くすることができ、連続して生産する時には単位時間内での作業数が向上する。
【0047】
また、シール強度が高いと包装する内容物の荷重によるシール部分の剥離は起り難くなる。このとき重要な要素は単に強度だけでなくシール部分の伸びについても注目する必要がある。アルミ箔等と積層した場合の上記生分解性フィルムのヒートシール部分の強さ試験を行うと、アルミ箔自体の伸びはおよそ2〜8%程度しかなく、実質アルミ箔は伸びない。この試験中にはアルミ箔は破断を起こすが、フィルムに伸びが十分ある場合は、生分解性フィルムは容易に破断しない。上記生分解性フィルムとアルミ箔が十分に融着しているときには、まず上記生分解性フィルムが伸びきり、次いで伸びきった上記生分解性フィルムの抗長力に耐え切れず剥離が始まるか、もしくは上記生分解性フィルム自体が破断する。したがって、強度とともに伸びも観察することはシール部分の強さを求めていることでもあり、より実用性能の高い袋を製造することとなる。
【0048】
ヒートシール強さはJIS Z1711「ポリエチレンフィルム製袋」に記載されている方法で測定するのが一般的で、また、要求されるシール強さもフィルムの厚みによって異なるが、このJIS Z1711に記載されている要求では少なくとも0.32kg/15mm以上である。上記積層体のヒートシール部分においては、0.5kg/15mm以上であることが好ましい。これ未満では本フィルムの性能を十分に引き出してヒートシールしているとは言えない。また、上記積層体のヒートシール部分の伸びについては、少なくとも50%以上、好ましくは100%以上、さらにこのましくは200%以上である。これを下回ると、本積層体の性能を十分に引き出して使用していないばかりか、シール部分が剥離あるいは引裂かれてしまう。
【0049】
上記積層体は、自然界に還元される。すなわち、アルミニウム層は自然界あるいはコンポスト中で酸化され、フィルム部分は分解性を有する。このため、自然界中に放置しても、環境に悪影響を及ぼすことはない。
【0050】
この発明にかかる生分解性袋は、化粧品、菓子類等の食品、ネガフィルム等の防湿包装用袋、プレススルーパック、容器本体の蓋材として使用することができる。
【0051】
【実施例】
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。
【0052】
(実施例1)
フィルム原料樹脂として、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製;ビオノーレ#1001)を用いて生分解性袋を製造した。まず、上記フィルム原料樹脂を十分乾燥した後、40mmΦの単軸押出機にて溶融させ、リップの幅が300mmあるTダイより押出し、温水循環器にて温度30℃に設定したキャスティングロールに接触させて急冷し巻取り、厚さ30μmのフィルムを作製した。
【0053】
得られたフィルムの片面に50W/m/minの強度でコロナ処理し、表面のぬれ張力を向上させた。
【0054】
A4サイズに切り出した5μm厚みのアルミ箔の表面に脂肪族ポリエステル系ドライラミネート用接着剤タケラックA−315/タケネートA−50(割合15/1)(武田薬品工業(株)製)をメイヤーバーで厚さ約3μmに塗工し、直ちにコロナ処理面を接着面として、A4サイズに切り出したフィルムを貼り合わせた。このラミネートフィルムを40℃で2日間エージングした。このフィルムを下記の方法で製袋し、下記の評価の評価結果を表1に示す。
【0055】
製袋・シール方法
130mm×170mmに切り出したフィルムを用意し、これをヒートシーラント材となる脂肪族ポリエステル面同士が接触するように重ね合わせ、図1に示すようにガゼット型の袋1を作製した。シール部分は、合わせ目2と開口部3の合計3か所である。
【0056】
シール条件は120〜150℃の間で適宜設定した加熱バーでおよそ3秒間押し当てた後、放冷した。加熱バーの幅は10mm、圧力1.5kgf/cmである。
【0057】
シール強度および伸び
ヒートシール強さはJIS Z1711「ポリエチレンフィルム製袋」に記載されている方法で15mm幅における強度、ならびにシール部分の剥離もしくはフィルムの破断時の伸びを求めた。伸びは、試験開始のチャック間距離を40mmとし、下記式で求めた。
伸び(%)=〔(剥離あるいは破断時のチャック間距離)−(開始チャック間距離)〕/(開始チャック間距離)×100
【0058】
デッドホールド性
上記の袋1中に、角を丸めた縦80mm×横52mm×高さ22mmで重さ約90gの石鹸を入れ、密封した。この包装物を平らな面に置き、開口部3にあたる部分が垂れ下がり平面に接触し、折れ目がはっきりしないものには×、垂れ下がりがなくフィルムの折れ目がはっきりし、全体に整っているものを○、やや垂れ下がり気味で、折れ目もはっきりしないものについては△と表記した。
【0059】
落下試験
デッドホールド性で試験した石鹸の包装物を、どちらかの開口部3にあたる部分を下向きにして高さ2mの位置から平らなコンクリート面に向かって真っ直ぐ自由落下させた。そのときのシール部分の開放具合を観察した。シール部分が開いているものを×、そうでないものを○と表記した。
【0060】
ガスバリア性
JIS K7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」において、酸素の透過性をフィルムあるいは積層体について調べた。測定はA法( 差圧法) を用い、25℃/50%RH雰囲気下で行った。測定値が10cm/m・24hr−atm以下の場合を○、それを越える場合は×と表記した。
【0061】
ちなみにオレフィン類は、厚さ25μmで2000〜8000の数値を示し、PVDCコートOPPでは16以下、表面をオレフィン等で積層した防湿ナイロンでは20〜50の数値を示す。PVDCコートナイロンでは約10である。
【0062】
防湿性
JIS K7129「プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法」でフィルムあるいは積層体について調べた。試験条件はA法( 感湿センサー法)で、40℃/90%RH雰囲気下で行った。透湿度が50を下回るものは防湿性が高く○と表記し、50を越えるものには×と表記した。
【0063】
ちなみにオレフィン類は、厚さ25μmで20〜50の数値を示し、PVDCコートOPPでは約5、無延伸ナイロンでは200〜400、PVDCコートナイロンでは約5、またPVCでも約5の数値を示す。
【0064】
(比較例1)
実施例1で製造した所定の脂肪族ポリエステルからなるキャスティングフィルムを上記の方法で製袋し、上記の評価の評価結果を表1に示す。
【0065】
(実施例2)
実施例1で製造した積層体のアルミ箔側にさらに2軸延伸ポリ乳酸フィルム(25μm)をラミネートした。接着条件は実施例1における脂肪族ポリエステルとアルミ箔との接着方法と同様にした。この積層体を上記の方法で製袋し、上記の評価の評価結果を表1に示す。
【0066】
(実施例3)
フィルム原料樹脂として、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製;ビオノーレ#3003)を用いた以外は、実施例2と同様にして積層体を製造した。この積層体を上記の方法で製袋し、上記の評価の評価結果を表1に示す。
【0067】
(実施例4)
フィルム原料樹脂として、実施例3で使用したポリブチレンサクシネート、及びポリ乳酸(島津製作所社製;EcoPLA4040D)を表1に記載の割合で混合したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。この積層体を上記の方法で製袋し、上記の評価の評価結果を表1に示す。
【0068】
(比較例2)
フィルム原料樹脂として、実施例3で使用したポリブチレンサクシネート、及び実施例4で使用したポリ乳酸を表1に記載の割合で混合したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。この積層体を上記の方法で製袋し、上記の評価の評価結果を表1に示す。
【0069】
(比較例3)
フィルム原料樹脂として、実施例4で使用したポリ乳酸を用いた以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。この積層体を上記の方法で製袋し、上記の評価の評価結果を表1に示す。
【0070】
(比較例4)
フィルム原料樹脂として、ICI社製;バイオポールD300Gを用いた以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。この積層体を上記の方法で製袋し、上記の評価の評価結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 0003605324
【0072】
【発明の効果】
この発明によれば、所定の脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系重合体とを所定割合有するフィルムを用いたので、良好なヒートシール性を有する積層体を得ることができる。この積層体は、アルミニウム層を有する積層体であり、ガスバリア性を有する。このため、この積層体の一部を熱融着することにより袋を製造すると、ガスバリア性の高い袋を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガゼット型袋の例を示す斜視図
【符号の説明】
1 ガゼット袋
2 合わせ目
3 開口部

Claims (2)

  1. 下記化学式(1)の構造を有する脂肪族ポリエステルを主成分とするフィルムに、アルミニウム層を積層し、かつ、上記のフィルムが積層されていない上記アルミニウム層の面に、ポリ乳酸系重合体を主成分とする2軸延伸フィルムを積層した積層体をヒートシールしてなり、
    上記ヒートシール部分の引張強度が0.5kgf/15mm以上であると共に、上記ヒートシール部分の引張伸びが50%以上である生分解性袋。
    Figure 0003605324
    (式中、R1 およびR2 は、炭素数2〜10のアルキレン基又はシクロアルキレン基である。nは、重量平均分子量が2万〜30万となるのに必要な重合度である。n個のR1 又はR2 は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、式中には、エステル結合残基に代えて、ウレタン結合残基及び/又はカーボネート結合残基を重量平均分子量の5%まで含有することができる。)
  2. 下記化学式(1)の構造を有する脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系重合体とを主成分とするフィルムに、アルミニウム層を積層し、かつ、上記のフィルムが積層されていない上記アルミニウム層の面に、ポリ乳酸系重合体を主成分とする2軸延伸フィルムを積層した積層体をヒートシールしてなり、
    上記フィルム中の脂肪族ポリエステルの含有量は、脂肪族ポリエステルとポリ乳酸系重合体との合計量に対して70重量%以上であり、
    上記ヒートシール部分の引張強度が0.5kgf/15mm以上であると共に、上記ヒートシール部分の引張伸びが50%以上である生分解性袋。
    Figure 0003605324
    (式中、R1 およびR2 は、炭素数2〜10のアルキレン基又はシクロアルキレン基である。nは、重量平均分子量が2万〜30万となるのに必要な重合度である。n個のR1 又はR2 は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、式中には、エステル結合残基に代えて、ウレタン結合残基及び/又はカーボネート結合残基を重量平均分子量の5%まで含有することができる。)
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